JPH05150091A - 制御方法およびその装置 - Google Patents
制御方法およびその装置Info
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- JPH05150091A JPH05150091A JP3340176A JP34017691A JPH05150091A JP H05150091 A JPH05150091 A JP H05150091A JP 3340176 A JP3340176 A JP 3340176A JP 34017691 A JP34017691 A JP 34017691A JP H05150091 A JPH05150091 A JP H05150091A
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- JP
- Japan
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- control
- controller
- controllers
- abnormal
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-
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
Landscapes
- Safety Devices In Control Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来のローカル制御方式の信頼性を損なう事
無く、多変数制御方式の性能を発揮させる制御手段を提
供する。 【構成】 複数の操作量によって駆動され、複数の制御
用帰還信号を発生するプラント等の制御方法であって、
互いに重複のない制御用帰還信号の一部を入力し、互い
に重複のない操作量の一部を出力するローカル制御器群
が安定に制御できる条件の時に、これらのローカル制御
器と同一の操作量を出力しながら互いに重複のある制御
用の帰還信号を帰還する制御器群がプラントを制御し、
これらの制御器は、互いに他の制御器の異常をチェック
し、他の制御器の異常を認めたときには、ローカル制御
器と同一の機能に変化する。これにより、制御器群は等
価的に多変数制御方式と同じ機能を実現する。
無く、多変数制御方式の性能を発揮させる制御手段を提
供する。 【構成】 複数の操作量によって駆動され、複数の制御
用帰還信号を発生するプラント等の制御方法であって、
互いに重複のない制御用帰還信号の一部を入力し、互い
に重複のない操作量の一部を出力するローカル制御器群
が安定に制御できる条件の時に、これらのローカル制御
器と同一の操作量を出力しながら互いに重複のある制御
用の帰還信号を帰還する制御器群がプラントを制御し、
これらの制御器は、互いに他の制御器の異常をチェック
し、他の制御器の異常を認めたときには、ローカル制御
器と同一の機能に変化する。これにより、制御器群は等
価的に多変数制御方式と同じ機能を実現する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる多入力多出力
のプラント用の制御方法及びその装置に関する。
のプラント用の制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水形原子力プラントの制御系を例に
とって、従来技術について説明する。原子炉の内部で発
生する蒸気は、圧力制御器が操作量として駆動する加減
弁によって適切な圧力に調整され、蒸気タービンに導か
れ、発電機を回転させる。一方、原子炉の内部出力は、
再循環流量制御器によって駆動される再循環ポンプによ
り、間接的に制御される。この制御系をブロック線図で
示したものが図3である。同図中の再循環流量制御器3
1は、発電機出力x1および炉心入口流量x2を制御用帰
還信号として帰還し、操作量である再循環ポンプ回転数
u1を演算により求め、出力している。また、圧力制御
器32は原子炉圧力x3を帰還し、操作量である加減弁
開度u2を演算により求め、出力する。これらu1、u2
を求める演算は以下の数1、数2に表される。
とって、従来技術について説明する。原子炉の内部で発
生する蒸気は、圧力制御器が操作量として駆動する加減
弁によって適切な圧力に調整され、蒸気タービンに導か
れ、発電機を回転させる。一方、原子炉の内部出力は、
再循環流量制御器によって駆動される再循環ポンプによ
り、間接的に制御される。この制御系をブロック線図で
示したものが図3である。同図中の再循環流量制御器3
1は、発電機出力x1および炉心入口流量x2を制御用帰
還信号として帰還し、操作量である再循環ポンプ回転数
u1を演算により求め、出力している。また、圧力制御
器32は原子炉圧力x3を帰還し、操作量である加減弁
開度u2を演算により求め、出力する。これらu1、u2
を求める演算は以下の数1、数2に表される。
【数1】
【数2】 上式において、制御ゲイン関数g11、g12、g21はラプ
ラス演算子sの関数であり、プラントが安定に制御でき
るようにあらかじめ決められている。この従来より用い
られている方法の長所は、再循環流量制御器31と圧力
制御器32が互いに重複のない制御用帰還信号を入力
し、互いに独立な操作量を出力しているために、片方が
故障しても、もう一方が影響を受けないこと、すなわ
ち、2つの制御系の多重故障の確率が低く、安全なこと
である。このような方式を以後、ローカル制御方式と呼
び、独立な制御器をローカル制御器と呼ぶことにする。
この方式はしかしながら、性能面をみると、必ずしも最
適なものではない。
ラス演算子sの関数であり、プラントが安定に制御でき
るようにあらかじめ決められている。この従来より用い
られている方法の長所は、再循環流量制御器31と圧力
制御器32が互いに重複のない制御用帰還信号を入力
し、互いに独立な操作量を出力しているために、片方が
故障しても、もう一方が影響を受けないこと、すなわ
ち、2つの制御系の多重故障の確率が低く、安全なこと
である。このような方式を以後、ローカル制御方式と呼
び、独立な制御器をローカル制御器と呼ぶことにする。
この方式はしかしながら、性能面をみると、必ずしも最
適なものではない。
【0003】理論的には、図4に示すように、全ての帰
還信号x1〜x3を用いてu1とu2を演算する方が性能が
よいことが知られている。以下、この方式を多変数制御
方式と呼ぶことにする。この場合の演算式は次の数3、
数4に示される。
還信号x1〜x3を用いてu1とu2を演算する方が性能が
よいことが知られている。以下、この方式を多変数制御
方式と呼ぶことにする。この場合の演算式は次の数3、
数4に示される。
【数3】
【数4】 図4のブロック線図をそのまま一台の制御器41として
実現すると、制御器41の故障に際して、従来は2つの
独立した系統であった再循環系と圧力系の両方が同時に
故障することになり、安全性の点で従来に劣ることにな
る。そこで、図5のように2台の制御器51、52を従
来と同様の再循環系と圧力制御系の専用機とし、上位の
制御器53を新たに設け、この上位制御器からの指令信
号を使って、等価的に図4の多変数制御方式を実現する
方法も提案されている。しかしこの方法でも、上位制御
器53が故障すると両系統の制御が不安定になる可能性
もあり、やはり多重故障に関する信頼性の点で従来に劣
ることになる。尚、以上述べた従来技術に関連する記述
は、例えば、特開昭63−235898号などに述べら
れている。
実現すると、制御器41の故障に際して、従来は2つの
独立した系統であった再循環系と圧力系の両方が同時に
故障することになり、安全性の点で従来に劣ることにな
る。そこで、図5のように2台の制御器51、52を従
来と同様の再循環系と圧力制御系の専用機とし、上位の
制御器53を新たに設け、この上位制御器からの指令信
号を使って、等価的に図4の多変数制御方式を実現する
方法も提案されている。しかしこの方法でも、上位制御
器53が故障すると両系統の制御が不安定になる可能性
もあり、やはり多重故障に関する信頼性の点で従来に劣
ることになる。尚、以上述べた従来技術に関連する記述
は、例えば、特開昭63−235898号などに述べら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のローカル制御方式の信頼性を損なう事無く、多変数制
御方式の性能を発揮させる制御方法およびその装置を提
供することにある。
のローカル制御方式の信頼性を損なう事無く、多変数制
御方式の性能を発揮させる制御方法およびその装置を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明では、ローカル制御器と同一の操作量を出力
しながら互いに重複する制御用の帰還信号を帰還する制
御器群によりプラントを制御し、互いに他の制御器の異
常をチェックしながら、他の制御器の異常を認めたとき
には、ローカル制御器と同一の機能に変化する。
に、本発明では、ローカル制御器と同一の操作量を出力
しながら互いに重複する制御用の帰還信号を帰還する制
御器群によりプラントを制御し、互いに他の制御器の異
常をチェックしながら、他の制御器の異常を認めたとき
には、ローカル制御器と同一の機能に変化する。
【0006】
【作用】ローカル制御器と同一の操作量を出力しながら
互いに重複する制御用の帰還信号を帰還する制御器群は
等価的に多変数制御方式と同じ作用を果たし、互いに他
の制御器の異常をチェックしながら、他の制御器の異常
を認めたときには、ローカル制御器と同一の機能に変化
することによって、従来のローカル制御方式の信頼性を
損なう事無く、多変数制御方式の性能を発揮する。
互いに重複する制御用の帰還信号を帰還する制御器群は
等価的に多変数制御方式と同じ作用を果たし、互いに他
の制御器の異常をチェックしながら、他の制御器の異常
を認めたときには、ローカル制御器と同一の機能に変化
することによって、従来のローカル制御方式の信頼性を
損なう事無く、多変数制御方式の性能を発揮する。
【0007】
【実施例】図6を用いて本発明にいたる経緯を述べる。
図4の多変数制御方式を等価的に実現するためには、図
6のように制御器を分割することが考えられる。しかし
このように操作量が独立な2つの制御器61、62に分
割しても、一方が異常になると、その結果が他方に波及
する。例えば、従来の再循環流量制御器に相当する制御
器61が故障したと仮定すると、その操作量u1が異常
になり、帰還信号x1、x2がまず異常をきたす。する
と、これらを帰還信号として取り込んでいる制御器62
(圧力制御器相当)も影響を受け、その出力する操作量
u2も異常になり、結局は両系統の制御が同時に異常を
きたすことになる。
図4の多変数制御方式を等価的に実現するためには、図
6のように制御器を分割することが考えられる。しかし
このように操作量が独立な2つの制御器61、62に分
割しても、一方が異常になると、その結果が他方に波及
する。例えば、従来の再循環流量制御器に相当する制御
器61が故障したと仮定すると、その操作量u1が異常
になり、帰還信号x1、x2がまず異常をきたす。する
と、これらを帰還信号として取り込んでいる制御器62
(圧力制御器相当)も影響を受け、その出力する操作量
u2も異常になり、結局は両系統の制御が同時に異常を
きたすことになる。
【0008】そこで、本発明の一実施例である図1を発
明した。同図に示すように、2つの独立した制御器11
と12があり、これらは通常は図6で述べたのように全
ての帰還信号を帰還し、《数3》を制御器11が、《数
4》を制御器12が演算することによって、各々操作量
u1、u2を求め、出力している。すなわち、制御器11
は、タービンに駆動される発電機18の出力x1、炉心
入り口21の流量x2、原子炉17の圧力x3を入力し、
これらは通常時はスイッチ13aから13cの白抜きの
接点に接続され、《数3》と等価な演算により、再循環
ポンプ20の回転数u1を出力している。また、制御器
12は、スイッチ15aから15cの白抜きの接点に接
続され、《数4》と等価な演算により、加減弁19の開
度u2を出力している。このような方式を以後、疑似多
変数制御方式と呼ぶことにする。この状態での性能は多
変数制御方式に等しい。一方、両制御器は、相互に相手
の異常をチェックしており、相手が異常と判断した時に
は各々がローカル制御器に戻る。すなわち、制御器11
の異常チェック手段14が制御器12の異常を判断した
時には、スイッチ13aから13cを黒抜きの接点に切
り替え、ローカルな再循環制御器に戻り、《数1》の演
算によってu1を求める。この演算では帰還信号x3の寄
与がゼロとなるので、制御器12の異常に影響されるこ
とがない。また、制御器12の異常チェック手段16が
制御器11の異常を判断した時には、スイッチ15aか
ら15cを黒抜きの接点に切り替え、《数2》の演算に
基づくロ−カルな圧力制御器に戻る。
明した。同図に示すように、2つの独立した制御器11
と12があり、これらは通常は図6で述べたのように全
ての帰還信号を帰還し、《数3》を制御器11が、《数
4》を制御器12が演算することによって、各々操作量
u1、u2を求め、出力している。すなわち、制御器11
は、タービンに駆動される発電機18の出力x1、炉心
入り口21の流量x2、原子炉17の圧力x3を入力し、
これらは通常時はスイッチ13aから13cの白抜きの
接点に接続され、《数3》と等価な演算により、再循環
ポンプ20の回転数u1を出力している。また、制御器
12は、スイッチ15aから15cの白抜きの接点に接
続され、《数4》と等価な演算により、加減弁19の開
度u2を出力している。このような方式を以後、疑似多
変数制御方式と呼ぶことにする。この状態での性能は多
変数制御方式に等しい。一方、両制御器は、相互に相手
の異常をチェックしており、相手が異常と判断した時に
は各々がローカル制御器に戻る。すなわち、制御器11
の異常チェック手段14が制御器12の異常を判断した
時には、スイッチ13aから13cを黒抜きの接点に切
り替え、ローカルな再循環制御器に戻り、《数1》の演
算によってu1を求める。この演算では帰還信号x3の寄
与がゼロとなるので、制御器12の異常に影響されるこ
とがない。また、制御器12の異常チェック手段16が
制御器11の異常を判断した時には、スイッチ15aか
ら15cを黒抜きの接点に切り替え、《数2》の演算に
基づくロ−カルな圧力制御器に戻る。
【0009】異常判定の方法は、重複して入力している
帰還信号の値x1,x2,x3を較べて、大きく異なると
きは異常と判定する方法、簡単な同一の演算を実行して
答えを比較し、異なるときは異常と判定する方法、さら
に、相手の操作量出力に関する演算を行って照合する方
法などを用いることができる。このような2者間の比較
での異常判定では、どちらかの片方が異常であるか、ま
たは、両方が異常であるという結論しか導かれない。し
かし、本発明においてはこれで十分であり、どちらかが
正常な際に、その制御器がローカル制御器に戻ることに
よって機能するので、従来の制御方式と同じ信頼性にな
る。また、いずれかの制御器が他方を異常と判定したと
きには、その結果を表示することが実用上、重要であ
る。
帰還信号の値x1,x2,x3を較べて、大きく異なると
きは異常と判定する方法、簡単な同一の演算を実行して
答えを比較し、異なるときは異常と判定する方法、さら
に、相手の操作量出力に関する演算を行って照合する方
法などを用いることができる。このような2者間の比較
での異常判定では、どちらかの片方が異常であるか、ま
たは、両方が異常であるという結論しか導かれない。し
かし、本発明においてはこれで十分であり、どちらかが
正常な際に、その制御器がローカル制御器に戻ることに
よって機能するので、従来の制御方式と同じ信頼性にな
る。また、いずれかの制御器が他方を異常と判定したと
きには、その結果を表示することが実用上、重要であ
る。
【0010】図1の実施例では、制御器の11と12の
機能を、アナログ回路的に示したが、実際にはディジタ
ル制御器によって実現することもできる。この場合の制
御器の動作の例を、制御器11を例にとって流れ図で示
したものが図2である。通常時は、まず、x1、x2、x
3を入力し(21)、これらの値を制御器12の入力し
た値と照合する(22)。その結果、全てが許容誤差内
で一致したときには《数3》の演算を行い、操作量u1
を出力する(23)。一方、一致しないときには相手の
制御器12が異常であるとの判定をし、ロ−カル制御器
に戻る。即ち、x1、x2、x3を再び入力し(24)、
《数1》の演算を行い、操作量u1を出力する(2
5)。この後は無限ル−プに入り、外部から介入しない
かぎりロ−カル制御器としての処理をし続ける。このロ
−カル制御器のル−プ(図中の24と25のル−プ)で
は相手の制御器12からのデータ照合に答える部分がな
い。そのために相手側から見ると異常であると判断され
ることになる。従って、こちらがローカル制御器に移行
した後は、相手も自動的に移行する。
機能を、アナログ回路的に示したが、実際にはディジタ
ル制御器によって実現することもできる。この場合の制
御器の動作の例を、制御器11を例にとって流れ図で示
したものが図2である。通常時は、まず、x1、x2、x
3を入力し(21)、これらの値を制御器12の入力し
た値と照合する(22)。その結果、全てが許容誤差内
で一致したときには《数3》の演算を行い、操作量u1
を出力する(23)。一方、一致しないときには相手の
制御器12が異常であるとの判定をし、ロ−カル制御器
に戻る。即ち、x1、x2、x3を再び入力し(24)、
《数1》の演算を行い、操作量u1を出力する(2
5)。この後は無限ル−プに入り、外部から介入しない
かぎりロ−カル制御器としての処理をし続ける。このロ
−カル制御器のル−プ(図中の24と25のル−プ)で
は相手の制御器12からのデータ照合に答える部分がな
い。そのために相手側から見ると異常であると判断され
ることになる。従って、こちらがローカル制御器に移行
した後は、相手も自動的に移行する。
【0011】次に、疑似多変数制御方式からローカル制
御方式に切り変わった際の操作量出力値の不連続性につ
いて述べてみたい。切り変わる前は《数3》、《数4》
の演算をしており、切り変わった後では《数1》、《数
2》の演算をすることになる。これらの演算において、
帰還信号と操作量を各々の定常値からの変動分に対して
定義し、整定時に全ての変数がゼロになるように設計す
る。すると、制御がうまく働いているときには、x1〜
x3およびu1,u2は、ほぼゼロである。従って、正常
な片方の制御器の操作量出力値に関しては原理的に大き
な不連続が発生しないようにすることができる。
御方式に切り変わった際の操作量出力値の不連続性につ
いて述べてみたい。切り変わる前は《数3》、《数4》
の演算をしており、切り変わった後では《数1》、《数
2》の演算をすることになる。これらの演算において、
帰還信号と操作量を各々の定常値からの変動分に対して
定義し、整定時に全ての変数がゼロになるように設計す
る。すると、制御がうまく働いているときには、x1〜
x3およびu1,u2は、ほぼゼロである。従って、正常
な片方の制御器の操作量出力値に関しては原理的に大き
な不連続が発生しないようにすることができる。
【0012】ここで、本発明といわゆる多重系との比較
についても論じてみたい。典型的な多重系の考え方を図
4で述べた多変数制御方式に適用すると、図7のような
3重系が得られる。同図ではまったく同一の多変数制御
器71、72、73を用意し、互いに異常チェックをさ
せながら、多数決によって異常な制御器を判定する。一
方、操作量に関しては、3つの値の中間値を選択する回
路74、75によって、3台中の1台が故障しても必ず
正常値が出力されるようになっている。図7には、この
多重系と比較するために、本発明の構成も併せて示した
が、両者の違いは次の点に要約できる。第一に、多重系
は3台以上でないと成り立たない。これは、異常機器の
判定が多数決を用いていること、および、中間値選択を
実施するためである。これに対し、本発明は2台でも成
立する。第二に、多重系は正常時でも異常時でも、同じ
帰還信号を用いて同じ演算をする。これに対し、本発明
は疑似多変数制御方式からローカル制御方式に変化す
る。第三に、多重系は原理的に互いに重複のある操作量
を出力するが、本発明の原理では操作量の重複はない。
以上の点で本発明と多重系との差異は明かである。
についても論じてみたい。典型的な多重系の考え方を図
4で述べた多変数制御方式に適用すると、図7のような
3重系が得られる。同図ではまったく同一の多変数制御
器71、72、73を用意し、互いに異常チェックをさ
せながら、多数決によって異常な制御器を判定する。一
方、操作量に関しては、3つの値の中間値を選択する回
路74、75によって、3台中の1台が故障しても必ず
正常値が出力されるようになっている。図7には、この
多重系と比較するために、本発明の構成も併せて示した
が、両者の違いは次の点に要約できる。第一に、多重系
は3台以上でないと成り立たない。これは、異常機器の
判定が多数決を用いていること、および、中間値選択を
実施するためである。これに対し、本発明は2台でも成
立する。第二に、多重系は正常時でも異常時でも、同じ
帰還信号を用いて同じ演算をする。これに対し、本発明
は疑似多変数制御方式からローカル制御方式に変化す
る。第三に、多重系は原理的に互いに重複のある操作量
を出力するが、本発明の原理では操作量の重複はない。
以上の点で本発明と多重系との差異は明かである。
【0013】図8を用いて本発明の別の実施例について
述べる。この実施例は、ロボットマニピュレータ81を
制御する制御器に関するものである。ロボットマニピュ
レータには通常6個の関節があり、この関節の回転を制
御するための帰還信号x1〜x6と操作量u1〜u6があ
る。より具体的な例ではx1〜x6は回転角信号、u1〜
u6は各関節のモータの電流指令値である。この系にも
前出の疑似多変数制御方式とローカル制御方式の両方が
存在する。各関節に合わせて6台の制御器を用意し、正
常時は疑似多変数制御方式で制御し、異常時にはローカ
ル制御方式に切り替える。関節1の制御器82と関節6
の制御器83について、図中では演算の違いを例記して
ある。すなわち、正常時では全ての関節の帰還信号(図
中ではベクトルxで表記)を用いた演算によって担当す
る関節の操作量を求め、異常時には自らの関節の帰還信
号のみを用いた演算に切り替える。異常の判定には各制
御器間で互いに異常チェックをし、他の制御器の一台で
も異常と判定したときには自らがローカル制御器に戻る
と共に、他の制御器からの異常チェックに答えを帰さな
いことによって、他の制御器がローカル制御器に切り替
わることを促す。
述べる。この実施例は、ロボットマニピュレータ81を
制御する制御器に関するものである。ロボットマニピュ
レータには通常6個の関節があり、この関節の回転を制
御するための帰還信号x1〜x6と操作量u1〜u6があ
る。より具体的な例ではx1〜x6は回転角信号、u1〜
u6は各関節のモータの電流指令値である。この系にも
前出の疑似多変数制御方式とローカル制御方式の両方が
存在する。各関節に合わせて6台の制御器を用意し、正
常時は疑似多変数制御方式で制御し、異常時にはローカ
ル制御方式に切り替える。関節1の制御器82と関節6
の制御器83について、図中では演算の違いを例記して
ある。すなわち、正常時では全ての関節の帰還信号(図
中ではベクトルxで表記)を用いた演算によって担当す
る関節の操作量を求め、異常時には自らの関節の帰還信
号のみを用いた演算に切り替える。異常の判定には各制
御器間で互いに異常チェックをし、他の制御器の一台で
も異常と判定したときには自らがローカル制御器に戻る
と共に、他の制御器からの異常チェックに答えを帰さな
いことによって、他の制御器がローカル制御器に切り替
わることを促す。
【0014】さらに、他の実施例について図9を用いて
説明する。同図は、原子炉、タービン、復水器および給
水ポンプA,Bからなる原子力プラントの給水系の制御
を例としたものである。2台の給水ポンプA…91と給
水ポンプB…92が各々制御器93と94によって制御
されている。ポンプの流量は相互に影響があるため、各
々のポンプの流量だけでなく、相手の流量もみて制御す
る疑似多変数制御方式の方が性能は高い。各制御器は、
相互に異常チックをしており、正常時には両方のポンプ
の流量x1およびx2を帰還信号として取り込み、操作量
であるポンプの回転角指令値u1とu2を各々求めてい
る。異常時には、制御器93はポンプAの流量x1のみ
を取り込み、ポンプAの操作量u1のみを出力する。制
御器94は同様にポンプBに関連する信号のみを取り扱
うローカル制御器になる。
説明する。同図は、原子炉、タービン、復水器および給
水ポンプA,Bからなる原子力プラントの給水系の制御
を例としたものである。2台の給水ポンプA…91と給
水ポンプB…92が各々制御器93と94によって制御
されている。ポンプの流量は相互に影響があるため、各
々のポンプの流量だけでなく、相手の流量もみて制御す
る疑似多変数制御方式の方が性能は高い。各制御器は、
相互に異常チックをしており、正常時には両方のポンプ
の流量x1およびx2を帰還信号として取り込み、操作量
であるポンプの回転角指令値u1とu2を各々求めてい
る。異常時には、制御器93はポンプAの流量x1のみ
を取り込み、ポンプAの操作量u1のみを出力する。制
御器94は同様にポンプBに関連する信号のみを取り扱
うローカル制御器になる。
【0015】以上述べてきた本発明の幾つかの実施例の
一般形を、図10にまとめて示す。同図の制御系では制
御器1から制御器mが操作量u1から操作量urを独立な
グループに分割している。例えば、制御器iは、操作量
us〜utを出力し、帰還信号xa〜xbのみを用いてロー
カル制御器を構成できる。通常時は全ての帰還信号x1
〜xnを帰還した疑似多変数制御器となり、異常時には
ローカル制御器になる。異常の判定には各制御器間で互
いに異常チェックをし、他の制御器の一台でも異常と判
定したときには自らがローカル制御器に戻ると共に、他
の制御器からの異常チェックに誤信号で答える、あるい
は、全く答えないことなどによって、他の制御器がロー
カル制御器に戻ることを促す。この一般形と図1の実施
例とを対応させてみると、図10の制御器1と制御器m
が図1の制御器11と制御器12に対応し、図10のx
1〜xnが図1のx1〜x3に、図10のu1〜upが図1の
u1に、図10のus〜utが図1のu2に対応する。図8
の実施例との対応では、図10の制御器1〜制御器mが
図8の制御器1…82〜制御器6…83に対応し、図1
0のx1〜xnが図8のx1〜x6に、図10のu1〜urが
図8のu1〜u6に各々対応する。図9の実施例との対応
では、図10の制御器1と制御器mが図9の制御器93
と制御器94に対応し、図10のx1〜xnが図9のx1
〜x2に、図10のu1〜upが図9のu1に、図10の
us〜utが図9のu2に対応する。
一般形を、図10にまとめて示す。同図の制御系では制
御器1から制御器mが操作量u1から操作量urを独立な
グループに分割している。例えば、制御器iは、操作量
us〜utを出力し、帰還信号xa〜xbのみを用いてロー
カル制御器を構成できる。通常時は全ての帰還信号x1
〜xnを帰還した疑似多変数制御器となり、異常時には
ローカル制御器になる。異常の判定には各制御器間で互
いに異常チェックをし、他の制御器の一台でも異常と判
定したときには自らがローカル制御器に戻ると共に、他
の制御器からの異常チェックに誤信号で答える、あるい
は、全く答えないことなどによって、他の制御器がロー
カル制御器に戻ることを促す。この一般形と図1の実施
例とを対応させてみると、図10の制御器1と制御器m
が図1の制御器11と制御器12に対応し、図10のx
1〜xnが図1のx1〜x3に、図10のu1〜upが図1の
u1に、図10のus〜utが図1のu2に対応する。図8
の実施例との対応では、図10の制御器1〜制御器mが
図8の制御器1…82〜制御器6…83に対応し、図1
0のx1〜xnが図8のx1〜x6に、図10のu1〜urが
図8のu1〜u6に各々対応する。図9の実施例との対応
では、図10の制御器1と制御器mが図9の制御器93
と制御器94に対応し、図10のx1〜xnが図9のx1
〜x2に、図10のu1〜upが図9のu1に、図10の
us〜utが図9のu2に対応する。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上述べたように構成されて
いるので、従来のローカル制御方式の信頼性を損なう事
無く、多変数制御方式の性能を発揮させることができ
る。
いるので、従来のローカル制御方式の信頼性を損なう事
無く、多変数制御方式の性能を発揮させることができ
る。
【図1】本発明の一実施例のシステム構成および動作説
明図である。
明図である。
【図2】本発明の一実施例を説明する流れ図である。
【図3】従来技術を説明するブロック線図である。
【図4】従来技術を説明するブロック線図である。
【図5】従来技術を説明するシステム構成図である。
【図6】本発明の原案を説明するブロック線図である。
【図7】本発明と従来技術を比較するブロック線図であ
る。
る。
【図8】本発明の一実施例を説明するシステム構成図で
ある。
ある。
【図9】本発明の一実施例を説明するシステム構成図で
ある。
ある。
【図10】本発明の一実施例を説明するシステム構成図
である。
である。
11 制御器1 12 制御器2 14 異常チック手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹治 順一 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 木伏 春夫 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 中原 貢 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 複数の操作量によって駆動され、複数の
制御用帰還信号を発生するプラント等の制御方法であっ
て、互いに重複のない制御用帰還信号の一部を入力し、
互いに重複のない操作量の一部を出力するローカル制御
器群が安定に制御できる条件の時に、これらのローカル
制御器と同一の操作量を出力しながら互いに重複のある
制御用の帰還信号を帰還する制御器群がプラントを制御
し、これらの制御器は、互いに他の制御器の異常をチェ
ックし、他の制御器の異常を認めたときには、ローカル
制御器と同一の機能に変化することを特徴とする制御方
法。 - 【請求項2】 複数の操作量によって駆動され、複数の
制御用帰還信号を発生するプラント等の制御方法であっ
て、互いに重複のない制御用帰還信号の一部を入力し、
互いに重複のない操作量の一部を出力するローカル制御
器群が安定に制御できる条件の時に、これらのローカル
制御器と同一の操作量を出力しながら互いに重複のある
制御用の帰還信号を帰還する制御器群がプラントを制御
し、これらの制御器は、互いに他の制御器の異常をチェ
ックし、他の制御器の異常を認めたときには、制御パラ
メ−タをローカル制御器の値に変化することを特徴とす
る制御方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2において、制御
用帰還信号の各々を定常状態においてゼロとなるように
設定することによって、正常時から異常時に変化した際
に、操作量の大きな変動を抑えることを特徴とする制御
方法。 - 【請求項4】 複数の操作量によって駆動され、複数の
制御用帰還信号を発生するプラント等の制御方法であっ
て、重複する制御用帰還信号から重複しない操作量を演
算出力する複数台の制御器が、互いに他の制御噐のデー
タを監視しており、自分または他の制御器のうち一台で
も異常と判断したときには、重複しない制御用帰還信号
のみを用いて操作量を演算出力すると共に、他の制御器
から見て、異常と判定されるような監視データを出力す
ることを特徴とする制御方法。 - 【請求項5】 複数の操作量によって駆動され、複数の
制御用帰還信号を発生するプラント等の制御方法であっ
て、重複する制御信号から重複しない操作量を演算出力
する複数台の制御器が、互いに他の制御噐のデータを監
視しており、自分または他の制御器のうち一台でも異常
と判断したときには、自らの出力する操作量を安定に制
御できる最小限の制御信号のみを用いて操作量を演算出
力すると共に、他の制御器から見て、異常と判定される
ような監視データを出力することを特徴とする制御方
法。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかにお
いて、異常の判定は、共通に入力している制御用帰還信
号の値を照合し、両者が一致しないときに異常と判定す
ることを特徴とする制御方法。 - 【請求項7】 原子力発電プラントの原子炉出力制御系
において、発電機出力値と炉心入口流量と原子炉圧力を
帰還して再循環ポンプの回転数を出力する一の制御器と
加減弁の開度を出力する他の制御器を有し、両制御器は
互いに異常チェックをし、相手が異常と判定したときに
は、一の制御器は圧力を帰還することを中止して再循環
制御器になり、他の制御器は圧力のみを帰還して圧力制
御器となることを特徴とする制御装置。 - 【請求項8】 ロボットマニピュレータの制御系におい
て、複数関節の動作信号を帰還して一つの関節を駆動す
る制御器群を有し、複数関節を制御をしながら、各々の
制御器が他の全ての制御器の異常をチェックし、他の制
御器の一台でも異常と判定したときには、自らの駆動す
る関節の動作信号のみを帰還して制御を行なうことを特
徴とする制御装置。 - 【請求項9】 原子炉給水制御系において、複数の給水
ポンプの給水流量を帰還して一つのポンプを駆動する制
御器群を有し、給水流量を制御しながら、各々の制御器
が他の全ての制御器の異常をチェックし、他の制御器の
一台でも異常と判定したときには、自らの駆動する給水
ポンプの給水流量のみを帰還して制御を行なうことを特
徴とする制御装置。 - 【請求項10】 請求項7ないし請求項9のいずれかに
おいて、制御器群はそれぞれ異常チック手段を有し、こ
れらの異常チック手段により、互いに制御用帰還信号の
入力値を照合し、異常を判定することを特徴とする制御
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3340176A JPH05150091A (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 制御方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3340176A JPH05150091A (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 制御方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05150091A true JPH05150091A (ja) | 1993-06-18 |
Family
ID=18334456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3340176A Pending JPH05150091A (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | 制御方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05150091A (ja) |
-
1991
- 1991-11-29 JP JP3340176A patent/JPH05150091A/ja active Pending
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