JPH05139054A - 書替え可能な感熱記録媒体 - Google Patents

書替え可能な感熱記録媒体

Info

Publication number
JPH05139054A
JPH05139054A JP3305945A JP30594591A JPH05139054A JP H05139054 A JPH05139054 A JP H05139054A JP 3305945 A JP3305945 A JP 3305945A JP 30594591 A JP30594591 A JP 30594591A JP H05139054 A JPH05139054 A JP H05139054A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
layer
film
recording layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3305945A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuuji Nakato
勇士 中都
Jiro Watanabe
二郎 渡辺
Keiki Yamada
敬喜 山田
Masaru Onishi
勝 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Toppan Inc
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp, Toppan Printing Co Ltd filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP3305945A priority Critical patent/JPH05139054A/ja
Publication of JPH05139054A publication Critical patent/JPH05139054A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像部と非画像部のコントラストの向上と書
替え耐性の向上が図れかつ初期の透明化温度範囲を維持
できる感熱記録媒体を提供すること。 【構成】 ポリ塩化ビニル等の樹脂とこの樹脂中に分散
された高級脂肪酸等の有機低分子物質とを主成分とし温
度に依存してその透明度が可逆的に変化する記録層2と
保護層5とを支持体1上に備える書替え可能な感熱記録
媒体であって、上記保護層5が予め設けられた感熱接着
層3を有しこの接着層を介し記録層2上に熱接着された
耐熱性フィルム4にて構成されていることを特徴とす
る。そしてワイヤーバー等の塗布手段によって記録層上
に直接保護層等が形成されている従来の媒体に較べて保
護層形成の際に樹脂用モノマーや有機溶剤が記録層中に
侵み込む恐れがないため、記録層内における有機低分子
物質の分散状態を初期の状態に維持することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度に依存してその透明
度が可逆的に変化する記録層とこの記録層を保護する保
護層を備える書替え可能な感熱記録媒体に係り、特に、
画像部と非画像部とのコントラストの向上が図れかつ初
期の透明化温度範囲を維持できると共に繰返し書替え耐
性の向上も図れる感熱記録媒体の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の感熱記録媒体としては、特開昭
55−154198号公報及び米国特許第426841
3号公報に記載されているようにポリ塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂とこの樹脂中に分散された高級脂肪酸等の有
機低分子物質とを主成分とする記録層が支持体上に設け
られて成る構造のものが知られている。
【0003】そして、この感熱記録媒体においては上記
記録層の光吸収特性(光散乱性)が温度に依存して可逆
的に変化する性質を巧みに利用し構成されているもので
ある。すなわち、この記録層は、室温近傍の特定温度T
0 より高い温度に2つの状態転移温度T1 、T2 (但し
1<T2 )を有しており、記録層をT2 以上に加熱し
かつ保持した後にT0 以下に冷却すると白濁しその光散
乱性が増大して最大遮光状態となる一方、この白濁状態
にある記録層をT1 以上T2 未満に加熱しかつ保持した
後にT0 以下に冷却するとその光散乱性が減少して透明
状態になるものである。しかも、T0 以下の温度条件下
において記録層の最大遮光状態及び透明状態を安定に保
持でき、かつ、これ等の状態を可逆的に変化させること
が可能なため、いづれか一方の状態をベース状態に設定
することにより他方の状態との差別化が図れ書替え可能
な記録媒体として利用できるものである。
【0004】尚、T1 からT2 の温度範囲において記録
層の透明化が図れるためこの温度範囲を透明化温度範囲
と称している。
【0005】ところで、この記録媒体に対する印字手段
としてはサーマルヘッド等の加熱手段が適用されるた
め、印字操作を繰返す度に記録層表面に印字手段による
跡(サーマルヘッド等に接触した際に形成される微小凹
凸)が残り易く繰返して記録像を形成するにつれてその
画質が劣化してくる欠点があり、かつ、記録層表面が部
分的に削られてこれがカスとなりサーマルヘッド等の印
字手段に付着し易い欠点があった。
【0006】そこで、特開昭63−221087号公報
においては記録層上に弗素系樹脂やシリコーン系樹脂等
から成る保護層を設け表面の摩擦を小さくすることによ
り印字適性を改良し、繰返し書替えに伴う画質の劣化と
サーマルヘッド等印字手段へのカスの付着を防止する方
法が提案されている。しかし、この方法を適用しても繰
返し印字操作を重ねると記録層と保護層との接着力が低
下し、経時的に保護層が剥離して画質の劣化が起こるた
め、特開平1−133781号公報においては記録層と
保護層間に熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂より成る中間層
を設け、かつ、上記保護層を耐熱性樹脂にて構成する手
段が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この手段を適用するこ
とにより確かに繰返し書替え耐性や画質の劣化は少なく
なるが、その反面、記録層上に中間層や保護層を形成す
る際にこれ等各層を構成する樹脂用モノマーや、メチル
エチルケトン、トルエン等の溶剤が記録層中に浸み込み
易く、これ等溶液の侵入に伴って記録層内の有機低分子
物質の分散状態が微妙に変化しその透明性に悪影響を及
ぼしたり上記透明化温度範囲に影響を及ぼす欠点があっ
た。
【0008】すなわち、上記モノマーや溶剤の侵み込み
により記録層を構成する樹脂表面が部分的に膨潤又は溶
解する等して樹脂内の有機低分子物質の分散状態が微妙
に変化するため、記録層の透明度が低下して画像部と非
画像部のコントラストに悪影響を及ぼす問題点があり、
かつ、透明化温度範囲も影響を受けて保護層等を形成す
る以前に設定した初期の透明化温度範囲が微妙に変動し
てしまうため、サーマルヘッド等の記録設定温度をこの
変化に合わせて設定し直さなければならなくなる問題点
があった。
【0009】また、上記保護層は耐熱性樹脂により構成
されてはいるが、保護層に適用できる材料がワイヤーバ
ー等の塗布方法に適合した樹脂材料に限られてしまうた
め、保護層の耐熱性が未だ充分にだせない欠点があり保
護層が経時的に劣化して繰返し書替え耐性が低下する問
題点があった。
【0010】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、画像部と非画像
部とのコントラストの向上が図れかつ初期の透明化温度
範囲を維持できると共に繰返し書替え耐性の向上も図れ
る感熱記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、樹脂とこの樹脂中に分散された有機低分子物質
とを主成分とし温度に依存してその透明度が可逆的に変
化する記録層と、この記録層上に設けられた保護層とを
支持体上に備える書替え可能な感熱記録媒体を前提と
し、上記保護層が、予め設けられた感熱接着層を有しこ
の感熱接着層を介し上記記録層上に熱接着された耐熱性
フィルムにより構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0012】他方、請求項2に係る発明は請求項1に係
る発明を前提とし、上記耐熱性フィルムがポリサルフォ
ンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィル
ム、ポリアラミドフィルム、ポリパラバン酸フィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、及びポリエチレンナフタレートフィルムよ
り選ばれたフィルムにより構成されていることを特徴と
し、また、請求項3に係る発明は請求項1又は2に係る
発明を前提とし、上記耐熱性フィルムの膜厚が2〜12
μmに設定されていることを特徴とするものであり、請
求項4に係る発明は請求項1に係る発明を前提とし、上
記感熱接着層が50℃〜110℃の範囲にそのガラス転
移温度を有する熱可塑性樹脂により構成されていること
を特徴とするものである。
【0013】このような技術的手段において記録層の一
部を構成する樹脂材料としては、以下に述べる有機低分
子物質とその屈折率が近似しかつ相溶性がないと共に、
機械的強度に優れしかもフィルム形成能を有する透明性
良好な熱可塑性樹脂が挙げられ、その具体例としては飽
和共重合ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリ塩化
ビニル樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
アクリレート共重合体等の塩化ビニル共重合体;ポリ塩
化ビニリデン樹脂;塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の塩
化ビニリデン共重合体;ポリアミド樹脂;シリコン樹
脂;ポリアクリレート若しくはポリメタクリレート樹脂
又はこれ等の共重合体等があり、これ等単独或いは2種
以上混合して適用することができる。
【0014】また、上記樹脂材料中に分散される有機低
分子物質としては、酸素、硫黄、窒素、ハロゲンのうち
少なくとも一つの原子を含み、炭素数が10〜40でそ
の分子量が100〜700であり、かつ、融点が50〜
150℃の範囲にある有機化合物が挙げられ、その具体
例としてはアルカノール、カルカンジオール、ハロゲン
アルカノール、ハロゲンアルカンジオール等の高級アル
コール;高級脂肪族アミン;アルカン、アルケン、アル
キン及びこれ等のハロゲン置換体;シクロアルカン、シ
クロアルケン、シクロアルキン等の環状化合物;飽和カ
ルボン酸、不飽和モノカルボン酸、ジカルボン酸又はこ
れ等のエステル、アミド、アンモニウム塩;飽和若しく
は不飽和ハロゲン脂肪酸又はこれ等のエステル、アミ
ド、アンモニウム塩;アクリルカルボン酸又はこれ等の
エステル、アミド、アンモニウム塩;ハロゲンアリルカ
ルボン酸又はこれ等のエステル、アミド、アンモニウム
塩;チオアルコール又はこれ等のカルボン酸エステル;
チオカルボン酸又はこれ等のエステル、アミド、アンモ
ニウム塩等があり、これ等単独或いは2種以上混合して
適用することができる。
【0015】そして、これ等樹脂材料と有機低分子物質
が溶解されたメチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、クロロホルム、エタノール、ベンゼン、トルエ
ン、テトラヒドロフラン、四塩化炭素等の有機溶液、あ
るいは上記樹脂材料を溶解した溶液に有機低分子物質を
微粒子状に分散させた分散液を以下に述べる支持体上に
塗布乾燥させて温度依存によりその透明度が可逆的に変
化する上記記録層が形成されるものである。
【0016】尚、この記録層の光学的性質を改善する目
的で記録層中に染料や紫外線吸収剤あるいは赤外線吸収
剤等を加えてもよいし、また、記録層の可塑性を改善す
る目的で可塑剤を添加してもよい。
【0017】次に、予め設けられた感熱接着層を有し上
記保護層を構成する耐熱性フィルムとしては、サーマル
ヘッド等の印字手段に対する耐熱性並びに寸法安定性と
表面平滑性を有し、かつ、透明性と機械的強度に優れた
性質を備えていることを必要とし、その具体例として
は、ポリサルフォンフィルム、ポリイミドフィルム、ポ
リアミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリパラバ
ン酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム、及び、ポリエチレンナフタ
レートフィルム等が挙げられる。尚、耐熱性フィルムの
膜厚についてはこれが2μm以下であると記録層に対す
る保護機能が不十分となる弊害があり、他方、この膜厚
が12μmを越えるとサーマルヘッド等印字手段からの
熱が記録層へ十分に伝わらなくなって感度低下を引起こ
す弊害があるため、上記膜厚については2μm〜12μ
mの範囲に設定することが望ましい。
【0018】一方、この耐熱性フィルムに予め形成され
る感熱接着剤としては、耐熱性フィルムと上記記録層に
対して強い接着性を備えていると共に耐熱性フィルムが
記録層へ熱接着される際に記録層が熱劣化を起さないよ
う50℃〜110℃の範囲にそのガラス転移温度を有す
る熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的にはポリエステル系
樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合樹脂、変性した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂
等の塩化ビニル系樹脂;ポリアクリル酸、ポリアクリル
酸−2−メトキシメチル、ポリアクリル酸メチル、ポリ
アクリル酸−2−ナフチル、ポリアクリル酸イソボルニ
ル、ポリメタクリロニトリル、ポリアクリロニトリル、
ポリメチルクロロアクリレート、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸−t−
ブチル、ポリメタクリル酸フェニル、メタクリル酸メチ
ルとメタクリル酸アルキル(但しアルキル基の炭素数は
2〜6である)のコポリマー等のアクリル系樹脂;ポリ
スチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリビニルトルエ
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタク
リル酸アルキル(但しアルキル基の炭素数は2〜6であ
る)のコポリマー等のビニル系樹脂;ナイロン−6,
6、ナイロン6,7、ナイロン6,8、ナイロン6,
9、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン1
0等のポリアミド系樹脂;ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール等のポリアセタール系樹脂等の単体若
しくは混合体が適用できる。尚、接着助剤として、エポ
キシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリエステル、石油系樹脂等の低軟
化点樹脂を感熱接着層の乾燥重量に対して0〜20重量
%の範囲で添加してもよい。この接着助剤が添加されま
たは添加されてない上述した熱可塑性樹脂を、バーコー
ト、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコー
ト、ロールコート等のソルベントコーティング法により
上記耐熱性フィルム上にその乾燥膜厚が1.0〜5.0
μmとなるように塗布して感熱接着層を形成し予め感熱
接着層が設けられている耐熱性フィルムを求める。
【0019】そして、このようにして求められた耐熱性
フィルムをその感熱接着層側を対向させて上記記録層上
に重合し、この感熱接着層を介し記録層上に耐熱性フィ
ルムを熱接着させて保護層を形成するものである。
【0020】この場合、ワイヤーバー等の塗布手段にて
中間層や保護層が記録層上に直接形成されている従来の
感熱記録媒体に較べて、この技術的手段に係る感熱記録
媒体においては上記記録層中に保護層等を構成する樹脂
用モノマーや有機溶剤等の侵み込む恐れがなく、従っ
て、記録層内における有機低分子物質の分散状態が変化
することがないため記録層の透明度が低下しなくなって
画像部と非画像部とのコントラストの向上が図れ、か
つ、保護層の形成前後に拘らず初期の透明化温度範囲を
維持できると共に上記材料群から選択された耐熱性フィ
ルムは従来適用されているポリシロキサングラフトポリ
マー等の耐熱性樹脂に較べてより耐熱性が高いため繰返
し書替え耐性の向上も図れる利点を有している。
【0021】尚、サーマルヘッド等の印字手段によるス
ティッキングを防ぐため、上記耐熱性フィルムの印字手
段と当接する側に乾燥膜厚0.1〜1μm程度のスティ
ッキング防止層を設けてもよい。これに適用できる材料
としては、シリコーン変性樹脂;メラミン樹脂、ニトロ
セルロース、熱硬化型樹脂バインダーとシリコーンオイ
ル等の滑材との混合物等が挙げられる。
【0022】また、この技術的手段において上記記録層
等を支持する支持体は従来と同様のものがそのまま適用
でき、例えば、透明なプラスチックフィルム又はシー
ト、染料や顔料等の着色剤が混合されたプラスチックフ
ィルム又はシート、染料や顔料で着色された塗料やイン
キから構成される着色層が積層されたプラスチックフィ
ルム又はシート、更に、アルミニウム、錫、銀、マグネ
シウム、クロム、ニッケル等の光反射性金属層を設けた
プラスチックフィルム、シート又は紙等が利用できる。
そして、プラスチックフィルムやシートの具体例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリカーボネート、ポリパラバン酸等の耐熱
性、透明性、及び、機械的強度に優れた材料群が挙げら
れる。
【0023】
【作用】請求項1〜2に係る発明によれば、有機低分子
物質が分散された記録層上に形成される保護層が、予め
設けられた感熱接着層を有しこの感熱接着層を介し上記
記録層上に熱接着されたポリパラバン酸フィルム、ポリ
エチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム等の耐熱性フィルムにより構成されてお
り、ワイヤーバー等の塗布手段により上記記録層上に直
接保護層等が形成されている従来の感熱記録媒体と較べ
て保護層形成の際に樹脂用モノマーやトルエン等の有機
溶剤等が記録層中に侵み込む恐れがないため、上記記録
層内における有機低分子物質の分散状態を保護層の形成
前後に拘らず初期の状態に維持することが可能となり、
かつ、保護層の耐熱性をより向上させることも可能とな
る。
【0024】また、請求項3に係る発明によれば、記録
層上に熱接着された耐熱性フィルムの膜厚が2〜12μ
mに設定されているため、記録層を十分に保護できると
共に保護層の存在にも拘らずサーマルヘッド等印字手段
から記録層への伝熱も支障なく行うことが可能となる。
【0025】更に、請求項4に係る発明によれば、上記
耐熱性フィルムに設けられた感熱接着層が50℃〜11
0℃の範囲にそのガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂
により構成されており、この感熱接着層を介し記録層上
に上記耐熱性フィルムを熱接着する際の温度条件を低く
設定できるため記録層の熱劣化を防止することが可能と
なる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0027】尚、実施例並びに比較例中に記載の配合成
分の部数及び%は全て重量部及び重量%である。
【0028】[実施例1]この実施例に係る感熱記録媒
体は、図1に示すように透明なポリエチレンテレフタレ
ートから成る支持体1と、この支持体1上に設けられた
記録層2と、この記録層2上に感熱接着層3を介し熱接
着された耐熱性フィルム4から成る保護層5とでその主
要部が構成されている。
【0029】そして、この感熱記録媒体は以下のような
工程を経て製造されている。
【0030】すなわち、厚さ150μmの透明なポリエ
チレンテレフタレートから成る支持体1上に下記の均一
に溶解されている記録層用組成物をワイヤーバーにて塗
布し、90℃で3分間乾燥して乾燥膜厚10μmの記録
層2を形成する。
【0031】 (記録層用組成物) ベヘン酸 8部 ステアリン酸 2部 ポリエステル樹脂(東洋紡社製商品名バイロン200) 30部 トルエン 30部 テトラヒドロフラン 120部 次に、下記組成から成る感熱接着層用組成物をその乾燥
膜厚が1.5μmになるようソルベントコーティング法
により塗布・乾燥して予め形成された感熱接着層3を有
する厚さ2.0μmの透明なポリパラバン酸フィルムに
て構成された耐熱性フィルム4をその感熱接着層3側を
対向させて上記記録層2上に重合し、かつ、ラミネータ
(明光商会社製商品名MSパウチH−140)を用いて
記録層2上に耐熱性フィルム4を熱接着させて保護層5
を形成し図1に示された感熱記録媒体を求めた。
【0032】 (感熱接着層用組成物) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 16部 (UCC社製商品名VYLF:Tg=68℃) ポリウレタン 4部 トルエン/2−ブタノン(1/2) 80部 [実施例2]感熱接着層を有する上記ポリパラバン酸フ
ィルムに代えて、下記組成から成る感熱接着層用組成物
をその乾燥膜厚が1.0μmになるようソルベントコー
ティング法により塗布・乾燥して形成された感熱接着層
を有する厚さ3.5μmの透明なポリエチレンテレフタ
レートフィルムにて構成された耐熱性フィルムを適用し
たことを除き実施例1に係る感熱記録媒体と略同一であ
る。
【0033】 (感熱接着層用組成物) ポリエステル樹脂(ユニチカ社製商品名 20部 エリーテルUE−3202:Tg=60℃) トルエン/2−ブタノン(1/1) 80部 [実施例3]感熱接着層を有する上記ポリパラバン酸フ
ィルムに代えて、下記組成から成るステッキング防止層
用組成物をその乾燥膜厚が0.3μmになるようワイヤ
ーバーにて塗布・乾燥して形成されたステッキング防止
層を一面に有し、他面側に下記組成から成る感熱接着層
用組成物をその乾燥膜厚が2.0μmになるようワイヤ
ーバーを用いて塗布・乾燥して形成された感熱接着層を
有する厚さ3.0μmの透明なポリエチレンテレフタレ
ートフィルムにて構成された耐熱性フィルムを適用し、
かつ、上記感熱接着層を介してこの耐熱性フィルムが記
録層上に熱接着されている以外は実施例1に係る感熱記
録媒体と略同一である。
【0034】 (ステッキング防止層用組成物) シリコーン変性樹脂 5部 (信越化学社製商品名KR218) トルエン/2−ブタノン(1/3) 95部 (感熱接着層用組成物) ポリエステル樹脂(ユニチカ社製商品名 16部 エリーテルUE−3600:Tg=75℃) エチレン−酢酸ビニル樹脂(軟化点=40℃) 4部 トルエン/2−ブタノン(1/2) 80部 [比較例1]感熱接着層を有するポリパラバン酸フィル
ムから成る保護層が設けられていない点を除き実施例1
に係る感熱記録媒体と略同一である。
【0035】[比較例2]実施例1と同様に厚さ150
μmの透明なポリエチレンテレフタレートから成る支持
体上に下記の均一に溶解されている記録層用組成物をワ
イヤーバーにて塗布し、90℃で3分間乾燥して乾燥膜
厚10μmの記録層を形成する。
【0036】 (記録層用組成物) ベヘン酸 8部 ステアリン酸 2部 ポリエステル樹脂(東洋紡社製商品名バイロン200) 30部 トルエン 30部 テトラヒドロフラン 120部 次に、上記記録層上に下記組成から成る中間層用組成物
をその乾燥膜厚が1μmになるようにソルベントコーテ
ィング法(ワイヤーバー)を用いて塗布・乾燥して中間
層を形成し、更にこの中間層上に下記組成から成る保護
層用組成物をその乾燥膜厚が2.0μmになるようワイ
ヤーバーにて塗布・乾燥して保護層を形成し比較例2に
係る感熱記録媒体を求めた。
【0037】 (中間層用組成物) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部 (UCC社製商品名VYHH) 2−ブタノン/トルエン 90部 (保護層用組成物) ポリシロキサングラフトポリマー 25部 (日本触媒化学工業社製商品名R−41) 硬化剤(同上用) 0.2部 ジオキサン 50部 『比較試験』次に、実施例1〜3に係る感熱記録媒体と
比較例1〜2に係る感熱記録媒体について、画像部(白
濁部)と非画像部(透明部)とのコントラスト、透明化
温度範囲、及び、繰返し書き替え耐性を比較するため以
下に述べるような比較試験を行った。
【0038】尚、上述のようにして求められた実施例並
びに比較例に係る感熱記録媒体の記録層は全て白濁状態
に形成されていた。
【0039】まず、求められた各感熱記録媒体につい
て、50℃〜100℃まで1度ずつ段階的に200g/
cm2 、2秒間、加熱圧着後室温まで冷却し、かつ、処理
された感熱記録媒体について標準板(光学濃度=1.7
9)上に置き、この上から光学反射濃度計(マクベス光
学濃度計RD−517)によりその反射濃度(光学濃
度)を各々測定した。その結果を図2に示す。
【0040】尚、図2中、実施例1〜3と比較例1に係
る感熱記録媒体は実線で、また、比較例2に係る感熱記
録媒体については一点鎖線で示す。
【0041】次に、全ての感熱記録媒体について、その
全面を透明化温度範囲(図2において反射濃度が1.2
以上となる温度範囲をいう)内に加熱しかつ室温に冷却
して記録層全体を透明状態に設定した後、サーマルヘッ
ド(8本/m,抵抗420Ω)を用いて0.4mJ/d
otの条件で白濁印字し、その画像部(白濁部)と非画
像部(透明部)の反射濃度をそれぞれ測定して初期濃度
データとした。
【0042】この結果を表1に示す。
【0043】次いで、全ての感熱記録媒体について、6
2℃に設定してある熱ローラ間を通過させて記録層を透
明状態に戻した後、再度、上記サーマルヘッドを用い
0.4mJ/dotの条件で同一部位を白濁印字し、か
つ、これを100回繰返した後の画像部(白濁部)と非
画像部(透明部)の反射濃度をそれぞれ測定し、繰返し
に伴う劣化を測定した。この結果も表1に示す。
【0044】尚、保護層が設けられていない比較例1に
係る感熱記録媒体については、20回の繰返し試験で記
録層表面が著しく劣化し記録媒体として機能しなくなっ
たためデータは空欄になっている。
【0045】
【表1】
【0046】『評価』図2に示された結果から、記録層
を設けただけの比較例1と実施例1〜3に係る感熱記録
媒体(実線で示されている)は、比較例2に係る感熱記
録媒体(一点鎖線で示されている)に較べて透明化温度
範囲が広く、かつ、この温度範囲内で形成された透明状
態とそれ以外の白濁状態の反射濃度の差分が大きく、従
って、画像部と非画像部のコントラストが優れているこ
とが確認できた。
【0047】更に、比較例1と各実施例に係る感熱記録
媒体の記録層が共に同一の透明度と透明化温度範囲を有
していることから、保護層の形成に拘らず記録層内にお
ける有機低分子物質の分散状態がほとんど変化してない
ことも確認できた。
【0048】次に、表1に示された結果から、比較例1
と実施例1〜3に係る感熱記録媒体の初期濃度は比較例
2に較べて優れており画像部と非画像部間のコントラス
トが大きいことが確認できた。
【0049】更に、繰返し書替え耐性についても、各実
施例のものは比較例に係る感熱記録媒体に較べて数段優
れていることも確認できた。
【0050】
【発明の効果】請求項1〜2に係る発明によれば、記録
層内における有機低分子物質の分散状態を保護層の形成
前後に拘らず初期の状態に維持することが可能となり、
かつ、保護層の耐熱性をより向上させることも可能とな
る。
【0051】従って、記録層の透明度が低下しなくなる
ため画像部と非画像部のコントラストの向上が図れ、か
つ、初期の透明化温度範囲を維持できるため印字手段の
記録設定温度の調整が簡便になると共に、保護層の耐熱
性が上がったことに伴い繰り返し書替え耐性も向上でき
る効果を有している。
【0052】また、請求項3に係る発明によれば、記録
層上に熱接着された耐熱性フィルムの膜厚が2〜12μ
mに設定されているため、記録層を十分に保護できると
共に保護層の存在にも拘らず印字手段から記録層への伝
熱も支障なく行うことができ記録層の感度低下を防止で
きる効果を有している。
【0053】更に、請求項4に係る発明によれば、耐熱
性フィルムに設けられた感熱接着層が50℃〜110℃
の範囲にそのガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂によ
り構成されているため、耐熱性フィルムの熱接着条件を
緩和でき記録層の熱劣化を防止できる効果を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る感熱記録媒体の構成断面図。
【図2】実施例及び比較例に係る感熱記録媒体の加熱温
度と光学濃度(反射濃度)との関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
1 支持体 2 記録層 3 感熱接着層 4 耐熱性フィルム 5 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 敬喜 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社生活システム研究所内 (72)発明者 大西 勝 神奈川県鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱 電機株式会社生活システム研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂とこの樹脂中に分散された有機低分
    子物質とを主成分とし温度に依存してその透明度が可逆
    的に変化する記録層と、この記録層上に設けられた保護
    層とを支持体上に備える書替え可能な感熱記録媒体にお
    いて、 上記保護層が、予め設けられた感熱接着層を有しこの感
    熱接着層を介し上記記録層上に熱接着された耐熱性フィ
    ルムにより構成されていることを特徴とする書替え可能
    な感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記耐熱性フィルムが、ポリサルフォン
    フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、
    ポリアラミドフィルム、ポリパラバン酸フィルム、ポリ
    カーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフ
    ィルム、及び、ポリエチレンナフタレートフィルムより
    選ばれたフィルムにより構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の書替え可能な感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記耐熱性フィルムの膜厚が、2〜12
    μmに設定されていることを特徴とする請求項1又は2
    記載の書替え可能な感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記感熱接着層が、50℃〜110℃の
    範囲にそのガラス転移温度を有する熱可塑性樹脂により
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の書替え
    可能な感熱記録媒体。
JP3305945A 1991-11-21 1991-11-21 書替え可能な感熱記録媒体 Pending JPH05139054A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3305945A JPH05139054A (ja) 1991-11-21 1991-11-21 書替え可能な感熱記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3305945A JPH05139054A (ja) 1991-11-21 1991-11-21 書替え可能な感熱記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05139054A true JPH05139054A (ja) 1993-06-08

Family

ID=17951192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3305945A Pending JPH05139054A (ja) 1991-11-21 1991-11-21 書替え可能な感熱記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05139054A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0899468A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 熱可逆性感熱記録材料

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH054478A (ja) * 1991-06-05 1993-01-14 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 可視記録可能な磁気カード

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH054478A (ja) * 1991-06-05 1993-01-14 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 可視記録可能な磁気カード

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0899468A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 熱可逆性感熱記録材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU647230B2 (en) Thermal imaging medium
JP2796434B2 (ja) 応用吸収性の熱画像形成性積層基材
US5569540A (en) Thermal transfer sheet
JP2014198419A (ja) 熱転写受像シートおよびその製造方法
JPH05139054A (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP4170870B2 (ja) 保護層転写シート及び熱転写画像記録体
JPH041717B2 (ja)
US5342818A (en) Thermal dye transfer printing method, intermediate media and transfer media therefor
JP2008137257A (ja) 熱転写受像シート
JP2001199162A (ja) 保護層転写シート
JPH0421599B2 (ja)
JP3345675B2 (ja) 熱転写シート
JP3271033B2 (ja) 熱転写受像シート
JP2827611B2 (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP2701624B2 (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP4306046B2 (ja) 保護層転写シート
JPS63317385A (ja) 可逆性感熱記録材料
JP2827610B2 (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP2884931B2 (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP2009090516A (ja) 熱転写受像シート
JPH0776178A (ja) 熱転写シート
JP3183069B2 (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP2707920B2 (ja) 書替え可能な感熱記録媒体
JP2000141723A (ja) 画像形成方法
JPH06328868A (ja) 熱転写シート