JPH05142608A - 広波長帯域第2高調波発生装置とその製造方法 - Google Patents

広波長帯域第2高調波発生装置とその製造方法

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JPH05142608A
JPH05142608A JP30283291A JP30283291A JPH05142608A JP H05142608 A JPH05142608 A JP H05142608A JP 30283291 A JP30283291 A JP 30283291A JP 30283291 A JP30283291 A JP 30283291A JP H05142608 A JPH05142608 A JP H05142608A
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JP
Japan
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harmonic
optical waveguide
substrate
wavelength band
electrodes
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JP30283291A
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English (en)
Inventor
Akitomo Itou
顕知 伊藤
Hiroshi Kaede
弘志 楓
Kazutami Kawamoto
和民 川本
Kyoko Amamiya
恭子 雨宮
Satoshi Makio
諭 牧尾
Kohei Ito
康平 伊藤
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Hitachi Ltd
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波長帯域の広い高効率の第二高調波発生素子
を提供する。 【構成】 基板(1)と光導波部路上に4)を構成する
薄膜(2)と基板(1)の一部ならび光導波路上に薄膜
を介して少なくとも一対の電極を設け、この電極間に直
流電圧を印加することにより分極反転格子周期に整合す
る電界を発生して各部の誘電率値を変化させ、これによ
り入力基本波波長に応じて光導波路内の位相整合条件を
調整し、波長帯域を拡張するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク装置、レ−
ザプリンタ、その他の光応用装置の光源の短波長化に係
り、とくに波長が約800nmの半導体レ−ザ光を波長
が約400nmの青色光に変換するような、導波路型の
第2高調波発生素子(SHG,Seconnd Harmonic Gener
ator)とその製造方法、および上記第2高調波発生素子
を用いたバルク型光ヘッド、集積化光ヘッド、ディスク
装置、レーザビームプリンタ等の光情報処理機器用部品
と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からレ−ザ光の短波長化により光記
録再生装置における記録密度の向上、レーザビームプリ
ンタにおける高精彩化などが進展するものと期待されて
いるものの、例えば半導体レーザ波長を従来の800n
mから500nm以下に短縮するには、従来のレ−ザに
用いられているIII−V族半導体をII-VI族半導体に変更
する必要があり簡単なことではなかった。このため赤外
光例えば波長800nmの半導体レーザ光(赤外光)
を、光学的非線形性を利用して波長400nmの第2高
調波に変換する方法が注目されている。
【0003】このような第2高調波発生素子により第2
高調波を効率よく発生させるためには、基本波と第2高
調波間にエネルギー保存則と運動量保存則とが満足され
る必要がある。ところが一般に光学材料の屈折率は波長
によって変化するため、エネルギー保存則を満足する波
長間では運動量の保存法則が成立しないという問題が発
生するので、基本波と第2高調波間の位相整合をとる必
要があった。上記位相整合とは、第2高調波発生素子内
で発生した無数の第2高調波成分が光導波路内を伝搬す
る過程で互いに同位相で合波されるようにすることであ
る。上記位相整合により、発生した第2高調波成分は互
いに強め合う方向に合成されて出力される。
【0004】上記位相整合法にはいくつかの方法が提案
されている。例えば特開昭61−18964公報には、
図4に示すように、LiNbO3単結晶基板41上にプ
ロトン交換法(LiNbO3のLiイオンとプロトンを
一部置換する方法)により光導波路42を形成し、その
一端面より基板表面と垂直な方向に偏光した基本波43
を入射し、チェレンコフ放射により発生した基板表面と
垂直な方向に偏光した第二高調波44を取り出す方法が
提案されている。この方法では第2高調波が導波路から
外へ放射する放射モードであり位相整合は満足される。
【0005】また、1989年の電子情報通信学会秋季
全国大会予稿集C−249には角度位相整合と称する方
法が報告されている。上記角度位相整合法においては図
3に示すように、タンタル酸リチウム(LiTaO3
基板31上にマグネシウムをドープしたニオブ酸リチウ
ム(MgO:LiNbO3と略称する)を液相成長させ
て形成した光導波路32を設け、その一端面に基板表面
と垂直なz方向に偏光(TE偏光)した基本波33を入
射させ、他端面から基板表面と平行なx方向に偏光(T
M偏光)した第2高調波34を出射させるようにしてい
る。光導波路32内を基本波33が伝播する過程で屈折
率の非線形性により基本波33は第2高調波34成分に
変換されていく。このとき、基本波33と第2高調波3
4成分の伝播速度が等しければ第2高調波成分は常に位
相整合されて出力するので最大の第2高調波出力を得る
ことができる。
【0006】しかしながら屈折率は一般に光の周波数に
比例して変化するので、上記位相整合条件は満たされな
い。例えば基本波33と第2高調波34の偏光方向がと
もにz方向であると上記位相整合条件を満たせないの
で、図3に示すように第2高調波34の偏光方向をx方
向にして、上記位相整合条件を満たす屈折率がx方向に
存在する結晶を用いるようにするのである。すなわち、
結晶の異方性を利用して位相整合を行っている。
【0007】また、エレクトロニクス、レターズ(Elec
tronics,Letters)第25巻,第731〜732頁には
図5に示すように、自発分極を持つ強誘電体、例えばL
iNbO3基板51上に自発分極方向を等ピッチで反転
させた分極反転層53と、プロトン交換法により形成し
た光導波路52を設け、光導波路52の一端よりz方向
に偏光した基本波54を入射し、他端より同様にz方向
に偏光した第2高調波55を取り出す方法が提案されて
いる。ここでは図6に示すように、上記自発分極の反転
により光導波路52内で発生する第2高調波成分に強弱
をつけ、上記自発分極の反転ピッチの長さを調節して強
い第2高調波成分同志を位相整合して取り出すようにす
るのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記図4に示したチェ
レンコフ放射を用いる方法では、第2高調波44が三日
月型となるため波面収差が大きく、これを光ディスク装
置等に用いる微小光スポットまで絞り込むことはほとん
ど不可能であった。また、図3に示した従来方法にはL
iNbO3のような非線形光学係数の大きな強誘電体材
料を用いるので、第2高調波34の波長が500nm以
下の場合には屈折率の波長分散性により十分に位相整合
することができず純粋な青色光が得られないという問題
があった。
【0009】また、基本波33と第2高調波34の偏光
方向が直交するため各偏光方向における屈折率の温度係
数が大きく異なるため、温度変化により伝播速度が変化
し位相整合条件が崩れるので、許容温度幅は0.1℃程
度に狭められ、また光導波路32の膜厚精度には0.0
1μm以下というような非現実的な値が要求されるとい
う問題もあった。
【0010】一方、図5に示した分極反転格子を用いる
第2高調波発生素子においては、第2高調波は光導波路
に閉じ込められるので出射光を容易に絞り込むことがで
き、また、基本波54と第2高調波55が同じ方向に偏
光するのでそれぞれの屈折率の温度係数も略等しくなる
ため図3における許容温度幅0.2℃を約3℃に改善で
きるものの実用的には不十分であるうえ、一種の回折格
子であるため波長選択性が厳しく、半導体レーザ光源の
波長が僅か1nm変化しただけでも効率がほとんどゼロ
となるというような問題があった。
【0011】このため、例えば、アイ・イー・イー・イ
ーのジャーナル・オブ・カンタム・エレクトロニクス、
第26巻、第7号の1265〜1276頁には上記分極
反転格子の周期を徐々に変化させて波長選択性を改善す
ることが提案されているが、このように分極反転格子の
周期を連続的に変えると極めて短い分極反転格子部分の
みが第2高調波の発生に寄与するので効率が低下し、ま
た素子の長さが大きくなるという問題があった。また、
実際上、数ミクロンオーダーの周期の1/10以下の分
解能で変調された格子を作製することは極めて困難であ
った。
【0012】本発明の目的は、波面収差が小さな第2高
調波を発生することができ、同時に光源の波長の変化に
対して特性が変化しない高効率で作製が容易な導波路形
の広波長帯域第2高調波発生装置とその製造方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、自発分極を有する光学基板内に該基板より屈折率の
高い光導波路を形成し、少なくとも上記光導波路内の自
発分極を周期的に反転する分極反転格子により入射基本
波光の第2高調波成分を発生するようにした第2高調波
発生装置において、少なくとも上記光導波路上に光学的
に透明な薄膜を介して一対の電極を設け、上記電極間に
直流電圧を印加して、入射基本波光波長λに対する上記
光導波路の実効屈折率N(λ)と上記第2高調波光の波
長λ/2に対する実効屈折率N(λ/2)の差、すなわ
ち、ΔN=N(λ/2)−N(λ)の変化分を補償する
ようにする。
【0014】さらに、上記一対の電極を複数の電極対に
分割して各電極対の電極間隔と対応する分極反転格子部
分の周期を相互に異なるようし、上記直流電圧を上記複
数の中の少なくとも一つの電極対に印加するようにす
る。また、上記複数の電極対の電極間隔と上記分極反転
格子の周期を連続的に変化するようにする。また、上記
各電極対の電極形状を櫛型にして、各櫛型形状部分を互
い違いに配列するようにする。
【0015】さらに上記第2高調波光の強度を検出して
上記直流電圧を制御するようにし、さらに複数の電極対
を用いる場合には、上記第2高調波光の強度により上記
複数の電極対の一つを選択して上記直流電圧を印加する
ようにする。また、上記基板の材質を、マグネシウムが
ドープされたニオブ酸リチウム、またはマグネシウムが
ドープされていないニオブ酸リチウム、またはタンタル
酸リチウム、またはタンタルニオブ酸リチウムとし、上
記基板上の分極反転格子の間隙部に上記基板と自発分極
方向が同一の強誘電体単結晶薄膜を設けるようにする。
【0016】また上記強誘電体単結晶薄膜を、酸素及び
水蒸気雰囲気下で上記強誘電体単結晶薄膜の原料粉末を
ホウ酸リチウム(Li224)、またはフッ化リチウ
ム(LiF)、またはフッ化カリウム(KF)等のフラ
ックス材と共に加熱してその溶融体を得る工程と、前記
溶融体に上記基板の表面を浸漬して上記溶融体温度を結
晶析出温度に降下し、上記基板上に上記強誘電体単結晶
薄膜を液相エピタキシャル成長させて上記基板の分極方
向を前記薄膜に転写する工程とにより形成するようにす
る。
【0017】
【作用】上記一対の電極、または複数の電極対の中の一
つの電極対に直流電圧を印加することにより、入射基本
波光の波長変化によって生ずる基本波光と第2高調波光
のそれぞれの実効屈折率の変化を補償し、これにより分
極反転格子内で発生される第2高調波成分の位相を合わ
せる。
【0018】また、上記複数の電極対の各電極間隔を変
えることにより、入射基本波光の波長変化範囲が拡大さ
れる。さらに、上記第2高調波光の強度により所要の電
極対を選択して直流電圧を印加/制御することにより、
第2高調波発生効率を入射基本波光の波長変化によらず
自動的に最大に維持する。
【0019】また、上記基板の材質を、マグネシウムが
ドープされたニオブ酸リチウム、またはマグネシウムが
ドープされていないニオブ酸リチウム、またはタンタル
酸リチウム、またはタンタルニオブ酸リチウムとし、上
記基板上の分極反転格子の間隙部に、酸素及び水蒸気雰
囲気下で強誘電体単結晶薄膜の原料粉末をホウ酸リチウ
ム(Li224)、またはフッ化リチウム(Li
F)、またはフッ化カリウム(KF)等のフラックス材
と共に加熱して得られる溶融体に上記基板の表面を浸漬
して上記溶融体温度を結晶析出温度に降下し、上記基板
上に上記強誘電体単結晶薄膜を液相エピタキシャル成長
させることにより、基板の分極の向きを忠実に転写した
アスペクト比の高い分極反転格子が形成され、これによ
り光導波路の光伝播損失が低減される。
【0020】
【実施例】
〔実施例 1〕図1は本発明による第2高調波発生素子
実施例の斜視図である。図1において、光導波路4に入
射される基本波5、および第2高調波である出射光6は
基板1表面に対してともに垂直方向(C軸方向)に偏光
している。表面が+c面である1mol%MgOドープ
のZcutLiNbO3単結晶基板1の表面には自発分
極が上向きのLiNbO3単結晶薄膜2が設けられる。
薄膜2内には薄膜2と同一材質の光導波路4が設けら
れ、光導波路4内には薄膜2とは分極方向が逆(下向
き)の分極反転格子3が設けられている。
【0021】図2は図1における光導波路4の断面図で
ある。Journal of Applied Physics誌、第40巻、第2
号、720〜734頁においてM.Didomenico Jr.らは、
上記LiNbO3やLiTaO3等の空間群R3c(結晶
の分類)に属する強誘電体結晶では自発分極の向きが反
転すると非線形光学係数の符号も反転することを報告し
ている。したがって上記光導波路4内では分極反転格子
3の存在により非線形光学係数が周期的に反転するの
で、分極反転格子3の部分で第2高調波が発生し、その
偏光方向は基本波と同一方向となるのである。また、分
極反転格子3のピッチΛを適正化することにより各分極
反転格子部で発生した第2高調波成分を同位相で合波す
ることができるのである。上記入射光5と出射光6はと
もにプロトン交換により作製されたチャンネル型の光導
波部4に閉じ込められて伝搬し、ともに結晶表面に対し
て垂直方向に偏光している。
【0022】従来は上記光導波路4内各部の屈折率が温
度変化等変化したり、入射光5の波長がずれたりすると
上記分極反転格子3間の最適ピッチΛが変るため上記位
相整合条件が崩れて変換効率ηが急激に低下するという
問題があった。そこで本発明では、例えばSiO2のよ
うな光学的に透明な材料により形成された透明層7上に
設けた金属薄膜電極81、82間に直流電圧を印加し、
電気光学効果を利用して屈折率を補正し、常に正しい位
相整合条件が得られるようにする。以下に、まず分極反
転格子を用いた位相整合条件を説明し、次いで上記金属
薄膜電極81、82間に印加する直流電圧によって生じ
る電気光学効果により屈折率を補正する方法について説
明する。
【0023】式(1)および式(2)はそれぞれ、図1
の光導波路4内におけるz方向に偏光した平面波(波長
λ、角周波数ω=2πc/λ)である基本波5と第2高
調波6のz方向電場成分を一般的に表現したものであ
る。
【数1】
【数2】 ただし、N(λ)、N(λ/2)等は、それぞれ光導波
路4内における基本波5および第2高調波6に対する実
効屈折率、c.cはその前の指数項の複素共役項(Comp
lex Conjugate)である。
【0024】また、B(x,z),D(x,z)はそれ
ぞれ基本波と第2高調波の光導波路断面内電界分布を表
す関数である。式(1)のA(y)と式(2)における
C(y)は上記基本波5と第2高調波6のy方向(進行
方向)における振幅変化を表し、光導波路4の光学非線
形性による上記基本波と第2高調波電場間の結合によっ
て規定される。
【0025】式(3)と式(4)は上記C(y)とA
(y)のy方向変化率でありMaxwell方程式から導かれ
る。ただし、ε0とμ0はそれぞれ真空における誘電率と
透磁率である。
【数3】
【数4】 ここで指数項の中身である4π/λ(N(λ/2)−N
(λ))が位相の不整合量Δβを表している。また、積
分項は重なり積分とよばれ、素子の第2高調波発生効率
を支配する重要な項である。
【0026】また、d(x,y,z)は非線形光学係数
であり、本発明のようにd(x,y,z)の符号がy方
向にピッチΛで反転するようになっていると式(5)の
ようにフーリエ級数に展開することができる。
【数5】 上記フーリエ級数の次数Mが−1の場合に周期Λを式
(6)のように選ぶと位相整合が実現する。
【数6】
【0027】しかし、周期Λを上記のように決定して
も、屈折率N(λ/2)、N(λ)等が温度変化した
り、波長λが変化したりすると、式(5)の整合条件が
崩れ上記Δβがゼロではなくなる。Δβがゼロでないと
きの基本波から第2高調波への変換効率ηは、式(3)
からヤコビの楕円関数を用いて式(7)のように導かれ
る。
【数7】 Lは素子長、P0は入射基本波パワー、Kは基本波から
第2高調波への変換性能を表す結合係数で式(8)のよ
うに表される。
【数8】
【0028】また、式(7)の楕円関数は、K√P0
νが小さいときには式(9)のように冪級数に展開でき
る。
【数9】 位相整合が完全に取れている場合にはΔβ=0であるか
ら式(9)より、効率ηはほぼ結合係数Kの2乗に比例
し、入射パワーP0に比例することがわかる。また、位
相整合が不完全な場合には式(9)の第2項以下がきい
てきて効率が低下する。例えば、図2のように理想的な
矩形の分極反転格子3において、基本波の波長を830
nm、プロトン光導波路の厚さを2μm、幅を3μmと
し、その屈折率nfが基板の屈折率nsより0.02だ
け大きい場合、式(8)より結合係数Kの値は440
(√W/m)となる。
【0029】図7は入力基本波パワーP0を40mW、
素子長Lを5mmとした場合のΔNと効率ηの低下の関
係をに示す図である。但し、ΔNは式(10)で定義さ
れた設計波長λ0と実際の波長λ間の屈折率差である。
【数10】 図7より、効率ηの値を最大値の0.8倍以上に保つに
は、ΔNの絶対値を±2.5×10~5以内に保つ必要が
あることがわかる。Sellmeinerは可視光の領域における
上記屈折率の波長依存性を式(11)のように導出して
いる。
【数11】
【0030】一方、Ti−サファイアレーザ、色素レー
ザ、アルゴンレーザを用いて測定したところ、基板の屈
折率nsに対する式(11)内の各定数として式(1
2)に示すような値が得られた。
【数12】 式(11)、(12)より、設計波長λ0=830(n
m)からの基本波波長のずれΔλ(nm)に対するΔN
を求めると近似的に式(13)が得られる。
【数13】 これより、ΔNを±2.5×10~5以下とするΔλの範
囲は±0.043nm以下となるが、通常の半導体レー
ザ波長は1nmのオーダーでばらつくので、このような
範囲内にΔλの変動を抑えることは実際上不可能であ
る。
【0031】そこで本発明では、図1に示した電極81
と82間に直流電圧を印加し、電気光学効果によって実
効屈折率N(λ/2)、N(λ)を変化させ、上記ΔN
を補償するようにする。式(14)は上記直流電圧によ
り発生する直流電界Edcと基本波λおよび第2高調波λ
/2に対する屈折率Nの変化分ΔNとの関係を示す式で
ある。
【数14】 式(14)において、導波層内の基本波に対する屈折率
nf(λ)と同第二高調波に対する屈折率nf(λ/
2)の値は異なるので、共通の直流電界Edcに対するそ
れぞれの実効屈折率の変化量ΔNも異なり、これにより
前記電界Edcの大きさや向きを調整して上記Δλの変動
によって生じたΔNを打ち消すことができるのである。
【0032】上記数値例に対応するΔNは式(15)の
ようになる。
【数15】 LiNbO3の結晶破壊電界は約0.01(V/nm)
であるから、これに対応するΔNの補正範囲は±1.5
×10~4となり、波長帯域を約0.7nmまで拡大する
ことができる。なお、式(14)におけるΓ1、Γ2はそ
れぞれ印加した直流電界の電界分布と第2高調波の導波
路断面内の電場分布B(x,z)、D(x,z)との重
なりを表す係数で約0.5である。rは電気光学係数で
あり本実施例の場合はLiNbO3の最大の電気光学係
数r333が該当する。
【0033】次ぎに図8を用いて上記図1に示した本発
明の第2高調波発生素子の製造方法を説明する。まず基
板上に液層エピタキシャル成長の核となる分極反転格子
3を作製する。図8(a)にて、MgO1mol%ドー
プLiNbO3基板1上にスパッタリングにより5nm
に成膜したTi膜91上に通常のホトリソグラフィ技術
によりパターニングしたホトレジスト92を設け、これ
によりTi膜91をエッチングしてホトレジストを除去
しTiパターン93を形成する。分極反転格子3の寸法
を変えて検討できるようにするため、上記ホトマスクの
パターン周期を2.5から3.5μmの間で0.1μm
ずつ変えた11種類を作製し、また、拡散によるボケを
考慮してパターンのラインとスペースの比を2:8とし
た。
【0034】次いで、図8(b)にて上記ウエハを拡散
炉に入れ、Li2Oの外拡散を防止するため、80℃に
加熱した温水中を通したアルゴンガス、および酸素ガス
雰囲気内で1040℃にて30分間熱処理し、深さ約
0.5μmの分域反転域3を形成した。なお、上記Ti
膜91を室温でTiのイオン注入により成膜してからパ
タ−ン化し上記熱処理を行なうと上記分極反転格子の精
度をさらに向上することができる。また、Tiの他にT
a、Cr等の遷移金属等を用いることもできる。
【0035】また、上記分極反転格子3はイオン交換法
によっても作製することができる。イオン交換法とは、
LiNbO3中のリチウムイオンを他のアルカリオイオ
ン(H、Na、K、Rb、Csなど)に置換する方法の
ことであり、以下一例としてプロトン交換法を用いた分
極反転格子の作製法について説明する。まず、基板1上
に100nmのCr膜をスパッタリングにより成膜し、
ホトマスクを用いて通常のホトリソグラフィ技術、およ
びエッチング技術により上記Cr膜上に分極反転格子3
の部分に対応する窓をあける。
【0036】次に、石英容器中の安息香酸の加熱溶融液
中に上記基板を浸漬して処理温度は200℃、処理時間
15分にてプロトン交換処理を行ない、深さ約0.1μ
mのプロトン交換層を形成する。なお、上記熱処理温度
は150℃から220℃の間であれば支障ないが、処理
時間を短縮するためにはプロトン交換速度の比較的早い
200〜220℃が好ましい。また、220℃以上にな
ると後の熱処理工程で基板表面が荒れるので好ましくな
い。また、上記安息香酸中に0.1から5mol%の安
息香酸リチウムを加えると、プロトン交換速度を変える
ことができる。次いで上記プロトン交換処理後に基板を
冷却し、エタノール中で超音波洗浄して上記Cr膜を除
去する。次いで熱処理炉中で1030℃で15分間、熱
処理すると深さ約1μmの分極反転格子3が形成され
る。
【0037】次ぎに、以上のようにして分極反転格子3
を形成した基板上に単結晶薄膜2を液層エピタキシャル
成長して形成する。まず、液層エピタキシャル成長に用
いる溶融体(光導波層4の原料)として、炭酸リチウム
Li2CO3、硼酸H3BO3、五酸化ニオブNb25、酸
化マグネシウムMgOの混合粉末を酸素および水蒸気の
雰囲気の1200℃の電気炉内で3時間加熱し、LiN
bO3が20mol%、フラックス材料の硼酸リチウム
Li224が80mol%の均一な溶融体を作製す
る。次いで、+c面が光学研磨された5mol%MgO
ドープのZcutLiNbO3単結晶基板を60℃/h
の冷却速度で800℃まで冷却した上記溶融体中に所定
時間浸漬して取り出し、電気炉中で30℃/hの冷却速
度で室温に徐冷して図8(c)のように、基板上に2.
5μm厚の1mol%MgOドープLiNbO3薄膜2
を成長させた。
【0038】上記処理により、あらかじめ形成した基板
の分極方向がエピタキシャル層に転写されるので、薄膜
2内にはアスペクト比の高い矩形の分極反転格子3が形
成される。なお、上記フラックス材料の硼酸リチウムL
224添加量は70から90mol%の範囲が望ま
しく、また、上記溶融体への浸漬時間は薄膜の膜厚が
0.5から3μm程度であれば10ないし30分が適し
ている。また、上記フラックス材料には上記硼酸リチウ
ムの他にフッ化リチウムLiF、フッ化カリウムKF、
五酸化バナジウムV25等を用いることもできる。次い
で図8(d)に示すように、上記薄膜2を形成した基板
を水蒸気を含む酸素雰囲気内でアニールして酸素の欠損
を補う。
【0039】次に上記薄膜2に光導波路4を形成する。
まず図8(e)に示すように、スパッタリング法により
成膜した100nm厚のTa膜96上にホトレジスト9
5を塗布してホトマスク94により光導波路4の部分を
パターニングし、図8(f)に示すようにこのホトレジ
スト95をマスクとして反応性イオンエッチングにより
Ta膜をチャンネル幅3μmにエッチングする。次いで
ホトレジスト95を除去して上記と同様のプロトン交換
により光導波路を形成する。ただし、このプロトン交換
には、1mol%の安息香酸リチウムを添加した安息香
酸溶融液を用い、熱処理温度を220℃、熱処理時間を
15分とする。
【0040】次いで、基板を冷却後、エタノール中で超
音波洗浄を行なってTaを除去し、400℃の大気中に
て45分間アニーリングを行なう。このアニーリング温
度が425℃より大きいと熱分解によりプロトン交換で
形成した光導波路4が消滅し、また、370℃以下では
熱処理時間が長くなり過ぎて光伝搬損失が増加するの
で、アニーリングの温度範囲は370から425℃と
し、処理時間を30ないし60分程度とすることが望ま
しい。次いで図8(g)に示すように、バッファ層とし
て約0.2μm厚のSiO2透明層7をプラズマCVD
法により堆積してから、アルミニウムとチタン合金の薄
膜8をスパッタリングで成膜し、通常のホトリソグラフ
ィ技術により電極81と同82を形成する。
【0040】上記のようにして作成した本発明の第2高
調波発生素子の各屈折率と光伝搬損失を測定したところ
次ぎのような結果を得た。波長を830nmにチューニ
ングし基板表面と垂直方向に偏光したTi−Sレーザ光
をプリズムカップラを介して上記光導波路4に入射する
と、基板表面と垂直方向に電場の主成分を有する一本の
TMモードが励振され、その実効屈折率N(ω)=2.
1685であった。また、波長を415nmにチューニ
ングした色素レーザによりで同様の測定を行うと、二本
のモードが励振され、低次モードの実効屈折率は、N
(2ω)=2.3015であった。
【0041】また、830nmの光に対するをカットバ
ック法により測定したところ、0.5dB/cmであっ
た。このように良好な光伝搬損失値が得られる理由は、
第一に液相エピタキシャル成長により化学量論的組成に
きわてて近い高品質の薄膜2が成長できたことであり、
第二にプロトン交換法により極めて低伝搬損失の光導波
路4が作製できたためである。式(6)により分極反転
周期Λを求めると(M=1の場合)約3.1μmである
から、3.1μmの周期を持つ試料を光導波路長さ5m
m、幅5mmに切断して光の入出面を研磨し第2高調波
発生実験用サンプルを作成した。
【0042】上記試料を銅ブロックに搭載し、ペルチェ
素子を用いて試料温度を25℃に保ち、対物レンズを介
してTi−Sレーザ光をチャンネル部端面に入射し、そ
の波長を変えて第2高調波の発生効率を測定した。その
結果、波長830nm、40mWの基本波入力に対する
第2高調波出力は2.5mWであり、フレネル反射損失
を考慮した効率は8.1%であった。式(7)より計算
される効率は10%であるから上記実験では理論値の約
4/5の効率が得られたことになる。式(9)より第2
高調波の発生効率ηは基本波の入力パワーP0に比例す
るので、上記実験結果を出力200mWの大出力半導体
レーザを結合効率50%で光導波路へ結合した場合に当
てはめると、約20%の効率と20mW以上の第2高調
波出力が得られることになる。このように高効率の素子
が得られるのは、上記のように極めて良好な矩形形状の
分極反転格子3が加工できるためであり、上記第2高調
波出力は光磁気型光ディスクや相変化型光ディスクの書
き込み、再生用の光源として十分な出力を有している。
【0043】次に電極81と82に直流電圧を印加し
て、電気光学効果による波長帯域の拡大効果の確認実験
を行ない、図9にのような結果を得た。図9(a)に上
記直流電圧を印加しない場合の波長特性であり、効率の
半値全幅約0.1nmは理論値とよく一致している。図
9(b)は電極81と同82間に直流電圧を印加して電
界Edcを発生させた場合である。±60Vの直流電圧
変化に対して基本波波長は点線に従って変化し、効率の
半値幅は約1.1nm、すなわち、同図(a)の場合の
約10倍に拡大される通常のレ−ザ光源の基本波波長の
バラツキは1nm程度であるから、図9(a)の基本波
長幅では実用的な第2高調波出力を得る見込が立たな
い。しかし、図9(b)では基本波波長範囲の1.1n
mにわたって最大の第2高調波出力が得られるので、上
記通常のレ−ザ光源の基本波波長のバラツキ範囲を十分
にカバ−できることになる。
【0044】〔実施例 2〕上記〔実施例 1〕では分
極反転格子3と電極81および82の周期(ピッチ)は
一定であった。しかし、上記周期Λを変化させると基本
波の波長帯域をさらに拡大することができる。図10は
上記分極反転格子3と電極81と同82の周期を変化さ
せた本発明による第2高調波発生素子の断面図である。
MgOを1mol%ドープしたLiNbO3基板101
上に液層エピタキシャル成長により形成されたLiNb
3単結晶薄膜102を設け、この薄膜102内に周期
がΛ1〜Λnまで変化するn種類の分極反転格子103
が形成し、さらにその上にSiO2の透明層(バッファ
層)105と電極106を設けている。
【0045】電極106のピッチは分極反転格子103
の周期の2分の1であり、Λ1/2からΛn/2まで変
化するn種類が設けられ、これらの電極106の一つに
直流電界を印加して屈折率を補正する。すなわち、上記
n種類の電極のそれぞれがカバ−できる基本波波長帯域
がずれているので、入力する基本波波長帯域に応じて上
記電極の1つを選択して直流電圧を印加するようにする
と、全体として極めて広範な基本波波長帯域に対して良
好な第2高調波発生効率を維持することができるのであ
る。また、上記n種類の各電極に共通の直流電圧を印加
するようにしてもよく、また、上記n種類の電極を一ま
とめにして周期が連続的に変化するようにし、同様に共
通の直流電圧を印加するようにしてもよい。印加された
直流電圧に対して適合する電極部分のみが効率良く第2
高調波光を発生するからである。
【0046】入射基本波は基板表面に垂直方向に偏光し
て入射され、また、分極反転格子103で発生される第
2高調波108も基板表面に対して垂直に偏光してい
る。表1はn=10の場合における分極反転格子の周期
Λnとその長さLn、および周期Λnの分極反転格子の
基本波中心波長λn等をまとめて示す図である。
【表1】 これらの値は、まず式(11)および式(12)より、
波長λnに対する基板と光導波路の屈折率nを求め、こ
の屈折率nより光導波路内を伝搬する基本波の実効屈折
率N(λn)と第2高調波の実効屈折率N(λn/2)
を求め、さらに上記N(λn)とN(λn/2)を用い
て式(6)より分極反転格子の周期Λnを求めることに
より算出する。
【0047】式(9)によれば第2高調波発生効率ηは
格子の長さLの二乗に比例するので、各分極反転格子の
長さを実施例1における単一周期の分極反転格子の長さ
の1/2とすると、各分極反転格子103の第2高調波
発生効率ηは、基本波入力P0=40mWにおいて基板
端面のフレネル反射損失を考慮して約2%となり、第2
高調波出力は0.8mWとなる。すなわち効率ηは単一
周期の素子に比べ小さくなる。また、式(9)よれば格
子の長さLが短くなるにつれ波長帯域は大きくなるので
上記各格子の波長帯域は実施例1の場合に比べて約2倍
の2nmに拡がることになる。したがって、上記10種
類の各電極の波長帯域を図11に示すように順次ずらせ
るようにすると、全体として略817nmから837n
mの基本波波長帯域範囲をカバ−することができる。
【0048】図11において、一点鎖線の特性が実施例
1の素子の波長特性、破線の特性が上記図10の各分極
反転格子103の波長特性、実線は各点線の特性を総合
した素子全体の波長特性である。これより約2%の第2
高調波発生効率ηが約20nmの波長帯域、すなわち、
従来素子の約200倍の波長帯域にわたって得られるこ
とがわかる。すなわち、本発明により半導体レーザの発
振波長のばらつき許容幅を拡張して第2高調波発生素子
の実用範囲を大幅に拡大することができるのである。さ
らに、式(9)からわかるように、例えば出力200m
Wの大出力半導体レーザを結合効率50%で光導波路へ
結合するようにすると、略6%という高い第2高調波発
生効率を得ることができるので、光磁気型光ディスクや
相変化型光ディスクの書き込み/再生用に十分な光源を
提供することができるのである。
【0049】次に図10に示した第2高調波発生素子の
製造方法の一例を簡単に説明する。まず、MgO1mo
l%ドープLiNbO3基板上に5nmのTi膜をスパ
ッタリング法により成膜してエレクトロンビーム(以下
EBと略称する)描画用のレジストを塗布する。次いで
上記分極反転格子のパターン周期Λnを表1に示したよ
うに分極反転格子の長さL=2.5mmごとに変化させ
てEBにより上記レジスト上に直接描画する。このEB
の最小スポット径は表1に示した分極反転格子周期の分
解能である25nmと同程度である。次いで、上記パタ
ーンをエッチングによりTi膜に転写してレジストを除
去する。
【0050】以後の処理は実施例1と同様である。すな
わち、熱処理により基板上に分極反転格子を形成し、液
層エピタキシャル法により2.5μmほどのLiNbO
3単結晶薄膜を成長させて基板の分極を上記薄膜に転写
し、プロトン交換法により幅3μm、深さ2μmのチャ
ンネル型の光導波路を作製し、プラズマCVD法により
バッファとなるSiO2薄膜を堆積し、スパッタリング
法によりAlとTiの合金薄膜を成膜し、EB描画によ
り周期が分極反転格子に整合する電極を作製する。
【0051】このようにして作製した本発明の試料を光
導波路に平行に25mm、これと垂直な方向に5mmの
長さで切断し、さらに光の入/出射面を研磨して第2高
調波素子を作成して第2高調波の発生実験を行った。T
i−Sレーザ光を対物レンズを介して銅ブロックに搭載
した試料の光導波路入射面に入射し、ペルチェ素子によ
り温度を25℃にして第2高調波の発生効率を測定し
た。その結果、波長816から836nm、40mWの
入射レーザ光に対して0.8mWの出力が得られ、上記
広い基本波波長帯域が得られることを確認できた。
【0052】次ぎに上記本発明の第2高調波発生素子を
用いた光源、光ヘッドとその応用装置等について説明す
る。 〔実施例 3〕図12は上記本発明の第2高調波発生素
子を搭載した小形可視光光源の構成図である。大出力の
半導体レーザ121(出力約100mW、波長830n
m)の光をレンズ系122により上記本発明の第2高調
波発生素子123の反射防止膜をコートした光導波路端
面124に集光し、415nmの第2高調波成分を通過
し830nmの基本波を遮断するようにコーティングさ
れた出射面125より出射する。この第2高調波をコリ
メートレンズ系126により平行光にしてからビームス
プリッタ127を介してその一部を光検出器130へ導
くようにする。光検出器130は第2高調波成分の強度
検出信号を電圧調整装置129におくり、これに応じて
電圧調整装置129は直流電源128の出力電圧を制御
し、第2高調波発生素子123の電極、すなわち、図1
の81と82や、図10の106等に供給する直流電圧
を変えて第2高調波の発生効率ηを所定の範囲内に保つ
ように動作する。
【0053】〔実施例 4〕図13は上記図12の可視
光光源を搭載した追記型光ディスク用ヘッドの構成例を
示す図である。131は上記第三実施例の小形可視光光
源であり、半導体レーザのモードホッピングを防止する
ために温度調整機1310が接続されている。小形可視
光光源131の第2高調波出力は偏波面を保存する光フ
ァイバ1311を介して、偏光ビームスプリッタ132
に導かれ、λ/4波長板133により円偏光に変換され
て対物レンズ134により光ディスク135上に集光さ
れる。光ファイバ1311により温度調整機1310を
搭載した光源部を光ヘッド本体から分離することがで
き、可動部を小形軽量化することができる。光ディスク
135からの反射光は偏光ビームスプリッタ132で反
射され、集光レンズ136を介してハーフミラー137
により2分されて、2分割ホトセンサ138と4分割ホ
トセンサ139上に導かれ、光ディスク135のトラッ
キング誤差信号とフォーカシング誤差信号、および再生
信号に変換される。
【0054】〔実施例 5〕図14は図12の可視光光
源を搭載した光磁気ディスク用ヘッドの構成例を示す図
である。図12の可視光光源141に半導体レーザのモ
ードホッピングを防止するために温度調整機1410が
接続され、可視光光源141の第2高調波出力は偏波面
を保存する光ファイバ1411を介し偏光ビームスプリ
ッタ142を通過して反射プリズム143により立ち上
げられ、対物レンズ144を介して光ディスク145に
集光される。146は書き込み、消去の際に用いる磁場
を与えるための磁気コイルである。光ディスク面145
からの反射光は偏光ビームスプリッタ142により反射
され、λ/2波長板147を通過して集光レンズ148
で集光され、偏光ビームスプリッタ149で2分割さ
れ、2分割フォトセンサ1413と4分割フォトセンサ
1411上に導かれ、トラッキング誤差信号、フォーカ
シング誤差信号および光磁気再生信号に変換される。光
ファイバ1411により温度調整機1410を搭載した
光源部を光磁気ディスク用ヘッドから分離できるので、
可動部を小形軽量化することができる。小形可視光光源
の光学系を変更することにより再生専用型光ディスクま
たは相変化型光ディスクにも用いることができる。
【0055】〔実施例 6〕図15は上記各実施例の光
ヘッドを用いた光情報記録再生装置154の概略構成図
である。アクチュエータ152に接続された光ヘッド1
51は光記録媒体155からの光情報を電気信号に変換
して信号処理手段する。この光情報記録再生装置におい
ては本発明の第2高調波変換素子が生成する青色光を用
いることができるので、ディスク上のスポット径を0.
5μm程度に小さくできるので記録密度を従来の4倍に
高めることができる。また、光ヘッドの可動部を小型軽
量化できるのでアクセス時間を短縮することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明により、従来の第2高調波発生素
子(SHG)の難点であった入力基本波光の狭い許容波
長帯域幅を一桁以上拡大することができるので、実験室
レベルにあった第2高調波発生素子を実用化レベルに押
し上げることができる。すなわち、従来の赤外光の半導
体レ−ザに本発明の第2高調波発生素子を組合せること
により性能の安定した第2高調波発生装置を提供するこ
とができる。また、これにより、例えば、従来の光ディ
スクを含む各種光情報記録再生装置の記録密度を略4倍
に高めることができる。また、許容温度範囲を広げるこ
ともできるので、第2高調波発生装置から温度安定化装
置を削除または簡略化して小形、軽量、経済化すること
ができる。また、各種の半導体レーザと組み合わて使用
できるので上記可視光光源の設計製造を容易化し、低価
格することができる。さらに、本発明の製造方法により
第2高調波発生効率を高めることができるので、第2高
調波発生装置の出力レベルを高め、効率化することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第2高調波発生素子実施例の斜視
図である。
【図2】本発明による第2高調波発生素子実施例の断面
図である。
【図3】モード位相整合法を用いた従来の第2高調波発
生素子の斜視図である。
【図4】チェレンコフ位相整合法を用いた従来の第2高
調波発生素子の斜視図である。
【図5】分極反転格子を用いた従来の第2高調波発生素
子の斜視図である。
【図6】位相整合の原理説明図である。
【図7】基本波波長に対する第2高調波発生効率の理論
的特性図である。
【図8】図1に示した本発明の第2高調波発生素子の製
造工程図である。
【図9】本発明適用前と本発明適用後の第2高調波出力
対波長特性を比較して示す図である。
【図10】本発明による他の第2高調波発生素子実施例
の斜視図である。
【図11】図10の素子の波長対第2高調波発生効率特
性図である。
【図12】本発明の第2高調波発生素子を搭載した可視
光光源の構成図である。
【図13】図12の可視光光源を搭載した追記型光ディ
スクヘッドの構成図である。
【図14】図12の可視光光源を搭載した光磁気型光デ
ィスクヘッドの構成図である。
【図15】図12、または図13の光ヘッドを搭載した
光情報記録再生装置の構成図である。
【符号の説明】
1、101 基板 2、102 各薄膜 3、103 分極反転格子 4 光導波路 5 入射光 6 出射光 7 透明層 81、82、106 各電極 91 Ti膜 92 フォトレジスト 94 フォトマスク 95 フォトレジスト 121 半導体レ−ザ 123 第2高調波発生素子 128 直流電源 129 電圧調整装置 130 光検出器 131 可視光光源 132、142 偏光ビームスプリッタ 133 λ/4波長板 134、144 対物レンズ 135 光ディスク 137 ハ−フミラ− 138 2分割ホトセンサ 139 4分割ホトセンサ 151 光ヘッド 155 光記録媒体 1310 温度調整機 1311 光ファイバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 和民 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 雨宮 恭子 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 牧尾 諭 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属株 式会社磁性材料研究所内 (72)発明者 伊藤 康平 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属株 式会社磁性材料研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自発分極を有する光学基板内に該基板よ
    り屈折率の高い光導波路を形成し、少なくとも上記光導
    波路内の自発分極を少なくとも上記光導波路上に光学的
    に透明な薄膜を介して一対の電極を設け、上記電極間に
    直流電圧を印加して上記光導波路の屈折率を調整するよ
    うにしたことを特徴とする広波長帯域第2高調波発生装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記広波長帯域第2
    高調波発生装置に入射される基本波光の波長λに対する
    上記光導波路の実効屈折率N(λ)と上記第2高調波光
    の波長λ/2に対する実効屈折率N(λ/2)の差、す
    なわち、ΔN=N(λ/2)−N(λ)の変化分を上記
    電極間に印加する直流電圧により補償するようにしたこ
    とを特徴とする広波長帯域第2高調波発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記一対の電極のそ
    れぞれを櫛型形状になし、上記各電極の櫛型形状部分を
    互い違いに配列するようにしたことを特徴とする広波長
    帯域第2高調波発生装置。
  4. 【請求項4】 自発分極を有する光学基板内に該基板よ
    り屈折率の高い光導波路を形成し、少なくとも上記光導
    波路内に自発分極を周期的に反転する分極反転格子によ
    り入射基本波光の第2高調波成分を発生するようにした
    第2高調波発生装置において、上記分極反転格子を相互
    に異なる自発分極周期を有する複数の分極反転格子部に
    より構成し、少なくとも上記光導波路上に光学的に透明
    な薄膜を介して電極間隔が相互に異なる複数の電極対を
    設け、上記複数の電極対の中の少なくとも一対に直流電
    圧を印加して上記光導波路の屈折率を調整するようにし
    たことを特徴とする広波長帯域第2高調波発生装置。
  5. 【請求項5】 自発分極を有する光学基板内に該基板よ
    り屈折率の高い光導波路を形成し、少なくとも上記光導
    波路内に自発分極を周期的に反転する分極反転格子によ
    り入射基本波光の第2高調波成分を発生するようにした
    第2高調波発生装置において、上記分極反転格子の周期
    を連続的に変化させ、少なくとも上記光導波路上に光学
    的に透明な薄膜を介して一対の電極を設け、上記電極の
    間隔を上記分極反転格子の連続的に変化する周期に合わ
    せるようにし、上記電極間に直流電圧を印加して上記光
    導波路の屈折率を調整するようにしたことを特徴とする
    広波長帯域第2高調波発生装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、上記複数の
    電極対のそれぞれの電極を櫛型形状にして、上記各電極
    の櫛型形状部分を互い違いに配列するようにしたことを
    特徴とする広波長帯域第2高調波発生装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    上記第2高調波光の強度を検出する光検出器と、上記光
    検出器の出力を監視して上記直流電圧を発生する電圧発
    生手段とを設けたことを特徴とする広波長帯域第2高調
    波発生装置。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし5のいずれかにおいて、
    上記第2高調波光の強度を検出する光検出器と、上記直
    流電圧の発生手段と、上記複数の電極対の一つを選択す
    る切替手段と、上記光検出器の出力を監視して上記切替
    手段と上記直流電圧発生手段の直流電圧とを制御する制
    御手段とを設けたことを特徴とする広波長帯域第2高調
    波発生装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    自発分極を有する光学基板の材質を、マグネシウムがド
    ープされたニオブ酸リチウム、またはマグネシウムがド
    ープされていないニオブ酸リチウム、またはタンタル酸
    リチウム、またはタンタルニオブ酸リチウムとしたこと
    を特徴とする広波長帯域第2高調波発生装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、上記基板上に周期
    的に自発分極方向が反転せする分極反転格子の間隙部に
    上記基板と自発分極方向が同一の強誘電体単結晶薄膜を
    設けたことを特徴とする広波長帯域第2高調波発生装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の広波長帯域第2高調
    波発生装置の製造方法において、酸素及び水蒸気雰囲気
    下で上記強誘電体単結晶薄膜の原料粉末をフラックスと
    共に加熱してその溶融体を得る工程と、前記溶融体に上
    記基板の表面を浸漬して上記溶融体温度を結晶析出温度
    に降下し、上記基板上に上記強誘電体単結晶薄膜を液相
    エピタキシャル成長させて上記基板の分極方向を前記薄
    膜に転写する工程とを有することを特徴とする請求項1
    0記載の広波長帯域第2高調波発生装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11において、上記フラックス
    をホウ酸リチウム(Li224)、またはフッ化リチ
    ウム(LiF)、またはフッ化カリウム(KF)とした
    ことを特徴とする広波長帯域第2高調波発生装置の製造
    方法。
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