JPH05135933A - ソフトフエライト用原料酸化物の製造方法 - Google Patents
ソフトフエライト用原料酸化物の製造方法Info
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- JPH05135933A JPH05135933A JP3293061A JP29306191A JPH05135933A JP H05135933 A JPH05135933 A JP H05135933A JP 3293061 A JP3293061 A JP 3293061A JP 29306191 A JP29306191 A JP 29306191A JP H05135933 A JPH05135933 A JP H05135933A
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Abstract
一混合性を果して特性の優れたソフトフェライトを製造
するための、その原料酸化物を製造する有利な方法を提
供すること。 【構成】 マンガン,ニッケル,酸化亜鉛および酸化マ
グネシウムのうちのいずれか1種もしくは2種以上を含
有し、残部が鉄である金属原料(ソフトフェライト構成
元素)を溶解し、その溶融金属原料を水またはガスにて
噴霧することにより粉末とし、次いで得られたその粉末
を酸化性雰囲気中で酸化処理する方法である。これによ
り、原料成分の均一混合性が向上し、しかも、有害な塩
酸ガスや塩素ガスの発生を伴わずに、磁気特性の優れた
ソフトフェライト用原料酸化物の製造が可能となる。
Description
料酸化物の製造方法に関し、特にかかるフェライトを構
成する金属元素を出発原料としてソフトフェライト用原
料酸化物を製造する新規な方法について提案する。
2(a) に示すように、フェライト構成元素である鉄,マ
ンガン,ニッケル,マグネシウムおよび亜鉛等の酸化物
粉末、または加熱により容易に酸化物に変化する炭酸塩
等の化合物の粉末を、所定のモル比率で機械的に混合
し、その後、800 〜1000℃の温度で仮焼する酸化物製造
工程と、引き続き、粉砕,造粒,成形,焼成してフェラ
イトを製造する工程を経て製造されている。
造方法では、 .出発原料が平均粒径:0.1 〜1.0 μmの酸化物粉末
を機械的に混合分散するために、均一混合性が不十分と
なり、製品の磁気特性を劣化させる。 .800 〜1000℃という高温での仮焼工程を経るため
に、コスト高になる。 .前記仮焼の際に、磁粉が2〜10μmまで粒成長を引
き起こすため、次工程において1μm程度に粉砕するの
に、長時間を要する。 等の問題点があった。
ソフトフェライト用原料酸化物の製造方法として、図2
(b) に示すように、フェライト構成元素の塩化物混合水
溶液を出発原料とし、これを酸化焙焼してフェライトを
製造する方法が、特公昭63−17776 号公報において提案
されている。この方法によれば、塩化物の蒸気圧が高く
組成ずれを起こしやすい亜鉛を除いて、鉄,マンガン,
ニッケルおよびマグネシウム等の元素を均一に混合する
ことが可能であり、均一性の高い原料酸化物を製造する
ことができる。
を出発原料としてソフトフェライト用原料酸化物を調整
する特公昭63−17776 号公報に開示されている方法は、
以下の反応式; MCl2 +H2 O +1/4O2 → 1/2M2 O3 +2HCl MCl2 +3/4O2 → 1/2M2 O3 +Cl2 (ここで、Mは鉄等の遷移金属元素を示す) に示すように、原料酸化物を得るための塩化物の熱分解
過程において、多量の有害な塩酸ガス,塩素ガスが発生
する。それ故に、耐腐食性の良好な耐火材にて炉を構築
する必要があり、しかも廃棄ガス中の有害ガスを吸収除
去し、無害のガスを廃棄する装置が必要であった。ま
た、この有害ガスが炉外に漏れた場合には、環境汚染の
原因ともなるので、常に装置の保守点検を行う必要もあ
った。
った有害ガス等を発生させることなく、原料の均一混合
性を果して特性の優れたソフトフェライトを製造するた
めのその原料酸化物の製造する有利な方法を提供するこ
とにあり、同時に、粉砕作業を緩和すると共に有害ガス
等の除去等に要するコストを低減することにより、ソフ
トフェライトを有利に製造するのに好適な酸化物製造技
術を確立することにある。
意研究した結果、本発明者らは、出発原料としてフェラ
イト構成成分の金属を用いることとし、高温において有
害なガスを発生しないようにする一方、原料の機械的な
混合,粉砕を排して、出発原料を溶融し噴霧することに
よって成分の均一混合性を図ることとし、これによっ
て、低コストで特性のより優れたソフトフェライト用原
料酸化物を製造する方法を確立した。
ル、酸化亜鉛および酸化マグネシウムのうちのいずれか
1種もしくは2種以上を含有し、残部が鉄である金属原
料を溶解し、その溶融金属原料を水またはガスにて噴霧
することにより粉末とし、次いで得られたその粉末を酸
化性雰囲気中で酸化処理することを特徴とするソフトフ
ェライト用原料酸化物の製造方法である。
物原料とせず、金属原料を用いることにあり、そして、
これらを溶融して混合することにある。第2に、この発
明の特徴は、粉化に当っては、噴霧方式を採用して、溶
融金属から直接に粉体を噴霧製造する方法を採用したこ
とにある。
ガスを発生させることなく、しかも成分の均一混合性を
一層向上させたソフトフェライト用原料酸化物を製造す
ることが可能となる。
MnZnフェライトを例として、以下に図1に従い説明
する。 .まず、所定の成分組成となるように金属鉄,金属マ
ンガンおよび酸化亜鉛を秤量し、高周波溶解炉にて溶解
しながら、好ましくは電磁攪拌等により均一混合して溶
融金属とする。 .次に、上記溶融金属をアトマイザーなどを使って、
噴霧し、所定の粒度の粉体を製造する。 .その後、得られる噴霧粉体を酸化性雰囲気にて加熱
仮焼して酸化物とし、ソフトフェライト用原料酸化物を
得る。 .さらにその後、上記原料酸化物に、必要となる添加
物を加え、引き続き、粉砕,造粒,成形および焼成工程
を経て、フェライトコア等の製品とする。
金属マンガンあるいは酸化亜鉛等の混合物を、溶解し均
一混合するとともに、この均一混合された溶融物を噴霧
して原料粉末を製造するので、均一性の高い原料酸化物
を得ることができる。
知の噴霧装置を使用することができる。この噴霧装置に
用いる媒体としては、空気,不活性ガス等の気体でもよ
いし、水等の液体でもよい。これは、通常の噴霧法によ
る金属粉末製造においては、金属の酸化防止を必要とす
るのに対し、本発明においては、最終製品が酸化物であ
るので、噴霧工程において噴霧原料が酸化されても問題
ないからである。
は、ソフトフェライトの主要構成元素である鉄の他、主
成分としてマンガン,ニッケルを含有させるか、その他
に亜鉛やマグネシウムを用いる。とくに、亜鉛やマグネ
シウムについては、ソフトフェライトを構成する他の主
要金属成分と違い、酸化物を使用しなければならない。
この理由は、表1に示すソフトフェライトの主要構成元
素の融点と沸点から明らかなように、亜鉛とマグネシウ
ムについては、融点,沸点が他の元素に比較して低いた
めに、1500℃以上の温度での溶解時に成分の蒸発が起こ
り、組成ずれが生じてしまうのに対し、酸化亜鉛や酸化
マグネシウムの場合は、融点,沸点が高いので原料溶解
時でも組成ずれが生じないからである。
ガン33.34kg と酸化亜鉛16.67kg とを加え、高周波溶解
炉内に装入して溶解し、その後、溶融物を水噴霧法にて
噴霧した。次いで、得られた水噴霧粉末を空気中で1000
℃の温度に加熱して酸化し、ソフトフェライト用原料酸
化物を得た。この実施例では、製造に当って塩酸ガス,
塩素ガス等の有害ガスの発生は全くなかった。
て、0.1 wt%のCaCO3 および0.015wt%のSiO2と均一に
混合し、乾燥後、バインダーとして5wt%のPVA を用い
て造粒し、その後、外径36mm,内径24mm,高さ10mmのト
ロイダル形状に成形した。この成形体を、1%の酸素を
含む窒素雰囲気中,1340℃にて焼成し、焼結フェライト
コアを製造した。このようにして製造した焼結コアの磁
気特性を、100kHz,200mT ,80℃でのコアロスを測定す
ることにより評価した。その結果、250mW/cm3 という良
好な磁気特性を示した。
ケル21.7kgと酸化亜鉛13.7kgとを加え、高周波溶解炉内
に装入して溶解し、その後、溶融物を水噴霧法にて噴霧
した。次いで、得られた水噴霧粉末を空気中で1000℃の
温度に加熱して酸化し、ソフトフェライト用原料酸化物
を得た。この実施例では、製造に当って塩酸ガス, 塩素
ガス等の有害ガスの発生は全くなかった。
て、0.01wt%のCaCO3 と0.03wt%のSiO2と均一に混合
し、乾燥後、バインダーとして0.5 wt%のPVA を用いて
造粒し、その後、外径36mm,内径24mm,高さ10mmのトロ
イダル形状に成形した。この成形体を、空気中,1220℃
にて焼成し、焼結フェライトコアを製造した。このよう
にして製造した焼結コアの磁気特性を、10MHz,1mOe, 2
2 ℃での初透磁率を測定することにより評価した。その
結果、100 という良好な磁気特性を示した。
ンガン2.3kg と酸化亜鉛21.2kgと酸化マグネシウム9.8k
g とを加え、高周波溶解炉内に装入して溶解し、その
後、溶融物を水噴霧法にて噴霧した。次いで、得られた
水噴霧粉末を空気中で1000℃の温度に加熱して酸化し、
ソフトフェライト用原料酸化物を得た。この実施例で
は、製造に当って塩酸ガス, 塩素ガス等の有害ガスの発
生は全くなかった。
て、 0.3wt%のCaCO3, 0.1wt%のSiO2および0.02wt%の
Al2O3 と均一に混合し、乾燥後、バインダーとして0.5
wt%のPVA を用いて造粒し、その後、外径36mm,内径24
mm, 高さ10mmのトロイダル形状に成形した。この成形体
を、空気中,1290℃にて焼成し、焼結フェライトコアを
製造した。このようにして製造した焼結コアの磁気特性
を、15.75kHz, 100mT, 80 ℃でのコアロスを測定するこ
とにより評価した。その結果、100mW/cm3 という良好な
磁気特性を示した。
を各々 52.4mol%, 35.6 mol%,12.0 mol%になるよう
に秤量し、ボールミルにて、純水を用いて湿式混合し
た。次いで、この混合粉を 950℃,3時間, 空気中で仮
焼し、ソフトフェライト用原料酸化物を得た。この比較
製造法では、塩酸ガス,塩素ガス等の有害ガスの発生は
なかった。
て、純水を用い、0.1 wt%のCaCO3 および 0.015wt%の
SiO2と均一に混合するとともに、所定の粒度に湿式粉砕
した。次いで、この混合物を乾燥後、バインダとして0.
5 wt%のPVA を用いて造粒し、その後、外径36mm,内径
24mm,高さ10mmのトロイダル形状に成形した。そして、
この成形体を、1%の酸素を含む窒素雰囲気中,1340℃
にて焼成し、焼結フェライトコアを製造した。このよう
にして製造した焼結コアの磁気特性を、100kHz, 200mT,
80 ℃でのコアロスを測定することにより評価した。そ
の結果、410mW/cm3 という磁気特性を示した。
含有する塩化鉄溶液に、金属マンガンを1l 当たり66.7
g のMnイオンを含有する濃度になるまで溶解させ塩化物
溶液を作製した。この塩化物溶液を840 ℃に保持した炉
の炉頂より噴霧し、炉底よりFe,Mn混合酸化物を回収
し、ソフトフェライト用原料酸化物を得た。このような
塩化物を噴霧焙焼する比較製造法では、多量の塩酸ガ
ス, 塩素ガス等の発生があり、有害ガス回収装置の運転
が必要であった。
と混合し、さらに、ボールミルにて、純水を用い、前記
混合物に対して 0.1wt%のCaCO3 および 0.015wt%のSi
O2と均一に混合し、乾燥後、バインダとして0.5 wt%の
PVA を用いて造粒し、その後、外径36mm,内径24mm,高
さ10mmのトロイダル形状に成形した。そして、この成形
体を、1%の酸素を含む窒素雰囲気中,1340℃にて焼成
し、焼結フェライトコアを製造した。このようにして製
造した焼結コアの磁気特性を、100kHz,200mT, 80 ℃で
のコアロスを測定することにより評価した。その結果、
390mW/cm3 という磁気特性を示した。
によれば、ソフトフェライト構成成分の金属元素を出発
原料とし、これを溶解し、噴霧法により粉末化するの
で、原料成分の均一混合性が向上し、有害な塩酸ガスや
塩素ガスの発生を伴わずに、磁気特性に優れたソフトフ
ェライト用原料酸化物の製造が可能となった。
スを示す図である。
を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 マンガン、ニッケル、酸化亜鉛および酸
化マグネシウムのうちのいずれか1種もしくは2種以上
を含有し、残部が鉄である金属原料を溶解し、その溶融
金属原料を水またはガスにて噴霧することにより粉末と
し、次いで得られたその粉末を酸化性雰囲気中で酸化処
理することを特徴とするソフトフェライト用原料酸化物
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3293061A JP2852151B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | ソフトフェライト用原料酸化物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3293061A JP2852151B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | ソフトフェライト用原料酸化物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05135933A true JPH05135933A (ja) | 1993-06-01 |
JP2852151B2 JP2852151B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=17789960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3293061A Expired - Lifetime JP2852151B2 (ja) | 1991-11-08 | 1991-11-08 | ソフトフェライト用原料酸化物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2852151B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
CN102976734A (zh) * | 2012-11-19 | 2013-03-20 | 宁波科星材料科技有限公司 | 一种镍锌系铁氧体 |
CN102976733A (zh) * | 2012-11-19 | 2013-03-20 | 宁波科星材料科技有限公司 | 一种镍锌系铁氧体制备方法 |
-
1991
- 1991-11-08 JP JP3293061A patent/JP2852151B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2852151B2 (ja) | 1999-01-27 |
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