JPH0515256B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液状感光性樹脂により印刷版を作成
するに際して、画像露光された感光性樹脂版の未
硬化樹脂のその洗い出しの前に、前記未硬化樹脂
をそのまゝの状態で回収する装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

この種の回収手段として従来より多数の方法が
あり、例えば特公昭57−46544号公報に示される
ように、未硬化樹脂を加熱による低粘化とともに
圧縮気体又は感光性樹脂を溶解させない液体を噴
射して未硬化樹脂を吹き飛ばして回収するように
した所謂吹き飛ばし法、また、例えば、特開昭52
−118306号公報、特開昭52−118307号公報に示さ
れるように、未硬化樹脂を真空により吸引する真
空吸引法、また、特開昭50−158404号公報、特開
昭53−17403号公報に示されるように、遠心力に
よつて未硬化樹脂を分離・回収する遠心分離法、
更に、吸収性物体又は弾性体を版面に押圧・圧接
して未硬化樹脂を吸収あるいは分離する押圧によ
る吸引又は転移法と称されるものがある。

しかしながら、前記した吹き飛ばし法は、高粘
度樹脂、高版、厚版の回収が困難であり、また、
その作業に当つては騒音が大きく、更に周囲に樹
脂ミストが飛散するという問題点を有し、また、
前記の真空吸引法は、吹き飛ばし法と同様に高粘
度樹脂、高版、厚版の回収は困難であり、所要動
力の割には回収率が低く、騒音も大きいという問
題点を有している。そして、前記の遠心分離法
は、回転バランスの問題があり、更にその回収に
は時間を要するばかりでなく、大型版に対しては
回収が困難であるという欠点を有し、更に、押圧
による吸引又は転移法は、高粘度樹脂、高版、厚
版の回収は困難であるばかりでなく、一段では回
収率が低いため、いきおい多段とならざるを得ず
装置が大型化、複雑化するという欠点があつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前述した従来の各種の方法は、保護フイルムの
剥離は手作業であるために、保護フイルムの剥離
にかなりの力を必要とするばかりでなく、未硬化
樹脂が手に付着したり、あるいは周囲に落下する
という共通の問題点を有している。

本発明は、上記した種々の問題点のうち、特に
保護フイルムの剥離が手動であることによる問題
点を解決し、更に、低動力、低騒音で周囲に樹脂
ミストを飛散させることなく、高粘度樹脂版や大
型版であつても、その未硬化樹脂の回収が容易
に、かつ高回収率が得られる未硬化樹脂の回収装
置の提供を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、前述した目的を達成するために、露
光済み版を表面に装着可能とした未硬化樹脂回収
板と、該未硬化樹脂回収板の表面に沿つて移動可
能な回収ヘツダを備え、該回収ヘツダに、回収ヘ
ツダの移動に伴つて回転する該回収ヘツダの両支
持体に軸支された固定側ローラと、該固定側ロー
ラに接離自在に配設された移動側ローラとよりな
る保護フイルム剥離手段と、該保護フイルム剥離
手段の上方に設けられた前記の固定側ローラと平
行に回転自在に軸支された保護フイルム反転ロー
ラと、該保護フイルム反転ローラと接離自在とさ
れた保護フイルム用ドクタとよりなる剥離した保
護フイルムに付着の未硬化樹脂の回収する手段
と、該保護フイルムに付着の未硬化樹脂回収手段
と平行にドクタブレードを配設し、該ドクタブレ
ードが版より離れる方向に移動自在に支持された
前記版に付着している未硬化樹脂を回収する手段
とを備えたことをその特徴とするものである。

〔作用〕 本発明に係る未硬化樹脂回収装置は、露光済み
の版を未硬化樹脂回収板の表面に吊持等によつて
装着し、該装着された前記版より保護フイルムを
剥離し、未硬化樹脂を回収するものであるが、こ
の回収に当り本発明では、保護フイルムを剥離す
る機能と、剥離した保護フイルムの表面に付着し
ている未硬化樹脂の回収する機能と、保護フイル
ムがはがされむき出しとなつた版に付着している
未硬化樹脂を回収する機能とを有する未硬化樹脂
回収ヘツダを用いて未硬化樹脂を回収するもので
ある。すなわち、前記のヘツダを未硬化樹脂回収
板に沿つてその上端まで移動し、前記未硬化樹脂
回収板に装着されている露光済み版から保護フイ
ルムの端部を手動で剥がしてその端部を一対のニ
ツプローラにくわえさせるよう掴持させヘツダ全
体を前記の未硬化樹脂回収板に沿つて下方に移動
せしめれば、前記のニツプローラに端部が掴持さ
れた保護フイルムは前記のニツプローラの回転
と、更にヘツダの下方に移動との二つの作用で版
より剥離され、剥離された保護フイルムの表面に
付着している未硬化樹脂は同時に保護フイルム用
ドクタにて回収され、更に保護フイルムが剥離さ
れむき出しとなつた版の表面を弾性のダクタブレ
ードにて摺接し、前記表面に付着している未硬化
樹脂を回収しながらヘツダは下方に移動するもの
であり、未硬化樹脂の回収が終了したとき、ドク
タブレードを版より離間する方向に回動せしめド
クタブレードが版に接触しないようにしてヘツダ
を上昇せしめて次に備える。

〔実施例〕

本発明を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。

図において、１は成型部、現像部、乾燥部等を
内部に装置した製版装置で、２は前記製版装置１
の表面に設けられた未硬化樹脂回収板で、該未硬
化樹脂回収板２には露光済みの版Ａが装着可能と
されている。

３は、回収ヘツダの移動に伴つて回転する該回
収ヘツダの両支持体に軸支された１個又は複数に
分割されている固定側のニツプローラ、４は前記
固定側のニツプローラ３と接離自在に配設された
一個又は複数に分割されている移動側のニツプロ
ーラであり、該ニツプローラ４は腕５の一端に軸
支され、腕５の他端は支持板６に固設された軸７
に遊嵌された腕杆８に軸支される。

９は、シリンダで該シリンダ９のピストン１０
の先端部は前記の腕杆８に固定され、前記ピスト
ン１０の伸長により腕杆８は前記した支持板６に
固設の軸７を中心として上方に回動され（第５図
参照）、この腕杆８の回動により、腕５を介して
移動側のニツプローラ４も回動し、固定側のニツ
プローラ３と離間するようにされる。

１１は、前記した一対のニツプローラ３，４の
下部に設けられた剥離された保護フイルム回収用
受皿であり、１２は剥離された保護フイルムの反
転ローラ、１４は前記の固定側のニツプローラ３
の上部に配設された剥離された保護フイルムの表
面に付着している未硬化樹脂を回収するための弾
性の保護フイルム用のドクタであり、１３は前記
保護フイルム用ドクタ１４に接続された保護フイ
ルムから回収された未硬化樹脂受け用樋であり、
該樋１３で受けた回収された未硬化樹脂は通路２
３、側方樋２４を経て下部受皿２５に貯留され
る。１５は、前記した支持板６に固設した軸１６
遊嵌した腕杆で、該腕杆の上部には弾性を有する
ドクタブレード１７，１７を支持する保持体１８
が装着され、下端部には片持軸１９を付設し、斜
めに配設された未硬化樹脂回収軸１９を付設し、
斜めに配設された未硬化樹脂回収板２と平行状態
とされている前記腕杆１５を軸１６を中心として
回動可能とし、ドクタブレード１７，１７が未硬
化樹脂回収板２に沿つて上方に移動するときに腕
杆８に固定された金具２２が片持軸１９を押し、
腕杆１５が回動することによりドクタブレード１
７，１７が前記の回収板２又は回収板２に装着さ
れる露光済みの版Ａに接触することを防止する。
また、２０は版に付着している未硬化樹脂を加熱
するためのフアンである。

前記したドクタブレード１７により版から回収
された樹脂は版表面及び回収板２の表面を伝わり
下部受皿２５に貯留される。

そして、前記したシリンダ９、支持板６該支持
板６に固設された軸７，１６及び前記軸７に遊嵌
される腕杆８、軸１６に遊嵌される腕杆１５等の
移動側のニツプローラ４の回動機構及びドクタブ
レード１７，１７の支持機構については未硬化樹
脂回収板２の一側面に設けたものについて説明し
たが、上記の機構は前記回収板の他側にも同様に
設けられるものである。

前述した一対のニツプローラ３，４と、保護フ
イルム用ドクタ１４及びドツタブレード１７，１
７にて未硬化樹脂回収用ヘツダが構成され、該未
硬化樹脂回収用ヘツダ（以下、単にヘツダという
ことあり）は、一体となつて、前記の未硬化樹脂
回収板２の表面に沿つて上動あるいは下動する
が、この上動あるいは下動は、回収板２の両側面
に固定されているスライドレールにヘツダがスラ
イド自在に取付けられており回収機本体に設置さ
れたモータ及び回収率２の側面に設けられたチエ
ーンによつて上動あるいは下動されるものであ
る。またヘツダ構成要素である前述し固定測のニ
ツプローラ３の軸に固定したピニオン（図示しな
い）が、前記回収板２の両側で、かつ回収板２を
傾斜に沿つて立設されているラツク２６，２６と
噛合し、前記ピニオンの回転による固定側のニツ
プローラ３を回転せしめて保護フイルムを剥離す
るものである。

本発明の実施例は、上述のように構成されるの
で、その作用を説明すると、露光済みの大型版Ａ
を傾斜状に設けられた未硬化樹脂回収板２の上端
に吊り下げ等の手段によつて装着し、一対のニツ
プローラ３，４と保護フイルム用ドクタ１４及び
ドクタブレード１７，１７とよりなるヘツダを前
記の未硬化樹脂回収板２の両側に沿わせて設けら
れたスライドレール、モータ及びチエーンにより
ヘツダを前記の未硬化樹脂回収板２の表面に沿つ
てその上端部にまで移動せしめ、次いで、シリン
ダ９のピストン１０を伸長して支持板６に固設さ
れる軸７に遊嵌される腕杆８を前記の軸７を中心
として回動せしめ、この回動により前記腕杆８に
軸支される腕５を介して移動側ニツプローラ４も
回動し、該移動側ニツプローラ４を固定側ニツプ
ローラ３より離間させ、前記未硬化樹脂回収板２
に装着されている露光済みの大型版Ａの保護フイ
ルムの上端部を手動等によつて剥離しその端部を
前記した固定側ニツプローラ３と移動側ニツプロ
ーラ４との間に形成された離間部より下方に垂ら
すようにし、次いで、シリンダ９の伸長している
ピストンを元の状態に戻すと、移動側ニツプロー
ラ４は固定側ニツプローラ３に当接して前記した
保護フイルムの端部を一対のニツプローラ３，４
にて確実に掴持することとなる。この状態でヘツ
ダを下方に移動すると、ピニオンの回転により固
定側ニツプローラ３も同時に回転し、この回転に
よつて保護フイルムを下方に引き出すようにしな
がら版Ａより剥離し、この剥離された保護フイル
ムの表面に付着する未硬化樹脂を保護フイルム用
ドクタ１４にて回収し、回収された未硬化樹脂は
受け樋１３、通路２３及び側方樋２４を経て下部
受皿２５に貯留する。

更に、保護フイルムが剥離された後のむき出と
なつた版Ａの表面をヒータ２０で加熱し、そこに
付着している未硬化樹脂を低粘化しながら弾性の
ドクタブレード１７，１７で前記版の表面を摺接
して該表面に付着している未硬化樹脂を回収し、
回収された未硬化樹脂は版及び回収２の表面を伝
わり下部受皿２５に貯留する。

本発明例においては、上記したように版から保
護フイルムを剥離するのに、保護フイルムの端部
をニツプローラにて掴持し、ニツプローラ３を回
転させながらヘツダを下方に移動させることによ
りきわめて容易に版から保護フイルムを剥離する
ことができ、また、剥離された保護フイルムの表
面に付着している未硬化樹脂をドクタにて回収
し、更に、保護フイルムが剥離された後の版の表
面に付着している未硬化樹脂を弾性ドクタプレー
ド１７，１７にて容易に回収することができるも
のであり、最小限の操作により保護フイルムの剥
離と未硬化樹脂の回収が同時に行うことができる
ものである。

以上述べた実施例においてはヘツダの保護フイ
ルムを掴持するのにニツプローラを用いて説明し
たが、ニツプローラの代りに歯形を有する歯車を
用いれば保護フイルムの端部を歯溝に喰い込むよ
うにして掴持できるので一層有効である。

〔具体例〕

以上、説明した回収装置により、旭化成工業株
式会社製APR Ｆ−46樹脂で所定の成型を行い、
画像露光された版原７mmの版の未硬化樹脂を回収
したところ、きわめてスムーズに保護フイルムが
剥離され、保護フイルムからの未硬化樹脂回収率
は70％以上、また、版からの未硬化樹脂の回収率
は80％以上という高い回収率が得られた。

〔発明の効果〕

本発明に係る未硬化樹脂回収装置は、露光済み
版を表面に装着可能とした未硬化樹脂回収板を備
え、該未硬化樹脂回収板の表面に沿つて移動可能
な回収ヘツダを備え、該回収ヘツダに、固定側及
び移動側の一対のローラからなる保護フイルム剥
離手段と、前記固定側ローラの上部に剥離された
保護フイルムを反転せしめる反転ローラを配設す
るとともに、反転した保護フイルムより未硬化樹
脂を回収する保護フイルム用ドクタを有する保護
フイルムに付着の未硬化樹脂回収手段と、該保護
フイルムに付着の未硬化樹脂回収手段の上方に配
設される前記未硬化樹脂回収板と平行なドクタブ
レードを装着し、前記ドクタブレードを版より離
れる方向に移動自在に支持される保護フイルムが
剥離された版に付着の未硬化樹脂回収手段と、を
備えるようにしたので、剥離する保護フイルムの
上端部を一対のローラによつて掴持し回収ヘツダ
を下降すると保護フイルムを剥離することがで
き、しかも剥離された保護フイルムは反転ローラ
によつて反転され保護フイルムに付着の未硬化樹
脂はブレードにて回収することができ、同時に保
護フイルムが剥離された版に付着の未硬化樹脂も
ドクタブレードによつて回収されるものであり、
その回収に当つては高粘度樹脂版や大型版の未硬
化樹脂の回収も容易であるばかりでなく、回収に
当つて周囲に樹脂ミストを撒き散らすことがな
く、また騒音も極めて小さくすることが可能とな
り、しかも最小限の操作で保護フイルムの剥離及
び保護フイルムからの未硬化樹脂の回収並びに保
護フイルムが剥離された版に付着の未硬化樹脂の
回収も同時に可能となり、更に、保護フイルムの
剥離及び未硬化樹脂の回収が終了したとき保護フ
イルムを掴持を解除するために一対のローラの中
の移動側ローラを固定側ローラより離間せしめた
とき、ドクタブレードも版より離れる方向に回動
するように構成されているので、回収ヘツダを上
昇させるときには、ドクタブレードと版とは接触
することがないという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
製版装置の全体正面図、第２図は全体の側面図、
第３図は要部の正面断面図、第４図はヘツダが下
部にあるときの側面図、第５図はヘツダが上部に
あるとき移動側のニツプローラが回動している仮
想状態を含む説明図である。 Ａ：露光済み版、２：未硬化樹脂回収板、３，
４：ニツプローラ、９：シリンダ、１１：保護フ
イルム回収用受皿、１４：保護フイルム用ドク
タ、１７，１７：ドクタブレード、２６，２６：
ラツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 露光済み版を表面に装着可能とした未硬化樹
   脂回収板と、該未硬化樹脂回収板の表面に沿つて
   移動可能の回収ヘツダを備え、該回収ヘツダに、
   回収ヘツダの移動に伴つて回転する該回収ヘツダ
   の両支持体に軸支された固定側ローラと、該固定
   側ローラに接離自在に配設された移動側ローラと
   よりなる保護フイルム剥離手段と、前記保護フイ
   ルム剥離手段の上方に設けられた前記の固定側ロ
   ーラと平行に回転自在に軸支された保護フイルム
   反転ローラと、該保護フイルム反転ローラと接離
   自在に配設される保護フイルム用ドクタとよりな
   る剥離した保護フイルムに付着の未硬化樹脂を回
   収する手段と、該保護フイルムに付着の未硬化樹
   脂回収手段の上方に、前記未硬化樹脂回収板と平
   行にドクタブレードを配設し、該ドクターブレー
   ドが版より離れる方向に移動自在に支持される保
   護フイルムが剥離された前記版に付着している未
   硬化樹脂を回収する手段と、を備えたことを特徴
   とする未硬化樹脂回収装置。 ２ 前記の版から保護フイルムを剥離するローラ
   を一個又は複数に分割されニツプローラ又は歯車
   としたことを特徴とする前記特許請求の範囲第１
   項記載の未硬化樹脂回収装置。 ３ 前記版からの未硬化樹脂回収手段に用いるド
   クタブレードを弾性体としたことを特徴とする前
   記特許請求の範囲第１項又は第２項記載の未硬化
   樹脂回収装置。