JPH05155732A - 加圧印象材及び加圧印象採得方法 - Google Patents

加圧印象材及び加圧印象採得方法

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JPH05155732A
JPH05155732A JP3348112A JP34811291A JPH05155732A JP H05155732 A JPH05155732 A JP H05155732A JP 3348112 A JP3348112 A JP 3348112A JP 34811291 A JP34811291 A JP 34811291A JP H05155732 A JPH05155732 A JP H05155732A
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JP
Japan
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impression
pressure
impression material
denture
mucosa
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Pending
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JP3348112A
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English (en)
Inventor
Masato Ueno
正人 植野
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Molten Corp
Chugoku Shiken KK
Original Assignee
Molten Corp
Chugoku Shiken KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 咀嚼運動時、顎提に密着する義歯を作製する
ための加圧印象材及び加圧印象採得方法を実現する。 【構成】 加圧印象材は、例えばポリエチルメタクリレ
ート及びポリ酢酸ビニルを主成分とし、室温で固形であ
りかつ、37℃加温状態で可塑化し咬合圧により変形す
る。この印象材は、粘膜調整材で粘膜面に密封される。
咬合により印象材は変形移動し、これに加わる圧力は均
一に分散する。その結果、粘膜面に加わる圧力を均等に
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科補綴分野におい
て、患者の無歯顎提の印象を採得する際に使用する加圧
印象材及びその加圧印象採得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、印象採得は、粘性流動状態にあ
る印象材をトレーに盛り、これを口腔内に送入して顎提
に圧接し、印象材が硬化した後、取り出すことによって
行われる。従来、この種印象材として、寒天印象材及び
アルジネート印象材等の水成コロイド印象材、合成ゴ
ム、ポリサルファイドゴム、シリコーンゴム等を使用し
たゴム印象材が広く使用されている。またポリカプロラ
クトン樹脂を使用することも提案されている(特開平2
−196707号)。
【0003】
【発明を解決しようとする課題】上記印象材にあって
は、その硬化時間が約1〜5分と比較的短時間であるた
め、顎の静的な状態の印象しか採れないという問題があ
る。すなわち、咀嚼運動等口腔粘膜の機能時における形
態を動的にとらえる所謂機能印象が採りにくいのであ
る。
【0004】また抜歯後の顎提には、歯槽骨が隆起して
歯肉が薄くなっている部分や、歯肉の厚い部分があり、
厚い部分は弾力にとみ、変形も大きく、逆に薄い部分は
弾力が小さく変形も小さい。それ故、印象採得時印象材
の流出をそのままにした印象採得方法(無圧印象法と呼
ばれる)をもとに義歯を製作した場合、義歯を介して粘
膜面に咬合圧が加わったとき、歯肉の薄い部分に圧痛を
覚えることがある。また印象材の流出により、床が沈下
し、部分的に粘膜を異常圧迫し、その状態で印象された
作業模型で製作された義歯は、粘膜に疼痛を発生するこ
とがある。これと同時に上下顎間距離が低くなるおそれ
もある。
【0005】本発明は、このような諸問題を解決するた
めになされたもので、機能印象を可能にする加圧印象材
及び加圧印象採得方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る加圧印象材
は、ポリエチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリ酢酸ビニル、ポリブチルメタクリレート、ポ
リイソブチレン、ポリカプロラクトン、α−オレフィン
樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ワックス、
ロジン、コーパル、ダンマル、セラック、グッタペル
カ、クマロン−インデン樹脂よりなるグループから選ば
れた1又は2以上の材料を主成分とし、室温で固形であ
りかつ37℃加温状態で可塑化し、咬合圧印加により変
形するものである。
【0007】また本発明に係る加圧印象採得方法は、室
温で固形であり、かつ37℃加温状態で可塑化し咬合圧
印加により変形移動する熱可塑性樹脂よりなるシート状
加圧印象材を、上記温度に加温して既製義歯または義歯
仮床の内面に貼りつけ、石膏作業模型または口腔内で圧
接成形し、上記義歯または義歯仮床の床周囲辺縁部分に
位置する上記印象材を切除し、該切除部分及び残余の上
記印象材の全面を粘性流動状態にある他の硬化性印象材
又は粘膜調整材にて被覆して上記印象材を密封し、上記
他の硬化性印象材又は粘膜調整材が硬化する際及び硬化
後、密封された上記印象材に咬合圧を加え、上記印象材
を変形移動させ、咬合圧を均等分散させつつ加圧印象採
得を行うものである。
【0008】
【実施例】本発明に係る印象材の成分として、ポリエチ
ルメタクリレート(PEMA)3.5重量部、ポリ酢酸ビ
ニル62.5重量部、可塑剤としてブチルフタリルグリコ
ール酸ブチル17.3重合部、滑剤としてステアリン酸1
6.7重量部を使用し、これらを練和して、厚さ約1.5〜
2.5mmの歯列より若干大きい半円形板状に形成した。か
かる印象材は、室温(25℃)で固形であり、37℃即
ち口腔内温度で可塑性を示す。ここで可塑性とは、自重
では流動せず、外部から加わる応力により流動し、印象
材が接する凹凸に順応することをいう。上記印象材は、
従来の印象材のように数分後に流動性が消失するという
ことはなく、37℃の温度下で少なくとも数時間以上一
定の可塑性を有する。
【0009】上記例においてPEMAは、粘膜調整材へ
の接着性を良くするために加えられるもので、約1ない
し10重量部の範囲で使用できる。この範囲を越えて増
量すると、ゲル化を生じることがあり、37℃で可塑性
を示さなくなる。また、上記範囲より少ないと、粘膜調
整材と接着しなくなる。
【0010】ポリ酢酸ビニルは、37℃において可塑性
を生じさせるための材料であり、約50ないし80重量
部の範囲で使用できる。この範囲を越えて増量すると、
37℃における可塑性が失われ、逆に上記範囲に達しな
いと、室温でも軟らかい状態となり、印象採得された形
状が維持できないことがある。
【0011】可塑剤として使用されるブチルフタリルグ
リコール酸ブチルは、約10ないし30重量部の範囲で
使用できる。この範囲より多いと、室温で軟らかく形状
が維持できず、逆に上記範囲より量が少ないと、37℃
で流動性を生じない場合がある。
【0012】滑剤として使用されるステアリン酸は、約
10ないし30重量部添加される。これを上記範囲を越
えて増やすと、粘膜調整材との接着性を生じなくなり、
また上記範囲に達しないとトレーに或いはレジン床に粘
着して剥離しにくくなり、作業性が悪くなるという問題
がある。
【0013】尚、上記印象材には、適当な着色剤を混合
させることができる。例えば黄色に着色せんとすれば、
黄色4号アルミニウムレーキを微量添加すればよい。
【0014】次に上記構成の印象材を用いた加圧印象採
得方法につき説明する。図1において、1は、アクリル
レジンよりなる既製義歯で、その粘膜面即ち内面が一層
削除されている。2は、この内面に貼りつけられた厚さ
約2mmのシート状印象材で、義歯床周囲辺縁約5mm内側
において切り取られている。この印象材2は、室温にお
いて固形であるから、約60℃温浴にて軟化させ、石膏
作業模型に圧接して、その形状に順応させた後、既製義
歯内面に粘着移行させるのである。3は、印象材2の全
表面を被覆する粘膜調整材でゾル状態にあるとき、印象
材2表面及びこのシートが切除された義歯床周囲辺縁に
盛られ、作業模型を装着した咬合器において対合歯と咬
み合わされ、押圧成形される。粘膜調整材3として、例
えばポリエチルメタクリレート樹脂粉末を、ブチルフタ
ルグリコール酸ブチルとエタノールの混合溶液に溶かし
たゾル状態の液が使用できる。この溶液は溶解後数分で
ゲル化する。粘膜調整材3がゲル化する以前に義歯を咬
合器から取り外し、患者の口腔内に装着して、患者に中
心位で咬合させ、筋圧形成を行う。その後、粘膜調整材
がゲル化したことを確認して咀嚼運動、発声運動等をさ
せる。この咀嚼運動、発声運動は数日間行うのが望まし
い。図中4は頬、5は舌、6は顎骨である。
【0015】図1は、この口腔内装着状態を示し、印象
材2は、粘膜調整材3に囲まれて完全に密閉されてお
り、かつ口腔内温度37℃により可塑状態となってい
る。それ故、咀嚼運動により義歯1に咬合圧が加わる
と、密閉空間に閉じ込められた印象材2は、咬合圧を義
歯1内面全面に均等に分散させようとして流動する。
【0016】すなわち、図1中矢印aで示すように骨隆
起部A等歯肉が薄く硬い部分の印象材2は、外方へ流れ
て薄くなり、逆に歯肉が厚く軟らかい部分は変形して窪
むから印象材が補充されて厚くなる。このようにして加
圧された歯肉表面の形状に一致した印象が採得される。
【0017】上記実施例では、印象材の主成分として、
ポリエチルメタクリレート及びポリ酢酸ビニルを使用し
た場合につき説明したが、このほかポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレート、ポリイソブチレ
ン、ポリカプロラクトン、α−オレフィン樹脂、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー、ワックス、ロジン、コー
パル、ダンマル、セラック、グッタペルカ、クマロン−
インデン樹脂の単体或いは複数混合して使用することが
できる。
【0018】また上記実施例では、既製義歯1を使用し
たが、これに代えてレジンよりなる義歯仮床を使用した
場合でも、同様の作用がなされる。また粘膜調整材3に
代えて市販の水成コロイド印象材、ゴム印象材等弾性を
有する硬化性印象材を使用することもできる。
【0019】尚、前歯から3番目の歯と4番目の歯の間
の印象材を細く切り取り、溝を形成し、この溝に他の印
象材又は粘膜調整材を充填することにより、前歯部と臼
歯部とを分離することもできる。即ち、印象材領域を前
歯部に加わる摂取圧部と臼歯部に加わる咀嚼圧部に分離
することにより、咀嚼圧部の印象材がここに加わる咬合
圧により、摂取圧部に移動するのを防止するのである。
【0020】
【発明の効果】本発明に係る加圧印象材によれば、37
℃で可塑化するから、口腔内に送入したとき可塑、流動
性を示し、これが時間とともに硬化することはなく、咀
嚼運動等機能に応じた動的印象を採ることができる。
【0021】また本発明に係る加圧印象採得方法によれ
ば、印象材が他の印象材或いは粘膜調整材にて完全に密
閉されるから、これに加わる圧力は、粘膜面全面にわた
って一定となる。それ故、これをもとに義歯を製作すれ
ば咀嚼運動時、顎提に均一な咬合圧が加わる義歯を実現
でき、骨隆起部に圧痛を覚える等の問題は解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例に係る印象採得方法を説明するた
めの断面図である。
【符号の説明】 1 既製義歯 2 印象材 3 粘膜調整材 6 顎骨 A 骨隆起部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチルメタクリレート、ポリメチル
    メタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリブチルメタクリ
    レート、ポリイソブチレン、ポリカプロラクトン、α−
    オレフィン樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー、
    ワックス、ロジン、コーパル、ダンマル、セラック、グ
    ッタペルカ、クマロン−インデン樹脂よりなるグループ
    から選ばれた1又は2以上の材料を主成分とし、室温で
    固形でありかつ37℃加温状態で可塑化し、咬合圧印加
    により変形移動する加圧印象材。
  2. 【請求項2】 室温で固形であり、かつ37℃加温状態
    で可塑化し咬合圧印加により変形移動する熱可塑性樹脂
    よりなるシート状加圧印象材を、上記温度に加温して既
    製義歯または義歯仮床の内面に貼りつけ、石膏作業模型
    または口腔内で圧接成形し、上記義歯または義歯仮床の
    床周囲辺縁部分に位置する上記印象材を切除し、該切除
    部分及び残余の上記印象材の全面を粘性流動状態にある
    他の硬化性印象材又は粘膜調整材にて被覆して上記印象
    材を密封し、上記他の硬化性印象材又は粘膜調整材が硬
    化する際及び硬化後、密封された上記印象材に咬合圧を
    加え、上記印象材を変形移動させ、咬合圧を均等分散さ
    せつつ印象採得を行う加圧印象採得方法。
  3. 【請求項3】 上記加圧印象材は、ポリエチルメタクリ
    レート、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、
    ポリブチルメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリカ
    プロラクトン、α−オレフィン樹脂、オレフィン系熱可
    塑性エラストマー、ワックス、ロジン、コーパル、ダン
    マル、セラック、グッタペルカ、クマロン−インデン樹
    脂よりなるグループから選ばれた1又は2以上の材料を
    主成分とする請求項2記載の加圧印象採得方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000016714A1 (fr) * 1998-09-24 2000-03-30 Nissan Digital Process Ltd. Element de prelevement des empreintes de la forme de dents et procede associe
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