JP2976356B2 - エンジンの高圧燃料噴射装置 - Google Patents

エンジンの高圧燃料噴射装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高速ディーゼル
エンジンに好適の高圧燃料噴射装置に関し、特にエンジ
ンの低速回転時における噴射量の制御精度を向上でき、
かつ高速回転時に必要な最大噴射量を確保できるように
した燃料圧力−燃料噴射量特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば高速ディーゼルエンジンに採用さ
れる高圧燃料噴射装置として、いわゆる蓄圧式のものが
ある(例えば特開平1-36971号公報参照)。この公報記
載の高圧噴射装置は、高圧燃料が導入される蓄圧室と、
該蓄圧室に連通孔で連通する背圧室と、該背圧室に細孔
で連通するとともに該細孔を開閉する電磁弁を収容する
バルブ室と、後端が上記背圧室内に位置するように上記
蓄圧室内に配置され、先端で噴射ノズルを開閉する噴射
弁体と、該噴射弁体を閉方向に付勢する付勢ばねとを備
えている。この従来装置では、上記電磁弁で上記細孔を
開いて背圧室内の圧力を逃がすことにより燃料圧力によ
る開弁力が大きくなり、これによって上記噴射弁体が後
退して噴射ノズルを開く。一方、上記電磁弁で上記細孔
を閉じて背圧室内の圧力を上昇させることにより背圧室
圧力,及び付勢ばねによる閉弁力が大きくなり、これに
よって上記噴射弁体が前進して噴射ノズルを閉じる。こ
のようにして噴射ノズルが開いている期間に燃料が噴射
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来の蓄
圧式高圧燃料噴射装置では、特にエンジンの低速回転時
における噴射量の制御精度が確保しにくく、アイドリン
グが不安定になり易いという問題がある。この点を図6
(a) の蓄圧室燃料圧力−燃料噴射量特性曲線を参照して
説明する。図中、特性曲線aは一回当たりの噴射時間
(具体的には駆動パルス幅)が長い低速回転側の特性
を、特性曲線dは駆動パルス幅の短い高速回転側の特性
を示している。同図からも明らかなように、低速回転・
低負荷領域では駆動パルス幅の長い特性曲線aに沿って
噴射することから燃料圧力−噴射量の関係が敏感であ
り、そのため噴射量をQmin に設定するアイドリング調
整を行う場合、僅かに設定圧力を変化させただけで噴射
量が大きく変動し、結局アイドリング回転が不安定にな
り易い。一方、高速回転側では駆動パルス幅の短い特性
曲線dに沿って噴射することから燃料の許容最大圧力P
max の如何によっては噴射量が必要最大噴射量Qmax に
達しない場合が生じる。
【0004】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、低速回転・低負荷領域における燃料噴射量の
制御精度を向上でき、かつ高速回転・高負荷時に必要な
最大燃料噴射量を確保できるようにしたエンジンの高圧
燃料噴射装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、高圧
燃料が導入される蓄圧室と、該蓄圧室に連通孔で連通す
る背圧室と、該背圧室に細孔で連通するバルブ室と、該
バルブ室内に収容され上記細孔を開閉する電磁弁と、上
記蓄圧室内に配置され、先端で噴射ノズルを開閉する噴
射弁体と、該噴射弁体をノズル閉方向に付勢する付勢ば
ねとを備え、上記電磁弁で上記細孔を開いて背圧室内の
圧力を逃がすことにより上記噴射弁体で噴射ノズルを開
き、上記電磁弁で上記細孔を閉じて背圧室内の圧力を上
昇させることにより上記噴射弁体で噴射ノズルを閉じる
ことにより、単位時間当たりの噴射量(噴射率δq/δ
t)の噴射期間内における時間変化である噴射パターン
に沿って燃料を噴射するようにしたエンジンの高圧燃料
噴射装置において、上記付勢ばねのばね定数を、ばねの
撓み量が大きくなるにつれて小さくなるように設定する
ことにより、上記噴射パターンを、低速回転・低負荷領
域では上記噴射率が噴射期間の途中で略一定となり、高
速回転・高負荷領域では上記噴射率が噴射期間の後半に
て最大となるように設定したことを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明に係る高圧燃料噴射装置によれば、噴射
パターンを、低速回転・低負荷領域では、例えば図1に
実線で示すように、噴射期間θ2の途中で噴射率が略一
定となるように設定したので、燃料圧力の増大に対して
燃料噴射量は緩やかに増加することとなり、一回当たり
の駆動パルスの幅の長い低速回転・低負荷領域における
燃料圧力−燃料噴射量特性は、図6(b) に曲線a′で示
すように従来のものより緩やかになる。そのため燃料圧
力をある程度大きく変化させて始めて噴射量が大きく変
化することとなり、それだけ噴射量制御精度が向上し、
アイドリング調整が容易となる。
【0007】一方、上記噴射パターンを、高速回転・高
負荷領域では、例えば図2に実線で示すように、噴射期
間θ4の後半で噴射率が最大となるように設定したの
で、その駆動パルス幅は上記最大値が後半側に移行した
分だけ長くなる。そのためより低い燃料圧力で必要最大
噴射量が得られる特性、例えば図6(b)の特性曲線c′
に沿って噴射できることとなり、許容最大燃料圧力Pma
xの範囲で必要な最大燃料噴射量Qmax の確保が容易と
なる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1ないし図9は本発明の成立過程及び第1実施例
による高速ディーゼルエンジン用高圧燃料噴射装置を説
明するための図であり、特に図7ないし図9は第1実施
例の特徴部分を示している。図において、10は高圧燃
料噴射装置であり、これはケーシング25を仕切プレー
ト28でバルブ室29と蓄圧室38とに画成し、蓄圧室
38内に噴射弁体26を、バルブ室29内に電磁弁27
をそれぞれ配置した構造となっている。上記ケーシング
25は、図示上端が閉塞された筒状のインナケース23
と、図示下端にノズルキャップ30が、上端に上記イン
ナケース23がそれぞれ螺挿された円筒状のアウタケー
ス24とから構成されている。
【0009】上記仕切プレート28は円板状のもので、
そのフランジ部28gが上記アウタケース24の段部2
4aと上記インナケース23の図示下端とで挾持されて
いる。上記蓄圧室38は、上記仕切プレート28に形成
された燃料供給孔28c、リング状の溝28d,及び上
記インナケース23に形成された燃料導入孔23d,2
3cを介して高圧パイプ7に連通している。この高圧パ
イプ7は燃料タンク5に接続されており、該高圧パイプ
7の途中には高圧ポンプ5が介設されている。
【0010】また上記仕切プレート28の軸芯部分には
小径円筒状空間である背圧室28aが形成されており、
該背圧室28aは細孔28bで上記バルブ室29に連通
している。またこの背圧室28a内には上記噴射弁体2
6の上端のピストン部26bが摺動可能に挿入されてお
り、該ピストン部26bに形成された連通孔26aによ
って上記背圧室28aと上記蓄圧室38とが連通してい
る。
【0011】上記電磁弁27は、内側,外側部分に分解
可能のホルダ31内にリング状のコイル32を配置する
とともに、該ホルダ31の軸芯に弁軸33aを摺動可能
に挿入した構造のものである。上記ホルダ31の下端部
は上記仕切プレート28の上部外周に嵌合固着されてお
り、また上記弁軸33aの下端に一体形成された弁板3
3bが上記背圧室28aと連通する細孔28bを開閉す
るようになっている。また上記弁軸33aの上端面には
押圧ばね39が当接しており、該押圧ばね39の一端は
位置決ボルト40でホルダ31上に位置決めされてお
り、他端は調整ロッド41で押圧されている。この調整
ロッド41はインナケース23に螺挿されて外方に突出
しており、該突出部41aにはキャップ42が装着され
ている。この調整ロッド41をケーシング25の外側か
ら回転させることによって上記押圧ばね39の押圧力を
調整できるようになっている。なお、34は上記コイル
32に電圧を印加するための外部接続端子であり、これ
は上記インナケース23の上端部にシールして装着され
ている。
【0012】そして上記インナケース23の周壁には、
導入通路23a,排出通路23bが軸方向に延びるよう
形成されており、導入通路23aは上記ホルダ31の下
端外周に凹設されたリング状の溝,貫通孔を介して上記
バルブ室29の底面付近に連通しており、上記排出通路
23bは上記バルブ室29の上端付近に連通している。
さらに上記導入通路23aは、接続パイプ43a,循環
パイプ8を介して、排出通路23bは接続パイプ43
b,戻りパイプ9を介してそれぞれ上記燃料タンク2に
接続されており、循環パイプ8の途中にはフィードポン
プ6が介設されている。なお4は燃料フィルタである。
これにより、燃料タンク2とバルブ室29との間で燃料
を循環させる燃料循環系が構成されている。
【0013】上記噴射弁体26の下部は、上記ノズルキ
ャップ30に形成されたガイド孔30a内に摺動可能に
挿入され、その先端部は上記ノズルキャップ30の噴射
ノズル30bを開閉するようになっている。また上記噴
射弁体26の中程に装着固定された下ばね座37と、上
記仕切プレート28の下面に当接するように装着された
上ばね座35との間には付勢ばね36が介設されてお
り、これによりこの噴射弁体26は噴射ノズル30bを
閉じる方向に付勢されている。
【0014】ここで上記噴射ノズル30bから噴射され
る燃料の時間当たりの噴射量(噴射率=δq/δt)の
時間的変化を示す噴射パターンは、低速回転・低負荷領
域では図1に示すように、高速回転・高負荷領域では図
2に示すように、それぞれ設定されている。図中、A,
Bは本発明成立過程における噴射パターンを、A´,B
´は従来の噴射パターンをそれぞれ示し、またTW1〜
TW4は駆動パルス幅を、θ1〜θ4は実噴射期間をそ
れぞれ示す。なお、各駆動パルスにおけるONは各噴射
パターンの噴射開始時t1に対応しているのに対し、駆
動パルスのOFFは噴射終了時ではなく噴射率減少開始
時T2に対応している。低速回転・低負荷領域では、図
1に示すように、従来の噴射パターンA´では減少して
いるのに対し、本発明成立過程における噴射パターンA
では、噴射率は実噴射期間θ2の初期において所定値に
達した後、略全域において一定になっている。そしてこ
の場合、本発明成立過程における駆動パルス幅TW2は
従来の駆動パルス幅TW1と同一長さに設定されてい
る。
【0015】一方、高速回転・高負荷領域では、図2に
示すように、従来の噴射パターンB´では、実噴射期間
θ3の略中央に噴射率のピークが位置しているのに対
し、本発明成立過程における噴射パターンBでは、噴射
率のピークが実噴射期間θ4の後半部に位置している。
このように噴射率のピークを後半部に位置させるため駆
動パルス幅TW4は従来のTW3に比べて長く設定され
ている。
【0016】上記噴射パターンを実現するために、本発
明の成立過程の例では、従来のものより、噴射弁体26
のピストン部26bの直径を従来の4.2mmфから
2.5mmфにして断面積を小さくすることにより背圧
室28aの容積を小さくするとともに、ニードル部26
cの直径を上記ピストン部直径に近似させて該部分の断
面積を相対的に大きく設定し、付勢ばね36のばね定数
を従来の5kg/cmから40kg/cmに大きくする
とともに、該付勢ばね36のセット荷重を従来の5kg
から1.5kgに小さくしている。なお、このセット荷
重を小さくしたのは、噴射弁体26の開き始めの燃料圧
力を従来と等しくするためである。
【0017】上記噴射パターンについて図5を参照して
さらに詳細に説明する。図5において、Foは有効開弁
力、Fcは有効閉弁力、Paは蓄圧室38内の燃料圧
力、Pbは背圧室28a内の燃料圧力、Pgは燃焼室内
圧力、A1,A2は噴射弁体26のピストン部26b,
ニードル部26cの断面積、Bは付勢ばねのばね力(ば
ね定数×収縮代)である。上記、有効開弁力Fo,有効
閉弁力Fcは概略下記式の通りとなる。
【0018】 Fo=〔Pa×(A1−A2)+Pg×A2〕−〔B+Bs〕−Pb×A1
【0019】 Fc=〔Pb×A1+B+Bs〕−〔Pa×(A1−A2)+Pg×A2〕
【0020】なお、BS は付勢ばね36のセット荷重で
ある。上記両式からも明らかなように本発明の成立過程
の例では、従来のものに比較して、噴射弁体26のピス
トン部26bの断面積A1を小さくし、ニードル部26
cの断面積A2を大きくし、またばね定数を大きくした
ので、背圧室28aの圧力Pbを抜いた際の有効開弁力
Foは小さくなり、かつ背圧室28a内を圧力Pbにし
た際の有効閉弁力Fcは大きくなっている。
【0021】まず、低速回転・低負荷領域では、セット
荷重Bsが小さく設定されていることから噴射開始時に
は噴射率が従来のものより比較的速く立ち上がるが、ば
ね定数が大きく設定されているため有効開弁力Foが小
さく、かつ燃料圧力が比較的低いことから、噴射弁体2
6が少し開くと開度が直ちに頭打ちとなり、その結果こ
の噴射パターンでは実噴射期間θ2の略全域に渡って噴
射率が略一定となる。
【0022】一方、高速回転・高負荷領域では、断面積
A1とA2との差が小さく設定されており、かつばね定
数が大きく設定されているため有効開弁力Foが小さい
ことから、噴射開始時には噴射率の立ち上がりが緩やか
になっている。また上記背圧室28aの容積が小さく設
定されていることから、細孔28bが閉じた際に背圧室
28a内が極短時間で燃料で満杯になって圧力が速く上
昇する点,及びばね定数が大きく設定されていることか
ら有効閉弁力Fcが大きくなっている点から、噴射終了
時には噴射率の立ち下がりが急になっている。そして噴
射率の最大値を従来のものと同様に設定するために駆動
パルス幅TW4を大きく設定しており、これらの結果、
この噴射パターンでは図2に示すようにそのピークが後
半部にずれている。
【0023】次に本発明の成立過程の例の作用効果につ
いて説明する。電磁弁27の非通電時には、弁板33b
が細孔28bを閉じており、これにより上述の有効閉弁
力Fcでもって噴射弁体36が噴射ノズル30bを閉
じ、燃料は噴射されない。一方、電磁弁27が通電され
ると弁板33bが上昇して細孔28bを開く。すると背
圧室28a内の高圧燃料が細孔28bを通ってバルブ室
29に逃げることにより上記背圧は急激に低下し、これ
により上述の有効開弁力Foでもって噴射弁体26が噴
射ノズル30bを開き、燃料が噴射される。
【0024】このように本発明の成立過程の例では、噴
射弁体26のピストン部断面積A1,ニードル部断面積
A2,及び付勢ばね36のばね定数,セット荷重当を適
宜設定することによって噴射パターンを、低速回転・低
負荷領域では図1に示すように実噴射期間の略全域で噴
射率が略一定となるように、高速回転・高負荷領域では
図2に示すようにその噴射率のピークが実噴射期間の後
半部にくるように設定した。そのため、噴射時間(駆動
パルス幅)の長い低速回転・低負荷領域においても燃料
圧力−噴射量特性(図6(b)の特性曲線a´)を緩や
かにでき、噴射量制御精度を向上してアイドリング調整
を容易化できる。また高速回転・高負荷領域において
も、比較的噴射時間の長い特性曲線c´に沿って燃料を
噴射でき、従って許容最大燃料圧力Pmaxの範囲内で
必要最大燃料噴射量Qmaxを確保できる。
【0025】ところで、本発明の成立過程の例では、低
速時,高速時の噴射パターンを図1,図2のように設定
するために、噴射弁体26のピストン部26b,ニード
ル部26cの断面積A1,A2,ばね定数,セット荷重
等を上述のように設定したが、本発明は、要は噴射パタ
ーンを低速域では略一定に、高速域では噴射期間の後半
部にピークがくるようにすればよく、その実現方法は上
記本発明の成立過程の例に限定されるものではない。図
7〜図9、図10及び図11はそれぞれ上記噴射パター
ンを本発明の方法で実現する第1実施例,第2実施例を
示し、図中、図3,図4と同一符号は同一又は相当部分
を示す。この第1,第2実施例は、噴射弁体26を閉方
向に付勢する付勢ばねのばね定数を、ばねの撓み量が大
きくなるにつれて小さくなるように設定し、これにより
噴射弁体のリフト量が大きくなるにつれて付勢ばねの反
力が過大になるのを防止するようにした例である。な
お、付勢ばねを除く他の部分の基本的構成は、上記発明
成立過程の例と同一である。
【0026】第1実施例を示す図7〜図9において、4
6は環状の皿ばね部46aの内周縁に多数の片持はりば
ね部46bを一体形成してなる付勢ばねであり、該各付
勢ばね46は皿ばね部46a同士が対向するように二枚
重ねに配設されている。なお、この付勢ばね46は、通
常の皿ばねの内部にスリット36cを形成することによ
って製作されたものである。上記付勢ばね46のばね特
性は、図9に示すように、片持はりばね部46bによる
ばね特性e1と皿ばね部46aによるばね特性e2とを
合成したばね特性e3となる。なお、図9中、荷重,た
わみはそれぞれ燃料圧力,噴射量に対応している。その
結果、燃料圧力−噴射量特性は、図6(b)に示す特性
となり、上記発明の成立過程の例と同様の効果が得られ
る。
【0027】第2実施例を示す図10,図11におい
て、56はばね定数k1,セット荷重f1の第1ばね5
6aと、ばね定数k2,セット荷重f2の第2ばね56
bとからなる付勢ばねであり、k1>k2、f1<f2
に設定されている。この付勢ばね56は、荷重の増加に
対して初期においては、(f2>f1+k1×x)とな
り、ばね定数k1で撓む。一方、後期においては、(f
2<f1+k1×x)となった時点以降はk1とk2と
を合成したばね定数ke=1/(1/k1+1/k2)
で撓むこととなる。なお、xは撓み量である。その結
果、ばね特性は図11(a)に示す特性となり、燃料圧
力−噴射量特性は図11(b)に示す特性となり、この
場合も上記本発明成立過程の例と同様の効果が得られ
る。なお、図11(b)における荷重,たわみはそれぞ
れ燃料圧力,噴射量に対応している。
【0028】以上のように本発明に係るエンジンの高圧
燃料噴射装置によれば、付勢ばねのばね定数を、ばねの
撓みが大きくなるにつれて小さくなるように設定するこ
とにより、噴射パターンを、低速域では噴射期間の途中
から略一定になるように、かつ高速域では噴射期間の後
半部にピークがくるように設定したので、低速域での燃
料圧力−噴射量特性が緩やかになり、噴射量制御精度が
向上してアイドリング調整を容易化でき、かつ高速域で
は比較的噴射時間の長い噴射特性に沿って噴射でき、必
要最大燃料噴射量の確保が容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成立過程におけるエンジンの高圧燃料
噴射装置における高速域での噴射パターンを示す特性図
である。
【図2】上記本発明の成立過程の例における低速域での
噴射パターンを示す特性図である。
【図3】上記本発明の成立過程の例の断面正面図であ
る。
【図4】上記本発明の成立過程の例の断面側面図であ
る。
【図5】上記本発明の成立過程の例の作用を説明するた
めの模式図である。
【図6】上記本発明の成立過程の例の効果を説明するた
めの燃料圧力−燃料噴射量特性図である。
【図7】本発明の第1実施例装置の付勢ばね部分を示す
断面正面図である。
【図8】上記第1実施例装置の付勢ばねの平面図であ
る。
【図9】上記第1実施例装置のばね特性を示す図であ
る。
【図10】本発明の第2実施例装置の付勢ばね部分を示
す断面正面図である。
【図11】上記第2実施例装置のばね特性,噴射特性を
示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧燃料が導入される蓄圧室と、該蓄圧
    室に連通孔で連通する背圧室と、該背圧室に細孔で連通
    するバルブ室と、該バルブ室内に収容され上記細孔を開
    閉する電磁弁と、上記蓄圧室内に配置され、先端で噴射
    ノズルを開閉する噴射弁体と、該噴射弁体をノズル閉方
    向に付勢する付勢ばねとを備え、上記電磁弁で上記細孔
    を開いて背圧室内の圧力を逃がすことにより上記噴射弁
    体で噴射ノズルを開き、上記電磁弁で上記細孔を閉じて
    背圧室内の圧力を上昇させることにより上記噴射弁体で
    噴射ノズルを閉じることにより、単位時間当たりの噴射
    量(噴射率δq/δt)の噴射期間内における時間変化
    である噴射パターンに沿って燃料を噴射するようにした
    エンジンの高圧燃料噴射装置において、上記付勢ばねの
    ばね定数を、ばねの撓み量が大きくなるにつれて小さく
    なるように設定することにより、上記噴射パターンを、
    低速回転・低負荷領域では上記噴射率が噴射期間の途中
    で略一定となり、高速回転・高負荷領域では上記噴射率
    が噴射期間の後半にて最大となるように設定したことを
    特徴とするエンジンの高圧燃料噴射装置。
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