JPH05151397A - 車番読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像処理時間を短縮する上、背景の状況に拘
わらず常に一定の認識率で車番を読み取ることができる
車番読取装置を実現する。 【構成】 撮像手段は、車両が写し込まれていない背景
画像と、前記車両が写し込まれた全景画像とを撮像し、
第１の画像処理手段がこの全景画像と前記背景画像との
差分から車両画像を発生する。そして、第２の画像処理
手段がこの車両画像から前記車番を抽出して認識する。
これにより、画像処理時間が短縮される上、背景の状況
に拘わらず常に一定の認識率で車番を読み取ることが可
能になる。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

【０００１】この発明は、例えば、駐車場に入出場する
車両の車番を認識する装置に関し、特に、駐車券を発券
することなく駐車車両を管理するシステムに用いて好適
な車番読取装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、一般の有料駐車場にあっ
ては、入場時刻が記録された駐車券を発券し、この駐車
券に基づいて駐車時間を管理する場合が多い。こうした
管理がなされる駐車場では、駐車券受取りの際に入場ゲ
ートで一時停止しなければならないため、車両を円滑に
入場させることができない。特に、交通量の多い場所に
面した駐車場においては、これに起因して渋滞を引起こ
す等の弊害が生じている。また、駐車券を紛失したり、
損耗させた場合には、車両の入場時刻を特定することが
できなくなるという欠点もある。

【０００３】そこで、近年では、駐車券を発券せずに車
両の駐車時間を管理するシステムが開発されている。こ
の種のシステムでは、駐車場に入場する車両を撮像し、
撮像した車両画像からナンバプレートの車番を認識する
画像処理が施され、これにより駐車券を発券することな
く入場車両を識別するようになっている。このようなシ
ステムにおいては、入場車両を撮像するビデオカメラ
と、このビデオカメラから出力される撮像信号に基づき
上述した画像処理を施す画像処理部とから構成される車
番読取装置が具備されており、この装置については、特
開昭６１−１３４８９２号明細書に開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の車番読取装置にあっては、車両の背景までも含んだ
全景を撮像するため、 車両の背景を含む全景画像を処理対象としており、こ
の全景画像から車両画像を認識して抽出しなければなら
ず、この結果、画像処理に多くの時間を要する。 ナンバプレートの車番と類似した形状が車両の背景に
存在する場合、これを車番と誤認してしまう恐れがあ
る。 夜間と昼間とでは背景の明るさが大きく異なるので、
これに応じて車番の認識率も変化してしまう。 等の問題が生じていた。この発明は上述した事情に鑑み
てなされたもので、画像処理時間を短縮する上、背景の
状況に拘わらず常に一定の認識率で車番を読み取ること
ができる車番読取装置を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、車両を撮像
し、撮像した車両画像からナンバプレートの車番を認識
する車番読取装置において、前記車両が写し込まれてい
ない背景画像と、前記車両が写し込まれた全景画像とを
撮像する撮像手段と、この全景画像と前記背景画像との
差分から前記車両画像を発生する第１の画像処理手段
と、この車両画像から前記車番を抽出して認識する第２
の画像処理手段とを具備することを特徴としている。

【０００６】

【作用】上記構成によれば、撮像手段は、車両が写し込
まれていない背景画像と、前記車両が写し込まれた全景
画像とを撮像し、第１の画像処理手段がこの全景画像と
前記背景画像との差分から車両画像を発生する。そし
て、第２の画像処理手段がこの車両画像から前記車番を
抽出して認識する。これにより、画像処理時間が短縮さ
れる上、背景の状況に拘わらず常に一定の認識率で車番
を読み取ることが可能になる。

【０００７】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。 Ａ．全体構成 図１はこの発明による一実施例の全体構成を示すブロッ
ク図である。この図において、１ａ〜１ｂはループコイ
ル等から構成され、車両１０が通過する際の磁界変化を
検出するセンサである。これらセンサ１ａ〜１ｂは、駐
車場への進入路側部に所定の距離を隔てて配設されてい
る。センサ１ａは、車両１０が後述するカメラ３の撮像
視野に入る直前において該車両１０の進入を検出するも
のであり、一方、センサ１ｂは、上記カメラ３の撮像視
野内へ進行する車両１０を検出するようになっている。
２はこれらセンサ１ａ，１ｂの検出タイミングを制御す
ると共に、各センサ１ａ，１ｂの出力信号をＡ／Ｄ変換
した後、これを車両検出信号Ｄｓとして出力する制御コ
ントローラである。

【０００８】３は一定アングルで車両１０の全景を撮像
するよう配設されたカメラである。このカメラ３は、Ｃ
ＣＤなどの固体撮像素子により撮像がなされ、これをビ
デオ信号Ｖｓとして出力する。４はホストコンピュータ
であり、上記車両検出信号Ｄｓを受けた場合に制御信号
Ｄｃを発生し、これを画像処理装置５へ供給する。な
お、この制御信号Ｄｃの内容については後述する。ま
た、このホストコンピュータ４は、画像処理装置５から
供給される画像データＤｇに応じて駐車車両を管理する
ための管理情報を発生する。この管理情報は、後述する
動作の基で認識された駐車車両の車番と、この車両の駐
車開始時刻とからなり、駐車課金計算の際に用いられる
情報である。５は上述したビデオ信号ＶｓをＡ／Ｄ変換
した後、所定の画像処理を施して得た画像データＤｇを
出力する画像処理装置であり、その構成については後述
する。

【０００９】Ｂ．画像処理装置５の構成 次に、図２を参照し、画像処理装置５の構成について説
明する。図において、５ａは装置各部を制御し、各種画
像処理を実行するＣＰＵである。ここで、各種画像処理
とは、例えば、４フレーム分の撮像データを蓄積した
後、これを平均化してノイズ成分を除去する平均化処理
や、この平均化処理によって得られる画像データに対し
て二値化処理を施し、これの結果に基づき車番認識を行
う処理を指す。５ｂは、このＣＰＵ５ａにロードされる
各種制御プログラムが記憶されるＲＯＭである。５ｃは
ＣＰＵ５ａのワークエリアとして用いられ、各種レジス
タ値や演算結果が一時記憶されるＲＡＭである。５ｄは
ビデオ信号Ｖｓを撮像データ（ディジタルデータ）に変
換して出力するＡ／Ｄ変換器である。５ｅは画像メモリ
であり、複数フレーム（画面）分の撮像データを記憶す
る。５ｆは入出力インタフェースである。この入出力イ
ンタフェース５ｆは、制御信号Ｄｃを取込むと共に、画
像データＤｇを出力する。

【００１０】Ｃ．実施例の動作 次に、上記構成による車番読取装置の動作について図３
を参照し、説明する。なお、この動作説明にあっては、
カメラ３の撮像視野領域に入る直前位置にセンサ１ａが
設けられ、また、この撮像領域内の位置にセンサ１ｂが
設けられているものとする。そして、これらセンサ１
ａ，１ｂによってそれぞれ各規定位置を通過する車両１
０が検出されるものとする。このような状態において、
この車番読取装置に電源が投入されると、内部メモリや
各種レジスタをリセットするイニシャライズが行われた
後、図３に示すルーチンが起動され、該ルーチンのステ
ップＳ１に処理が進む。

【００１１】まず、ステップＳ１に進むと、ホストコン
ピュータ４が車両検出信号Ｄｓに基づき駐車場に進入す
る車両１０の有無を判断する。すなわち、ホストコンピ
ュータ４は、車両検出信号Ｄｓが上述したセンサ１ａか
ら供給されるまで待機し、該車両検出信号Ｄｓが供給さ
れた場合、この判断結果が「ＹＥＳ」となり、次のステ
ップＳ２に進む。ここで、ホストコンピュータ４は、車
両１０の進入を検出した時点で車両進入を表す旨の制御
信号Ｄｃを画像処理装置５に供給する。次いで、ステッ
プＳ２では、この制御信号Ｄｃに応じて画像処理装置５
がカメラ３から供給されるビデオ信号Ｖｓを取込む。こ
の結果、画像処理装置５は、車両１０が写し込まれてい
ない状態の背景像（以下、この背景像をシーン１と呼
ぶ）を撮像することになる。なお、このシーン１を撮像
する際には、電子シャッタにより静止画像とされた複数
のフレームが取得される。

【００１２】次に、ステップＳ３に進むと、画像処理装
置３は、この撮像された複数フレーム（例えば、４フレ
ーム）分の撮像データを順次蓄積すると共に、平均化す
る。このようにすることで、撮像データからノイズ成分
が除去される。次いで、ステップＳ４に進むと、ホスト
コンピュータ４は、車両検出信号Ｄｓが前述したセンサ
１ｂから供給されるまで待機し、該車両検出信号Ｄｓが
供給された場合、この判断結果が「ＹＥＳ」となり、次
のステップＳ５に進む。なお、ホストコンピュータ４
は、車両１０の進入を検出した時点で車両進入を表す旨
の制御信号Ｄｃを画像処理装置５に供給する。

【００１３】ステップＳ５では、この制御信号Ｄｃに応
じて画像処理装置５がカメラ３から供給されるビデオ信
号Ｖｓを取込む。これにより、画像処理装置５は、車両
１０が写し込まれた状態の全景像（以下、この全景像を
シーン２と呼ぶ）を撮像する。そして、ステップＳ６に
進むと、画像処理装置３は、このシーン２の複数フレー
ム（例えば、４フレーム）分の撮像データを順次蓄積す
ると共に、平均化し、撮像データからノイズ成分を除去
する。

【００１４】次に、ステップＳ７では、上述したステッ
プＳ３，Ｓ６において求められたシーン１およびシーン
２の画像について画像間演算を施す。この画像間演算と
は、シーン１を形成する画像データと、シーン２を形成
する画像データとの差分を画素毎に抽出するものであ
り、この結果、車両１０のみの画像が生成されることに
なる。そして、次のステップＳ８では、差分抽出によっ
て得られた車両画像を対象とし、該車両画像からナンバ
プレート１０ａ像の画像領域を検出する。このように、
差分抽出により得られた車両画像を対象にナンバプレー
ト像の検出を行うので、従来に比し、ナンバプレート１
０ａ像検出が容易となり、その処理時間も短縮されるこ
とになる。

【００１５】次いで、ステップＳ９に進むと、画像処理
装置５は、この検出されたナンバプレート１０ａ像につ
いて二値化処理を施す。この二値化処理とは、ナンバプ
レート１０ａに記された車両番号を構成する画素と、そ
れ以外の部分を構成する画素とを濃淡に応じて判別（二
値化）する処理である。このような処理を施すことで、
ナンバプレート１０ａ像を形成する画像データの内か
ら、車両番号部分を構成する各画素領域が抽出される。
そして、この抽出された車両番号部分を構成する各画素
領域に基づき車番を認識し、この結果を画像データＤｇ
としてホストコンピュータ４へ出力する。次に、ステッ
プＳ１０に進むと、ホストコンピュータ４がこの画像デ
ータＤｇに基づき、認識された車番に現在の時刻を付与
した管理情報を生成し、これを管理ファイル（図示略）
に書込む。これにより、駐車場に入場してきた車両１０
の車番が入場時刻順に登録されることになる。

【００１６】なお、上述した実施例において、駐車場か
らの退出路に前述したセンサ１ａ，１ｂおよびカメラ３
を設けておき、上述した動作のように退出車両の車番お
よび退出時刻を求めれば、駐車券を発券することなく駐
車車両を管理するシステムが実現できる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、撮像手段は、車両が写し込まれていない背景画像
と、前記車両が写し込まれた全景画像とを撮像し、第１
の画像処理手段がこの全景画像と前記背景画像との差分
から車両画像を発生する。そして、第２の画像処理手段
がこの車両画像から前記車番を抽出して認識するので、
画像処理時間を短縮する上、背景の状況に拘わらず常に
一定の認識率で車番を読み取ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による一実施例の全体構成を示すブロ
ック図。

【図２】同実施例における画像処理装置５の構成を示す
ブロック図。

【図３】同実施例の動作を説明するためのフローチャー
ト。

【符号の説明】

３…カメラ（広角撮像手段）、 ５…画像処理装置（第１および第２の画像処理手段）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 宏志 東京都千代田区九段南四丁目７番15号 石 川島システムテクノロジー株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両を撮像し、撮像した車両画像からナ
   ンバプレートの車番を認識する車番読取装置において、 前記車両が写し込まれていない背景画像と、前記車両が
   写し込まれた全景画像とを撮像する撮像手段と、 この全景画像と前記背景画像との差分から前記車両画像
   を発生する第１の画像処理手段と、 この車両画像から前記車番を抽出して認識する第２の画
   像処理手段とを具備することを特徴とする車番読取装
   置。