JPH11131372A - ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法 - Google Patents

ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法

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JPH11131372A
JPH11131372A JP9588098A JP9588098A JPH11131372A JP H11131372 A JPH11131372 A JP H11131372A JP 9588098 A JP9588098 A JP 9588098A JP 9588098 A JP9588098 A JP 9588098A JP H11131372 A JPH11131372 A JP H11131372A
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oil
spinning
oil agent
treatment
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Toshishige Ezuka
利繁 江塚
Takahiro Sawada
貴大 沢田
Takayuki Imamura
高之 今村
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Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速紡糸法により、紡糸引取り後の単糸繊度
が1.0d以下のポリエステル極細マルチフィラメント
を製造する方法において、紡糸張力を低く抑えることが
でき、容易にかつ安定して均斉度の高い極細マルチフィ
ラメントを得ることができる方法を提供する。 【解決手段】 紡糸速度2500〜4000m/分の速
度で溶融紡糸し、交絡処理を施した後、糸条を引取ロー
ラで引取る前に、交絡処理前の工程と交絡処理後の工程
で油剤付与を行い、紡糸引取り後の単糸繊度が1.0デ
ニール以下でフィラメント数が50〜400のポリエス
テル極細マルチフィラメントを得る方法において、エチ
レンオキシドとプロピレンオキシドの共重合ポリエーテ
ルを特定量含有する油剤を、交絡処理前の油剤付与工程
では油剤濃度が2〜8重量%の水エマルジョン油剤と
し、交絡処理後の油剤付与工程では油剤濃度が2〜20
重量%の水エマルジョン油剤とし、紡糸引取り後の糸条
に対する油剤付着量が0.3〜1.2重量%となるよう
に付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸引取り後の単
糸繊度が1.0 デニール(d)以下となるポリエステル極
細マルチフィラメントを、高速紡糸法で安定して連続的
に製造する溶融紡糸方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、ポリアミド等に代表され
る合成繊維であって、単糸繊度が1.0d以下の極細繊維
を製造する方法としては、以下に示すものが提案されて
いる。 (1)海島型複合繊維を製造し、複合繊維の海成分を溶
解除去する方法(特公昭48−25362 号公報)、(2)接
合型複合繊維を割繊する方法(特開昭51−130317号公
報)、(3)通常の紡糸、延伸工程において、延伸倍率
を高くして延伸することにより糸条を細化して極細繊維
とする方法(特開昭55−26201 号公報)、(4)紡糸速
度2500m/分以上の高速度で紡糸し、高度に配向された
極細繊維を得る方法(特開昭54−30924 号公報)。
【0003】これらの方法のうち、(1)と(2)の方
法は、特殊な紡糸装置が必要となり、しかも2種類以上
のポリマ−を使用して、溶解、割繊等の処理を行なわな
ければならないため非常にコストが高くなり、さらには
工業的に均一な極細繊維を製造するのが非常に困難であ
るという欠点がある。
【0004】(3)の方法では、単糸繊度が小さくなる
につれて繊度斑が大きくなったり、延伸中の糸条の切断
が増加したりして、操業性が悪化し、収率が低くなると
いう問題がある。
【0005】これらに対して、(4)の高速紡糸法によ
ると、口金に穿孔された紡糸孔1孔あたりの吐出量が増
大することや、紡糸張力の増大に伴って口金下流の糸揺
れが緩和されること、さらには高い配向度などの効果に
よって繊度斑が小さくなり、比較的簡単に極細繊維を得
ることができるという利点がある。
【0006】しかしながら、単糸繊度が小さくなるほ
ど、またフィラメント数が多くなるほど紡出糸条に作用
する空気抵抗が飛躍的に増大するため、紡糸張力が高く
なりすぎるとドラフト切れが生じたり、また随伴流の発
生も増大し、糸揺れが大きくなって糸条の繊度斑が大き
くなり、均斉度が悪化するという問題がある。
【0007】そこで、従来、高速紡糸で極細繊維を製造
する方法においては、紡糸口金に穿孔される吐出孔の配
列方法を工夫したり、冷却後の糸条が走行中に受ける空
気抵抗をできるだけ抑え、紡糸張力を抑える方法や、糸
条の冷却速度を制御する方法が採用されており、これら
の方法によって紡糸引取り後の単糸繊度が0.5 d程度の
極細繊維の製造が可能になった。しかしながら、紡糸引
取り後の単糸繊度が2〜3dの一般糸と比較すると、紡
糸、巻取工程での糸切れ率が高く、また、巻き上がった
パッケージに単糸切れやたるみ糸が混在したり、得られ
た糸条は均斉度が悪いなどの問題が多かった。
【0008】紡糸速度2500m/分以上の高速度で単糸繊
度1.0 d以下の極細マルチフィラメントを製造するに際
し、糸条の均斉度を向上させ、紡糸、巻取工程での糸切
れを減少させるには、紡糸張力を低く抑えることが必要
であり、特に紡糸糸条の集束点となる油剤付与工程にお
いて糸条に与える抵抗を抑えることが必要である。
【0009】特開昭56−107006号公報には、2500m/分
以上の高速度で溶融紡糸し、繊度0.7 d以下の極細マル
チフィラメントを製造するに際し、2段階以上の油剤付
与工程で油剤を付与した後、引取る方法が記載されてい
る。この方法では、1段目のオイリングローラと2段目
のオイリングローラの間に複数の集束ガイドを設け、こ
のガイドに糸条を交互に押しつけることによって、紡糸
張力の増大を抑制している。しかしながら、この方法に
おいては、油剤の成分や濃度、付着量について考慮して
いないため、糸条に均一に油剤を付与することができ
ず、また、複数の集束ガイドを経るため、この間に糸切
れが生じやすく、均斉度に優れた繊維を得ることが困難
であった。
【0010】また、油剤付与工程で糸条に与える張力を
抑えるために、ローラ式油剤付与装置よりも紡糸張力を
低くできるガイド式油剤付与装置を使用する方法などが
提案されており、特開昭59−168112号公報には、全円周
に油剤吐出孔を設けた円形の集束ガイドを用いる方法が
提案されている。この方法は、紡糸張力を低く抑えるこ
とができ、油剤を均一に付与することもできるが、特殊
な形状のセラミックガイドを必要とするため非常にコス
ト高となるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決し、高速紡糸法により、紡糸引取り後の単糸
繊度が1.0 d以下のポリエステル極細マルチフィラメン
トを製造する方法において、特殊な装置等を必要とせ
ず、紡糸張力を低く抑えることができ、単糸切れやたる
みがなく、良好なパッケージに巻き取れ、繊度斑のない
均斉度の高い極細マルチフィラメントを操業性よく得る
ことができる方法を提供することを技術的な課題とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、紡糸した糸条
を引取ローラで引取る前に、成分及び濃度を特定のもの
とした油剤を交絡処理前の工程と交絡処理後の工程にお
いて付与し、特定の付着量となるようにすることによっ
て、紡糸張力が低く抑えられ、上記課題を解決できるこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0013】すなわち、本発明は、紡糸速度2500〜4000
m/分の速度で溶融紡糸し、交絡処理を施した後、糸条
を引取ローラで引取る方法であって、交絡処理前の工程
と交絡処理後の工程で油剤付与を行い、紡糸引取り後の
単糸繊度が1.0 デニール以下でフィラメント数が50〜40
0 のポリエステル極細マルチフィラメントを得る方法に
おいて、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重
合ポリエーテルを85重量%以上、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテルを2〜10重量%含有する油剤を、交絡処
理前の油剤付与工程では油剤濃度が2〜8重量%の水エ
マルジョン油剤とし、交絡処理後の油剤付与工程では油
剤濃度が2〜20重量%の水エマルジョン油剤とし、紡糸
引取り後の糸条に対する油剤付着量が0.3 〜1.2 重量%
となるように付与することを特徴とするポリエステル極
細マルチフィラメントの溶融紡糸方法を要旨とするもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルとは、エチレンテレフタレ
ート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルを主
な対象とするが、その性質を本質的にかえない範囲で、
第3成分として、例えばイソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等のジカルボン酸、プロピレングリ
コール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等のジオール類を共重合し
たコポリエステルでもよい。また、その性質を本質的に
かえない範囲であれば、艶消し剤、安定剤、着色剤、難
燃剤、表面改良剤等を添加したものでもよい。
【0015】本発明は、紡糸引取り後の単糸繊度が1.0
デニール以下でフィラメント数が50〜400 のポリエステ
ル極細マルチフィラメントを得る方法であって、紡糸速
度2500〜4000m/分の速度で溶融紡糸することが必要で
ある。紡糸速度が2500m/分未満の低速度では、延伸倍
率を高くすることが必要になり、延伸斑が増大したり、
糸切れが発生し、操業性が悪化する。また、吐出量が少
なくなることにより繊度斑も増大する。一方、4000m/
分を超える高速になると、空気抵抗の増大により紡糸張
力が増大するため、糸切れが多発し、操業性が悪化し、
均斉度の高い繊維を得ることができない。
【0016】そして、本発明においては、紡糸速度2500
〜4000m/分の速度で溶融紡糸し、糸条を引取ローラで
引取る前に、交絡処理前の工程と交絡処理後の工程で油
剤を付与することが必要である。交絡処理前の工程にお
ける油剤の付与は、主に紡糸口金より吐出された集束さ
れていない糸条を集束させるために行うものである。一
方、交絡処理後の工程における油剤の付与は、主に延伸
仮撚り等の後工程や製編織等の後加工時に糸切れや毛羽
が生じないようにするために行うものである。また、本
発明は、交絡処理の前後において油剤を付与するもので
あるが、交絡処理後の油剤の付与に加えて、さらに、後
加工を円滑に行う目的で交絡処理後の工程で油剤の付与
を行ってもよい。
【0017】交絡処理前後の油剤付与工程で付与する油
剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合
ポリエーテル(PO/EOポリエーテル)を85重量%以
上、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルを
2〜10重量%含有するものであり、交絡処理前の油剤付
与工程では、油剤濃度が2〜8重量%の水エマルジョン
油剤、交絡処理後の油剤付与工程では、油剤濃度が2〜
20重量%の水エマルジョン油剤として糸条に付与する。
【0018】PO/EOポリエーテルの含有量が85重量
%未満の油剤であると、糸条の集束性が悪くなる。ま
た、脂肪酸エステルや鉱物油を主成分とする油剤では、
摩擦係数は低くなるものの、後加工、特に延伸仮撚りに
おいて発煙やヒータ汚れの原因となる。
【0019】さらに、POEアルキルエーテルを含有さ
せると、糸条に対する油剤の付着性能が向上し、低濃
度、低付与量でも後工程に必要な油剤付着量を確保する
ことができる。POEアルキルエーテルの含有量が2重
量%未満の油剤であると、糸条に対する油剤の付着性能
が低くなり、後工程に必要な油剤付着量を確保できず、
延伸仮撚等の後工程時に糸切れが多発し、操業性が悪化
し、均斉度の高い繊維を得ることができなくなる。一
方、POEアルキルエーテルの含有量が10重量%を超え
ると、粘度が高くなるため、水エマルジョン油剤とした
場合でも流体摩擦抵抗が大きくなり、紡糸張力が増大し
て、糸切れが多発し、均斉度の高い繊維を得ることがで
きなくなる。
【0020】POEアルキルエーテルとしては、水への
溶解度、粘度、付着性、摩擦抵抗の面から、一般に合成
繊維用油剤の添加剤として用いられているPOEの繰り
返し単位が2〜10、アルキル基を構成する炭素数が5〜
15のものが好ましく、例えば、ペンタオキシエチレンラ
ウリルエーテルなどが好ましく用いられる。
【0021】また、本発明に用いられる油剤には第三成
分として、アルキルスルホネートNa、アルキルホスフ
ェートKなどの制電剤、シリコンなどの乳化剤、酸化防
止剤などを含有させてもよい。
【0022】これらの成分からなる油剤を、交絡処理前
の工程においては、濃度が2〜8重量%の水エマルジョ
ン油剤とし、交絡処理後の工程においては、濃度が2〜
20重量%の水エマルジョン油剤として付与する。前記の
ように、交絡処理前と交絡処理後で油剤を付与する目的
が異なり、まず、交絡処理前の工程における油剤付与
は、紡糸され、集束されていない糸条へ油剤を付与する
ものである。このため、流体摩擦による糸条へのダメー
ジを極力少なくし、単糸切れや繊度斑が生じないよう
に、低濃度の油剤を付与するものであり、一方、交絡処
理後の工程における油剤付与は、すでに油剤が付与さ
れ、集束された糸条に行うものであるため、交絡処理前
の工程で付与した油剤よりも高濃度の油剤を用いること
ができる。
【0023】交絡処理前の工程において、濃度が2重量
%未満の水エマルジョン油剤であると、水分による表面
張力のため、オイリングローラ上や給油ガイドの導入溝
上で油膜が斑になるなど、糸条に均一に油剤が付与され
なくなる。また、油剤濃度が8重量%を超えると、油剤
の粘度が高くなるため、摩擦抵抗が大きくなり、紡糸張
力が増大し、単糸切れが生じ、繊度斑の生じた繊維とな
る。
【0024】交絡処理後の工程においては、油剤濃度が
2〜20重量%の水エマルジョン油剤を付与する。交絡処
理前の工程の場合と同様、油剤濃度が2重量%未満の水
エマルジョン油剤であると、水分による表面張力のた
め、オイリングローラ上や給油ガイドの導入溝上で油膜
が斑となるなど、糸条に均一に油剤が付与されなくな
る。一方、油剤濃度が20重量%を超えると、油剤のエマ
ルジョン性が悪くなり、糸条に均一に油剤が付与されな
くなる。
【0025】本発明において、油剤を付与する方法は特
に限定されるものではなく、オイルバスに油剤を供給
し、これに浸漬したローラを回転させてローラ表面に油
膜を形成し、これに糸条を接触させることによって給油
するローラ式オイリング法、定量ギアポンプで油剤を計
量し、吐出孔を有する糸道ガイドから給油するガイド式
オイリング法、圧縮空気中に油剤を混入させ、糸条に噴
霧して付与するアトマイザー式オイリング法など任意の
方法を採用することができる。なお、交絡処理前の工程
における油剤付与では、流体摩擦による糸条へのダメー
ジを極力少なくするため、ローラ式オイリング法を採用
する場合には、ローラの回転数を低くすることが好まし
く、ガイド式オイリング法では油剤の吐出量をあまり増
加させないように調整することが好ましい。
【0026】そして、上記のような交絡処理後の油剤付
与工程において、紡糸引取り後の糸条に対する油剤付着
量が0.3 〜1.2 重量%となるように付与する。油剤付着
量が0.3 重量%未満では糸条の集束性が悪くなり、毛羽
や糸切れの原因となる。また、1.2 重量%を超えると、
後工程、特に延伸仮撚等の工程においてヒータの汚れや
発煙といったトラブルが生じる。
【0027】次に、本発明を図面を用いて説明する。図
1は、本発明のポリエステル極細マルチフィラメントの
溶融紡糸方法の一実施態様を示す概略工程図である。紡
糸口金1より吐出された糸条Yは、冷却装置2で冷却固
化され、交絡処理前の1段目の油剤付与工程として油剤
付与装置3で油剤を付与された後、集束ガイド4および
交絡処理装置5を介して集束される。集束された糸条
は、交絡処理後の2段目の油剤付与工程として油剤付与
装置6で再び油剤を付与され、引取りローラ7A、7B
を介して、巻取装置8で巻取られる。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。なお、実施例中における油剤付着量、紡糸張力の
測定、操業性、均斉度の評価は次のように行った。 〔油剤付着量〕得られた糸条を2g精秤し(X)、エタ
ノール10mlで油剤を十分抽出する。抽出液を精秤した
アルミプレート上、102 ℃で10分間乾燥した後、重量を
測定し(Y)、次式で求めた。 油剤付着量(%)=(Y/X)×100 〔紡糸張力〕ROTHSCHILD社製のELECTR
ONIC TENSIONMETER R−3192を
使用し、図1に示す交絡処理装置5の下方20cmの位置で
測定した値を示す。 〔操業性〕16錘で操業を行い、1日あたりの(1) 紡糸糸
切れ回数、下記式によって算出される (2)パッケージの
欠点率により評価した。それぞれ以下に示すような基準
で4段階評価とした。 (1) 紡糸糸切れ回数 1回未満:◎ 1〜2回:○ 3〜4回:△ 5回以上:× (2) パッケージの欠点率 目視にて毛羽やループをカウントし、合計で3個以上あ
るものを不良パッケージとし、次式で算出した。 パッケージの欠点率(%)=(不良パッケージ数/総パ
ッケージ数)×100 1%未満 :◎ 1〜2%未満:○ 2〜3%未満:△ 3%以上 :× 〔均斉度〕得られた糸条のウースター斑UをZELLW
EGER USTER社のUSTER TESTER
UT−1を使用し、糸速度25m/分、チャート速度5cm
/分で測定し、測定値により次の4段階評価とした。 1%未満 :◎ 1〜2%未満:○ 2〜3%未満:△ 3%以上 :×
【0029】実施例1〜8、比較例1〜7 極限粘度〔η〕(フェノールと四塩化エタンとの等重量
混合物を溶媒として20℃で測定した) が0.68で、艶
消し剤として酸化チタンを0.40重量%含有したポリエチ
レンテレフタレートを用い、図1に示す工程に従って、
ポリエステル極細マルチフィラメントを溶融紡糸し、巻
き取った。なお、紡糸口金は、直径0.15mmの紡糸孔を15
0 個有するものを用い、吐出量30.0g/分で吐出した。
紡糸速度3500m/分の速度で溶融紡糸し、糸条を引取ロ
ーラで引取る前に交絡処理前後の2段階の油剤付与工程
で油剤を付与した。引取り後の糸条に対する油剤付着量
が0.8重量%となるように油剤を付与し、単糸繊度0.5
dの糸条を得た。交絡処理前の1段目のオイリング装置
3は紡糸口金より1000mm下流の位置に、交絡処理後の2
段目のオイリング装置5は引取りローラ6より1000mm上
流の位置にそれぞれ配設し、オイリング装置3、5とも
に、直径150mm のローラ式オイリング装置を用いた。ま
た、この時用いた油剤の成分と濃度、油剤付与条件(ロ
ーラ回転数)を表1に示すように種々変更して行った。
POEアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテルを用いた。紡糸張力、操業性、得られ
た糸条の油剤付着量、均斉度の結果を表1に示す。
【0030】実施例9、10 紡糸口金の紡糸孔数(実施例9は55個、実施例10は
368個)、吐出量(実施例9は11g/分、実施例1
0は74g/分)を変更し、油剤付与条件(ローラ回転
数)を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様
にして行った。紡糸張力、操業性、得られた糸条の油剤
付着量、均斉度の結果を表1に示す。
【0031】実施例11、12 吐出量(実施例11は53g/分、実施例12は18g
/分)を変更し、油剤の濃度と付与条件(ローラ回転
数)を表1に示すように変更し、単糸繊度が実施例11
は0.9d、実施例12は0.3dの糸条を得た以外
は、実施例1と同様にして行った。紡糸張力、操業性、
得られた糸条の油剤付着量、均斉度の結果を表1に示
す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、実施例1〜12で
は、紡糸張力も低く、糸切れ回数も少なかったため、良
好にパッケージに巻き取ることができ、得られた糸条は
均斉度の高いものであった。一方、比較例1は、付与し
た油剤がPO/EOポリエーテルの含有量が少ないもの
であったため、糸条の集束性が悪くなり、糸切れが生
じ、パッケージにたるみ糸が混在し、パッケージ欠点率
が高くなった。比較例2は、付与した油剤がPOEアル
キルエーテルを含んでいなかったため、糸条に対する油
剤の付着性能が低くなり、後工程に必要な油剤付着量を
確保するためにローラの回転数を上げた結果、紡糸張力
が増大し、比較例3は、付与した油剤がPOEアルキル
エーテルの含有量が多すぎたため、油剤の粘度が高くな
り、摩擦抵抗が大きくなって、紡糸張力が増大し、とも
に糸切れが多発し、パッケージ欠点率も高く、均斉度の
高い繊維を得ることができなかった。比較例4では1段
目の油剤付与工程における油剤の濃度が低すぎたため、
比較例6では2段目の油剤付与工程における油剤の濃度
が低すぎたため、オイリングローラ上で油膜が斑にな
り、糸条に均一に油剤が付与されず、糸切れが多発し、
パッケージ欠点率も高く、均斉度の高い繊維を得ること
ができなかった。比較例5は、1段目の油剤付与工程に
おける油剤の濃度が高すぎたため、油剤の粘度が高くな
って摩擦抵抗が大きくなり、紡糸張力が増大した。比較
例7は、2段目の油剤付与工程における油剤の濃度が高
すぎたため、油剤のエマルジョン性が悪くなり、糸条に
均一に油剤が付与されず、ともに糸切れが多発し、パッ
ケージ欠点率も高く、均斉度の高い繊維を得ることがで
きなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリエステル極細マルチフィラ
メントの溶融紡糸方法によれば、高速紡糸法により、紡
糸引取り後の単糸繊度が1.0 d以下のポリエステル極細
マルチフィラメントを容易にかつ安定して製造すること
ができ、しかも均斉度の高い極細マルチフィラメントを
得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル極細マルチフィラメント
の溶融紡糸方法の一実施態様を示す概略工程図である。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 冷却装置 3 1段目の油剤付与装置 4 集束ガイド 5 交絡処理装置 6 2段目の油剤付与装置 7 引取ローラ 8 巻取装置 Y 糸条
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D02G 1/02 D02G 1/02 B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡糸速度2500〜4000m/分の速度で溶融
    紡糸し、交絡処理を施した後、糸条を引取ローラで引取
    る方法であって、交絡処理前の工程と交絡処理後の工程
    で油剤付与を行い、紡糸引取り後の単糸繊度が1.0 デニ
    ール以下でフィラメント数が50〜400 のポリエステル極
    細マルチフィラメントを得る方法において、エチレンオ
    キシドとプロピレンオキシドの共重合ポリエーテルを85
    重量%以上、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを2
    〜10重量%含有する油剤を、交絡処理前の油剤付与工程
    では油剤濃度が2〜8重量%の水エマルジョン油剤と
    し、交絡処理後の油剤付与工程では油剤濃度が2〜20重
    量%の水エマルジョン油剤とし、紡糸引取り後の糸条に
    対する油剤付着量が0.3 〜1.2 重量%となるように付与
    することを特徴とするポリエステル極細マルチフィラメ
    ントの溶融紡糸方法。
JP9588098A 1997-08-26 1998-04-08 ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法 Pending JPH11131372A (ja)

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JP9588098A Pending JPH11131372A (ja) 1997-08-26 1998-04-08 ポリエステル極細マルチフィラメントの溶融紡糸方法

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JP (1) JPH11131372A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103046147A (zh) * 2012-11-22 2013-04-17 浙江亚星纤维有限公司 一种全消光细旦轻网络锦纶6dty的制造方法

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