JPH05144033A - 光学的情報記録再生装置及びトラツキングエラー信号補正方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーボ回路に供給されるＴＥ信号における振
幅及びオフセット電圧の変動範囲を該サーボ回路の入力
信号許容範囲内に収めるようにした光学的情報記録再生
装置及びＴＥ信号の補正方法を提供する。 【構成】 光学的情報記録媒体における所定領域を走査
することにより得られるトラッキングエラー信号の最大
振幅値及び最小振幅値を保持する正負ピークホールド６
と、上記最大及び最小振幅値に基づいて、トラッキング
エラー信号における振幅及びオフセット電圧の増幅率を
変化させる制御信号を作成するコントローラ７と、トラ
ッキングエラー信号における振幅及びオフセット電圧を
上記制御信号に基づいて補正するトラッキングエラー信
号補正部(４、８)と、を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光学的情報記録再生装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】コンパクト ディスク(以下ＣＤと記す)
装置、ＣＤ−読出専用メモリ(以下ＣＤ−ＲＯＭと記す)
装置、ＣＤ−ライトワンス(以下ＣＤ−ＷＯと記す)装置
等の、情報を光学的に読出したり読み書きしたりする光
学的情報記録再生装置において、光学的情報記録媒体で
あるディスクと情報の記録再生を行うため、情報の書込
み、読出し用に使用するレーザビームのディスクへのフ
ォーカシング及びトラッキングを行う必要があり、上記
フォーカシング及びトラッキングをより良好に行うため
の種々の提案が従来よりなされている。

【０００３】例えば、トラッキングについてディスク上
に予め刻まれた案内溝の回析を利用するプッシュプル方
法が知られており、例えば、特公昭６３−２１２５８号
公報には、該プッシュプル方法を採る光ピックアップを
工夫してトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー
信号のオフセットを抑えた光学的情報読取装置が開示さ
れている。又、特開昭６２−１２８０２８号公報には光
検出方法を工夫してトラッキングエラー信号及びフォー
カスエラー信号のオフセットをキャンセルする自動オフ
セット調整方法が開示されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記各公報にも記載さ
れているが、上記プッシュプル方法のトラッキングエラ
ー(以下ＴＥと記す)信号検出方法では、一般にディスク
の反射率、ＴＥ振幅パラメータのディスクにおけるバラ
ツキ、又、ＣＤ−ＷＯ装置の場合における情報記録前後
でのディスクの反射率の変化、光ピックアップ感度、デ
ィスクの傾き等の影響により、ＴＥ振幅や、特開昭６２
−１２８０２８号公報にも記載があるように光ピックア
ップの出力信号を増幅する差動増幅器の出力電圧におけ
る真値とのずれであるオフセット電圧が変化する。

【０００５】これらの変化を許容しトラッキングを良好
に行うためにＴＥ振幅データ、オフセット電圧データを
有するＴＥ信号が供給されるサーボ回路が光学的情報読
取装置等には設けられているが、該サーボ回路の許容範
囲を越えるデータの供給はトラッキングの制御が不可能
になるため好ましくない。そこで本発明はサーボ回路に
供給されるＴＥ信号における振幅及びオフセット電圧の
変動範囲を該サーボ回路の入力信号許容範囲内に収める
ようにした光学的情報記録再生装置及びＴＥ信号の補正
方法を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段とその作用】本発明の光学
的情報記録再生装置は、光学的情報記録媒体との情報交
換に必要なトラッキングエラー信号が供給され、該トラ
ッキングエラー信号の信号処理を行い該トラッキングエ
ラー信号における最大振幅値及び最小振幅値を保持する
ピークホールド部と、上記トラッキングエラー信号が供
給され、該トラッキングエラー信号の電圧増幅における
利得を制御することで該トラッキングエラー信号の振幅
を補正しさらにオフセット電圧を補正した補正トラッキ
ングエラー信号を、トラッキング動作制御用信号を作成
するサーボ回路へ送出するトラッキングエラー信号補正
部と、上記ピークホールド部から供給される上記最大振
幅値及び上記最小振幅値に基づいて、上記トラッキング
エラー信号補正部におけるトラッキングエラー信号の電
圧増幅における利得制御に必要な信号及びオフセット電
圧制御信号を作成し、該電圧増幅利得制御信号及びオフ
セット電圧制御信号を上記トラッキングエラー信号補正
部へ送出するコントロール部と、を備えたことを特徴と
する。

【０００７】このように構成することで、ピークホール
ド部は、光学的情報記録媒体の所定領域をピックアップ
が走査することで得られるＴＥ信号の最大振幅値及び最
小振幅値を保持し、該最大振幅値及び最小振幅値をコン
トロール部へ送出する。コントロール部は、上記最大及
び最小振幅値に基づいて、ＴＥ信号補正部においてＴＥ
信号の電圧増幅利得を変化させるための利得制御信号及
びＴＥ信号のオフセット電圧を制御するオフセット電圧
制御信号を作成する。ＴＥ信号が供給されるＴＥ信号補
正部は、該ＴＥ信号の電圧増幅における利得を、上記コ
ントロール部から供給される利得制御信号に基づいて変
えることで、又、上記コントロール部から供給されるオ
フセット電圧制御信号に基づいてオフセット電圧を変え
ることで、該ＴＥ信号補正部の次段に接続されるサーボ
回路の入力信号許容範囲内となるように、上記ＴＥ信号
の振幅及びオフセット電圧を制御する。このようにピー
クホールド部、ＴＥ信号補正部、及びコントロール部
は、サーボ回路へ供給されるＴＥ信号の振幅及びオフセ
ット電圧の変動範囲が該サーボ回路の入力許容範囲内に
なるように作用する。

【０００８】又、本発明のＴＥ信号の補正方法は、光学
的情報記録媒体における所定領域を走査することにより
得られるトラッキングエラー信号の最大振幅値及び最小
振幅値に基づいて、トラッキングエラー信号における振
幅及びオフセット電圧を変化させる制御信号を作成し、
サーボ回路へ供給されるトラッキングエラー信号におけ
る振幅及びオフセット電圧を上記制御信号に基づいて補
正することを特徴とする。

【０００９】このような方法を採ることで、サーボ回路
へ供給されるＴＥ信号は、該サーボ回路の入力信号許容
範囲内にＴＥ信号の振幅およびオフセット電圧が収まる
ように利得制御用信号によって制御される。

【００１０】尚、トラッキングエラー信号の最大振幅値
及び最小振幅値を得るために走査される上記所定領域
は、光学的情報記録媒体における情報未記録領域であ
り、又、光学的情報記録媒体における走査開始基準位置
を含む領域であり、又、いわゆるオレンジブック パー
ト２に準拠する光学的情報記録媒体にあっては、プログ
ラム メモリ エリアとリード イン エリアとにはさまれ
た情報未記録領域、及びリード アウト エリアであり、
又、光学的情報記録媒体における情報記録済領域であ
る。

【００１１】又、いわゆるオレンジブック パート２に
準拠する光学的情報記録媒体にあっては、上記制御信号
は、光学的情報記録媒体における走査開始基準位置を含
む領域を走査することにより得られる粗調整用の制御信
号、並びにプログラム メモリ エリアとリード イン エ
リアとにはさまれた情報未記録領域、及びリード アウ
ト エリアを走査することにより得られる微調整用の制
御信号であり、又、光学的情報記録媒体における情報記
録済領域を走査する場合、光学的情報記録媒体における
情報未記録領域を走査することで得られた制御信号をk
倍することで得られる信号である。

【００１２】

【実施例】本発明の光学的情報記録再生装置の一実施例
を示す図１において、プッシュプル方法を採用し、ディ
スクにて反射した光を検出するピックアップ１に設けら
れる４つのフォトダイオードの出力側は、該フォトダイ
オードの出力信号ＡないしＤについて(Ａ＋Ｄ)−(Ｂ＋
Ｃ)の演算を行いＴＥ信号を作成する差動増幅器２に接
続される。

【００１３】差動増幅器２の出力側は、ＣＤ−ＷＯ装置
にあっては、後述するシステムコントロールブロック７
から供給されるＲ/Ｗ信号により指示される情報の読出
動作あるいは情報の書込動作に従い、情報書込時にＴＥ
振幅及びオフセット電圧が光出力に応じて大きくなるこ
とに対するゲイン調整を行う減衰器(以下ＡＴＴと記す)
３、及び後述する制御信号であるＴＥＧ信号によって、
差動増幅器２が送出するＴＥ信号の電圧増幅率を制御す
る電圧制御増幅器４に接続される。

【００１４】電圧制御増幅器４は、例えば図３に示すよ
うな回路から構成される。即ち、ＴＥ信号が供給される
増幅器４aの出力側には、該増幅器４aに直列接続される
抵抗４bと、抵抗値を異ならせた複数の抵抗４cとが接続
され、これらの抵抗４bと抵抗４cとの接続点を電圧制御
増幅器４の出力端とする。上記抵抗４cのそれぞれの一
端は、後述するＴＥＧ信号にて接点が切替りかえられる
スイッチ４dを介して接地される。よって電圧制御増幅
器４は、増幅器４aの出力電圧を、上述したようにＴＥ
Ｇ信号によって選択される抵抗４cの抵抗値と抵抗４bの
抵抗値との分圧値に制御する。

【００１５】又、電圧制御増幅器４の出力側は後述する
ＴＥoff信号によって電圧制御増幅器４が送出するゲイ
ンコントロールされたＴＥ信号の加減算を行うことでＴ
Ｅ信号のオフセット電圧補正を施しＴＥn信号として送
出する加減算器８に接続される。加減算器８は、例えば
図４に示すように、電圧制御増幅器４の出力電圧が供給
される一入力端子側にＴＥoff信号が供給され、他の入
力端子は接地されている加減算器８aを有している。加
減算器８の出力側は、加減算器８aのＴＥoff信号入力端
子に帰還されるとともに、光学的情報記録媒体における
記録帯をピックアップが走査するためのトラッキング動
作制御用信号を作成する不図示のサーボ回路に接続され
る。

【００１６】ＡＴＴ３の出力側は、増幅器５を介して、
供給されるＴＥ信号における最大振幅値ＴＥＨ及び最小
振幅値ＴＥＬを保持する正負ピークホールド６に接続さ
れ、正負ピークホールド６の出力側はシステムコントロ
ールブロック７に接続される。システムコントロールブ
ロック７の構成は図２に示す通りである。即ち、正負ピ
ークホールド６が送出する上記ＴＥＨ情報及び上記ＴＥ
Ｌ情報が供給される入力ポート７aは、該ＴＥＨ情報及
びＴＥＬ情報をＡＤ変換するＡＤ変換ユニット７bを介
して演算回路７cに接続される。演算回路７cは、以下に
示す算出式に従い、電圧制御増幅器４における利得を制
御するＴＥＧ信号の作成、及び加減算器８においてオフ
セット電圧を補正する信号でありＴＥ信号と反対の極性
であるＴＥoff信号の作成を行う。

【００１７】ＴＥＧ信号及びＴＥoff信号における電圧
の算出式を以下に示す。尚、電圧制御増幅器４の利得を
Ｇ４、増幅器５における利得をＧ５、希望するＴＥ信号
振幅値をＶref、上記ＴＥＨ情報電圧をＴＥＨ、上記Ｔ
ＥＬ情報電圧をＴＥＬとする。

【００１８】 ＴＥＧ＝Ｖref×Ｇ５/{(ＴＥＨ＋ＴＥＬ)×Ｇ４} …ア式

【００１９】 ＴＥoff＝{(ＴＥＨ−ＴＥＬ)/(２×Ｇ５)}×[Ｖref/{(ＴＥＨ＋ＴＥＬ)/Ｇ５}] ＝(Ｖref/２)×{(ＴＥＨ−ＴＥＬ)/(ＴＥＨ＋ＴＥＬ)} …イ式

【００２０】このような演算回路７cの出力側は出力ポ
ート７dに接続され、又、各構成部分７aないし７dは内
部バス７eを介してコントローラ７fに接続される。又、
内部バス７eには外部インタフェース回路７gが接続さ
れ、外部インタフェース回路７gは外部バス７hを介し
て、上記ＴＥＧ信号及びＴＥoff信号をＤＡ変換するＤ
Ａ変換ユニット７iに接続される。

【００２１】このように構成されるシステムコントロー
ルブロック７の出力ポート７dが送出する、ディスクか
らの情報の読み出しあるいはディスクへの情報の書き込
みを指示する信号であるＲ/Ｗ信号は上記ＡＴＴ３へ供
給され、ＤＡ変換ユニット７iから送出されるＴＥＧ信
号は電圧制御増幅器４へ供給され、ＴＥoff信号は加減
算器８に供給される。

【００２２】このように構成される光学的情報記録再生
装置における動作を以下に説明する。まず、上記サーボ
回路へＴＥn信号が供給されるまでの動作を図５を参照
し以下に説明する。ピックアップ１に設けられた４つの
フォトダイオードの出力信号に基づき上述したように差
動増幅器２にて作成されたＴＥ信号はＡＴＴ３及び電圧
制御増幅器４へそれぞれ送出される。ＡＴＴ３に供給さ
れたＴＥ信号は増幅器５を介して正負ピークホールド６
にて当該ＴＥ信号における最大振幅値ＴＥＨ及び最小振
幅値ＴＥＬが保持され、ＴＥＨ及びＴＥＬの各情報がシ
ステムコントロールブロック７に送出される。

【００２３】システムコントロールブロック７は、ステ
ップ(図内ではＳにて示す)１及び２に示すように、上記
ＴＥＨ情報及びＴＥＬ情報を入力ポート７aに取り込
み、ＡＤ変換ユニット７bにてＴＥＨ情報及びＴＥＬ情
報をＡＤ変換する。次にシステムコントロールブロック
７は、演算回路７cにて、デジタル変換されたＴＥＨ情
報及びＴＥＬ情報に基づき、後述するように、ステップ
３にてＴＥＧ信号及びＴＥoff信号を作成する。尚、以
上のステップ１ないし３の動作、特にステップ３の詳細
な動作については図６を参照し後述する。

【００２４】ステップ４にてコントローラ７fは、再生
又は記録の動作に応じてＲ/Ｗ信号を出力ポート７dから
ＡＴＴ３へ送出し、ＡＴＴ３は該Ｒ/Ｗ信号によってＴ
Ｅ信号のゲイン調整を行う。ステップ３及び４における
演算結果データは、ステップ５にて外部インタフェース
回路７gからＤＡ変換ユニット７iに送出され、ステップ
６にて、上記ＴＥＧ信号は電圧制御増幅器４へ送出さ
れ、上記ＴＥoff信号は加減算器８へ送出されること
で、加減算器８からゲイン調整及びオフセット調整され
たＴＥn信号がサーボ回路へ送出させる。

【００２５】次に、上述したステップ３における動作、
即ち、ＴＥＧ信号及びＴＥoff信号の作成動作を以下に
説明する。尚、該ステップ３に関する動作方法は、光学
的情報の再生装置にも勿論適用可能であるが、使用する
ディスクの特性を考慮した場合、いわゆるオレンジブッ
クのパート２に準拠したディスクを使用する装置、例え
ばＣＤ−ＷＯ装置等に特に有効である。

【００２６】情報の読出動作時又は書込動作時に拘わら
ず、その状態における上記ＴＥＨ情報及びＴＥＬ情報が
システムコントロールブロック７に供給される。まず最
初に、図６に示すステップ１０にて、当該光学的情報記
録再生装置全体の動作を制御する不図示の制御部は、デ
ィスクの内周側の位置であって情報の読出し又は書込み
の動作開始の基準位置であるホームポジションにピック
アップ１を移動させる。ステップ１１にて、上記制御部
は該光学的情報記録再生装着に装着されたディスクの回
転動作を、ディスクの内周側及び外周側においても回転
速度が同一、即ち角速度一定である、いわゆるＣＡＶモ
ードに設定する。

【００２７】ステップ１２にて、上記制御部は、上記Ｃ
ＡＶモードにて上記ホームポジション領域内のディスク
直径方向約１mmの区間において、ピックアップ１をディ
スクの外周方向及び内周方向へ１トラック分移動させる
動作を交互に合計n回行う。そしてそのそれぞれのトラ
ッキング動作において差動増幅器２が送出するＴＥ信号
に基づいて正負ピークホールド６が送出するそれぞれの
トラッキング動作におけるＴＥＨ情報及びＴＥＬ情報に
基づいて、システムコントロールブロック７の演算回路
７cは、上述したア式及びイ式に従い、ＴＥＧ信号及び
ＴＥoff信号における電圧値を算出する。

【００２８】ステップ１３にて、演算回路７cはこれらn
回分のＴＥＧ信号及びＴＥoff信号に基づき、ＴＥＧ信
号及びＴＥoff信号のそれぞれの平均値を算出し、この
平均値をＴＥＧ信号及びＴＥoff信号の粗調整値とす
る。尚、以下、該粗調整値をそれぞれＴＥＧ粗調整信号
及びＴＥoff粗調整信号と記す。又、上記粗調整値は、
あくまでホームポジション領域においてはトラッキング
動作が実行可能、換言すればサーボ回路の許容範囲内の
ＴＥ信号がサーボ回路へ供給可能とする値であるが、当
該ディスクの他の領域をピックアップが走査したときで
もトラッキング動作が可能である値か否かは不明である
値である。この意味でホームポジション領域にて得られ
た値を粗調整値と呼ぶ。

【００２９】上記ＴＥＧ粗調整信号及びＴＥoff粗調整
信号に基づき、コントローラ７fは、上述したステップ
４及び５の動作を行い、ステップ６にてＤＡ変換部７i
からＴＥＧ信号及びＴＥoff信号が電圧制御増幅器４及
び加減算器８にそれぞれ送出され、加減算器８から粗調
整用のＴＥn信号がサーボ回路へ送出される。

【００３０】次に、ステップ１４にて、上記制御部は、
上記ディスク回転動作をディスクの内周側及び外周側に
おいて回転速度が異なる、即ち線速度一定である、いわ
ゆるＣＬＶモードに設定する。ステップ１５にて、上記
粗調整用のＴＥn信号に基づきトラッキング及びアドレ
スを確認しながら、ＣＤ−ＷＯ装置用のディスクの場
合、図７に示すようにディスクに割り付けられたプログ
ラム メモリ エリア(フローチャート内ではＰＭＡと記
す)とリード イン エリア(フローチャート内ではLead I
n Areaと記す)とにはさまれた、情報の記録がなされて
いない区間にピックアップ１を移動させる。尚、プログ
ラム メモリ エリアとリード イン エリアとの間の情報
未記録区間は、ＣＤ−ＷＯ装置に使用されるディスクの
規格にてその位置が規定されているものであり、又、以
下この区間を情報未記録区間Ａとする。

【００３１】ステップ１６にて、ステップ１２と同様の
動作を行うことで、演算回路７cはn回分のＴＥＧ信号及
びＴＥoff信号における電圧値を算出する。次に、ステ
ップ１７にて、情報未記録部であるリード アウト エリ
ア(フローチャート内ではLead Out Areaと記す)にピッ
クアップ１を移動させ、ステップ１８にて、ステップ１
２、１６と同様の動作を行うことで、演算回路７cはn回
分のＴＥＧ信号及びＴＥoff信号における電圧値を算出
する。そしてステップ１９にて、演算回路７cは、ステ
ップ１６及びステップ１８にて算出された各n回分のデ
ータ、即ち合計２n回分のＴＥＧ信号及びＴＥoff信号に
基づきこれらを平均化したＴＥＧ信号及びＴＥoff信号
(以下これらの信号をＴＥＧ微調整信号及びＴＥoff微調
整信号とする)を作成する。

【００３２】尚、上述したように情報未記録区間Ａ及び
情報未記録部であるリード アウトエリアの２箇所につ
いてＴＥＧ信号及びＴＥoff信号を作成するのは、ディ
スク上の位置によってディスクのそり等の状態が異なる
ので、ディスク上の異なる複数の位置からサンプリング
を行うことで、精度の高い微調整値を得るためである。
又、サンプリングする位置は、ディスクにおける情報未
記録部分であれば特に上述した部分に限ることはない
が、例えば情報書込可能領域における情報未記録部分か
らサンプリングを行う場合には、当該情報未記録部分を
検索するための動作が複雑になる。したがって本実施例
では上述したように、ディスクの規格として予め定まっ
ている情報未記録領域を使用することで、簡便かつ精度
良くサンプリングを行うことを可能としている。

【００３３】このように、情報未記録領域におけるサン
プリングから算出されたＴＥＧ微調整信号及びＴＥoff
微調整信号を、ディスクの未記録部をトラッキングする
際のＴＥＧ信号及びＴＥoff信号の微調整値とする。よ
って、上記ＴＥＧ微調整信号及びＴＥoff微調整信号に
基づき、コントローラ７fは上述したステップ４及び５
の動作を行い、ステップ６にてＤＡ変換部７iからＴＥ
Ｇ微調整信号及びＴＥoff微調整信号が電圧制御増幅器
４及び加減算器８にそれぞれ送出され、加減算器８から
微調整用のＴＥn信号がサーボ回路へ送出される。

【００３４】尚、ＣＤ−ＷＯ装置用ディスクの場合、情
報記録済部と情報未記録部とのＴＥ振幅及びオフセット
電圧の差は、情報記録済部は情報未記録部の０ないし−
６dＢ倍なので、サーボ回路が許容する範囲で、上述の
ようにして求めた情報未記録部のＴＥＧ微調整信号及び
ＴＥoff微調整信号のk倍、kの値は０ないし−６、とす
ることで情報記録済部をトラッキングする際のＴＥＧ信
号及びＴＥoff信号を求める(ステップ２０)。

【００３５】尚、上記微調整を行う場合、上述したよう
に情報未記録領域からサンプリングを行う方法ではな
く、情報記録済領域であるリード イン エリアにてサン
プリングを行い、ＴＥＧ信号の調整及びＴＥoff信号の
補正を行うようにしてもよい。

【００３６】このように本光学的情報記録再生装置で
は、システムコントロールブロック７がディスクに対す
る情報の読み書きに対応する光強度に応じてソフト的に
電圧制御増幅器４の利得を制御するＴＥＧ信号及び加減
算器８へ送出するＴＥoff信号を制御するので、より細
かいＴＥ振幅調整、オフセット電圧補正を行うことがで
きる。

【００３７】又、予めトラッキングの粗調整を行うこと
より、微調整を行うためのサンプリングを行う領域の探
索が迅速に行うことができるとともに、より正確なＴＥ
振幅調整及びオフセット電圧補正を行うことができる。

【００３８】さらに又、いわゆるオレンジブック パー
ト２に準拠するディスクにあっては、規格によりディス
ク上の情報未記録領域の位置が決定されているので、該
情報未記録領域からＴＥＧ信号及びＴＥoff信号の基礎
となるデータのサンプリングを行うようにすることで、
該サンプリング動作及びサンプリングデータの処理動作
を簡潔に行うことができる。

【００３９】又、ＴＥＧ信号及びＴＥoff信号の作成の
基礎となるＴＥＧ信号用データ及びＴＥoff信号用デー
タからＴＥＧ信号用粗調整データ等及びＴＥＧ信号用微
調整データ等の算出、さらには情報未記録領域に基づい
たＴＥＧ信号用微調整データ等から情報記録済領域のＴ
ＥＧ信号用微調整データ等をソフト的に処理し得ること
が可能であり、又、ディスク上の情報未記録領域の位置
が決定されていることを利用することでディスク上の情
報未記録領域を探索する必要がなくなるので、ソフト的
な負担を軽減することができる。

【００４０】さらに又、情報記録済領域及び情報未記録
領域のそれぞれにおけるＴＥＧ信号及びＴＥoff信号を
作成することで、より正確なＴＥ振幅調整及びオフセッ
ト補正を行うことができる。

【００４１】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、Ｔ
Ｅ信号における振幅及びオフセット電圧をコントロール
部が送出する電圧利得制御情報及びオフセット電圧制御
情報にて制御するようにしたので、サーボ回路における
入力信号許容範囲内にＴＥ信号の振幅及びオフセット電
圧を収めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の光学的情報記録再生装置の構成を示
すブロック図である。

【図２】 図１に示すシステムコントロールブロックの
構成を示すブロック図である。

【図３】 図１に示す電圧制御増幅器の回路構成の一実
施例を示す回路図である。

【図４】 図１に示す加減算器の回路構成の一実施例を
示す回路図である。

【図５】 本発明の光学的情報記録再生装置の動作を示
すフローチャートである。

【図６】 本発明の光学的情報記録再生装置におけるＴ
ＥＧ信号及びＴＥoff信号の作成動作を示すフローチャ
ートである。

【図７】 ＣＤ−ＷＯ装置に使用されるディスクにおけ
る各領域を示す図である。

【符号の説明】

１…ピックアップ、２…差動増幅器、４…電圧制御増幅
器、６…正負ピークホールド、７…システムコントロー
ルブロック。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学的情報記録媒体との情報交換に必要
   なトラッキングエラー信号が供給され、該トラッキング
   エラー信号の信号処理を行い該トラッキングエラー信号
   における最大振幅値及び最小振幅値を保持するピークホ
   ールド部と、 上記トラッキングエラー信号が供給され、該トラッキン
   グエラー信号の電圧増幅における利得を制御することで
   該トラッキングエラー信号の振幅を補正しさらにオフセ
   ット電圧を補正した補正トラッキングエラー信号を、ト
   ラッキング動作制御用信号を作成するサーボ回路へ送出
   するトラッキングエラー信号補正部と、 上記ピークホールド部から供給される上記最大振幅値及
   び上記最小振幅値に基づいて、上記トラッキングエラー
   信号補正部におけるトラッキングエラー信号の電圧増幅
   における利得制御に必要な信号及びオフセット電圧制御
   信号を作成し、該電圧増幅利得制御信号及びオフセット
   電圧制御信号を上記トラッキングエラー信号補正部へ送
   出するコントロール部と、を備えたことを特徴とする光
   学的情報記録再生装置。
2. 【請求項２】 光学的情報記録媒体における所定領域を
   走査することにより得られるトラッキングエラー信号の
   最大振幅値及び最小振幅値に基づいて、トラッキングエ
   ラー信号における振幅及びオフセット電圧を変化させる
   制御信号を作成し、サーボ回路へ供給されるトラッキン
   グエラー信号における振幅及びオフセット電圧を上記制
   御信号に基づいて補正することを特徴とするトラッキン
   グエラー信号の補正方法。
3. 【請求項３】 上記所定領域は、光学的情報記録媒体に
   おける情報未記録領域である、請求項２記載のトラッキ
   ングエラー信号の補正方法。
4. 【請求項４】 上記所定領域は、光学的情報記録媒体に
   おける走査開始基準位置を含む領域である、請求項２記
   載のトラッキングエラー信号の補正方法。
5. 【請求項５】 いわゆるオレンジブック パート２に準
   拠する光学的情報記録媒体にあっては、上記所定領域
   は、プログラム メモリ エリアとリード インエリアと
   にはさまれた情報未記録領域、及びリード アウト エリ
   アである、請求項２記載のトラッキングエラー信号の補
   正方法。
6. 【請求項６】 いわゆるオレンジブック パート２に準
   拠する光学的情報記録媒体にあっては、上記制御信号
   は、光学的情報記録媒体における走査開始基準位置を含
   む領域を走査することにより得られる粗調整用の制御信
   号、並びにプログラム メモリ エリアとリード イン エ
   リアとにはさまれた情報未記録領域、及びリード アウ
   ト エリアを走査することにより得られる微調整用の制
   御信号からなる、請求項２記載のトラッキングエラー信
   号の補正方法。
7. 【請求項７】 光学的情報記録媒体における情報記録済
   領域を走査する場合、上記制御信号は、光学的情報記録
   媒体における情報未記録領域を走査することで得られた
   制御信号をk倍することで得られる信号である、請求項
   ２記載のトラッキングエラー信号の補正方法。
8. 【請求項８】 上記所定領域は、光学的情報記録媒体に
   おける情報記録済領域である、請求項２記載のトラッキ
   ングエラー信号の補正方法。