JPH05147547A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JPH05147547A
JPH05147547A JP35968691A JP35968691A JPH05147547A JP H05147547 A JPH05147547 A JP H05147547A JP 35968691 A JP35968691 A JP 35968691A JP 35968691 A JP35968691 A JP 35968691A JP H05147547 A JPH05147547 A JP H05147547A
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steering
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Masamitsu Sakai
正光 阪井
Waichiro Ijiri
和一郎 井尻
Osamu Sano
修 佐野
Yoshitaka Shimamura
剛毅 島村
Yoshiaki Hamazaki
善明 浜崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 舵輪をロック状態に維持した場合に油圧ポン
プから操舵補助用の油圧アクチュエータに至る油路中に
高圧力が発生すること、また作動油の温度が上昇するこ
とを防ぎ、油圧ポンプの焼付き、配管系各部での油漏れ
等、信頼性の低下を招く不都合の発生を未然に解消す
る。 【構成】 油圧発生源となる油圧ポンプ1と、舵取機構
4中に構成した操舵補助用のパワーシリンダ2との間
に、舵輪43の操作に応じて油圧の給排制御を行なう油圧
制御弁3を配する。油圧ポンプ1から油圧制御弁3に至
る給油路11を油タンクTにバイパスするバイパス油路6
を設け、このバイパス油路6の中途にソレノイドバルブ
6aを配する。舵取機構4がその動作端にあることを検出
する位置センサ7,7をラック軸41を収納するラックハ
ウジング40の両側に設け、また舵輪軸44の回転を媒介と
して舵取機構4が動作中であることを検出する動作セン
サ8を設ける。位置センサ7,7及び動作センサ8の出
力を開閉制御部9に与え、該開閉制御部9の出力により
ソレノイドバルブ6aを開閉せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、舵取機構中に配した油
圧アクチュエータの発生力により舵取り操作を補助する
油圧式の動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車においては、舵取りのため
の舵輪(ステアリングホィール)操作に要する労力負担
を軽減して快適な操舵感覚を得るべく、動力舵取装置
(パワーステアリング装置)が広く普及している。この
動力舵取装置は、操舵補助力の発生源として油圧アクチ
ュエータを用いる油圧式と、同じく電動モータを用いる
電動式とに大別される。
【0003】図1は、ラック・ピニオン式の舵取機構を
備えた車両における油圧式の動力舵取装置の一般的な構
成を示す模式図である。図示の如くこの動力舵取装置
は、油圧発生源となる油圧ポンプ1と、操舵補助力を発
生するパワーシリンダ(油圧アクチュエータ)2と、両
者の間に介装された油圧制御弁3とを備えてなる。
【0004】ラック・ピニオン式の舵取機構4は、車体
の左右方向に延設されたラックハウジング40に軸長方向
への摺動自在にラック軸41を収納し、ラックハウジング
40の両側に突出するラック軸41の両端を、左右一対の操
向車輪5,5のナックルアーム5a,5aに夫々連結する一
方、ラックハウジング40の中途にこれに交叉する態様に
て連設したギヤハウジング42の内部に、舵輪(ステアリ
ングホィール)43の下側に延設された舵輪軸(ステアリ
ングコラム)44の下端を侵入させ、該端部に固設した図
示しないピニオンをラック軸41の中途に噛合せしめてな
る。
【0005】前記パワーシリンダ2は、ラックハウジン
グ40の中途に両側を液密に封止したシリンダ室を設け、
このシリンダ室中にラック軸41に固設したピストンを配
し、ラック軸41そのものを出力ロッドとして構成されて
いる。また前記油圧制御弁3は、舵輪43に加わる操舵ト
ルクにより舵輪軸44に生じる捩れを利用して油圧の給排
動作をなすべく、前記舵輪軸44の中途に構成されてい
る。
【0006】油圧制御弁3は、給油路11を介して前記油
圧ポンプ1の吐出側に接続され、またリターン油路12を
介して前記油タンクTに接続されていると共に、各別の
送油路13,14を介して前記パワーシリンダ2の左右の油
室に夫々接続されている。油圧ポンプ1は、エンジンE
により駆動されており、油タンクTに収納された作動油
を吸込油路10を経て吸込み、この作動油を昇圧して給油
路11を経て油圧制御弁3に供給する動作をなす。
【0007】前記油圧制御弁3は、給油路11を経て供給
される圧油を、パワーシリンダ2の両油室に夫々接続さ
れた送油路13又は送油路14と、油タンクTに接続された
リターン油路12とに分配する動作をなし、パワーシリン
ダ2は、送油路13又は送油路14を経て送給される油圧に
対応する油圧力(操舵補助力)を発生し、これをラック
ハウジング40内部のラック軸41に加えて、該ラック軸41
の摺動が各別のナックルアーム5a,5aに伝達されて行な
われる左右の操向車輪5,5の操向、即ち、舵取機構4
による舵取り動作が補助される。
【0008】油圧制御弁3における前記分配の割合は舵
輪軸44に生じている捩れの大きさに応じて決定され、送
油路13,14のいずれに分配されるかは前記捩れの方向に
応じて決定される。従って、操向車輪5,5に作用する
大なる路面反力に抗して舵取りが行なわれる停止時又は
低速走行時には、舵輪軸44の捩れが大きいため、油圧制
御弁3への供給油の大部分がパワーシリンダ2に送給さ
れ、舵輪43の操作方向に大なる操舵補助力が得られる一
方、操向車輪5,5に作用する路面反力が小さい高速走
行時には、舵輪軸44の捩れが小さいため、油圧制御弁3
への供給油の大部分はパワーシリンダ2に送給されるこ
となく油タンクTに還流し、操舵補助力は殆ど得られな
い。
【0009】なお、以上の動作に応じてパワーシリンダ
2の他方の油室内の作動油は、送油路14又は送油路13内
に押し出されて油圧制御弁3に戻り、該油圧制御弁3の
内部において前述の如く生じる還流油に合流して、リタ
ーン油路12を経て油タンクTに還流するようになってお
り、これらの還流油は、吸込油路10を経て再度油圧ポン
プ1に吸込まれて循環使用される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】さて自動車の舵取りに
際しては、例えば、車庫入れ又は幅寄せ等、限られたス
ペース内での位置変えのため、停止又は低速状態におい
て左右の操向車輪5,5に可及的に大なる操向角を得る
べく舵取り操作が行なわれることがあり、この場合前述
した油圧制御弁3の動作により、パワーシリンダ2の対
応する油室に十分な量の圧油が送給されて大なる操舵補
助力が得られるが、舵取機構4がこれの動作端(ロック
位置)に達した後においては、前記油室への圧油の受け
入れができなくなるため、油圧ポンプ1から油圧制御弁
3に供給される圧油は、その全量が油圧ポンプ1に付設
されたリリーフバルブの動作により油タンクTに還流す
ることになる。
【0011】このとき、油圧ポンプ1の内部において
は、前記リリーフバルブを経て油タンクTに還流し、吸
込油路10から再度油圧ポンプ1に吸込まれる循環が生
じ、舵取機構4がロック位置にて保持されたロック状態
が継続した場合、前記循環油の温度上昇により、油圧ポ
ンプ1の焼付き、配管系各部での油漏れ等、信頼性の低
下を招く種々の不都合が発生する上、この間、油圧ポン
プ1を駆動するエンジンEに無為な動力負担を強いるこ
とになり、燃費の低下を招来する難点があった。
【0012】特に近年においては、操舵補助力の発生源
となる油圧アクチュエータ(パワーシリンダ2)の小型
化を図るべく、定常動作時における油圧ポンプ1の発生
圧力は高めに設定される傾向にあり、前述した不都合が
発生する虞は増している。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、ロック状態の継続中における高圧の発生を回避
し、これに伴う信頼性の低下を防ぐことができ、また燃
費の向上を図り得る動力舵取装置を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る動力舵取装
置は、舵輪操作に応じた油圧制御弁の動作により油圧ポ
ンプの発生油圧を油圧アクチュエータに送給し、該油圧
アクチュエータが発生する操舵補助力を車両の舵取機構
に加え、該舵取機構の動作を補助する構成とした動力舵
取装置において、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュ
エータに至る油路の中途を低圧部にバイパスするバイパ
ス油路と、該バイパス油路を開閉する開閉手段と、前記
舵取機構がその動作端の近傍にあることを検出する位置
センサと、前記舵取機構が動作中であることを検出する
動作センサと、前記位置センサ、又は該位置センサ及び
前記動作センサの検出結果に基づいて前記開閉手段の開
閉制御を行なう制御部とを具備することを特徴とする。
【0015】そして前記開閉制御は、位置センサの検
出,非検出に応じて開放,閉止を夫々なすべく行なわれ
ること、また、位置センサが検出状態にあると共に動作
センサが非検出状態にある場合に開放し、動作センサの
検出状態への復帰に応じて閉止すべく行なわれることを
特徴とする。
【0016】また、位置センサに代えて油路の内圧を検
出する圧力センサを備え、前記開閉制御は、この圧力セ
ンサの検出圧力が所定値を超えた状態が所定時間継続す
ると共に動作センサが非検出状態にある場合に開放し、
動作センサの検出状態への復帰に応じて閉止すべく行な
われることを特徴とする。
【0017】更には、車両の走行速度を検出する車速セ
ンサを備え、これの検出車速が所定値を超えた状態にあ
る場合に、前述した夫々の制御動作を中断するようにし
たことを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明においては、舵取機構の動作位置が特定
位置、即ち、その動作端(ロック位置)の近傍にあるか
否かを検出できる位置センサと、舵取機構が動作してい
るか否かを検出できる動作センサとを設け、これらのセ
ンサの検出結果に基づいて、油圧ポンプから操舵補助用
の油圧アクチュエータに至る油路を低圧部にバイパスす
るバイパス油路を開放して、ロック状態の継続により発
生する無用な高圧を低圧部に逃がし、この高圧に起因す
る不都合の発生を回避する。
【0019】なお、位置センサによる検出,非検出に応
じてバイパス油路の開閉することにより、簡素な構成に
て前述した目的を達成する。また位置センサによる検出
と動作センサによる非検出とが共になされた場合にバイ
パス油路を開放し、また動作センサによる動作状態の検
出がなされた場合にバイパス油路を閉止することによ
り、ロック状態への移行と非ロック状態への復帰とをよ
り確実に認識し、前述した目的を、高い精度と高い応答
性にて達成する。
【0020】更に、前記位置センサに代えて油路の内圧
を検出する圧力センサを備え、この圧力センサによる高
圧力の検出が所定時間継続し、しかも動作センサにより
舵取機構が非動作中であることが検出された場合にロッ
ク状態にあると判定する。これによりバイパス油路の無
為な開閉が行なわれず、前述した目的を安定して達成す
る。
【0021】更には、車速センサの検出車速が所定値を
超えている場合には、各センサの検出結果に基づくバイ
パス油路の開閉を行なわず、この開閉により生じる走行
中の操舵感覚の変化を防ぐ。
【0022】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図2は、本発明に係る動力舵取装置(以下
本発明装置という)の全体構成を示す模式図である。本
図は、図1に示す従来の動力舵取装置と同様、前述した
構成を有するラック・ピニオン式の舵取機構4における
構成例であり、本発明装置は、油圧の発生源となる油圧
ポンプ1と、操舵補助力を発生するパワーシリンダ2
と、両者間に介装された油圧制御弁3とを備えてなる。
【0023】油圧ポンプ1は、車両に搭載されたエンジ
ンEの出力端にVベルト等の適宜の伝動手段を介して連
結してあり、該エンジンEにより回転駆動されて、油タ
ンクT内の作動油を吸込油路10を介して吸込んで昇圧
し、吐出側に接続された給油路11中に吐出する動作をな
す。
【0024】またパワーシリンダ2は、ラックハウジン
グ40の中途に両側を液密に封止したシリンダ室を設け、
このシリンダ室中にラック軸41に固設したピストンを配
してなり、このピストン両側の油室間に生じる圧力差に
対応する油圧力を発生してラック軸41に加え、該ラック
軸41の摺動に伴って生じる操向車輪5,5の操向、即ち
舵取りを補助する動作をなす。
【0025】更に油圧制御弁3は、舵輪43の下方に連設
された舵輪軸44の中途に構成されており、前記給油路11
を介して油圧ポンプ1の吐出側に、またリターン油路12
を介して油タンクTに夫々接続されていると共に、パワ
ーシリンダ2の両油室に各別の送油路13,14を介して接
続されている。なお図2においては、図示の都合上、舵
輪軸44の上半部に油圧制御弁3を位置させたが、該油圧
制御弁3は、一般的には、舵輪軸44の下端においてラッ
ク軸41と噛合するピニオンを収納するギヤハウジング42
の内部に構成される。
【0026】油圧制御弁3の動作は、舵輪43の操作に応
じて舵輪軸44に生じる捩れを利用して、油圧ポンプ1か
ら給油路11を経て供給される圧油を、パワーシリンダ2
の両油室に夫々接続された送油路13又は送油路14と油タ
ンクTに接続されたリターン油路12とに分配すべく行な
われる。この分配の割合は、舵輪43の操作に応じて舵輪
軸44に生じる捩れの大きさに応じて、また分配の方向、
即ち送油路13,14のいずれに分配されるかは前記捩れの
方向に応じて夫々決定される。
【0027】さて図2に示す本発明装置においては、油
圧ポンプ1から油圧制御弁3に至る給油路11を低圧状態
に維持された油タンクTにバイパスするバイパス油路6
が、該給油路11の中途を分岐する態様にて設けてあり、
このバイパス油路6の中途には、これの開閉手段として
ソレノイドバルブ6aが配してある。
【0028】また、操向車輪5,5を操向すべく動作す
る舵取機構4がその動作端の近傍にあることを検出する
位置センサ7と、舵取機構4が動作中であることを検出
する動作センサ8とが配してあり、これらの検出結果
は、前記ソレノイドバルブ6aの開閉信号を出力する開閉
制御部9に与えられている。
【0029】図3は、位置センサ7の取付け態様を示す
ラックハウジング40の一側端部近傍の縦断面図である。
図示の如く、ラックハウジング40の端部には、パワーシ
リンダ2の一側の封止部材としての機能するオイルシー
ルをその内側に保持するシールホルダ45と、ラック軸41
を支持する軸受ブッシュ46とが、前者を内奥側として内
嵌固定してある。
【0030】軸受ブッシュ46により支持されてラックハ
ウジング40から突出するラック軸41の先端部には、同側
の操向車輪5との連結のためのタイロッド47が玉継手48
を介して連結され、この連結部位の外側は、外部からの
塵埃の侵入を防止するため、タイロッド47の基端部近傍
とラックハウジング40の端部外周とにその両端を嵌着さ
れたベローズ49により覆われている。
【0031】図示の如くラック軸41は中空軸となってお
り、玉継手48の嵌着側端部には内外を貫通する態様にて
空気孔50が形成してある。この空気孔50は、ラックハウ
ジング40に対するラック軸41の摺動により前記ベローズ
49が伸縮するとき、ラック軸41の他端に同様に形成され
た空気孔との相乗作用により、前記ベローズ49内の空気
を給排する作用をなし、ラック軸41の摺動により生じる
舵取機構4の動作を阻害しないために必要なものであ
る。
【0032】さて、図における右方向へのラック軸41の
摺動範囲(舵取機構4の動作範囲)は、軸受ブッシュ46
の端面に玉継手48の端面が当接するまでの範囲、即ち、
図中のLなる長さ範囲に制限される。前記位置センサ7
は、ラックハウジング40の端部近傍の外周に突設された
ユニオン70に螺合固定され、ラックハウジング40及びこ
れの内側の軸受ブッシュ46を貫通する貫通孔71を介して
ラック軸41の外周に臨ませてあり、ラック軸41が摺動範
囲の端部近傍にあること、即ち、舵取機構4がその動作
端近傍にあることを、前記空気孔50を媒介として検出す
る。
【0033】このことは、空気孔50の開口位置との間の
離隔距離が前記Lに略等しくなるように位置センサ7の
固定位置を定めることにより実現される。また位置セン
サ7としては、ラック軸41の外周における空気孔50の存
否を検知し得るものであればよく、例えば、近接スイッ
チ、又はラック軸41の周面に投射した光の反射を捉えて
空気孔50を検知するフォトセンサ等を用いればよい。
【0034】なおこの位置センサ7は、舵取機構4の両
側の動作端を検出するため、図2に示す如く、ラックハ
ウジング40の両側に各1個必要である。また、位置セン
サ7による検知対象は空気孔50に限定されるものではな
く、ラック軸41の外周に適宜に設けた段部、同じく外周
に埋設した磁石等を検知対象とすることもできるが、前
記空気孔50は、ベローズ49内の空気の給排を行なわせる
ために不可欠なものであり、これを検知対象として利用
するのが合理的である。
【0035】一方動作センサ8は、例えば、舵輪軸44の
中途に固設されたポテンシオメータとこれの出力の微分
回路とからなり、舵取機構4の動作の有無を、前記微分
回路の出力として得られる舵輪軸44の回転を媒介として
検出する構成となっている。なお、舵輪軸44の回転範囲
は中立位置から左右に各数回転に及ぶから、前記ポテン
シオメータとして一回転分の検出が可能なものを用いる
場合には、舵輪軸44の回転を減じて外部に取り出す減速
機構を併設する必要がある。
【0036】また前記ポテンシオメータの出力は、舵取
機構4の動作位置に対応する舵輪軸44の回転位置を示し
ており、これを前記位置センサ7の検出結果に代えて用
いることができる。但し、舵取機構4の動作位置に対応
するラック軸41の摺動位置と舵輪軸44の回転位置とは、
両者間にギヤ機構が存在することから厳密な意味では対
応せず、精度面を考慮した場合、図3に示す構成の専用
の位置センサ7を設けるのが望ましい。
【0037】以上の如く構成された本発明装置において
舵輪43の操作が行なわれた場合、このとき舵輪軸44に生
じる捩れに応じて油圧制御弁3が動作し、油圧ポンプ1
から油圧制御弁3に供給される油圧は、送油路13又は14
とリターン油路12とに分配され、パワーシリンダ2は、
送油路13又は送油路14を経て一方の油室に送給される油
圧により、舵輪43の操作方向にこの操作力に対応する操
舵補助力を発生し、舵取機構4の動作、具体的にはラッ
ク軸41の摺動を補助する。
【0038】なお、以上の動作に応じてパワーシリンダ
2の他方の油室内の作動油は、送油路14又は送油路13中
に押し出されて油圧制御弁3に戻り、該油圧制御弁3の
内部においてリターン油路12側に分配された作動油と共
に油タンクTに還流し、吸込油路10を経て再度油圧ポン
プ1に吸込まれて循環使用される。
【0039】このようにして生じる舵取機構4の動作状
態は、位置センサ7,7及び動作センサ8により検出さ
れており、これらの検出結果が与えられる開閉制御部9
は、図4に示すフローチャートに従って動作し、バイパ
ス油路6中途のソレノイドバルブ6aを開閉する。
【0040】開閉制御部9は、車両のエンジン始動スイ
ッチのオン操作に応じてその動作を開始し、まずソレノ
イドバルブ6aに閉止信号を発してこれを閉止する(ステ
ップ1)。次いで位置センサ7及び動作センサ8の出力
を取り込み(ステップ2)、動作センサ8からの入力を
調べて舵取機構4が動作状態にあるか否かを判定する
(ステップ3)。この判定の結果、動作中であるとの判
定がなされた場合、ステップ1に戻り、ソレノイドバル
ブ6aの閉止状態を維持すると共に、位置センサ7,7及
び動作センサ8の出力を新たに取り込む。
【0041】一方、非動作中であるとの判定がなされた
場合、次いで位置センサ7,7からの入力を調べ、これ
らのいずれかが検出状態にあるか否か、即ち、舵取機構
4が左右いずれかの動作端にあるか否かを判定する(ス
テップ4)。この結果、動作端にないと判定された場合
には、ステップ1に戻って前述の動作を繰り返し、逆に
動作端であると判定された場合には、ソレノイドバルブ
6aに開放指令を発してこれを開放せしめる動作をなす
(ステップ5)。
【0042】以上の如き開閉制御部9の動作により、舵
取機構4がその動作端近傍にて非動作状態にある場合に
ロック状態にあると認識されて、通常時に閉止状態にあ
るソレノイドバルブ6aが開放される。そしてこの開放に
より、油圧ポンプ1から油圧制御弁3に至る給油路11が
バイパス油路6を介して油タンクTに連通される結果、
油圧ポンプ1の吐出油の大部分は、油圧制御弁3に送給
されることなくバイパス油路6を経て油タンクTに還流
し、吸込油路10を経て油圧ポンプ1に吸込まれる経路を
辿って循環する。
【0043】そしてこの循環経路中には大なる抵抗要素
が存在しないことから、給油路11、並びにこれの下流側
の油圧制御弁3及び送油路13又は14中に高圧力が発生す
る虞はなく、また循環油の温度上昇もわずかとなり、長
時間に亘ってロック状態が継続された場合においても、
油圧ポンプ1の焼付き、配管系各部での油漏れ等、信頼
性の低下を招く種々の不都合が発生する虞は回避され
る。また油圧ポンプ1を駆動するエンジンEの動力負担
も大幅に軽減されることから、該エンジンEの燃費向上
に寄与できる。
【0044】前記ステップ5においてソレノイドバルブ
6aの開放指令を発した後、開閉制御部9は、動作センサ
8の出力を取込み(ステップ6)、舵取機構4が動作状
態にあるか否かの判定を行い(ステップ7)、非動作状
態にあると判定された場合には、ステップ6に戻り動作
センサ8の新たな出力を取込み、これに対して同様の判
定を行なう過程を繰り返し、動作状態にあると判定され
た場合には、ステップ1に戻ってソレノイドバルブ6aに
閉止指令を発し、ステップ2以降の前述した動作を繰り
返す。
【0045】つまり開閉制御部9は、前述したロック状
態の解除を、動作センサ8による舵取機構4の動作状態
への復帰の検出により認識し、これに従ってソレノイド
バルブ6aが閉止される結果、油圧ポンプ1の吐出油が油
圧制御弁3を経てパワーシリンダ2に送給されるように
なり、パワーシリンダ2が操舵補助力を発する正規の動
作状態が速やかに回復される。
【0046】なお、位置センサ7による非検出状態への
復帰によりロック状態の解除を認識するようにしてもよ
いが、位置センサ7による検出結果中には、前記空気孔
50等の検出対象の大きさに相当する幅の誤差が生じてい
る場合があり、ロック状態の解除後に正規の動作状態に
復帰するまでの応答性がやや劣る結果となる。
【0047】また、ソレノイドバルブ6aの開放の条件と
して、動作センサ8による非動作状態の検出は不可欠で
はないが、この検出を位置センサ7による動作端の検出
と併用することにより、ロック状態の認識がより確実に
行なわれる。
【0048】ソレノイドバルブ6aにより開閉されるバイ
パス油路6は、図2に示す位置に限らず、油圧ポンプ1
からパワーシリンダ2に至る油路の中途を低圧部に連通
し得る位置であれば如何なる位置に設けてもよい。
【0049】図5は、本発明装置の第2の実施例を示す
模式図である。この実施例においては、油圧制御弁3か
らパワーシリンダ2に至る一対の送油路13,14間を相互
に連通する態様にてバイパス油路6が設けてあり、開閉
制御部9は、このバイパス油路の中途に介装されたソレ
ノイドバルブ6aを開閉する動作を行なう構成となってい
る。更にバイパス油路6は、油圧ポンプ1又は油圧制御
弁3の内部における高圧部分と低圧部分とを連通する態
様にて設けることもできる。
【0050】図6は本発明装置の第3の実施例を示す模
式図である。この実施例は、位置センサ7,7に代えて
給油路11の内圧を検出する圧力センサ7aが設けてある。
この圧力センサ7aの出力は、前記動作センサ8の出力と
共に開閉制御部9に与えられており、開閉制御部9にお
いては、圧力センサ7aの検出結果により舵取機構4が動
作端にあるか否かの判定が行なわれる。
【0051】圧力センサ7aの検出圧力は、前述の如く給
油路11の内圧であり、これは、油圧の送給先であるパワ
ーシリンダ2が動作端にあり、圧油の受け入れが不可能
な状態にある場合に高くなる。従って開閉制御部9は、
圧力センサ7aの検出圧力が予め設定された上限値を上回
った場合に動作端にあるとの判定をなし得る。但し、悪
路での走行中に操向車輪5,5に一時的に大きい路面抵
抗が作用し、パワーシリンダ2の動作が阻害される場合
等においても給油路11の内圧は上昇するから、舵取機構
4が動作端にあるか否かの判定は、圧力センサ7aの検出
圧力が前記上限値を上回った状態が所定時間継続した場
合に行なうようにする必要がある。
【0052】即ち、この第3の実施例によれば、舵取機
構4の動作端の検出のために、ラックハウジング40両側
の2個の位置センサ7,7に代えて、給油路11に設けた
1個の圧力センサ7aを必要とするのみであり、この圧力
センサ7aは、給油路11の内圧を定量的に検出する必要は
なく、所定の圧力状態にあるか否かを検出し得るもので
あればよいことから、圧力スイッチ等の安価なセンサを
用いることができ、また圧力センサ7aの取付けのために
舵取機構4そのものを改造する必要がない。これらのこ
とから、装置構成を簡素化し得る効果が得られる。
【0053】更に第3の実施例によれば、ロック状態の
継続中における高圧の発生を回避するという本来の目的
である給油路11の内圧そのものに基づいてソレノイドバ
ルブ6aの開閉が行なわれるから、ソレノイドバルブ6aの
無為な開閉動作が頻繁に繰り返されることがなく、ハン
チング現象を生じることのない安定した動作が可能とな
る。
【0054】図7は本発明装置の第4の実施例を示す模
式図である。この実施例において開閉制御部9には、前
記位置センサ7,7及び動作センサ8の検出結果と共
に、車両の走行速度を検出する車速センサ20の検出結果
が与えられており、開閉制御部9は、車速センサ20の検
出車速が所定値を超えている場合、前述した制御動作を
中断するようになしてある。
【0055】このことは、図4に示すフローチャートに
おけるステップ1とステップ2との間に、車速センサ20
の検出結果と所定の基準車速とを比較する新たなステッ
プを追加し、基準車速以上である場合にはステップ1に
戻り、基準車速未満である場合にのみステップ3に進む
ようになすことにより実現できる。また、車速センサ20
の検出結果が基準車速以上である場合に、開閉制御部9
への給電を停止する構成としてもよい。
【0056】この第4の実施例によれば、例えば、高層
の駐車場への進入又は退出に際し、舵輪43をロック位置
に維持したまま螺旋状をなすスロープに沿って走行する
場合等において、パワーシリンダ2による操舵補助がな
されず、舵輪43の操作に大なる操作力を要する不都合が
回避される。
【0057】なお、以上の実施例はいずれも、ラック・
ピニオン式の舵取機構4を備えた車両について述べた
が、本発明装置は、ボールねじ式等の他の形式の舵取機
構を備えた車両にも適用でき、同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明装置において
は、位置センサと動作センサの検出結果に基づいて舵取
機構がロック状態にあるか否かの判定がなされ、ロック
状態にある場合に油圧ポンプから操舵補助用の油圧アク
チュエータに至る油路を低圧部にバイパスするバイパス
油路が開放されて、前記油路の内部に生じる高圧を逃が
す構成としたから、ロック状態の継続に伴って、油圧ポ
ンプの焼付き、配管系各部での油漏れ等、信頼性の低下
を招く不都合が発生する虞がなく、また油圧ポンプを駆
動するエンジンの燃費の向上が図れる等、本発明は優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の動力舵取装置の全体構成を示す模式図で
ある。
【図2】本発明装置の第1の実施例を示す模式図であ
る。
【図3】位置センサの取付け態様を示すラックハウジン
グの一側端部近傍の縦断面図である。
【図4】開閉制御部の動作内容を示すフローチャートで
ある。
【図5】本発明装置の第2の実施例を示す模式図であ
る。
【図6】本発明装置の第3の実施例を示す模式図であ
る。
【図7】本発明装置の第4の実施例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ 2 パワーシリンダ 3 油圧制御弁 4 舵取機構 5 油圧制御弁 6 バイパス油路 6a ソレノイドバルブ 7 位置センサ 7a 圧力センサ 8 動作センサ 9 開閉制御部 10 吸込油路 11 給油路 12 リターン油路 13 送油路 14 送油路 20 車速センサ T 油タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島村 剛毅 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 浜崎 善明 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵輪操作に応じた油圧制御弁の動作によ
    り油圧ポンプの発生油圧を油圧アクチュエータに送給
    し、該油圧アクチュエータが発生する操舵補助力を車両
    の舵取機構に加え、該舵取機構の動作を補助する構成と
    した動力舵取装置において、前記油圧ポンプから前記油
    圧アクチュエータに至る油路の中途を低圧部にバイパス
    するバイパス油路と、該バイパス油路を開閉する開閉手
    段と、前記舵取機構がその動作端の近傍にあることを検
    出する位置センサと、前記舵取機構が動作中であること
    を検出する動作センサと、前記位置センサ、又は該位置
    センサ及び前記動作センサの検出結果に基づいて前記開
    閉手段の開閉制御を行なう制御部とを具備することを特
    徴とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、前記位置センサが検出状
    態にある場合に前記開閉手段を開放し、同じく非検出状
    態にある場合に閉止する請求項1記載の動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、前記位置センサが検出状
    態にあると共に前記動作センサが非検出状態にある場合
    に前記開閉手段を開放し、前記動作センサの検出状態へ
    の復帰に応じて閉止する請求項1記載の動力舵取装置。
  4. 【請求項4】 前記位置センサに代えて前記油路の内圧
    を検出する圧力センサを備え、前記制御部は、前記動作
    センサが非検出状態にあると共に前記圧力センサの検出
    圧力が所定値を超えた状態が所定時間継続した場合に前
    記開閉手段を開放し、前記動作センサの検出状態への復
    帰に応じて閉止する請求項1記載の動力舵取装置。
  5. 【請求項5】 前記車両の走行速度を検出する車速セン
    サと、該車速センサの検出車速が所定値を超えた状態に
    ある場合に前記制御部の動作を中断する手段とを備える
    請求項1ないし請求項4記載の動力舵取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020074948A (ko) * 2001-03-23 2002-10-04 기아자동차주식회사 차량 조향장치
JP2011042246A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Ud Trucks Corp パワーステアリング機構
JP6114856B1 (ja) * 2016-04-13 2017-04-12 株式会社レーベン販売 芳香装置

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