JPH05141645A - 角型多管式貫流ボイラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本体ケーシングの大きさを変えることなく強
制給排気式の角型多管式貫流ボイラの実現を図るととも
に、メンテナンス性の向上を図る。 【構成】 角型の缶体構造２からなるボイラ１の本体ケ
ーシング７内に送風機ケーシング１５を設け、該送風機
ケーシング１５へ外気を供給する給気ダクト２４を前記
本体ケーシング７の外側に装着し、該給気ダクト２４と
前記送風機ケーシング１５とを接続し、さらに前記給気
ダクト２４内に給気フィルタ３３を着脱自在に装着す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、角型多管式貫流ボイ
ラに関するもので、とくに比較的小型で，かつコンパク
トな構造とした強制給排気式（ＦＦ式）の角型多管式貫
流ボイラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、角型多管式貫流ボイラの缶体
構造は、基本的に、互いに平行をなす一対の水管壁間に
複数本の水管を配列し、この水管壁間の一側開口部に燃
焼バーナを配置するとともに、他側開口部に燃焼排ガス
の出口を形成したもので、燃焼バーナの燃焼面の近くに
水管が位置していて燃焼室がほとんど存在しない構成と
なっている。このような缶体構造を有する角型多管式貫
流ボイラにおいても、その小型化やコンパト化が望ま
れ、これに対応して小型化されたものやコンパクト化さ
れたものが種々提供されている。

【０００３】しかしながら、小型化やコンパクト化され
た従来の角型多管式貫流ボイラにおいては、本体ケーシ
ング内に前記缶体構造はもちろんのこと、給水ポンプ，
送風用ファン装置，各種の安全機材，制御用エレメント
等を組み込んだものとなっているため、スペース的な余
裕がなく、強制給排気式の構造とするために必要となる
給気ダクトを本体ケーシング内に配置することは、本体
ケーシングを大きくする以外には全く不可能である。ま
た、たとえ、給気ダクトを本体ケーシング内に配置した
としても、給気フィルタを掃除等のために交換するに際
しては、その都度本体ケーシングを外す等の作業をしな
ければならず、メンテナンスが面倒で厄介なものとな
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記の問
題点に鑑み、本体ケーシングの大きさを変えることなく
強制給排気式とした角型多管式貫流ボイラの実現を図る
とともに、メンテナンス性の向上を図ったものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、角型の缶体構造からな
るボイラの本体ケーシング内に送風機ケーシングを設
け、該送風機ケーシングへ外気を供給する給気ダクトを
前記本体ケーシングの外側に装着し、該給気ダクトと前
記送風機ケーシングとを接続し、さらに前記給気ダクト
内に給気フィルタを着脱自在に装着したことを特徴とし
ている。

【０００６】

【作用】この発明によれば、本体ケーシングの内側に設
けた送風機ケーシングと本体ケーシングの外側に装着し
た給気ダクトとを接続して強制給排気式の構造を実現
し、また外側に装着された給気ダクト内の給気フィルタ
を着脱することによりメンテナンスを行う。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明する。図１は、この発明の全体構成を説明す
る斜視説明図である。

【０００８】図１において、この発明に係る角型多管式
貫流ボイラ１（以下、「ボイラ１」と略称する。）は、
詳細な図示説明は省略するが、互いに平行をなす一対の
水管壁間に複数本の水管を配列し、この水管壁間の一側
開口部に燃焼バーナを配置するとともに、他側開口部に
燃焼排ガスの出口を形成した角型の缶体構造２（図２参
照）を有している。ボイラ１は、正面パネル３，上面パ
ネル４，左右の側面パネル５，６等が画成する本体ケー
シング７として構成されており、上面パネル４には本体
ケーシング７内の点検等のための開閉蓋８が設けられて
いる。そして、右側の側面パネル６の前方位置，すなわ
ち正面パネル３に近接した位置で、かつ上部位置，すな
わち上面パネル４に近接した位置には、後述する送風機
ケーシング１５と同じく後述する給気ダクト２４とを接
続するための接続孔９が穿設されており、また側面パネ
ル６には、給気ダクト２４を装着するための矩形状の装
着孔１０が複数個穿設されている。

【０００９】本体ケーシング６内には、前記缶体構造２
はもちろんのこと、給水ポンプ，各種の安全機材，制御
用エレメント等を組み込んでいる。また、前記燃焼排ガ
スの出口１１には排気筒１２が接続されており、この排
気筒１２は給排気トップ１３内を貫通し、屋外まで適宜
延在しており、燃焼排ガスを屋外へ排出する。

【００１０】本体ケーシング６内には、図２および図３
に示すように、モータハウジング１４を固着し，かつ送
風ファン（図示省略）を収納した送風機ケーシング１５
が缶体構造２の前部に配置されたバーナダクト１６に固
着されている。この送風機ケーシング１５の一側，すな
わちモータハウジング１４の固着側とは反対側には、フ
ランジ１７を有する円筒状の継手１８を嵌脱自在に装着
する継手ホルダ１９が固着されている。

【００１１】継手ホルダ１９は、図４および図５に示す
ように、下部両隅を切り欠いた逆台形状を呈するプレー
ト部材により構成されており、その中心部には継手１８
の内径とほぼ一致する直径を有する孔２０が設けられて
いる。そして、継手ホルダ１９の一側上部の両端には、
継手１８を継手ホルダ１９に装着する際に、継手１８の
フランジ１７をガイドするガイド部材２１，２１が下方
へ適宜延在した状態でそれぞれ設けられている。また、
両ガイド部材２１の下端には、装着した継手１８が抜け
出すのを防止するために、継手１８のフランジ１７を押
圧する板バネ状の押圧部材２２，２２が下方へ適宜延在
した状態でそれぞれ設けられている。さらに、継手ホル
ダ１９の左右方向の一側（図４において左右方向の左
側）の切欠き部には、装着した継手１８が下方へ脱落す
るのを防止するために、継手１８のフランジ１７と当接
するストッパ部材２３が継手ホルダ１９の板面に適宜な
高さ垂設された状態（図５の左側へ突出した状態）で設
けられている。

【００１２】本体ケーシング７の右側の側面パネル６の
外面には、図１から図３に示すように、送風機ケーシン
グ１５へ外気を供給する給気ダクト２４が前記装着孔１
０，１０，・・・を介して装着されている。この給気ダ
クト２４は、フレキシブルなホース２５を介して前記給
排気トップ１３と連通しており、これにより屋外から外
気を送風機ケーシング１５へ供給する。さて、給気ダク
ト２４は、密閉された直方体状を呈しており、側面パネ
ル６と当接する側面の前方位置には、給気ダクト２４内
の外気を前記送風機ケーシング１５へ供給する接続円筒
２６が固着されている。この接続円筒２６は、前記接続
孔９を貫通して前記本体ケーシング７内に適宜突出する
長さを有している。前記本体ケーシング７内に突出した
接続円筒２６は、前記継手１８と接続ホース２７を介し
て着脱自在の適宜な止め金具２８，２８により接続され
る（図２および図３参照）。これにより、前記送風機ケ
ーシング１５と給気ダクト２４とが連通接続される。

【００１３】ここで、給気ダクト２４を前記本体ケーシ
ング７へ装着する構成について説明すると、給気ダクト
２４の前記側面パネル６と当接する側面には、前記複数
の装着孔１０とそれぞれ対応した位置に、図６に示すよ
うな係合フック２８，２８，・・・が固着されている。
この各係合フック２８を前記各装着孔１０とそれぞれ対
応させた状態で係合することにより、給気ダクト２４を
前記側面パネル６に装着する。すなわち、各係合フック
２８を前記装着孔１０にそれぞれ係合させるのみで、給
気ダクト２４を前記本体ケーシング７に装着することが
できる。この際、給気ダクト２４と前記側面パネル６と
の間に、適宜な防振断熱材２９を介在させると効果的で
ある。この結果、着脱自在な装着が可能となる。なお、
各係合フック２８と前記各装着孔１０との係合に際して
は、接続円筒２６を前記接続孔９に貫通させながら係合
させるものであるから、前記接続孔９は、接続円筒２６
より若干大きめに形成してある。

【００１４】さて、給気ダクト２４内において、接続円
筒２６を固着した部位には、図６に示すように、接続円
筒２６の内径とほぼ同径の開口３０を有するホルダ３１
が固着されている。このホルダ３１は、前記継手ホルダ
１９とほぼ同様な構造であり、フランジ３２を有する円
筒状の給気フィルタ３３を着脱自在に装着する構成とな
っている。すなわち、ホルダ３１は、給気フィルタ３３
のフランジ３２をガイドするガイド部材２１，２１と、
フランジ３２を押圧する押圧部材２２，２２と、フラン
ジ３２と当接するストッパ部材２３とを備えている。こ
れにより、給気フィルタ３３を交換するに際しては、給
気ダクト２４の開口部３４を閉塞する蓋３５を外すこと
により、開口部３４を介して簡単に着脱することができ
る。

【００１５】また、給気ダクト２４の他の実施例につい
て説明すると、前記実施例においては、やや長めの直方
体状のものとして図示しているが、これをさらに延長し
て後端部が前記本体ケーシング７の背面部まで延在する
ように逆Ｌ字状に適宜屈曲する構成も実施に応じては好
適である、この構成によれば、前記排気筒１２との取合
いが便利となる。さらに、給気ダクト２４をほぼ半分位
の長さとし、前記給気フィルタ３３の装着部のみの大き
さとすることも実施に応じては好適である。この構成に
よれば、さらにコンパクト化を向上することができる。

【００１６】なお、前記実施例において、継手ホルダ１
９とホルダ３１とはほぼ同一の構成であるので、給気ダ
クト２４を装着しない場合（すなわち、強制給排気式と
しない場合）は、継手１８の代わりに給気フィルタ３３
を継手ホルダ１９に装着することで、強制給排気式でな
い角型多管式貫流ボイラに簡単に変換することができ
る。また、逆の場合も簡単に給気ダクト２４を装着する
ことができる。この点において、前記接続孔９および前
記各装着孔１０は、適宜な抜き孔構造としておくととも
に、前記両孔９，１０に適合した適宜な蓋を準備してお
けば、簡単に変換を行うことができる。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ボイ
ラの本体ケーシング内に送風機ケーシングを設け、また
本体ケーシングの外側に給気ダクトを装着し、送風機ケ
ーシングと給気ダクトを接続したものであるから、本体
ケーシングの大きさを変えることなく簡単な構成で強制
給排気式を実現することができ、比較的小型で，かつコ
ンパクトな構造となっている角型多管式貫流ボイラにお
いてはきわめて効果的である。また、本体ケーシングの
外側に装着した給気ダクト内に給気フィルタを着脱自在
に装着したものであるから、メンテナンスが非常に簡単
で楽なものとなる。さらには、簡単な構成で，しかも安
価に提供することができるので、この種の角型多管式貫
流ボイラとしては頗る効果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の全体構成を説明する斜視説明図であ
る。

【図２】本体ケーシングと給気ダクトとの装着状態の概
略を示す斜視説明図である。

【図３】送風機ケーシングと給気ダクトとの接続状態の
概略を示す説明図である。

【図４】継手ホルダの正面図である。

【図５】継手ホルダの側面図である。

【図６】側面パネルと係合フックとの係合状態を示す説
明図である。

【図７】給気ダクトの詳細を示す斜視説明図である。

【符号の説明】

１ 角型多管式貫流ボイラ ２ 缶体構造 ６ 右側の側面パネル ７ 本体ケーシング ９ 接続孔 １０ 装着孔 １５ 送風機ケーシング １８ 継手 １９ 継手ホルダ ２４ 給気ダクト ２６ 接続円筒 ２８ 係合フック ３１ ホルダ ３３ 給気フィルタ ３４ 開口部 ３５ 蓋

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪田 吉民 愛媛県松山市堀江町７番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 八木 宏昭 愛媛県松山市堀江町７番地 三浦工業株式 会社内 (72)発明者 寺崎 彰 愛媛県松山市堀江町７番地 三浦工業株式 会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 角型の缶体構造２からなるボイラ１の本
   体ケーシング７内に送風機ケーシング１５を設け、該送
   風機ケーシング１５へ外気を供給する給気ダクト２４を
   前記本体ケーシング７の外側に装着し、該給気ダクト２
   ４と前記送風機ケーシング１５とを接続し、さらに前記
   給気ダクト２４内に給気フィルタ３３を着脱自在に装着
   したことを特徴とする角型多管式貫流ボイラ。