JPH05146617A - 炭化珪素質フイルタ及びその製造方法 - Google Patents
炭化珪素質フイルタ及びその製造方法Info
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- JPH05146617A JPH05146617A JP31822191A JP31822191A JPH05146617A JP H05146617 A JPH05146617 A JP H05146617A JP 31822191 A JP31822191 A JP 31822191A JP 31822191 A JP31822191 A JP 31822191A JP H05146617 A JPH05146617 A JP H05146617A
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Abstract
して、効率的に微粒子を捕集することができる炭化珪素
質フィルタ及びその製造方法を提供する。 【構成】多孔質炭化珪素焼結体よりなるハニカム形状の
フィルタ本体において、そのセルのガス流出側壁面に、
多孔質炭化珪素製の薄膜を形成し、その薄膜の気孔径を
フィルタ本体の気孔径よりも小さく設定する。
Description
る炭化珪素質フィルタに係り、特にディーゼルエンジン
の排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集するため
に利用されるフィルタに関する。
炭化珪素粉末をハニカム状に焼結することにより、複数
のセルを形成した多孔質のハニカムフィルタが提案され
ている。このフィルタはディーゼルエンジンの排気側に
接続され、各セルが排気ガス流入側及び流出側において
交互に封止されている。そして、排気ガスが各セルに流
入して、そのセル壁を通過する際に排気ガス中のパティ
キュレートが捕集される。
ルタでは、その全体が1〜20μmの平均気孔径を有す
る多孔質炭化珪素焼結体によって構成されている。それ
に対し、パティキュレートはその大部分が粒径1μm以
下の超微粒子からなる。従って、パティキュレートの捕
集の進行にともない、前記セル壁の排気ガス流入側側面
にパティキュレートが層状に堆積する。その場合にはセ
ル壁の通気性が低下して、排気ガスの圧力損失が生じ
る。その結果、捕集効率が低下するという問題があっ
た。
ものであって、その目的は、パティキュレートの捕集時
に圧力損失の増加を抑制して効率的な捕集動作を行うこ
とが可能な炭化珪素質フィルタ及びそのフィルタを簡単
かつ確実に製造することが可能な製造方法を提供するこ
とにある。
決するため、本発明では、多孔質炭化珪素焼結体製のフ
ィルタ本体がハニカム状をなし、軸線方向両端のいずれ
か一方において開口する複数のセルを備える。多孔質炭
化珪素製の薄膜が前記セルのガス流出側壁面に形成され
ている。そして、前記フィルタ本体の気孔径を前記微粒
子の平均粒径よりも大きく設定し、かつ前記薄膜の気孔
径を前記微粒子の平均粒径以上でかつフィルタ本体の気
孔径よりも小さく設定している。従って、ガス中の一部
の微粒子がフィルタ本体のセル壁中に捕捉され、残りの
微粒子が薄膜に捕捉される。その結果、セル壁に微粒子
の堆積層が形成されることはなく、圧力損失の増大を抑
制できる。
0μmの範囲内であることが望ましい。その理由は微粒
子の平均粒径が1μmである場合、微粒子の一部をセル
壁内部に捕捉すると同時に、残りの微粒子を通過させ
て、セル壁のガス流入側壁面に微粒子の堆積層が形成さ
れることを抑制するためである。また、フィルタ本体の
気孔率は30%〜70%であることが望ましい。気孔率
がこの範囲外であると、微粒子の捕捉効率の低下、強度
の低下及び圧力損失の増大化を招く。
囲内であることが望ましい。その理由は微粒子の平均粒
径が1μmである場合、前記セル壁を通過した残りの微
粒子の捕捉をこの薄膜で行うと同時に、ガスの圧力損失
の増加を抑制できるからである。
との比率は1/20〜1/5の範囲内であることが望ま
しい。この範囲外であると、微粒子の捕捉効率が低下し
たり、圧力損失が増大したりするためである。
(a)工程では、炭化珪素粉末を焼成することにより、
軸線方向の両端において開口する複数の貫通孔を備えた
フィルタ本体を製造する。フィルタ本体を成形するに
は、押し出し成形が望ましい。貫通孔の配列ピッチは好
ましくは、4mm前後である。フィルタ本体の押し出し
成形後には、その成形体を1700℃程度で仮焼する
か、2200℃程度の温度で本焼することが望ましい。
方向両端における開口の内のいずれか一方を交互に封止
して複数のセルを形成する。封止材料としては、炭化珪
素ペーストの使用が望ましい。このペーストの粘度は
1,000〜1,000,000c.p.(センチポイ
ズ)に調整され、前記貫通孔の開口に供給された後に焼
結される。
孔質炭化珪素製の薄膜を形成する。薄膜の形成時には、
炭化珪素粉末を含有するスラリー中に、前記フィルタ本
体を、その軸線方向の一端側から浸漬し、またはフィル
タ本体に前記スラリーを挿入し、その後に焼成すること
が望ましい。スラリーは平均粒径が0.3〜5μmの炭
化珪素粉末を、有機高分子材料等からなる分散媒中に分
散させて、その粘度を50,000c.p.程度に調整
したものが望ましい。
に従って詳細に説明する。本実施例では、炭化珪素を原
料として、図1に示すような、多孔質ハニカム状の成形
体を押し出し成形によって形成した。この成形体のサイ
ズは、長さ15.0cm、外径14.0mmであり、貫
通孔2のピッチは1.5mmである。そして、成形体の
脱脂を行った後、アルゴンガス雰囲気下にて、1700
℃で、4時間仮焼した。
のβ型炭化珪素粉末30重量部に、平均粒径が30μm
のα型炭化珪素粉末70重量部及び有機質バインダー3
0重量部を配合したペーストを使用した。このペースト
の粘度を500,000c.p.に調整し、そのペース
トにより、前記貫通孔2のガス流入側及び流出側の開口
端部を交互に封止した。その後、ペーストを乾燥させ、
アルゴンガス雰囲気下にて2000℃で4時間の本焼成
を行うことにより、封止片3によって貫通孔2の一端を
封止した複数のセル4を形成した。得られたフィルタ本
体1の気孔径は45μm、気孔率は50%であり、セル
壁の厚さは400μmである。
このスラリーは平均粒径が1.1μmの炭化珪素100
重量部と、有機質バインダー5重量部とからなり、その
粘度は50,000c.p.に調整されている。そし
て、前記フィルタ本体1をそのガス流出側端部から前記
スラリー中に徐々に挿入し、フィルタ本体1全体をスラ
リー中に浸漬させる。所定時間浸漬した後、フィルタ本
体1をスラリーから引き上げる。すると、スラリーがセ
ル壁に薄膜状に付着する。そして、その薄膜を乾燥させ
た後、2000℃で2時間焼成した。その結果、厚さ4
0μm、気孔径8μm及び気孔率50%の薄膜5が得ら
れた。
ゼルエンジンの排気ガス通路6内に配置して、図1に矢
印で示すように毎分2.4リットルの排気ガスをフィル
タに導入した。排気ガス中のパティキュレートの一部は
各セルの壁部によって捕捉され、残りのパティキュレー
トは薄膜5によって捕捉された。その結果、浄化された
排気ガスがフィルタから排出された。この実施例におい
て、パティキュレートの堆積層がセル壁に形成されるこ
とはなかった。また、フィルタのガス流入側に対するガ
ス流出側の圧力損失は60mmHgであり、従来のフィ
ルタにおける圧力損失(130mmHg)に比較して少
なくなっていた。
のではなく、薄膜を形成するには、下記の方法を使用で
きる。即ち、 (a)炭化珪素粉末を含むスラリーをフィルタ本体1の
一端面側から吹きかける。(b)上記スラリーをセル壁
面に塗布する。
質フィルタによれば、微粒子の捕集時に圧力損失の増加
を抑制して効率的な捕集動作を行うことができる。ま
た、この発明の製造方法によれば、上記のフィルタを簡
単かつ確実に製造することができるという優れた効果を
奏する。
ルタを示す断面図である。
ル、5…薄膜。
Claims (4)
- 【請求項1】ガス中の微粒子を捕集する炭化珪素質フィ
ルタにおいて、 ハニカム状をなし、軸線方向両端のいずれか一方におい
て開口する複数のセルを備える多孔質炭化珪素焼結体製
のフィルタ本体と、 前記セルのガス流出側壁面に形成され、かつ多孔質炭化
珪素製の薄膜とを備え、前記フィルタ本体の気孔径を前
記微粒子の平均粒径よりも大きく設定し、かつ前記薄膜
の気孔径を前記微粒子の平均粒径以上でかつフィルタ本
体の気孔径よりも小さく設定したことを特徴とする炭化
珪素質フィルタ。 - 【請求項2】前記フィルタ本体及び薄膜の平均気孔径は
それぞれ、30μm〜50μm及び1μm〜20μmの
範囲内である請求項1に記載の炭化珪素質フィルタ。 - 【請求項3】前記薄膜の厚さとセルの壁部における厚さ
との比率は1/20〜1/5の範囲内である請求項1に
記載の炭化珪素質フィルタ。 - 【請求項4】ガス中の微粒子を捕集する炭化珪素質フィ
ルタの製造方法において、(a)炭化珪素粉末を焼成す
ることにより、軸線方向の両端において開口する複数の
貫通孔を備えた多孔質のハニカム状フィルタ本体を製造
する工程と、(b)各貫通孔の軸線方向両端における開
口の内のいずれか一方を交互に封止して複数のセルを形
成する工程と、(c)前記セルの壁面に多孔質炭化珪素
製の薄膜を形成する工程とからなる炭化珪素質フィルタ
の製造方法。
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JP31822191A JP3442411B2 (ja) | 1991-12-02 | 1991-12-02 | 炭化珪素質フィルタ及びその製造方法 |
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---|---|
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-
1991
- 1991-12-02 JP JP31822191A patent/JP3442411B2/ja not_active Expired - Fee Related
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