JPH05148705A - 異形断面繊維の直接紡糸延伸方法 - Google Patents

異形断面繊維の直接紡糸延伸方法

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JPH05148705A
JPH05148705A JP34007691A JP34007691A JPH05148705A JP H05148705 A JPH05148705 A JP H05148705A JP 34007691 A JP34007691 A JP 34007691A JP 34007691 A JP34007691 A JP 34007691A JP H05148705 A JPH05148705 A JP H05148705A
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JP
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yarn
roller
oil agent
take
cross
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JP34007691A
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English (en)
Inventor
Koji Nakatsuka
耕二 中塚
Hitoshi Otsubo
人志 大坪
Yukio Kawakami
幸男 川上
Teruo Higuchi
照雄 樋口
Kazuyasu Sumino
和康 角野
Yasushi Noda
靖 野田
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単糸横断面形状が、凹部を1個以上有し、変
形比の大きい糸条を優れた品質で得ることができる、異
形断面繊維の直接紡糸延伸方法を提供する。 【構成】 単糸横断面形状が、凹部を1個以上有し、変
形比Kが1.25以上である糸条を第1の油剤付与装置で集
束しながら、転相粘度 200センチポイズ以下で、浸透性
が400 秒以下の水系油剤を付与する。第2の油剤付与装
置で非水系油剤を付与し、加熱引取りローラ前の糸条張
力を0.05〜0.6 g/dの範囲として引取り、加熱延伸ロ
ーラで延伸し、捲取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた品質の異形断面
繊維を得るための直接紡糸延伸方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維の製造において、直接紡
糸延伸方法は広く採用されており、均一延伸を行うため
に、延伸時に未延伸糸条をTg以上に加熱後、延伸する
方法が種々提案されている。例えば、特公昭47−22650
号公報では未延伸糸の加熱手段としてスチーム噴射法で
予熱延伸する方法、また、特公昭57−43653 号公報では
引取り速度3000m/分以上で高温雰囲気内で延伸する方
法が提案されている。しかし、これらの方法は設備が複
雑で操業管理面でも容易でないため、一般的には製造設
備が簡略で、しかも操業管理が容易で、操業性が良好な
加熱ローラを用いた加熱延伸方式が採用されている。
【0003】しかし、これら加熱ローラ延伸においても
不均一延伸に起因する糸切れ、毛羽、染斑等の欠点を完
全に解消するに至っていないため、油剤の濃度、温度、
水分率等の付与条件により解決しようとする提案もなさ
れている。例えば、特開昭60−199918号公報や特開昭60
−215811号公報では、糸条が高水分率となるように低濃
度油剤を付与する方法が開示されている。しかしながら
これらの方法では、熱効率を高めるため2対の加熱ロー
ラ(ネルソンタイプ)を用いるか、加熱ローラへの捲き
回数(ラップ回数)を多くして糸条接触時間を長くする
か、又は別の加熱体を補助として設けるかのいずれかの
方法を採用する必要があるが、加熱ネルソンローラ、補
助加熱体の設置は構造が複雑となり、かつ、電力コス
ト、設置スペース等の面で不利である。また、ラップ回
数を多くする場合、糸条間接触(特に多糸条延伸時)に
よる糸切れが発生するため、ローラ長を長くする必要が
あるが、糸掛け作業性、ローラ温度分布斑、ローラバラ
ンスの難度等の面で問題があった。
【0004】また、特開昭61−282412号公報では、糸条
が低水分率となるように水系又は非水系の高温度、高濃
度油剤を付与する方法が開示されているが、この方法で
は油剤を加熱する装置が必要なので、安全性や温度コン
トロールに問題があり、さらにノズル吐出部に油剤成分
が濃縮凝固して付着斑が発生する等の問題があった。
【0005】さらに、先に本発明者らが特開昭59−1303
11号公報で提案した方法(油剤濃度、マイグレーション
時間に着目)においても、図3(a)〜(c)のように
凹部を有しない異形断面糸や変形比の小さい(K<1.2
5)異形断面糸等については、前記欠点のない優れたも
のが得られるが、凹部を有し変形比の大きい(1.25≦
K)異形断面糸になると欠点が顕在化し、良好な生産が
できなかった。
【0006】すなわち、図2(a)〜(f)で示したよ
うな変形比Kが1.25以上の異形断面繊維糸条は、引取り
ローラ上で走行加熱される際、糸条のころがりが小さ
く、糸条の全ての面がローラ表面に接触することができ
ないので、単糸間に予熱斑が生じるとともに、異形断面
の凹部に存在する油剤水分が糸条の予熱効果をさらに阻
害する等により延伸斑が発生して欠点が顕在化し、ま
た、油剤付着斑が生じた場合さらに欠点が顕著になると
いう問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題を
解決し、変形比Kが1.25以上の異形断面繊維を直接紡糸
延伸するに際し、糸切れ、毛羽、染斑等の欠点のない、
優れた品質の糸条を得ることができる異形断面繊維の直
接紡糸延伸方法を提供することを技術的な課題とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究の結果、紡出された糸条に最
初に付与する水系油剤の転相粘度と浸透性の範囲を規制
することで油剤付着斑が抑制でき、さらに非水系油剤を
付与し、加熱引取りローラ前の糸条張力を0.05〜0.6 g
/dの範囲として糸条を引取ることによって、不均一延
伸による毛羽、染斑の発生が解消できることを見い出
し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、単糸横断面形状が、
凹部を1個以上有し、かつ、変形比Kが1.25以上である
糸条を直接紡糸延伸するに際し、糸条を第1の油剤付与
装置で集束しながら、25℃における転相粘度が200 セン
チポイズ以下で、かつ、浸透性が400 秒以下の水系油剤
を付与した後、第2の油剤付与装置で非水系油剤を付与
するとともに、加熱引取りローラ前の糸条張力を0.05〜
0.6 g/dの範囲として、加熱引取りローラで引取り、
次いで加熱引取りローラと加熱延伸ローラとの間で延伸
し、捲取ることを特徴とする異形断面繊維の直接紡糸延
伸方法を要旨とするものである。なお、本発明におい
て、油剤の浸透性は次のようにして測定される値であ
る。脱脂したポリエステルのタフタ(75d/36f 経、緯使
い:織り密度=経糸 100/2.54cm、緯糸83本/2.54c
m)に、100 μlマイクロシリンジにて液温25℃で濃度
15%の水エマルジョン油剤を1滴落し、タフタに浸透す
るまでの時間を測定し、測定回数10回の平均値で表す。
また、本発明における油剤の転相粘度は、次のようにし
て測定される値である。リオン(株)製ビスコテスター
(VT−01型)のカップA、4号ロータを用いて、濃
度90%の原油剤を濃度5%になるまで、5%濃度単位で
純水で希釈した溶液について、30分攪拌後、液温25℃で
粘度を測定し、測定回数3回の平均値を求める。各濃度
で得られた粘度の値のうち最も高い値を転相粘度と表
す。
【0010】以下、本発明を図面を参照しながら詳細に
説明する。図1は本発明の直接紡糸延伸方法の一実施態
様を示す概略図,図2は本発明で製造される異形断面繊
維の例を示す横断面模式図である。
【0011】図1において、紡糸口金1より吐出した糸
条2を冷却装置3によって冷却固化し、第1の油剤付与
装置4で集束しながら、転相粘度200 センチポイズ以下
で,浸透性が400 秒以下の水系油剤を付与する。次い
で、流体処理装置5にて糸条2をマイグレーションさ
せ、糸条2への油剤の均一付着性を高めた後、紡糸張力
をコントロールする張力コントローラ6を経て、第2の
油剤付与装置7で非水系油剤を付与し、糸条張力を0.05
〜0.6 g/dとして加熱引取りローラ8で引取る。
【0012】続いて加熱引取りローラ8と分離ローラ9
に糸条2を数回捲き回し、延伸に必要な温度に加熱す
る。次いで糸条2を加熱延伸ローラ10と分離ローラ11へ
導いて数回捲き回し、加熱引取りローラ8と加熱延伸ロ
ーラ10との間で所定の延伸倍率で延伸する。続いて捲取
機12によって糸条を捲取り、パッケージ13を得る。な
お、本発明において、流体処理装置5は必ずしも必要で
はないが、上記の実施態様では流体処理装置5を用いて
いるので糸条の集束性を向上させることが可能であり、
糸条に交絡を付与するために、この流体処理装置5は交
絡付与装置としてもよい。また、第2の油剤付与装置7
は張力コントローラの前に設けてもよく、加熱延伸ロー
ラ10と捲取機12間に交絡付与装置、油剤付与装置等を設
けてもよい。
【0013】次に、本発明を構成する要素について詳細
に説明する。第1の要素として、紡出された糸条に最初
に付与する水系油剤に特徴があり、25℃における転相粘
度が200 センチポイズ(cp)以下で、かつ、浸透性が
400秒以下であることが必要である。水系油剤を糸条に
付与することによって、糸条に平滑性を与え、糸条の帯
電を防止し、糸条表面の保護ができる。転相粘度が200
cpを超えると、浸透性が400 秒以下を満足していても
糸条への付着斑が発生して延伸斑を引き起こすため好ま
しくない。また、油剤転相粘度が200 cp以下であって
も浸透性が400 秒を超えると単糸間へのスムーズな油剤
浸透が阻害され、前記同様付着斑が発生し、延伸斑を引
き起こすため好ましくない。なお、前述したように数値
の測定条件は液温25℃であり、実際に使用する工程では
若干異なる場合があるが、液温20〜30℃の範囲に管理さ
れていれば特に問題はない。また、油剤濃度は、転相粘
度が200 cp以下で、かつ、浸透性が400 秒以下の数値
範囲内であれば特に限定されるものではないが、比較的
低水分率で濃度管理が容易である10〜50%が好ましく、
12〜50%がより好ましい。油剤濃度が10%未満の場合、
油剤は糸条に均一に付着するが、糸条に付与される水分
量が多くなるため、特に糸条の凹部に過剰水分が滞留す
る。このため、第2の油剤付与装置で非水系油剤を付与
し余熱効果を高めても、延伸斑が発生しやすく好ましく
ない。油剤濃度が50%を超えると、糸条付着油分の目標
値(通常、衣料用途で0.3 〜2重量%)に対し、油剤の
供給量を減少する必要があり、その結果、浸透性が阻害
され付着斑を起こしやすい。さらに高速紡糸の場合は、
走行糸条単糸間接触、糸道規制ガイド接触による糸切れ
が発生したり、油剤水分の揮発による濃縮度が高いため
濃度管理が難しいので好ましくない。なお、転相粘度が
現れる油剤濃度は、油剤成分、配合比で異なるものであ
る。また、油剤付与装置としては特に限定するものでは
ないが、ローラ式、スリットガイド式等の油剤付与装置
を用いることができる。
【0014】第2の要素として加熱引取りローラ前の糸
条張力を0.05〜0.6 g/dとする必要がある。糸条張力
が0.05g/d未満の場合、糸条間(多糸条紡糸)の張力
斑が発生しやすく、かつ、加熱引取りローラに数回捲き
回した糸条のラップ張力が低下し、糸搖れが激しくな
り、糸条が分繊したり、糸条間接触を起こしたりして糸
切れが多発するため好ましくない。また、0.6 g/dを
超えると、糸道規制ガイド等の接触体で受ける損傷が大
きくなり、糸切れや延伸斑が多発するので好ましくな
い。
【0015】第3の要素は、第一の油剤付与装置により
水系油剤を付与した後、加熱引取りローラで引取られる
前に第2の油剤付与装置により、非水系油剤(溶剤は灯
油が好ましい)を付与することにある。非水系油剤は溶
剤(有機系溶剤で、例えば石油類、アルコール類等)の
取扱いの点で問題があるが、本発明では非水系油剤付与
量が極端に少なくてもすむため取扱が容易となる。第1
の要素を満足する水系油剤を付与された糸条に、少量の
非水系油剤を付与することにより、糸条内(単糸間、凹
部)に存在する水分と糸条への余熱効果を更に高め、か
つ、水系油剤付与時の突発異常(例えば付与油剤の脱泡
不良、吐出不良、マイグレーション不良等による付着斑
発生)が軽度である場合の油剤補充効果にも有効であ
り、延伸斑の防止のうえで好ましいものである。なお、
非水系油剤の付与量は、非水系油剤の糸条付着溶剤量
(油剤成分を含まず)が 0.1〜0.4 重量%であることが
好ましい。また、油剤濃度範囲としては溶剤付着量、付
着斑、取扱性等の面より20〜75%が好ましい。さらに、
油剤組成は水系油剤組成と異なってもよいが、親和性の
ある水系油剤組成に近いほうが混合副作用による欠点発
生防止の面で好ましく、また、油剤付与装置はローラ
式、スリットガイド式等、特に限定するものではない
が、水系油剤の混入防止の面でスリットガイド式が好ま
しい。なお、本発明では単糸間、糸条間で均一加熱延伸
を施すことが重要であるが、前記第1、2、3の要素以
外に以下の要素も満足されることが望ましい。
【0016】第4の要素として加熱引取りローラと走行
糸条との接触時間を0.02秒以上とすることが好ましい。
0.02秒未満の場合は、糸条の全単糸を均一加熱すること
が難しく、たとえ加熱ローラ温度を高くして補おうとし
ても、逆に単糸の接触している面と非接触面(反対側の
面)との受熱差が拡大して延伸斑を起こし、糸切れや染
斑等が発生しやすくなる。
【0017】第5の要素として加熱引取りローラ周表面
から20mm離れた位置の雰囲気温度T(℃)が、Tg−15
≦T≦Tg+100 を満足することが好ましい。雰囲気温
度Tが(Tg−15)未満の場合は、ローラ回転、走行条
件によって発生する随伴流により、ローラ接触走行糸条
の非接触側の面が低温となるため延伸斑を起こし、糸切
れや染斑等が発生しやすくなる。また、(Tg+100 )
を超える場合は過剰予熱となり、染斑や単糸切れ等が発
生しやすくなる。
【0018】なお、紡糸工程で糸条に結晶化が生じ、か
つ、高配向となる場合は冷延伸も可能となるが、糸条を
布帛とし染色した時、いらつきのある品位の劣る製品と
なりやすい。この欠点を解消するには、結晶部への予熱
が必要であるため熱延伸が好ましい。また、雰囲気温度
をコントロールする方法としては、通常加熱ローラ周り
に省エネ、安全性、保温等を目的として設置される保温
ボックスを断熱材等で構成し、ボックス内面に反射板を
用いたり、加熱空気を供給したり、邪魔にならないコン
パクトな加熱体を接触又は糸条近傍に設ける等の手段を
用いる。
【0019】本発明の繊維を形成するポリマーは、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等に代表されるポリエステルが好適である。ポリエステ
ルは共重合物や混合物でもよく、例えば、5-ナトリウム
スルホイソフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキ
シアルキレングリコール等の成分が少量(通常15モル%
以下)共重合されていてもよい。さらにポリエステル
は、艶消剤、帯電防止剤、防炎剤、顔料等の添加剤を含
有していてもよい。また、他の溶融紡糸可能なポリマー
との複合繊維、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン66等のポ
リアミド類及びこれらを主体とする共重合ポリマーや混
合ポリマーとの接合型複合、芯鞘型複合、割繊型複合等
の複合繊維としてもよい。なお、複合繊維の場合は成分
比、混合状態等に影響されるため、加熱引取りローラ周
表面から20mm離れた位置の雰囲気温度T(℃)を規定す
るTgの選定が難しいが、経験的には高温度成分側のT
gを採択するのが望ましい。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0021】なお、実施例における特性値及び評価は次
のようにして行った。 (a)油剤の転相粘度 前述の方法で測定した。 (b)油剤の浸透性 前述の方法で測定した。 (c)変形比〔K〕 単糸横断面部を顕微鏡を用いた画像処理装置で計測した
後、下記式で演算して得られる値であり、任意に選んだ
単繊維10本の平均値で表す。 式 K=P/A P=単糸横断面の周辺長と同等となる円の面積 A=単糸横断面の面積 (d)毛羽発生数 整経試験機にチーズ400 本を立て、整経長10万m、糸速
300 m/分でビーム捲きした時の毛羽発生個数で表す。 (e)染斑 糸条100 mを筒編みして精練した後、分散染料(キャリ
アー含有)で染色し、目視により評価した。 ○ :濃染部(未延伸部)発生なし、染スジ発生なし △ :濃染部(未延伸部)発生なし、染スジ発生若干あ
り × :濃染部(未延伸部)発生あり (f)C%Normal 計測器工業(株)製イーブネステスターを用いて、糸速
度25m/分、感度±12.5%、測定糸長100 mでチャート
上に波形をとり、ベース波形レベルよりの最高値(+
%) と最低値(−%) の高低%で評価した。 ○ : ±2.5 %未満 △ : ±2.5 〜±7%未満のもの2点以内 × : ±2.5 〜±7%未満のもの2点以上及び±7%
以上のもの1点以上 (g)総合評価 ○ :よい △ :やや悪い × :悪い(製品として不適格)
【0022】次に、実施例及び比較例で用いた水系油剤
は濃度20%水エマルジョンであり、油剤成分は、脂肪酸
エステル、ノニオン活性剤、アニオン活性剤、鉱物油、
その他の添加剤等を適宜配合したものである。また、糸
条への水系油剤の付着量は、油剤成分が糸条に対して0.
8 重量%となるよう付与した。
【0023】実施例及び比較例において、加熱引取りロ
ーラへの糸条接触時間及び雰囲気温度を下記の方法で設
定した。 紡糸速度及びローラへのラップ回数により糸条接触
時間を変更する。 保温ボックスの保温能力及び加熱空気の導入により
雰囲気温度を変更する。 この時の温度測定は、ローラ長中央部の周表面から20mm
の位置に設けたCA熱電対にて検出した。
【0024】実施例1〜2 固有粘度〔フェノールとテトラクロルエタンとの等重量
混合物を溶媒とし、20℃で測定〕0.65(Tg=70℃)の
ポリエチレンテレフタレート(二酸化チタン0.03重量%
含有)を、図2(b)で示したように凹部を3個持つ形
状の繊維となるオリフィス孔36個を有する紡糸口金より
溶融吐出し、冷却固化した後、集束しながら水系油剤を
付与した。次に、加熱引取りローラ前張力を0.3 g/d
とし、さらに前記水系油剤と同組成である濃度25%の非
水系油剤(溶剤として灯油を使用)を溶剤付着量(油剤
成分量含まず)が0.2 重量%となるように付与した。そ
の後、速度1300m/分で90℃の加熱引取りローラで糸条
を引取り、加熱引取りローラと加熱延伸ローラとの間で
延伸した後捲き取った。この時、溶融温度、冷却条件等
により繊維横断面の変形比を変更し、また、付与する油
剤の成分、配合比により転相粘度及び浸透性を変更し
た。実施例1における水系油剤の転相粘度は65cpで、
転相粘度は油剤濃度60%の時に現れた。実施例1で用い
た水系油剤の成分組成は以下の通りであった。 鉱物油 5% 脂肪酸エステル 70% ノニオン活性剤 16% アニオン活性剤 11% その他の添加物 3% なお、この時の加熱引取りローラへの糸条接触時間は0.
11秒であり、雰囲気温度Tは85℃であり、捲取った繊維
の油剤付着量は0.82〜0.86重量%の範囲にあった。さら
に、得られる繊維の物性が下記範囲となるよう吐出量、
延伸倍率、加熱延伸ローラ温度を変更し、微調整した。 繊度 : 72.5±1.5 d 強度 : 4.5g/d以上 伸度 : 33.0±3 % 沸水収縮率: 7.0±1 % その結果を表1に示す。
【0025】比較例1〜4 油剤転相粘度,油剤浸透性,変形比を表1に示したよう
に変更した以外は、実施例1〜2と同様に実施した。そ
の結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例3 図2(c)で示した凹部を4個持つ変形比Kが2.5 の糸
条を実施例1と同様の条件で製造した。その結果を表2
に示す。
【0028】比較例5〜6 加熱引取りローラ前の糸条張力を表2に示したように変
更した以外は実施例3と同様に実施した。その結果を表
2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】実施例4 実施例1と同じポリエチレンテレフタレートを図2
(b)で示した凹部を3個持つ形状の繊維となるオリフ
ィス孔36個を有する紡糸口金より溶融吐出し、冷却固化
した後、集束しながら転相粘度105 cp、浸透性64秒の
水系油剤を付与した。次に、加熱引取りローラ前張力を
0.3 g/dとし、さらに前記水系油剤と同組成である濃
度25%の非水系油剤(溶剤として灯油を使用)を溶剤付
着量(油剤成分含まず)が0.2 重量%となるように付与
した。その後、95℃の加熱引取りローラで糸条を引取
り、加熱引取りローラと加熱延伸ローラとの間で延伸し
た後捲取った。この時の加熱引取りローラへの糸条接触
時間は0.2 秒、雰囲気温度Tは95℃とした。なお、繊維
横断面の変形比Kは 1.8±0.1 となるように、主として
ポリマーの溶融温度で調整を行い、得られる繊維の物性
が下記範囲となるよう吐出量、延伸倍率、加熱延伸ロー
ラ温度を変更し、微調整した。 繊度 : 49.0±1.0 d 強度 : 4.5g/d以上 伸度 : 33.0±3 % 沸水収縮率: 7.0±1 % その結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明の異形断面繊維の直接紡糸延伸方
法によれば、凹部を1個以上有し、変形比の大きい異形
断面繊維を、油剤特性、紡糸張力等を規制することによ
り、糸切れ、毛羽、染斑等の発生もなく、しかも低コス
トで得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直接紡糸延伸方法の一実施態様を示す
概略工程図である。
【図2】本発明で製造される異形断面繊維の例を示す横
断面模式図である。
【図3】凹部を有さない異形断面繊維の例を示す横断面
模式図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 糸条 3 冷却装置 4 第1の油剤付与装置 5 流体処理装置 6 張力コントローラ 7 第2の油剤付与装置 8 加熱引取りローラ 9 分離ローラ 10 加熱延伸ローラ 11 分離ローラ 12 捲取機 13 パッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/62 301 P 7199−3B G 7199−3B 303 F 7199−3B D02J 1/22 K H (72)発明者 角野 和康 愛知県豊田市住吉町前邸47 (72)発明者 野田 靖 愛知県岡崎市舳越町上川成1

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸横断面形状が、凹部を1個以上有
    し、かつ、変形比Kが1.25以上である糸条を直接紡糸延
    伸するに際し、糸条を第1の油剤付与装置で集束しなが
    ら、25℃における転相粘度が200 センチポイズ以下で、
    かつ、浸透性が400 秒以下の水系油剤を付与した後、第
    2の油剤付与装置で非水系油剤を付与するとともに、加
    熱引取りローラ前の糸条張力を0.05〜0.6 g/dの範囲
    として、加熱引取りローラで引取り、次いで加熱引取り
    ローラと加熱延伸ローラとの間で延伸し、捲取ることを
    特徴とする異形断面繊維の直接紡糸延伸方法。
  2. 【請求項2】 加熱引取りローラとの糸条接触時間を0.
    02秒以上とする請求項1記載の異形断面繊維の直接紡糸
    延伸方法。
  3. 【請求項3】 加熱引取りローラ周表面から20mm離れた
    位置の雰囲気温度T(℃)が、Tg−15≦T≦Tg+10
    0 〔Tg:ガラス転移温度(℃)〕を満足する請求項1
    又は2記載の異形断面繊維の直接紡糸延伸方法。
  4. 【請求項4】 繊維がポリエステルである請求項1、2
    又は3記載の異形断面繊維の直接紡糸延伸方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6480052B1 (ja) * 2018-03-13 2019-03-06 竹本油脂株式会社 合成繊維用処理剤の希釈液及び合成繊維の製造方法

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