JPH05140521A - 澱粉糊 - Google Patents

澱粉糊

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JPH05140521A
JPH05140521A JP30333891A JP30333891A JPH05140521A JP H05140521 A JPH05140521 A JP H05140521A JP 30333891 A JP30333891 A JP 30333891A JP 30333891 A JP30333891 A JP 30333891A JP H05140521 A JPH05140521 A JP H05140521A
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starch paste
starch
concentration
paste
corrugated cardboard
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JP30333891A
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English (en)
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Masahiro Kumabe
部 正 博 隈
Mitsukuni Andou
藤 光 訓 安
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Honshu Paper Co Ltd
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Honshu Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高濃度化しても転移量の制御が容易な段ボー
ルシートの製造用の澱粉糊。 【構成】 段ボールシート製造用の原紙と中芯との貼り
合せに用いる澱粉糊を気泡を含有させて体積を1.05
〜3.00倍に増大させる。 【効果】 高濃度化澱粉糊を用いても既存のグルーマシ
ンにより低濃度澱粉糊と同様の条件で段ボールシートを
製造することができる。高濃度化澱粉糊を用いて高接着
力および高速度で段ボールシートを製造することができ
るようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、段ボールシート製造用
の澱粉糊に関する。さらに詳しくは、段ボールシートの
製造において、高濃度化澱粉糊を用いても、グルーライ
ン巾を容易に所定の長さに制御して、かつ、原紙と中芯
とを高速で貼合せることができる澱粉糊に関する。
【0002】
【従来の技術】段ボールシートの原紙貼合せ用の接着剤
には、ステインホール社の特許で提案された澱粉糊(以
下必要に応じてS社澱粉糊という)およびそれの接着力
を強化するなどの改良をした澱粉糊(以下必要に応じて
改良型澱粉糊という)が一般的に用いられている。
【0003】改良型澱粉糊には、接着力の強化などのた
めに約30重量%以上の高濃度の澱粉糊にしたものがあ
る。S社澱粉糊および改良型澱粉糊は、安価な澱粉を使
用するということで、経済性に優れたものである。
【0004】しかし、その高濃度澱粉糊(改良型澱粉
糊)を用いてコンバイニングコルゲートマシン(以下コ
ルゲーターと略称)で段ボールシートを製造しても、段
ボールシートの接着力がそれ程に向上せず、しかも品質
が不均一で生産速度が低いという問題を生ずることがあ
った。
【0005】以下、段ボールシートの製造について説明
し、その説明の中で改良型澱粉糊、すなわち高濃度澱粉
糊、が有する問題点を説明する。
【0006】段ボールシートは、段ボールシートの表裏
を形成する原紙(ライナーとも呼ばれており、以下必要
に応じてライナーということがある)を波状紙中芯(メ
ディアムとも呼ばれており、以下必要に応じて中芯と略
称することがある)の表裏のフルート(段型を意味する
用語である)の部分に澱粉糊で貼合せたものである。
【0007】なお、コルゲーターは、波状紙中芯(すな
わち原紙に段型を形成して全体として波状にしたもの)
の形成、中芯への表裏のライナーの貼合せ、形成した段
ボールシートの裁断などを行う機械の一連の総称であ
る。
【0008】例えば、コルゲーターには、シングルフェ
ーサー部(片面貼合せ機)、ダブルフェーサー部(裏面
貼合せ機)、およびカッター部(裁断機)からなるもの
がある。
【0009】コルゲーターでは、中芯のフルートの一方
の面の頂部(段型の頂部で段頂と呼ばれることがある)
に澱粉糊を転移して表のライナーを頂部に貼合せ、加圧
および加熱して接着して片面段ボールシートを形成す
る。その後で中芯のフルートの他方の面の頂部に澱粉糊
を同様に転移して裏のライナーを貼合せて両面段ボール
シートに形成する。
【0010】なお、糊をフルートの頂部に運んでそこに
一定量付着させることを、転移、塗布、移動あるいは転
写などの用語で呼ばれることがあるが、いずれも同義語
である。本明細書では、「転移」の用語を用いる。
【0011】そして、転移は、容器に溜めた澱粉糊を回
転する糊付ロールに付着させて、フルートの頂部のごく
近くまで運んで頂部に移すようになっている。
【0012】また、転移量の制御は、ドクターロール
(糊付ロールと同方向に回転)あるいはドクターバーを
糊付ロールに近接した位置に置き、糊付ロールに付着し
た澱粉糊をドクターロールあるいはドクターバーとの微
小な間隙を通すことにより目的量の澱粉糊がフルートの
頂部に運ぶようにしたものがほとんどである。
【0013】図1は、コルゲーターのダブルフェーサー
部のグルーマシンに相当する澱粉糊の転移装置の一例の
説明図である。
【0014】図2は、図1の転移装置の糊付ロールとフ
ルートの頂部が隣接する部分を拡大した模式図である。
【0015】図1において、シングルフェーサーで形成
された片面段ボールシート(1)は、矢印の方向に進行
し、ライナー(2)が途中から矢印と同方向に進行して
中芯のフルート(3)の頂部(4)に転移された澱粉糊
でフルート(3)に接着する。
【0016】そして、澱粉糊のフルート(3)の頂部
(4)への転移は、ライナー(2)とフルート(3)の
頂部が接近する前の位置で、転移装置(5)を用いて行
われる。
【0017】図1の転移装置(塗布装置ということもで
きる)では、容器(グルーパン)(6)内に糊付ロール
(7)とドクターロール(8)とが設けられている。両
ロール(7)(8)とも回転する。両ロール(7)
(8)の間隙は、1mm以下の微小な距離で操作される
のが一般的であり、通常の段ボールシートの製造では、
一般的に0.1〜0.5mmの間隙に調整して行われる
ことが知られている。
【0018】澱粉糊(9)は、少なくとも糊付ロール
(7)の下部に接触またはその下部(下半分でもよい)
が漬かる程度に、容器(6)内に常に一定量滞溜するよ
うになっている。澱粉糊(9)は、製糊装置(図示せ
ず)で作られて糊液貯蔵タンク(図示せず)から容器
(6)に送液され、余分の量の澱粉糊(9)は、オーバ
ーフローさせるようになっているのが一般的である。
【0019】そして、ライナー(2)と中芯のフルート
(3)との一般的な澱粉糊を用いる貼合せでは、澱粉糊
の転移量が約3〜8グラム(糊を乾燥した場合の固形物
量として)/m(フルートの表面積のm)程度であ
る。
【0020】なお、一般的な澱粉糊とは、S社澱粉糊お
よび改良の程度が低い改良型澱粉糊で、澱粉濃度が約2
0〜25重量%程度のものである。
【0021】この約3〜8グラム/mの転移量は、
0.1〜0.5mm内の間隙でドクターロール(8)の
位置を0.01mmずつ移動して制御可能な量である。
また、この範囲の転移量の一般的な澱粉糊が示すグルー
ライン巾(図2の(10)参照)であれば、ライナーと
中芯との接着力を実用的に満足できる程度のものである
とされている。
【0022】一般的には、ライナーと中芯との接着強度
は、中芯に塗られた澱粉糊の層の面積とその面積内の澱
粉糊量が大きくなると増大する。しかし、塗る澱粉糊量
が多くなると、ライナーと中芯との接着後に澱粉糊の大
半を占める水分を蒸発させる時間、すなわち乾燥時間、
が長くなって貼合せ速度が低下し、乾燥費用の高騰およ
び貼合せ速度の低下などにより段ボールシートの製造費
用が高騰する。
【0023】また、塗る(すなわち転移する)澱粉糊量
が多くても、グルーライン巾(10)が狭いと、澱粉糊
層の面積が小さくなるので、すなわち、接着面積が小さ
くなるので、接着力が低下する。
【0024】なお、グルーライン巾(10)とは、図2
に示すように、フルート(3)の頂部(4)に転移する
澱粉糊の巾、すなわち頂部(4)に平面状に塗られた澱
粉糊の巾、である。
【0025】すなわち、現在のグルーマシンにより一般
的な澱粉糊を約3〜8グラム/mという量を転移する
ということは、一般的な澱粉糊が有する接着力をベース
にして、ライナー(2)と中芯にある程度の接着力を持
たせ、品質が均一(接着力などが不均一にならない)
で、貼合せ速度を工業的に許容できる速度に保持するた
めに経験的に見出だされたものである。
【0026】一方、高濃度化澱粉糊(全澱粉の濃度が3
0重量%以上の澱粉糊)を、一般的な澱粉糊を転移する
場合と同じ間隙(糊付ロールとドクターロールとの間
隙)に設定して転移すると、転移量が著しく大きくな
る。
【0027】すなわち、乾燥に負担がかかる水分が多量
にライナーおよび中芯の紙に含まれてしまうという現象
が生じる。そのために、ウオッシュボード、ひじわ、反
り等が発生して段ボールシートの品質が低下し、貼合せ
速度も著しく低下する。
【0028】また、この現象を解消するために、一般的
にはドクターロールを0.01mmあるいはそれよりも
小さい距離を少しづつ移動して糊付ロールとドクターロ
ールとの間隙を調整することが行われるが、転移量を3
〜8グラム/mあるいはそれに近い範囲の量にする
と、高濃度の為、トータルの塗布量が少ないのでブルー
ラインが狭くなったり途中で切れたりして、接着力の強
さが低下することがよく知られている。
【0029】それらの現象についての原因について、そ
れを検討した報告は何もなく、かつそれらの現象を克服
する手段にいついて何も提案されていないというのが実
状である。
【0030】したがって、現在のコルゲーターの転移装
置では、高濃度化澱粉糊の転移を精密に制御することが
できないので、高濃度化澱粉糊による段ボールシートの
工業的製造が実質的に著しく困難となっており、提案さ
れた高濃度化澱粉糊を実用に供しえないという問題があ
った。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、段ボールシ
ートの製造において、高濃度化澱粉糊を使用しても、そ
の転移量が容易かつ精密に制御することができるもので
あり、しかも、澱粉濃度が変化しても転移量およびグル
ーライン巾の変化が少ない澱粉糊、すなわち、高濃度化
澱粉糊を使用して高接着力および高速度で貼合せて段ボ
ールシートを製造することができる澱粉糊、を提供する
こと、を目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明による澱粉糊は、
気泡を含有させて体積を1.05〜3.00倍に増大さ
せた澱粉糊であって、その増大した体積の状態で段ボー
ルシート製造用の原紙と中芯との貼合せに用いるもので
あること、を特徴とする。
【0033】〔発明の具体的説明〕先に述べた糊付ロー
ルとドクターロールとの間隙が同じでも、高濃度化澱粉
糊の流動特性が変わる現象は、澱粉糊が糊付ロールに付
着して回転する澱粉糊層にドクターロールの回転により
横方向からその回転方向と逆方向に向けて力が付加され
て、回転する澱粉糊層がドクターロールと接する面で摩
擦による力を受けているという状況下で起きているとい
うことは明瞭である。
【0034】したがって、澱粉糊は一般に非ニュートン
性を示すので、高濃度化澱粉糊がそれらの状況下で非ニ
ュートン性が大きくなって流動特性が変わったとみるこ
とができる。
【0035】なお、非ニュートン性というのは、非ニュ
ートン流体(ニュートンの粘性法則に従がわない流体)
が示す粘性および流動特性などの諸性質をいう。
【0036】そして、非ニュートン性が大きくなるとい
うことは、非ニュートン流体が示す粘性および流動特性
などの諸性が大きくなって、ニュートン流体からのずれ
が大きくなることをいう。
【0037】しかし、澱粉糊の非ニュートン性の変化を
制御するなどということは、未知の領域であって、研究
が全くといっていい程にほとんど行われていなかった。
【0038】そこで、糊付ロールとドクターロールとの
狭い間隙を通る際に受ける澱粉糊の力学的影響は著しく
複雑で、その力学的影響による非ニュートン性の変化も
著しく複雑であったが、本発明者は、高濃度澱粉糊のそ
のような状況下にある非ニュートン性を制御する検討
(主として実験的な検討)を試みた。
【0039】そして、その検討により糊付ロールとドク
ターロール(ドクターナイフでも同様)の狭い間隔を通
った高濃度澱粉糊の非ニュートン性の変化が、澱粉濃度
の増大に比較して著しく大きくなることが本発明者によ
り見出だされた。
【0040】例えば、定性的には、高濃度澱粉糊(澱粉
濃度約30重量%)を低速度でパイプライン中を輸送す
ると、低濃度澱粉糊(澱粉濃度約20〜25重量%)に
近似するニュートン性を示し、容易に輸送できるが、糊
付ロールとドクターロールとの間隔を同じにして、高濃
度澱粉糊および低濃度澱粉糊を転移すると、両者の転移
量およびグルーライン巾が大巾に異なってくるというこ
とである。
【0041】そして、本発明者は、糊付ロールとドクタ
ーロール(あるいはドクターナイフ)の間隙の調整によ
り高濃度澱粉糊(澱粉濃度約30重量%以上)を約3〜
8グラム(糊が乾燥して残った固形物)/m(フルー
トの表面積のm)の転移量およびその転移量の低濃度
澱粉糊でのグルーライン巾になるようにすることを試み
たが、高濃度澱粉糊の流動特性がドクターロール位置の
微調整により大きく変化し、ドクターロールの調整では
高濃度澱粉糊を使用して高接着力および高速度で段ボー
ルシートを製造するのは困難であることを見出だした。
【0042】そのために、高濃度澱粉糊の転移量および
グルーライン巾などを低濃度澱粉糊と同様に制御するに
は、全く新たな手段が必要であるとして、種々の新たな
手段を検討(主として実験による検討)し、その検討の
過程で、偶然にも、気泡を含有する高濃度澱粉糊が、そ
の転移量を容易に制御できる挙動を示すことを見出だし
た。
【0043】すなわち、本発明による澱粉糊は、段ボー
ルシート製造において使用するものであり、ライナーと
中芯との貼合わせの際には、気泡を含有させて体積を増
大させたものになっているものである。 <澱粉糊>本発明に従って気泡を含有させる澱粉糊と
は、澱粉が接着性付与の主体的成分として水に含まれて
いる糊である。澱粉とは、生澱粉および変性澱粉(加工
澱粉ともいう)あるいはハイアミロース澱粉などの種々
の澱粉を包含したものの意味である。
【0044】生澱粉は植物から採取した澱粉そのままの
ものであり、変性澱粉は普通澱粉を加工処理した澱粉で
ある。その加工処理には、物理的または化学的な処理が
ある。
【0045】加工処理は、粘度、溶解性、透明性、ゲル
の性質あるいは糊化温度などを必要に応じて改良するた
めになされるものであるが、いずれの処理をしても本発
明の対象となる澱粉糊になりうる。
【0046】また、澱粉糊は、澱粉が接着性付与の主体
的成分として含まれている糊である限り、澱粉糊に種々
の特性を付加するために添加物類が加えられていてもよ
い。
【0047】すなわち、本発明は澱粉糊の流動に関係し
てなされたものであるので、澱粉糊に添加物類が加えら
れていても、添加物類によって特別に流動特性が変わら
ない限り、本発明の対象とすることができる。
【0048】代表的な澱粉糊としては、S社澱粉糊およ
びそれを改良した改良型澱粉糊がある。
【0049】S社澱粉糊は、糊化した澱粉液(キャリヤ
ーと称されている)に生澱粉(未糊化澱粉でメインと称
されている)を分散したもので、コルゲーターの熱源に
より生澱粉を糊化して、その糊化により澱粉糊を増粘し
て、セッティング速度が速くなるようにしたものであ
り、澱粉糊中の全澱粉量は25%程度が限度である。
【0050】なお、S社澱粉糊でのキャリヤーは、澱粉
のみを糊化したのでは、ゲル化し易く、流動性も低いの
で、生澱粉、加工澱粉またはハイアミロース澱粉に澱粉
重量当り10〜16%の苛性ソーダを加えて50〜60
℃で糊化させている。
【0051】また、S社澱粉糊の欠点である多量の水分
含有による貼合せ速度の低下などを改善するために濃度
を30重量%以上に高濃度化する、または(および)接
着強度を強化するなどした澱粉糊が提案されている(特
公昭54ー15175号公報、特公昭55ー35076
号公報、特公昭56ー43268号公報、特開平2ー1
53985号公報など参照)。
【0052】そして、これらいずれの澱粉糊も本発明に
従って気泡を含有させる澱粉糊になりうることは、いう
までもない。
【0053】本発明は、高濃度澱粉糊、例えば50重量
%(澱粉糊中の全澱粉量)、極端に高濃度のものに対し
ても有効であるが、一方S社澱粉糊のような濃度20〜
25重量%の澱粉糊、あるいは20重量%未満の低濃度
の澱粉糊に対しても有効である。
【0054】すなわち、濃度20〜25重量%の澱粉糊
(S社澱粉糊)、あるいはそれより低濃度の澱粉糊は、
現在のグルーマシンでも使用しうるが、低濃度澱粉糊も
非ニュートン性を示すので、転移に際してのドクターロ
ール(あるいはドクターナイフ)の位置の微調整、すな
わち、糊付ロールとドクターロールとの狭い間隙の微調
整、には熟練を必要とし、作業者は熟練するために過大
の時間と労力を必要とする。しかし、本発明の気泡含有
の澱粉糊であれば、グルーライン巾の調整が容易にな
り、ドクターロール(あるいはドクターナイフ)の調整
に要する熟練の程度を低くすることができて有効であ
る。
【0055】なお、段ボールシートの製造用の澱粉糊
は、粘度を調整した状態で用いられることがあるが、本
発明ては特に粘度の制約がない。
【0056】段ボールシート製造用の澱粉糊の粘度の代
表的なものは、B型粘度計による測定によれぱ、常温、
60RPMで約300〜1000CPS程度である。
【0057】なお、B型粘度計は、同心の二重円筒の間
隙に液体を入れ、内筒を一定角速度で回転し、内筒にか
かるトルクを測定して、液体の粘性率(ニュートンの粘
性法則D=τ/ηのηが粘性率)を求める粘度計であ
る。
【0058】したがって、その粘度は、澱粉糊の粘性を
全体的に正確に反映したものではないが、澱粉糊が特定
の条件で粘性から受ける抵抗を現すものにはなりうる。 <気泡の含有>本発明による澱粉糊は、気泡を含有して
体積が1.05〜3.00倍に増大したものである。
【0059】1.05〜3.00倍の倍率は、厳密には
35℃における澱粉糊(気泡を含有していないもの)の
体積を基準としたものである。
【0060】澱粉糊が含有する気泡は、澱粉糊に実質的
に溶解性を有しない気体の泡であればよい。実質的に溶
解性を有しないというのは、澱粉糊の接着性に影響を与
えないわずかな量であれば、溶解していてもよいという
意味である。
【0061】気体の代表的なものは、不活性ガスあるい
は空気である。空気が経済性の点から好ましい。
【0062】澱粉糊の気泡含有量は、澱粉糊に気泡を含
有させて、澱粉糊の体積を1.05〜3.00倍、好ま
しくは1.5〜2.00倍、にする量である。
【0063】気泡含有の澱粉糊は、体積を1.05倍、
好ましくは1.5倍以上にすると、高濃度化澱粉糊で
も、その転移量、例えば約3〜8グラム(糊を乾燥した
場合の固形物量として)/m、を容易に制御すること
ができ、かつ、グルーライン巾が狭くならないことが本
発明者により見出だされたからである。
【0064】気泡含有量の上限は、気泡の含有の澱粉糊
の体積が3.00倍になる程度である。体積が3.00
倍を越える量を含有させても、それら気泡含有の効果が
それ程に変化しない。
【0065】気泡を含有させる手段は任意であるが、代
表的な方法には気泡を澱粉糊に吹き込むという方法があ
る。
【0066】気泡の大きさについては、特に制約がない
が、例えば、10〜50μ、好ましくは20〜30μ、
のものである。
【0067】気泡を必要以上に大きくすると、糊付ロー
ルとドクターロールとの間隙で気泡が破れるおそれがあ
り、必要以上に小さくするのは気泡の吹き込みに特別の
装置を必要とするからである。
【0068】なお、気泡の大きさの測定は、顕微鏡によ
る。
【0069】また、気泡を澱粉糊に体積が3.00倍程
度になるまで吹き込んでも、気泡を澱粉糊中に滞留させ
ることができるということも、本発明で見出だされたこ
とである。
【0070】なお、気泡を澱粉糊中に均一に微細状に分
散させるために、気泡を調整するための添加剤を澱粉糊
に加えてもよい。添加剤としては、例えば整泡剤があ
る。
【0071】本発明によれば、ライナーと中芯との貼合
せに用いる澱粉糊が、気泡含有の澱粉糊になっていれば
よい。したがって、すくなくとも澱粉糊の転移装置に溜
まっている澱粉糊、すなわち、糊付ロールとドクターロ
ールとの間隙を通る前の澱粉糊、が気泡を含有した状態
になっていればよい。 <段ボールシートの製造>本発明による澱粉糊は、段ボ
ールシート製造用の原紙(ライナー)と中芯との貼合せ
に用いられるものである。
【0072】ライナーは、表裏のライナーの片方または
両方であってもよい。
【0073】本発明による澱粉糊を用いる段ボールシー
ト製造機には、制約がない。
【0074】以下の実施例は、本発明をさらに詳細に説
明するものである。それらは、例示を目的として示され
ており、本発明を何等制限するものではない。
【0075】
【実施例】コルゲーターとして、シングルフェーサー
(片面貼合せ機)およびグルーマシン(裏面貼合せ機)
を有する機械を用いて実験した。
【0076】実験は、濃度25重量%(一般澱粉糊の濃
度)および33重量%(高濃度化澱粉糊の濃度)の澱粉
糊について、気泡を含有したものおよび気泡を含有しな
いそのままとを用意した。それぞれをシングルフェーサ
ーおよびグルーマシンの糊転移装置の糊付ロールとドク
ターロールとの間隙を同じにして操作し、中芯とライナ
ーとを貼合せる実験を行った。澱粉濃度は、澱粉糊中の
全澱粉量である。
【0077】実験の結果は、表1に示す。
【0078】なお、表1の糊の見かけ粘度は、B型粘度
計における60RPMのトルクでの粘性率である。
【0079】したがって、本発明品と比較例の澱粉糊が
糊付ロールとドクターロールとの間隙を通った後で示す
粘性が別の傾向を示すこともありうる。
【0080】
【表1】 表1の結果によれば、同じ間隙(糊付ロールとドクター
ロールとの間隙)を通る澱粉糊が、本発明品(すなわち
気泡澱粉糊)では、澱粉濃度が25%から33%に上昇
しても、塗布量(転移量)がそれ程に変化していない。
【0081】しかし、気泡を含有していない通常の澱粉
糊では、澱粉濃度が25%から33%に上昇すると、塗
布量(転移量)が大巾に大きくなっている。
【0082】すなわち、気泡の含有により、糊付ロール
とドクターロールとの間隙を通しても、その流動特性に
変化が生じないないようになっているのがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、高濃度化澱粉糊を用い
る段ボールシート製造において、高濃度化澱粉糊を狭い
間隙を通して外力により応力が生じる状態で転移させて
も、転移量を容易に制御することができ、かつ、グルー
ライン巾を狭くしないで転移することができる。したが
って、従来その使用が困難であった高濃度化澱粉糊を用
いて原紙と中芯との貼合わせを高接着力および高速度で
行って段ボールシートを製造することができるようにな
る。
【0084】また、低濃度澱粉糊を用いて段ボールシー
ト製造する場合には、転移量の制御がより容易になる。
【0085】さらに、本発明によれば、気泡含有澱粉糊
は、澱粉濃度が変化しても、流動特性があまり変化しな
いので、ドクターロールなどを調整しないで、澱粉糊の
濃度変化に対応させることができて、濃度の異なる澱粉
糊を使用して段ボールシートの製造を継続して行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、グルーマシンの澱粉糊の転移装置の説
明図である。
【図2】図2は、図1の部分を拡大した模式図である。
【符号の説明】
1 片面段ボールシート 2 ライナー 3 中芯のフルート 4 頂部 5 転移装置 6 容器(グルーパン) 7 糊付ロール 8 ドクターロール 9 澱粉糊 10 グルーライン巾

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気泡を含有させて体積を1.05〜3.0
    0倍に増大させた澱粉糊であって、その増大した体積の
    状態で段ボールシート製造用の原紙と中芯との貼合わせ
    に用いる、澱粉糊。
JP30333891A 1991-11-19 1991-11-19 澱粉糊 Pending JPH05140521A (ja)

Priority Applications (1)

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