JPH0514177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はライニングが内張りされた測定管を備
えた電磁流量計に関する。

〔従来技術〕

一般に、電磁流量計はフアラデーの電磁誘導現
象を利用して測定管内を流れる導電性流体の流量
を電気信号に変換して測定を行うものであり、従
来より第１図に示すように構成されている。これ
同図に基づいて概略説明すると、１は接続用フラ
ンジ２を有する測定管で、フランジ端面２ａおよ
び内壁３にテフロン等の絶縁ライニング４が設け
られている。この測定管１の外側には管内の被測
定流体の流れ方向と直角に磁束を形成する一対の
励磁コイル（図示せず）が互いに対向して配設さ
れている。５は環状のあり溝で、前記フランジ端
面２ａ上に設けられており、これによりライニン
グ４のフランジ端面２ａからの離間を防止してい
る。６はあり溝５に係合する環状の突子で、前記
ライニング４のフランジ端面２ａに対接する面に
一体に突設されている。７は接続用フランジ８を
有する接続用配管で、両フランジ２，８に挿通さ
れた通しボルト（図示せず）により前記測定管１
に接続されている。

ところが、従来の電磁流量計においては、フラ
ンジ端面２ａ上のライニング４を機械的固定する
ためにフランジ端面２ａにあり溝５を設ける構造
を採用しているため、加工コストが嵩むという欠
点がある。また、その加工がコスト高の割にはラ
イニングの固定が十分でなく、ライニングが測定
管の内径側に移動してその内径が小さくなること
や、フランジ端面２ａ上のライニング４が傾斜し
てシール性が悪くなるという欠点もある。さら
に、測定管１の両フランジ端面２ａ間が短い電磁
流量計においては、接続用配管が鉄等の磁性体で
形成されている場合、励磁コイルの磁束がフラン
ジ２から測定管１の軸線方向に沿つて漏洩し、流
量測定における測定精度に悪影響を与えるという
不都合がある。

〔考案の概要〕

本考案はこのような事情に鑑みなされたもの
で、測定管のフランジ端面に設けた環状溝の開口
一部を覆うように磁性材からなる環状のカバーを
フランジ端面に固着するというきわめて簡単な構
成により経済的に製造でき、しかもフランジ端面
上のライニングの離間および測定管軸線方向の磁
束洩れを防止できる電磁流量計を提供するもので
ある。以下、その構成等を図に示す実施例によつ
て詳細に説明する。

〔実施例〕

第２図は本考案に係る電磁流量計を示す断面図
である。同図において、符号１１で示すものは図
示しない接続用配管間に保持される電磁流量計で
あり、筒状のケース１２にはその内部に被測定流
体が流れる測定管１３が装着されている。この測
定管１３は、両端にフランジ１４を有し外周面１
５すなわち両フランジ１４間に形成された空間部
１６に一対の励磁コイル１７がこれを内包するコ
ア１８を介し互いに対向して配設されている。ま
た測定管１３の軸線方向中央部には、一対の電極
１９（一方のみ図示）が管内の被測定流体流れ方
向および前記励磁コイル１７で形成される磁束の
方向に直交する位置に対向して設けられ、被測定
流体の各点に発生した起電力を検出するように構
成されている。２０はテフロンPEA等の絶縁材
料からなるライニングで、フランジ端面１４ａお
よび前記測定管１３の内壁１３ａに被覆されてい
る。２１はこのライニング２０側に開口する環状
溝で、断面コ字状に形成されて平行な側壁面２１
ａ，２１ｂを有し、前記フランジ端面１４ａに設
けられている。２２は鉄あるいはけい素鋼板等の
強磁性材からなる環状のカバーで、前記環状溝２
１の開口一部を覆うようにスポツト溶接により前
記フランジ端面１４ａに固着されている。

このように構成された電磁流量計においては、
環状のカバー２２が環状溝２１の開口一部を覆う
ようにフランジ端面１４ａに固着しているため、
フランジ端面にあり溝を設けた場合と同様の構造
を有することになり、ライニング２０のフランジ
端面１４ａからの離間を防止し得る。

また、本考案による電磁流量計において、励磁
コイル１７の出す磁束は、フランジ１４から測定
管１３の軸線方向に沿つて漏洩することなく管内
を通過している。

なお、本実施例においては、単なる環状のカバ
ー２２を用いる例を示したが、本考案はこれに限
定されるものではなく、第３図ａおよびｂに示す
ように多数の透孔２３を有する環状のカバー２４
を用いてもよい。この場合、フランジ端面１４ａ
上のライニング２０の密着強度が高くなり、より
効果的なライニング２０の固定構造が得られる。
またこのカバー２４は測定管１３の内壁１３ａ上
のライニング２０内に埋設されるSUS材からな
るパンチグプレートを使用しても勿論よい。

さらに本実施例においては、スポツト溶接によ
りカバー２２を固着する例を示したが、本考案は
他の溶接法あるいは機械的手段により固着しても
実施例と同様に実施し得る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、測定管の
フランジ端面に環状溝を設けると共に、この環状
溝の開口一部を覆うように磁性材からなる環状の
カバーをフランジ端面に固着したので、経済的に
製造でき、しかもフランジ端面上のライニングを
確実に固定することができる。したがつて、従来
のようにフランジ端面上のライニングが移動、傾
斜して測定管の内径が小さくなることやシール性
が悪くなることがない。また、測定管軸線方向の
磁束洩れを防止でき、流量測定における測定精度
を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁流量計を示す断面図、第２
図は本考案に係る電磁流量計を示す断面図、第３
図ａおよびｂはカバーの他の実施例を示す断面図
である。 １３……測定管、１３ａ……内壁、１４……フ
ランジ、１４ａ……フランジ端面、２０……ライ
ニング、２１……環状溝、２１ａ，２１ｂ……側
壁面、２２……カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端にフランジを有しこれらフランジ端面およ
   び内壁がライニングで被覆された測定管を備えた
   電磁流量計において、前記測定管のフランジ端面
   に平行な側壁面をもつ環状溝を設けると共に、こ
   の環状溝の開口一部を覆うように磁性材からなる
   環状のカバーを前記フランジ端面に固着したこと
   を特徴とする電磁流量計。