JPH0514222U - 水門扉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合掌式水門扉において、各扉体の開閉動作を
円滑かつ迅速に行うようにする。 【構成】 水路１の途中に設けた枠体２の前面にアルミ
ニウム製の扉体３，３Ａを設け、この扉体３，３Ａの背
面側に複数の中空部９を区画形成するとともに、枠体２
と扉体３，３Ａとを蝶番10により連結する。 【効果】 扉体３，３Ａはアルミニウム製で、しかも複
数の中空部９を有した軽量な状態で迅速に開閉動作が行
われれる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、農業用水あるいは浄水場の水取入れ水路等の各種水路における水門 扉に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、この種の水門扉は排水路を流下してくる流水を河川または海等に排水 するために、排水路の途中に形成される両側壁に軸支部を介して回転軸を支承す るとともに、この回転軸に左右一対の合掌式の扉体を固着し、通常排水路の水位 が河川または海の水位よりも高い場合には、この排水路上流からの水圧を利用し て扉体を開状態にすることで下流への排水を行い、一方、大雨や高潮などにより 河川または海の水位が排水路の水位よりも上昇した場合には、この河川または海 側の水圧を利用して扉体を閉状態にし、排水路上流において浸水や洪水などの被 害を未然に防ぐようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来例においては、扉体自体は平板状のために重く、しかも水路の水圧が 扉体全体に直接作用することにより、一方の水位が高くなり水の流れが速くなる につれて、扉体の重さと水路の水圧が相乗的に加わって扉体の開閉動作がスムー ズに行われなくなるため、扉体がすぐに開かずに水路上流の水が下流側に放出さ れなくなったり、扉体がすぐに閉じずに多量の水が水路上流に流れ込んだりして 、水路上流において浸水や洪水などの被害が発生する虞れを生じていた。

【０００４】 本考案は前記問題点を解決して、水路中の水位の変化に応じて扉体の開閉動作 を円滑かつ迅速に行うことの可能な水門扉を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は水路に左右一対の合掌式扉体を回動可能に設けた水門扉において、前 記扉体はアルミニウム製で中空部を有するように構成されたものである。

【０００６】

【作用】

前記構成により、合掌式の扉体はそれ自体の重量が軽くなった状態で水路から の水圧を前面または背面に受け、水路中の水位に応じて敏速に開閉動作が行われ る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。図１乃至図３は本考案 の一実施例を示しており、同図において１は図示しない河川または海などに自然 排水されるように設けられた水路であり、この水路１の途中には底面を水路１の 下流に向かって略Ｖ字型に形成した枠体２を設けるとともに、枠体２の前面を覆 うようにしてアルミニウムまたはアルミニウム合金製で左右一対の合掌式扉体３ ，３Ａが設けられている。各扉体３，３Ａは水路１の上流側に設けられたゲート 部材４と、このゲート部材４の裏側周面に溶着されたコ字状の縦枠部材５及び横 枠部材６と、縦枠部材５及び横枠部材６の内方に溶着された仕切部材７，８とに より構成され、これによって、前記ゲート部材４，縦枠部材５，横枠部材６及び 仕切部材７，８とにより各扉体３，３Ａの背面側に複数の中空部９が区画形成さ れる。また、枠体２と各扉体３，３Ａの外方の縦枠部材５には上下一対の蝶番10 が連結されるとともに、横枠部材５の上端には扉体３，３Ａの閉状態において枠 体２の上方に係合するストッパー部材11が固着される。12及び13は各扉体３，３ Ａの後面に縦方向に添って設けられた水密ゴムであり、扉体３，３Ａの閉状態に おいて水路１の下流側に水が流出するのを防止するために、扉体３，３Ａの内方 に設けられた水密ゴム12，12が互いに密接し、さらに、扉体３，３Ａの外方に設 けられた水密ゴム13，13が枠体２前面に固着された支持板14に密接するようにし て構成される。

【０００８】 しかして、水路１の水位が河川または海の水位よりも高い場合には、この水路 １の水圧が扉体３，３Ａの背面に作用して扉体３，３Ａを開き、水路１を流下し てくる流水を河川または海に自然排水する。一方、大雨や高潮などにより河川ま たは海の水位が水路１の水位よりも高くなった場合には、水路１の下流より扉体 ３，３Ａの表面に水圧が加わり、扉体３，３Ａは合掌式に閉鎖して水路１の上流 側に対する水位の上昇を抑制する。このとき、扉体３，３Ａはアルミニウムによ り形成され、さらにゲート部材４，縦枠部材５，横枠部材６及び仕切部材７，８ を組合わせ、外部とは気密性を有するように複数の中空部９を設けたことによっ て、従来例に比べて扉体３，３Ａ自体の重量をはるかに軽くすることができるた め、扉体３，３Ａを開閉する際に必要な力も扉体３，３Ａ自体の軽量化によって 極めて小さく済み、水路１中の水位の変化に敏感に対応して、扉体３，３Ａの開 閉動作は円滑かつ迅速に行われる。

【０００９】 また、扉体３，３Ａの内方に一対の水密ゴム12，12を設けただけで、扉体３， ３Ａが閉じた際には、この同一の材質による水密ゴム12，12は互いに完全な密着 状態となって扉体３，３Ａのストッパーとして作用し、扉体３，３Ａより下流側 への水の流れを簡単にかつ確実に遮断することができる。

【００１０】 尚、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨の範囲内で 種々の変形実施が可能であり、例えば中空部を形成する扉体の各部材の板厚、形 状などは水路の流量などを考慮して適宜選定すればよい。また、扉体の開閉を行 うために、モータと減速ギアとを組合わせた開閉駆動装置を用いることも可能で ある。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は水路に左右一対の合掌式扉体を回動可能に設けた水門扉において、前 記扉体はアルミニウム製で中空部を有するように構成されたものであり、水路中 の水位の変化に応じて扉体の開閉動作を円滑かつ迅速に行うことの可能な水門扉 を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す平断面図である。

【図２】同上一部切欠正面図である。

【図３】同上Ａ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

１ 水路 ３，３Ａ 扉体 ９ 中空部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水路に左右一対の合掌式扉体を回動可能
   に設けた水門扉において、前記扉体はアルミニウム製で
   中空部を有するように構成されたものであることを特徴
   とする水門扉。