JPH051434Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は筆記具のクリツプ出没装置に関する。

（考案が解決しようとする問題点） 従来、筆記具には携帯時ポケツト等に挟着出来
るようクリツプが取りつけられているが、筆記時
軸筒を把持するときクリツプが邪魔となり筆記に
支障をきたす問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は図に示すように、前軸２と後軸３が回
動自在に連設された軸筒１内に前記軸筒１の相対
的回動によるカム作用で筆記体４を前進後退させ
る繰出機構７が装着された筆記具において、前軸
２内に固定された繰出装置７の固定筒１０の後部
に形成された回動カム１６と、後軸３内に装着さ
れ窓孔２０に遊嵌されるクリツプ１９の基部が連
設される出没部材２１に形成された従動カム２３
が係合され、繰出機構７の作動に同期するカム作
用により筆記体４の前進時〔軸筒１先端より筆記
体４先端が突出〕にクリツプ１９が窓孔２０内に
没入し、後退時〔軸筒１先端内に筆記体４先端が
没入〕には突出するよう構成される。

（実施例） 図において１は前軸２と、後軸３が回動自在に
連設された軸筒である。

４はボールペンやサインペンに構成された筆記
体であり、前軸２内に固定された固定環５に前端
を係止されるスプリング６により後方へ弾発され
ている。

７は繰出機構であり、前軸２後部に中継筒８を
介して固定され軸方向に摺動溝９が形成され後方
に突出する固定筒１０、前記摺動溝９に遊嵌する
係合突起１１を有し筆記体４の後端に当接して軸
方向に摺動自在な摺動部材１２、および後軸３内
に仲介筒１３を介して固定され、固定筒１０の外
周と回動自在であり前記係合突起１１を案内する
案内斜面１４を有する筒状カム１５よりなる。

１６は固定筒１０後部に嵌着により連設された
回動カムであり、その外径が後軸３の内径より小
なる断面円形とされその偏心位置には後方に開孔
する円形の案内孔１７が形成されている。１８は
係止筒であり、回動カム１６の前部に位置する後
軸３内に圧入等手段により固定されている。

係止筒１８は固定筒１０の外径より大で且つ案
内カム１６の外径より小なる内径とされ、固定筒
１０および回動カム１６を介して前軸２と後軸３
が回動自在かつぬけどめ状に連設される。

１９は後軸３の側面に貫設された窓孔２０に遊
嵌されるクリツプであり、クリツプ１９の基部に
は後軸３内に遊挿された断面矩形状の出没部材２
１が連設され、出没部材２１は後軸３内にピンの
かしめ等手段により固定された板バネの弾発体２
２により窓孔２０方向へ弾発されている。

また出没部材２１の前部には、回動カム１６の
案内孔１７に係合する突起状の従動カム２３が形
成されている。

この回動カム１６と従動カム２３の係合は第
１，２図に示されるように繰出機構７が作動して
筆記体４が前進された状態でクリツプ１９が没入
し窓孔２０に嵌入或いは嵌入状となつて後軸３表
面とクリツプ１９表面が面一状となるよう軸心位
置に、また第３，４図に示されるように筆記体４
が後退された状態でクリツプ１９が窓孔２０より
突出するよう偏心位置に同期して係合される。２
４は後軸３の後端を閉鎖する尾栓である。

（作用） 次に本考案の作用について説明する。

まず第１図の状態では筆記体４が前進され軸筒
１の先端よりその先端が突出係止されるとともに
クリツプ１９が窓孔２０に嵌入され、軸筒１表面
とクリツプ１９表面が面一状となつているのでク
リツプ１９が邪魔となつて筆記に支障をきたすこ
とがない。

ついで筆記を終了したときは、前軸２と後軸３
を相対的に180度回動すると、スプリング６によ
り後方へ弾発される筆記体４を介して摺動部材１
２の係合突起１１が案内斜面１４に案内されて後
方へ摺動し、第３図に示す位置に後退し筆記体４
の先端が軸筒１内に没入される。

また同時に前記作用と同期して、即ち前軸２と
後軸３が相対的に回動されると回動カム１６は回
動されるが、出没部材２１はクリツプ１９が窓孔
２０に遊嵌されている為回動しないので、偏心す
る案内孔１７が従動カムを案内して出没部材２１
を突出させ、結果クリツプ１９が突出され携帯可
能となる。なお突出時本実施例においては尾栓２
４の前端が前傾する斜面となつているので出没部
材２１が該斜面に案内され、第３図に示されるよ
うにクリツプ１９の基部は窓孔２０より突出する
が先端部は嵌入する傾斜状に突出される。従つ
て、基部を軸心方向へ弾発体２２の弾発力に抗し
て押圧するクリツプ１９の先端部が窓孔２０より
突出してポケツト等へ挟着可能となり携帯するこ
とができる。

尾栓２４の前端を出没部材２１と平行な非傾斜
状とするときはクリツプ１９が軸筒１表面と平行
に出没される。

板バネとした弾発体２２は出没部材２１の出没
を容易とする作用と後軸３内におけるがたつき防
止の作用もなす。

この状態より再度前軸２と後軸３を相対的に
180度回動すれば前記と逆の作用により第１図に
示す使用状態となる。

なお、本考案においては、回動カム１６の案内
孔１７にかえて後方に突出する案内突起とし、一
方出没部材２１の突起状の従動カム２３にかえて
出没部材２１に貫設される案内孔状の従動カム２
３としても同効を奏するまた、図示省略するが回
動カムを、後方に斜截される案内斜面が形成さ
れ、外周面が後軸３の内周面に摺接状に回動する
筒状カムに形成し、従動カムをクリツプ１９が窓
孔２０内に没入嵌入され、後方に突出する前記筒
状カムの案内斜面後端部が窓孔２０側に位置する
状態で、案内斜面後端部の内周と該内周面に対向
する後軸３の内周面間に摺接状に遊嵌される断面
菱形状の突出部に形成することもできる。

この場合は筒状カムが回動されると案内斜面後
端部が断面菱形状の従動カム外周を回動し、出没
部材２１が出没される。

その他例えば筆記具が、前軸２と後軸３の相対
的回動が90度行われるごとに複数の筆記体４が繰
出されるよう構成される時は、その作動に同期し
て出没部材が出没し得るよう回動カムおよび従動
カムの形状を設定するなど、本考案の要旨を変更
しない範囲で各種の変形が可能である。

（考案の効果） 本考案は以上のように構成されるので、筆記具
の使用時にクリツプが邪魔となつて筆記に支障を
きたすことがなく便利に使用できる。

また前軸と後軸の相対的回動に同期して作動す
る回動カムと出没部材の従動カムを組合わせたの
で作動抵抗が少なく円滑に作動する効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の使用状態を示す一部省
略せる断面図、第２図は第１図のａ−ａ部断面図
第３図は本考案実施例の非使用状態を示す一部省
略せる断面図、第４図は第３図のｂ−ｂ部断面図
である。 １……軸筒、１０……固定筒、２……前軸、１
６……回動カム、３……後軸、１９……クリツ
プ、４……筆記体、２０……窓孔、７……繰出機
構、２１……出没部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前軸と後軸が回動自在に連設された軸筒内に前
   記軸の相対的回動によるカム作用で筆記体を前進
   後退させる繰出機構が装着された筆記具におい
   て、前軸２内に固定された繰出機構７の固定筒１
   ０の後部に回動カム１６が形成されており、後軸
   ３内には側面に貫設された窓孔２０に遊嵌された
   クリツプ１９と該クリツプ１９の基部が連設さ
   れ、かつ前記回動カム１６と係合する従動カム２
   ３が形成された出没部材２１が遊挿されると共
   に、出没部材２１を窓孔２０方向に弾発する弾発
   体２２が装着され、繰出機構７の作動に同期して
   筆記体４の前進時にクリツプ１９が没入し、後退
   時には突出するよう構成された筆記具のクリツプ
   出没装置。