JPH05155875A - 6H−ジベンゾ[b,dピラン誘導体 - Google Patents

6H−ジベンゾ[b,dピラン誘導体

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JPH05155875A
JPH05155875A JP3325517A JP32551791A JPH05155875A JP H05155875 A JPH05155875 A JP H05155875A JP 3325517 A JP3325517 A JP 3325517A JP 32551791 A JP32551791 A JP 32551791A JP H05155875 A JPH05155875 A JP H05155875A
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JP
Japan
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dibenzo
formula
pyran
methoxy
group
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Pending
Application number
JP3325517A
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English (en)
Inventor
Atsuo Nakazato
篤郎 中里
Yoshiisa Sekiguchi
喜功 関口
Takaaki Ota
孝明 太田
Yutaka Kawashima
豊 川島
Katsuo Hatayama
勝男 畑山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分裂病および脳血管障害や老年期痴呆に伴う
問題行動改善作用を有する化合物を提供すること。 【構成】 式 [式中、R1は水素原子または炭素原子数1〜5のアル
キル基を示し、R2およびR3は同一または異なって水素
原子、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜
5のアルケニル基を示すか、または隣接する窒素原子と
ともにピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ベ
ンゼン環が炭素原子数1〜5のアルコキシ基で置換され
ていてもよいベンゾピペリジノ基もしくは式 (式中、R4は水素原子または炭素原子数1〜5のアル
キル基を示し、R5は水素原子、ベンジル基、ピリジル
基、ピリミジル基または置換されていてもよいフェニル
基を示す。)で表される基を示し、nは1〜5の整数を
示す。]で表される6H−ジベンゾ[b,d]ピラン誘
導体およびその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脳内ドーパミン神経系の
過活動抑制作用を有する6H−ジベンゾ[b,d]ピラ
ン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】脳血管障害や老年期痴呆に伴う精神神経
症状のうち攻撃的行為、神経興奮、徘徊、せん妄といっ
た問題行動は脳内ドーパミン神経系の過活動によって引
き起こされ、患者の看護の面から臨床現場で最も問題に
なっている症状である。これらの症状に対する薬剤とし
て脳代謝賦活薬(ホパテン酸カルシウムなど)や脳循環
改善薬(イフェンプロジルなど)が開発されているが、
問題行動を抑制する作用は未だ十分ではない。よって、
臨床現場においては抗精神病薬(クロルプロマジン、ス
ルピリドなど)が代用されている。しかし、抗精神病薬
は本来分裂病治療を目的に開発されたものであるため、
効果、副作用を含む随判症状(特に錐体外路障害、過鎮
静、過度の筋弛緩、2次的せん妄の誘発、循環器障害)
が強く、臨床状使用が制限されざるを得ない。これらの
状況から、問題行動に対し高い改善率を示し、安全性が
高く、使用し易い薬剤の開発が要望されている。脳内ド
ーパミン神経系の過活動を抑制する薬剤としては、チア
ブリドが知られている[診療と新薬,第24巻(3
号),第19頁(昭和62年)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分裂
病および脳血管障害や老年期痴呆に伴う問題行動改善作
用を有する化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、6H−ジ
ベンゾ[b,d]ピラン誘導体について鋭意検討した結
果、脳内ドーパミン神経系の過活動抑制作用を有する新
規な6H−ジベンゾ[b,d]ピラン誘導体を見出し、
本発明を完成した。
【0005】本発明は、下記式(1)
【0006】
【0007】[式中、R1は水素原子または炭素原子数
1〜5のアルキル基を示し、R2およびR3は同一または
異なって水素原子、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭
素原子数2〜5のアルケニル基を示すか、または隣接す
る窒素原子とともにピロリジノ基、ピペリジノ基、モル
ホリノ基、ベンゼン環が炭素原子数1〜5のアルコキシ
基で置換されていてもよいベンゾピペリジノ基もしくは
【0008】
【0009】(式中、R4は水素原子または炭素原子数
1〜5のアルキル基を示し、R5は水素原子、ベンジル
基、ピリジル基、ピリミジル基または「ハロゲン原子、
炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のア
ルコキシ基またはトリフルオロメチル基の1〜3個」で
置換されていてもよいフェニル基を示す。)で表される
基を示し、nは1〜5の整数を示す。]で表される6H
−ジベンゾ[b,d]ピラン誘導体およびその塩であ
る。
【0010】本発明において、ハロゲン原子とはフッ素
原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子である。ア
ルキル基とは直鎖状または分枝鎖状のアルキル基であ
り、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ヘプチル基などである。アルケニル基とは直鎖状
または分枝鎖状のアルケニル基であり、例えばビニル
基、アリル基、イソプレニル基などである。
【0011】また、本発明の式(1)で示される化合物
の塩とは薬理学的に許容されるものを意味し、例えば硫
酸、塩酸、燐酸などの鉱酸との塩、酢酸、シュウ酸、乳
酸、酒石酸、フマール酸、マレイン酸、トリフルオロ酢
酸、メタンスルホン酸などの有機酸との塩が挙げられ
る。
【0012】本発明の好ましい化合物としては、4−メ
トキシ−1−[2−(4−フェニルピペラジニル)エチ
ル]−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン塩酸塩、4−メ
トキシ−1−[2−[4−(2−メトキシフェニル)ピ
ペラジニル]エチル]−6H−ジベンゾ[b,d]ピラ
ン塩酸塩、1−[2−[4−(2,5−ジメトキシフェ
ニル)ピペラジニル]エチル]−4−メトキシ−6H−
ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩、4−メトキシ−1
−[3−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジニ
ル]プロピル]−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン2塩
酸塩、4−メトキシ−1−[4−[4−(2−メトキシ
フェニル)ピペラジニル]ブチル]−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン2塩酸塩、1−[4−[4−(4−ク
ロロフェニル)ピペラジニル]ブチル]−4−メトキシ
−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩などが挙げ
られる。
【0013】式(1)の化合物は、以下の方法によって
製造することができる(以下の反応式中、X1,X2,X
3は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示し、R6
水素原子を除くR1であり、R7は炭素原子数1〜5個の
アルキル基を示し、R2,R3は前記と同意義であ
る。)。 [ルート1]
【0014】
【0015】工程a:式(2)のフェノール化合物と式
(3)のハライドを相間移動触媒の存在または非存在
下、反応に不活性な溶媒中塩基と反応させることによ
り、式(4)の化合物を得る。本反応で用いられる相間
移動触媒とはベンジルトリエチルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチ
ルメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウ
ム塩である。塩基とは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム
などの無機塩基、またはトリエチルアミン、ピリジンな
どの有機塩基である。溶媒としてはN,N−ジメチルホ
ルムアルデヒド、アセトニトリル、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエ
ン、メタノール、エタノールなどの有機溶媒、またはこ
れら有機溶媒と水との混合溶媒である。反応は、室温〜
150℃で3〜48時間攪拌して行われ、好ましくは室
温〜70℃で8〜24時間攪拌して行われる。
【0016】工程b:式(4)の化合物は、銅粉などを
用いたウルマン反応により式(5)のアルデヒド化合物
に導かれる。反応はN,N−ジメチルホルムアミド、ヘ
キサホスホリックトリアミド、トルエン、ベンゼンなど
の溶媒中または無溶媒中、30〜200℃で1〜24時
間攪拌して行われ、好ましくは70〜150℃で2〜8
時間攪拌して行われる。
【0017】工程c:式(5)のアルデヒド化合物を不
活性溶媒中、還元剤にて還元し、次いでハロゲン化剤に
てハロゲン化して式(6)の化合物を得る。還元時に用
いることのできる溶媒は、テトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテル、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノ
ールなどであり、還元剤とは、水素化リチウムアルミニ
ウムなどのアルミニウム系還元剤、水素化ホウ素ナトリ
ウムなどのホウ素系還元剤などが用いられる。この反応
は0〜100℃で1〜10時間攪拌して行われ、好まし
くは0〜室温で1〜5時間攪拌して行われる。ハロゲン
化剤としては塩化チオニル、オキシ塩化リン、オキシ臭
化リン、五塩化リン、濃塩酸、臭化水素酢酸溶液、ヨウ
化水素酸などであり、無溶媒またはジクロロメタン、テ
トラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ヘキサメチルスルホルトリアミドな
どが単独または混合して用いられる。この反応は0〜1
30℃で1〜24時間攪拌して行われ、好ましくは室温
〜100℃で2〜10時間攪拌して行われる。
【0018】工程d:式(6)の化合物は式(7)のア
ミンと反応させることにより、式(8)の本発明化合物
を得ることができる。この反応における塩基としては炭
酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基、トリエチ
ルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−
メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリンなどの3
級アミン、式(7)のアミンなどが用いられ、溶媒とし
てはアセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが
用いられる。反応は、50〜150℃で5〜48時間、
好ましくは50〜100℃で8〜24時間攪拌して行わ
れる。 [ルート2]
【0019】
【0020】工程e:式(6)の化合物はシアノ化し、
次いで加水分解することによって式(9)のカルボン酸
とする。本工程のシアノ化においてはシアノ化剤として
シアン化カリウム、シアン化ナトリウムまたはシアン化
銅が無触媒または触媒の存在下で用いられる。ここで触
媒とは18−クラウン−6などのクラウンエーテル類、
テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメ
チルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアン
モニウムクロライドなどの相関移触媒が用いられる。溶
媒としてはアセトニトリル、ベンゼン、トルエン、クロ
ロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジメエチルスルホキシドな
どが単独または水との混合溶媒として用いられる。反応
は、室温〜150℃で3〜24時間攪拌して行われる。
【0021】加水分解は水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウムなどの塩基、または塩酸、硫
酸、酢酸などの酸によって行われる。ここで用いられる
溶媒はエタノールなどのアルコール類、ジオキサン、
1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、N,N−
ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒と水の混合物であ
る。反応は、還流下5〜24時間攪拌して行われる。
【0022】工程f:次いで、式(9)のカルボン酸を
混合酸無水物とするか酸ハライドにしてそのカルボキシ
ル基を活性化した後、式(7)のアミンを反応させてア
ミド化し、更に還元して式(10)の本発明化合物を得
る。上記において、混合酸無水物とするには、塩基(ト
リエチルアミン、N−メチルモルホリンなど)の存在
下、式(9)のカルボン酸とクロル炭酸エチル、クロル
炭酸イソブチル、無水酢酸、酢酸クロライドなどとを溶
媒中反応させる。ここで用いられる溶媒はテトラヒドロ
フラン、ジクロルメタン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、トルエン、ベンゼンなどである。また、酸ハライド
とするには、式(9)のカルボン酸を塩化チオニル、臭
化チオニルなどをベンゼン、トルエン、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなど
の溶媒中または無溶媒で反応させる。
【0023】還元は、還元剤として水素化リチウムアル
ミニウム、ボラン・テトラヒドロフラン錯体などが用い
られ、溶媒としてテトラヒドロフラン、1,2−ジメト
キシエタン、トルエンなどが用いられる。反応は、0〜
150℃で1〜24時間攪拌して行われ、好ましくは室
温〜80℃で2〜10時間攪拌して行われる。 [ルート3]
【0024】
【0025】工程g:式(9)のカルボン酸は、還元剤
にて還元後、工程cのハロゲン化と同様にして式(1
1)のハロゲン化合物を得る。ここで還元剤とは水素化
リチウムアルミニウム、ボラン・テトラヒドロフラン錯
体などであり、溶媒はテトラヒドロフラン、1,2−ジ
メトキシエタン、エーテル、トルエン、ベンゼンなど用
いられる。反応は0〜70℃で1〜8時間攪拌して行わ
れる。
【0026】以下、工程dと同様に、式(11)のハロ
ゲン化合物を式(7)のアミンと反応させることによ
り、式(10)の本発明化合物を得ることができる。
【0027】以下、式(11)のハライドを、工程eの
シアノ化および加水分解、工程gの還元およびハロゲン
化を繰り返し、得られたハライドを工程dと同様にして
アミンと反応させることによって、順次炭素数[式
(1)におけるnの数]が延ばされた式(1)の本発明
化合物を得ることができる。 [ルート3]
【0028】
【0029】工程h:式(5)の化合物をリンイリドと
反応させることにより、式(12)のエステル化合物を
得る。ここでリンイリドはジエチルホスホノ酢酸エチル
アニオン、トリフェニルホスホラニリデン酢酸メチルエ
ステルなどであり、反応溶媒はテトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムア
ミドなどが用いられる。反応は−78〜100℃で1〜
24時間攪拌して行われ、好ましくは−30〜50℃で
2〜15時間攪拌して行われる。
【0030】工程i:式(12)のエステル化合物の二
重結合を還元し、エステルを加水分解することにより、
式(13)のカルボン酸に導く。ここで還元とは水素添
加であり、触媒としてはパラジウム/カーボン、二酸化
白金などが用いられ、溶媒は酢酸エチル、ベンゼン、ト
ルエン、メタノール、エタノール、ジクロロメタンなど
である。反応は0〜60℃で1〜24時間攪拌して行わ
れ、好ましくは室温で1〜10時間攪拌して行われる。
【0031】加水分解は水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、塩酸、硫
酸、酢酸などを用い、メタノール、エタノール、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどの有機溶媒中またはこれ
らの有機溶媒と水の混合溶媒中、1〜36時間室温〜1
00℃で攪拌し、好ましくは2〜12時間室温で攪拌し
て行われる。次いで、式(13)のカルボン酸は工程f
と同様な操作、または工程gおよび工程dと同様な操作
により、式(14)の本発明化合物に導くことができ
る。
【0032】以下、式(13)のカルボン酸から、順
次、工程g、工程d、工程eおよび工程fを用い、式
(1)の化合物におけるnが任意の整数である化合物を
合成することができる。
【0033】工程j:また、式(5)のアルデヒドを酸
化剤にて酸化することにより相当するカルボン酸とし、
次いで工程fと同様に式(7)のアミンと反応させるこ
とにより式(8)の本発明化合物を得ることもできる。
ここで、酸化剤とは酸化クロム、ジクロム酸ピリジニウ
ムなどのクロム系酸化剤、二酸化マンガン、過マンガン
酸カリウムなどのマンガン系酸化剤、酸化銀、過酸化水
素、過酢酸の過酸化物系酸化剤などを示す。反応はアセ
トン、ジクロロメタン、ベンゼン、テトラヒドロフラン
などの有機溶媒、または水との混合溶媒を用い、0℃〜
150℃で、1時間〜4日間攪拌して行われる。
【0034】工程k:なお、以上述べた方法によって得
られたそれぞれの本発明化合物は、酸によってR6の除
去し、続いて前記反応において開環した6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン環の5−6結合を再び工程aと同様な
方法により閉環することによって、式(1)においてR
1が水素原子である本発明化合物に導くことができる。
ここで、酸とは臭化水素酢酸溶液、ヨウ化水素酸などの
プロトン酸または三臭化ホウ素などのルイス酸である。
反応はジクロルメタン、クロロホルム、酢酸などの溶媒
中、0〜150℃で行われる。
【0035】
【発明の効果】本発明により精神分裂病および脳血管障
害や老年期痴呆に伴う問題行動に対し優れた改善作用を
有する化合物が提供された。
【0036】試験例[レセプター結合実験] 動物はウィスター系雄性ラットを用いた。
【0037】[3H]標識リガンドとしてシグマレセプ
ターには(+)[3H]3−PPP [3−(3−ヒドロキシフェニル)−N−n−プロピル
ピペリジン]、D2レセプターには(−)[3H]スル
ピリドをそれぞれ用いた。
【0038】[3H]標識リガンドを用いた結合反応
は、それぞれモレキュラーファーマコロジー、第32
巻、第772頁(1987年)、ジャーナル オブ フ
ァーマシー アンド ファーマコロジー、第32巻、第
820頁(1987年)に記載された以下(1)および
(2)の方法で行った。
【0039】(1)(+)[3H]3−PPP 結合:ラ
ット線条体より得た膜標品、(−)[3H]3−PPP
および被験薬を、50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.
0)中、21℃で90分間反応させた。
【0040】(2)(−)[3H]スルピリド結合:ラ
ット線条体より得た膜標品、(−)[3H]スルピリド
および被験薬を、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
7)中、37℃で10分間反応させた。
【0041】各々反応終了後、ガラスフィルター(GF
/B)に吸引濾過し、濾紙の放射能を液体シンチレーシ
ョンスペクトルメーターにて測定した。
【0042】10μM(+)3−PPP、10μM
(−)スルピリド存在下で反応させたときの結合を、そ
れぞれ(+)[3H]3−PPP、(−)[3H]スルピ
リドの非特異結合とし、総結合と非特異結合との差を特
異的結合とした。一定濃度の[3H]標識リガンドと濃
度を変えた被験薬を上記(1)および(2)の条件で反
応させることで抑制曲線を得、この抑制曲線からそれぞ
れの結合を50%抑制する被験薬の濃度(IC50)求
め、結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】(注1) A:4−メトキシ−1−[2−(4−フェニルピペラジ
ニル)エチル]−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン塩酸
塩 B:4−メトキシ−1−[2−[4−(2−メトキシフ
ェニル)ピペラジニル]エチル]−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン塩酸塩 C:1−[2−[4−(2,5−ジメトキシフェニル)
ピペラジニル]エチル]−4−メトキシ−6H−ジベン
ゾ[b,d]ピラン2塩酸塩 D:4−メトキシ−1−[3−[4−(2−メトキシフ
ェニル)ピペラジニル]プロピル]−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン2塩酸塩 E:4−メトキシ−1−[4−[4−(2−メトキシフ
ェニル)ピペラジニル]ブチル]−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン2塩酸塩 F:1−[4−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジ
ニル]ブチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン2塩酸塩
【0045】(注2)リムカゾールの値は、ヨーロピア
ン ジャーナル オブ ファーマコロジー、第155
巻、第345頁(1988年)に記載された値を引用し
た。
【0046】また、D2レセプターの値は、[3H]スペ
ピロン結合に対する値で示されている。
【0047】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 (1)2−ブロモ−3−(2−ヨードベンジルオキシ)
−4−メトキシベンズアルデヒドの製造 2−ブロモイソバニリン23.11g、2−ヨウ化ベン
ジルクロライド25.25g、炭酸カリウム15.20
gおよびヨウ化ナトリウム0.75gをN,N−ジメチ
ルホルムアミド150ml中で1夜室温で攪拌した。反
応液を希塩酸中に注ぎ、酢酸エチル抽出し、希塩酸、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
後、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾過、減圧下溶媒留去
し、残渣をジクロロメタン−イソプロピルエーテルより
再結晶し、2−ブロモ−3−(2−ヨードベンジルオキ
シ)−4−メトキシベンズアルデヒド41.2gを得
た。 m.p.130.5〜131.5℃
【0048】(2)1−ホルミル−4−メトキシ−6H
−ジベンゾ[b,d]ピランの製造 2−ブロモ−3−(2−ヨードベンジルオキシ)−4−
メトキシベンズアルデヒド40.0gおよび銅粉40.
0gを1時間かけ攪拌下130℃まで昇温し、更に13
0℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル2
00mlを加え、固形物を濾別した。濾液は減圧下溶媒
留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エ
チル−ヘキサン=1:5)にて精製後、酢酸エチル−ヘ
キサンより再結晶し、1−ホルミル−4−メトキシ−6
H−ジベンゾ[b,d]ピラン7.86gを得た。 m.p.113.0〜114.0℃
【0049】(3)4−メトキシ−1−[4−(2−メ
トキシフェニル)ピペラジニル]メチル−6H−ジベン
ゾ[b,d]ピラン2塩酸塩の製造 1−ホルミル−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン3.26gのメタノール50ml/ジクロロ
メタン10ml混合溶液に二酸化マンガン35.00
g、シアン化ナトリウム3.32gおよび酢酸1.17
mlを加え、室温で94.5時間攪拌した。セライト濾
過後、減圧下溶媒留去して得られる残渣にジクロロメタ
ンを加え、水洗した。無水硫酸マグネシウム乾燥、濾
過、減圧下溶媒留去し、粗4−メトキシ−1−メトキシ
カルボニル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン3.88
gを得た。この化合物はこれ以上精製せずに次の反応に
使用した。
【0050】粗4−メトキシ−1−メトキシカルボニル
−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン2.62gのメタノ
ール27ml/テトラヒドロフラン10mlの混合溶液
に水3mlおよび水酸化カリウム5.44gを加え、1
2日間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣に水を加
え、酢酸エチル洗浄後、水層に濃塩酸を滴下し酸性と
し、酢酸エチル抽出した。抽出液は無水硫酸マグネシウ
ム乾燥、濾過、減圧下溶媒留去し、粗1−ヒドロキシカ
ルボニル−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピ
ラン2.74gを得た。この化合物はこれ以上精製せず
に次の反応に使用した。
【0051】1−ヒドロキシカルボニル−4−メトキシ
−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン633mgのベンゼ
ン20ml懸濁液に塩化チオニル0.72mlを加え、
減圧下溶媒留去し、ベンゼン30mlを加え減圧下溶媒
留去という操作を2回繰り返し行い過剰の塩化チオニル
を除いた。
【0052】残渣のベンゼン20ml溶液に1−(2−
メトキシフェニル)ピペラジン1.19gを加え、室温
で1.5時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を加えた後、酢酸エチル抽出し、無水硫酸マグ
ネシウム乾燥、濾過、減圧下溶媒留去した。
【0053】残渣のテトラヒドロフラン20ml溶液に
氷冷下水素化リチウムアルミニウム119mgを加え、
30分間加熱還流した。反応液に25%アンモニア水を
滴下し過剰の水素化リチウムアルミニウムを死活し、セ
ライトおよび無水硫酸マグネシウム濾過し、減圧下溶媒
留去した。残渣をジクロロメタン20mlに溶解後、4
N塩化水素酢酸エチル溶液10mlを加え、減圧下溶媒
留去し得られた粗結晶をジクロロメタン−酢酸エチルよ
り再結晶し、4−メトキシ−1−[4−(2−メトキシ
フェニル)ピペラジニルメチル]−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン2塩酸塩286mgを得た。 m.p.156〜158℃
【0054】実施例2 (1)1−ヒドロキシカルボニルメチル−4−メトキシ
−6H−ジベンゾ[b,d]ピランの製造 氷冷下攪拌した1−ホルミル−4−メトキシ−6H−ジ
ベンゾ[b,d]ピラン41.24gのテトラヒドロフ
ラン400ml/メタノール130mlの混合溶液に、
水素化ホウ素ナトリウム1.79gを10分間で加え
た。氷冷下1.5時間攪拌後、氷冷した1N塩酸を加
え、酢酸エチル抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウム乾
燥、濾過、減圧下溶媒留去した。
【0055】残渣をテトラヒドロフラン300ml/ヘ
キサメチルホスホリックトリアミド60mlの混液に溶
解し、塩化チオニル18.8mlを室温で攪拌下30分
間で滴下した。室温で1.5時間攪拌後、減圧濃縮し、
氷水に注ぎ、酢酸エチル抽出し、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシ
ウム乾燥、濾過、減圧下溶媒留去した。残渣をアセトニ
トリル600mlに溶解し、18−クラウン−6 4.
54gおよびシアン化カリウム22.36gを加え、1
日攪拌後、減圧濃縮し、氷水に注ぎ、酢酸エチル抽出
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄後、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾過、減圧下溶媒
留去した。
【0056】残渣に酢酸500ml、水150mlおよ
び硫酸50mlを加え、20時間攪拌下加熱還流後、減
圧濃縮し、氷水に注ぎ、析出した結晶を濾取し、1−ヒ
ドロキシカルボニルメチル−4−メトキシ−6H−ジベ
ンゾ[b,d]ピラン42.84gを得た。 m.p.141.5〜143.0℃
【0057】(2)1−[2−(N,N−ジ−n−プロ
ピルアミノ)エチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ
[b,d]ピランフマール酸塩の製造 1−ヒドロキシカルボニルメチル−4−メトキシ−6H
−ジベンゾ[b,d]ピラン740mgおよびN−メチ
ルモルホリン307mgのテトラヒドロフラン16ml
溶液に、−15〜−10℃で攪拌下、クロルギ酸イソブ
チル414mgを滴下し、更に1時間攪拌後、ジ−n−
プロピルアミン321mgを加え、−15〜−10℃で
2時間、室温で1夜攪拌した。反応液を氷水に注ぎ、酢
酸エチル抽出し、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウム
乾燥、濾過、減圧下溶媒留去した。
【0058】残渣をテトラヒドロフラン15mlに溶解
し、水素化リチウムアルミニウム158mgのテトラヒ
ドロフラン5mlの懸濁溶液中に攪拌下室温で加え、攪
拌下1時間加熱還流した。氷水冷却後、飽和硫酸ナトリ
ウム水溶液を水素の発生が無くなるまで滴下し、析出物
を濾別した。濾液は減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィー(クロロホルム−メタノール=50:
1)にて精製後、エーテル10mlに溶解し、フマール
酸のエーテル溶液を加え、析出した結晶を濾取し、1−
[2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチル]−
4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピランフマー
ル酸塩495mgを得た。m.p.150.5〜151.
5℃
【0059】実施例3 (1)1−(2−クロロエチル)−4−メトキシ−6H
−ジベンゾ[b,d]ピランの製造 水素化リチウムアルミニウム4.18gのテトラヒドロ
フラン70mlの懸濁溶液中に氷冷下攪拌しながら、1
−ヒドロキシカルボニルメチル−4−メトキシ−6H−
ジベンゾ[b,d]ピラン12.78gを少量ずつ加え
た。氷冷下5時間攪拌後、飽和硫酸ナトリウム水溶液を
水素の発生が無くなるまで滴下し、析出物を濾別し、溶
媒を減圧留去した。
【0060】残渣をテトラヒドロフラン100ml/ヘ
キサメチルホスホリックトリアミド20mlの混液に溶
解し、塩化チオニル5.2mlを室温で攪拌下15分間
で滴下した。室温で2時間攪拌後、減圧濃縮し、氷水に
注ぎ、酢酸エチル抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウム乾
燥、濾過、減圧下溶媒留去し、1−(2−クロロエチ
ル)−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン
10.83gを得た。
【0061】NMR(DMSO−d6) δ(pp
m): 3.40(2H,t,J=7.5Hz) 3.78(3H,s) 3.90(2H,t,J=7.5Hz) 4.91(2H,s) 6.97(1H,d,J=8.5Hz) 7.07(1H,d,J=8.5Hz) 7.35〜7.50(3H,m) 7.67(1H,d,J=6.5) MS m/e: 274(M+
【0062】(2)4−メトキシ−1−[2−[4−
(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]エチル]−6
H−ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩の製造 1−(2−クロロエチル)−4−メトキシ−6H−ジベ
ンゾ[b,d]ピラン1.70gおよび1−(2−メト
キシフェニル)ピペラジン3.3mlをトルエン6ml
中、26時間、100℃で攪拌した。反応液を1N水酸
化ナトリウム水溶液中に注ぎ、ジクロロメタン抽出し、
飽和食塩水洗浄後、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾過、
減圧下溶媒留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(ヘキサン−酢酸エチル=2:1)にて精製後、メ
タノールに溶解し、4N塩化水素酢酸エチル溶液7ml
を加え、減圧下溶媒留去した。残渣をメタノールより再
結晶し、4−メトキシ−1−[2−[4−(2−メトキ
シフェニル)ピペラジニル]エチル]−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン塩酸塩1.29gを得た。 m.p.223〜224℃
【0063】同様にして、以下の化合物を得た。
【0064】4−メトキシ−1−(2−ピペラジニルエ
チル)−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩 m.p.253〜255℃(メタノールより再結晶) 1−[2−(3,5−ジメチルピペラジニル)エチル]
−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン2塩
酸塩 m.p.274〜276℃(イソプロパノールより再結
晶) 1−[2−(4−ベンジルピペラジニル)エチル]−4
−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩 m.p.256〜258℃(エタノールより再結晶)
【0065】4−メトキシ−1−[2−(4−フェニル
ピペラジニル)エチル]−6H−ジベンゾ[b,d]ピ
ラン塩酸塩 m.p.241〜245℃(メタノールより再結晶) 1−[2−[4−(2−クロロフェニル)ピペラジニ
ル]エチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン塩酸塩 m.p.239〜240℃(メタノールより再結晶) 1−[2−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジニ
ル]エチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン塩酸塩 m.p.242〜243℃(メタノールより再結晶)
【0066】1−[2−[4−(4−クロロフェニル)
ピペラジニル]エチル]−4−メトキシ−6H−ジベン
ゾ[b,d]ピラン2塩酸塩 m.p.282〜285℃(メタノールより再結晶) 4−メトキシ−1−[2−[4−(3−トリフロロメチ
ルフェニル)ピペラジニル]エチル]−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン2塩酸塩 m.p.205〜207℃(メタノールより再結晶) 4−メトキシ−1−[2−[4−(3−メトキシフェニ
ル)ピペラジニル]エチル]−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン2塩酸塩 m.p.198〜199℃(アセトンより再結晶)
【0067】4−メトキシ−1−[2−[4−(4−メ
トキシフェニル)ピペラジニル]エチル]−6H−ジベ
ンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩 m.p.246〜247℃(メタノールより再結晶) 1−[2−[4−(3,5−ジメトキシフェニル)ピペ
ラジニル]エチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン2塩酸塩 m.p.136〜138℃(アセトンより再結晶) 1−[2−[4−(2,5−ジメトキシフェニル)ピペ
ラジニル]エチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ
[b,d]ピラン2塩酸塩 m.p.152〜153℃(アセトンより再結晶)
【0068】1−[2−[4−(2,3−ジメチルフェ
ニル)ピペラジニル]エチル]−4−メトキシ−6H−
ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩 m.p.218〜223℃(メタノールより再結晶) 1−(2−アミノエチル)−4−メトキシ−6H−ジベ
ンゾ[b,d]ピラン塩酸塩 m.p.266〜270℃(エタノールより再結晶) 1−[2−(N−n−プロピルアミノ)エチル]−4−
メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン塩酸塩 m.p.198〜200℃(メタノール−イソプロパノ
ールより再結晶)
【0069】1−[2−(N,N−ジ−n−ブチルアミ
ノ)エチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピランシュウ酸塩 m.p.129.5〜131℃(イソプロパノールより
再結晶) 4−メトキシ−1−(2−ピロリジノエチル)−6H−
ジベンゾ[b,d]ピラン塩酸塩 m.p.225〜227℃(エタノールより再結晶) 4−メトキシ−1−(2−ピペリジノエチル)−6H−
ジベンゾ[b,d]ピラン塩酸塩 m.p.197〜199℃(エタノールより再結晶)
【0070】4−メトキシ−1−(2−モルホリノエチ
ル)−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン塩酸塩 m.p.214.5〜217℃(エタノールより再結
晶) 1−[2−(6,7−ジメトキシベンゾ[c]ピペリジ
ン−2−イル)エチル]−4−メトキシ−6H−ジベン
ゾ[b,d]ピラン塩酸塩 m.p.183〜184℃(アセトンより再結晶)
【0071】実施例4 (1)1−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)−4−
メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピランの製造 ジエチルホスホノ酢酸エチル6.72gのテトラヒドロ
フラン100ml溶液に、氷冷下アルゴン気流中カリウ
ム t−ブトキシド2.80gを加え、同温で1.5時
間攪拌後、1−ホルミル−4−メトキシ−6H−ジベン
ゾ[b,d]ピラン4.00gのテトラヒドロフラン1
0ml溶液を氷冷下加え、氷冷下14時間、更に室温で
6時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50m
lを反応液に加え過剰の試薬を死活後、酢酸エチル抽出
し、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾過、減圧下溶媒留去
した。
【0072】残渣を酢酸エチル50mlに溶解し、二酸
化白金400mgを懸濁させ、水素気流中室温で3.5
時間攪拌後、セライト濾過、減圧下溶媒留去した。
【0073】残渣の水10ml、メタノール90mlお
よびテトラヒドロフラン40mlの混合溶液に、水酸化
カリウム7.59gを加え、室温で11時間攪拌した。
減圧下溶媒留去し得られた残留物に水を加え、酢酸エチ
ル洗浄後、液性が酸性になるまで濃塩酸を滴下し、酢酸
エチル抽出し、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾過、減圧
下溶媒留去し、1−(2−ヒドロキシカルボニルエチ
ル)−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン
5.21gを得た。m.p.134〜135℃
【0074】(2)4−メトキシ−1−[3−[4−
(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]プロピル]−
6H−ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩の製造 1−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)−4−メトキ
シ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン1.00gのベン
ゼン20ml懸濁液に塩化チオニル1.03mlを加
え、30分間加熱還流後、減圧下溶媒留去し、ベンゼン
30mlを加え減圧下溶媒留去という操作を2回繰り返
し行い過剰の塩化チオニルを除いた。
【0075】残渣のベンゼン20ml溶液に1−(2−
メトキシフェニル)ピペラジン1.70gを加え、室温
で1.5時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を加えた後、酢酸エチル抽出し、無水硫酸マグ
ネシウム乾燥、濾過、減圧下溶媒留去した。
【0076】残渣のテトラヒドロフラン30ml溶液に
氷冷下水素化リチウムアルミニウム320mgを加え、
30分間加熱還流した。反応液に25%アンモニア水を
滴下し過剰の水素化リチウムアルミニウムを死活し、セ
ライトおよび無水硫酸マグネシウム濾過し、減圧下溶媒
留去した。残渣をジクロロメタン20mlに溶解後、4
N塩化水素酢酸エチル溶液6.8mlを加え、減圧下溶
媒留去し得られた粗結晶をジクロロメタン−酢酸エチル
より再結晶し、4−メトキシ−1−[3−[4−(2−
メトキシフェニル)ピペラジニル]プロピル]−6H−
ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩1.15gを得た。 m.p.153〜155℃
【0077】同様にして、以下の化合物を得た。 4−メトキシ−1−[3−[4−(2−ピリジル)ピペ
ラジニル]プロピル]−6H−ジベンゾ[b,d]ピラ
ン塩酸塩 m.p.146〜148℃(ジクロロメタン−酢酸エチ
ルより再結晶) 1−[3−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジニ
ル]プロピル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン塩酸塩 m.p.124〜126℃(ジクロロメタン−酢酸エチ
ルより再結晶)
【0078】1−[2−(N,N−ジ−n−ヘキシルア
ミノ)エチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン NMR(CDCl3) δ(ppm): 0.88(6H,t,J=6Hz) 1.13〜1.54(16H,m) 1.87(2H,m) 2.27〜2.60(6H,m) 2.97(2H,t,J=8Hz) 3.89(3H,s) 4.98(2H,s) 6.84(1H,d,J=9Hz) 6.95(1H,d,J=9Hz) 7.20〜7.43(3H,m) 7.71(1H,brd,J=8Hz) MS m/e: 437(M+
【0079】実施例5 4−メトキシ−1−[3−[4−(2−ピリミジル)ピ
ペラジニル]プロピル]−6H−ジベンゾ[b,d]ピ
ラン2塩酸塩の製造 1−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)−4−メトキ
シ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン6.60gのテト
ラヒドロフラン100ml溶液に氷冷下水素化リチウム
アルミニウム1.77gを加え、同温で1時間攪拌し
た。反応液に25%アンモニア水を滴下し過剰の水素化
リチウムアルミニウムを死活し、セライトおよび無水硫
酸マグネシウム濾過し、減圧下溶媒留去した。
【0080】残渣のテトラヒドロフラン50ml/ヘキ
サメチルホスホリックトリアミド10mlの混合溶液に
氷冷下塩化チオニル2.71mlを加え、室温で2時間
攪拌した。反応液を氷水に注ぎ酢酸エチル抽出後、水、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸
マグネシウム乾燥、濾過、減圧下溶媒留去し、粗1−
(3−クロロプロピル)−4−メトキシ−6H−ジベン
ゾ[b,d]ピラン6.72gを得た。この化合物はこ
れ以上精製せずに次の反応に使用した。
【0081】粗1−(3−クロロプロピル)−4−メト
キシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン1.27gのジ
イソプロピルエチルアミン10ml溶液に1−(2−ピ
リミジル)ピペラジン2塩酸塩3.13gを加え、14
0℃で3時間攪拌した。2N水酸化ナトリウム水溶液お
よび酢酸エチルを加え、酢酸エチル層を分取し、飽和食
塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾過、減圧
下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグ
ラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=1:1)にて精製
後、ジクロロメタン30mlに溶解し、4N塩化水素酢
酸エチル溶液7.3mlを加え、減圧下溶媒留去した。
得られた粗結晶をジクロロメタン−酢酸エチルより再結
晶し、4−メトキシ−1−[3−[4−(2−ピリミジ
ル)ピペラジニル]プロピル]−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン2塩酸塩212mgを得た。 m.p.199〜201℃
【0082】実施例6 4−メトキシ−1−[4−[4−(2−メトキシフェニ
ル)ピペラジニル]ブチル]−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン2塩酸塩の製造 粗1−(3−クロロプロピル)−4−メトキシ−6H−
ジベンゾ[b,d]ピラン5.42gのアセトニトリル
50ml溶液にシアン化カリウム2.44gおよび18
−クラウン−6 0.50gを加え、加熱還流下17時
間攪拌した。室温に冷却後、減圧下溶媒留去し、残渣に
酢酸エチルおよび水を加え酢酸エチル層を分取し、水、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸
マグネシウム乾燥、濾過、減圧下溶媒留去した。
【0083】残渣をエタノ−ル50mlに溶解し、20
%水酸化カリウム水溶液50mlを加え、8時間加熱還
流した。減圧下溶媒留去し得られた残留物に水を加え、
酢酸エチル洗浄後、液性が酸性になるまで濃塩酸を滴下
し、酢酸エチル抽出し、無水硫酸マグネシウム乾燥、濾
過、減圧下溶媒留去し、粗1−(3−ヒドロキシカルボ
ニルプロピル)−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン5.27gを得た。この化合物はこれ以上精
製せずに次の反応に使用した。
【0084】1−(3−ヒドロキシカルボニルプロピ
ル)−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン
1.00gのベンゼン20ml懸濁液に塩化チオニル
0.98mlを加え、30分間加熱還流後、減圧下溶媒
留去し、ベンゼン30mlを加え減圧下溶媒留去という
操作を2回繰り返し行い過剰の塩化チオニルを除いた。
【0085】残渣のベンゼン20ml溶液に1−(2−
メトキシフェニル)ピペラジンgを加え、室温で1.5
時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
を加えた後、酢酸エチル抽出し、無水硫酸マグネシウム
乾燥、濾過、減圧下溶媒留去した。
【0086】上記残渣のテトラヒドロフラン20ml溶
液に氷冷下水素化リチウムアルミニウム320mgを加
え、30分間加熱還流した。反応液に25%アンモニア
水を滴下し過剰の水素化リチウムアルミニウムを死活
し、セライト及び無水硫酸マグネシウム濾過し、減圧下
溶媒留去した。残渣をジクロロメタン20mlに溶解
後、4N塩化水素酢酸エチル溶液10mlを加え、減圧
下溶媒留去し得られた粗結晶をジクロロメタン−酢酸エ
チルより再結晶し、4−メトキシ−1−[4−[4−
(2−メトキシフェニル)ピペラジニル]ブチル]−6
H−ジベンゾ[b,d]ピラン2塩酸塩1.15gを得
た。 m.p.136〜138℃
【0087】同様にして、以下の化合物を得た。 1−[4−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジニ
ル]ブチル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン2塩酸塩 m.p.223〜225℃(エタノールより再結晶)
【0088】実施例7 1−[2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチ
ル]−4−ヒドロキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラ
ン塩酸塩の製造 1−[2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチ
ル]−4−メトキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン
塩酸塩1.00gの37%臭化水素酢酸溶液を8時間加
熱還流後、減圧下溶媒を留去し、エタノール30mlを
加え減圧下溶媒留去という操作を2回繰り返し行い臭化
水素及び酢酸を除いた。
【0089】残渣にN,N−ジメチルホルムアミド20
mlおよび無水炭酸カリウム1.10gを加え、室温で
1夜攪拌した。固形物を濾別し、濾液を減圧下溶媒を留
去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン
−アセトン)にて精製後、エーテル20mlに溶解し、
4N塩化水素酢酸エチル溶液1mlを加え、減圧下溶媒
留去し得られた粗結晶をエタノールより再結晶し、1−
[2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチル]−
4−ヒドロキシ−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン塩酸
塩343mgを得た。 m.p.242.5〜244℃
【0090】同様にして、以下の化合物を得た。 1−[2−[4−(4−クロロフェニル)ピペラジニ
ル]エチル]−4−ヒドロキシ−6H−ジベンゾ[b,
d]ピラン2塩酸塩 m.p.218〜220℃(エタノールより再結晶)
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/505 7252−4C (72)発明者 川島 豊 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 畑山 勝男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 [式中、R1は水素原子または炭素原子数1〜5のアル
    キル基を示し、R2およびR3は同一または異なって水素
    原子、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数2〜
    5のアルケニル基を示すか、または隣接する窒素原子と
    ともにピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ベ
    ンゼン環が炭素原子数1〜5のアルコキシ基で置換され
    ていてもよいベンゾピペリジノ基もしくは式 (式中、R4は水素原子または炭素原子数1〜5のアル
    キル基を示し、R5は水素原子、ベンジル基、ピリジル
    基、ピリミジル基または「ハロゲン原子、炭素原子数1
    〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基ま
    たはトリフルオロメチル基の1〜3個」で置換されてい
    てもよいフェニル基を示す。)で表される基を示し、n
    は1〜5の整数を示す。]で表される6H−ジベンゾ
    [b,d]ピラン誘導体およびその塩。
JP3325517A 1991-12-10 1991-12-10 6H−ジベンゾ[b,dピラン誘導体 Pending JPH05155875A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103012353A (zh) * 2012-09-13 2013-04-03 华东理工大学 一种简便的合成5,6-二苯并(b,d)吡喃及其衍生物的新方法

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CN103012353A (zh) * 2012-09-13 2013-04-03 华东理工大学 一种简便的合成5,6-二苯并(b,d)吡喃及其衍生物的新方法

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