JPH05134436A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにフアクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにフアクシミリ

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JPH05134436A
JPH05134436A JP3315238A JP31523891A JPH05134436A JP H05134436 A JPH05134436 A JP H05134436A JP 3315238 A JP3315238 A JP 3315238A JP 31523891 A JP31523891 A JP 31523891A JP H05134436 A JPH05134436 A JP H05134436A
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幸一 鈴木
Yoshirou Kashizaki
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Abstract

(57)【要約】 [目的]高感度特性と繰り返し使用における安定な電位
特性を有する電子写真感光体を提供することにある。 [構成]導電性支持体上に下記構造式を有するアゾ顔料
を含有することを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体該電子写
真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリに関
し、詳しくは特定の構造を有するアゾ顔料を含有する感
光層を有するる電子写真感光体と該電子写真感光体を備
えた電子写真装置並びにファクシミリに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛などの無機光導電体を感光成分として利用した電子写
真感光体が知られている。一方、特定の有機化合物が光
導電性を示すことが発見されてから、数多くの有機光導
電体が開発されてきた。例えばポリ−N−ビニルカルバ
ゾ−ル、ポリビニルアントラセンなどの有機光導電性ポ
リマ−、カルバゾ−ル、アントラセン、ピラゾリン類、
オキサジアゾ−ル類、ヒドラゾン類、アリ−ルアルカン
類などの低分子の有機光導電体やフタロシアニン顔料、
アゾ顔料、シアニン顔料、多環キノン顔料、ペリレン系
顔料、インジゴ染料、チオインジゴ染料あるいはスクエ
アリック酸メチン染料などの有機顔料や染料が知られて
いる。特に、光導電性を有する有機顔料や染料は無機材
料に比べて合成が容易で、しかも適当な波長域に光導電
性を示す化合物を選択できるバリエ−ションが拡大され
たことなどから、数多くの光導電性有機顔料や染料が提
案されている。例えば米国特許第4123270号明細
書、同第4247614号明細書、同第4251613
号明細書、同第4251614号明細書、同第4256
821号明細書、同第4260672号明細書、同第4
268596号明細書、同第4278747号明細書、
同第4293628号明細書などに開示されたように電
荷発生層と電荷輸送層に機能分離した感光層における電
荷発生物質として光導電性を示すアゾ顔料を用いた電子
写真感光体などが知られている。また、米国特許第42
79981号明細書、同第4352876号明細書、同
第4356243号明細書、同第4390611号明細
書、同第4418133号明細書、同第4436800
号明細書、同第4439506号明細書、同第4447
513号明細書、同第4471040号明細書、同第4
495264号明細書、同第4551404号明細書、
同第4571369号明細書、同第4582771号明
細書、同第4599287号明細書、同第460067
4号明細書などに開示されているアゾ顔料も感光層にお
ける電荷発生物質として知られている。
【0003】このような有機光導電体を用いた電子写真
感光体はバインダ−を適当に選択することによって塗工
で生産できるため、極めて生産性が高く、安価な感光体
を提供でき、しかも有機顔料の選択によって感光波長域
を自在にコントロ−ルできる利点を有しているため、近
年急速に実用化を図っている。しかしながら、このよう
な従来の電子写真感光体は感度や繰り返し使用時の電位
安定性の面で十分なものとはいえず、実用化されている
のは極く僅かな材料のみである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は新規な
光導電性材料を提供すること、実用的な高感度特性と繰
返し使用における安定な電位特性を有する電子写真感光
体を提供すること、該電子写真感光体を備えた電子写真
装置並びにファクシミリを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上
に下記一般式(1)で示す有機殘基が、結合基をかいし
て結合してもよい、置換基を有してもよい芳香族炭化水
素環または芳香族複素環と結合した構造を有するアゾ顔
料を含有する感光層を有することを特徴とする電子写真
感光体から構成される。 一般式(1)
【化4】 式中、X1はベンゼン環と縮合して、置換基を有しても
よい芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するの
に必要な殘基を示し、R1およびR2は同一または異なっ
て、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アラ
ルキル基、アリ−ル基、複素とR1とR2の結合する窒素
原子を環内に含む環状アミノ基を示し、Zは酸素原子ま
たは硫黄原子を示す。
【0006】前記一般式(1)で示す有機殘基のさらに
具体的な例としては、下記式で示す例が挙げられる。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】 上記式中、R1、R2およびZは前記一般式(1)におけ
ると同義、R4は前記一般式(1)におけるX1における
置換基を示す。
【0007】前記一般式(1)で示す有機殘基について
具体的に説明すると、式中、X1はベンゼン環と縮合し
て、置換基を有してもよいナフタレン環、アントラセン
環、カルバゾ−ル環、ベンゾカルバゾ−ル環、ジベンゾ
フラン環、ベンゾナフトフラン環、フルオレン環などの
芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するのに必
要な殘基であり、R4で示す置換基としてはメチル、エ
チルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシなどのアル
コキシ基、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハ
ロゲン原子、トリフルオロメチルなどのハロメチル基、
ニトロ基、シアノ基などが挙げられる。
【0008】R1およびR2は水素原子、置換基を有して
もよいメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキ
ル基、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどのア
ラルキル基、フェニル、ジフェニル、ナフチル、アンス
リルなどのアリ−ル基、ピリジン、チエニル、フリル、
チアゾリル、カルバゾリル、ジベンゾフリル、ベンゾイ
ミダゾリル、ベンゾチアゾリルなどの複素環基ないしは
1とR2の結合する窒素原子を環内に含む環状アミノ基
であり、上記アルキル基の有する置換基としてはフッ素
原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、ニト
ロ基、シアノ基などが挙げられ、アラルキル基、アリ−
ル基、複素環基の有する置換基としてはメチル、エチ
ル、プロピルなどのアルキル基、メトキシ、エトキシな
どのアルコキシ基、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子
などのハロゲン原子、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
などのアルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、ニ
トロ基、シアノ基、トリフルオロメチルなどのハロメチ
ル基などが挙げられる。
【0009】窒素原子を環内に含む環状アミノ基として
はピロ−ル、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、イン
ドリン、イソインド−ル、カルバゾ−ル、ベンゾインド
−ル、イミダゾ−ル、ピラゾ−ル、ピラゾリン、オキサ
ジン、フェノキサジン、ベンゾカルバゾ−ルなどから誘
導される環状アミノ基が挙げられ、その置換基としては
メチル、エチル、プロピルなどのアルキル基、メトキ
シ、エトキシなどのアルコキシ基、フッ素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、トリフルオロメチルなどのハロメチル基などが挙げ
られる。
【0010】また、R1およびR2のいずれか一方は水素
原子であることが好ましく、R1が水素原子である場
合、R2は置換基を有してもよいアルキル基、アラルキ
ル基またはアリ−ル基が好ましく、中でも置換基を有し
てもよいアリ−ル基、特に、置換基を有してもよいフェ
ニル基の場合が感度および耐久特性の面でもっとも好ま
しい。
【0011】Zは酸素原子または硫黄原子を示す。
【0012】前記一般式(1)で示す有機殘基が結合す
る、結合基をかいして結合してもよい、置換基を有して
もよい芳香族炭化水素環または芳香族複素環としてはベ
ンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナンスレン、ア
ントラセン、ピレン、フラン、チオフェン、ピリジン、
インド−ル、ベンゾチアゾ−ル、カルバゾ−ル、アクリ
ドン、ジベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾ−ル、ベン
ゾトリアゾ−ル、オキサジアゾ−ル、チアゾ−ルなどが
挙げられ、さらに、上記芳香環を直接あるいは芳香族性
基または非芳香族性基で結合したものとしては、トリフ
ェニルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルジフェニ
ルアミン、ビフェニル、タ−フェニル、ビナフチル、フ
ルオレノン、フェナンスレンキノン、アンスラキノン、
ベンズアントロン、ジフェニルオキサジアゾ−ル、フェ
ニルベンゾオキサゾ−ル、ジフェニルメタン、ジフェニ
ルスルホン、ジフェニルエ−テル、ベンゾフェノン、ス
チルベン、ジスチリルベンゼン、テトラフェニル−p−
フェニレンジアミン、テトラフェニルベンジジンなどが
挙げられる。上記結合基をかいして結合してもよい芳香
族炭化水素環または芳香族複素環の有してもよい置換基
としてはメチル、エチル、プロピルなどのアルキル基、
メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、フッ素原子、
臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノなどのジアルキルアミノ基、ヒド
ロキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロメチル基および一
般式(4) −N=N−Cp (式中のCpはフェノ−ル性OH基を有するカップラ−
残基を示す)である置換アゾ基が挙げられる。
【0013】前記一般式(4)おいてCpで示すカップ
ラ−殘基としては以下に記載する構造を有するものが挙
げられる。 一般式(5)
【化11】 一般式(6)
【化12】 一般式(7)
【化13】 一般式(8
【化14】 一般式(9)
【化15】 一般式(10)
【化16】 一般式(11)
【化17】 一般式(12)
【化18】 一般式(13)
【化19】 一般式(14)
【化20】 18一般式(15)
【化21】 一般式(16)
【化22】 一般式(17)
【化23】
【0014】上記式中、X2およびX3はベンゼン環と縮
合して、置換基を有してもよいナフタレン環、アントラ
セン環、カルバゾ−ル環、ベンゾカルバゾ−ル環、ジベ
ンゾフラン環、ベンゾナフトフラン環、フルオレン環な
どの芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するの
に必要な殘基を示す。
【0015】R5およびR6は同一または異なって、水素
原子、置換基を有してもよいアルキル基、アラルキル
基、アリ−ル基、複素環基あるいはR5とR6の結合する
窒素原子を環内に含む環状アミノ基を示し、R7および
8は同一または異なって、水素原子、置換基を有して
もよいアルキル基、アラルキル基、アリ−ル基あるいは
複素環基を示し、R9は置換基を有してもよいアルキル
基、アラルキル基、アリ−ル基あるいは複素環基を示
す。
【0016】Y1は置換基を有してもよい2価の炭化水
素基あるいは複素環基を示し、Y1を含む
【化24】 としては、
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】 などが挙げられ、Y2は置換基を有してもよい2価の芳
香族炭化水素基を示し、o−フェニレン、o−ナフチレ
ン、1,2−アンスリレン、9,10−フェナンスリレ
ンなどの基が挙げられ、Y3は置換基を有してもよい2
価の芳香族炭化水素基あるいは窒素原子を環内に含む2
価の複素環基を示し、o−フェニレン、o−ナフチレ
ン、1,2−アンスリレン、9,10−フェナンスリレ
ン、3,4−ピラゾ−ルジイル、2,3−ピリジンジイ
ル、4,5−ピリミジンジイル、6,7−インダゾ−ル
ジイル、5,6−ベンズイミダゾ−ルジイル、6,7−
キノリンジイルなどの基が挙げられる。
【0017】Bは酸素原子、硫黄原子、N−置換または
無置換のイミノ基(N−の置換基としては置換基を有し
てもよいアルキル基、アラルキル基、アリ−ル基が挙げ
られる、)を示す。
【0018】上記表現のアルキル基としてはメチル、エ
チル、プロピル、ブチルなどの基が挙げられ、アラルキ
ル基としてはベンジル、フェネチル、ナフチルメチルな
どの基が挙げられ、アリ−ル基としてはフェニル、ジフ
ェニル、ナフチル、アンスリルなどの基が挙げられ、複
素環基としてはピリジル、チエニル、フリル、チアゾリ
ル、カルバゾリル、ジベンゾフリル、ベンゾイミダゾリ
ル、ベンゾチアゾリルなどの基が挙げられ、窒素原子を
環内に含む環状アミノ基としてはピロ−ル、ピロリン、
ピロリジン、ピロリドン、インド−ル、インドリン、イ
ソインド−ル、カルバゾ−ル、ベンゾインド−ル、イミ
ダゾ−ル、ピラゾ−ル、ピラゾリン、オキサジン、フェ
ノキサジン、ベンゾカルバゾ−ルなどの基が挙げられ、
また、置換基としてはメチル、エチル、プロピルなどの
アルキル基、メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハ
ロゲン原子、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのア
ルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、ニトロ基、
シアノ基、トリフルオロメチルなどのハロメチル基が挙
げられる。
【0019】以下に本発明に用いたアゾ顔料の代表例を
表1〜28に挙げる。掲記のために基本型1として下記
アゾ顔料型をnの数で分類し、一般式(1)で示す有機
残基に相当する部分中−N=N−を除く部分をAで表現
する。基本型2として下記アゾ顔料型において一般式
(1)で示す有機残基に相当する部分中−N=N−を除
く部分をA1、一般式(4)で示す有機残基に相当する
部分中Cpに相当する部分をA2で表現する。基本型1
【化31】 (式中、Arは結合基をかいして結合してもよい、置換
基を有してもよい芳香族炭化水素環または芳香族複素環
を示し、nは1、2、3または4の整数を示し、R1
2、X1、Zは前記と同義) 基本型2
【化32】 (式中、Ar、R1、R2、X1、Z、Cpは前記と同
義)
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】 16
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【0020】本発明で用いるアゾ顔料は、下記一般式
(18)
【化33】 (式中、X1、R1、R2、Zは前記一般式(1)におけ
ると同義)で示すカップラ−成分とジアゾニウム塩構造
を有する化合物とをカップリング反応に付することによ
り合成できる。
【0021】前記カップラ−成分は、下記一般式(1
9)
【化34】 (式中、X1は前記と同義)で示すカルボン酸化合物と
下記一般式(20) (式中、R1およびR2は前記と同義)で示すアミン化合
物とをベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼンなど芳香族系溶剤中、三塩化
リンの存在下、80〜200℃で加熱縮合するか、また
は、下記一般式(21)
【化35】 (式中、X1は前記と同義)で示す酸クロライド化合物
と前記アミン化合物とを芳香族系溶剤中で加熱すること
により合成できる。
【0022】前記カップラ−成分を用いて、一般式(2
2) Ar−(NH2n (式中、Ar、nは前記と同義)で示すアミノ化合物を
常法によりジアゾ化し、アルカリ存在下で水系カップリ
ングさせるか、または前記アミノ化合物(一般式(2
2))のジアゾニウム塩をホウフッ化塩あるいは塩化亜
鉛複塩などの塩の形で一旦単離して得た塩と、適当な溶
剤、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機
溶剤中、酢酸ソ−ダ、ピリジン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミンなどの塩基の存在下で有機溶剤系カップ
リングさせることにより所期のアゾ顔料を製造すること
ができる。
【0023】また、本発明で用いるアゾ顔料は、同一分
子内に一般式(1)で示す有機殘基を1個以上有すれば
よく、下記一般式(23)で示すアミノ化合物 (式中、Arは前記と同義)を常法によりジアゾ化し、
生成したジアゾニウム塩を前記一般式(18)で示すカ
ップラ−成分とアルカリ存在下でカップリング後、例え
ば塩酸などの鉱酸類により加水分解し、下記一般式(2
4)に相当する反応生成物
【化36】 (式中、Ar、R1、R2、X1、Zは前記と同義)を
得、この生成物を再度常法によりジアゾ化後、別のフェ
ノ−ル性OH基を有するカップラ−成分と逐次カップリ
ング反応させて合成してもよく、また、一方、常法によ
り得た前記一般式(22)で示すアミノ化合物のジアゾ
ニウム塩を、前記一般式(18)で示すカップラ−成分
を少なくとも1種含む混合カップラ−溶液中に添加し、
アルカリ存在下でカップリング反応させて合成してもよ
く、また、前記一般式(18)で示す1種のカップラ−
成分とアルカリ存在下で一次カップリング後、別種のカ
ップラ−成分のアルカリ存在溶液を順次添加してゆき、
カップリング反応を完結させてゆく方法でも合成でき
る。
【0024】合成例(顔料例2−1) 300ミリリットルビ−カ−に水150ミリリットル、
濃塩酸20ミリリットル(0.23モル)と下記アミノ
化合物
【化37】 5.9g(0.032モル)を入れて、0℃まで冷却
し、亜硝酸ソ−ダ4.6g(0.067モル)を水10
ミリリットルに溶かした液を液温5℃に保ちながら10
分間で滴下した。15分間撹拌した後、カ−ボンろ過
し、この溶液の中へホウフッ化ソ−ダ10.5g(0.
096モル)を水90ミリリットルに溶かした液を撹拌
下滴下し、析出したホウフッ化塩をろ取し、冷水で洗浄
した後アセトニトリルで洗浄し、室温で減圧乾燥した。
収量9.5g、収率78%
【0025】次に1リットルビ−カ−にDMF500ミ
リリットルを入れ、下記カップラ−成分
【化38】 11.1g(0.042モル)を溶解し液温を5℃に冷
却した後、先に得たホウフッ化塩7.6g(0.020
モル)を溶解し、次いでトリエチルアミン5.1g
(0.050モル)を5分間で滴下した。2時間撹拌し
た後、析出した顔料をろ取し、DMFで4回、水で3回
洗浄した後、凍結乾燥した。収量12.3g、収率84
【0026】
【0027】本発明の電子写真感光体は、導電性支持体
上に前記特定構造を有するアゾ顔料を含有する感光層を
有する。感光層の形態は公知のいかなる形態をとってい
てもかまわないが、前記アゾ顔料を含有する感光層を電
荷発生層とし、これに電荷輸送物質を含有する電荷輸送
層を積層した機能分離型の感光層が特に好ましい。
【0028】電荷発生層は、前記アゾ顔料を適当な溶剤
中でバインダ−樹脂と共に分散した塗布液を、導電性支
持体上に公知の方法によって塗布することによって形成
することができ、その膜厚は例えば5μm以下、好まし
くは0.1〜1μmの薄膜層とすることが望ましい。こ
の際用いられるバインダー樹脂は、広範な絶縁性樹脂あ
るいは有機光導電性ポリマ−から選択されるが、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルベンザ−ル、ポリアリレー
ト、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹
脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタンな
どが好ましく、その使用量は電荷発生層中の含有率で8
0重量%以下、好ましくは40重量%以下である。また
使用する溶剤は前記の樹脂を溶解し、後述の電荷輸送層
や下引層を溶解しないものから選択することが好まし
い。具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サンなどのエ−テル類、シクロヘキサノン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ドなどのアミド類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエス
テル類、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳
香族類、メタノール、エタノール、2−プロパノールな
どのアルコール類、クロロホルム、塩化メチレン、ジク
ロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレンなどの
脂肪族ハロゲン化炭化水素類など挙げられる。
【0029】電荷輸送層は電荷発生層の上または下に積
層され、電界の存在下電荷発生層から電荷キャリアを受
取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は
電荷輸送物質を必要に応じて適当なバインダ−樹脂と共
に溶剤中に溶解し塗布することによって形成され、その
膜厚は一般的には5〜40μmであるが15〜30μm
が好ましい。電荷輸送物質は電子輸送性物質と正孔輸送
性物質があり、電子輸送性物質としては、例えば2,
4,7ートリニトロフルオレノン、2,4,5,7ーテ
トラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノキ
ノジメタンなどの電子吸引性物質やこれら電子吸引性物
質を高分子化したものなどが挙げられ、正孔輸送性物質
としてはピレン、アントラセンなどの多環芳香族化合
物、カルバゾール系、インド−ル系、イミダゾ−ル系、
オキサゾ−ル系、チアゾ−ル系、オキサジアゾ−ル系、
ピラゾ−ル系、ピラゾリン系、チアジアゾ−ル系、トリ
アゾ−ル系化合物などの複素環化合物、pージエチルア
ミノベンズアルデヒドーN,Nージフェニルヒドラゾ
ン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−
9−エチルカルバゾ−ルなどのヒドラゾン系化合物、α
−フェニル−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベ
ン、5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデ
ン]−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンなどの
スチリル系化合物、ベンジジン系化合物、トリアリ−ル
メタン系化合物、トリフェニルアミンあるいは、これら
の化合物から成る基を主鎖または側鎖に有するポリマ−
(例えばポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルア
ントラセンなど)が挙げられる。これらの有機電荷輸送
物質の他にセレン、セレンーテルル、アモルファスシリ
コン、硫化カドミウムなどの無機材料も用いることがで
きる。また、これらの電荷輸送物質は1種または2種以
上組合せて用いることができる。電荷輸送物質が成膜性
を有していないときには適当なバインダーを用いること
ができる。具体的には、アクリル樹脂、ポリアリレー
ト、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、
アクリロニトリルースチレンコポリマー、ポリアクリル
アミド、ポリアミド、塩素化ゴムなどの絶縁性樹脂ある
いはポリーNービニルカルバゾール、ポリビニルアント
ラセンなどの有機光導電性ポリマーなどが挙げられる。
【0030】感光層が形成される導電性支持体として
は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜
鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チ
タン、ニッケル、インジウム、金や白金などが用いられ
る。またこうした金属あるいは合金を、真空蒸着法によ
って被膜形成したプラスチック(例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート、アクリル樹脂など)や導電性粒子(例えばカ
ーボンブラック、銀粒子など)を適当なバインダー樹脂
と共にプラスチックまたは金属基板上に被覆した支持体
あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した支持
体などを用いることができる。導電性支持体と感光層の
中間にバリヤー機能と接着機能をもつ下引き層を設ける
こともできる。下引き層はカゼイン、ポリビニルアルコ
ール、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコ
キシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、酸化アル
ミニウムなどによって形成できる。下引き層の膜厚は5
μm以下、好ましくは0.1〜3μmが適当である。
【0031】本発明の別の具体例として、前述のアゾ顔
料と電荷輸送物質を同一層に含有させた電子写真感光体
を挙げることができる。この際電荷輸送物質としてポリ
ーNービニルカルバゾールとトリニトロフルオレノンか
らなる電荷移動錯体を用いることもできる。この例の電
子写真感光体は、前記アゾ顔料と電荷移動錯体を適当な
樹脂溶液中に分散させた液を塗布乾燥して形成すること
ができる。いずれの電子写真感光体においても、前記ア
ゾ顔料の結晶形は非晶質であっても結晶質であってもよ
く、また必要に応じて前記アゾ顔料を2種類以上組み合
せたり、公知の電荷発生物質と組み合せて使用すること
も可能である。
【0032】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用する他、デジタル用電子写真複写機、レーザービ
−ムプリンター、CRTプリンター、LEDプリンタ
ー、液晶プリンター、レーザー製版、ファクシミリなど
の近赤外光線を用いたデジタル記録システムの多数の電
子写真応用分野にも広く利用することができる。
【0033】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置から構成される。
【0034】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置およびリモ−ト端末からの画像
情報を受信する手段を有するファクシミリから構成され
る。
【0035】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置並びにファクシミリについて説明する。図1
に本発明のドラム型感光体を用いた一般的な転写式電子
写真装置の概略構成を示した。図において、1は像担持
体としてのドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方
向に所定の周速度で回転駆動される。該感光体1はその
回転過程で帯電手段2によりその周面に正または負の所
定電位の均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の
像露光手段により光像露光L(スリット露光・レ−ザ−
ビ−ム走査露光など)を受ける。これにより感光体周面
に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。そ
の静電潜像は、次いで現像手段4でトナ−現像され、そ
のトナ−現像像が転写手段5により不図示の給紙部から
感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取
りされて給送された転写材Pの面に順次転写されてい
く。像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離されて
像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピ
−)として機外へプリントアウトされる。像転写後の感
光体1の表面はクリ−ニング手段6にて転写残りトナ−
の除去を受けて清浄面化され、前露光手段7により除電
処理がされて繰り返して像形成に使用される。感光体1
の均一帯電手段2としてはコロナ帯電装置が一般に広く
使用されている。また、転写装置5もコロナ転写手段が
一般に広く使用されている。電子写真装置として、上述
の感光体や現像手段、クリ−ニング手段などの構成要素
のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合し
て構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に
構成しても良い。例えば、感光体1とクリ−ニング手段
6とを一体化してひとつの装置ユニットとし、装置本体
のレ−ルなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にして
もよい。このとき上記の装置ユニットのほうに帯電手段
および/または現像手段を伴って構成してもよい。ま
た、光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンタ−
として使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を
用いる、あるいは、原稿を読み取り信号化し、この信号
に従ってレ−ザ−ビ−ムの走査、発光ダイオ−ドアレイ
の駆動、または液晶シャッタ−アレイの駆動などを行う
ことにより行われる。また、ファクシミリのプリンタ−
として使用する場合には、光像露光Lは受信デ−タをプ
リントするための露光になる。
【0036】図2は、この場合の1例をブロック図で示
したものである。コントロ−ラ10は画像読取部9とプ
リンタ−18を制御する。コントロ−ラ10の全体はC
PU16により制御されている。画像読取部からの読取
りデ−タは、送信回路12を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデ−タは受信回路11を通してプ
リンタ−18に送られる。画像メモリには所定の画像デ
−タが記憶される。プリンタコントロ−ラ17はプリン
タ−18を制御している。13は電話である。回線14
から受信された画像(回線を介して接続されたリモ−ト
端末からの画像情報)は、受信回路11で復調された
後、CPU16は画像情報の信号処理を行い順次画像メ
モリ15に格納される。そして、少なくとも1ペ−ジの
画像がメモリ15に格納されると、そのペ−ジの画像記
憶を行う。CPU16は、メモリ15より1ペ−ジの画
像情報を読み出しプリンタコントロ−ラ17に信号化さ
れた1ペ−ジの画像情報を送出する。プリンタコントロ
−ラ17は、CPU16からの1ペ−ジの画像情報を受
け取るとそのペ−ジの画像情報記録を行うべく、プリン
タ−18を制御する。なお、CPU16は、プリンタ−
18による記録中に、次のペ−ジの受信を行っている。
以上のように、画像の受信と記録が行われる。
【0037】
【実施例】
実施例1〜41 アルミ支持体上にメトキシメチル化ナイロン(重量平均
分子量3万2千)5gとアルコ−ル可溶性共重合ナイロ
ン(重量平均分子量2万9千)10gをメタノ−ル95
gに溶解した液をマイヤ−バ−で塗布し、乾燥後の膜厚
が1μmの下引き層を形成した。次に、顔料例2−1を
5gをシクロヘキサノン95gにポリビニルベンザ−ル
(ベンザ−ル化度75%以上)を2gを溶かした液に加
え、サンドミルで20時間分散した。この分散液を先に
形成した下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.2μmとな
るようにマイヤ−バ−で塗布し乾燥して電荷発生層を形
成した。
【0038】次に、下記構造式で示すスチリル化合物
【化39】 5gとポリメチルメタクリレ−ト(重量平均分子量10
万)5gをクロロベンゼン40gに溶解し、これを電荷
発生層の上に乾燥後の膜厚が20μmとなるようにマイ
ヤ−バ−で塗布し、乾燥して電荷輸送層を形成し、実施
例1の電子写真感光体を作成した。
【0039】顔料例2−1に代えて他の顔料例の顔料を
用い、実施例2〜41に対応する電子写真感光体を全く
同様にして作成した。
【0040】作成した電子写真感光体を川口電機(株)
製、静電複写紙試験装置ModelSP−428を用い
て−5KVのコロナ放電で負に帯電し、暗所で1秒間保
持した後、ハロゲンランプを用い照度10ルックスで露
光し、帯電特性を評価した。帯電特性としては、表面電
位(V0)と暗所放置後の表面電位が1/2に減衰する
に必要な露光量(E1/2)を測定した。結果を示す。 実施例1 顔料例2−1 V0:−700V、E1/2:3.0
ルックス・秒 実施例2 顔料例1−4 V0:−700V、E1/2:2.8
ルックス・秒 実施例3 顔料例1−5 V0:−680V、E1/2:4.5
ルックス・秒 実施例4 顔料例2−4 V0:−690V、E1/2:3.8
ルックス・秒 実施例5 顔料例2−7 V0:−700V、E1/2:2.2
ルックス・秒 実施例6 顔料例2−9 V0:−690V、E1/2:3.8
ルックス・秒 実施例7 顔料例2−13 V0:−710V、E1/2:2.0
ルックス・秒 実施例8 顔料例2−14 V0:−710V、E1/2:4.1
ルックス・秒 実施例9 顔料例2−17 V0:−710V、E1/2:2.4
ルックス・秒 実施例10 顔料例2−20 V0:−700V、E1/2:3.4
ルックス・秒 実施例11 顔料例2−22 V0:−690V、E1/2:3.2
ルックス・秒 実施例12 顔料例2−25 V0:−710V、E1/2:4.8
ルックス・秒 実施例13 顔料例2−27 V0:−700V、E1/2:1.9
ルックス・秒 実施例14 顔料例2−30 V0:−720V、E1/2:2.2
ルックス・秒 実施例15 顔料例2−32 V0:−730V、E1/2:3.1
ルックス・秒 実施例16 顔料例2−34 V0:−700V、E1/2:3.5
ルックス・秒 実施例17 顔料例2−40 V0:−710V、E1/2:2.2
ルックス・秒 実施例18 顔料例2−42 V0:−710V、E1/2:4.2
ルックス・秒 実施例19 顔料例2−43 V0:−720V、E1/2:2.7
ルックス・秒 実施例20 顔料例2−45 V0:−700V、E1/2:3.5
ルックス・秒 実施例21 顔料例2−47 V0:−700V、E1/2:2.9
ルックス・秒 実施例22 顔料例2−48 V0:−700V、E1/2:3.8
ルックス・秒 実施例23 顔料例2−50 V0:−710V、E1/2:1.9
ルックス・秒 実施例24 顔料例2−53 V0:−710V、E1/2:1.7
ルックス・秒 実施例25 顔料例2−56 V0:−700V、E1/2:4.1
ルックス・秒 実施例26 顔料例2−58 V0:−710V、E1/2:3.3
ルックス・秒 実施例27 顔料例2−60 V0:−700V、E1/2:1.9
ルックス・秒 実施例28 顔料例2−63 V0:−670V、E1/2:3.2
ルックス・秒 実施例29 顔料例2−65 V0:−710V、E1/2:3.6
ルックス・秒 実施例30 顔料例2−68 V0:−710V、E1/2:3.1
ルックス・秒 実施例31 顔料例2−70 V0:−690V、E1/2:3.7
ルックス・秒 実施例32 顔料例2−73 V0:−700V、E1/2:2.3
ルックス・秒 実施例33 顔料例2−76 V0:−700V、E1/2:3.3
ルックス・秒 実施例34 顔料例2−80 V0:−690V、E1/2:3.9
ルックス・秒 実施例35 顔料例2−83 V0:−700V、E1/2:2.5
ルックス・秒 実施例36 顔料例2−87 V0:−690V、E1/2:2.0
ルックス・秒 実施例37 顔料例2−89 V0:−710V、E1/2:3.6
ルックス・秒 実施例38 顔料例3−1 V0:−700V、E1/2:3.6
ルックス・秒 実施例39 顔料例3−3 V0:−690V、E1/2:2.6
ルックス・秒 実施例40 顔料例3−7 V0:−710V、E1/2:4.3
ルックス・秒 実施例41 顔料例4−2 V0:−720V、E1/2:3.8
ルックス・秒
【0041】比較例1〜4 上記実施例で用いた顔料を下記構造式で示す比較顔料1
〜4に代えた他は該実施例と全く同様にして電子写真感
光体を作成し、同様に帯電特性を評価した。 比較顔料1
【化40】 比較顔料2
【化41】 比較顔料3
【化42】 比較顔料4
【化43】 比較例1(実施例5に対応) 比較顔料1 V0:−680V、E1/2:4.2ルッ
クス・秒 比較例2(実施例14に対応) 比較顔料2 V0:−710V、E1/2:4.8ルッ
クス・秒 比較例3(実施例21に対応) 比較顔料3 V0:−720V、E1/2:6.9ルッ
クス・秒 比較例4(実施例27に対応) 比較顔料4 V0:−710V、E1/2:3.7ルッ
クス・秒 この結果から、本発明の電子写真感光体は十分な帯電能
と優れた感度を有することが分かる。
【0042】実施例42〜46 実施例5で作成した電子写真感光体を−6.5KVのコ
ロナ帯電器、露光光学系、現像器、転写帯電器、除電露
光光学系およびクリ−ナ−を備えた電子写真複写機のシ
リンダ−に貼り付けた。初期の暗部電位VDと明部電位
Lをそれぞれ−700V、−200V付近に設定し、
5千回繰り返し使用した際の暗部電位の変動量(Δ
D)と明部電位の変動量(ΔVL)を測定した。実施例
14、23、27および38で作成した電子写真感光体
についても同様にして評価した。
【0043】電位の変動量における負記号は電位の絶対
値の低下を表わし、正記号は電位の絶対値の増加を表わ
す。 実施例42(実施例5で作成した電子写真感光体を対
象) ΔVD:0V、ΔVL:+15V 実施例43(実施例14で作成した電子写真感光体を対
象) ΔVD:−10V、ΔVL:+10V 実施例44(実施例23で作成した電子写真感光体を対
象) ΔVD:−15V、ΔVL:0V 実施例45(実施例27で作成した電子写真感光体を対
象) ΔVD:0V、ΔVL:+5V 実施例46(実施例38で作成した電子写真感光体を対
象) ΔVD:−10V、ΔVL:+5V
【0044】比較例5および6 比較例1および4で作成した電子写真感光体を対象とし
て実施例42と同様の方法で繰り返し使用したときの電
位変動量を測定した。 比較例5(比較例1で作成した電子写真感光体を対象、
実施例42に対応) ΔVD:−25V、ΔVL:+30V 比較例6(比較例4で作成した電子写真感光体を対象、
実施例45に対応) ΔVD:−10V、ΔVL:+45V
【0045】実施例47 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのアル
ミ面上に膜厚0.5μmのポリビニルアルコ−ルの下引
き層を形成した。この上に顔料例2−37の顔料5gを
シクロヘキサノン95gにブチラ−ル樹脂(ブチラ−ル
化度63モル%)2gを溶かした液に加え、分散調製し
た分散液を下引き層上に塗布乾燥して、膜厚0.2μm
の電荷発生層を形成した。
【0046】次いで下記構造式のヒドラゾン化合物
【化44】 5gとポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量5万5千)5
gをテトラヒドロフラン40gに溶かした液を電荷発生
層の上に塗布乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形
成した。作成した電子写真感光体について帯電特性と耐
久特性を実施例1と実施例42と同じ方法によって測定
した。結果を示す。 V0:−710V、E1/2:3.1ルックス・秒 ΔVD:−5V、ΔVL:+5V
【0047】実施例48 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのアル
ミ面上に膜厚0.5μmのポリビニルアルコ−ルの下引
き層を形成した。この上に顔料例2−53の顔料5gを
テトラヒドロフラン95gにポリ−p−フルオロビニル
ベンザ−ル(ベンザ−ル過度75%以上)2gを溶かし
た液に加え、分散調製した分散液を下引き層上に塗布乾
燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0048】次いで下記構造式のトリアリ−ルアミン系
化合物
【化45】 5gとポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量5万5千)5
gをクロロベンゼン40gに溶かした液を電荷発生層の
上に塗布乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し
た。作成した電子写真感光体について帯電特性と耐久特
性を実施例1と実施例42と同じ方法によって測定し
た。結果を示す。 V0:−700V、E1/2:1.7ルックス・秒 ΔVD:−5V、ΔVL:+10V
【0049】実施例49 実施例17で作成した電子写真感光体の電荷発生層と電
荷輸送層を逆の順番で塗布した電子写真感光体を作成し
実施例1と同じ方法で帯電特性を評価した。ただし、帯
電は正帯電とした。 V0:+700V、E1/2:3.4ルックス・秒。
【0050】実施例50 実施例48で作成した電荷発生層上に2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン5gとポリ−4,4’−ジオ
キシジフェニル−2,2−プロパンカ−ボネ−ト(分子
量30万)5gをテトラヒドロフラン50gに溶解した
液をマイヤ−バ−で塗布し、乾燥後の膜厚が18μmの
電荷輸送層を形成した。作成した電子写真感光体につい
て実施例1と同じ方法で帯電特性を評価した。ただし、
帯電は正帯電とした。 V0:+710V、E1/2:2.6ルックス・秒
【0051】実施例51 顔料例2−68の顔料0.5gをシクロヘキサノン9.
5gと共にペイントシェイカ−で5時間分散した。ここ
へ実施例1で用いたと同じ電荷輸送材料5gとポリカ−
ボネ−ト5gをテトラヒドロフラン40gに溶解した液
を加え、さらに1時間しんとうした。こうして調製した
塗布液をアルミ支持体上にマイヤ−バ−で塗布乾燥して
膜厚が20μmの感光層を形成した。こうして作成した
電子写真感光体を実施例1と同様の方法で帯電特性を評
価した。帯電は正帯電とした。 V0:+700V、E1/2:3.3ルックス・秒
【0052】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、感光層に特
定構造のアゾ顔料を用いたことにより、感光層内部に置
ける電荷キャリアの発生効率ないしは注入効率のいずれ
か一方あるいは双方が改善され、感度や繰り返し使用時
の電位安定性に優れた特性が得られるという顕著な効果
を奏し、また、該電子写真感光体を備えた電子写真装置
並びにファクシミリにおいても同様の顕著な効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な転写式電子写真装置の概略構成図であ
る。
【図2】電子写真装置をプリンタ−として使用したファ
クシミリのブロック図である。
【符号の説明】
1 像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電子
写真感光体) 2 コロナ帯電装置 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリ−ニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 像転写を受けた転写材 9 画像読取部 10 コントロ−ラ− 11 受信回路 12 送信回路 13 電話 14 回線 15 画像メモリ 16 CPU 17 プリンタコントロ−ラ 18 プリンタ−

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に下記一般式(1)で示
    す有機殘基が、結合基をかいして結合してもよい、置換
    基を有してもよい芳香族炭化水素環または芳香族複素環
    と結合した構造を有するアゾ顔料を含有する感光層を有
    することを特徴とする電子写真感光体。 一般式(1) 【化1】 式中、X1はベンゼン環と縮合して、置換基を有しても
    よい芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するの
    に必要な殘基を示し、R1およびR2は同一または異なっ
    て、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アラ
    ルキル基、アリ−ル基、複素環基ないしはR1とR2の結
    合する窒素原子を環内に含む環状アミノ基を示し、Zは
    酸素原子または硫黄原子を示す。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で示す有機殘基が下記
    一般式(2)で示す有機殘基である請求項1記載の電子
    写真感光体。 一般式(2) 【化2】 式中、X1はベンゼン環と縮合して、置換基を有しても
    よい芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するの
    に必要な殘基を示し、R3は置換基を有してもよいアル
    キル基、アラルキル基またはアリ−ル基を示し、Zは酸
    素原子または硫黄原子を示す。
  3. 【請求項3】 アゾ顔料が下記一般式(3)で示すアゾ
    顔料である請求項1記載の電子写真感光体。 一般式(3) 【化3】 式中、X1はベンゼン環と縮合して、置換基を有しても
    よい芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するの
    に必要な殘基を示し、R1およびR2は同一または異なっ
    て、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アラ
    ルキル基、アリ−ル基、複素環基ないしはR1とR2の結
    合する窒素原子を環内に含む環状アミノ基を示し、Zは
    酸素原子または硫黄原子を示し、Arは結合基をかいし
    て結合してもよい、置換基を有してもよい芳香族炭化水
    素環または芳香族複素環を示し、nは1、2、3または
    4の整数を示す。
  4. 【請求項4】 アゾ顔料が前記一般式(1)で示す有機
    殘基から選択された有機殘基が少なくとも1個と前記選
    択された有機殘基とは異なる下記一般式(4)で示す有
    機殘基の少なくとも1個とが同一分子内で結合基をかい
    して結合してもよい、置換基を有してもよい芳香族炭化
    水素環または芳香族複素環と結合した構造を有するアゾ
    顔料である請求項1記載の電子写真感光体。 一般式(4) −N=N−Cp 式中、Cpはフェノ−ル性OH基を有するカップラ−殘
    基を示す。
  5. 【請求項5】 感光層が前記一般式(3)で示すアゾ顔
    料を少なくとも1種と、前記一般式(1)で示す有機殘
    基から選択される有機殘基が少なくとも1個と前記選択
    された有機殘基とは異なる前記一般式(4)で示す有機
    殘基の少なくとも1個とが同一分子内で結合基をかいし
    て結合してもよい、置換基を有してもよい芳香族炭化水
    素環または芳香族複素環と結合した構造を有するアゾ顔
    料の少なくとも1種を含有する請求項1記載の電子写真
    感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置およびリモ−ト端末からの画像情報を受信
    する手段を有するファクシミリ。 【0001】
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