JPH0513986B2 - - Google Patents

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JPH0513986B2
JPH0513986B2 JP63173772A JP17377288A JPH0513986B2 JP H0513986 B2 JPH0513986 B2 JP H0513986B2 JP 63173772 A JP63173772 A JP 63173772A JP 17377288 A JP17377288 A JP 17377288A JP H0513986 B2 JPH0513986 B2 JP H0513986B2
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polyoxymethylene
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copolymer
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Katsuhiko Takatani
Shuichiro Kono
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は新規な耐候性ポリオキシメチレン組成
物及びその成形体に関するものである。さらに詳
しくいえば、本発明は、ポリオキシメチレン本来
の良好な機械的強度、耐摩擦性、摩耗特性、耐疲
労特性、成形性などを保持するとともに、優れた
耐候性を有するポリオキシメチレン組成物を成形
して成り、かつその表面にめつき処理や塗装処理
などを施さなくても、そのまま外装部品などとし
て使用しうる着色された成形体及びその製造方法
に関するものである。 従来の技術 従来、ポリオキシメチレンは機械的強度が高
く、かつ耐摩擦性、摩耗特性、耐疲労特性、成形
性などに優れていることから、例えば電子・電気
分野、自動車分野、精密機械分野などにおいて広
く用いられている。 しかしながら、このポリオキシメチレンは耐候
性については必ずしも十分ではなく、例えばポリ
オキシメチレン成形体を長期間日光にさらすと、
その表面においてポリオキシメチレンが光エネル
ギーにより分子切断されるため、白化やひび割れ
を生じて外観が著しくそこなわれ、さらに著しい
場合には機械的強度を低下するという欠点を有し
ているため、例えば自動車のアウトドアハンドル
のような外装部品などに用いる場合にいろいろな
問題を生じる。 これまで、このような欠点を改善するために、
例えばベンゾフエノン系やベンゾトリアゾール系
などの紫外線吸収剤や、この紫外線吸収剤とヒン
ダードアミン系光安定剤とを組み合わせて添加し
たり、あるいはポリオキシメチレン成形体の表面
にめつき層や塗装層などの保護層を設けることが
行われている。 しかしながら、紫外線吸収剤やヒンダードアミ
ン系光安定剤を添加する場合、十分な耐候性を得
ようとして、これらの添加剤を多量に添加する
と、熱安定性、外観、遺機械的強度などの低下を
もたらし、ポリオキシメチレン本来の特性がそこ
なわれるのを免れない。 一方、ポリオキシメチレン成形体の表面にめつ
き層や塗装層などの保護層を設けると、ポリオキ
シメチレンの特性低下という点は避けられるが、
処理工程が増加し、作業性、製造コストの点で不
利になるのを免れない。 他方において、ポリオキシメチレンとポリアク
リル酸エステルとは相容性を欠く点に着目して、
両者をブレンドし、真珠光沢を有する成形体を得
ることが試みられているが(特開昭51−39746号
公報、特開昭49−45958号公報)、このようなブレ
ンドは耐候性の向上という点では、効果が認めら
れていない。 発明が解決しようとする課題 本発明は、ポリオキシメチレンが本来有する機
械的強度、耐摩擦性、耐摩耗特性、耐疲労特性、
成形性などの特性をそこなうことなく、表面にめ
つき処理や塗装処理を施さなくてもそのまま外装
部品などに使用しうる耐候性に優れ、かつ着色さ
れたポリオキシメチレン樹脂成形体を提供するこ
とを目的としてなされたものである。 課題を解決するための手段 本発明者らは、ポリオキシメチレン本来の特性
を保持するとともに表面に保護層を設けなくて
も、そのまま外装部品などに使用しうる耐候性に
優れ、かつ着色されたポリオキシメチレン成形体
を開発するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオ
キシメチレンとポリメタクリル酸エステルと着色
成分とを所定の割合で配合し、さらに所望に応じ
紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤や熱
安定剤を配合した組成物を用いて、該組成物から
の成形体中のポリメタクリル酸エステルが所定の
分散状態になるように成形することにより、前記
目的を達成しうることを見い出し、この知見に基
づいて本発明を完成するに至つた。 すなわち、本発明は、ポリオキシメチレン60〜
95重量%とポリメタクリル酸エステル40〜5重量
%とからなる重合体成分に対し、その100重量部
当り0.5〜4重量部の着色成分を配合した組成物
からなり、ポリメタクリル酸エステルの分散状態
が、表層から10μmの深さにおいて長さ50μm以
上の連続層をなしており、表層から70μmの深さ
において最大径10μm以下の粒子状あるいは粒子
凝集体をなしていることを特徴とするポリオキシ
メチレン樹脂成形体を提供するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明成形体の成形原料として用いられる前記
組成物において、一方の重合体成分として用いら
れるポリオキシメチレンとしては、オキシメチレ
ン単独重合体及びオキシメチレン共重合体のいず
れも用いることができる。該オキシメチレン単独
重合体は、例えばホルムアルデヒドを重合して成
るポリアセタールが一般的である。一方、オキシ
メチレン共重合体は、例えば一般式 [―CH2−O]―o ……() (式中のnは1以上の整数である) で示されるオキシメチレン単位と、一般式 (式中のR1及びR2は、それぞれ水素原子、アル
キル基、アリル基又はアリール基であつて、それ
らはたがいに同一であつてもよいし、異なつてい
てもよく、mは2〜6の整数である) で表わされるオキシアルキレン単位がランダムに
結合した構造を有する共重合体である。このオキ
シアルキレン単位の割合は、オキシメチレン単位
100モルに対して、好ましくは0.05〜50モル、よ
り好ましくは0.1〜20モルの範囲である。このオ
キシアルキレン単位としては、例えばオキシエチ
レン単位、オキシプロピレン単位、オキシテトラ
メチレン単位、オキシフエニレン単位などが挙げ
られる。これらオキシアルキレン単位の中でも、
オキシメチレン共重合体の物性を向上させる観点
より、オキシエチレン単位[―(CH22O]―及びオ
キシテトラメチレン単位[―(CH24O]―が特に好
ましい。 このオキシメチレン共重合体は、ホルムアルデ
ヒド、トリオキサン、オキシメチレン単独重合体
と、環状ニーテル、環状ホルマールとを共重合若
しくは反応させることによつて得られる。ここで
得られるオキシメチレン共重合体は、分子末端の
安定化処理を行うことが望ましい。この安定化処
理方法としては、通常重合体末端の−OHをエス
テル化処理したり、各末端に比較的安定な炭素−
炭素結合が存在するようになるまで、加水分解さ
せる方法などが用いられる。 このポリオキシメチレンの重量平均分子量は
20000〜75000、特に20000〜65000の範囲が好まし
い。また該ポリオキシメチレンは1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、前記組成物において、他方の重合体成分とし
て用いられるポリメタクリル酸エステルとして
は、メタクリル酸エステルの単独重合体及び共重
合体のいずれも用いることができる。該メタクリ
ル酸エステルの単独重合体としては、メタクリル
酸の炭素数1〜6のアルキルエステルの単独重合
体、特にポリメタクリル酸メチルが好適である。
一方メタクリル酸エステルの共重合体としては、
メタクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエステル
の中から選ばれた2種以上を共重合して成るもの
や、メタクリル酸の炭素数1〜6のアルキルエス
テルとアクリル酸エステル、好ましくはアクリル
酸の炭素数1〜6のアルキルエステルとを共重合
して成るもの、特にメタクリル酸メチルとメタク
リル酸の炭素数2〜6のアルキルエステルとの共
重合体及びメタクリル酸メチルとアクリル酸の炭
素数1〜6のアルキルエステルとの共重合体が好
適である。これらの共重合体はランダム共重合体
であつてもよいし、ブロツク共重合体であつても
よく、また、ランダム共重合体の1成分を重合体
ブロツクとして、ランダム共重合体に付加したよ
うなランダム−ブロツク共重合体も用いるこがで
きる。 さらに、メタクリル酸の炭素数1〜6のアルキ
ルエステルの単独重合体又は前記のランダム若し
くはブロツク共重合体に、メタクリル酸の炭素数
1〜6のアルキルエステル又はアクリル酸エステ
ル、好ましくはアクリル酸の炭素数1〜6のアル
キルエステルをグラフト重合したもの、特にポリ
メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとメタ
クリル酸の炭素数2〜6のアルキルエステルとの
ランダム若しくはブロツク共重合体又はメタクリ
ル酸メチルとアクリル酸の炭素数1〜6のアルキ
ルエステルとのランダム若しくはブロツク共重合
体の主鎖に、メタクリル酸の炭素数2〜6のアル
キルエステル又はアクリル酸の炭素数1〜6のア
ルキルエステルをグラフト重合させたグラフト共
重合体も好ましく使用することができる。本発明
においては、これらの共重合体の中で、特にラン
ダム共重合体が好適である。 また、このポリメタクリル酸エステルがアクリ
ル酸エステル単位を含む共重合体である場合、該
アクリル酸エステル単位の含有量は20重量%以
下、好ましくは15重量%以下であることが望まし
い。特に好ましい共重合体はメタクリル酸メチル
単位を80重量%以上、特に85重量%以上を含有す
るものである。さらに、このポリメタクリル酸エ
ステルは、数平均分子量が60000〜1500000、特に
60000〜800000の範囲にあるものが好ましい。ま
た、該ポリメタクリル酸エステルは1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 前記組成物においては、前記重合体成分のポリ
オキシメチレンとポリメタクリル酸エステルと
を、重合体成分の全重量に基づき、それぞれ60〜
95重量%及び40〜5重量%、好ましくは60〜85重
量%及び40〜15重量%になるような割合で配合す
ることが必要である。ポリメタクリル酸エステル
の配合量が5重量%未満では耐候性の改善効果が
十分に発揮されないし、40重量%を越えると得ら
れる組成物はポリオキシメチレン本来の特性が失
われる。 前記組成物においては、前記の重合体成分に対
し、着色成分を配合することが必要である。この
着色成分を配合することにより、めつき層や塗装
層などを必要としない着色された成形体を得るこ
とができる。該着色成分としては染料又は顔料が
用いられる。使用する染料や顔料の種類について
は特に制限はなく、従来ポリオキシメチレン組成
物に慣用されているものの中から任意のものを選
び用いることができる。染料としては、例えばア
ントラキノン系染料などが好ましく、顔料として
はカーボンブラツクをはじめ、アゾ系、フタロシ
アニン系、ペリレン系、キナクリドン系、アント
ラキノン系、インドリン系、チタン系、酸化鉄
系、コバルト系などが好ましい。これらの着色成
分は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよいが、特に顔料又は顔料と染料と
の組合せが好ましい。色調としては一般に黒が最
も多く用いられるが、この場合には着色成分とし
てカーボンブラツクを使用するのが有利である。
このカーボンブラツクを添加した場合には、成形
体の耐候性はさらに向上するという利点がある。 該カーボンブラツクとしては、通常プラスチツ
クの着色用として使用されるもの、例えばミクロ
ネツクス(Micronex)、バルカン(Vulcan)、フ
イブラツク(Phiblack)、スターリング
(Sterling)、カルボラツク(Carbolac)、モナー
ク(Monarch)、コスミンク(Kusmink)、ウカ
ーブ(Ukcarb)、コスモス(Kosmos)、シヤワ
イニガン(Shawainigan)、P33、セバル
(Seval)、リーガル(Regal)、アセチレンブラツ
ク(Acetylene black)、ケツチエンブラツクな
どを用いることができる。 前記組成物においては、この着色成分の配合量
は、重合体成分の100重量部当り、0.5〜4重量
%、好ましくは1〜3.5重量部の範囲で選ばれる。
この配合量が0.5重量部未満では着色効果が十分
に発揮されないし、また、着色料を4重量部より
多く配合する必要がなく、多すぎる配合量は、む
しろ組成物の物性を低下させる。 前記組成物においては、耐候性をさらに向上さ
せるために、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系
安定剤及び熱安定剤の中から選ばれた少なくとも
1種の添加成分を配合することができる。この紫
外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベ
ンゾフエノン系、芳香族ベンゾエート系、シアノ
アクリレート系、シユウ酸アニリド系などが用い
られる。このような紫外線吸収剤には、例えば2
−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フエニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ−3′,5′−
ジ−t−ブチルフエニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−イソアミルフ
エニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロ
キシ−3′,5′−ビス−(α,α−ジメチルベンジ
ル)フエニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−4′−オクトキシフエニル)ベンゾト
リアゾール、2,4−ジヒドロキシベンゾフエノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフエ
ノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベン
ゾフエノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフエノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,
4′−ジメトキシベンゾフエノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシ−5−スルホベンゾフエノン、2
−ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフエノ
ン、p−t−ブチルフエニルサリシレート、p−
オクチルフエニルサリシレート、2−エチルヘキ
シル−2−シアノ−3,3′−ジフエニルアクリレ
ート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフエニル
アクリレート、N−(2−エチルフエニル)−
N′−(2−エトキシ−5−t−ブチルフエニル)
シユウ酸ジアミド、N−(2−エチルフエニル)−
N′−(2−エトキシフエニル)シユウ酸ジアミド
などがある。これらの紫外線吸収剤の中では特に
ベンゾトリアゾール系が好ましい。該紫外線吸収
剤の添加量は、重合体成分100重量部当り、通常
0.1〜2重量部、好ましくは0.15〜1.8重量部の範
囲で選ばれる。 また、ヒンダードアミン系光安定剤としては、
例えば4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
アクリロイルオキシン−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、4−フエノキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、4−(フエニルカルバモイロキシ)−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジ
ル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)テレフタレート、1,
2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジルオキシ)エタン、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチ
レン−1,6−ジカルバメート、ビス(1−メチ
ル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)アジペート、トリス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,
3,5−トリカルボキシレートなどが挙げられ
る。これらの光安定剤の添加量は、重合体成分
100重量部当り、通常0.1〜2重量部、好ましくは
0.15〜1.8重量部の範囲で選ばれる。 さらに、熱安定剤として、ポリアミドやポリア
ミド共重合体が好ましく用いられ、その添加量
は、重合体成分の100重量部当り、通常0.1〜2重
量部、好ましくは0.2〜1重量部の範囲で選ばれ
る。 これらの添加成分は単独で用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよいが、特に紫外
線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを併用
すると耐候性がさらに向上するので好ましい。こ
の際の量比については、紫外線吸収剤100重量部
当り、該光安定剤を20〜200重量部の割合で用い
ることが好ましい。 前記組成物には、その用途や目的に応じて必要
な特性を付与するために、公知の添加剤、例えば
滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤、
無機充てん剤などを本発明の目的をそのなわない
範囲で添加することができる。 前記組成物は、各成分をあらかじめ混合する
か、あるいは別々に供給しながら混練機、例えば
一軸又は二軸の押出機、バンバリーミキサー、あ
るいはロールなどを用いて溶融混練することによ
り調製することができる。あらかじめ混合する方
法としては、例えばヘンシエルミキサーやコーン
ブレンダーなどの混合機により混合する方法が通
常用いられる。 本発明の成形体は、前記のようにして調製され
た組成物を、該組成物からの成形体におけるポリ
メタクリル酸エステルの分散状態が、添付された
断面の電子顕微鏡写真に示されるように、表層か
ら10μmの深さにおいて長さ50μm以上の連続層
をなしており、表層から70μmの深さにおいて最
大径10μm以下の粒子状あるいは粒子凝集体をな
すように成形することによつて製造される。 成形方法としては、例えば射出成形、押出成
形、中空成形などが用いられる。該成形体の1例
の断面の電子顕微鏡写真を図に示す。この図から
分かるように、本発明の成形体においては、ポリ
オキシメチレンマトリツクス中に分散されたポリ
メタクリル酸エステルの粒子の形状が、表層部に
近づくに従い、厚さを減じながら薄片状に変化し
ている。 このような成形体はその表層部がポリメタクリ
ル酸エステルの薄板状片の層によつて保護される
ので耐候性を著しく向上させることができる。特
に、成形体の表面部及びそれに隣接する層部分に
おいて、前記薄板状片が表面から見て実質的な間
〓を生じない程度に密に層形成したものが好まし
い。 該成形体の中心部は耐候性に及ぼす影響はほと
んどないので分散粒子の形状でよく、また、その
ように分散粒子とした方が成形体の機械的特性の
低下、例えば曲げ弾性率などの低下を抑制するの
で好ましい。 このような組織構造の成形体は、本発明のポリ
オキシメチレン組成物を用い、この組成物の成形
流動時のせん断効果を有効に利用することによつ
て製造することができる。すなわち、射出成形や
押出成形などにおいて、金型内の該組成物のせん
断速度を特定の範囲、例えば40sec-1以上、好ま
しくは102〜105sec-1の範囲に保つて成形するこ
とにより製造することができる。この組成物のせ
ん断速度は、組成物の溶融粘度、射出圧力、金型
内における長さと幅との比(L/T)などによつ
て左右されるので、成形樹脂の種類が決定した
ら、実験によりこれらの値を最適に定めて、組成
物のせん断速度を設定することが望ましい。 発明の効果 本発明の耐候性ポリオキシメチレン組成物は、
ポリオキシメチレン本来の良好な機械的強度、耐
摩擦性、摩耗特性、耐疲労特性、成形性などを保
持するとともに、極めて優れた耐候性を有してお
り、例えば電子・電気分野、自動車分野、精密機
械分野などに好適に用いられる。 また、この組成物を成形して成る本発明の着色
された成形体は、その表面にめつき処理や塗装処
理などを施さなくても、優れた耐候性を有してい
るので、そのまま外装部品などに使用することが
できる。 実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によつてなんら限定
されるものではない。 なお、成形品の各物性は次に示す方法により測
定した。 (1) 耐候性 (i) 亀裂発生までの時間 紫外線照射試験機(岩崎電機社製、アイス
ーパーUVテスターSUV−F1型、紫外線照
射強度:100mW/cm2)を使用し、83℃の雰
囲気で紫外線を照射して亀裂発生までの時間
を求めた。なお、肉眼で明瞭な亀裂の発生を
認めたときを、亀裂発生時点とした。 (ii) 光沢度 JIS Z−8741(入射角60°)に準拠し、紫外
線照射100時間後の光沢度を求めた。 (2) 曲げ弾性率 ASTM D790準拠して求めた。 また、使用したポリアセタールの性質及び表
中のポリメタクリル酸エステルの略号の意味を
次に示す。 (イ) ポリアセタールコポリマーA トリオキサン98モル%とエチレンオキシド
2モル%とのランダム共重合体、メルトイン
デツクス(MI):2.6g/10分 (ロ) ポリアセタールコポリマーB トリオキサン98モル%とエチレンオキシド
2モル%とのランダム共重合体、MI:9.3
g/10分 (ハ) ポリアセタールホモポリマー MI:18.7g/10分 X1: メタクリル酸エチルとアクリル酸メ
チルとのランダム共重合体、アクリル酸メ
チル単位3.5重量% X2: メタクリル酸メチルとメタクリル酸
ブチルとのランダム共重合体、メタクリル
酸ブチル単位4重量% X3: ポリメタクリル酸メチルにメタクリ
ル酸ブチルをグラフトさせたグラフト共重
合体、グラフト成分3.5重量% X4: メタクリル酸メチルとアクリル酸メ
チルとのランダム共重合体に、メタクリル
酸ブチルとグラフトさせたグラフト共重合
体、アクリル酸メチル単位3.5重量%、グ
ラフト成分3重量% X5: メタクリル酸メチルとメタクリル酸
ブチルとのブロツク共重合体、メタクリル
酸ブチル単位4.8重量% X6: メタクリル酸メチルとアクリル酸メ
チルとのランダム共重合体に、メタクリル
酸ブチルをブロツク重合させた共重合体、
アクリル酸メチル単位3.8重量%、メタク
リル酸ブチル単位4.4重量% 実施例 1 ポリアセタールコポリマーA 72重量部、ポリ
メタクリル酸メチル28重量部、アセチレンブラツ
ク2.9重量部、チヌビン234(紫外線吸収剤、商品
名)0.5重量部及びサノール770(ヒンダードアミ
ン系光安定剤)0.3重量部を混合し、押出機〔東
芝機械社製、100E型(5、30Z)〕を用いて溶融
混練したのち、樹脂圧558〜1673Kg/cm2−G、射
出速度19.9〜131.6cm/secの条件で射出成形した。 射出成形は、試験片作成用金型を使用し、金型
内のせん断速度(シユアレート)1×103〜7×
103sec-1の範囲で行い、幅12.7mm、長さ127mm、厚
さ3mmの試験片を成形した。この試験片について
各物性を求め、その結果を表に示した。なお、物
性の測定は、10個の同一試験片を成形して行い、
その平均値を求めた。 また、前記試験片の幅方向(樹脂流れ方向と直
角方向)のほぼ中央部を切り出し、その樹脂流れ
方向側面の状態を電子顕微鏡〔日本電子(株)製、
JEM100SX〕で調べ、その写真を図面に示した。 実施例2〜13、比較例1〜4 表に示す量を各成分を用い、実施例1と同様に
して試験片を作成し、物性を求めた。その結果を
次表に示す。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
図は、本発明成形体の表層付近の断面のポリメ
タクリル酸の粒子の分散状態を示す電子顕微鏡写
真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリオキシメチレン60〜95重量%とポリメタ
    クリル酸エステル40〜5重量%とから成る重合体
    成分に対し、その100重量部当り0.5〜4重量部の
    着色成分を配合した組成物からなり、ポリメタク
    リル酸エステルの分散状態が、表層から10μmの
    深さにおいて長さ50μm以上の連続層をなしてお
    り、表層から70μmの深さにおいて最大径10μm
    以下の粒子状あるいは粒子凝集体をなしているこ
    とを特徴とするポリオキシメチレン樹脂成形体。 2 ポリオキシメチレン60〜95重量%とポリメタ
    クリル酸エステル40〜5重量%とからなる重合体
    成分に対し、その100重量部当り0.5〜4重量部の
    着色成分を配合した組成物を金型内のせん断速度
    を102〜105sec-1の範囲に保つて成形することを
    特徴とするポリオキシメチレン樹脂成形体の製造
    方法。
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