JPH05150095A - 使用済イオン交換樹脂の固化方法 - Google Patents
使用済イオン交換樹脂の固化方法Info
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- JPH05150095A JPH05150095A JP31247991A JP31247991A JPH05150095A JP H05150095 A JPH05150095 A JP H05150095A JP 31247991 A JP31247991 A JP 31247991A JP 31247991 A JP31247991 A JP 31247991A JP H05150095 A JPH05150095 A JP H05150095A
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- ion exchange
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 使用済イオン交換樹脂の固化処理方法に関す
る。水で湿潤している使用済イオン交換樹脂に、水に接
触することによってバインド効果の増す親水性バインダ
ーと、セルローズ系繊維バインダーとを適当な比率で添
加混合して適当な含水率の混合物とした後、これをプレ
ス成形または押出成形により、ペレットに造粒する。こ
のペレットは、耐膨潤性が著しく向上したものとなる。
このペレットをドラム缶内で固化材で固化させることに
より、長期安定性のある固化体を得る。 【効果】 本発明において造粒されたペレットは、耐候
性、耐膨潤性が増大しており、これを水硬性固化材で固
化する際にも、自由水を吸着して膨潤現象を呈すること
がないので、安定な固化体が得られる。
る。水で湿潤している使用済イオン交換樹脂に、水に接
触することによってバインド効果の増す親水性バインダ
ーと、セルローズ系繊維バインダーとを適当な比率で添
加混合して適当な含水率の混合物とした後、これをプレ
ス成形または押出成形により、ペレットに造粒する。こ
のペレットは、耐膨潤性が著しく向上したものとなる。
このペレットをドラム缶内で固化材で固化させることに
より、長期安定性のある固化体を得る。 【効果】 本発明において造粒されたペレットは、耐候
性、耐膨潤性が増大しており、これを水硬性固化材で固
化する際にも、自由水を吸着して膨潤現象を呈すること
がないので、安定な固化体が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型(BWR)また
は加圧水型(PWR)原子力発電所等から生ずる使用済
イオン交換樹脂の固化処理方法に関する。
は加圧水型(PWR)原子力発電所等から生ずる使用済
イオン交換樹脂の固化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】BWR又はPWR原子力発電所では、放
射性の使用済イオン交換樹脂が発生する。これらの使用
済イオン交換樹脂は水で湿潤した状態にある粒状または
粉状樹脂であり、大半のサイトではタンク貯蔵されたま
まである。使用済イオン交換樹脂を可燃性廃棄物と混焼
処理する方法も試験的になされているが、大半のサイト
では、使用済イオン交換樹脂数は上記の如くタンク内に
貯蔵されているのが実情である。
射性の使用済イオン交換樹脂が発生する。これらの使用
済イオン交換樹脂は水で湿潤した状態にある粒状または
粉状樹脂であり、大半のサイトではタンク貯蔵されたま
まである。使用済イオン交換樹脂を可燃性廃棄物と混焼
処理する方法も試験的になされているが、大半のサイト
では、使用済イオン交換樹脂数は上記の如くタンク内に
貯蔵されているのが実情である。
【0003】タンク内に貯蔵されている使用済イオン交
換樹脂を遠心薄膜乾燥機にかけて脱水、乾燥させた粉体
にし、これに適当な熱可塑性樹脂を十数%添加し加熱状
態で混練した後、押出機にて押出成形し適当な長さに切
断してペレットにし、これを中間貯蔵する方法が一部サ
イトで実施されている。またペレットを水硬性固化材等
により固化用容器内で固形化させて固化体にすることが
試みられている。
換樹脂を遠心薄膜乾燥機にかけて脱水、乾燥させた粉体
にし、これに適当な熱可塑性樹脂を十数%添加し加熱状
態で混練した後、押出機にて押出成形し適当な長さに切
断してペレットにし、これを中間貯蔵する方法が一部サ
イトで実施されている。またペレットを水硬性固化材等
により固化用容器内で固形化させて固化体にすることが
試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、使用済イオン
交換樹脂を乾燥粉体化し、ペレットに造粒した後、セメ
ント等の水硬化性固化材で固形化する方法は次の問題点
がある。すなわち、乾燥したペレットをセメント等の水
硬性固化材で固形化する際、固化材スラリー中の自由水
により、ペレットが膨潤する傾向がある。より詳しく云
うと、タンク内から取り出された使用済イオン交換樹脂
は、遠心脱水機等を使用して脱水した後でも、ビーズ樹
脂では約50〜60wt%の水を、また、粒状樹脂では
約60〜70wt%の水を保持している。これらを遠心
薄膜乾燥機等を使用して乾燥粉体化した後、適当なバイ
ンダーを使用してペレット化し、それをセメントなどの
水硬性固化材を用いて固形化すると、固化材スラリーの
持つ自由水が樹脂に吸着され、いわゆる膨潤現象を起こ
し、安定的固化体を得ることが困難である。また、この
方法は、乾燥粉体化工程を必要とするのでコスト高にな
るという問題もある。
交換樹脂を乾燥粉体化し、ペレットに造粒した後、セメ
ント等の水硬化性固化材で固形化する方法は次の問題点
がある。すなわち、乾燥したペレットをセメント等の水
硬性固化材で固形化する際、固化材スラリー中の自由水
により、ペレットが膨潤する傾向がある。より詳しく云
うと、タンク内から取り出された使用済イオン交換樹脂
は、遠心脱水機等を使用して脱水した後でも、ビーズ樹
脂では約50〜60wt%の水を、また、粒状樹脂では
約60〜70wt%の水を保持している。これらを遠心
薄膜乾燥機等を使用して乾燥粉体化した後、適当なバイ
ンダーを使用してペレット化し、それをセメントなどの
水硬性固化材を用いて固形化すると、固化材スラリーの
持つ自由水が樹脂に吸着され、いわゆる膨潤現象を起こ
し、安定的固化体を得ることが困難である。また、この
方法は、乾燥粉体化工程を必要とするのでコスト高にな
るという問題もある。
【0005】本発明は、乾燥状態でなくて水で湿潤した
状態の使用済イオン交換樹脂を適当なバインダーと混合
し、湿潤状態の混合物としてプレス成形または押出成形
で耐膨潤性のペレットにした上で固化材注入により固形
化し、以て、膨潤現象を起こさない安定な固化体が得ら
れる使用済イオン交換樹脂の固化方法を提供しようとす
るものである。
状態の使用済イオン交換樹脂を適当なバインダーと混合
し、湿潤状態の混合物としてプレス成形または押出成形
で耐膨潤性のペレットにした上で固化材注入により固形
化し、以て、膨潤現象を起こさない安定な固化体が得ら
れる使用済イオン交換樹脂の固化方法を提供しようとす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による使用済イオ
ン交換樹脂の固化方法は、特許請求の範囲の各請求項に
記載した特徴を有する。
ン交換樹脂の固化方法は、特許請求の範囲の各請求項に
記載した特徴を有する。
【0007】
【作用】水で湿潤した状態の使用済イオン交換樹脂に、
水との接触によりバインド効果の増す親水性バインダー
と、強化のためのセルローズ系繊維状バインダーを適量
添加し、その混合物の含水率を適当にした上で、プレス
成形または押出成形によってペレットに造粒すると、こ
のペレットは膨潤性の少いものとなる。これを固化材で
固形化することにより、安定的な固化体が得られる。
水との接触によりバインド効果の増す親水性バインダー
と、強化のためのセルローズ系繊維状バインダーを適量
添加し、その混合物の含水率を適当にした上で、プレス
成形または押出成形によってペレットに造粒すると、こ
のペレットは膨潤性の少いものとなる。これを固化材で
固形化することにより、安定的な固化体が得られる。
【0008】
【実施例】タンク内に貯蔵されている使用済みの放射性
イオン交換樹脂を通常の遠心脱水機等で脱水したときの
含水率は、ビーズ状イオン交換樹脂の場合では約50〜
60wt%、粉状のイオン交換樹脂の場合では約60〜
70wt%程度である。脱水条件等を充分管理すればこ
の含水率のバラツキは更に縮減可能である。この使用済
樹脂に、前項で述べた性質を有する親水性バインダー粉
体(カルボキシル・メチル・セルローズ、ポリビニルア
ルコール、メチルセルローズ・ヒドロキシプロピルメチ
ルセルローズ、又は無機系セメント類など)およびセル
ローズ系繊維状バインダーを各々適当量添加した後充分
撹拌混合する。(上記2種のバインダーを適当な配合割
合でプレミックスしたものを上記使用済イオン交換樹脂
中に投入して撹拌混合してもよい。)このようにして得
た、適当な含水率を有する、水で湿潤した状態の混合物
を、次に、タブレッティング造粒機やブリケッティング
造粒機によるプレス成形、又は押出造粒機による押出し
及び適当な長さへの切断、によって、ペレット状に造粒
する。この得られたペレットは後に水と接触しても膨潤
しにくい耐膨潤性ペレットとなる。このペレットを例え
ばセメントの如き無機系固化材または有機系固化材で固
化することによって、膨潤の少い安定な固化体が得られ
る。
イオン交換樹脂を通常の遠心脱水機等で脱水したときの
含水率は、ビーズ状イオン交換樹脂の場合では約50〜
60wt%、粉状のイオン交換樹脂の場合では約60〜
70wt%程度である。脱水条件等を充分管理すればこ
の含水率のバラツキは更に縮減可能である。この使用済
樹脂に、前項で述べた性質を有する親水性バインダー粉
体(カルボキシル・メチル・セルローズ、ポリビニルア
ルコール、メチルセルローズ・ヒドロキシプロピルメチ
ルセルローズ、又は無機系セメント類など)およびセル
ローズ系繊維状バインダーを各々適当量添加した後充分
撹拌混合する。(上記2種のバインダーを適当な配合割
合でプレミックスしたものを上記使用済イオン交換樹脂
中に投入して撹拌混合してもよい。)このようにして得
た、適当な含水率を有する、水で湿潤した状態の混合物
を、次に、タブレッティング造粒機やブリケッティング
造粒機によるプレス成形、又は押出造粒機による押出し
及び適当な長さへの切断、によって、ペレット状に造粒
する。この得られたペレットは後に水と接触しても膨潤
しにくい耐膨潤性ペレットとなる。このペレットを例え
ばセメントの如き無機系固化材または有機系固化材で固
化することによって、膨潤の少い安定な固化体が得られ
る。
【0009】上記の造粒に供する時の前記混合物の含水
率が非常に重要であり、約30wt%以上であれば耐候
性にすぐれ、かつ固形化時の膨潤現象を防止できる耐膨
潤性ペレットが得られる(図4参照)。すなわち、図4
は造粒後3日経過したときのペレットの体積に比べて造
粒後7日経過時のそれがどの程度増大したかで表わした
膨潤性と、造粒時の含水率との関係を示した図である
が、この図から造粒時含水率が約30wt%以上であれ
ばペレットの膨潤性が小さいことがわかる。
率が非常に重要であり、約30wt%以上であれば耐候
性にすぐれ、かつ固形化時の膨潤現象を防止できる耐膨
潤性ペレットが得られる(図4参照)。すなわち、図4
は造粒後3日経過したときのペレットの体積に比べて造
粒後7日経過時のそれがどの程度増大したかで表わした
膨潤性と、造粒時の含水率との関係を示した図である
が、この図から造粒時含水率が約30wt%以上であれ
ばペレットの膨潤性が小さいことがわかる。
【0010】また、造粒時の含水率は造粒性に影響を及
ぼす。図5は、造粒の歩留り(即ち造粒ペレットの不良
率の逆数)で表わした造粒性と、造粒時の含水率との関
係を示した図であり、これより、適当な造粒時含水率
は、タブレッティング造粒の場合には約30〜50wt
%、ブリケッティング造粒の場合には約35〜55wt
%、押出造粒の場合は約50〜60wt%である。
ぼす。図5は、造粒の歩留り(即ち造粒ペレットの不良
率の逆数)で表わした造粒性と、造粒時の含水率との関
係を示した図であり、これより、適当な造粒時含水率
は、タブレッティング造粒の場合には約30〜50wt
%、ブリケッティング造粒の場合には約35〜55wt
%、押出造粒の場合は約50〜60wt%である。
【0011】なお、前記のセルローズ系繊維状バインダ
ーは、造粒時の混合物の含水率が約50wt%以上のと
きは、必ずしも添加の必要はない。
ーは、造粒時の混合物の含水率が約50wt%以上のと
きは、必ずしも添加の必要はない。
【0012】以下に幾つかの具体的実施例を述べる。
【0013】実施例1 水で湿潤した状態にある使用済ビーズ状イオン交換樹脂
(重量比でアニオン交換樹脂2,カチオン交換樹脂1の
割合の混合物)の含水率を測定したら48wt%であっ
た。この樹脂中に、親水性バインダーとしてメチルセル
ローズ・ヒドロキシプロピルメチルセルロース粉体(信
越化学(株)製商品名「メトローズ」)15wt%およ
びセルローズ系繊維状バインダーとして細かい繊維状の
セルローズパウダー(国策パルプ(株)製商品名「KC
フロック」)5wt%を配合し、充分混合した後、タブ
レッティング造粒機にてプレス成形圧500kg/cm
2で直径28mm、長さ20mmのペレットを造粒し
た、このペレットを大気中に約1カ月放置したが、膨潤
は見られず初期強度を維持している事が確認できた。こ
のペレットを20リットルドラム缶に収納し、ケイ酸ナ
トリウム系水硬性固化材(水/セメント比0.32)を
注入して固化させた後、28日養生を室温で行なった。
その後、固化体を破壊し、断面を観察したが、膨潤、ク
ラック等の異常は認められず、安定性のすぐれた固化体
を得る事が出来た。
(重量比でアニオン交換樹脂2,カチオン交換樹脂1の
割合の混合物)の含水率を測定したら48wt%であっ
た。この樹脂中に、親水性バインダーとしてメチルセル
ローズ・ヒドロキシプロピルメチルセルロース粉体(信
越化学(株)製商品名「メトローズ」)15wt%およ
びセルローズ系繊維状バインダーとして細かい繊維状の
セルローズパウダー(国策パルプ(株)製商品名「KC
フロック」)5wt%を配合し、充分混合した後、タブ
レッティング造粒機にてプレス成形圧500kg/cm
2で直径28mm、長さ20mmのペレットを造粒し
た、このペレットを大気中に約1カ月放置したが、膨潤
は見られず初期強度を維持している事が確認できた。こ
のペレットを20リットルドラム缶に収納し、ケイ酸ナ
トリウム系水硬性固化材(水/セメント比0.32)を
注入して固化させた後、28日養生を室温で行なった。
その後、固化体を破壊し、断面を観察したが、膨潤、ク
ラック等の異常は認められず、安定性のすぐれた固化体
を得る事が出来た。
【0014】これを行なった設備の概略図を図1に示
す。図中、1は湿潤状態の使用済イオン交換樹脂を入れ
たタンク、2および3は夫々上記の親水性バインダーお
よびセルローズ系繊維状バインダーを入れたタンク、4
はスクリューフィーダ付きホッパー、5−1はピストン
により粉体をプレス成形するタブレッティング造粒機、
6はドラム缶、8は水硬化性固化材を入れたタンク、9
は水タンク、10はミキサー付きホッパーである。
す。図中、1は湿潤状態の使用済イオン交換樹脂を入れ
たタンク、2および3は夫々上記の親水性バインダーお
よびセルローズ系繊維状バインダーを入れたタンク、4
はスクリューフィーダ付きホッパー、5−1はピストン
により粉体をプレス成形するタブレッティング造粒機、
6はドラム缶、8は水硬化性固化材を入れたタンク、9
は水タンク、10はミキサー付きホッパーである。
【0015】実施例2 水で湿潤している使用済のアニオン交換樹脂とカチオン
交換樹脂が重量比で2:1に混合されているビーズ状の
使用済イオン交換樹脂の含水率を測定したら60wt%
であった。このビーズ状樹脂中に、親水性バインダーと
してCMC(カルボキシル・メチルセルローズ)粉体1
5wt%およびセルローズ系繊維状バンダーとしてセル
ローズパウダー5wt%を配合し、充分混合した後、こ
れをブリケッティング造粒機で線圧約10トン/cmで
造粒しアーモンド型ペレットを得た。このペレットの密
度は約0.9〜1.0/cm3 で、室内放置2か月後の
密度にも殆ど変化は見られず、耐候性にすぐれている事
がわかった。このペレットを20リットルドラム缶中に
充填し、C種高炉セメントスラリー(水/セメント比=
0.30,減水剤1%添加)を注入して固化させ、2カ
月経過後、固化体を2分割してその断面を観察したが、
膨潤クラック等の異常は認められなかった。本実施例に
用いた設備の概略図を図2に示す。5−2は、ペレット
の型を表面に刻んだ1対の回転ロール間で粉体をプレス
成形するブリケッティング造粒機である。その他の符号
は図1と同様である。
交換樹脂が重量比で2:1に混合されているビーズ状の
使用済イオン交換樹脂の含水率を測定したら60wt%
であった。このビーズ状樹脂中に、親水性バインダーと
してCMC(カルボキシル・メチルセルローズ)粉体1
5wt%およびセルローズ系繊維状バンダーとしてセル
ローズパウダー5wt%を配合し、充分混合した後、こ
れをブリケッティング造粒機で線圧約10トン/cmで
造粒しアーモンド型ペレットを得た。このペレットの密
度は約0.9〜1.0/cm3 で、室内放置2か月後の
密度にも殆ど変化は見られず、耐候性にすぐれている事
がわかった。このペレットを20リットルドラム缶中に
充填し、C種高炉セメントスラリー(水/セメント比=
0.30,減水剤1%添加)を注入して固化させ、2カ
月経過後、固化体を2分割してその断面を観察したが、
膨潤クラック等の異常は認められなかった。本実施例に
用いた設備の概略図を図2に示す。5−2は、ペレット
の型を表面に刻んだ1対の回転ロール間で粉体をプレス
成形するブリケッティング造粒機である。その他の符号
は図1と同様である。
【0016】実施例3 水で湿潤している使用済の粉状アニオン交換樹脂とカチ
オン交換樹脂が重量比2:1に混合されている粉状の使
用済イオン交換樹脂の含水率を測定したら60%であっ
た。この粉状樹脂中に、親水性バインダーとして超早強
セメントを20wt%、セルローズ系繊維状バンダーと
してセルローズパウダーを6.7wt%配合し、充分混
合した後、タブレッティング造粒機を使用してプレス圧
800kg/cm2 でペレットを製作し、実施例2と同
様にドラム缶に充填し固化材で固化後、固化体破断面の
観察を行なったが、異常は認められなかった。固化体作
製に用いた設備は図1と同様のものである。
オン交換樹脂が重量比2:1に混合されている粉状の使
用済イオン交換樹脂の含水率を測定したら60%であっ
た。この粉状樹脂中に、親水性バインダーとして超早強
セメントを20wt%、セルローズ系繊維状バンダーと
してセルローズパウダーを6.7wt%配合し、充分混
合した後、タブレッティング造粒機を使用してプレス圧
800kg/cm2 でペレットを製作し、実施例2と同
様にドラム缶に充填し固化材で固化後、固化体破断面の
観察を行なったが、異常は認められなかった。固化体作
製に用いた設備は図1と同様のものである。
【0017】実施例4 水で湿潤している使用済ビーズ状イオン交換樹脂(重量
比でアニオン交換樹脂2:カチオン交換樹脂1の混合
体)の含水率を測定したら55wt%であった。この樹
脂中に、親水性バインダーとしてメチルセルロース・ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース粉体を20wt%お
よびセルローズ系繊維状バインダーとしてセルロースパ
ウダー6.7wt%を添加し、更に若干量の水を加え、
充分混練撹拌した。この混練物の含水率を測定したら5
3wt%であった。これを、真空押出機の先端に直径約
28mmのノズルをつけて、棒状に押出成形し、長さ2
8mmに切断してペレットとした。このペレットを自然
放置1カ月後20リットルドラム缶に収納し、C種高炉
セメント(水/セメント比0.30、減水剤1wt%添
加)スラリーを注入して固化させた。実施例3と同様に
固化体の破断面の観察、密度変化の測定を行なったが、
異常は認められなかった。
比でアニオン交換樹脂2:カチオン交換樹脂1の混合
体)の含水率を測定したら55wt%であった。この樹
脂中に、親水性バインダーとしてメチルセルロース・ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース粉体を20wt%お
よびセルローズ系繊維状バインダーとしてセルロースパ
ウダー6.7wt%を添加し、更に若干量の水を加え、
充分混練撹拌した。この混練物の含水率を測定したら5
3wt%であった。これを、真空押出機の先端に直径約
28mmのノズルをつけて、棒状に押出成形し、長さ2
8mmに切断してペレットとした。このペレットを自然
放置1カ月後20リットルドラム缶に収納し、C種高炉
セメント(水/セメント比0.30、減水剤1wt%添
加)スラリーを注入して固化させた。実施例3と同様に
固化体の破断面の観察、密度変化の測定を行なったが、
異常は認められなかった。
【0018】図3は本実施例で用いた設備の概略図であ
り、5−3はホッパ4から入った粉体をスクリューによ
り右方のノズルから棒状に押し出す押出機であり、この
押し出された棒状物を切断してペレットにする。他の符
号は図1と同様である。
り、5−3はホッパ4から入った粉体をスクリューによ
り右方のノズルから棒状に押し出す押出機であり、この
押し出された棒状物を切断してペレットにする。他の符
号は図1と同様である。
【0019】実施例5 使用済ビーズ状イオン交換樹脂(重量比でアニオン交換
樹脂2:カチオン交換樹脂1の混合体)を所定のPHに
調整した後、遠心薄膜乾燥機にて粉体化作業を行なっ
た。得られた粉体の含水率は1.3wt%であった。こ
の粉体中に親水性バインダーとしてメチルセルロース・
ヒドロキシプロピルメチルセルロース粉体を15wt
%、セルローズ系繊維状バインダーとしてセルロースパ
ウダーを3wt%および水若干量を添加し、充分混合撹
拌を行い、プレス成形用粉体を得た。この粉体の含水率
は32wt%であった。この粉体をタブレッティング造
粒機で500kg/cm2 のプレス圧で直径28mm、
長さ20mmのペレットに成形した。このペレットを2
0リットルドラム缶中に充填し、不飽和ポリエステル系
プラスチック注入固化材、およびケイ酸ナトリウム系水
硬性固化材を夫々使って固化体各々1体を作成した。上
記固化材の注入後、室内で常温養生を28日実施後、固
化体の破断面を観察したが、異常な膨潤、クラック等は
なく、良好な固化体が得られた。
樹脂2:カチオン交換樹脂1の混合体)を所定のPHに
調整した後、遠心薄膜乾燥機にて粉体化作業を行なっ
た。得られた粉体の含水率は1.3wt%であった。こ
の粉体中に親水性バインダーとしてメチルセルロース・
ヒドロキシプロピルメチルセルロース粉体を15wt
%、セルローズ系繊維状バインダーとしてセルロースパ
ウダーを3wt%および水若干量を添加し、充分混合撹
拌を行い、プレス成形用粉体を得た。この粉体の含水率
は32wt%であった。この粉体をタブレッティング造
粒機で500kg/cm2 のプレス圧で直径28mm、
長さ20mmのペレットに成形した。このペレットを2
0リットルドラム缶中に充填し、不飽和ポリエステル系
プラスチック注入固化材、およびケイ酸ナトリウム系水
硬性固化材を夫々使って固化体各々1体を作成した。上
記固化材の注入後、室内で常温養生を28日実施後、固
化体の破断面を観察したが、異常な膨潤、クラック等は
なく、良好な固化体が得られた。
【0020】実施例6 水で湿潤している使用済ビーズ状イオン交換樹脂(重量
比でアニオン交換樹脂2:カチオン交換樹脂1の混合
体)の含水率を測定したら47wt%であった。親水性
バインダーとして3wt%のCMC水溶液を作り、これ
を該使用済樹脂に10wt%加え、更に、繊維状バイン
ダーを5wt%加え、ブリケット造粒機でペレットにし
た。このペレットを1カ月大気に放置後20リットルド
ラム缶に充填し、C種高炉セメント(水/セメント比
0.30、減水剤1%添加)スラリーを注入して固化体
とし、28日経過後、破断面を観察したがペレットの膨
潤は認められなかった。
比でアニオン交換樹脂2:カチオン交換樹脂1の混合
体)の含水率を測定したら47wt%であった。親水性
バインダーとして3wt%のCMC水溶液を作り、これ
を該使用済樹脂に10wt%加え、更に、繊維状バイン
ダーを5wt%加え、ブリケット造粒機でペレットにし
た。このペレットを1カ月大気に放置後20リットルド
ラム缶に充填し、C種高炉セメント(水/セメント比
0.30、減水剤1%添加)スラリーを注入して固化体
とし、28日経過後、破断面を観察したがペレットの膨
潤は認められなかった。
【0021】実施例1〜5では親水性バインダーは粉末
のまま添加したが、本実施例6ではこれを予め水溶液の
形にしておいて添加する点に特徴がある。
のまま添加したが、本実施例6ではこれを予め水溶液の
形にしておいて添加する点に特徴がある。
【0022】
【発明の効果】使用済のイオン交換樹脂は、一般に、遠
心脱水機等で脱水しても、所定量の水分を保持してい
る。請求項1の発明では、この保持している水を、遠心
薄膜乾燥機等で乾燥粉体化をせずに、逆に利用する。即
ち、水と接触することによってより強固になる性質を有
する親水性バインダーと、粒子間の結合力を強めるセル
ロース系繊維状バインダーを、水で湿潤した状態の使用
済イオン交換樹脂に添加して、プレス成形または押出成
形による造粒に適合した含水率の水湿潤状態の混合粉体
または混練物となし、これを所定の大きさのペレットに
造粒する。請求項2の発明では、水分を保持している使
用済イオン交換樹脂を、一旦、乾燥粉体化した後に、水
と共に上記二種のバインダーを添加して、適当な含水率
の水湿潤状態の混合粉体となし、同様にペレットに造粒
する。バインダーの添加量および造粒時の混合物の含水
量を適切にすることによって、造粒性が良く、またペレ
ットの膨潤も阻止でき、ペレットを水硬性固化材で固化
させても該固化材スラリーの自由水に原因する膨潤現象
が防止可能である。
心脱水機等で脱水しても、所定量の水分を保持してい
る。請求項1の発明では、この保持している水を、遠心
薄膜乾燥機等で乾燥粉体化をせずに、逆に利用する。即
ち、水と接触することによってより強固になる性質を有
する親水性バインダーと、粒子間の結合力を強めるセル
ロース系繊維状バインダーを、水で湿潤した状態の使用
済イオン交換樹脂に添加して、プレス成形または押出成
形による造粒に適合した含水率の水湿潤状態の混合粉体
または混練物となし、これを所定の大きさのペレットに
造粒する。請求項2の発明では、水分を保持している使
用済イオン交換樹脂を、一旦、乾燥粉体化した後に、水
と共に上記二種のバインダーを添加して、適当な含水率
の水湿潤状態の混合粉体となし、同様にペレットに造粒
する。バインダーの添加量および造粒時の混合物の含水
量を適切にすることによって、造粒性が良く、またペレ
ットの膨潤も阻止でき、ペレットを水硬性固化材で固化
させても該固化材スラリーの自由水に原因する膨潤現象
が防止可能である。
【0023】また造粒に供する前記混合物の含水率次第
で、タブレッティング造粒機、ブリケッティング造粒
機、押出形成機のいずれでも採用出来るメリットもあ
る。
で、タブレッティング造粒機、ブリケッティング造粒
機、押出形成機のいずれでも採用出来るメリットもあ
る。
【0024】適当な数値を概略的に述べると、バインダ
ー添加量約10wt%以上であり、ペレット膨潤阻止可
能な造粒時含水率は約30wt%以上であり、この含水
率はタブレッティング造粒機の場合には約30〜50w
t%、ブリケッティング造粒機の場合は約35〜55w
t%、押出造粒機の場合は約50〜60wt%が適当で
ある。
ー添加量約10wt%以上であり、ペレット膨潤阻止可
能な造粒時含水率は約30wt%以上であり、この含水
率はタブレッティング造粒機の場合には約30〜50w
t%、ブリケッティング造粒機の場合は約35〜55w
t%、押出造粒機の場合は約50〜60wt%が適当で
ある。
【図1】タブレッティング造粒機を用いる本発明の実施
設備の概略図
設備の概略図
【図2】ブリケッティング造粒機を用いる本発明の実施
設備の概略図
設備の概略図
【図3】押出時成形による造粒機を用いる本発明の実施
設備の概略図
設備の概略図
【図4】造粒時含水率とペレットの膨潤性との関係を示
す図
す図
【図5】造粒時含水率と各種造粒機での造粒性との関係
を示す図
を示す図
1…脱水され、湿潤している使用済イオン交換樹脂の入
ったタンク 2…親水性粉体バインダーの入ったタンク 3…セルローズ系繊維状バインダーの入ったタンク 4…混合機 5−1…タブレッティング造粒機 5−2…ブリケッティング造粒機 5−3…押出式造粒機 6…200リットルドラム容器(コンクリート内巻きつ
き) 8…水硬性固化材の入ったタンク 9…水タンク 10…混練装置
ったタンク 2…親水性粉体バインダーの入ったタンク 3…セルローズ系繊維状バインダーの入ったタンク 4…混合機 5−1…タブレッティング造粒機 5−2…ブリケッティング造粒機 5−3…押出式造粒機 6…200リットルドラム容器(コンクリート内巻きつ
き) 8…水硬性固化材の入ったタンク 9…水タンク 10…混練装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木内好正 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 玉田 慎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 服部康雄 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ユークリアエンジニアリング株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 水で湿潤した状態にある粒状もしくは粉
状の使用済イオン交換樹脂に、水に接触することによっ
てバインド効果を増す性質を有する親水性バインダー
と、粒子間の結合を強化するセルローズ系繊維状バイン
ダーとを添加して、適当な含水率の混合物を作り、これ
をプレス成形もしくは押出成形して耐膨潤性ペレットに
し、このペレットを無機系固化材または有機系固化材で
固形化することを特徴とする使用済イオン交換樹脂の固
化方法。 - 【請求項2】 粒状もしくは粉状の使用済イオン交換樹
脂を遠心薄膜乾燥機で乾燥粉体化し、この乾燥粉体に、
水に接触することによってバインド効果を増す性質を有
する親水性バインダーと、粒子間の結合を強化するセル
ローズ系繊維状バインダーと、水とを添加して適当な含
水率の混合物を作り、これをプレス成形もしくは押出成
形して耐膨潤性ペレットにし、このペレットを無機系固
化材または有機系固化材で固形化すること特徴とする使
用済イオン交換樹脂の固化方法。 - 【請求項3】 前記親水性バインダーは適当濃度の水溶
液となした上で、前記セルローズ系繊維状バインダーと
共に添加して、適当な含水率の前記混合物を作ることを
特徴とする請求項1又は2の使用済イオン交換樹脂の固
化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31247991A JPH05150095A (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | 使用済イオン交換樹脂の固化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31247991A JPH05150095A (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | 使用済イオン交換樹脂の固化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05150095A true JPH05150095A (ja) | 1993-06-18 |
Family
ID=18029709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31247991A Pending JPH05150095A (ja) | 1991-11-27 | 1991-11-27 | 使用済イオン交換樹脂の固化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05150095A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007136274A (ja) * | 2005-11-15 | 2007-06-07 | Ebara Corp | 廃イオン交換樹脂集合固化体の製造方法 |
JP2013047623A (ja) * | 2011-08-29 | 2013-03-07 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 放射性廃棄物の減容処理方法 |
-
1991
- 1991-11-27 JP JP31247991A patent/JPH05150095A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007136274A (ja) * | 2005-11-15 | 2007-06-07 | Ebara Corp | 廃イオン交換樹脂集合固化体の製造方法 |
JP2013047623A (ja) * | 2011-08-29 | 2013-03-07 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 放射性廃棄物の減容処理方法 |
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