JPH05154335A - 乾式排煙脱硫装置および方法 - Google Patents

乾式排煙脱硫装置および方法

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JPH05154335A
JPH05154335A JP3270631A JP27063191A JPH05154335A JP H05154335 A JPH05154335 A JP H05154335A JP 3270631 A JP3270631 A JP 3270631A JP 27063191 A JP27063191 A JP 27063191A JP H05154335 A JPH05154335 A JP H05154335A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置内でのスケール付着防止、装置の腐食防
止を防ぎながらなおかつ、高い脱硫性能を維持する乾式
排煙脱硫装置を提供すること。 【構成】 消石灰等の脱硫剤5を燃焼装置火炉1中あ
るいは排ガス煙道6、13中に供給し、後流側に設置さ
れた脱硫塔4内または脱硫塔入口部に水噴霧部21を設
け、排ガス中の硫黄化合物を除去する乾式排煙脱硫装置
において、脱硫塔4内のガス流れ方向の途中に渦発生装
置16を設けることにより、相対湿度の高い領域を形成
させ、前記脱硫剤を前記相対湿度の高い領域内に混入さ
せること、脱硫剤5を200℃以下の排ガス温度域に
供給し、排ガス中の硫黄酸化物と反応した脱硫剤5を集
塵装置8で回収した後、未反応の脱硫剤を含む捕集粒子
を温度500〜900℃の排ガス煙道6中に再度供給す
ること、等で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃焼装置に係り、特に排
ガス中の硫黄酸化物を低減するのに好適な脱硫装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電所などの燃焼装置では重油、石
炭などの化石燃料が多く用いられており、これから排出
される排ガス中には、硫黄化合物(SOx)やHClな
どの酸性有害物質が通常100〜5000ppmの割合
で含まれており、大気に放出されることで酸性雨や光化
学スモッグの原因となっている。これらの有害物質を処
理するために脱硫装置を設置することになるが、この脱
硫装置は、大きく分けて湿式法と乾式法に分類される。
湿式法は石灰石−石膏法に代表され、特に高性能脱硫を
目的としている。乾式法の大きな特徴は排水が無い点に
あり、活性炭などを用いた吸着法とアルカリ金属などを
用いて反応処理する方法がある。特に後者は回収する単
位SO2重量当りにおいて最も経済性の優れた方法であ
り、諸外国で注目を集めている。
【0003】この方法の代表的なフローシートを図46
に示す。ボイラ1からの排ガスはエアヒータ3で温度を
下げられ、脱硫塔4に導かれる。消石灰などの脱硫剤5
は煙道6またはエアヒータ出口煙道13あるいは脱硫塔
4内に噴霧して供給される。この時、同時に水配管14
およびアトマイズガス配管15からの空気とをヘッダ2
1の水スプレノズル12から噴霧し、排ガスの温度を下
げるとともに、湿度を上げ脱硫反応を推進させることに
なる。
【0004】この際水は脱硫剤5と別に供給しても、脱
硫剤5をスラリとして同時に供給してもよい。反応した
脱硫剤5は排ガス中の灰とともに集塵装置8で捕集され
る。このとき、集塵装置8で捕集された未反応脱硫剤を
含む捕集粒子の一部は脱硫剤調製装置37に供給され、
再度煙道13または脱硫塔4に供給されて脱硫反応に利
用される場合もある。
【0005】図47に脱硫剤5として消石灰粒子を用い
た場合の脱硫塔4内の相対湿度と脱硫率の関係を示す。
相対湿度を高めると脱硫率が向上しているが、これは次
の理由による。脱硫塔4内の湿度を高めることにより脱
硫塔4内に吹き込まれた消石灰粒子表面での吸着水分量
が増加する。この水分にガス中のSO2が容易に溶け込
み酸性のH2SO3を形成する。このH2SO3とCa(O
H)2の反応は中和反応であり迅速に反応が進み、Ca
SO3となって固定化される。この時、消石灰中の水分
量が多いと溶け込むSO2量も多くなるため高湿度条件
が望ましいことになる。また、生成したCaSO3が膨
張する。そのため、消石灰の表面をおおったCaSO3
が破壊され、内部の新しい消石灰表面が現れ、内部への
反応を促進させる効果がある。
【0006】そこで、できるだけ相対湿度を高めること
が望ましいが、実機の場合、相対湿度を高くすると脱硫
塔4内あるいは後続の集塵装置8、ダクト内の温度の低
い部分で水が凝縮し、ドレンの生成あるいはスケール発
生さらにH2SO3またはH2SO4による材料の腐食など
の問題が発生する。
【0007】また、相対湿度が高いと脱硫塔4下部ホッ
パの温度が低下し、ホッパ壁面が結露したり、脱硫剤5
粉末が湿気を帯びたりするため脱硫塔4内の脱硫剤粉末
の流動性が低下し、脱硫剤5粉末が脱硫塔4下部ホッパ
内から円滑に抜き出しができなくなる問題があった。そ
のため、従来は前記下部ホッパ出口温度は飽和温度に対
し10℃程度高い値を保つように制御している。この時
の相対湿度は60%程度であり、温度の制御面からこれ
以上相対湿度を高めることができず、脱硫率も低くなる
のが現状である。
【0008】一方、相対湿度を60%程度に維持したま
ま脱硫性能を向上させる手段の一つとして、消石灰や生
石灰などの脱硫剤5に石炭灰などのケイ素化合物および
水を添加した後、該スラリを加熱処理することにより高
比表面積でかつSO2吸収性能の高い脱硫剤5を使用す
る方法が提案されている(特開平2−152520号公
報他)。しかし、このような方法で脱硫剤5を調製する
場合、特開平2−152520号公報にも示されている
ように脱硫剤5の原料を100℃以上の高温で長時間
(十数〜数十時間)加熱する必要があるため、脱硫剤5
を調製する装置が大型になり、加熱するためのエネルギ
ーも多くなる。加熱温度を低くしたり加熱時間を短くす
ると、今度は脱硫性能が低下するという問題がある。さ
らに、スラリを脱硫装置内に噴霧する方法は、粉体を噴
霧する場合に比較して噴霧ノズルの摩耗が激しく、配管
内でのスラリ中の粒子の沈降といった問題が多い。ま
た、比表面積の大きな脱硫剤5にすると流動性の良いス
ラリにするための水が多くなるという問題もある。ま
た、脱硫剤5を粉体で供給する方法も、スラリを乾燥さ
せなければならず、システムが複雑で脱硫剤5の製造コ
ストが高価になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、脱
硫塔内部の相対湿度を高くすると脱硫性能が向上する
が、脱硫塔内部や集塵器において水の凝縮が生じ、ガス
中のダクトおよび脱硫剤が装置の内壁に付着してスケー
ルが生じ、さらに、スケール部の材料腐食などのトラブ
ルが生じる点についても配慮がされておらず、このた
め、脱硫塔の長期安定運転が出来ず、システム全体での
運転にも支障を来すことがあった。また、脱硫塔のガス
温度を高く(相対湿度を低く)するとスケールの生成や
腐食はある程度抑制されるが、脱硫性能が低下すること
になる。
【0010】本発明の目的は、装置内でのスケール付着
防止、装置の腐食防止を防ぎながらなおかつ、高い脱硫
性能を維持する乾式脱硫装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、主
に、下記の手段の1つ以上を用いることにより達成され
る。 アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物の
内、少なくとも一種類以上の化合物を含む脱硫剤を石
油、石炭など硫黄化合物を含む化石燃料を燃焼する燃焼
装置火炉中に供給し、あるいは前記脱硫剤を燃焼装置火
炉から排出される硫黄酸化物含有排ガス煙道中に供給
し、後流側に設置された脱硫塔内または脱硫塔入口部の
水噴霧部からの水噴霧を行うことで、排ガス中の硫黄化
合物を除去する乾式排煙脱硫装置において、脱硫塔内の
ガス流れ方向の途中に渦発生装置を設けることにより、
相対湿度の高い領域を形成させ、前記化合物を含む脱硫
剤を前記相対湿度の高い領域内に混入させる乾式排煙脱
硫装置。
【0012】燃焼装置からの排ガスにアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属化合物の内少なくとも一種類以上
の化合物を含む脱硫剤を供給して排ガス中の硫黄酸化物
を除去した後、脱硫剤と燃焼灰を集塵装置で回収する乾
式排煙脱硫方法において、脱硫剤を200℃以下の排ガ
ス温度域に供給し、排ガス中の硫黄酸化物と反応した脱
硫剤を集塵装置で回収した後、未反応の脱硫剤を含む捕
集粒子を温度500〜900℃の排ガス煙道中に再度供
給し、排ガス中の硫黄酸化物と反応させる乾式排煙脱硫
方法。
【0013】燃焼装置火炉内または排ガス煙道中にア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属系の化合物の少なく
とも一種以上の化合物を含む脱硫剤を噴霧し、後流の脱
硫塔内で水を噴霧して排ガス中の硫黄酸化物を除去する
脱硫反応を促進させ、さらに反応済みの脱硫剤を集塵器
にて捕集する乾式排煙脱硫装置において、脱硫塔下部内
に加熱流体吹き込み手段を設けた排煙脱硫装置(この排
煙脱硫装置に脱硫塔下部内の温度が排ガス飽和温度+5
℃以上を維持できるよう脱硫塔下部内に温度検知手段を
設け、該温度検知手段により加熱流体吹き込み量を制御
する手段をさらに設けてもよい。)
【0014】アルカリ金属化合物またはアルカリ土類
金属化合物の少なくとも一種類以上の化合物を含む脱硫
剤を燃焼装置火炉に供給し、あるいは前記脱硫剤を燃焼
装置火炉から排出される硫黄酸化物含有排ガス煙道中に
供給し、後流の脱硫塔内または脱硫塔入口部で水を噴霧
させて、排ガス温度を低下させることにより、前記脱硫
剤と硫黄酸化物ガスを接触させて、該硫黄酸化物を除去
する乾式脱硫装置において、水噴霧後の直接水滴が衝突
するところの局部的な位置の温度を検出し、その検出信
号により、水噴霧量を調節し、脱硫塔出口ガス温度を制
御する乾式脱硫装置運転方法。
【0015】アルカリ土類金属の酸化物の内一種類以
上の酸化物に、ケイ素供給物質を混合した後、この混合
物に水を添加してアルカリ土類金属の酸化物が水和する
際の水和熱で前記酸化物とケイ素供給物質とを反応させ
て、余分の水分を蒸発させて粉体とする脱硫剤調製方
法。
【0016】アルカリ土類金属化合物とケイ素供給物
質と水とからなるスラリにケイ酸ナトリウムを添加する
スラリ混合手段と、該スラリの加熱手段(この加熱手段
は省略こともできる。)と、該加熱されたスラリもしく
はスラリを乾燥して得られた粉体を燃焼装置火炉または
その排ガス煙道中に供給する脱硫剤供給手段とを設けた
乾式排煙脱硫装置。
【0017】
【作用】上述の各手段については、下記の作用が脱硫性
能向上の理由として考えられる。 脱硫剤として消石灰(以下Ca(OH)2と記す)を
例に挙げて、SO2ガスとの脱硫反応についてここでは
述べる。脱硫反応は以下に示す反応となる。 H2O+SO2→H2SO3 (1) Ca(OH)2+H2SO3→CaSO3+H2O (2) (1)式に示すようにSO2は水に吸収されて亜硫酸
(H2SO3)となり、(2)式は亜硫酸が消石灰と反応
し亜硫酸カルシウム(CaSO3)が生成する反応であ
る。脱硫塔内に高湿度領域を形成させると、消石灰粒子
の付着水分量が増加し(1)の反応が促進されるため、
この高湿度領域内の脱硫率が向上する。また、高湿度領
域以外の領域は湿度が低いが脱硫塔出口では供給された
水分が全て蒸発するため湿度が上がり所定の脱硫率を示
すことになるため、総合的には高い脱硫性能を示すこと
になる。
【0018】従来の技術では200℃以下の温度域に
おいて排ガス中のSO2と反応した脱硫剤の表面には亜
硫酸カルシウムまたは硫酸カルシウムの殻が形成されて
いるためSO2との接触が悪くなり、それ以上脱硫しな
くなる。しかし、これを500〜900℃の排ガス中に
再度噴霧して供給することにより、未反応の消石灰の脱
水反応(Ca(OH)2→CaO+H2O)が生じ、この
際表面の亜硫酸カルシウムまたは硫酸カルシウムの殻が
破壊され、SO2との接触が良くなり、その除去率が高
くなる。さらに亜硫酸カルシウムの一部が酸化されて硫
酸カルシウムとなるためその廃棄も容易になる。
【0019】排ガス中に吹き込まれた脱硫剤は脱硫塔
における水噴霧により湿気を帯びる。脱硫剤の一部は集
塵器まで搬送されず脱硫塔下部ホッパへ堆積する。湿気
を帯びた脱硫剤は流動性が低下するが、脱硫塔下部ホッ
パの温度が低下した場合、さらにガス中の水分が脱硫剤
表面および脱硫塔下部ホッパ壁面に結露するため脱硫剤
の流動性がより低下し、ホッパからの円滑な排出に支障
をきたす。
【0020】これに対し、下部ホッパ壁面に沿って上部
方向へ吹き出すヘッダを設置し排ガスまたは加熱空気を
吹き込むことにより、堆積した脱硫剤の湿気を除去し、
かつホッパ部温度を排ガス飽和温度+5℃以上に維持し
てホッパ壁面の結露を防止する。
【0021】上記対応により、堆積した脱硫剤の流動性
を向上させることができ、円滑な排出が維持できる。こ
のためホッパ部の温度を検知し、ホッパ部に供給する排
ガスまたは加熱空気の吹き込み量を制御する。
【0022】脱硫塔内の排ガスを冷却するため、水を
噴霧するが、この水は排ガスと接触することにより排ガ
スの熱により、水滴の蒸発が生じる。この水は最終的に
は脱硫塔を出る間に水蒸気となる。この水蒸気になる過
程において、水滴の温度はガス温度と同じではなく、蒸
発潜熱により自己冷却され、ほぼ断熱飽和温度となる。
そこで、この水滴の温度を測定することは、脱硫塔の水
噴霧量を制御し、排ガス中の水の凝縮防止および脱硫性
能向上に役立つことになる。
【0023】しかしながら、脱硫塔内の水滴の寸法は数
十μmであり、通常の測定法では困難であった。例え
ば、棒状温度計を塔内に挿入しても、水滴はガスの流線
と同じ挙動を示すため、ガス温度しか測定でなかった。
【0024】このため、脱硫塔内の各部の温度測定を綿
密に実施した結果、水滴の温度と同じ温度を示す部分を
見いだした。これは、水噴霧後の直接水滴が衝突すると
ころの局部的な位置であり、この温度を検出することに
より、脱硫塔出口ガス温度を制御し、スケールの原因と
なる水の凝縮を防止しつつ、脱硫塔内の相対湿度を高く
保持することにより、高い脱硫性能が達成される。
【0025】従来の技術では、消石灰や生石灰などの
アルカリ土類金属化合物に石炭灰などのケイ素化合物を
添加した後、水の存在下で加熱処理する際、アルカリ土
類金属化合物とケイ素化合物の反応性が悪く、100℃
以上の高温で長時間(十数〜数十時間)加熱する必要が
あった。また、調製した脱硫剤がスラリ状であるため乾
燥させて粉体にするには多くのエネルギーを必要とし、
スラリのままで噴霧供給すると噴霧ノズル摩耗が激し
く、また配管内でのスラリ中の粒子の沈降といった問題
が多い。ところがケイ酸ナトリウムを前記スラリ中に添
加した後、撹拌しながらスラリを養生処理することによ
り、アルカリ土類金属化合物やケイ素供給物質粒子の水
中での分散性は良くなるために両者の反応性が向上し、
より低い温度で短時間の養生処理によりSO2吸収性能
の良い脱硫剤が調製できる。このとき、スラリ混合物は
加熱すると、さらにアルカリ土類金属化合物やケイ素供
給物質粒子の水中での分散性が良くなる。こうして調製
されたスラリは排ガス煙道に供給され、高い脱硫性能を
発揮する。
【0026】また、アルカリ土類金属化合物から酸化物
を形成させ、これにケイ素供給物質(石炭灰、ケイ酸ナ
トリウム等)と水を混合する。水の添加で発生する水和
熱で脱硫剤とケイ素供給物質とを反応させるともに余分
な水を蒸発させて除去させることにより、より低コスト
でSO2吸収性能の良い脱硫剤が調製できる。
【0027】このときケイ酸ナトリウムは水溶液として
アルカリ土類金属酸化物に添加することで、激しい水和
熱が発生するので、余分な水分の蒸発用の加熱装置を省
略することができる。
【0028】燃焼装置から排出するSO2等の酸性有
害物質を含む排ガスはガス用熱交換器に導かれ、脱硫塔
から出た脱硫処理済みの排ガスと熱交換されて温度を下
げられる。温度を下げられた排ガスは、脱硫塔に入り、
アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物のう
ち、少なくともいずれかの化合物の微粒子を含む脱硫剤
でSO2は除去される。この時、脱硫性能を高くするた
め脱硫塔へ導入される排ガス温度を脱硫塔から排出され
る脱硫処理済みの排ガスで冷却する。このため、前記脱
硫塔から排出した排ガスは集塵装置に入る前に前記ガス
用熱交換器で昇温できるという特色を持つ。こうして、
断熱飽和温度直上まで脱硫塔出口の温度を低下できるの
で、脱硫率としては、非常に高い値を得ることができ
る。
【0029】
【実施例】本発明は、下記の実施例によって、さらに詳
細に説明されるが、下記の例で制限されるものではな
い。 実施例1 脱硫剤として消石灰を用い、石炭焚ボイラの排ガスを脱
硫処理する場合について、本発明による装置を適用した
例を用いて説明する。図1に、ボイラを対象にした場合
の実施例を示す。ボイラ1からの排ガスはエアヒータ3
で温度を下げられ、煙道6を経て、脱硫塔4に導かれ
る。脱硫剤5である消石灰は脱硫剤導入管10より煙道
13内へ供給される。脱硫塔4内には水スプレノズル1
2を持つヘッダ21が設置されており、この水スプレノ
ズル12には水配管14から水が、アトマイズガス配管
15から空気またはスチームがそれぞれ供給されておい
る。水スプレノズル12は水を空気により微粒化する二
流体ノズルである。水スプレノズル12から噴霧された
液滴は約150℃のボイラ排ガスと接触し、蒸発するこ
とになるが、水スプレノズル12直上に分散板16が設
置されている。図2(a)に水スプレノズル12周りの
詳細を示した。噴霧された水滴群はこの分散板16でさ
えぎられ迂回して上流へ流れることになるが、分散板1
6上では排ガスと激しく混合すると同時に高湿度のガス
渦17、すなわちカルマン渦が多量に発生する。
【0030】この渦17の中に水滴が閉じ込められ蒸発
しているが、渦17の形成により渦17の外側と排ガス
との混合が妨げられるため、渦17内は常に高い温度を
保つことになる。さらに、この渦17の中には分散板1
6上で混合した排ガス中のSO2と脱硫剤5が含まれて
おり、SO2と脱硫剤5は高湿度条件で反応し、高い脱
硫性能を示すことになる。渦17が存在しない部分は湿
度が低い領域となるが、脱硫塔4の出口に向かうにつれ
て、これらの渦17が消滅し、水滴が全て蒸発した後、
平均的な水分濃度まで湿度が高まるため、この湿度に相
当する脱硫反応が達成される。すなわち、脱硫塔4内に
局部的に高濃度水分領域すなわち高湿度渦領域を積極的
に発生させることにより、渦17内の反応性を高めるこ
とができるため、脱硫塔4出口おける総合脱硫率は向上
することになる。
【0031】この方法は従来法である水滴と排ガスの混
合を良くして蒸発速度を高め、速やかに均一水分濃度を
得る方法とは、逆の手法であり、高い脱硫性能を得るこ
とができる。
【0032】この装置を用いて、A炭(排ガス中のSO
2濃度2000ppm)を燃焼したときの脱硫試験を実
施した。ただし、脱硫剤5は消石灰を用い、消石灰を排
ガス中に含まれるSO2に対しモル比で2倍(以下、C
a/S=2と略す)供給した。脱硫塔出口でのガス温度
を70℃になるように水を水スプレノズル12から噴霧
した。
【0033】この時の液ガス比(水供給量/亜硫酸ガス
含有排ガスダクトガス量の比)は0.04リットル/m
3Nで、水スプレの液滴径の平均は30μmで、水スプ
レノズル12の配置位置は脱硫塔4のガス上流入口部か
ら1.5mで、水スプレノズル12の噴霧角度は50度
で、脱硫塔4内のガス空塔速度は2m/sであった。た
だし、水スプレノズル12の噴霧角度Aは図2(b)に
示すように、該ノズル12の水噴霧方向に対して末広が
り状に広がった水スプレの垂直断面の成す角度である。
【0034】ボイラ1出口および集塵装置8出口におい
て、ガス中の水分を除去した後、SO2濃度を測定した
ところそれぞれ2000ppmおよび400ppmであ
った。すなわち、排ガス中のSO2の内80%が除去さ
れたことになる。また集塵装置8の下部から回収された
脱硫剤粒子のCa利用率は40%であった。
【0035】実施例2 図3〜図5に実施例2を示す。脱硫塔4の取り付けは図
1と同様であり、この脱硫塔4内に水スプレノズル12
がガス流れとは逆方向に水を噴霧できるようにしたヘッ
ダ21が配置されている。図4に示すように水スプレノ
ズル12は中央部に水配管14の先端が臨み、その周り
にアトマイズガス配管15の先端が臨んでいるため、水
配管14から供給される水は配管15から供給されるア
トマイズ用ガスによって微粒化されながらノズル12の
先端より噴霧される。しかも、水スプレノズル12の外
側には渦分離用ガス配管18が取り付けられているた
め、ノズル12の先端から噴霧された微小な水粒子を含
む渦がノズル12の先端から分離しやすくなっている。
【0036】このノズル12は排ガス流れに逆らった方
向に噴霧されるため、図5(a)および図5(b)に示
すように水スプレノズル12周りに固定した渦流17’
が発生し、この中に噴霧された水滴が閉じ込められるた
め高湿度の渦17を形成する。なお、図5(a)に示す
例はガス流れに対し180度の角度で水噴霧したもので
あり、図5(b)に示す例はガス流れに対し135度の
角度で水噴霧した場合である。ただし、ここでのノズル
角度とは、脱硫塔4内の排ガス流れ方向(ここでは垂直
上方向)を基準とし、この垂直上方向を0度としたとき
の角度できる。
【0037】この渦17’は同一の場所で形成され、周
囲との混合がほとんどなされないため、渦分離用ガス配
管18から空気などのガスを導入し、水スプレノズル1
2の周りから噴霧することで、この渦17’をノズル1
2周りから分離できる。さらに分離した渦17は排ガス
流れに乗って上昇するため、順次新しい高湿度渦17が
発生することになる。渦分離用ガスは一定量常に流れて
も良いが、間欠的に流すと効果はさらに明確になる。こ
の高湿度の渦17内には水が排ガス流れに逆らった状態
で噴霧されていることにより、噴流は減速されその後、
逆転して排ガス流れに乗ることになる。
【0038】この渦17の生成により脱硫剤5とSO2
を含む排ガスとは、よく混合し渦17中に入る。この渦
17の中には水滴が存在しており、この水滴が蒸発する
ため相対湿度は100%に近い値が得られる。渦分離用
ガスによりノズル12周りから分離された渦17は、周
辺の排ガスとの混合は制限され、高湿度を保ちながら排
ガス流れの下流側に流れる。そのため、この渦17中で
は高い脱硫性能を示すことになる。
【0039】また、脱硫塔4の出口ではこれらの高湿度
渦17流れと周りの排ガスが混合し均一な水分濃度まで
高められるため、総合脱硫性能は高い値を示すことにな
る。脱硫塔入口構造において排ガスダクト13の径に対
し脱硫塔4の径を大きく取ると図3における拡大部20
の流速は遅くなるが、逆流域を形成するため、この中に
排ガスダクト13内に供給された脱硫剤5の粒子が入
り、浮遊して停滞することになるため脱硫剤5の粒子濃
度の高い領域ができる。この領域は脱硫塔4内において
排ガスダクト13の入口から脱硫塔4の径の1倍程度ま
でであり、この範囲内で水を噴霧することにより、高濃
度の脱硫剤5が高湿度の渦17と接触することになるた
め、さらに高い脱硫性能が得られる。
【0040】この装置を用いて、A炭(排ガス中のSO
2濃度2000ppm)を燃焼したときの脱硫試験を実
施した。ただし、脱硫剤5は消石灰を用い、消石灰をC
a/S=2の条件で供給した。脱硫塔4内のガス温度を
70℃になるように水を水スプレノズル12から噴霧し
た。
【0041】この時の液ガス比は0.04リットル/m
3Nで、水スプレの液滴径の平均は30μmで、水スプ
レノズル12の配置位置は脱硫塔4のガス上流入口部か
ら1.5mで、水スプレノズル12の噴霧角度は50度
で、脱硫塔4内のガス空塔速度は2m/sであった。
【0042】ボイラ1出口および集塵装置8出口におい
て、ガス中の水分を除去した後、SO2濃度を測定した
ところそれぞれ2000ppmおよび400ppmであ
った。すなわち、排ガス中のSO2の内80%が除去さ
れたことになる。また集塵装置8の下部から回収された
脱硫剤粒子のCa利用率は40%であった。
【0043】比較例1 図46に示した装置を用いて、A炭の石炭について実施
例1と同じ条件で脱硫試験を行った。実施例1と異なる
点は、脱硫塔4内で水ヘッダ21を通じて水スプレノズ
ル12から排ガスの流れと同方向に向けるように水を並
流に噴霧して、排ガス中の温度を下げることである。
【0044】この時、集塵装置8の出口におけるSO2
濃度は800ppmであり、脱硫率60%が得られた。
また、集塵装置8の下部から回収された脱硫剤粒子のC
a利用率は30%であった。
【0045】実施例3 実施例2と同様に図3において脱硫塔4内において排ガ
スの流れに交叉する方向に向けるように水を噴霧する。
この装置を用いて、A炭の石炭について実施例1と同じ
条件で脱硫試験を行った。ただし、実施例2と異なる点
は、図6に示すように水スプレノズル12から排ガス流
れに交叉する方向に向けるように水を噴霧した後、渦1
7の形成を激しく行うため、水スプレノズル12の直上
に分散板16を設置している。噴霧された水滴群はこの
分散板16でさえぎられ、迂回して下流へ流れることに
なるが、分散板16上では排ガスと激しく混合すると同
時に高湿度のガス渦17、すなわちカルマン渦が多量に
発生する。
【0046】この結果、渦17内は高い湿度を保ち、S
2と脱硫剤5の反応が促進される。脱硫試験時の集塵
装置8出口におけるSO2濃度は300ppmであり、
脱硫率85%が得られた。また集塵装置8の下部から回
収された脱硫剤粒子のCa利用率は42.5%であっ
た。
【0047】以上のことから、水、ガスを排ガス流に対
して向流に吹き込んだときに、高湿度領域が存在するこ
とから、各パラメータを変化させて、各条件で脱硫試験
を実施した。装置は実施例2と同一で、ただし、次の条
件のように各パラメータを変化させた。
【0048】水スプレノズルの噴霧角度(図2(b))
が10、20、30、50、70、120、140、1
60、180度の条件で、水スプレの液滴径の平均が1
0、20、30、50、70、100、140、17
0、200μmの条件で、脱硫塔4内のガス空塔速度が
0.5、1、3、5、7、10、15m/sの条件で脱
硫試験を行った。
【0049】その結果を図7、図8および図9に示す。
その結果、次の条件下で水含有流体を向流に吹き込む
と、並流に比較して、高い脱硫性能が得られることが分
かった。 水スプレの噴霧角度 :20〜90度 水スプレの液滴径の平均:20〜140μm 脱硫塔内ガス空塔速度 :1〜10m/s
【0050】実施例4 図1に示したフローシートで図5(b)の装置を適用し
た例を具体的に説明する。水スプレノズル12をガス流
に対してどのような角度に取り付けるかを検討するた
め、角度を変化させて、脱硫試験を実施した。この装置
を用いて、A炭の石炭について実施例2と同じ条件で脱
硫試験を行った。ただし、実施例2と異なる点は、図5
(b)のように水スプレノズル12の取り付け角度を変
化させた試験を行った。
【0051】その結果を図10に示す。水スプレノズル
12の取り付け角度がガス流に対して40〜180度の
範囲で、水含有流体を吹き込むと、並流に比較して、高
い脱硫性能が得られた。
【0052】脱硫試験時の集塵装置8の出口におけるS
2濃度は400ppmであり、脱硫率80%が得られ
た。また、集塵装置8の下部から回収された脱硫剤粒子
のCa利用率は40%であった。
【0053】なお、液ガス比(水供給量/亜硫酸ガス含
有排ガスダクトガス量の比)が0.02リットル/m3
N以下では、排ガス温度が高く、脱硫性能は低く、実用
的でない。また0.05リットル/m3N以上では、排
ガス温度が飽和温度近くとなり、ガス中の水分が露点に
達するケースがあるので実用的でない。このことから、
液ガス比(水供給量/亜硫酸ガス含有排ガスダクトガス
量の比)は0.02〜0.05リットル/m3Nの範囲
で運用されるべきである。
【0054】水スプレノズル12の取り付け位置につい
ては、図3の脱硫塔構造を例にとると、噴霧された水が
脱硫塔4の壁あるいは脱硫塔4内の構造物に接触し、濡
れることによるダスト付着を防止するため、ガス流れ直
交面において中央部から塔壁に高低湿度勾配を形成し、
かつ、塔出口ガスの温度を飽和温度より高く保つ必要が
ある。このため塔壁部をできるだけ低湿度となるよう
に、水スプレノズル12の脱硫塔内でのガス流れ直交面
内での取り付け位置と最下部の取り付け位置を決める。
また、水スプレノズル12を高い位置に取り付けると、
その取り付け位置からガス下流の脱硫塔4の有効長さを
一定とする必要から、脱硫塔4の全体が高くなり経済的
ではない。そのため水スプレノズル12の取り付け位置
はL/D(水スプレノズル取り付け位置/脱硫塔径)の
1倍以下が望ましく、排ガス処理量が数万m3N/h以
上の実機装置においては、脱硫塔4の排ガスの上流の入
口部から5m以内にする必要がある。
【0055】実施例5 図11に実施例5を示す。図11は図1と同様な脱硫塔
4内において水スプレノズル12群を互いに対向するよ
うに取り付け、噴流を衝突させる方法である。水スプレ
ノズル12の出口、特に排ガス流れに対して後流側に固
定した渦17流が発生するが、これらの噴流を衝突させ
ることにより、衝突部の圧力が高くなり噴流は上下左右
に変動することになる。この振動により固定した渦17
が水スプレノズル12の周りから分離して上昇し、順次
渦17が発生することになる。二つの噴流を衝突させる
ことにより噴霧した水滴をこの渦17流に閉じ込める効
果があり、上記実施例と同様に脱硫塔4の出口における
総合脱硫性能を高めることができる。
【0056】この装置を用いてA炭について実施例1と
同じ条件で脱硫試験を行った。脱硫試験時の集塵装置8
の出口におけるSO2濃度は400ppmであり、脱硫
率80%が得られた。また、集塵装置8の下部から回収
された脱硫剤粒子のCa利用率は40%であった。
【0057】以上の各実施例の試験結果をまとめると、
図12に示すように明らかに従来法に比較して本発明に
よる脱硫性能は高くなっている。このことは、本発明に
おいて述べているように、脱硫塔内ガス流れ方向の途中
に渦17を発生させることで、相対湿度の極大値を形成
させ、前記化合物の脱硫剤5が前記相対湿度の極大値領
域(渦)内に混入させることにより、排ガス中のSO2
と脱硫剤5の反応が促進され高い脱硫性能が得られる。
【0058】また、水の供給量および水分散用流体の流
量の制御を有効に行うため、脱硫塔4内または脱硫塔4
出口に温度センサ、湿度センサ、水分濃度センサの少な
くとも一個を取り付け、その信号により、水の供給量お
よび水分散用流体の流量を制御することも可能である。
【0059】実施例6 図13(図1に示す装置を簡略化して図示したもの)
は、事業用ボイラに本発明を適用した場合の例を示す。
石炭焚きあるいは重油焚きボイラ1からのSOXを含む
排ガスは、エアヒータ2で温度を下げられ、約150℃
の温度になる。この時、排ガス中には石炭焚きボイラの
場合約7〜10%、重油焚きボイラの場合約12〜15
%の水分が含まれている。この排ガスは、ガス用熱交換
器30に導かれ、脱硫塔4から出たガスと熱交換されて
温度を下げられる。温度を下げられた排ガスは、脱硫塔
4に入り、消石灰等の脱硫剤5と水が導入されて、排ガ
ス中のSOXは除去される。この時、脱硫性能を大きく
支配するのは、脱硫塔4内の温度であり、すなわち、脱
硫塔4内の温度の断熱飽和温度との差である。脱硫塔4
から出た脱硫処理後の排ガスが集塵装置8に入る前に前
記ガス用熱交換器30で昇温できるという特色を持つ、
本装置では、断熱飽和温度直上まで脱硫塔4出口の温度
を低下できるので、脱硫率としては、非常に高い値を得
ることができる。
【0060】なお、図14には湿度制御を正確に行うこ
とのできる実験装置に、反応ガス温度を変えて、断熱飽
和温度との差と脱硫率の関係を調べた結果を示す。図1
4に示す通り、脱硫率は断熱飽和温度との差に大きく支
配され、温度が断熱飽和温度に近づくほど、脱硫率は高
くなることが明らかになった。
【0061】次に、図13と同じシステム構成を有する
実験装置を用いて実験した結果を以下述べる。重油焚き
燃焼炉にて、約10%の水分を有する200Nm3/h
の熱風を発生させ、SO2ガスボンベを用いて200O
ppm相当のSO2ガスを混入させて、ボイラ排ガスに
相当する模擬排ガスを作成した。ガス温度は冷却器を用
いて、エアヒータ3出口に相当する150℃付近に保持
した。
【0062】上記条件を有する模擬排ガスを再生式ガス
用熱交換器(ユングストローム型空気予熱器)に導く
と、ガス用熱交換器出口の温度は、90℃まで低下し
た。次に、この模擬排ガスを脱硫塔内に導き、脱硫塔内
では消石灰および水を供給した。消石灰はSO2ガスと
のモル比が2となるよう供給した。水は脱硫塔中央部に
設けた温度計をモニターしながら、断熱飽和温度プラス
5℃(本ケースの場合59℃)を狙って、水供給量を決
定した。上記脱硫実験を行った時の脱硫塔出口のSO2
モニタの値は350〜360ppmとなり、脱硫率とし
ては約83%という値が得られた。
【0063】一方、ガス用熱交換器を出た後の排ガス温
度は、約90℃で、断熱飽和温度より約30℃高い値と
なっていた。また、集塵装置内を実験直後、分解点検
し、目視で結露の有無を確認したが、その証拠は全く観
察されなかった。
【0064】比較実験 前記実験装置においてガス用熱交換器を用いず、バイパ
スして直接、集塵装置へ供給する比較実験を行った。こ
の時、脱硫反応器出口のガス温度は、集塵装置での露点
腐食が実装置規模で防止できる断熱飽和温度プラス10
℃(本ケースの場合64℃)になるよう、温度計をみな
がら水供給量を次第に増加していった。上記脱硫実験を
行った時の脱硫反応器出口のSO2モニターの値は85
0ppmとなり、脱硫率としては58%と低い値になっ
た。
【0065】実施例7 図15(図1の脱硫装置の脱硫剤の導入部位を変更し、
簡易化して図示したもの)は高温脱硫として、ボイラ1
内に脱硫剤5として石灰を吹き込み高温脱硫を行い、排
ガス煙道に設けた脱硫塔4に水をスプレーして低温脱硫
する例である。このときボイラ1と脱硫塔4の間の煙道
6にはガス用熱交換器30が配置され、脱硫塔4に導か
れる排ガスと脱硫塔4から排出される脱硫処理後の排ガ
スの熱交換が行われる。本実施例でも、脱硫塔4内での
反応温度を低くでき、前記実施例6と同様の効果が得ら
れる。
【0066】実施例6、7により、脱硫塔4への導入前
の排ガスと脱硫塔4から排出される排ガスとの間で熱交
換すると脱硫塔4内での排ガス温度を断熱飽和温度直上
まで降下させても、集塵装置8内での結露を防止できる
ため、集塵装置8は一体化した脱硫塔4を用いても、集
塵装置8の腐食により脱硫塔4の運転を停止するような
ことはない。また、脱硫性能は相対湿度に支配されるの
で、脱硫塔4入口の温度を下げることにより、同じ相対
湿度を達成するのに必要な水分の量を低減でき、脱硫率
を向上できる。
【0067】実施例8 図16に示す装置を用いて脱硫性能を評価した。ただ
し、集塵装置8で捕集された未反応および反応済みの脱
硫剤並びに灰を含んだ粒子(以下、捕集粒子と呼ぶ)の
一部は廃棄され、その残りは、ライン22を通じて排ガ
ス温度が600〜900℃である煙道6中に噴霧供給さ
れ、排ガス中のSO2などの酸性有毒ガスと再度反応す
る。
【0068】この装置を用いて、B炭(石炭中の硫黄分
0.8%)を燃焼したときの脱硫性能を測定した。ただ
し、脱硫剤は消石灰を用い、消石灰の供給量Ca/S=
1.5とした。また、水の噴霧量は排ガスの3%であ
り、このとき水は空気と共に2流体ノズルで噴霧して
も、水のみを1流体ノズルから噴霧してもよい。このと
きの脱硫塔4の出口温度は約70℃であった。また、集
塵装置8で捕集された粒子の内重量比で50%が廃棄さ
れ、残りの50%がライン22を通じて排ガス温度60
0℃の煙道6に再度噴霧供給された。
【0069】ボイラ1出口および集塵装置8出口におい
て、ガス中の水分を除去した後、SO2濃度を測定した
ところそれぞれ640ppmおよび60ppmであっ
た。すなわち、脱硫率は91%であった。
【0070】実施例9 実施例8と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を測
定した。ただし。捕集粒子を再度噴霧供給する場所を変
え、煙道6中のガス温度と脱硫率の関係を調べた。その
結果を図17に示す。煙道6の排ガス温度によって脱硫
率は変化するが、500〜900℃が好ましいことが分
かった。他の石炭や脱硫剤についても同様の検討を行っ
たが、500〜900℃が好ましいことが明らかになっ
た。
【0071】500℃以下の温度で脱硫率が低下するの
は反応速度が低くなるためおよび脱硫剤5の脱水反応に
よる細孔の生成が少ないためと考えられる。すなわち、
温度が十分高い場合は、脱硫剤5として、例えば消石灰
を用いる場合は下記の反応式で示される脱水反応が起
き、水が蒸発する際に表面を覆っていた亜硫酸カルシウ
ムおよび硫酸カルシウムの殻が壊れ、さらに脱水反応時
に脱硫剤5の粒子の細孔容積が増加することにより排ガ
ス内のSO2との接触効率が良くなる(図18(a)参
照)。排ガス温度が低い場合は、上記の反応が起きない
ため、高い脱硫率が得られない(図18(b)参照)。 Ca(OH)2→CaO+H2
【0072】一方、排ガスの温度が900℃以上で脱硫
性能が低下する理由は完全には明らかでないが、排ガス
中の二酸化炭素(CO2)と脱硫剤、例えば消石灰が反
応して炭酸カルシウム(CaCO3)が生成し、SO2
反応し得る脱硫剤5が減少することおよび高温により脱
硫剤5の粒子が焼結し、細孔容積が減少することが理由
として考えられる。このため、捕集粒子をスラリ化した
後、ボイラ1(ガス温度が1000〜1200℃)に再
度吹き込む従来の方法では高い脱硫率は得られないと考
えられる。
【0073】実施例10 実施例8と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を測
定した。ただし、脱硫剤供給量Ca/Sを1.0〜3.
0まで変化させ、そのときの脱硫率を測定した。その結
果を図19中(a)に示すが、脱硫剤供給量Ca/Sが
1.0でも80%程度の脱硫率が得られた。
【0074】実施例11 実施例8と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を測
定した。硫黄含有量の異なる5炭種を使用した。それぞ
れの石炭に関して、硫黄含有量並びにボイラ1出口およ
び集塵装置8出口におけるガス中のSO2濃度並びに集
塵装置8より廃棄された反応済脱硫剤(亜硫酸カルシウ
ムおよび硫酸カルシウム)のうち、硫酸カルシウムの割
合(以下酸化率と言う)を表1に示す。いずれの炭種で
も高い脱硫率および酸化率が得られた。
【0075】
【表1】
【0076】実施例12 実施例8と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を測
定した。ただし、脱硫剤5としてCaO、CaCO3
NaOHおよびMg(OH)2を用い、それぞれの脱硫
性能を調べた。その結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】比較例2 図46に示した従来技術に基づく装置を用いて、B炭か
らG炭の6種類の石炭について実施例8および11と同
じ条件で脱硫率および酸化率を測定した。ただし、水は
排ガスの3重量%を煙道6中に噴霧して添加し、集塵装
置8で捕集された粒子の内、重量比で50%が廃棄さ
れ、残りの50%がライン22を通じて脱硫塔4に再度
噴霧供給された。その結果を表3に示す。本発明法の実
施例による脱硫装置に比較して脱硫率および酸化率とも
低くなっている。
【0079】
【表3】
【0080】比較例3 図46に示した従来技術に基づく装置を用いて、B炭に
ついて実施例10と同じ条件で脱硫剤供給量Ca/Sを
1.0〜3.0まで変化させ、脱硫率を測定した。その
結果を図19中の(b)に示す。本発明法による脱硫方
法に比較して全体的に脱硫率が低くなっているが、特に
脱硫剤供給量が低い条件でその差が大きくなる傾向があ
る。
【0081】比較例4 図46に示した従来技術に基づく装置を用いて、実施例
12と同様にしてCaO、CaCO3、NaOHおよび
Mg(OH)2を脱硫剤として用い、それぞれの脱硫性能
を調べた。その結果を表4に示す。本発明法による脱硫
方法に比較して脱硫率が低く、集塵装置8出口のSO2
濃度が高くなっている。
【0082】
【表4】
【0083】実施例13 図16に示した装置では捕集粒子を乾燥した粉体のまま
排ガス温度600℃の煙道6中に噴霧供給しているが、
捕集粒子と水を混合しスラリ状にした後これを煙道6中
に噴霧供給してもよい。図20に、捕集粒子をスラリ化
した後、煙道6中に噴霧供給する場合の装置のフローシ
ートを示す。捕集粒子の一部は集塵装置8から脱硫剤調
製装置37に送られ、ライン28から供給された水と混
合されてスラリ状になる。このスラリはポンプ29を通
じて煙道6中に供給される。このようにスラリにした
後、煙道6中に噴霧する方法の優れている点は、脱硫剤
粒子表面の反応生成物の殻が除去されやすいことおよび
排ガス中のCO2と反応しにくいため、脱硫性能が高い
ことが挙げられる。
【0084】なお、脱硫剤5のリサイクル法として、捕
集粒子に水を添加した後、これを再び乾燥させ、脱硫反
応生成物の殻を破壊した後、煙道6に再度供給する方法
を採用すると、乾燥される工程での脱硫反応生成物の殻
の破壊で粒子同士の凝集がなくなり、脱硫剤5の噴霧特
性がよくなる。
【0085】実施例14 図21に本発明の実施例を示す。図21において、ボイ
ラ1からの排ガスはエアヒータ3で温度を下げられ、脱
硫塔4に導かれる。脱硫剤5はノズル11より噴霧す
る。脱硫剤5は煙道13を経て脱硫塔4内に導かれる。
脱硫塔4内で水スプレノズル12から噴霧して排ガス中
の温度を下げ、脱硫剤5と排ガス中の硫黄酸化物との反
応が促進され、排ガス中の硫黄酸化物が除去される。反
応済みの脱硫剤は集塵装置8で捕集され、廃棄される。
排ガスはその後煙突9より排出される。
【0086】上記脱硫システムにおいて脱硫塔4下部に
は前記したごとく、流動性が悪い湿った粉末が堆積する
ため粉末の円滑な抜き出しには下部ホッパ温度を排ガス
飽和温度+5℃以上に保持する必要がある。このため、
一部排ガスを分岐ライン23および昇圧ファン24によ
り脱硫塔4下部へ供給する。この際、ホッパ下部にリン
グヘッダ26を設置し、ホッパ角度に沿って上方に吹き
込む。このとき、リングヘッダ26への排ガス供給量の
制御はホッパ下部に設けられた温度センサ27で行われ
る。すなわち、下部ホッパ温度が排ガス飽和温度+5℃
以上を維持できるようにホッパ部温度を温度センサ27
で検知して昇圧ファン24により排ガス吹き込み量を制
御する。脱硫塔4下部に堆積した脱硫剤5は排出ライン
25より排出される。
【0087】この試験を100時間連続運転して行った
が、下部ホッパからの粉末の抜き出しは円滑に行うこと
ができた。また、装置を停止後、脱硫塔4を内部点検し
たところ、脱硫剤などの固形物は観察されなかった。
【0088】また、図22には排ガスを脱硫塔4の下部
ホッパへ供給する方法としてエアレーション方式を用い
る例を示す。
【0089】実施例15 本発明法による装置を適用した例を図23と図24を用
いて説明する。図23において、ボイラ1からの排ガス
はエアヒータ3で温度を下げられ、脱硫塔4に導かれ
る。脱硫剤(消石灰)5は脱硫剤導入管10を経由して
ノズル11より噴霧する。脱硫剤5は煙道13を経て脱
硫塔4内に導かれる。脱硫塔4内で水はヘッダ21のノ
ズル12から噴霧され、排ガス中の温度を下げる。この
とき、水の噴霧量は、水噴霧後の直接水滴が衝突すると
ころの局部的な位置55(脱硫塔4内のノズル12の直
下の位置)の温度を熱電対57により測定し、検出器5
8を介して演算器59で演算する。そして脱硫塔4出口
ガス温度が、この検出温度よりも高くなるように水供給
制御弁60により水噴霧量を制御する。なお、図24に
脱硫塔4の水噴霧後の直接水滴が衝突するところの局部
的な位置55付近の拡大図を示す。
【0090】脱硫塔4を出た排ガスは、集塵装置8に導
かれる。脱硫塔4内で、脱硫剤5はSO2などの酸性有
毒ガスと反応し、反応した脱硫剤は排ガス中の灰ととも
に集塵装置8で捕集され、廃棄される。
【0091】この装置を用いて、A炭(排ガス中のSO
2濃度2000ppm)を燃焼したときの脱硫試験を実
施した。ただし、脱硫剤5として消石灰を用い、消石灰
を排ガス中に含まれるSO2に対しモル比で2倍(以下
Ca/S=2と略す。)添加した。脱硫塔4出口温度
は、熱電対57により検出した位置55の温度よりも1
0℃高くなるように制御され、ノズル12の水噴霧量は
この信号により調整された。
【0092】ボイラ1出口および集塵器8出口におい
て、ガス中の水分を除去した後、SO2濃度を測定した
ところそれぞれ2000ppmおよび400ppmであ
った。すなわち、排ガス中のSO2の内80%が除去さ
れたことになる。この試験を100時間連続運転し、装
置を停止後、脱硫塔4を内部点検したところ、脱硫剤5
などの固形物は観察されなかった。
【0093】実施例16 実施例15と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。ただし、脱硫塔4出口ガス温度は、熱電対5
7により検出した位置55の温度よりも5℃高くなるよ
うに制御され、ノズル12の水噴霧量はこの信号により
調整された。
【0094】ボイラ1出口および集塵器8出口におい
て、ガス中の水分を除去した後、SO2濃度を測定した
ところ、それぞれ2000ppmおよび200ppmで
あった。すなわち、排ガス中のSO2の内90%が除去
されたことになる。実施例15と同様、100時間の運
転時間の試験を行った。試験後、脱硫塔4を内部点検し
たところ、脱硫剤5等の固形物は観察されなかった。
【0095】比較例5 図46に示した従来技術に基づく装置を用いて、前記A
炭について実施例15と同じ条件で脱硫試験を行った。
実施例15と同様、100時間の連続運転の試験を行っ
た。試験後、脱硫塔4および集塵器8を内部点検したと
ころ、脱硫剤5等の固形物が2kg堆積しているのが観
察された(脱硫剤供給量の約1%)。さらに、脱硫塔ノ
ズル配管の材料表面の腐食が観察された。
【0096】比較例6 図46に示した従来技術に基づく装置を用いて、前記A
炭について実施例16と同じ条件で脱硫試験を行った。
実施例16と同様、100時間の連続運転の試験を行っ
た。試験後、脱硫塔4および集塵器8を内部点検したと
ころ、脱硫剤5等の固形物が10kg堆積しているのが
観察された(脱硫剤供給量の約5%)。さらに、脱硫塔
ノズル配管の材料表面の腐食が観察された。
【0097】なお、熱電対57の位置は噴霧した水滴が
直接当たる場所なら何処でもよく、本実施例の場合はノ
ズルの上部に設置することも可能である。
【0098】従来の方法では、脱硫塔の内壁への脱硫剤
の付着を防止するため脱硫塔出口の温度は飽和温度より
10〜20℃高く制御する必要があったが、本発明によ
り飽和温度より5℃高い条件で制御しても安定に装置を
運転でき、高い脱硫率を達成できた。
【0099】実施例17 図25に脱硫剤製造装置のフローの一例を示す。供給管
31より加熱炉32に送られた石灰石は加熱されて生石
灰となり、混合装置33中で供給管34より送られた石
炭灰と混合させる。生石灰と石炭灰の混合物は混合装置
33より水和装置35に送られ、水和装置35内部で供
給管36より水が添加され、生石灰と石炭灰は反応し、
高比表面積の脱硫剤5となる。
【0100】図25に示した脱硫剤製造装置では石灰石
を脱炭酸させて生石灰とするのに加熱炉32を用いてい
るが、加熱炉32には石灰石を脱炭酸できるものであれ
ばどのような型式の炉でも使用可能であり、水和装置3
5より排出された脱硫剤5中の粒子が凝集している場合
にはこれを再分散させるため粉砕機などを用いることも
可能である。
【0101】このようにして調製した脱硫剤5を煙道1
3(図1)の排ガス中に噴霧供給し、図1に示した装置
を用いてA炭を燃焼した時の脱硫性能を測定した。ただ
し、ボイラ出口における排ガス中に含まれるSO2に対
する脱硫剤中のCa量はモル比で2倍(Ca/S=2)
になるように石灰石が供給され、石炭灰は重量比で生石
灰の60%添加(生石灰:灰=5:3)され、水の供給
量は生石灰に対しモル比で3.5倍とした。水和装置3
5内の粒子の平均滞留時間は1時間とした。また、その
他の条件は実施例1と同じとした。
【0102】ボイラ1出口および集塵装置8出口におい
て、ガス中の水分を除去した後、SO2濃度を測定した
ところそれぞれ2000ppmおよび200ppmであ
った。すなわち、脱硫率90%が得られた。
【0103】実施例18 実施例17と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。但し、生石灰の供給量をCa/Sを変化させ
て、その時の脱硫率を測定した。生石灰と石炭灰の比率
は実施例1と同じにした。結果を図26中の(a)に示
す。Ca/Sが高いほど脱硫率も高くなっているが、C
a/S=1.0でも75%以上の脱硫率が得られてい
る。
【0104】実施例19 実施例17と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。但し、脱硫剤製造装置で水を供給する際、水
にケイ酸ナトリウムを添加した。この時のケイ酸ナトリ
ウム添加量(生石灰に対する重量%で表示)と脱硫率の
関係を図27に示す。ただし、ケイ酸ナトリウム添加量
0%の場合は、水のみ生石灰に対してモル比で3.5倍
添加した。ケイ酸ナトリウム添加量0.01%でも脱硫
性能向上の効果が認められ、添加量10〜20%で脱硫
性能は最大となる。他の石炭を燃焼しときについても検
討したが、脱硫性能および経済性の点からケイ酸ナトリ
ウム添加量は生石灰に対して5〜20重量%が好ましい
ことが分かった。
【0105】実施例20 実施例17と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。ただし、脱硫剤製造装置で水の代わりに水酸
化ナトリウム水溶液を添加した。この時の水酸化ナトリ
ウム添加量(生石灰に対する重量%で表示)と脱硫率の
関係を図28に示す。石炭灰に対して0.01%でも脱
硫性能向上の効果が認められ、添加量10〜20%で脱
硫性能はほぼ一定となる。経済性の点から添加量として
は5〜20重量%が好ましい。
【0106】実施例21 実施例17では、脱硫剤製造時の水和装置35の温度は
制御していないが、これを制御することにより脱硫剤の
性能を向上させることも可能である。図29にその実施
例を示す。水和装置35内の温度を調整するため、加熱
用の水蒸気および冷却用の冷水をそれぞれ供給管46お
よび47から供給する。図30にA炭を用いて実施例1
7と同じ条件で脱硫した時の、脱硫剤製造装置内部の温
度と脱硫率の関係を示す。脱硫剤製造装置内部の温度と
しては、80〜130℃が好ましい。この温度より低す
ぎても高すぎても脱硫性能は低下する。
【0107】実施例22 実施例17と同一の装置において、硫黄の含有率の異な
る5種類の石炭を用いて実施例1と同一条件で脱硫試験
を行った。その結果を表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】実施例23 実施例1と同一の装置において、炭酸マグネシウム(M
gCO3)及び炭酸マグネシウムカルシウム(CaCO3
・MgCO3)を用いて実施例1と同一条件で脱硫試験
を行った。その結果を表6に示す。
【0110】
【表6】
【0111】実施例24 図31に脱硫剤製造装置のフローの一例を示す。供給管
31より加熱炉32に送られた石灰石は加熱されて生石
灰となり、混合装置33に送られる。混合装置33内部
で生石灰に供給管34よりケイ酸ナトリウム水溶液が添
加され、生石灰とケイ酸ナトリウム水溶液中のケイ酸ナ
トリウムは反応し、さらに所定の時間撹拌されて、高比
表面積の脱硫剤5となる。
【0112】図31に示した脱硫剤製造装置では石灰石
を脱炭酸させて生石灰とするのに加熱炉32を用いてい
るが、加熱炉32は石灰石を脱炭酸できるものであれば
どの様な型式の炉でも使用可能であり、混合装置33も
粉体を撹拌できるものであればどの様な型式のものでも
構わない。このようにして調製した脱硫剤5を図1に示
したボイラ1の煙道13の排ガス中に噴霧供給し、脱硫
処理に利用される。
【0113】この装置を用いて、M炭(石炭中の硫黄分
1.9%、灰含有率12.4%)を燃焼した時の脱硫性
能を測定した。ただし、Ca/S=1.5と呼ぶ。)と
なるように石灰石(消石灰)が供給され、ケイ酸ナトリ
ウム(水ガラス:JIS1号、以下同様)は生石灰に対
して重量比で5%添加され、この際ケイ酸ナトリウム水
溶液中の水の量は生石灰に対し、モル比で2.5倍とし
た。さらに、水は水配管14より脱硫塔4中に重量比で
排ガスの3%噴霧供給された。また集塵装置8で捕集さ
れた粒子の内50%は脱硫塔4に循環され、残りは廃棄
された。集塵装置8で捕集された粒子中に含まれる未反
応の脱硫剤はCa/Sの値には含まれていない。
【0114】ボイラ1の出口および集塵装置8の出口に
おいて、ガス中の水分を除去した後、SO2濃度を測定
したところそれぞれ1540ppmおよび180ppm
であった。すなわち、排ガス中のSO2の内88%が除
去(以下、脱硫率88%と呼ぶ。)されたことになる。
【0115】実施例25 実施例24と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。但し、生石灰の供給量をCa/Sを変化させ
て、その時の脱硫率を測定した。結果を図32中の
(a)に示す。Ca/Sが高いほど脱硫率も高くなって
いるが、Ca/S=1.0でも70%以上の脱硫率が得
られている。
【0116】実施例26 実施例24と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。但し、脱硫剤製造装置でのケイ酸ナトリウム
添加量を変化させた。この時のケイ酸ナトリウム添加量
(生石灰に対する重量%で表示)と脱硫率の関係を図3
3に示す。ただし、ケイ酸ナトリウム添加量0%の場合
は、水のみ生石灰に対してモル比で2.5倍添加した。
ケイ酸ナトリウムは生石灰に対して0.01%でも脱硫
性能向上の効果が認められ、添加量10〜20%で脱硫
性能は最大となるが、50%以上ではケイ酸ナトリウム
無添加と同等もしくはそれ以下の脱硫性能しか得られな
い。経済性の点からも添加量としては1〜20重量%が
好ましい。
【0117】添加量が多すぎると脱硫性能が低下する理
由は完全には明確になっていないが、生石灰とケイ酸ナ
トリウムが反応する際、ケイ酸ナトリウムが多すぎると
一度形成された細孔が閉鎖するからではないか考えられ
る。図34にケイ酸ナトリウム添加量と比表面積(N2
BET法で測定)の関係が示すが、ケイ酸ナトリウム添
加量が多くなると一度増加した比表面積が再び減少する
傾向が認められる。
【0118】実施例27 実施例24と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。但し、石灰石を脱炭酸させた後冷却し、生石
灰にケイ酸ナトリウム水溶液を添加する際の生石灰の温
度を変化させた。ケイ酸ナトリウム水溶液を添加する際
の生石灰の温度と脱硫性能の関係を図35に示す。生石
灰の温度が100℃以下になると脱硫性能がやや低下す
る傾向があり、ケイ酸ナトリウム水溶液はなるべく10
0℃以上の温度で添加することが好ましい。
【0119】実施例28 実施例24と同一の装置において、硫黄の含有率の異な
る5種類の石炭を用いて実施例24と同一条件で脱硫試
験を行った。その結果を表7に示す。
【0120】
【表7】
【0121】実施例29 実施例24と同一の装置において、炭酸マグネシウム
(MgCO3)および炭酸マグネシウムカルシウム(C
aCO3・MgCO3)を用いて実施例24と同一条件で
脱硫試験を行った。その結果を表8に示す。
【0122】
【表8】
【0123】比較例7 図46に示した装置を用いて、実施例24と同じ条件で
M炭について脱硫率を測定した。Ca/Sを変化させた
時の脱硫率を図32中の(b)に示すが、本発明法に比
較して脱硫率が低い。
【0124】比較例8 比較例7と同じ方法(但し、Ca/S=1.5)で実施
例28に示した5種類の石炭について脱硫率を測定し
た。その結果を表9に示す。本発明法に比較していずれ
の石炭でも脱硫率が低くなっている。
【0125】
【表9】
【0126】比較例9 図46に示した装置を用いて、実施例28と同じ条件で
M炭について脱硫率を測定した。その結果を表10に示
すが、本発明法に比較して脱硫率が低い。
【0127】
【表10】
【0128】なお、上記実施例17〜29では石灰石を
加熱して脱炭酸し、生石灰を製造しているが、消石灰を
加熱して生石灰とした後これを用いてもよい。また、加
熱等の処理によりアルカリ土類金属の酸化物が得られる
ものであれば、各種の粘土鉱物を使用することも可能で
ある。
【0129】実施例30 脱硫剤5を消石灰と石炭灰の混合スラリを加熱する方法
で調製し、そのスラリを煙道13の排ガス中に噴霧供給
し、石炭焚ボイラの排ガスを脱硫処理する場合につい
て、本発明法による装置を適用した例を用いて説明す
る。
【0130】図36において、ボイラ1からの排ガスは
エアヒータ3で温度を下げられ、脱硫塔4に導かれる。
消石灰と、集塵装置8より回収された脱硫剤粒子を含む
石炭灰と、水およびケイ酸ナトリウムはそれぞれ脱硫剤
調製装置37に送られ、撹拌・混合されながら加熱され
る。この混合物は高比表面積の脱硫剤スラリとなり、ラ
イン22より煙道13または脱硫塔4内に噴霧して供給
され、排ガス中のSO2等の酸性有害物質と反応する。
この時、水を煙道13または脱硫塔4中に供給されるこ
とにより排ガスの温度を下げ、湿度を上げることも可能
である。その一部が反応した脱硫剤は排ガス中の灰とと
もに集塵装置8で捕集され、その一部は再び脱硫剤調製
装置37に供給されて再度排ガス中のSO2等の酸性有
害物質と反応する。残りの脱硫剤および灰は廃棄され
る。脱硫剤調製装置37中では消石灰、石炭灰、水およ
びケイ酸ナトリウムは撹拌機により混合・撹拌される
が、撹拌機はスラリを撹拌できるものであればどの様な
型式のものでも構わない。
【0131】この装置を用いて、M炭を燃焼した時の脱
硫性能を測定した。ただし、Ca/S=1.5となるよ
うに消石灰が供給され、ケイ酸ナトリウム(水ガラス:
JIS1号、以下同様)は脱硫剤調製装置37内の固体
粒子に対して重量比で5%添加され、水は脱硫塔4中に
重量比で排ガスの3%噴霧供給された。調製された脱硫
剤は、ライン22より煙13内に噴霧して供給され
た。なお、脱硫剤調製装置37中では脱硫剤スラリの濃
度は30%重量、加熱温度および粒子の平均滞留時間は
それぞれ100℃および2時間に調整された。また、脱
硫剤調製装置37内で脱硫剤スラリが撹拌機により撹拌
される際のせん断速度は10sec-1であった。集塵装
置8で捕集された粒子の内50%は脱硫剤調製装置37
に循環され、残りは廃棄された。なお、集塵装置8で捕
集された粒子中に含まれる未反応の脱硫剤はCa/Sの
値には含まれていない。
【0132】ボイラ1の出口および集塵装置8出口にお
いて、ガス中の水分を除去した後、SO2濃度を測定し
たところ、それぞれ1540ppmおよび150ppm
であった。すなわち、脱硫率90%であった。また、脱
硫反応前の脱硫剤の比表面積は65m2/gであった。
消石灰や石炭灰の比表面積が数〜十数m2/gであるこ
とを考えると、本実施例に基づく養生処理によって比表
面積が増加したことが分かる。
【0133】実施例31 実施例30と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。但し、消石灰の供給量をCa/Sを変化させ
て、その時の脱硫率を測定した。結果を図37中の
(a)に示す。Ca/Sが高いほど脱硫率も高くなって
いるが、Ca/S=1.0でも75%以上の脱硫率が得
られている。図37中の(b)は脱硫剤調製装置37中
ではケイ酸ナトリウムを含まず、石炭灰と水のみ混合、
加熱した場合の値である。
【0134】実施例32 実施例30と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。但し、脱硫剤調製装置37内でのホールドア
ップ量を調整することにより、粒子の平均滞留時間を変
化させた。この時の粒子の平均滞留時間と脱硫率の関係
を図38中の(a)に示すように平均滞留時間が短くて
も充分高い脱硫率が得られる。なお、図38中の(b)
は脱硫剤調製装置37中ではケイ酸ナトリウムを含ま
ず、石炭灰と水のみ混合、加熱した場合の値である。
【0135】実施例33 実施例30と同一の装置を用いて、同一条件で脱硫率を
測定した。但し、ケイ酸ナトリウムの添加量を変化さ
せ、その時の脱硫率を測定した。その結果を図39に示
す。ケイ酸ナトリウムは固体粒子に対して0.1重量%
添加しても効果が認められた。M炭の場合、10重量%
以上添加しても脱硫率がそれ以上大きくは増加しないの
で、経済性の点から添加量としては0.1〜10重量%
が好ましい。硫黄の含有率の異なる他の炭種の石炭につ
いても同様の検討を行ったが、添加量としては固体粒子
に対し0.1〜30重量%が好ましいことが分かった。
【0136】実施例34 実施例30と同一装置を用いて、同一条件で脱硫率を測
定した。但し脱硫剤調製装置37中の撹拌機の回転速度
を変化させ、その時のせん断速度と脱硫性能の関係を調
べた。その結果を図40に示す。高いせん断速度を与え
ることによりスラリ中の粒子の分散が良くなるため、脱
硫率も向上する。脱硫率の点から10sec-1以上のせ
ん断速度で撹拌することが好ましい。
【0137】実施例35 実施例30と同一の装置において、硫黄の含有率の異な
る5種類の石炭を用いて実施例30と同一条件で脱硫試
験を行った。その結果を表11に示す。
【0138】
【表11】
【0139】実施例36 M炭について、図41に示す装置を用いて脱硫性能を測
定した。本実施例では、供給するケイ酸ナトリウムを粘
度調整タンク38で水と混合した後、これを脱硫剤調製
装置37に供給する。ケイ酸ナトリウム水溶液の粘度は
その濃度によって大きく変化するが、その粘度が高いま
ま脱硫剤調製装置37に供給した場合、脱硫剤調製装置
37中のスラリ中で溶解しにくく、ケイ酸ナトリウムの
濃度が部分的に高くなりすぎると消石灰や石炭灰の粒子
を凝集させるため、比表面積の大きな脱硫剤が調製でき
なくなる。このような問題を解決するには、ケイ酸ナト
リウムを水で希釈することにより粘度調整タンク38で
ケイ酸ナトリウムの粘度が、好ましくは10Pa・s以
下になるよう低下させ、これを脱硫剤調製装置37に供
給することによって解決できることが判明した。
【0140】図42に、粘度調整タンク38でのケイ酸
ナトリウムの希釈率を変えることによって、その粘度を
調整した場合の粘度と脱硫率の関係を示す(脱硫条件は
実施例30と同じ)。粘度が10Pa・s以上になると
脱硫剤の比表面積が徐々に低下していく傾向があり、ケ
イ酸ナトリウム水溶液の粘度は10Pa・s以下にする
ことが好ましい。
【0141】実施例37 M炭について、図43に示す装置を用いて脱硫性能を測
定した。本実施例では、脱硫剤調製装置37の前にミル
39を設置し、消石灰および石炭灰を水およびケイ酸ナ
トリウムの存在下で湿式粉砕した後、粉砕したスラリを
脱硫剤調製装置37に供給し、撹拌しながら加熱するこ
とで高比表面積の脱硫剤を調製する。消石灰および石炭
灰を粉砕することにより、両者の反応性が向上し、比表
面積およびSO2吸収性能の高い脱硫剤を調製できる
が、ケイ酸ナトリウムを消石灰および石炭灰の粉砕時に
添加することにより、粉砕効率が向上し、より比表面積
およびSO2吸収性能の高い脱硫剤が調製可能である。
表12に実施例30と同じ条件でM炭を用いた場合のケ
イ酸ナトリウムおよび粉砕操作の有無による脱硫性能の
変化を示すが、同じ条件で粉砕してもケイ酸ナトリウム
を添加することにより脱硫性能が向上している。
【0142】
【表12】
【0143】また、ミル39の胴体周囲に加熱用ジャケ
ットを設置することによりミル39内部で粉砕と同時に
養生処理を行い、脱硫剤調製装置37を省略することも
可能である。
【0144】なお、上記実施例では脱硫剤スラリを煙道
13または脱硫塔4内に噴霧しているが、脱硫剤調製装
置37から出てきたスラリを乾燥させた、粉体とした
後、これを煙道13または脱硫塔4内に噴霧することも
可能である。
【0145】実施例38 図44に示す本実施例では、前記各実施例30〜37の
脱硫剤調製装置37内で脱硫剤スラリを加熱する代わり
に、混合装置35にて消石灰、石炭灰、水およびケイ酸
ナトリウムを混合した後、該スラリをボイラ火炉1また
は煙道13中に噴霧供給する。この方法により短時間で
養生と同じ効果を得ることができる。混合装置35は粒
子を混合するだけであるので、脱硫剤調製装置37に比
べ小型化でき、ラインミキサーでも良い。図45に実施
例30と同じ条件(加熱することを除く。)で調製した
脱硫剤スラリをボイラ1または煙道13中に噴霧した時
の温度と脱硫率を示す。脱硫率の点から300〜100
0℃の温度域が好ましい。1000℃以上の温度では脱
硫剤粒子が焼結するため、また、300℃以下の温度で
は消石炭と石炭灰の反応が生じないため脱硫率が低下す
るものと考えられる。
【0146】比較例10 図46に示した装置を用いて、実施例30および31と
同じ条件でM炭について脱硫率を測定した。ただし、ケ
イ酸ナトリウムは添加しないで脱硫剤を調製した。Ca
/Sを変化させた時の脱硫率を図37中の(b)に示す
が、本発明法に比較して脱硫率が低い。
【0147】比較例11 比較例10と同じ方法(ただし、Ca/S=1.5)
で、M炭について脱硫率を測定した。ただし、脱硫剤調
製装置37内での粒子の平均滞留時間を変化させた。こ
の時の粒子の平均滞留時間と脱硫率の関係を図38中の
(b)に示す。同一滞留時間で比較する本発明の実施例
に比べ脱硫率が低くなっている。また、同一の脱硫率を
得るに必要な滞留時間は本発明の実施例に比べ長くなっ
ており、本発明の実施例よりも大きな脱硫剤調製装置が
必要であることを示している。
【0148】比較例12 比較例10と同じ方法(ただし、Ca/S=1.5)
で、実施例35に示した5種類の石炭について脱硫率を
測定した。その結果を表13に示す。本発明の実施例に
比較して、いずれの石炭でも脱硫率が低くなっている。
【0149】
【表13】
【0150】なお、上記実施例30〜38ではアルカリ
土類金属化合物およびケイ素供給物質としてそれぞれ消
石灰および石炭灰を用いたが、アルカリ土類金属化合物
としては、石灰石、亜硫酸カルシウムおよび硫酸カルシ
ウムが使用でき、ケイ素供給物質としては、石炭灰、ケ
イ砂、ベントナイト、カオリナイトが使用できる。当然
のことながら、上記物質を2種類以上併用することも可
能である。また、ケイ酸ナトリウムとしてJIS1号の
水ガラスを使用しているが、他のケイ酸ナトリウムでも
使用可能である。
【0151】以上の実施例1〜38では脱硫剤として消
石灰、生石灰、炭酸マグネシウムまたは炭酸マグネシウ
ムカルシウムを用いた例を示したが、その他に水酸化ナ
トリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリおよびアルカ
リ土類金属の酸化物、水酸化物および炭酸塩などが用い
られる。
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、下記の理由により従来
の方法に比べより高い脱硫性能が得られ、脱硫装置を小
型化でき、使用する脱硫剤も少なく済む。
【0153】脱硫塔内において部分的に湿度の高い領
域を形成することができるため脱硫性能の向上が図れ
る。
【0154】集塵装置で捕集された未反応の脱硫剤を
集塵装置で回収した後、温度500〜900℃の排ガス
中に再度噴霧供給することにより未反応の消石灰の脱水
反応(Ca(OH)2→CaO+H2O)が生じ、この際
表面の亜硫酸カルシウムまたは硫酸カルシウムの殻が破
壊され、SO2との接触が良くなり、脱硫性能が高くな
る。
【0155】排ガスの一部または加熱空気を脱硫塔下
部ホッパ部に吹き込むことにより、脱硫塔内部の相対湿
度が高くても脱硫剤による脱硫塔下部ホッパ部における
水分の結露等を防止でき、堆積脱硫剤の湿気を低減して
流動性を向上させることができ、脱硫塔株ホッパ部の閉
塞がなくなるため、堆積脱硫剤の円滑な抜き出しが可能
となり、脱硫性能が高く維持できる。
【0156】水噴霧後の直接水滴が衝突するところの
局部的な位置の温度を検出し、その信号により、水噴霧
量を調節し、脱硫塔出口ガス温度を水の凝縮点以上に保
持することによりスケールの原因となる水の凝縮を防止
し、脱硫塔内の相対湿度を高く保持することができ、脱
硫性能の向上と、脱硫塔の長期安定運転が可能となり、
また、装置がコンパクトになる。
【0157】アルカリ金属および/またはアルカリ土
類金属の酸化物の内1種類以上の酸化物に、ケイ素供給
物質を混合した後、これを水に添加して該酸化物が水和
する際の水和熱で両者を反応させるとともに余分な水を
蒸発により除去し、比表面積の大きな脱硫剤を粉体の状
態で調製できるため、高い脱硫性能が得られる。
【0158】カルシウム供給物質粒子を含む脱硫剤に
ケイ酸ナトリウムを添加することでカルシウム供給物質
粒子やケイ素供給物質粒子の水中での分散性が良くなる
ため両者の反応性が向上し、より経済的(低い温度で短
時間の加熱処理)に高い脱硫性能を有する脱硫剤が調製
できる。そして、Ca/Sが小さくても、また、スラリ
混合手段中でのスラリ滞留時間が短くても、高い脱硫率
が得られる。
【0159】前記ケイ酸ナトリウムとカルシウム供給
物質とケイ素供給物質のスラリ中での分散性は加熱によ
り、より向上する。さらに、スラリ混合手段中でのせん
断機による混合物のせん断、粉砕手段による粉砕で、カ
ルシウム供給物質やケイ素供給物質の分散性がより向上
する。また、スラリ混合手段に加熱手段が付属していな
い場合には、装置のコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における脱硫装置のフローシートで
ある。
【図2】 実施例1の脱硫塔内の水噴霧状況を示す図で
ある。
【図3】 実施例2の脱硫塔内での水スプレノズルの配
置を示す図である。
【図4】 実施例2の脱硫塔内での渦分離用ガス配管を
水スプレノズルの周りに取り付けた構造を示す図であ
る。
【図5】 図4に示す水スプレノズルを用いて排ガス中
に水を噴霧した場合の渦の発生の様子を示す図である。
【図6】 図4に示す水スプレノズルに分散板をさらに
取り付けた図である。
【図7】 図5に示す水スプレノズル噴霧角度に対する
脱硫率を示す図である。
【図8】 図5に示す水スプレノズルからの平均液滴噴
径に対する脱硫率を示す図である。
【図9】 図5に示す水スプレノズルを用いて排ガスの
空塔速度にに対する脱硫率を示す図である。
【図10】 図5に示す水スプレノズルを用いて排ガス
のノズル角度に対する脱硫率を示す図である。
【図11】 実施例5の脱硫塔内の水噴霧状況を示す図
である。
【図12】 実施例1〜5の試験結果をまとめたものを
示す図である。
【図13】 実施例6の脱硫装置のフローを示す図であ
る。
【図14】 断熱飽和温度と脱硫率に関する実験データ
を示す図である。
【図15】 実施例7の脱硫装置のフローを示す図であ
る。
【図16】 実施例8における脱硫装置のフローシート
である。
【図17】 実施例9の煙道中の排ガス温度と脱硫率の
関係図である。
【図18】 実施例9の脱硫剤粒子の模式図である。
【図19】 実施例10の脱硫剤供給量Ca/Sと脱硫
率の関係を示した実験データを示す図である。
【図20】 実施例13を示す脱硫装置のフローシート
である。
【図21】 実施例14のフローを示す図である。
【図22】 実施例14の変形例のフローを示す図であ
る。
【図23】 実施例15における脱硫装置のフローシー
トである。
【図24】 図23の脱硫塔内の水噴霧装置部分の詳細
図である。
【図25】 実施例17における脱硫剤製造装置のフロ
ーシートである。
【図26】 実施例18と従来技術のCa/Sと脱硫率
の関係図である。
【図27】 実施例19のケイ酸ナトリウム添加量と脱
硫率の関係図である。
【図28】 実施例20の水酸化ナトリウム添加量と脱
硫率の関係図である。
【図29】 実施例21における脱硫剤製造装置のフロ
ーシートである。
【図30】 実施例21の水和装置内の温度と脱硫率の
関係図である。
【図31】 実施例24における脱硫剤製造装置のフロ
ーシートである。
【図32】 実施例25と比較例のCa/Sと脱硫率の
関係図である。
【図33】 実施例26のケイ酸ナトリウム添加量と脱
硫率の関係図である。
【図34】 実施例26のケイ酸ナトリウム添加量と比
表面積の関係図である。
【図35】 実施例27の生石灰の温度と脱硫率の関係
図である。
【図36】 実施例30における脱硫装置のフローシー
トである。
【図37】 実施例31と比較例におけるCa/Sと脱
硫率の関係図である。
【図38】 実施例32と比較例における粒子の平均滞
留時間と脱硫率の関係図である。
【図39】 実施例33におけるケイ酸ナトリウム添加
量と脱硫率の関係図である。
【図40】 実施例34における脱硫剤調製装置内での
スラリ撹拌時のせん断速度と脱硫率の関係図である。
【図41】 実施例36における脱硫装置のフローシー
トである。
【図42】 実施例36におけるケイ酸ナトリウムの粘
度と脱硫率の関係図である。
【図43】 実施例37における脱硫装置のフローシー
トである。
【図44】 実施例38における脱硫装置のフローシー
トである。
【図45】 実施例38における噴霧供給する場所の温
度と脱硫率を示した実験データを示す図である。
【図46】 従来技術の脱硫装置のフローシートを示
す。
【図47】 相対湿度と脱硫率の関係を示す図である。
【符号の説明】
1…ボイラ、2…エアヒータ、4…脱硫塔、 6、13
…煙道、8…集塵装置、12…水スプレノズル、14…
水配管、15…アトマイズガス配管、16…分散板、1
7…高湿度ガス渦、18…渦分離用ガス配管、21…ヘ
ッダ、22…リサイクルライン、30…熱交換器、31
…石灰石供給管、32…加熱炉、33…混合装置、35
…水和装置、37…脱硫剤調製装置、38…粘度調整タ
ンク、39…ミル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−215059 (32)優先日 平3(1991)8月27日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−217755 (32)優先日 平3(1991)8月29日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−262486 (32)優先日 平3(1991)10月11日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−262487 (32)優先日 平3(1991)10月11日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 横山 公一 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 野坂 浩之 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 中島 史登 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 高本 成仁 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 車地 隆治 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 橋本 泰樹 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 石坂 浩 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 西村 士 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 野坂 忠志 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属化合物またはアルカリ土類
    金属化合物の内、少なくとも一種類以上の化合物を含む
    脱硫剤を石油、石炭など硫黄化合物を含む化石燃料を燃
    焼する燃焼装置火炉中に供給し、あるいは前記脱硫剤を
    燃焼装置火炉から排出される硫黄酸化物含有排ガス煙道
    中に供給し、後流側に設置された脱硫塔内または脱硫塔
    入口部に水噴霧部を設け、排ガス中の硫黄化合物を除去
    する乾式排煙脱硫装置において、 脱硫塔内のガス流れ方向の途中に渦発生装置を設けるこ
    とにより、相対湿度の高い領域を形成させ、前記化合物
    を含む脱硫剤を前記相対湿度の高い領域内に混入させる
    ことを特徴とする乾式排煙脱硫装置。
  2. 【請求項2】 前記水噴霧部と渦発生装置により相対湿
    度の高い領域内のガス流れ直交面において中央部から塔
    壁に高低湿度勾配を形成し、かつ、塔出口ガスの温度を
    飽和温度より高く保つことを特徴とする請求項1記載の
    乾式排煙脱硫装置。
  3. 【請求項3】 前記水噴霧部は液ガス比(水供給量/亜
    硫酸ガス含有煙道ガス量の比)が0.02〜0.05リ
    ットル/m3Nの範囲であり、水噴霧ノズルの位置が脱
    硫塔のガス上流の脱硫塔入口部から1〜5mの範囲であ
    り、かつ、脱硫塔内のガス空塔速度が1〜10m/sの
    範囲で水含有流体を噴出させることを特徴とする請求項
    1または2記載の乾式排煙脱硫装置。
  4. 【請求項4】 水噴霧部は水噴霧ノズルの上部に分散板
    を設置していることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の乾式排煙脱硫装置。
  5. 【請求項5】 水噴霧部の水噴霧角度がガスの流れ方向
    に対して40〜180度であることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の乾式排煙脱硫装置。
  6. 【請求項6】 水噴霧ノズルの外側に渦分離用ガス配管
    を有することを特徴とする請求項5記載の乾式排煙脱硫
    装置。
  7. 【請求項7】 水噴霧部の水噴霧ノズルは脱硫塔の対向
    する両壁面にそれぞれ設けられ、水噴霧ノズルからの水
    噴流を衝突させることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の乾式排煙脱硫装置。
  8. 【請求項8】 脱硫塔への導入前の排ガスと脱硫塔から
    排出される脱硫処理済みの排ガス間の熱交換を行わせる
    ためのガス用熱交換器を設けたことを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載の乾式排煙脱硫装置。
  9. 【請求項9】 燃焼装置からの排ガスにアルカリ金属ま
    たはアルカリ土類金属化合物の内少なくとも一種類以上
    の化合物を含む脱硫剤を供給して排ガス中の硫黄酸化物
    を除去した後、脱硫剤と燃焼灰を集塵装置で回収する乾
    式排煙脱硫方法において、 脱硫剤を200℃以下の排ガス温度域に供給し、排ガス
    中の硫黄酸化物と反応した脱硫剤を集塵装置で回収した
    後、未反応の脱硫剤を含む捕集粒子を温度500〜90
    0℃の排ガス煙道中に再度供給し、排ガス中の硫黄酸化
    物と反応させることを特徴とする乾式排煙脱硫方法。
  10. 【請求項10】 集塵装置で回収した未反応脱硫剤を含
    む捕集粒子に水を添加し、これをスラリ状態にした後、
    温度500〜900℃の排ガス煙道中に供給することを
    特徴とする請求項9記載の乾式排煙脱硫方法。
  11. 【請求項11】 集塵装置で回収した未反応脱硫剤を含
    む捕集粒子に水を添加し、これをスラリ状態にした後、
    加熱乾燥させて、温度500〜900℃の排ガス煙道中
    に供給することを特徴とする請求項9記載の乾式排煙脱
    硫方法。
  12. 【請求項12】 燃焼装置火炉内または排ガス煙道中に
    アルカリ金属またはアルカリ土類金属系の化合物の少な
    くとも一種以上の化合物を含む脱硫剤を噴霧し、後流の
    脱硫塔内で水を噴霧して排ガス中の硫黄酸化物を除去す
    る脱硫反応を促進させ、さらに反応済みの脱硫剤を集塵
    器にて捕集する乾式排煙脱硫装置において、 脱硫塔下部内に加熱流体吹き込み手段を設けたことを特
    徴とする排煙脱硫装置。
  13. 【請求項13】 脱硫塔下部内に吹き込む加熱流体とし
    て上流側排ガスの一部を分岐させたもの、または、加熱
    空気を用いることを特徴とする請求項12記載の乾式排
    煙脱硫装置。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の排煙脱硫装置に、脱
    硫塔下部内の温度が排ガス飽和温度+5℃以上を維持で
    きるよう脱硫塔下部内に温度検知手段を設け、該温度検
    知手段により加熱流体吹き込み量を制御する手段とを設
    けたことを特徴とする乾式排煙脱硫装置。
  15. 【請求項15】 アルカリ金属化合物またはアルカリ土
    類金属化合物の少なくとも一種類以上の化合物を含む脱
    硫剤を燃焼装置火炉に供給し、あるいは前記脱硫剤を燃
    焼装置火炉から排出される硫黄酸化物含有排ガス煙道中
    に供給し、後流の脱硫塔内または脱硫塔入口部で水を噴
    霧させて、排ガス温度を低下させることにより、前記脱
    硫剤と硫黄酸化物ガスを接触させて、該硫黄酸化物を除
    去する乾式脱硫装置において、 水噴霧後の直接水滴が衝突するところの局部的な位置の
    温度を検出し、その検出信号により、水噴霧量を調節
    し、脱硫塔出口ガス温度を制御することを特徴とする乾
    式脱硫装置運転方法。
  16. 【請求項16】 アルカリ土類金属の酸化物の内一種類
    以上の酸化物に、ケイ素供給物質を混合した後、この混
    合物に水を添加してアルカリ土類金属の酸化物が水和す
    る際の水和熱で前記酸化物とケイ素供給物質とを反応さ
    せて、余分の水分を蒸発させて粉体とすることを特徴と
    する脱硫剤調製方法。
  17. 【請求項17】 ケイ素供給物質が石炭灰、ケイ砂、ベ
    ントナイト、カオリナイトの内1つ以上の物質であるこ
    とを特徴とする請求項16記載の排煙脱硫装置。
  18. 【請求項18】 水の代わりにアルカリ水溶液を添加す
    ることを特徴とする請求項16または17記載のいずれ
    かの脱硫剤調製方法。
  19. 【請求項19】 アルカリ土類金属の酸化物の内一種類
    以上の酸化物とケイ素供給物質を混合する際、ミルを用
    いて両者を粉砕しながら混合することを特徴とする請求
    項16ないし18記載いずれかの脱硫剤調製方法。
  20. 【請求項20】 アルカリ土類金属の酸化物の内一種類
    以上の酸化物とケイ素供給物質を混合した後水和させる
    際の温度を80〜130℃に調製することを特徴とする
    請求項16ないし19記載のいずれかに脱硫剤調製方
    法。
  21. 【請求項21】 ケイ素供給物質はケイ酸ナトリウムで
    あり、これを水溶液にしてアルカリ土類金属酸化物を混
    合することを特徴とする請求項16記載の脱硫剤調製方
    法。
  22. 【請求項22】 アルカリ土類金属の炭酸塩を加熱して
    酸化物とした後、酸化物の温度が100℃以上の条件で
    ケイ酸ナトリウム水溶液を添加することを特徴とする請
    求項21記載の脱硫剤調製方法。
  23. 【請求項23】 ケイ酸ナトリウムをアルカリ土類金属
    酸化物の内一種類以上の酸化物に対して0.01〜50
    wt%添加することを特徴とする請求項21記載の脱硫
    剤調製方法。
  24. 【請求項24】 請求項16ないし23記載のいずれか
    の脱硫剤調製方法で調製された脱硫剤を用いて燃焼装置
    からの排ガス中の硫黄酸化物を吸収することを特徴とす
    る乾式排煙脱硫装置。
  25. 【請求項25】 アルカリ土類金属化合物とケイ素供給
    物質と水とからなるスラリにケイ酸ナトリウムを添加す
    るスラリ混合手段と、該スラリの加熱手段と、該加熱さ
    れたスラリを乾燥して得られた粉体を燃焼装置火炉また
    はその排ガス煙道中に供給する脱硫剤供給手段とを設け
    たことを特徴とする乾式排煙脱硫装置。
  26. 【請求項26】 アルカリ土類金属化合物とケイ素供給
    物質と水とからなるスラリにケイ酸ナトリウムを添加す
    るスラリ混合手段と、該スラリもしくはスラリを乾燥し
    て得られた粉体を燃焼装置火炉またはその排ガス煙道中
    に供給する脱硫剤供給手段とを設けたことを特徴とする
    排煙脱硫装置。
  27. 【請求項27】 アルカリ土類金属化合物が消石灰、亜
    硫酸カルシウム、硫酸カルシウムの内1つ以上の物質で
    あり、ケイ素供給物質が石炭灰、ケイ砂、ベントナイ
    ト、カオリナイトの内1つ以上の物質であることを特徴
    とする請求項25または26記載の排煙脱硫装置。
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