JPH0514861Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、必要に応じて印字ハンマによる印
字圧を可変し得るラインプリンタに関するもので
ある。

［従来の技術］ 周知のようにラインプリンタでは一定の間隔を
もつて相対向させた印字ハンマと印字キヤラクタ
との間にリボンおよび用紙を介在させ、用紙の裏
面を印字ハンマにて印打することにより、印字を
行なうようになつている。また、通常、この種の
プリンタには、印字ハンマに供給する電流を調整
して、印字圧を調整するようにした印字圧調整手
段が設けられている。

この印字圧調整手段は、通常はカーボン紙等を
使用しての多数部打ちに使用される。

すなわち、オリジナル、２枚目、３枚目……と
用紙を重ねて印字する場合、２枚目より３枚目の
方が、当然、印字濃度がうすくなるため、上記調
整手段によつて発生する印字ハンマの駆動力を調
整することにより、最終枚に対しても明瞭な印字
が行なわれるよう印字圧を調整していた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来のラインプリンタにあつて
は、コピー枚数が少ない場合にはある程度濃度を
調整することができるが、コピー枚数が多数枚に
なると、用紙の厚さが増大し、用紙と印字ハンマ
との間隔が狭まるため、例え供給電流を増加させ
てコイルによる駆動力を増大させたとしても、印
字ハンマが十分に加速されず、さほど大きな印字
圧が得られなかつた。このため、従来では少数枚
のコピーに対してしか濃度調整を行なえないとい
う問題があつた。

この考案は前記問題点に着目して成されたもの
で、多数枚のコピーを取る場合にも適正な濃度調
整を行なうことのできるラインプリンタの提供を
目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案は、種々の印字キヤラクタを有するキ
ヤラクタバンドおよびリボンを保有するベースプ
レートと、供給電流に応じた駆動力により付勢さ
れる複数の印字ハンマを保持すると共に前記ベー
スプレートに対し前後動可能なハンマバンクとを
備えたラインプリンタにおいて、前記ベースプレ
ートを前後動させる移動手段と、印字ハンマの供
給電流を強弱に変更する電流調整手段と、操作に
より印字用紙の印字枚数を設定する設定手段と、
設定された印字用紙の枚数に応じて前記電流調整
手段を調整し、前記移動手段を作動させる制御手
段とを設けたものである。

［作用］ この考案に係るラインプリンタは、印字用紙枚
数の変更に対応した印字圧を得るようにするため
に移動手段と電流調整手段の２系統の印字圧調整
を持ち、設定手段に設定された印字用紙の枚数に
応じて印字圧調整範囲を大きく変化させることが
でき、１枚から多数枚までの複写枚数の大きな変
化に対応可能である。

さらに設定手段の設定を変更するだけで、これ
ら２系統の印字圧調整機構を用紙枚数の変更の度
に個別に手調整することなく自動的にそれぞれ適
宜に調整可能とした。

［考案の実施例］ 以下、この考案の一実施例を第１図ないし第３
図に基づき説明する。なお、第１図はこの実施例
における要部分解斜視図、第２図は第１図の側面
図、第３図は第２図の部分拡大図である。

各図において、１はベースプレートで、その前
面部には前方に突出する２個の保持部２，２が一
体的に形成されている。また、これら保持部２，
２の上端には案内棒３，３が固着部材４，４等に
よつて互いに平行に固着されている。５，５はベ
ースプレート１に形成された凸部１ａ，１ａの前
面に取付板６，６を介して固着したソレノイド
で、入力される電気信号に応じてピン５ａ，５ａ
を上下に移動させるようになつている。７，７は
所定の板厚を有するＬ字状のスペーサで、その底
面部７ａ，７ａは前記ピン６ａ，６ａの上端に固
着され、側面部７ｂ，７ｂは前記取付板６の前面
と接している。８，８はベースプレート１内に設
けられた一対のプーリで、その一方は不図示のバ
ンドモータによつて回転するようになつている。
９は種々の印字キヤラクタ９ａを形成して成るキ
ヤラクタベルトで、前記プーリ８，８の回転によ
りプラテン１０の外面に沿つて走行する。１１は
ベースプレート１に装着されたリボンカセツト
で、ここから引き出されたリボン１１ａは、回転
ローラ１２によりガイド部材１３，１３，１３に
沿つて走行する。なお、第２図、第３図に示すよ
うに、このリボン１１ａの外側に用紙Ｐがセツト
される。一方、１４は多数の印字ハンマ１５を並
設してなるハンマバンクで、前記ガイド棒３，３
に沿つて前後方向に移動可能となつている。な
お、このハンマバンク１４は、両側方に形成した
当接部１４ａが、ベースプレート１の取付板６ま
たはスペーサ７の側面部７ｂに当接する位置まで
移動可能となつている。また、１６はハンマバン
ク１４の側面に固着したセンサ板で、ハンマバン
ク１４の移動位置に応じてベースプレート１側に
設けたホトセンサ１７をON，OFFさせるように
なつている。すなわち、ハンマバンク１４がベー
スプレート１に当接している場合には、センサ板
１６の凹部１６ａがホトセンサ１７の投受光器間
に位置し、ハンマバンク１４をベースプレート１
から離開させた場合にはセンサ板１６の凸部１６
ｂが投受光器間に位置するようになつており、こ
の実施例では、このホトセンサ１７からの出力信
号を用いてハンマバンク１４の位置検出を行なつ
ている。

なお、前記ハンマバンク１４に設けられた印字
ハンマ１５は、従来同様、駆動コイルによつて駆
動されるものである。

以上の構成に基づき次に作用を説明する。

印字を行なうに際し、操作者は、まず第１図ｂ
に示す操作パネル１８の各ボリユーム１９，２０
およびオペレーシヨンキー２１を操作し、必要に
応じた設定を行なう。そして例えば、複数部打ち
を行なう場合には、コピー枚数設定ボリユーム１
９をパネル１８に印刷されている所定のコピー枚
数目盛に合せる。この時、設定したコピー枚数が
１，２枚と少数の場合には、前述のソレノイド５
は作動せず、ベースプレート１の取付板６前面に
ハンマバンク１４の当接部１４ａを当接させた状
態で図外のラツチ機構によりハンマバンク１４を
固定して印字を行なう。印字動作時にはボリユー
ム１９（設定手段）によつて設定された枚数を読
み込み図外の制御手段によりこれに対応する印字
ハンマ駆動電流値を求め、電流調整手段によりこ
れに対応する供給電流を駆動コイルに供給し、そ
の電流値に応じた駆動力で印字ハンマ１５が移動
するが、この場合、用紙Ｐの厚みはさほど厚くな
く、用紙Ｐと印字ハンマ１５との間には、印字ハ
ンマ１５が駆動コイルの駆動力によつて十分に加
速されるだけの間隔があるため、適度な濃度で印
字を行なうことができる。

これに対し、コピー枚数が多い場合には、用紙
の厚みが増加するため、前述と同様にハンマバン
ク１４の当接部１４ａをベースプレート１の取付
板６前面に当接させたのでは先の従来技術にて説
明したように用紙Ｐと印字ハンマ１５との間に印
字ハンマ１５を加速するための十分な間隔が得ら
れず、供給電流に応じた印字圧は得られない。そ
こで、この実施例では、コピー枚数がある一定枚
数、すなわち印字ハンマ１５が十分に加速し得な
い厚みとなるコピー枚数（例えば５，６枚）がボ
リユーム１９によつて設定された場合には、図外
の制御回路（制御手段）よりソレノイド５に駆動
信号が供給されてピン５ａと共にスペーサ７が上
昇するようになつている。これによりハンマバン
ク１４をベースプレート１側へ最大限引きよせ、
ラツチ機構にて固定した場合にもハンマバンク１
４の当接部１４ａはベースプレート１の取付板６
と直接接触せず、その間にはスペーサ７が介在す
ることとなる。従つて、用紙の厚みが増しても、
用紙Ｐと印字ハンマ１５との間は、印字ハンマ１
５を加速するに十分な距離に保たれ、駆動コイル
へ供給した電流に対応する適正な印字圧を得るこ
とができる。

なお、最初に少数枚のコピー枚数を設定してハ
ンマバンク１４をラツチし、その後、ボリユーム
１９を設定し直した場合には、当接部１４ａと取
付板６とが密接しているにも係わらずスペーサ７
が上昇してしまい、ソレノイドに必要以上の負荷
がかかると共にスペーサ７が破損するおそれがあ
るため、この実施例では先にも述べたようにセン
サ板１６とホトセンサ１７とによつてハンマバン
ク１４の位置を検出し、ハンマバンク１４の当接
部１４ａがベースプレート１の取付板６に当接し
ている場合には、例え、ボリユーム１９を多数枚
に設定し直したとしてもソレノイド５が駆動され
ないように制御している。

［考案の効果］ 以上説明したとおり、この考案によれば印字用
紙枚数の変更に対応した印字圧を得るようにする
ために、ラインプリンタのベースプレートとハン
マバンクとの距離を調整可能とし、また印字ハン
マの供給電流を調整可能として２系統の印字圧調
整機能を持ち、印字用紙の枚数に応じて印字圧調
整範囲を大きく変化させることができ、１枚から
多数枚までの複写枚数の大きな変化に対応可能で
ある。

さらにこれら２系統の印字圧調整機構を用紙枚
数の変更の度に個別に手調整するのでは煩わしい
ため、本願考案では設定手段の設定を変更するだ
けで自動的に各機能を適宜に調整可能としたこと
により、作業者の煩わしい調整作業を一切不要と
することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはこの考案の要部を示す分解斜視図、
同図ｂは操作パネルを示す斜視図、第２図は第１
図に示したものの側面図、第３図は第２図に示し
たものの部分拡大図である。 １……ベースプレート、５……ソレノイド、６
……取付板、９……キヤラクタバンド、９ａ……
印字キヤラクタ、１１……リボンカセツト、１１
ａ……リボン、１４……ベースプレート、１５…
…印字ハンマ、Ｐ……用紙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 種々の印字キヤラクタを有するキヤラクタバン
   ドおよびリボンを保有するベースプレートと、供
   給電流に応じた駆動力により付勢される複数の印
   字ハンマを保持すると共に前記ベースプレートに
   対し前後動可能なハンマバンクとを備えたライン
   プリンタにおいて、 前記ベースプレートを前後動させる移動手段
   と、印字ハンマの供給電流を強弱に変更する電流
   調整手段と、 操作により印字用紙の印字枚数を設定する設定
   手段と、 設定された印字用紙の枚数に応じて前記電流調
   整手段を調整し、前記移動手段を作動させる制御
   手段と、 を備えたことを特徴とするラインプリンタ。