JPH05138928A - イオンフロー静電記録ヘツドの製造方法 - Google Patents

イオンフロー静電記録ヘツドの製造方法

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JPH05138928A
JPH05138928A JP30078291A JP30078291A JPH05138928A JP H05138928 A JPH05138928 A JP H05138928A JP 30078291 A JP30078291 A JP 30078291A JP 30078291 A JP30078291 A JP 30078291A JP H05138928 A JPH05138928 A JP H05138928A
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JP
Japan
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electrode
layer
dielectric layer
silane coupling
electrodes
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JP30078291A
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English (en)
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Tomonori Sato
智徳 佐藤
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は誘電体層、シリコーン系接着剤層およ
び第2電極と絶縁体層との密着性を高めて絶縁体層の膜
厚を均一化するとともに、誘電体層および第2電極と絶
縁体層との間への空隙の発生を防止し、かつ絶縁体層の
破れを防止して正しくドット潜像を形成し、画像品質向
上を図ることを最も主要な特徴とする。 【構成】少なくとも第2電極6および誘電体層4上にシ
ランカップリング剤層7を形成する前処理工程を設け、
この前処理された誘電体層4および第2電極6の表面上
に絶縁体層8を形成したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば静電式の印刷や複
写を行なう静電記録装置で使用されるイオンフロー静電
記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば静電印刷等において、高
電流密度のイオンを発生させ、これを抽出して選択的に
被帯電部材に付与して、この被帯電部材を画像状に帯電
させる静電記録装置が知られている。
【0003】この静電記録装置に用いられるイオンフロ
ー静電記録ヘッドは誘電体層とその誘電体層の一方の側
に固着され、第1の方向に伸びる複数の第1電極と、誘
電体層の他方の側に固着され、第1電極の伸び方向と交
差する方向に伸びる複数の第2電極とを有し、複数の第
1電極と複数の第2電極とでマトリックスを構成する。
そして、この第2電極のマトリックスと対応する部位に
はイオン発生用の開口部が形成されている。
【0004】また、第2電極の第1電極と反対側には第
3電極が配設されている。この第3電極と第2電極との
間には絶縁体層が配設されている。これらの絶縁体層お
よび第3電極には第2電極の開口部と対応する開口部が
形成されており、これらの開口部によってイオン流通過
口が形成されている。
【0005】そして、第1電極と第2電極との間のマト
リックスの選択された部分に対応する第1電極と第2電
極との間に交互に高電圧を印加することにより、その部
分に対向する第2電極の開口部近傍に正・負のイオンが
発生する。
【0006】また、第2電極と第3電極との間にはバイ
アス電圧が印加され、その極性によって決まるイオンの
みが発生したイオンから選択的に抽出され、イオン流通
過口を通過し、第3電極と対向配置される被帯電部材を
部分的に帯電させることができる。したがって、マトリ
ックス構造の電極を選択的に駆動することにより、ドッ
トによる静電記録を行なうことができる。
【0007】ここで、使用される誘電体層および絶縁体
層を形成する物質はイオン抽出のために印加される高電
圧でも絶縁破壊しないことが要求される。また、誘電体
層はイオンを効率よく発生させ、絶縁破壊にも耐えられ
る程度の厚さが必要になるため、高い誘電率を持つもの
が適している。
【0008】さらに、誘電体層に第2電極を接着する接
着剤としては高電圧印加によって発生する熱に耐えるこ
とができる程度の耐熱性、誘電体層と第2電極との熱膨
張率の差によって発生する応力に耐えられる程度の可撓
性、さらにイオンフロー静電記録ヘッドの組立工程時に
作用する引っ張り剪断力に耐えられる程度に強い接着
力、イオン発生による放電に強い耐コロナ放電性等の条
件を備えたものが要求される。
【0009】そこで、例えば、特開平2−153760
号公報ではこのイオンフロー静電記録ヘッドの誘電体層
の材料としてシリコーン変性ポリエステルアルキド樹脂
中に酸化チタンの粉末を分散させたものを使用してい
る。
【0010】また、イオンフロー静電記録ヘッドの第2
電極の材料としてはステンレス鋼が使用され、この第2
電極を誘電体層に固着する接着剤としては粘着剤である
シリコーン系の感圧接着剤が用いられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−15376
0号公報のように第2電極を誘電体層に固着する接着剤
としてシリコーン系の感圧接着剤を使用した場合には粘
着力のみで第2電極を誘電体層に固着するようになって
いた。
【0012】しかしながら、シリコーン系の感圧接着剤
は剥離力には強いが、剪断力には弱いという特性がある
ので、このシリコーン系の粘着剤を第2電極を誘電体層
に固着する接着剤として使用した場合にはイオンフロー
静電記録ヘッドの組立工程時に作用する引っ張り剪断力
や、100℃前後程度の熱加工時の熱、或いは使用中の
イオン発生現象による80℃程度の発熱を受けた際に十
分に耐えることができない問題がある。そのため、第1
電極と第2電極との間に位置ずれが発生し、このイオン
フロー静電記録ヘッドを用いて画像を形成する場合に画
像品質が低下する問題があった。
【0013】そこで、シリコーン系の粘着剤よりも接着
力が大きく、熱的にも強いシリコーン系接着剤を用いて
第2電極を誘電体層に固着するように改良された方法が
近年開発されている。
【0014】また、絶縁体層にはエポキシ系のドライフ
ィルムフォトイメージソルダーマスクが使用されてい
る。そして、このドライフィルムフォトイメージソルダ
ーマスクを真空ラミネートにより、シリコーン系接着
剤、誘電体層および第2電極に張り合わせることによ
り、絶縁体層が成形されるようになっている。
【0015】しかしながら、このエポキシ系のドライフ
ィルムフォトイメージソルダーマスクはシリコーン系接
着剤、誘電体層および第2電極との密着性が低いので、
真空ラミネートによる張り合わせ時にドライフィルムフ
ォトイメージソルダーマスクが誘電体層の表面および第
2電極の表面の形状に追従することができない問題があ
る。そのため、絶縁体層の膜厚が不均一になったり、絶
縁体層が誘電体層の表面および第2電極の表面に密着せ
ず、これらの間に空隙が発生する問題があった。さら
に、ドライフィルムフォトイメージソルダーマスクのラ
ミネート後の硬化・現像時にも硬化収縮により破れが発
生する問題があった。
【0016】また、絶縁体層の膜厚が不均一になった場
合にはイオンを被帯電部材上に正しく導くことが困難に
なるので、被帯電部材上に正しくドット潜像を形成する
ことができず、画質が低下する問題があった。なお、ド
ライフィルムフォトイメージソルダーマスクの硬化・現
像時に絶縁体層の破れが発生した場合にはイオンを発生
できなくなる問題があった。
【0017】さらに、絶縁体層と誘電体層との間に空隙
が発生した場合には誘電体層と第2電極との間で放電現
象が起こり、誘電体層が損傷するか、絶縁体層が発火、
炭化してイオンを発生できなくなる問題があった。
【0018】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、誘電体層の表面、シリコーン系接着剤
層の表面および第2電極の表面と絶縁体層との密着性を
高めて絶縁体層の膜厚を均一化することができるととも
に、誘電体層の表面および第2電極の表面と絶縁体層表
面との間に空隙が発生することを防止し、かつ絶縁体層
の破れを防止してイオンを確実に発生させ、イオンを被
帯電部材上に正しく導き、被帯電部材上に正しくドット
潜像を形成して画像品質の向上を図ることができるイオ
ンフロー静電記録ヘッドの製造方法を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は絶縁基板上に同
方向に略直線状に延設され、略平行に並設される複数の
第1電極を形成する第1電極形成工程と、誘電体ペース
トを前記絶縁基板および前記第1電極上に塗布したの
ち、硬化させて前記誘電体層を形成する誘電体層形成工
程と、この誘電体層上に前記第1電極の延設方向と異な
る方向に延設され、前記第1電極とともにマトリックス
を構成し、かつこのマトリックスと対応する部位に開口
部が形成された複数の第2電極をシリコーン系接着剤を
介して固着する第2電極固着工程と、少なくとも前記第
2電極および前記誘電体層上にシランカップリング剤を
塗布し、シランカップリング剤層を形成する前処理工程
と、この前処理された前記誘電体層および第2電極の表
面上に前記絶縁体層を形成する絶縁体層形成工程と、前
記絶縁体層における前記マトリックスと対応する部位に
イオン流通過用の開口部を形成するイオン流通過口形成
工程と、前記マトリックスと対応する部位にイオン流通
過用の開口部が形成された第3電極を前記絶縁体層の上
に積層する第3電極積層工程とを具備したものである。
【0020】
【作用】上記方法によれば、誘電体層および第2電極上
に形成されたシランカップリング剤層のエトキシ基、メ
トキシ基およびシラノール基が誘電体層、シリコーン系
接着剤および第2電極の表面の無機化合物と化学結合
し、シランカップリング剤層のエポキシ基およびアミノ
基が絶縁体層のエポキシ基と化学結合して誘電体層、シ
リコーン系接着剤および第2電極と絶縁体層との密着性
が向上することにより、誘電体層、シリコーン系接着剤
および第2電極と絶縁体層との間の空隙の発生を防止
し、不規則な放電による誘電体層の損傷、絶縁体層の発
火・炭化を防止してイオンを確実に発生させるようにし
たものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図1乃
至図3を参照して説明する。図1(A),(B)は静電
記録装置で使用されるイオンフロー静電記録ヘッド1の
要部の概略構成を示すもので、2はイオンフロー静電記
録ヘッド1の絶縁基板である。
【0022】この絶縁基板2上にはイオン発生用の複数
の第1電極3…が設けられている。これらの複数の第1
電極3…は一方向に向けて略平行に並設されている。ま
た、絶縁基板1上には第1電極3…の並設面側にこれら
の第1電極3…を埋設する状態で誘電体層4が設けられ
ている。
【0023】また、誘電体層4の表面には接着剤層5を
介して複数の第2電極6…が接着されている。この場
合、複数の第2電極6…は誘電体層4における絶縁基板
2とは反対側の面に第1電極3…と交差する方向に並設
されており、第1電極3…と第2電極6…とによってマ
トリックスが構成されている。そして、第2電極6…に
はこのマトリックスと対応する部位にそれぞれイオン発
生用の開口部6a…が形成されている。
【0024】さらに、第2電極6…上および第2電極6
のパターン間の誘電体層4、接着剤層5上にはシランカ
ップリング剤が塗布され、シランカップリング剤層7が
形成されている。
【0025】また、誘電体層4の第2電極6…の並設面
側にはシランカップリング剤層7上に第2電極6…を埋
設する状態で絶縁体層8が設けられている。この絶縁体
層8には第2電極6…の各開口部6a…と対応する部位
に開口部8a…が形成されている。
【0026】さらに、絶縁体層8の表面には帯状の第3
電極9が設けられている。この第3電極9には第1電極
3…と第2電極6…とのマトリックスと対応する部位に
開口部9a…が形成されている。この第3電極9の開口
部9a…は絶縁体層8の開口部8a…および第2電極6
…の開口部6a…と連通されてイオンフロー静電記録ヘ
ッド1のイオン流通過口10…が形成されている。
【0027】そして、イオンフロー静電記録ヘッド1の
動作時には印字信号にもとづいて第1電極3…と第2電
極6…との間のマトリックスが適宜選択され、選択され
たマトリックス部分に対応する第1電極3…と第2電極
6…との間に交流電圧が印加される。これにより、選択
されたマトリックス部分に対応する第2電極6…の開口
部6a…内の近傍部位に正負イオンが発生する。このと
き、第2電極6…と第3電極9との間にはバイアス電圧
が印加され、その極性によって決まるイオンのみが第2
電極6…の開口部6a…内の近傍部位に発生したイオン
から抽出される。そして、抽出されたイオンは絶縁体層
8の開口部8aおよび第3電極9の開口部9a…を通過
し、図示しない誘電体ドラムを局部的に帯電させる。し
たがって、第1電極3…および第2電極6…の選択的駆
動により、誘電体ドラム上にドット潜像を形成すること
ができる。
【0028】次に、図1(A),(B)のイオンフロー
静電記録ヘッド1の製造方法について詳細に説明する。
まず、絶縁基板2上に第1電極3…が形成される(第1
電極形成工程)。この場合、絶縁基板2は例えば厚さ5
0μm程度のポリイミドフレキシブル絶縁基板(FP
C)が使用される。そして、この絶縁基板2上に厚さ9
μmの銅箔が貼着されたのち、エッチング加工でパター
ニングし、第1電極3…が形成される。
【0029】また、絶縁基板2上に第1電極3…を形成
した後、絶縁基板2上の第1電極3のパターン間および
第1電極3…上に誘電体層4が形成される(誘電体層形
成工程)。この誘電体層4の形成時には予め例えば酸化
チタンをフィラーとし、付加型変性シリコーン系樹脂を
バインダーとした誘電体ペーストを作成する。
【0030】この誘電体ペーストは絶縁基板2上の第1
電極3のパターン間および第1電極3…上に例えばスク
リーン印刷等の手段によって塗布される。続いて、塗布
された誘電体ペーストを乾燥後、加熱硬化させ、例えば
厚さ33μmの誘電体層4が形成される。
【0031】次に、図2に示すように誘電体層4の表面
上および絶縁基板2上にトルエンとシクロヘキサンで5
倍に希釈されたシリコーン系接着剤、例えば『TSE−
3221』(東芝シリコーン社商品名)をディッピング
により塗布して接着剤層5を形成する。ここで、シリコ
ーン系接着剤、トルエンおよびシクロヘキサンの希釈時
の重量比は1:2:2である。
【0032】さらに、接着剤層5の形成後、室温で20
分間保持し、トルエンおよびシクロヘキサンを揮発・乾
燥させる。なお、シリコーン系接着剤は乾燥後の接着剤
層5の厚さが4μmになるように塗布する。
【0033】また、第2電極6…は、予め例えば厚さ3
3μmのステンレス箔に第2電極6…およびこの第2電
極6の開口部6a…のパターンをパターニングして形成
される。
【0034】そして、第2電極6…およびこの第2電極
6の開口部6a…のパターンが形成された電極板におけ
る誘電体層4との接合面が接着剤層5を介して誘電体層
4および絶縁基板2の表面に複数の第1電極3…と第2
電極6…の開口部6a…とが対応するように第2電極6
…が誘電体層4上に配置された状態で被せられ、120
℃で加熱圧着して仮硬化される(第2電極固着工程)。
【0035】次に、第2電極6…、誘電体層4および絶
縁基板2上にシランカップリング剤を塗布し、図3に示
すようにシランカップリング剤層7を形成する前処理工
程が行なわれる。
【0036】この前処理工程ではエタノールで1重量%
に希釈したシランカップリング剤、例えば『KBM60
3』(信越化学工業社商品名)をスプレーまたはディッ
ピングによって第2電極6…、誘電体層4および絶縁基
板2に塗布する。ここで、塗布されたシランカップリン
グ剤層7は室温で30分間放置し、エタノールを揮発・
乾燥させる。続いて、接着剤層5およびシランカップリ
ング剤層7を120℃で60分間加熱硬化させる。
【0037】次に、この前処理された第2電極6とこの
第2電極6の開口部6a内の誘電体層4および接着剤層
5の表面上に絶縁体層8を形成する絶縁体層形成工程が
行なわれる。
【0038】この絶縁体層形成工程では前処理された第
2電極6とこの第2電極6の開口部6a内の誘電体層4
および接着剤層5が絶縁体層8を形成する例えば厚さが
58μmのエポキシ系の水溶性フォトイメージソルダー
マスク、例えば『confor−MASK 2023』
(モートン・ダイナケム社商品名)で真空ラミネートさ
れる。
【0039】その後、この絶縁フィルムに露光、現像等
のフォトエッチング処理を施して図3に示すように複数
の第2電極6…の開口部6a…と対応したイオン流通過
用の開口部8aを形成する(イオン流通過口形成工
程)。
【0040】さらに、絶縁体層8が形成されたイオンフ
ロー静電記録ヘッド1の積層体は続いてシリコーン溶解
剤、例えば『ダイジェジルNC』(東京材料社商品名)
に浸漬され、超音波洗浄されて絶縁体層8の開口部8a
…内に残るシランカップリング剤層7と接着剤層5とが
除去される。その後、処理済みの積層体は純水中に浸漬
され、シリコーン溶解剤が除去される。
【0041】次に、このように形成された絶縁体層8の
上に例えば厚さ30μm程度のステンレス箔に第2電極
6…の開口部6a…と対応した開口部9a…が形成され
た第3電極9が例えば接着等の手段で接合される(第3
電極積層工程)。この場合、第3電極9がその開口部9
a…を第2電極6…の開口部6a…と対応させた状態で
位置決めして重ね合わされることにより、イオンフロ−
静電記録ヘッド1が製造される。なお、絶縁体層8と第
3電極9とは粘着剤や両面テープで貼り合わせるか、第
3電極9を片面テープで絶縁体層8に押さえ付ける構成
にしてもよい。
【0042】そこで、上記方法によればイオンフロ−静
電記録ヘッド1の製造時には誘電体層4の形成後、第2
電極6および誘電体層4上にシランカップリング剤を塗
布し、シランカップリング剤層7を形成する前処理工程
を設け、この前処理された誘電体層4および第2電極6
の表面上に絶縁体層8を形成したので、誘電体層4およ
び第2電極6上に形成されたシランカップリング剤層7
のエトキシ基、メトキシ基およびシラノール基を誘電体
層4、シリコーン系接着剤層5および第2電極6の表面
の無機化合物と化学結合させるとともに、シランカップ
リング剤層7のエポキシ基およびアミノ基を絶縁体層8
のエポキシ基と化学結合させることができる。
【0043】そのため、このシランカップリング剤層7
を介して誘電体層4、シリコーン系接着剤層5および第
2電極6と絶縁体層8との間の密着性を向上させること
ができるので、従来に比べて絶縁体層8の膜厚を均一化
することができ、イオンを被帯電部材上に正しく導き、
被帯電部材上に正しくドット潜像を形成して画像品質の
向上を図ることができる。
【0044】さらに、誘電体層8、シリコーン系接着剤
層5および第2電極6と絶縁体層8との間の空隙の発生
を防止することができるので、従来のように誘電体層4
と第2電極6との間で放電現象が発生することを防止し
て不規則な放電による誘電体層4の損傷、絶縁体層8の
発火・炭化を防止することができる。そのため、従来の
ようにイオン発生が不能になることを防止することがで
きるので、イオンを確実に発生させることができる。
【0045】なお、この発明は上記第1の実施例に限定
されるものではない。例えば、次の第2の実施例のよう
に第2電極6…、誘電体層4および絶縁基板2上にシラ
ンカップリング剤を塗布し、シランカップリング剤層7
を形成する前処理工程の前にシランカップリング剤を塗
布を塗布する面に、光源として低圧水銀灯を用いた25
4nm以下の低波長の紫外線を空気雰囲気下で5分間照
射してもよい。
【0046】この場合も、上記第1の実施例と同様の効
果を得ることができるうえ、この場合には特に第2電極
6…のシランカップリング剤を塗布する面に、予め紫外
線を照射することにより、第2電極6…の表面の有機塵
埃を除去することができるとともに、水酸基・カルボキ
シル基・メトシル基等の極性基を表面に生成させること
ができるので、第2電極6…のシランカップリング剤を
塗布を塗布する面におけるシランカップリング剤に対す
る濡れ性を向上させることができる。そのため、第2電
極6…と絶縁体層8との密着性を一層向上させることが
できる。
【0047】また、次の第3の実施例のように第1の実
施例の前処理によってシランカップリング剤層7が形成
された第2電極6とこの第2電極6の開口部6a内の誘
電体層4および接着剤層5をエポキシ系水溶性フォトイ
メージソルダーマスクで真空ラミネートする絶縁体層形
成工程の前に、予めシランカップリング剤層7の表面に
光源として低圧水銀灯を用いた254nm以下の低波長
の紫外線を空気雰囲気下で5分間照射してもよい。
【0048】この場合も、上記第1の実施例と同様の効
果を得ることができるうえ、この場合には特に第2電極
6とこの第2電極6の開口部6a内の誘電体層4および
接着剤層5の上に形成されたシランカップリング剤層7
の表面に、予め紫外線を照射することにより、シランカ
ップリング剤層7の表面の官能機を酸化させて水酸基・
カルボキシル基・メトシル基等の極性基の量を増加させ
ることができるので、シランカップリング剤層7を介し
た誘電体層4、シリコーン系接着剤層5および第2電極
6と絶縁体層8との密着性を一層向上させることができ
る。
【0049】また、次の第4の実施例のようにしてもよ
い。この実施例では誘電体層4、シリコーン系接着剤層
5および第2電極6…上にシランカップリング剤層7を
形成する前に、予め120℃、60分間でシリコーン系
接着剤層5を加熱硬化させる。
【0050】次に、第1の実施例と同様に誘電体層4お
よび第2電極6…上にシランカップリング剤層7を形成
した後、室温で30分間放置し、エタノールを揮発・乾
燥させる。続いて、シランカップリング剤層7を120
℃で5分間加熱硬化させる。
【0051】さらに、シランカップリング剤層7上に絶
縁体層8を形成し、この絶縁体層8に開口部8aを形成
した後、絶縁体層8が形成されたイオンフロー静電記録
ヘッド1の積層体をシリコーン溶解剤に浸漬し、超音波
洗浄して絶縁体層8の開口部8a…内に残るシランカッ
プリング剤層7を除去する。その後、処理済みの積層体
は純水中に浸漬され、シリコーン溶解剤が除去される。
【0052】したがって、誘電体層4、シリコーン系接
着剤層5および第2電極6と絶縁体層8との間にシラン
カップリング剤層7が介設されているので、この場合も
第1の実施例と同様に誘電体層4および第2電極6と絶
縁体層8との間の密着性を向上させることができる。
【0053】また、第5の実施例では誘電体層4、シリ
コーン系接着剤層5および第2電極6…上にシランカッ
プリング剤層7を形成する前に、予め120℃、60分
間でシリコーン系接着剤層5を加熱硬化したのち、続い
てシリコーン溶解剤に浸漬し、超音波洗浄して第2電極
6の開口部6a…内に残るシリコーン系接着剤層5を除
去する。その後、純水中に浸漬され、シリコーン溶解剤
が除去される。
【0054】次に、第1の実施例と同様に誘電体層4お
よび第2電極6…上にシランカップリング剤層7を形成
する。さらに、このシランカップリング剤層7上に絶縁
体層8を形成し、この絶縁体層8に開口部8aを形成し
た後、絶縁体層8が形成されたイオンフロー静電記録ヘ
ッド1の積層体をシリコーン溶解剤に浸漬し、超音波洗
浄して絶縁体層8の開口部8a…内に残るシランカップ
リング剤層7を除去する。その後、処理済みの積層体は
純水中に浸漬され、シリコーン溶解剤が除去される。
【0055】したがって、誘電体層4および第2電極6
と絶縁体層8との間にシランカップリング剤層7が介設
されているので、この場合も第1の実施例と同様に誘電
体層4および第2電極6と絶縁体層8との間の密着性を
向上させることができる。
【0056】また、第1の実施例では誘電体層4を形成
する誘電体ペーストとして酸化チタンをフィラーとし、
付加型変性シリコーン系ワニス樹脂をバインダーとした
ものを示したが、フィラーとなる誘電体粉末としてはチ
タン酸バリウム、ジルコン酸鉛等を用いることができ
る。
【0057】さらに、第2電極6…、誘電体層4および
絶縁基板2上にシランカップリング剤を塗布し、シラン
カップリング剤層7を形成する前処理工程で使用される
シランカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のエ
ポキシ基と化学反応するアミノ基を持ち、さらに無機材
料(誘電体層4、シリコーン系接着剤層5および第2電
極6)と化学反応するエトキシ基、メトキシ基およびシ
ラノール基を持つ各種シランカップリング剤が用いられ
る。
【0058】また、シランカップリング剤層7の形成時
には水またはエタノールのような低級アルコールを希釈
溶剤として濃度が5重量%以下になるようにシランカッ
プリング剤を希釈し、スプレーまたはディッピングによ
って第2電極6…、誘電体層4および絶縁基板2に塗布
し、さらに希釈溶剤を乾燥させたのち、加熱硬化するよ
うにしている。さらに、その他この発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば少なくとも第2電極およ
び誘電体層上にシランカップリング剤を塗布し、シラン
カップリング剤層を形成する前処理工程を設け、この前
処理された誘電体層および第2電極の表面上に絶縁体層
を形成したので、誘電体層の表面、シリコーン系接着剤
層の表面および第2電極の表面と絶縁体層との密着性を
高めて絶縁体層の膜厚を均一化することができるととも
に、誘電体層の表面および第2電極の表面と絶縁体層表
面との間に空隙が発生することを防止し、かつ絶縁体層
の破れを防止してイオンを確実に発生させ、イオンを被
帯電部材上に正しく導き、被帯電部材上に正しくドット
潜像を形成して画像品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を示すもので、(A)は
イオンフロ−静電記録ヘッドの概略構成を示す要部の縦
断面図、(B)はイオンフロ−静電記録ヘッドの断面斜
視図。
【図2】 誘電体層上に接着剤層を設けた状態を示す要
部の縦断面図。
【図3】 絶縁体層形成工程を示す要部の縦断面図。
【符号の説明】
2…絶縁基板,3…第1電極,4…誘電体層,5…接着
剤層,6…第2電極,6a,8a,9a…開口部,7…
シランカップリング剤層,8…絶縁体層,9…第3電
極。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に同方向に略直線状に延設さ
    れ、略平行に並設される複数の第1電極を形成する第1
    電極形成工程と、誘電体ペーストを前記絶縁基板および
    前記第1電極上に塗布したのち、硬化させて前記誘電体
    層を形成する誘電体層形成工程と、この誘電体層上に前
    記第1電極の延設方向と異なる方向に延設され、前記第
    1電極とともにマトリックスを構成し、かつこのマトリ
    ックスと対応する部位に開口部が形成された複数の第2
    電極をシリコーン系接着剤を介して固着する第2電極固
    着工程と、少なくとも前記第2電極および前記誘電体層
    上にシランカップリング剤を塗布し、シランカップリン
    グ剤層を形成する前処理工程と、この前処理された前記
    誘電体層および第2電極の表面上に前記絶縁体層を形成
    する絶縁体層形成工程と、前記絶縁体層における前記マ
    トリックスと対応する部位にイオン流通過用の開口部を
    形成するイオン流通過口形成工程と、前記マトリックス
    と対応する部位にイオン流通過用の開口部が形成された
    第3電極を前記絶縁体層の上に積層する第3電極積層工
    程とを具備したことを特徴とするイオンフロー静電記録
    ヘッドの製造方法。
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