JPH05140087A - システアミンの精製方法 - Google Patents

システアミンの精製方法

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JPH05140087A
JPH05140087A JP13399992A JP13399992A JPH05140087A JP H05140087 A JPH05140087 A JP H05140087A JP 13399992 A JP13399992 A JP 13399992A JP 13399992 A JP13399992 A JP 13399992A JP H05140087 A JPH05140087 A JP H05140087A
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Toshiaki Kuwazuka
敏昭 鍬塚
Hiroyuki Suzuki
博之 鈴木
Masayoshi Suzuki
政芳 鈴木
Seiichi Watanabe
清一 渡辺
Kenichi Arai
研一 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 合成によって得られた粗システアミン溶液を
減圧下溶媒を留去した後、アルカリ又は酸を添加し、溶
液中の不純物及び/又は副生物を不揮発性の塩として残
存させ、50Torr〜常圧(30〜130 ℃)の範囲内で蒸留
し、システアミンを水及び/又は有機溶媒とともに留出
させることを特徴とするシステアミンの精製方法。 【効果】 粗システアミン溶液中の、不純物及び/又は
副生物が不揮発性となることにより、選択的にシステア
ミンを留出させることができ、最終的には極めて高純度
のシステアミン塩酸塩を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農・医薬原料として有
用であるシステアミンの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】システアミンは、最終的にこれを造塩し
て製品をシステアミン塩酸塩とし、用いられることが多
く、その製品は純度98%以上のものが求められている。
しかしながら、システアミン合成後に得られたシステア
ミン溶液、又はシステアミン鉱酸塩溶液は、原料中の不
純物であるエタノールアミン等及び/又は合成の際の副
生物であるビス(2- アミノエチル) スルフィドやシスタ
ミン等が混入した溶液(以下、粗システアミン溶液と称
する。)となることが不可避である。
【0003】従来は、上記副生物の生成を抑えるために
反応条件を変えたり、あるいは原料を代えたりする等、
様々な方法が取られてきた。例えば、原料としてエチレ
ンイミンと硫化水素からシステアミンを合成する際に、
(1) 反応温度を−70〜−60℃という低温にする方法(A
nnalen der Chemie ,566 ,p.210 (1950))、(2) 反
応溶媒の量を多くする方法(J.Am.Chem.Soc .,62
,p.1173 (1940))、(3) 反応系の圧力、温度、及び、
硫化水素/エチレンイミンのモル比を限定する方法(特
開昭55-111459号公報)、(4) 反応系にアミン類を添加
する方法(特開昭58-13564号公報)、があった。また、
原料を上記以外のものに代えて、副生物の生成を抑制し
ようとする方法も多い。例えば、(5) 出発原料として、
チアゾリジン類を用いることによりビス(2-アミノエチ
ル)スルフィドの副生を抑える方法(特公昭50-29444号
公報)、(6) 出発原料として、S-(2-アミノエチル)チ
オ硫酸又はその塩を用いることによりシスタミンの副生
を抑える方法(特公平3-39055号公報)、があった。
【0004】しかし、上記のいずれの方法においても、
いかに反応条件を設定しようと、またどの原料を用いる
にしてもビス(2-アミノエチル)スルフィドあるいはシ
スタミン等の副生物の生成は避けられなかった。従来は
このようにして得られた粗システアミン溶液からシステ
アミンを精製する手段として、晶析による方法が取られ
てきたのである。この方法としては、システアミン合成
終了時又はシステアミン塩酸塩合成終了時に晶析が行わ
れているものとして、特開昭56-8358号公報、特開昭57-
81454号公報、特開昭63-83060号公報、及び特開平1-19
9941号公報に記載されている。また、システアミン合成
終了時、及びシステアミン塩酸塩合成終了時の両方で晶
析している方法として特開平3-99053号公報に記載され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような晶析による方法では、シスタミンやビス(2-アミ
ノエチル)スルフィド等の代表的な副生物を充分に分離
することは、困難である(広島大学工学部研究報告 ,28
, 1 ,p.67 (1980)、及び、特開昭56-8358号公報)。従
って、この晶析操作を行う系において、製品の品質を満
足させるためには、母液量を増加して目的とするシステ
アミンの収量を減らす必要が生ずる。このときの母液は
系内にリサイクルするが、リサイクルを続けると、シス
テアミン合成時の副生物や原料中の不純物が次第に系内
に蓄積し、いずれは得られる製品中の副生物や不純物の
濃度が高くなり品質が悪化する。そのため母液を系外へ
排出しなければ製品の品質を維持できないという問題が
生ずる。本発明では、粗システアミン溶液から副生物や
不純物を分離するに際し、上記問題点のある、あるいは
副生物や不純物の分離が不充分である晶析の方法による
ことなく、システアミンを精製することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、システアミンを
精製する際に、従来の晶析法に代えて、粗システアミン
溶液中の不純物及び/又は副生物を不揮発性の塩として
残存させ、次に、蒸留によりシステアミンを水及び/又
は有機溶媒とともに留出させることにより、不純物及び
/又は副生物の留出を完全に抑制できることを見出し、
本発明を完成した。これは、従来、システアミンが濃縮
乾固の方法により得られていたことを考えると驚くべき
ことである。すなわち、本発明は、粗システアミン溶液
中の、不純物及び/又は副生物を塩として残存させ、次
に、蒸留によりシステアミンを水及び/又は有機溶媒と
ともに留出させることを特徴とするシステアミンの精製
方法である。
【0007】本発明は、各種の原料からの合成により得
られる粗システアミン溶液に適用できる。これらの具体
例としては、酸性条件下で反応させて得られるシステア
ミン鉱酸塩溶液の原料として、 2-クロロエチルアミ
ン塩酸塩と 2-メルカプトチアゾリン、S-(2-アミノ
エチル)チオ硫酸塩、 2,2-ジアルキルチアゾリン、又
は、 2-メルカプトチアゾリン、の原料から得られる
システアミン鉱酸塩溶液にこの精製方法が適用できる。
また、アルカリ性条件下で反応させて得られる粗システ
アミン溶液の原料として、エチレンイミンと硫化水
素、あるいは、 2-クロロエチルアミン塩酸塩と水硫
化ナトリウム、の原料から得られる粗システアミン溶液
にも適用できる。
【0008】上記〜のような場合には、得られたシ
ステアミン鉱酸塩溶液から過剰の酸を留去し、更にアル
カリで中和して調整した粗システアミン溶液を得る。シ
ステアミン鉱酸塩溶液を中和するために用いるアルカリ
の量は、システアミン鉱酸塩と当量のアルカリが好まし
い。シスタミン、ビス(2-アミノエチル)スルフィド、エ
タノールアミン等の、不純物及び/又は副生物は、不揮
発性の塩のまま溶液中に存在して残り蒸留時に留出され
ることはない。中和に必要なアルカリの量は、滴定ある
いは高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと称
する。)により求めることが可能である。このアルカリ
の量が当量未満の場合には、システアミン鉱酸塩が残り
留出されず、また、当量を越える場合には、不純物及び
/又は副生物が遊離の状態となり、蒸留時にシステアミ
ンとともに留出する可能性がある。更に過剰の場合に
は、システアミンがそのアルカリ塩となりシステアミン
の蒸留収率が低下する。中和に用いるアルカリは、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が一般的である。
【0009】また、上記とのような場合には、残存
する過剰量のアルカリを酸により中和し、更にシスタミ
ン、ビス(2-アミノエチル)スルフィド、エタノールアミ
ンを中和できる量の酸を添加する。残存するアルカリ量
やシスタミン、ビス(2- アミノエチル) スルフィド、エ
タノールアミン等の量は、滴定やHPLCにより求める
ことができる。中和に用いる酸としては、塩酸、硫酸、
硝酸等が一般的である。また、上記のいずれの例におい
ても、計算量の酸やアルカリを添加する代わりに粗シス
テアミン溶液のpHを一定範囲に調整することによって
も良い。
【0010】上記のように調整した粗システアミン溶液
を蒸留に供し、水及び/又は有機溶媒とともに留出させ
ることにより、システアミンを不純物及び/又は副生物
から分離・精製することができる。本発明における蒸留
操作において、供給する粗システアミン溶液は、システ
アミン又はその鉱酸塩の合成時の反応溶媒である水及び
/又は有機溶媒を含んでいても良く、その溶液の濃度は
特に限定しない。有機溶媒の種類は、システアミンある
いはその鉱酸塩の合成時に反応溶媒として用いられるも
のであればいずれでも良い。
【0011】蒸留の条件は、高真空下から常圧下までい
ずれでも良いが、好ましくは 50Torr〜常圧(30〜130
℃)である。この圧力が 50Torr未満では、蒸留中にシ
ステアミンが晶析し、蒸留操作ができなくなる恐れがあ
る。また、蒸留中に水を添加することによりシステアミ
ンの留出を促進することも可能である。通常、システア
ミンは、留出したままでは容易に酸化されてシスタミン
に変わるため、塩酸によりシステアミン塩酸塩として安
定させてから用いられることが多い。このため、上記の
蒸留の際に留出されたシステアミンと水及び/又は有機
溶媒を完全に分離する必要はない。本発明の方法で得ら
れたシステアミン溶液においても、塩酸によりシステア
ミン塩酸塩溶液とした後、濃縮乾固することにより、不
純物及び/又は副生物の含有量が極めて少ない高純度の
システアミン塩酸塩を得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。以下において、「%」は特記する以外重量基準であ
る。また、システアミン及びその塩酸塩、シスタミン及
びその塩酸塩、ビス(2-アミノエチル)スルフィド及びそ
の塩酸塩、エタノールアミン及びその塩酸塩の含有量
は、HPLCにより算出した。
【0013】実施例1 内容積 200mlの耐圧反応器(攪拌機、加熱器及び液入口
部付き)に、メタノール 100gと48%水酸化ナトリウム
水溶液 16.7g(0.20モル相当)を仕込み、系内を窒素
置換した。攪拌下、硫化水素 10.2g(0.30モル相当)
を導入した。内温を 60℃に保ち、70%クロロエチルア
ミン塩酸塩水溶液 16.6g(0.10モル相当)を添加し
た。添加終了後、同温度で4時間反応させた。反応中の
圧力は5Kg/cm2 ・G であった。反応終了後、常圧に戻
し硫化水素を除去した。反応液中の生成物の収率を分析
した結果、システアミン93.7モル%であり、不純物や副
生物としては、ビス(2-アミノエチル)スルフィド4.1モ
ル%、シスタミン1.2モル%、モノエタノールアミン0.5
モル%であった。この粗システアミン溶液を減圧下溶媒
を留去した後、上記不純物や副生物を中和するに必要な
酸として濃塩酸 1.2gを添加し、50〜95Torr(30〜70
℃) で減圧蒸留しシステアミン溶液を得た。次いで濃塩
酸で造塩した後、減圧乾固し純度99.6%のシステアミン
塩酸塩 10.6 gを得た(通算収率93.0%)。シスタミン
塩酸塩は0.2 %で、ビス(2-アミノエチル)モノスルフィ
ド塩酸塩及びモノエタノールアミン塩酸塩は未検出であ
った。
【0014】実施例2 内容積1Lit の耐圧反応器(攪拌機、冷却器、液入口部
及びガス入口部付き)に、予めメタノール 200 mlを仕
込み、0〜5℃に冷却し保持しつつ硫化水素 140g(4.
0モル相当)を導入した。この溶液に、エチレンイミン
85g(2.0モル相当)をメタノール 100 mlに溶解した溶
液を3時間かけて滴下し、更に3時間攪拌しつつ反応さ
せた。反応終了後、減圧下で反応液から残存した硫化水
素を除去した。反応液中の生成物の収率を分析した結
果、システアミン85.8モル%であり、不純物や副生物と
しては、ビス(2-アミノエチル)スルフィド10.6モル%、
シスタミン 1.1モル%、モノエタノールアミン 0.9モル
%であった。この粗システアミン溶液を減圧下溶媒を留
去した後、上記不純物や副生物を中和するに必要な酸と
して濃塩酸50.6gを添加し、80〜110 Torr (50〜80
℃)で減圧蒸留を行い、システアミン溶液を得た。次い
で濃塩酸で造塩した後、減圧乾固し純度99.2%のシステ
アミン塩酸塩 193.1gを得た(通算収率85.0%)。シス
タミン塩酸塩は 0.4%で、ビス(2- アミノエチル)スル
フィド塩酸塩及びモノエタノールアミン塩酸塩は未検出
であった。
【0015】実施例3 内容積1Lit の耐圧反応器(攪拌機、加熱器、液入口部
及びガス入口部付き)に、予めメタノール 250 mlと水
酸化ナトリウム 36.0g(0.90モル相当)を仕込み、硫
化水素を導入し、水硫化ナトリウム 50.5g(0.90モル
相当)含有のメタノール溶液を得た。この溶液を、 50
℃に昇温し硫化水素で圧力を5Kg/cm2・Gに保持しつ
つ、 2-クロロエチルアミン塩酸塩 26.0g(0.23モル相
当)含有のメタノール溶液 200 mlを2時間かけて滴下
し、更に3時間攪拌しつつ反応させた。反応終了後、反
応液を濃塩酸で中和し、減圧下で反応液から残存した硫
化水素を除去した。反応液中の生成物の収率を分析した
結果、システアミン86.1モル%であり、不純物や副生物
としては、ビス(2-アミノエチル)スルフィド 9.5モル
%、シスタミン 3.1モル%、モノエタノールアミン 0.9
モル%であった。この粗システアミン溶液を減圧下溶媒
を留去した後、上記不純物や副生物を中和するに必要な
酸として濃塩酸 6.5gを添加し、 100〜140 Torr (60
〜90℃)で減圧蒸留を行い、システアミン溶液を得た。
次いで濃塩酸で造塩した後、減圧乾固し純度99.5%のシ
ステアミン塩酸塩22.4gを得た(通算収率85.3%)。シ
スタミン塩酸塩は 0.3%で、ビス(2-アミノエチル)スル
フィド塩酸塩及びモノエタノールアミン塩酸塩は未検出
であった。
【0016】実施例4 内容積2Lit の耐圧反応器(攪拌機、加熱器、液入口部
及びガス入口部付き)に、2-クロロエチルアミン塩酸塩
600 g(5.17モル相当)と2-メルカプトチアゾリン 616
g(5.17モル相当)に濃塩酸 350gを加え 130℃で5時
間反応させ、更に、濃塩酸 100gを加え、24時間反応さ
せた。反応終了後、減圧下で反応液から過剰の塩酸を留
去した。反応液中の生成物の収率を分析した結果、シス
テアミン塩酸塩97.5モル%であり、不純物や副生物とし
ては、シスタミン塩酸塩 1.5モル%、モノエタノールア
ミン塩酸塩 0.8モル%であった。この粗システアミン塩
酸塩溶液に、上記システアミン塩酸塩を中和するに必要
なアルカリとして水酸化ナトリウム 201.6g添加し、60
〜80 Torr (50〜80℃)で減圧蒸留を行ない、システ
アミン溶液を得た。次いで濃塩酸で造塩した後、減圧乾
固し純度99.5%のシステアミン塩酸塩 560.8gを得た。
(通算収率95.0%)。シスタミン塩酸塩は 0.3%で、ビ
ス(2- アミノエチル) スルフィド塩酸塩及び、モノエタ
ノールアミン塩酸塩は未検出であった。
【0017】実施例5 内容積 200mlの反応器(攪拌機、加熱器、液入口部及び
ガス入口部付き)に、20%硫酸水溶液50gを仕込んだ。
105℃下で、この水溶液に予め水50gにS-(2-アミノエ
チル)チオ硫酸塩31.4g( 0.2モル相当)を溶解した水
溶液を2時間かけて滴下し、更に1時間攪拌しつつ反応
させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し反応液中
の生成物の収率を分析した。システアミン塩酸塩91.0モ
ル%であり、不純物や副生物としては、ビス(2- アミノ
エチル) スルフィド塩酸塩 6.1モル%、シスタミン塩酸
塩 2.3モル%、モノエタノールアミン塩酸塩 0.4モル%
であった。この粗システアミン溶液に、上記システアミ
ン塩酸塩を中和するに必要なアルカリとして水酸化ナト
リウム31.5g添加し、析出する副生物を濾別した後、濾
液を60〜80 Torr (40〜80℃)で減圧蒸留を行ない、
システアミン溶液を得た。次いで濃塩酸で造塩した後、
減圧乾固し純度99.6%のシステアミン塩酸塩20.3gを得
た。(通算収率87.3%)。シスタミン塩酸塩は 0.3%
で、ビス(2- アミノエチル) スルフィド塩酸塩及び、モ
ノエタノールアミン塩酸塩は未検出であった。
【0018】比較例1 実施例1と全く同じ条件下で反応を行い、粗システアミ
ン溶液を得た。この溶液を減圧下溶媒を留去した後、酸
を添加することなく、実施例1と同じ条件下で減圧蒸留
してシステアミン溶液を得た。次いで濃塩酸で造塩した
後、減圧乾固し純度96.4%のシステアミン塩酸塩10.9g
を得た(通算収率92.5%)。シスタミン塩酸塩 0.2%、
ビス(2-アミノエチル)モノスルフィド塩酸塩 2.6%、モ
ノエタノールアミン塩酸塩 0.4%であった。
【0019】比較例2 実施例1と全く同じ条件下で反応を行い、粗システアミ
ン溶液を得た。この溶液を減圧下溶媒を留去した後、濃
塩酸を添加して減圧乾固し、純度96.0%のシステアミン
塩酸塩11.0gを得た。シスタミン塩酸塩 0.3%、ビス(2
- アミノエチル) スルフィド塩酸塩 3.3%、モノエタノ
ールアミン塩酸塩 0.4%であった。これにメタノール5
gを加え、加熱溶解した後冷却して再結晶による精製を
行った。析出した結晶を濾過により分離し乾燥して、純
度96.5%のシステアミン塩酸塩 5.5gを得た。シスタミ
ン塩酸塩 0.2%、ビス(2- アミノエチル) スルフィド塩
酸塩 2.9%、モノエタノールアミン塩酸塩 0.4%であっ
た。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法によれば、種々の方法で合
成された粗システアミン溶液を蒸留・精製する前に、共
存する不純物及び/又は副生物を塩として不揮発性に
し、次にこの溶液を蒸留によりシステアミンを水及び/
又は有機溶媒とともに留出させることにより、最終的に
極めて高純度のシステアミン塩酸塩を得ることができ
る。すなわち、不純物及び/又は副生物を塩とせずに蒸
留する比較例1は、最終的に得られるシステアミン塩酸
塩の純度は96%台と低く、また、精製方法が従来技術の
晶析の操作である比較例2においても、得られる純度は
96.5%である。これに対し、不純物及び/又は副生物を
塩として不揮発性にし、次にこの溶液を水及び/又は有
機溶媒とともに留出させる本発明の方法、実施例1〜5
によれば、得られるシステアミン塩酸塩の純度は全て9
9.2%以上と非常に優れているのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 清一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 荒井 研一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗システアミン溶液中の、不純物及び/
    又は副生物を塩として残存させ、次に、蒸留によりシス
    テアミンを水及び/又は有機溶媒とともに留出させるこ
    とを特徴とするシステアミンの精製方法。
JP13399992A 1991-09-24 1992-05-26 システアミンの精製方法 Pending JPH05140087A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101645675B1 (ko) * 2015-04-21 2016-08-04 주성철 시스테아민 염산염으로부터 전기분해에 의해 유리 시스테아민을 분리하는 방법
IT201900025186A1 (it) 2019-12-23 2021-06-23 Farmabios Spa Metodo per la purificazione di cisteammina

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