JPH051563Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は船の搬出入装置に係り、特にレジヤー
用の小型船や小型漁船を陸上の艇庫に自動的に搬
出入させることができる搬出入装置に関するもの
である。

［従来の技術］ 従来、レジヤー用の小型船などを陸上の立体式
艇庫に駐艇させる設備が知られている。

この立体式艇庫は、無端のチエンが上下２段に
循環移動できるように配設され、このチエンに複
数個のゴンドラが吊下され、このゴンドラに小型
船を載置した台車を収容するようになつている。

このゴンドラは循環移動できるので、小型船の
搬出入口を１個所にまとめることができる。そし
て、必要により、小型船を収容するための空いて
いるゴンドラや、搬出させたい小型船が収容され
ているゴンドラを、上記出入口に呼び出すため、
チエンを回転駆動させるよう自動的に制御されて
いる。

上述の従来の立体式艇庫における搬出入装置は
第３図に示すような構造である。

立体式艇庫１は複数個のゴンドラ２が上下２段
にチエン３に吊下され、チエン３の駆動によつて
ゴンドラ２が循環移動し、必要とするゴンドラ２
が出入口部８に呼び出されるようになつている。

この出入口部８は水面４側に開口しており、こ
の出入口部８から水面４より没する位置までレー
ル９が設けられており、このレール９上を小型船
１０を載置した台車７を移送する架台６が移動す
るようになつている。

従つて、ゴンドラ２に収容されている台車７上
の小型船１０を水上４に搬出するには、まず小型
船１０を載置している台車７を収容しているゴン
ドラ２を出入口部８に移動させ、上記台車７を人
力でゴンドラ２から出入口部８を通つて架台６上
に搬出させる。次いで、この架台６を水面４下に
至るまで設けられているレール９を移送させて、
小型船１０を水上に浮べる。また、水面４上の小
型船１０を艇庫１に収容するには、上述の逆の手
順で架台７を水面４から艇庫１の出入口部８まで
移送し、これから人力で小型船１０を載置してい
る台車７を架台６からゴンドラ２に搬入させてい
た。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、従来は上述の通り、ゴンドラ２
から架台６への小型船１０を載置した台車７の搬
出入は人力によつて行われているため、多くの人
手を必要とし、且つ狭いゴンドラ２内での作業は
困難であり、且つ危険性をともなうという問題点
があつた。さらに、例えばウインチを駆動してロ
ープ等を介して搬出入させても、その作業は煩雑
であるという問題点があつた。

本考案は、これら問題点を一挙に解決なしえた
もので、その目的は、小型船を載置した台車を艇
庫と架台との間に搬出入させるのに際し、人力を
必要とせず、また他の移動手段を使うことなく自
動的に且つ安全に行うことができる船の搬出入装
置を提供するものである。

［課題を解決するための手段］ 上記問題点を解決するために本考案は、船を載
置する台車と、該台車を艇庫内を循環移動するゴ
ンドラに搬出入させる架台と、上記ゴンドラ底部
と上記架台上部に連設して設けられたスリツト
と、上記スリツトに沿つて移動する突起部材を有
する牽引手段と、上記台車の下部に設けられ上記
突起部材と係合する係合部材とによつて構成され
たものである。

［作用］ 上記構成により、小型船を載置した台車を艇庫
と架台との間に搬出入させる装置を設けたので、
人手や他の移動手段に頼ることなく、自動的に且
つ迅速に移動でき、さらに安全で正確な台車の搬
出入を行うことができる。

［実施例］ 本考案に係る好適一実施例を添付図面に従つて
説明する。

第１図及び第２図に示すように、ゴンドラ２２
は立体艇庫２１のチエン３４によつて上下２段に
循環移動されるよう吊下されている。このゴンド
ラ２２の一側部は出入口部２８に連接し開口して
いる。この出入口部２８に面して架台２７が設け
られる。

上記ゴンドラ２２は型鋼などで組み立てられた
構造体で、その下端に底板３９が設けられる。ま
た、上記架台２７も型鋼などで組み立てられた構
造体で、その上端に上板４０が設けられる。そし
てゴンドラ２２の底板３９と上記架台２７の上板
４０がほぼ同一平面になるようにされており、架
台２７はこの出入口部２８近傍から水面に没する
まで延出している斜路に設けられているレール２
９上を移送されるよう車輪４７が設けられてい
る。この架台２７には台車２３が載置される。台
車２３には小型船が載置され、ゴンドラ２２と架
台２７上を移動し、小型船を艇庫２１に収容す
る。台車２３にはゴンドラ２２と架台２７上との
間を移動できるよう車輪２６が設けられ、また、
小型船を載置する支持台２５が、その上面に設け
られる。なお、ゴンドラ２２と架台２７には必要
により、台車２３が移送中に移動しないよう固定
具が設けられる。

本考案の特徴とするところは、小型船を載置し
た台車２３を自動的にゴンドラ２２と架台２７と
の間を搬出入させる装置であつて、そのための構
成は次のとおりである。

ほぼ同一面上に設けられているゴンドラ２２の
底板３９と架台２７の上板４０と連接してスリツ
ト３０が設けられる。

このゴンドラ２２と架台２７に設けられたスリ
ツト３０の下部に、上記ゴンドラ２２と架台２７
とを掛け渡すように台車２３の牽引手段３２が設
けられる。この牽引手段３２は出入口部２８を中
心として、ゴンドラ２２の内方と架台２７の内方
に延出されるよう基礎上に設けられる。そして、
この牽引手段３２は図示しない駆動源で駆動され
る２つのスプロケツト３７，３８が設けられ、こ
のスプロケツト３７，３８に掛け渡されたチエン
３４を正逆自在に駆動する。そして上記チエン３
４には上記スリツト３０に沿つて、その上面を突
出し、チエン３４の駆動と共に移動する突起部材
４１，４２が、その鉛直方向に突出して設けられ
る。この突起部材の個数は２個に限定されない。

上記架台２７上に載置される台車２３の底面に
は係合部材４３，４４が設けられる。この係合部
材４３，４４は上記スリツト３０より突出してス
リツト３０に沿つて移動する牽引手段３２の突起
部材４１，４２と係合するよう、台車２３の底面
から架台２７に向けて突出して、台車２３の移動
方向の前後に２個設けられる。

次に本実施例の作用について説明する。

水中で小型船を載置した台車２３とこの台車２
３を載置した架台２７はレール２９上を、艇庫２
１の出入口部２８まで移送される。この架台２７
の移送は、例えば架台２７に取付けたロープをウ
インチで巻き上げるなどして行われる。

この場合、出入口部２８の下部には牽引手段３
２が設けられているので、架台２７の本体内部に
牽引手段３２のほぼ半分が挿入されて、架台２７
は艇庫２１の出入口部２８に到達する。また、こ
の移送の際には、架台２７上の台車２３の係合部
材４３，４４が牽引手段３２の突起部材４１と当
接しないよう、突起部材４２の位置に退避して移
動させられる。

上記架台２７が艇庫２１の出入口部２８に到達
したのち、小型船を載置している台車２３のゴン
ドラ２２への搬入が始められる。

駆動手段によりスプロケツト３７が回転される
と、チエン３４に設けられた突起部材４１は矢印
Ａ方向に駆動され、台車２３底部の係合部材４３
と当接する。さらに、チエン３４が駆動され、こ
の駆動力で、上記突起部材４１は上記係合部材４
３を押圧して、スリツト３０に沿つて、台車２３
を架台２７からゴンドラ２２へと搬入させる。こ
の搬入は台車２３の車輪２６によつて行われ、架
台２７の上板４０とゴンドラ２２の底板３９とは
ほぼ同一平面に形成されているので、容易に搬入
が行われる。

台車２３がゴンドラ２２の内部の所定位置に移
動すると、この位置に対応してスプロケツト３８
が配設されているので、スプロケツト３８の回転
と共にチエン３４が下方に回転され、このチエン
３４に設けられている突起部材４１もチエン３４
と共に下方に回転されることになる。従つて、突
起部材４１に当接してる台車２３の係合部材４３
は離脱され、台車２３はゴンドラ２２内の所定位
置において、自動的に停止する。そして、牽引手
段３２の駆動は停止され、必要により小型船を載
置した台車２３を収容したゴンドラ２２は艇庫２
１内の他の位置に移動される。

次に、小型船の搬出について説明する。図中、
小型船を載置し、破線で示した台車２３を収容し
たゴンドラ２２が艇庫２１の出入口部２８に移動
される。まず、駆動手段によりスプロケツト３
７，３８が回転され、チエン３４に設けられ、ス
プロケツト３８上に位置している突起部材４２は
立ち上がり、図中Ｂ方向に駆動される。次いで、
突起部材４２はスリツト３０に沿つて移動し、台
車２３の底部の係合部材４４と当接する。スプロ
ケツト３７，３８とチエン３４は続いて駆動され
るので、チエン３４に設けられた突起部材４２は
上記係合部材４４を押圧して、スリツト３０に沿
つて台車２３をゴンドラ２２へと搬出させる。台
車２３がゴンドラ２２内の所定位置に移動する
と、この位置に対応して配置されたスプロケツト
３７によつて、上記突起部材４２はチエン３４と
共に下方に回転させられ、突起部材４２と当接し
ている台車２３の係合部材４４は離脱されて、台
車２３は架台２７上の所定位置への搬出を自動的
に終える。小型船を載置した台車を水面に浮べる
ための架台２７のレール２９上の移送は搬入作業
と同じに行われる。

従つて、上記台車２３をゴンドラ２２又は架台
２７上の所定位置に正確に自動的に搬出入させる
ことができるので、必要により設けられたゴンド
ラ２２の底板３９と架台２７の上板４０に設けら
れた台車２３の固定具に容易に取付けることがで
きる。

［考案の効果］ 本考案は上述のとおりなので、次のような優れ
た効果を奏する。

(1) 船の搬出入を人手によらず、安全にかつ迅速
に行うことができる。

(2) 船を搬出入させる所定の位置に自動的に、且
つ正確に停止させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例の側面図、第２
図は第１図の−線矢視図、第３図は従来の艇
庫の側面図である。 図中、２１は艇庫、２２はゴンドラ、２３は台
車、２５は支持台、２７は架台、３０はスリツ
ト、３２は牽引手段、４１，４２は突起部材、４
３，４４は係合部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船を載置する台車と、該台車を艇庫内を循環移
   動するゴンドラに搬出入させる架台と、上記ゴン
   ドラ底部と上記架台上部に連接して設けられたス
   リツトと、上記スリツトに沿つて移動する突起部
   材を有する牽引手段と、上記台車の下部に設けら
   れ上記突起部材と係合する係合部材とからなる船
   の搬出入装置。