JPH05141876A - アルミニウム精練設備のためのヒータ構成における改善 - Google Patents

アルミニウム精練設備のためのヒータ構成における改善

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JPH05141876A
JPH05141876A JP4129751A JP12975192A JPH05141876A JP H05141876 A JPH05141876 A JP H05141876A JP 4129751 A JP4129751 A JP 4129751A JP 12975192 A JP12975192 A JP 12975192A JP H05141876 A JPH05141876 A JP H05141876A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属製のヒータカンを使用する必要なく、加
熱要素を納めるグラファイトブロックを酸化から保護し
そして加熱要素を塩化物侵食から保護するアルミニウム
保持及び精練容器の開発。 【構成】 シェル1の内面に配置されるグラファイトブ
ロック2の開口6に加熱要素組立体を配置し、シェルに
付設される支持体手段9、支持体手段に封止される加熱
要素組立体取付け板22、加熱要素組立体の加熱部分1
8に絶縁部19を通して接続され加熱要素組立体取付け
板における穴を通る電気リード線23、24、穴と電気
リード線との間隙を通しての空気の侵入を防止する封止
手段25、容器内部空間からの酸素からの保護のための
耐火シート11を備え、空気と塩化物蒸気の組合せ作用
によるグラファイトブロックの酸化と加熱要素の腐食を
抑制する。封止手段として、グロメットと上下カラー構
造を使用しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融アルミニウムの保
持及び精練のための装置に関係するものである。特に
は、本発明は、そうした装置において使用される加熱要
素の保護のために空気と塩化物蒸気の組合せ作用による
グラファイトブロックの酸化と加熱要素の腐食を抑制す
る装置に関係する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムの精練において、精練容器
としての外部加熱式耐火材内張り鋳鉄製槽(タブ)の使
用は、その寿命が制限されそしてその寿命の予知がやや
難しいために不利であることが見出されていた。この所
望されざる状況は、クラックの発生、膨れの発生、塩化
物腐食、侵食による表面層の崩れ等による鋳鉄槽の破損
から生じる。加えて、そうした鋳鉄槽に関する設計上の
制約により清掃困難な形態の使用を余儀なくされ、これ
は工業上の操業においてその使用に実用上の追加的な不
利益を生み出した。
【0003】そうした欠点を克服せんとする努力におい
て、精練容器の蓋から吊された、内部らせん状抵抗加熱
要素を有する炭化珪素チューブのような、垂直式チュー
ブ状浸漬ヒータを具備する耐火材内張り容器から成る精
練装置が案出された。この場合、ヒータは制限された寿
命しか有しないことが見出されそして実際上交換するこ
とは非常に難しかった。ヒータが炭化珪素チューブの破
損により損傷した場合には、チューブの破損片が容器内
部の溶融アルミニウム中に気体を噴射するのに使用され
る回転ノズルの損傷をもたらすことが多かった。加え
て、そうした装置は隣り合うヒータチューブ間のまたヒ
ータチューブと容器壁との間に多くの凹入部が存在する
ために清掃困難であり、そこにドロスが蓄積しそしてそ
れを簡便に取り除くことが困難であった。
【0004】そうした問題の結果として、アルミニウム
その他の溶融金属の精練のための改善された装置が開発
された。この装置は、2つの対向する側壁の各々をグラ
ファイトブロックから構成した総耐火材方式であり、こ
の場合グラファイトブロックに形成された上端を開口し
そして下端を閉鎖した垂直開口に電気式加熱要素が配置
された。この装置の様々の他の特徴は米国特許第4,0
40,610号に開示されている。こうして、この装置
は、内部加熱源を提供し同時に浸漬式ヒータの使用と関
連した欠点を克服した。この装置はヒータ寿命を増大
し、侵食を最小限としそして装置の補修を容易ならしめ
ることが見出された。溶融状態でアルミニウムを保持す
るために、この装置は、溶融状態でアルミニウムを保持
するに適した容器として、溶融金属に不浸透性の断熱シ
ェル、シェル内壁の溶融金属表面水準以下となる部分に
対するグラファイトブロックから成るライニング、及び
ブロックの一つ以上の内部に配置される少なくとも一つ
の加熱手段を装備する容器を提供した。アルミニウムの
精練に適合するように、装置はまた、容器内に配置され
る少なくとも一つの回転式気体分配手段並びに溶融金属
及び気体に対する入口及び出口をも含んでいる。
【0005】そうしたグラファイトヒータブロックを使
用する耐火材方式は、斯界で望ましい改善を構成するこ
とが見出されそして工業的なアルミニウム精練操業にお
いて有利に使用されてきた。にもかかわらず、工業的な
操業において遭遇する実際的な操業問題を克服すること
によりその適合性を一段と向上するべく、そうした装置
における一層の改善が望まれている。この場合遭遇する
主たる問題は、通常使用される操業条件の下でのヒータ
の寿命が比較的短いという事実と関係する。破損の一つ
の様式は、グラファイトヒータブロックの、通常はその
上部からの酸化から生じる。上部からのそして精練容器
或いは保持容器内の操業溶湯水準以下までの下方へグラ
ファイトのブロックの酸化に際して、溶融アルミニウム
は酸化したブロックを通してヒータ空洞内部に流入する
ようになり、それによりそこに配置された電気式加熱要
素を短絡せしめる。更に、使用されるプロセス処理気体
に塩素が使われる場合、溶融アルミニウム中に形成され
る液体状塩化物がグラファイトブロック内に通過しそし
てヒータ空洞底部に蓄積することがあり、これもそこに
配置される電気式加熱要素の短絡事故につながる。加え
て、ヒータ及びヒータ配線の腐食が、アルミニウムの精
練中発生した液体或いは蒸気状態の塩化物が精練室から
グラファイトブロックの相互連結された細孔を通してグ
ラファイトブロックのヒータ帯域に通過する結果として
起こることが見出された。ヒータの寿命を比較的短いも
のとするこうした原因を取り除くことができれば、アル
ミニウム保持及び精練容器の開発における意義ある進展
が得られることになる。
【0006】こうしたヒータの短寿命問題を克服する一
つの適当な方策が米国特許第4,717,126号に開
示された。そこに示される耐火材方式ヒータ構成は、
(1)グラファイトヒータブロックの酸化からの保護並
びに(2)ブロック内部に配置される加熱要素の塩化物
の侵食からの保護を与えるよう設計された一群の要素の
組み合わせである。ヒータ帯域においては、この2つの
機能は、ここではヒータカン(heater can)と呼ばれる
金属製加熱要素容器により達成される。この特許の方法
において、ヒータカンは支持板に封止される。ヒータカ
ン内に配置された加熱要素は、ヒータカンの内部に自由
に流入する空気に曝露されうる。この構成において、ヒ
ータカンは、(1)ヒータカン内部のヒータ帯域からの
空気が周囲グラファイトブロックと反応しそれを酸化す
るのを防止すること、及び(2)グラファイトブロック
に浸透した塩素や塩化物がその内部の加熱要素と接触し
そしてそれを侵食するのを防止することという2重の障
壁として作用しうる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特許に開示された
ヒータ構成はグラファイトブロックの酸化並びにその内
部に配置される加熱要素の塩化物侵食を防止するのにう
まく使用されうるが、もちろん、斯界では、アルミニウ
ム精練技術における一層の改善への絶えざる要望がまだ
なお存在する。即ち、アルミニウム保持及び精練設備の
簡易化、コストの節減及び性能の改善に向けてまだなお
要望が存在する。総耐火材方式とそこでの内部加熱要素
の保護に関して、ヒータカンは高価な追加的な設備部品
となる。加えて、そうしたヒータカンの使用は、所期の
目的には有用であっても、グラファイトブロック内に有
用に投入しうる加熱用電力を制限する傾向がある。
【0008】従って、本発明の課題は、アルミニウムの
保持及び精練のための改善された電気加熱式装置を開発
することである。
【0009】本発明のまた別の課題は、アルミニウム保
持及び精練容器のグラファイトヒータブロック内の加熱
要素の配置づけのための簡易化された構成を開発するこ
とである。
【0010】本発明のまた別の課題は、金属製のヒータ
カンを使用する必要なく、加熱要素を内部に配置するグ
ラファイトブロックを酸化から保護しそして加熱要素を
塩化物侵食から保護するアルミニウム保持及び精練容器
を開発することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、加熱要素組
立体自体を加熱要素を内部に配置したグラファイトブロ
ックを覆うカバーに封止しそして耐火シートをグラファ
イトブロックの内面に容器内のアルミニウム溶湯の水準
上方に配置する構成が、こうした要素の関連しての配置
により、グラファイトブロックの酸化及び加熱要素の塩
化物による侵食を有効に防止しうることを見出した。
【0012】本発明は、溶融アルミニウムをその精練を
伴って或いは伴わずして保持するための容器であって、
(1)溶融アルミニウムに対して不浸透性の底壁及び側
壁を具備する断熱シェルと、(2)前記シェルの少なく
とも一つの側壁内面に配置されるライニングを構成する
グラファイトブロックにして、前記容器内の設計操業溶
湯水準上方まで延在しそして容器内の溶融アルミニウム
と接触状態となるように配置されそして上端から下端に
向けて下端の手前まで伸延する開口を具備するグラファ
イトブロックと、(3)前記グラファイトブロックにお
ける開口内に該グラファイトブロックと電気的接触なく
支持された状態で配置される加熱要素組立体とを備える
溶融アルミニウム保持容器において、(a)前記グラフ
ァイトブロックより上方の位置において前記シェルに付
設されそして前記容器内へと内方に伸延する支持体手段
と、(b)前記支持体手段に封止される加熱要素組立体
取付け板と、(c)前記加熱要素組立体の加熱部分に接
続されそして前記加熱要素組立体取付け板上方から該加
熱要素組立体取付け板におけるリード線穴を通して伸延
する電気リード線と、(d)前記電気リード線を前記加
熱要素組立体取付け板におけるリード線穴に配置するに
際して該リード線穴の壁と電気リード線との間に生じる
環状間隙を通して空気が侵入するのを防止する封止手段
と、(e)前記グラファイトブロックの内面に配置され
そして前記容器内の溶湯のアイドル状態の水準上方の気
体空間における酸素との接触から該グラファイトブロッ
クを保護するよう垂直伸延する耐火シートにして、前記
シェルの両側壁まで延在し、上端を前記支持体手段に取
付けられる耐火シートとを備え、空気と塩化物蒸気の組
合せ作用によるグラファイトブロックの酸化と加熱要素
の腐食を抑制することを特徴とする装置を提供する。
【0013】
【作用】本発明の課題は、上述した米国特許第4,71
7,126号において必要とされた金属製ヒータカンを
使用することなく、グラファイトヒータブロックを酸化
から保護しそしてグラファイトブロック内に配置された
加熱要素を塩化物侵食から保護する役目を為す相関連づ
けられた要素の組合せにより達成される。本発明の特徴
は、溶融アルミニウム保持及び精練容器の断熱シェルに
付設されそして容器から加熱要素組立体を内部の開口に
配置したグラファイトブロックを覆って内方に伸延する
支持板に関連して加熱要素組立体を封止することにあ
る。従って、空気がこの地点においてグラファイトブロ
ックにおける開口に侵入するのが防止される。
【0014】加熱要素組立体において一般に使用される
加熱要素配線は、ニクロムV(商品名)金属−80重量
%ニッケルと20重量%クロムの合金−である。こうし
た電導性加熱要素配線が大気雰囲気に配置されそして塩
化物蒸気に曝露されるとき、配線の過酷な腐食が通常は
起こる。この配線の非常に急速な酸化は配線の表面に存
在する酸化物皮膜の常態では保護性の性質を破壊する塩
化物の作用により起こることが見出された。もちろん、
酸素が存在しない場合には、加熱要素配線の酸化は起こ
り得ない。もちろん、純塩素は配線金属を侵食して揮発
性の金属塩化物を形成する。しかしながら、アルミニウ
ム精練用途においては、本発明装置の操業において、精
練中使用される純塩素は、精練帯域内で急速に反応して
金属塩化物を形成するから、グラファイトブロックにお
ける開口内に侵入しないことが見出された。重要なこと
は、そうした塩化物は酸素の不存在下では加熱要素材料
を一般には侵食しないことである。
【0015】
【実施例】本発明が溶融アルミニウムをその精練を伴っ
て或いは伴わずして保持するための容器に関係し、当該
容器は溶融アルミニウムに対して不浸透性の底壁及び側
壁を有する断熱シェルを具備すると共に、シェルの少な
くとも一つの内部側壁におけるグラファイトブロックラ
イニングを組み込んでいる。グラファイトブロックは、
容器内の設計操業溶湯水準上方に伸延しそして容器内の
溶融アルミニウムと接触状態となるように配置される。
ブロックは、内部に、その上端から底部に向かう方向に
伸延するが、底部にまでは至らない開口を具備する。電
気式の加熱要素、即ち電気抵抗加熱要素がグラファイト
ブロックにおける開口内に配置され、そして加熱要素は
グラファイトブロックと電気的に接触することなく開口
内に支持されている。これは全般的に満足しうる容器及
び構造であるが、上述した従来からの実施において、前
記ヒータカンの使用を含めて要素の組合せの不存在下で
は工業的実施において遭遇する操業条件下での加熱要素
の寿命が比較的短いという欠点を呈した。本発明は、ヒ
ータカンを使用せずとも、塩化物侵食からの加熱要素の
保護並びにグラファイトブロックの酸化からの保護を与
える要素の組合せを提供するものである。
【0016】図面を参照すると、図1は加熱要素寿命を
向上するためにヒータカンの必要なく使用されそして大
気の存在下で塩化物侵食からの加熱要素の保護並びにグ
ラファイトブロックの酸化からの保護を与える要素の組
合せを例示する。炉シェルが番号1により表されそして
溶融アルミニウムに対して不浸透性の耐火材断熱体2が
その底壁及び側壁に固設される。こうして断熱されたシ
ェルの少なくとも一つの側壁において、グラファイトブ
ロック3が、容器内の設計操業溶湯水準4上方まで延在
するように位置づけられている。グラファイトブロック
3は、溶湯保持或いは精練操業中容器内に維持されたア
ルミニウム溶湯5と接触状態となるように位置づけられ
ている。グラファイトブロック3は、グラファイトブロ
ックの上端7からグラファイトブロックの下端8に向か
って伸延するが、下端までには至らず、その手前で終端
する開口6を具備している。
【0017】本発明の実施において、支持体手段9、即
ち支持板9がシェル1に封着されグラファイトブロック
3の上端7上方の位置において容器内へと内方に伸延す
る。図示の具体例において、支持板9は、他の部品要素
との組付けを容易にするためにその内端においてフラン
ジ付き部位10を有する。
【0018】本発明は、グラファイトブロック3の内面
に位置づけられる耐火シート11を含んでいる。耐火シ
ート11は、グラファイトブロック3を容器内の溶融ア
ルミニウム5の水準上方の気体空間中の酸素との接触か
ら保護するように垂直に伸延する。この目的のために、
耐火シート11の下端は設計操業溶融アルミニウム水準
4下のみならず、更に容器内の設計アイドル(操業休
止)水準12下方までも伸延している。耐火シート11
の下端は、図示のように、都合よくはグラファイトブロ
ック3におけるノッチ13内に配置される。耐火シート
11は、グラファイトブロック3を全体的に保護する目
的のためにシェル11の両側まで実質上水平に延在して
いることが理解されよう。
【0019】耐火シート11は、その上端において、支
持板9のフランジ付き部位10と容器のシェル1全体の
一部を構成する板14との間に挟まれて止着されてい
る。耐火シートを支持板9及び板14に固定する目的の
ためにボルト手段15が都合よくは使用される。
【0020】本発明の一具体例において、容器カバー1
7を電気的なカバー16と容器内の溶融アルミニウム溶
湯5を覆う別のカバー17から構成することが便宜であ
る。電気的カバー16は、支持板9のフランジ付き部位
10及びシェル板14に便宜上連結されるものとして示
されている。カバー17はシェル板14に封止されるも
のとして示される。当業者は、カバー17が精練操業中
溶融アルミニウム中に気体を導入するための従来型式の
気体分散手段(図示なし)に対する支持体としても機能
しうることを理解しよう。
【0021】加熱要素組立体の加熱部分は、番号18に
より表されそしてアルミニウム保持及び精練操業におい
て使用のためグラファイトブロック3における開口6内
に位置づけられるものとして示される。この加熱部分1
8の上方には、加熱要素組立体の絶縁部分19が配置さ
れる。絶縁部分19は、互いに重ねて加熱要素組立体の
上方位置まで伸延して配置される絶縁材料製のリングと
いう便宜な形態で例示されている。絶縁部分19には、
加熱部分18との接続のために電気リード線を挿通する
ための開通部20が形成されている。支持板9は加熱要
素組立体、即ち加熱部分18及び絶縁部分19を容器内
の操業位置に下方に挿通しまた上方に抜き出すための出
し入れ穴を含んでいることが理解されよう。支持板9の
下側で且つグラファイトブロック3の上側には追加的な
絶縁材21を含めることが望ましくまたそうした絶縁材
を必要に応じカバー17の下側のような別の場所にも含
めることが所望される。
【0022】加熱要素組立体取付け板22が支持板9上
に出し入れ穴を覆って位置づけられそしてそこに封止さ
れる。電気リード線23及び24が、加熱要素組立体取
付け板22上方からそのリード線穴を通して絶縁部分1
9内へと伸延しそして加熱部分18と接続されている。
電気リード線23及び24は、周囲空気が取付け板にお
けるリード線穴とそこに通されたリード線との間の環状
隙間から侵入して絶縁部分19内を通過して加熱部分1
8に達しないように適当な封止手段25により封止され
る。
【0023】本発明の封止目的に対しては、例えば取付
け板22の支持板9への封止また支持板9のシェル1へ
の封止のためには、RTVシーラント(ダウコアニング
社製造)のような適当な耐熱シリコーンシーラント或い
は他の市販されている封止剤が使用される。
【0024】図2は、ヒータカンを使用することなくヒ
ータカバー部分に加熱要素組立体を封止するまた別の具
体例を例示する。耐火材絶縁体21がその上面を覆って
配置される支持板9と共に示されている。加熱要素組立
体取付け板22が支持板9にボルト手段26により密閉
状態で止着されている。
【0025】加熱要素組立体は、グラファイトブロック
(図示なし)内部に配置されたその加熱部分との接触の
ため取付け板22におけるリード線穴27及び28を通
して伸びる丸断面のリード線23及び24を含んでい
る。リード線23及び24はまた、絶縁部分における同
軸の開通部29及び30を通して伸延するものとして示
される。リード線23及び24は望ましくは、そこに溶
着部33及び34により溶接される下方金属カラー31
及び32を具備する。
【0026】本発明の封止目的に対しては、シリコーン
ラバーのような耐熱エラストマ製のグロメット35及び
36が取付け板22におけるリード線穴27及び28そ
れぞれに挿入される。下方カラー31及び32を溶接し
たリード線23及び24が、グロメット35及び36に
おける挿通穴を通して下方カラーがグロメットの下面に
圧接するまで押し込まれる。その後、上方カラー37及
び38が、グロメット35及び36上でリード線23及
び24周囲にそれぞれ置かれそして望ましくはグロメッ
トをわずかに圧縮するように少し押し下げられる。その
後、電気的な接続バー即ち突出端子(ラグ)39及び4
0が、上方カラー37及び38の上面に当接状態に配し
て、リード線23及び24に溶着部41及び42により
それぞれ然るべく溶接される。
【0027】この態様で加熱要素組立体を気密状態に封
止するに際して、空気が加熱要素組立体のグラファイト
ブロック周辺を覆って配置されるカバー9の下側の内部
に侵入するのを有効に防止することができる。こうし
て、例えグラファイトブロックを浸透する塩化物蒸気へ
の加熱部分の曝露が加熱要素上の通常は保護性の酸化物
皮膜の破壊をもたらしたとしても、加熱要素組立体の加
熱部分の酸化は起こり得ない。
【0028】本発明の封止目的の有効性はアルミニウム
保持及び精練の操業条件の下で部品要素を封止すること
のできる材料の入手性に依存している。リード線が取付
け板を挿通する領域の温度を従来型式の容器において上
述した加熱要素配線を使用してそして加熱系統を最大出
力で操業して測定したところ、操業中の温度は140℃
であることが判明した。これは、封止用グロメットを作
製する耐熱エラストマとして望ましくは使用される既存
の市販される低圧縮永久歪シリコーンラバーの最大有用
温度である260℃よりも十分に低い。
【0029】加熱要素の挿入及び取り出しを容易ならし
めるためにまた加熱要素を挿入する際の周囲断熱体の損
傷を防止するために、図3に例示するような案内スリー
ブを設けることが好ましい。グラファイトブロック3と
その上方の断熱体21及び支持板9並びに加熱要素組立
体取付け板22及び加熱要素組立体の残余の構成は図2
の通りである。案内スリーブ43及びそこに溶着部45
により溶接されるフランジ44が支持板9に止着されそ
して封止される。加熱要素組立体を密閉状態で取付ける
取付け板22が、フランジ44上に設置されそして密封
される。案内スリーブ43は、下方に伸延しそして絶縁
体21に対して望ましくはその全深さにわたって内側カ
バーを提供する。図3に示すように、案内スリーブ43
は都合よくは、グラファイトブロック3の最上端部分よ
り下方に突出してそこに形成されたノッチに位置づけら
れる。加熱要素組立体の容器への挿入及びそこからの取
り出しに際して、案内スリーブ43は、加熱要素が絶縁
体の内壁と接触することなく絶縁部分を通して移動する
ことを可能ならしめ、それにより補修及び交換期間中加
熱要素の挿入及び取り出しに際して絶縁体が損傷するの
が防止される。
【0030】もし液体塩化物が長期の操業期間にわたっ
て、グラファイトブロックにおけるヒータ開口底部に溜
ることになるなら、液体塩化物は電導性であるから、溜
った塩化物は加熱要素と接触しそしてそれらを短絡させ
ることになる。これら状況の下では本発明を使用できな
い。この所望されざる作用は大半のアルミニウム精練操
業においては起こり難いが、特に長期の連続鋳造操業に
おいてアルカリ金属を除去するのにかなりの量の塩素が
使用された場合にはその発生が起こりやすくなる。
【0031】当業者は本発明の範囲内で様々の変更を為
しうることを理解しよう。加熱要素材料として特定のニ
ッケル−クロム合金を望ましい使用例として開示した
が、他の種ニッケル基合金や鉄基合金を含めて他の特殊
な耐熱合金もまた使用することができる。上述したよう
に、そうした材料は加熱要素の表面に保護性の酸化物相
を形成する。塩化物蒸気はその通常は保護性の酸化物蒸
気を破壊し、従って非常に急速な酸化が起こることを可
能ならしめるが、空気の存在下で塩化物蒸気への曝露さ
れるときヒータ線において起こるはずの過酷な侵食は、
酸素が加熱要素に達するのを防止しそしてそうした酸化
が起こるのを防止する本発明の封止手段により回避され
る。
【0032】精練操業に対して、使用される気体分散手
段は斯界で知られそして与えられた用途においての使用
に都合の良い任意の手段から構成することができる。シ
ャフト駆動式回転子のような回転式の気体分散手段が本
目的に対して一般的に使用される。
【0033】本発明装置において任意の便宜な構成材料
を使用することができるが、耐火シートは好ましくは、
本発明の実施での使用に便利なシート形態で市販入手し
うるセラミック繊維補強構造用アルミナである。市販さ
れるそうしたシート材料は、Zircar Products, Inc. 社
により販売されている、1315℃まで有用な性質を保
持するZIRCAR(商品名)耐火シートタイプ100であ
る。この耐火シートは、約75%アルミナ、16%シリ
カ及び9%の他の金属酸化物から構成されそして耐熱プ
ラスチックの範囲内の非常に望ましい撓み及び圧縮強度
を具備ししかも一般プラスチックの最大使用温度をはる
かに超える水準まで強度及び有用性を保持している。
【0034】加熱要素を交換するとき、空気が短時間グ
ラファイトブロックと加熱要素に接触せしめられること
を銘記するべきである。所定のパワー水準において低め
の加熱要素温度を使用することによる等して、一層長い
ヒータ寿命を実現でき、その結果加熱要素の交換が一層
少なくて済むように成る。本発明の実施において、アル
ミニウム保持及び精練に対する耐火材システムの代表的
な有用寿命中加熱要素の交換は一般に必要でない。
【0035】
【発明の効果】本発明はアルミニウム精練業界に貢献す
る。グラファイトブロックの非常に望ましい使用態様に
おいて、本発明は便宜な、効率的なそして有効な態様で
そこに置かれたヒータに保護を提供する。そうすること
によって、本発明は実際的な工業用アルミニウム精練操
業への非常に望ましいグラファイトヒータブロック方式
を一段と向上するものである。
【0036】本発明の実施においてヒータカンの排除は
2つの利益を有する。最も明らかな点は、上述したよう
に比較的高価なヒータカンを簡単に排除しうることであ
る。更に一層重要な利益は、本発明の実施において、一
層高い電力のヒータを使用しうることである。与えられ
た最大ヒータ線温度を使用して、ヒータカンの排除の結
果としての加熱要素とグラファイトブロックとの間の輻
射遮蔽体の排除により一層多くの熱が供給されうる。即
ち、ヒータカン使用の場合にはヒータからヒータカンへ
そしてヒータカンからグラファイトブロックへと2回の
輻射熱伝達が起こるのに対して、本発明ではヒータから
ブロックへとただ1回の輻射熱伝達が存在するだけであ
る。
【0037】空気の存在下で塩化物蒸気への曝露される
ときヒータ線において起こるはずの過酷な侵食は、酸素
が加熱要素に達するのを防止しそしてそうした酸化が起
こるのを防止する本発明の封止手段により回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の要部の断面図である。
【図2】本発明装置の加熱要素組立体封止部の一具体例
の断面図である。
【図3】本発明装置の別の具体例の断面図である。
【符号の説明】
1 シェル 2 耐火材断熱体 3 グラファイトブロック 4 設計操業溶湯水準 5 アルミニウム溶湯 6 開口 9 支持体手段(支持板) 10 フランジ付き部位 11 耐火シート 12 設計アイドル(操業休止)溶湯水準 13 ノッチ 14 シェルの一部を構成する板 15 ボルト手段 16、17 カバー 18 加熱部分 19 絶縁部分 20 開通部 21 絶縁材 22 加熱要素組立体取付け板 23、24 電気リード線 25 封止手段 26 ボルト手段 27、28 リード線穴 29、30 開通部 31、32 下方カラー 33、34 溶着部 35、36 グロメット 37、38 上方カラー 39、40 突出端子(ラグ) 41、42 溶着部 43 案内スリーブ 44 フランジ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融アルミニウムをその精練を伴って或
    いは伴わずして保持するための容器であって、(1)溶
    融アルミニウムに対して不浸透性の底壁及び側壁を具備
    する断熱シェルと、(2)前記シェルの少なくとも一つ
    の側壁内面に配置されるライニングを構成するグラファ
    イトブロックにして、前記容器内の設計操業溶湯水準上
    方まで延在しそして容器内の溶融アルミニウムと接触状
    態となるように配置されそして上端から下端に向けて下
    端の手前まで伸延する開口を具備するグラファイトブロ
    ックと、(3)前記グラファイトブロックにおける開口
    内に該グラファイトブロックと電気的接触なく支持され
    た状態で配置される加熱要素組立体とを備える溶融アル
    ミニウム保持容器において、(a)前記グラファイトブ
    ロックより上方の位置において前記シェルに付設されそ
    して前記容器内へと内方に伸延する支持体手段と、
    (b)前記支持体手段に封止される加熱要素組立体取付
    け板と、(c)前記加熱要素組立体の加熱部分に接続さ
    れそして前記加熱要素組立体取付け板上方から該加熱要
    素組立体取付け板におけるリード線穴を通して伸延する
    電気リード線と、(d)前記電気リード線を前記加熱要
    素組立体取付け板におけるリード線穴に配置するに際し
    て該リード線穴の壁と電気リード線との間に生じる環状
    間隙を通して空気が侵入するのを防止する封止手段と、
    (e)前記グラファイトブロックの内面に配置されそし
    て前記容器内の溶湯のアイドル状態の水準上方の気体空
    間における酸素との接触から該グラファイトブロックを
    保護するよう垂直伸延する耐火シートにして、前記シェ
    ルの両側壁まで延在し、上端を前記支持体手段に取付け
    られる耐火シートとを備え、空気と塩化物蒸気の組合せ
    作用によるグラファイトブロックの酸化と加熱要素の腐
    食を抑制することを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 電気リード線が2本の別々の電気リード
    線からなりそして加熱要素組立体取付け板における穴が
    各電気リード線のための別々の穴から成る請求項1の装
    置。
  3. 【請求項3】 電気リード線に加熱要素組立体取付け板
    の下側で取付けられそして封止手段の下面と加熱要素組
    立体の絶縁部分の上面と接触するように配置されそして
    電気リード線配置のための挿通穴を有する下方カラー手
    段を含む請求項2の装置。
  4. 【請求項4】 加熱要素組立体取付け板上方に封止手段
    の上面と接触するように配置されそして電気リード線配
    置のための挿通穴を有する上方カラー手段を含む請求項
    3の装置。
  5. 【請求項5】 上方カラー手段の上方において電気リー
    ド線に連結される電気接続突出端子を含む請求項4の装
    置。
  6. 【請求項6】 電気接続突出端子が封止手段を僅かに圧
    縮するような位置において連結される請求項5の装置。
  7. 【請求項7】 封止手段が耐熱エラストマ製のグロメッ
    トから成る請求項2の装置。
  8. 【請求項8】 耐火シートが上端において支持体手段と
    シェルの一部を構成する金属板との間に止着されそして
    該耐火シートの下端が容器内の溶湯の設計アイドル水準
    下方まで伸延している請求項1の装置。
  9. 【請求項9】 耐火シートの下端がグラファイトブロッ
    クにおけるノッチ内に位置づけられる請求項8の装置。
  10. 【請求項10】 支持体手段とグラファイトブロックの
    上端との間に配置される、開通手段を形成した絶縁手段
    を含む請求項1の装置。
  11. 【請求項11】 支持体手段がその内端において上方に
    突出するフランジ部分を含み、該フランジ部分と前記シ
    ェルの一部を構成する金属板とが前記耐火シートの上端
    を間に挟んで互いに固着される請求項8の装置。
  12. 【請求項12】 容器内の溶融アルミニウム中に気体を
    吹き込むための気体分配手段を含む請求項1の装置。
  13. 【請求項13】 加熱要素組立体のグラファイトブロッ
    クの開口内への装入及び該開口からの取り出しに際して
    絶縁手段を保護するよう開通手段の内面に位置づけられ
    るスリーブ手段を含む請求項10の装置。
  14. 【請求項14】 スリーブ手段を支持体手段に固定する
    ためのフランジ手段を含む請求項13の装置。
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