JPH05156113A - 耐熱性、耐光性、耐候性に優れたメタクリル系樹脂組成物 - Google Patents
耐熱性、耐光性、耐候性に優れたメタクリル系樹脂組成物Info
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- JPH05156113A JPH05156113A JP32559191A JP32559191A JPH05156113A JP H05156113 A JPH05156113 A JP H05156113A JP 32559191 A JP32559191 A JP 32559191A JP 32559191 A JP32559191 A JP 32559191A JP H05156113 A JPH05156113 A JP H05156113A
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- copolymer
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- resin composition
- benzotriazole
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性、耐光性、及び耐候性に優れたメタク
リル系樹脂組成物に関する。 【構成】 6員環酸無水物単位3〜85重量パーセント
とメタクリル酸メチル単位13〜95重量パーセントと
芳香族ビニル単位1〜70重量パーセントとメタクリル
酸単位1〜20重量パーセントからなる、且つその0.
15gをアセトンに溶解し、0.5dlとした溶液の2
5℃における還元粘度が0.01〜1.0dl/gであ
る共重合体100重量部に、立体障害アミンを0.01
〜1.00重量部、及びベンゾトリアゾール系光安定剤
を0.01〜1.00重量部配合してなる、耐熱性・耐
光性及び耐候性に優れたメタクリル樹脂組成物
リル系樹脂組成物に関する。 【構成】 6員環酸無水物単位3〜85重量パーセント
とメタクリル酸メチル単位13〜95重量パーセントと
芳香族ビニル単位1〜70重量パーセントとメタクリル
酸単位1〜20重量パーセントからなる、且つその0.
15gをアセトンに溶解し、0.5dlとした溶液の2
5℃における還元粘度が0.01〜1.0dl/gであ
る共重合体100重量部に、立体障害アミンを0.01
〜1.00重量部、及びベンゾトリアゾール系光安定剤
を0.01〜1.00重量部配合してなる、耐熱性・耐
光性及び耐候性に優れたメタクリル樹脂組成物
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐光性、及び
耐候性に優れたメタクリル系樹脂組成物に関するもので
ある。
耐候性に優れたメタクリル系樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、メチルメタクリレートを主成分
としたアクリル系樹脂は、透明性、表面光沢性、機械強
度、成形性などの優れた特性から、自動車部品、電気関
係部品、ディスプレー等の広い分野で使用されている
が、耐熱性変形性については必ずしも充分でなく、高温
での形状安定性を要求する用途などにおいては、その使
用は制限を受けている。
としたアクリル系樹脂は、透明性、表面光沢性、機械強
度、成形性などの優れた特性から、自動車部品、電気関
係部品、ディスプレー等の広い分野で使用されている
が、耐熱性変形性については必ずしも充分でなく、高温
での形状安定性を要求する用途などにおいては、その使
用は制限を受けている。
【0003】(特公昭61−49325号公報)にはメ
チルメタクリレート、芳香族ビニルに6員環酸無水物、
メタアクリル酸等の各成分を導入してなる、耐熱性に優
れたアクリル系共重合体が開示されている。しかし、該
共重合体は太陽光線や人工光源からの紫外線に長時間さ
らされると、外観、透明性に影響を及ぼし重合体表面に
クラックやひび割れを生じてしまう。
チルメタクリレート、芳香族ビニルに6員環酸無水物、
メタアクリル酸等の各成分を導入してなる、耐熱性に優
れたアクリル系共重合体が開示されている。しかし、該
共重合体は太陽光線や人工光源からの紫外線に長時間さ
らされると、外観、透明性に影響を及ぼし重合体表面に
クラックやひび割れを生じてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、この耐
熱性、耐光性、耐候性に優れたアクリル系樹脂を得るべ
く、ポリマー中に種々の添加剤を組合せて配合し、検討
した結果、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤と、立
体障害アミンを組合せて使用することにより、著しく耐
光性、耐候性が改良される効果を見出し、本発明に至っ
た。
熱性、耐光性、耐候性に優れたアクリル系樹脂を得るべ
く、ポリマー中に種々の添加剤を組合せて配合し、検討
した結果、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤と、立
体障害アミンを組合せて使用することにより、著しく耐
光性、耐候性が改良される効果を見出し、本発明に至っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下式、
(4)で示される6員環酸無水物単位を少なくとも3重
量%以上含有し、且つ、その0.15gをアセトンに溶
解し、0.5dlとした溶液の25℃の還元粘度が0.
01〜1.0dl/gである共重合体に、式(5)で示
される立体障害アミン及びベンゾトリアゾール系光安定
剤を配合してなる、耐熱性、耐光性、及び耐候性に優れ
たメタクリル系樹脂組成物に関するものである。
(4)で示される6員環酸無水物単位を少なくとも3重
量%以上含有し、且つ、その0.15gをアセトンに溶
解し、0.5dlとした溶液の25℃の還元粘度が0.
01〜1.0dl/gである共重合体に、式(5)で示
される立体障害アミン及びベンゾトリアゾール系光安定
剤を配合してなる、耐熱性、耐光性、及び耐候性に優れ
たメタクリル系樹脂組成物に関するものである。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する6員環酸無水物単位を含有した共重合体は、少
なくとも1種以上のエチレン性不飽和単量体単位を含む
共重合体である。エチレン性不飽和単量体単位として
は、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸t−ブチル置換シクロヘキシル等の
アクリル酸及びメタクリル酸のエステル類、スチレン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類の他、メタクリ
ル酸、アクリル酸、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル
ニトリル、エチレン、プロピレン等通常ラジカル重合可
能な単量体を使用することができる。これらエチレン性
不飽和単量体単位の中でも、メタクリル酸メチル及びス
チレン、α−メチルスチレンは特に好ましい。メタクリ
ル酸メチル単位は、6員環酸無水物を含む共重合体の機
械的強度、耐油性等の特性を向上せしめる。又、スチレ
ン単位は、その機械的強度、耐水性等の特性を向上せし
める。更に、α−メチルスチレン単位は、その耐水性を
向上せしめると同時に更に耐熱性も向上せしめる。
使用する6員環酸無水物単位を含有した共重合体は、少
なくとも1種以上のエチレン性不飽和単量体単位を含む
共重合体である。エチレン性不飽和単量体単位として
は、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸t−ブチル置換シクロヘキシル等の
アクリル酸及びメタクリル酸のエステル類、スチレン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類の他、メタクリ
ル酸、アクリル酸、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル
ニトリル、エチレン、プロピレン等通常ラジカル重合可
能な単量体を使用することができる。これらエチレン性
不飽和単量体単位の中でも、メタクリル酸メチル及びス
チレン、α−メチルスチレンは特に好ましい。メタクリ
ル酸メチル単位は、6員環酸無水物を含む共重合体の機
械的強度、耐油性等の特性を向上せしめる。又、スチレ
ン単位は、その機械的強度、耐水性等の特性を向上せし
める。更に、α−メチルスチレン単位は、その耐水性を
向上せしめると同時に更に耐熱性も向上せしめる。
【0009】これら共重合体中の6員環酸無水物の量
は、少なくとも3重量%以上、好ましくは5重量%以上
必要である。3重量%以下の場合は、共重合体の耐熱性
向上の効果が充分でないため好ましくない。上記共重合
体の中でも、特に、(A)6員環酸無水物単位 3〜8
5重量%と、(B)メタクリル酸メチル単位13〜95
重量%と、(C)スチレン、αメチルスチレンより選ば
れる芳香族ビニル単位 1〜70重量%と、(D)メタ
クリル酸単位 1〜20重量% よりなる組成の共重合体を用いることが好ましい。
は、少なくとも3重量%以上、好ましくは5重量%以上
必要である。3重量%以下の場合は、共重合体の耐熱性
向上の効果が充分でないため好ましくない。上記共重合
体の中でも、特に、(A)6員環酸無水物単位 3〜8
5重量%と、(B)メタクリル酸メチル単位13〜95
重量%と、(C)スチレン、αメチルスチレンより選ば
れる芳香族ビニル単位 1〜70重量%と、(D)メタ
クリル酸単位 1〜20重量% よりなる組成の共重合体を用いることが好ましい。
【0010】この共重合体において、6員環酸無水物単
位の量の上限は85重量%、好ましくは75重量%、更
に好ましくは50重量%である。85重量%以上では、
耐水性が極端に低下する。メタクリル酸メチル単位の量
は、13〜95重量%、好ましくは、15〜88重量%
である。13重量%以下では、機械的強度が充分でな
い。又、95重量%以上の場合は、6員環酸無水物の導
入量が充分でなく、耐熱性が低い。
位の量の上限は85重量%、好ましくは75重量%、更
に好ましくは50重量%である。85重量%以上では、
耐水性が極端に低下する。メタクリル酸メチル単位の量
は、13〜95重量%、好ましくは、15〜88重量%
である。13重量%以下では、機械的強度が充分でな
い。又、95重量%以上の場合は、6員環酸無水物の導
入量が充分でなく、耐熱性が低い。
【0011】芳香族ビニル単位の量は1〜70重量%、
好ましくは、5〜50重量%である。芳香族ビニル単位
は6員環酸無水物のもつ耐水性の低さを補うと同時に機
械的強度の向上に寄与するが、5重量%以下の場合、こ
れら効果が充分でなく、又70重量%以上の場合は、6
員環酸無水物の導入量が充分でなく、耐熱性が低い。メ
タクリル酸は、6員環酸無水物単位を形成させる為に必
要な成分である。その成分を含む共重合体を熱処理し
て、脱水もしくは脱アルコールにより6員環酸無水物単
位を形成させるが、その際、メタクリル酸は完全に消費
されることなく、共重合体中に残存する。本発明の共重
合体中のメタクリル酸単位の量は、1〜20重量%、好
ましくは、2〜10重量%である。20重量%以上の場
合、残存するメタクリル酸が成形時脱水もしくは脱アル
コールをおこし、発泡等の原因となり好ましくはない。
好ましくは、5〜50重量%である。芳香族ビニル単位
は6員環酸無水物のもつ耐水性の低さを補うと同時に機
械的強度の向上に寄与するが、5重量%以下の場合、こ
れら効果が充分でなく、又70重量%以上の場合は、6
員環酸無水物の導入量が充分でなく、耐熱性が低い。メ
タクリル酸は、6員環酸無水物単位を形成させる為に必
要な成分である。その成分を含む共重合体を熱処理し
て、脱水もしくは脱アルコールにより6員環酸無水物単
位を形成させるが、その際、メタクリル酸は完全に消費
されることなく、共重合体中に残存する。本発明の共重
合体中のメタクリル酸単位の量は、1〜20重量%、好
ましくは、2〜10重量%である。20重量%以上の場
合、残存するメタクリル酸が成形時脱水もしくは脱アル
コールをおこし、発泡等の原因となり好ましくはない。
【0012】更に、本発明で使用する上記共重合体は、
その0.15gをアセトンに溶解し、0.5dlとした
溶液の25℃の還元粘度が、0.01〜1.0dl/g
好ましくは、0.05〜0.5dl/gである。上記共
重合体は、通常エチレン性不飽和単量体をメタクリル酸
と共重合した後、この共重合体を熱処理して、6員環酸
無水物を形成させる事により製造される。共重合の方法
としては、通常のラジカル重合法の全てが使用され、特
に懸濁重合、塊状重合、溶液重合が好ましい。6員環酸
無水物単位を形成させる手段としては、脱揮装置付きの
押出機、滞留脱揮装置等を使用する事ができる。
その0.15gをアセトンに溶解し、0.5dlとした
溶液の25℃の還元粘度が、0.01〜1.0dl/g
好ましくは、0.05〜0.5dl/gである。上記共
重合体は、通常エチレン性不飽和単量体をメタクリル酸
と共重合した後、この共重合体を熱処理して、6員環酸
無水物を形成させる事により製造される。共重合の方法
としては、通常のラジカル重合法の全てが使用され、特
に懸濁重合、塊状重合、溶液重合が好ましい。6員環酸
無水物単位を形成させる手段としては、脱揮装置付きの
押出機、滞留脱揮装置等を使用する事ができる。
【0013】本発明においては、ベンゾトリアゾール
系、光安定剤及び立体障害アミンの両者を添加して初め
て著しく耐光性、耐候性が改良されるが、紫外線の有害
な部分の吸収剤として重合体の保護のために有用なベン
ゾトリアゾール系安定剤の例は、2,2′−ジヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2
−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等であり、そ
のうち2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、メチレンビス−(5−t
−オクチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾールが特に好ましい。
系、光安定剤及び立体障害アミンの両者を添加して初め
て著しく耐光性、耐候性が改良されるが、紫外線の有害
な部分の吸収剤として重合体の保護のために有用なベン
ゾトリアゾール系安定剤の例は、2,2′−ジヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2
−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等であり、そ
のうち2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、メチレンビス−(5−t
−オクチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾールが特に好ましい。
【0014】使用される前記ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤の量は、一般に、0.01〜1.00重量%の
範囲である。好ましくは0.03〜0.50重量%、更
に好ましくは0.05〜0.30重量%の範囲である。
添加量が0.01重量%未満の場合は耐光性、耐候性の
改良効果が低く、また、1.00重量%を越えると着
色、成形不良等を起こし易くなるため好ましくない。
線吸収剤の量は、一般に、0.01〜1.00重量%の
範囲である。好ましくは0.03〜0.50重量%、更
に好ましくは0.05〜0.30重量%の範囲である。
添加量が0.01重量%未満の場合は耐光性、耐候性の
改良効果が低く、また、1.00重量%を越えると着
色、成形不良等を起こし易くなるため好ましくない。
【0015】本発明において使用される立体障害アミン
の例としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステ
ル、2−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−2−n−ブチルマロン酸、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1,2
−ビス(2−オキソ−3,3,5,5−テトラメチル−
1−ピペリジル)エタン、N,N′−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサンジアミン など、又はそれらのN−メチル誘導体が含まれる。
の例としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステ
ル、2−(3,5,−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−2−n−ブチルマロン酸、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1,2
−ビス(2−オキソ−3,3,5,5−テトラメチル−
1−ピペリジル)エタン、N,N′−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,6−ヘ
キサンジアミン など、又はそれらのN−メチル誘導体が含まれる。
【0016】その中でも、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールの縮合物が
特に好ましい。
ラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールの縮合物が
特に好ましい。
【0017】前記立体障害アミンの使用量は、最も効率
の良いコスト/安定化バランスの点から0.01〜1.
00重量%がよい。好ましい使用量は、0.05〜0.
50重量%の範囲であり、更に好ましくは0.10〜
0.30重量%の範囲である。添加量が0.01重量%
未満の場合は耐光性、耐候性の改良効果が低く、また、
1.00重量%を越えると着色、成形不良等を起こし易
くなるため好ましくない。
の良いコスト/安定化バランスの点から0.01〜1.
00重量%がよい。好ましい使用量は、0.05〜0.
50重量%の範囲であり、更に好ましくは0.10〜
0.30重量%の範囲である。添加量が0.01重量%
未満の場合は耐光性、耐候性の改良効果が低く、また、
1.00重量%を越えると着色、成形不良等を起こし易
くなるため好ましくない。
【0018】本発明のメタクリル系樹脂組成物は必要に
応じて着色座、顔料、充填剤、難燃剤等を配合すること
ができる。又、耐衝撃性等を改良する目的でABS、M
BS等のグラフト共重合体を添加することもできる。
応じて着色座、顔料、充填剤、難燃剤等を配合すること
ができる。又、耐衝撃性等を改良する目的でABS、M
BS等のグラフト共重合体を添加することもできる。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。各特性は次の方法により測定する。 (1)還元粘度;資料0.15gを0.5dlのメスフ
ラスコ中でアセトンに溶解させる。25℃でキヤノンフ
ェンスケ粘度計50♯を用い流下秒数を測定する。
る。各特性は次の方法により測定する。 (1)還元粘度;資料0.15gを0.5dlのメスフ
ラスコ中でアセトンに溶解させる。25℃でキヤノンフ
ェンスケ粘度計50♯を用い流下秒数を測定する。
【0020】
【数1】
【0021】但し、t0 :溶媒(アセトン)の流下秒数 t1 :サンプル溶液の流下秒数 (2)ビカット軟化温度; ASTM D−1525に基づいて測定する。 (3)耐候性 耐候性の評価に際し、以下の三つの試験を行なう。
【0022】イ.サンシャインウェザオメーター試験 ASTM D−3361に基づき、63±5℃の温度内
でカーボンアークを照射し、120分のうち18分は水
を噴霧さる。このアークは250〜800nmの波長範
囲の全光線の大半を放出し、380nm近辺に最大放出
域を持つ。
でカーボンアークを照射し、120分のうち18分は水
を噴霧さる。このアークは250〜800nmの波長範
囲の全光線の大半を放出し、380nm近辺に最大放出
域を持つ。
【0023】ロ.QUV−B蛍光灯照射試験 本試験においては、300〜600nmの波長範囲の全
光線の大半を放出するQUV−蛍光灯を使用し、60±
5℃に保って連続的に操作する。 ハ.水銀灯照射試験 水銀蒸気:ジェネラルエレクトリック社製マルチペーパ
ーMVR /4000、400ワット透明ランプを照射
する。庫内温度は120℃一定とする。
光線の大半を放出するQUV−蛍光灯を使用し、60±
5℃に保って連続的に操作する。 ハ.水銀灯照射試験 水銀蒸気:ジェネラルエレクトリック社製マルチペーパ
ーMVR /4000、400ワット透明ランプを照射
する。庫内温度は120℃一定とする。
【0024】耐候性評価は色度計による黄色度(Yel
low Iudex)の測定、また表面のひび割れの度
合いを曇り度(Haze)を測定することにより評価す
る。
low Iudex)の測定、また表面のひび割れの度
合いを曇り度(Haze)を測定することにより評価す
る。
【0025】
【実施例1】 〔6員環酸無水物を含む共重合体の調製〕メタクリル酸
メチル38.4重量部、スチレン5.4重量部、メタク
リル酸16.2重量部、t−ブタノール40.0重量
部、1,1−ジ−tert−ブチルパ−オキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサノン0.05重量部、
n−オクチルメルカプタン0.07重量部からなる調合
液を調製し、この混合液を0.5l/hrの速度で連続
して内容量21のジャケット付き完全混合反応器に供給
して、125℃の温度で重合を行う。更に、重合液を2
60℃に設定した高温脱揮装置に連続して供給し、未反
応物の除去及び6員環酸無水物の生成を行う。この共重
合体の中和滴定、赤外分光光度計及び核磁気共鳴測定装
置による組成分析の結果、メタクリル酸メチル単位62
重量%、スチレン単位10重量%、6員環酸無水物単位
25重量%、メタクリル酸3重量%である。得られた共
重合体の還元粘度は0.45dl/g、ビカット軟化点
は138℃である。 〔耐候性試験用テストピースの調製、耐候性評価〕表1
に示す割合で上記重合体と安定剤をドライブレンドした
後、二軸押出機を使用して250℃で溶融混練し、ペレ
ットを得る。得られる組成物を射出成形により成形し、
耐候性試験用のテストピースとする。
メチル38.4重量部、スチレン5.4重量部、メタク
リル酸16.2重量部、t−ブタノール40.0重量
部、1,1−ジ−tert−ブチルパ−オキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサノン0.05重量部、
n−オクチルメルカプタン0.07重量部からなる調合
液を調製し、この混合液を0.5l/hrの速度で連続
して内容量21のジャケット付き完全混合反応器に供給
して、125℃の温度で重合を行う。更に、重合液を2
60℃に設定した高温脱揮装置に連続して供給し、未反
応物の除去及び6員環酸無水物の生成を行う。この共重
合体の中和滴定、赤外分光光度計及び核磁気共鳴測定装
置による組成分析の結果、メタクリル酸メチル単位62
重量%、スチレン単位10重量%、6員環酸無水物単位
25重量%、メタクリル酸3重量%である。得られた共
重合体の還元粘度は0.45dl/g、ビカット軟化点
は138℃である。 〔耐候性試験用テストピースの調製、耐候性評価〕表1
に示す割合で上記重合体と安定剤をドライブレンドした
後、二軸押出機を使用して250℃で溶融混練し、ペレ
ットを得る。得られる組成物を射出成形により成形し、
耐候性試験用のテストピースとする。
【0026】安定剤としては構造別に以下のものを使用
する。 ベンゾトリアゾール 2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール (アデカスタブ LA−32(旭電化(株)製))
する。 ベンゾトリアゾール 2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール (アデカスタブ LA−32(旭電化(株)製))
【0027】
【化5】
【0028】メチレンビス−(5−t−オクチル−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル (アデカスタブ LA−31(旭電化(株)製))
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ−ル (アデカスタブ LA−31(旭電化(株)製))
【0029】
【化6】
【0030】ヒンダードアミン ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート (アデカスタブ LA−77(旭電化(株)製))
ル)セバケート (アデカスタブ LA−77(旭電化(株)製))
【0031】
【化7】
【0032】テトラキス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカ
ルボキシレート (アデカスタブ LA−57(旭電化(株)製))
ル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカ
ルボキシレート (アデカスタブ LA−57(旭電化(株)製))
【0033】
【化8】
【0034】1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノ
ールの縮合物 (アデカスタブ LA−62(旭電化(株)製))
と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノ
ールの縮合物 (アデカスタブ LA−62(旭電化(株)製))
【0035】
【化9】
【0036】耐候性評価として、成形品の曇り度(Ha
ze)、黄色度(Y.I)の初期値と耐候試験500時
間後の曇り度、黄色度の変化値(ΔHaze、ΔY.
I)を表1に併せて示す。
ze)、黄色度(Y.I)の初期値と耐候試験500時
間後の曇り度、黄色度の変化値(ΔHaze、ΔY.
I)を表1に併せて示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【比較例1】実施例1にて使用したヒンダードアミンの
かわりに、以下に示すヒンダードフェノール及びホスフ
ァイト系安定剤を使用した以外は実施例1と同様に、テ
ストピースを作り、耐候性試験を行う。耐候性評価の結
果を表2に示す。 ヒンダードフェノール n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート (アデカスタブ AO−50(旭電化(株)製))
かわりに、以下に示すヒンダードフェノール及びホスフ
ァイト系安定剤を使用した以外は実施例1と同様に、テ
ストピースを作り、耐候性試験を行う。耐候性評価の結
果を表2に示す。 ヒンダードフェノール n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート (アデカスタブ AO−50(旭電化(株)製))
【0039】
【化10】
【0040】テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ
−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン (アデカスタブ AO−60(旭電化(株)製))
−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン (アデカスタブ AO−60(旭電化(株)製))
【0041】
【化11】
【0042】ホスファイト系 2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)オクチルホスファイト (アデカスタブ HP−10(旭電化(株)製))
ル)オクチルホスファイト (アデカスタブ HP−10(旭電化(株)製))
【0043】
【化12】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明のメタクリル系樹脂組成物は、特
定の6員環酸無水物樹脂組成物は、立体障害アミン、ベ
ンゾトリアゾール系光安定剤を用いることにより、従来
には無い耐熱性、耐光性、耐候性を得ることができる。
本発明のメタクリル系樹脂組成物は、飛躍的に向上した
耐熱性、耐光性、耐候性を有するために、従来のメタク
リル系樹脂組成物が有した、太陽光線や人工光源からの
紫外線に長時間曝される様な条件下での問題点を解決す
ることができる。
定の6員環酸無水物樹脂組成物は、立体障害アミン、ベ
ンゾトリアゾール系光安定剤を用いることにより、従来
には無い耐熱性、耐光性、耐候性を得ることができる。
本発明のメタクリル系樹脂組成物は、飛躍的に向上した
耐熱性、耐光性、耐候性を有するために、従来のメタク
リル系樹脂組成物が有した、太陽光線や人工光源からの
紫外線に長時間曝される様な条件下での問題点を解決す
ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 下式(1)で示される6員環酸無水物単
位を少なくとも3重量%以上含有し、且つ、その0.1
5gをアセトンに溶解し、0.5dlとした溶液の25
℃の還元粘度が0.01〜1.0dl/gである共重合
体100重量部に、式(2)で示される基を1個又はそ
れ以上を有する立体障害アミンを0.01〜1.00重
量部、及びベンゾトリアゾール系光安定剤を0.01〜
1.00重量部、配合してなるメタクリル系樹脂組成物 【化1】 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32559191A JPH05156113A (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 耐熱性、耐光性、耐候性に優れたメタクリル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32559191A JPH05156113A (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 耐熱性、耐光性、耐候性に優れたメタクリル系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05156113A true JPH05156113A (ja) | 1993-06-22 |
Family
ID=18178596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32559191A Withdrawn JPH05156113A (ja) | 1991-12-10 | 1991-12-10 | 耐熱性、耐光性、耐候性に優れたメタクリル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05156113A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6716950B2 (en) * | 2000-08-11 | 2004-04-06 | Roehm Gmbh & Co. Kg | Material for solar benches |
WO2010137695A1 (ja) | 2009-05-29 | 2010-12-02 | 株式会社クラレ | 太陽光集光用フレネルレンズシートおよびその設計方法 |
-
1991
- 1991-12-10 JP JP32559191A patent/JPH05156113A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6716950B2 (en) * | 2000-08-11 | 2004-04-06 | Roehm Gmbh & Co. Kg | Material for solar benches |
WO2010137695A1 (ja) | 2009-05-29 | 2010-12-02 | 株式会社クラレ | 太陽光集光用フレネルレンズシートおよびその設計方法 |
US20120132871A1 (en) * | 2009-05-29 | 2012-05-31 | Kuraray Co., Ltd. | Fresnel lens sheet for solar concentration and design method therefor |
JPWO2010137695A1 (ja) * | 2009-05-29 | 2012-11-15 | 株式会社クラレ | 太陽光集光用フレネルレンズシートおよびその設計方法 |
JP5685186B2 (ja) * | 2009-05-29 | 2015-03-18 | 株式会社クラレ | 太陽光集光用光学シートの設計方法 |
US9158042B2 (en) | 2009-05-29 | 2015-10-13 | Kuraray Co., Ltd. | Fresnel lens sheet for solar concentration and design method therefor |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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