JPH0513394A - 基体の膜形成面清浄化方法 - Google Patents
基体の膜形成面清浄化方法Info
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- JPH0513394A JPH0513394A JP16142791A JP16142791A JPH0513394A JP H0513394 A JPH0513394 A JP H0513394A JP 16142791 A JP16142791 A JP 16142791A JP 16142791 A JP16142791 A JP 16142791A JP H0513394 A JPH0513394 A JP H0513394A
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- Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 基体の膜形成面を基体に悪影響を及ぼすこと
なく清浄化できる基体の膜形成面清浄化方法を提供す
る。 【構成】 膜形成用基体3を真空容器6内に収納し、真
空容器6に導入したハロゲン元素含有ガスをプラズマ化
して基体3の膜形成面を該プラズマに曝すとともに、別
に準備したイオン源1を用いて、所定の加速エネルギで
加速された、水素元素を含有するイオンを前記膜形成面
に照射することにより、該膜形成面を清浄化する基体の
膜形成面清浄化方法。
なく清浄化できる基体の膜形成面清浄化方法を提供す
る。 【構成】 膜形成用基体3を真空容器6内に収納し、真
空容器6に導入したハロゲン元素含有ガスをプラズマ化
して基体3の膜形成面を該プラズマに曝すとともに、別
に準備したイオン源1を用いて、所定の加速エネルギで
加速された、水素元素を含有するイオンを前記膜形成面
に照射することにより、該膜形成面を清浄化する基体の
膜形成面清浄化方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、高硬度の膜を
基体上に形成することにより基体の耐摩耗性を向上させ
たり、また、半導体特性を備えた膜を基体上に形成し、
各種半導体素子を形成したり、あるいは、基体の化学的
安定性を高めるために、各種保護膜を基体上に形成した
りする際に、基体とそれらの膜との密着性を改善し、ま
た、膜の長期安定性を確保し、膜の特性が経時変化を起
こさないようにするために行う、基体の膜形成面清浄化
方法に関するものである。
基体上に形成することにより基体の耐摩耗性を向上させ
たり、また、半導体特性を備えた膜を基体上に形成し、
各種半導体素子を形成したり、あるいは、基体の化学的
安定性を高めるために、各種保護膜を基体上に形成した
りする際に、基体とそれらの膜との密着性を改善し、ま
た、膜の長期安定性を確保し、膜の特性が経時変化を起
こさないようにするために行う、基体の膜形成面清浄化
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、各種機能を有する膜を基体上に形
成させることにより、基体の特性を改善したり、あるい
は基体に新たな付加価値を与えようとする試みが、各種
産業分野に於いて行われている。その一例として、基体
上に膜を形成することで基体の耐摩耗性、耐食性を向上
させたり、基体と膜とで形成される光あるいは半導体素
子の作製といった応用例が挙げられる。
成させることにより、基体の特性を改善したり、あるい
は基体に新たな付加価値を与えようとする試みが、各種
産業分野に於いて行われている。その一例として、基体
上に膜を形成することで基体の耐摩耗性、耐食性を向上
させたり、基体と膜とで形成される光あるいは半導体素
子の作製といった応用例が挙げられる。
【0003】この際、基体の膜形成面が汚染されている
と、膜と基体との密着性が劣ることにより、膜の剥離が
生じ、その実用化が困難になったり、また、当該汚染物
質が膜の結晶成長を阻害したり、あるいは汚染物質が膜
内に拡散して、当該膜の特性や長期安定性に悪影響を与
えたりする。そのため、膜を形成させるに当たり、基体
を水、溶剤等によって湿式洗浄し、基体の膜形成面を清
浄化した後、膜を形成させることが一般に試みられてい
る。
と、膜と基体との密着性が劣ることにより、膜の剥離が
生じ、その実用化が困難になったり、また、当該汚染物
質が膜の結晶成長を阻害したり、あるいは汚染物質が膜
内に拡散して、当該膜の特性や長期安定性に悪影響を与
えたりする。そのため、膜を形成させるに当たり、基体
を水、溶剤等によって湿式洗浄し、基体の膜形成面を清
浄化した後、膜を形成させることが一般に試みられてい
る。
【0004】また、この湿式法に替えて、プラズマを利
用した浄化法が試みられることもある。これは、例え
ば、CF4 やHFのような化学的に活性なガスのプラズ
マ状態を作り出し、それに基体を曝す手法である。さら
に説明すると、例えばCF4 といったガスを用いるプラ
ズマによる清浄化法は、様々な放電手段によってガスを
イオン化し、その結果生じたCF3 + イオンと膜形成面
の汚染物質の化学的反応によってその汚染物質を取り除
こうとする手法である。
用した浄化法が試みられることもある。これは、例え
ば、CF4 やHFのような化学的に活性なガスのプラズ
マ状態を作り出し、それに基体を曝す手法である。さら
に説明すると、例えばCF4 といったガスを用いるプラ
ズマによる清浄化法は、様々な放電手段によってガスを
イオン化し、その結果生じたCF3 + イオンと膜形成面
の汚染物質の化学的反応によってその汚染物質を取り除
こうとする手法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記湿式洗浄
では基体の汚染物質が完全に除去されない場合が多い。
例えば、水は親水性の汚染物質に対する洗浄効果を著し
く発揮するが、金属基体に塗布される防錆剤のような油
脂等の親油性の化合物を完全に除去することが出来な
い。そのために、親水性、親油性の汚染物質が混合した
場合には、各種有機溶剤、無機洗浄剤、あるいは界面活
性剤などが幾つも組み合わされて用いられる。これによ
って、汚染物質を各洗浄溶液の作用によって除去させる
ことは可能になるが、今度は逆にそれら洗浄に用いられ
た溶液が、洗浄後も基体表面に吸着する形で残存し、新
たな汚染物質となることがしばしば生じる。また、それ
ら汚染物質が完全に除去されたとしても、洗浄中に錆が
発生したりして基体が変質する恐れがある。
では基体の汚染物質が完全に除去されない場合が多い。
例えば、水は親水性の汚染物質に対する洗浄効果を著し
く発揮するが、金属基体に塗布される防錆剤のような油
脂等の親油性の化合物を完全に除去することが出来な
い。そのために、親水性、親油性の汚染物質が混合した
場合には、各種有機溶剤、無機洗浄剤、あるいは界面活
性剤などが幾つも組み合わされて用いられる。これによ
って、汚染物質を各洗浄溶液の作用によって除去させる
ことは可能になるが、今度は逆にそれら洗浄に用いられ
た溶液が、洗浄後も基体表面に吸着する形で残存し、新
たな汚染物質となることがしばしば生じる。また、それ
ら汚染物質が完全に除去されたとしても、洗浄中に錆が
発生したりして基体が変質する恐れがある。
【0006】また、湿式で洗浄する場合、洗浄液や洗浄
治具等に付着した汚染物質が、あらたに基体に付着する
例や、基体の乾燥時にシミといった新たな汚染層が発生
したりする例が多々見られる。この点、前記プラズマを
利用する乾式浄化法では、湿式法に見られる幾つかの欠
点を克服することができる。しかし、既述のように例え
ばCF3 + イオンと基体の膜形成面上の汚染物質の化学
的反応によって、当汚染物質を取り除こうとすると、C
F3 + イオンの化学的な高活性度は、基体に対しても同
様に作用し、そ結果、基体によってはエッチングされた
り、腐食したりする危険性がある。
治具等に付着した汚染物質が、あらたに基体に付着する
例や、基体の乾燥時にシミといった新たな汚染層が発生
したりする例が多々見られる。この点、前記プラズマを
利用する乾式浄化法では、湿式法に見られる幾つかの欠
点を克服することができる。しかし、既述のように例え
ばCF3 + イオンと基体の膜形成面上の汚染物質の化学
的反応によって、当汚染物質を取り除こうとすると、C
F3 + イオンの化学的な高活性度は、基体に対しても同
様に作用し、そ結果、基体によってはエッチングされた
り、腐食したりする危険性がある。
【0007】このため、プラズマを利用した浄化法は、
基体によっては使用できないといった欠点を有してい
る。このように、湿式法、乾式法、いずれも完全な基体
の清浄化法といったものは見当たらないのが実情であ
る。そこで本発明は、基体の膜形成面を基体に悪影響を
及ぼすことなく清浄化できる基体の膜形成面清浄化方法
を提供することを課題とする。
基体によっては使用できないといった欠点を有してい
る。このように、湿式法、乾式法、いずれも完全な基体
の清浄化法といったものは見当たらないのが実情であ
る。そこで本発明は、基体の膜形成面を基体に悪影響を
及ぼすことなく清浄化できる基体の膜形成面清浄化方法
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決するため研究を重ね、前記プラズマによる乾式浄化法
において、例えば、フッ素元素よりなるガス、例えばH
FやCF4 を、高周波放電等を用いてイオン化させた場
合、生成されるCF3 + 等の活性種とフッ素ラジカルの
量の割合が基体への損傷や基体の汚染物質の除去速度を
決定すること、従って、この量をコントロールすること
ができれば、前記基体への損傷や、基体の汚染物質の除
去速度を調整することが出来ることに着目し、さらに研
究の結果、ハロゲン元素を含有するガスをプラズマ化さ
せ、基体を当該プラズマに曝すと同時に、水素元素を含
有するイオンを当該基体に照射し、生成されるハロゲン
元素ラジカルと当該水素イオンとを結合させるようにす
れば、前記ハロゲン元素を含有するイオンとハロゲン元
素ラジカルの量を調整し、基体に損傷を与えることな
く、基体の汚染物質の除去を行えることを見出し、本発
明を完成した。
決するため研究を重ね、前記プラズマによる乾式浄化法
において、例えば、フッ素元素よりなるガス、例えばH
FやCF4 を、高周波放電等を用いてイオン化させた場
合、生成されるCF3 + 等の活性種とフッ素ラジカルの
量の割合が基体への損傷や基体の汚染物質の除去速度を
決定すること、従って、この量をコントロールすること
ができれば、前記基体への損傷や、基体の汚染物質の除
去速度を調整することが出来ることに着目し、さらに研
究の結果、ハロゲン元素を含有するガスをプラズマ化さ
せ、基体を当該プラズマに曝すと同時に、水素元素を含
有するイオンを当該基体に照射し、生成されるハロゲン
元素ラジカルと当該水素イオンとを結合させるようにす
れば、前記ハロゲン元素を含有するイオンとハロゲン元
素ラジカルの量を調整し、基体に損傷を与えることな
く、基体の汚染物質の除去を行えることを見出し、本発
明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、膜形成用基体を真空
装置内に収納し、前記真空装置内に導入したハロゲン元
素含有ガスをプラズマ化して前記基体の膜形成面を該プ
ラズマに曝すとともに、別に準備したイオン源を用い
て、所定の加速エネルギで加速された、水素元素を含有
するイオンを前記膜形成面に照射することにより、該膜
形成面を清浄化する基体の膜形成面清浄化方法を提供す
るものである。
装置内に収納し、前記真空装置内に導入したハロゲン元
素含有ガスをプラズマ化して前記基体の膜形成面を該プ
ラズマに曝すとともに、別に準備したイオン源を用い
て、所定の加速エネルギで加速された、水素元素を含有
するイオンを前記膜形成面に照射することにより、該膜
形成面を清浄化する基体の膜形成面清浄化方法を提供す
るものである。
【0010】前記ハロゲン元素を含有するガスとして
は、フッ素、塩素、臭素等の元素を含有するもので、例
えば、それらの炭化水素化合物(CC14 、CF4 、C
2 F6 、CHF3 等)あるいはケイ素化合物(SF
6 等)、水素化合物(HF等)等任意のものが使用で
き、水素元素を含有したガスも、例えばH2 、NH4 等
の任意のものが使用できる。
は、フッ素、塩素、臭素等の元素を含有するもので、例
えば、それらの炭化水素化合物(CC14 、CF4 、C
2 F6 、CHF3 等)あるいはケイ素化合物(SF
6 等)、水素化合物(HF等)等任意のものが使用で
き、水素元素を含有したガスも、例えばH2 、NH4 等
の任意のものが使用できる。
【0011】また、前記ハロゲン元素を含有したガスを
プラズマ化させる手法としても、マイクロ波、直流、交
流放電あるいはECR放電といった任意の手法が用いら
れ、イオン源の型式も、バケット型、カウフマン型等任
意のものが使用できる。さらに、前記ハロゲン元素を含
有したイオンの基体への照射効率を高めるため、基体に
任意のバイアス電圧を印加してもよい。
プラズマ化させる手法としても、マイクロ波、直流、交
流放電あるいはECR放電といった任意の手法が用いら
れ、イオン源の型式も、バケット型、カウフマン型等任
意のものが使用できる。さらに、前記ハロゲン元素を含
有したイオンの基体への照射効率を高めるため、基体に
任意のバイアス電圧を印加してもよい。
【0012】そして、各種照射されるイオンの基体への
物理的な損傷を防ぐため、水素元素を含有するイオンの
加速エネルギーは適宜調整され、例えば、40KeV以
下が好ましい。
物理的な損傷を防ぐため、水素元素を含有するイオンの
加速エネルギーは適宜調整され、例えば、40KeV以
下が好ましい。
【0013】
【作用】本発明清浄化方法によると、真空装置内に収納
された膜形成用基体の膜形成面がハロゲン元素含有ガス
のプラズマに曝されるとともに該膜に水素元素を含有す
るイオンが照射され、該プラズマ化により生成されるハ
ロゲン元素ラジカルと水素イオンとの結合が起こり、そ
れによって、ハロゲン元素を含有するイオンとハロゲン
元素ラジカル量が調整され、前記基体への悪影響無く、
その膜形成面上の汚染物質が、ハロゲン元素含有イオン
との化学反応により除去される。
された膜形成用基体の膜形成面がハロゲン元素含有ガス
のプラズマに曝されるとともに該膜に水素元素を含有す
るイオンが照射され、該プラズマ化により生成されるハ
ロゲン元素ラジカルと水素イオンとの結合が起こり、そ
れによって、ハロゲン元素を含有するイオンとハロゲン
元素ラジカル量が調整され、前記基体への悪影響無く、
その膜形成面上の汚染物質が、ハロゲン元素含有イオン
との化学反応により除去される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明方法を実施する装置の1例を示して
いる。この装置において、1はイオン源、2は基体ホル
ダ、3は基体、4はコイル、5は高周波電源、6はそれ
らを納める真空容器、7は真空容器へのガス導入口、8
はイオン源へのガス導入口、9は真空排気装置である。
する。図1は本発明方法を実施する装置の1例を示して
いる。この装置において、1はイオン源、2は基体ホル
ダ、3は基体、4はコイル、5は高周波電源、6はそれ
らを納める真空容器、7は真空容器へのガス導入口、8
はイオン源へのガス導入口、9は真空排気装置である。
【0015】この装置では、膜形成用の基体3を基体ホ
ルダ2に支持させて真空容器6内に納め、真空排気装置
9を用いて容器内を所定の真空度に保つ。その後、容器
6のガス導入口7よりハロゲン元素を含有するガスを当
該真空容器内に導入し、コイル4と高周波電源5を用い
て高周波放電を起こし、当該ガスよりなるプラズマを発
生させ、基板3の膜形成面をそのプラズマに曝す。これ
によって、基体にハロゲン元素を含有したイオンが照射
される。それと同時に、イオン源1内にガス導入口8よ
り水素元素を含有したガスが導入されて、イオン化され
た後、所定の加速エネルギーに加速され当該基体に照射
される。この際、基体に照射されるハロゲン元素を含有
するイオンとハロゲン元素ラジカルあるいは水素イオン
の量を、基体種と汚染状態によって適宜調整する。
ルダ2に支持させて真空容器6内に納め、真空排気装置
9を用いて容器内を所定の真空度に保つ。その後、容器
6のガス導入口7よりハロゲン元素を含有するガスを当
該真空容器内に導入し、コイル4と高周波電源5を用い
て高周波放電を起こし、当該ガスよりなるプラズマを発
生させ、基板3の膜形成面をそのプラズマに曝す。これ
によって、基体にハロゲン元素を含有したイオンが照射
される。それと同時に、イオン源1内にガス導入口8よ
り水素元素を含有したガスが導入されて、イオン化され
た後、所定の加速エネルギーに加速され当該基体に照射
される。この際、基体に照射されるハロゲン元素を含有
するイオンとハロゲン元素ラジカルあるいは水素イオン
の量を、基体種と汚染状態によって適宜調整する。
【0016】以下、具体的な実施例について説明する。 実施例1 図1に示した装置を用いて、高速度工具鋼(SKH−5
1)よりなる10mm×10mm×1mm(厚さ)の寸
法の基体3の表面を清浄化した。清浄化の手法は以下の
通りである。
1)よりなる10mm×10mm×1mm(厚さ)の寸
法の基体3の表面を清浄化した。清浄化の手法は以下の
通りである。
【0017】基体3を基体ホルダ2に設置後、真空容器
6内に納め、当該真空容器内を5×10-7torrの高
真空に保持した。その後、純度4NのCF4 ガスを真空
容器内に5×10-5torr導入し、1000Wの高周
波電圧を印加させることによって高周波放電を生じさ
せ、プラズマを生成した。それと同時に、イオン源1に
純度4Nの水素ガスを導入して、水素イオンを作成し、
2KeVの加速エネルギで、基体表面の法線に対して4
5度の入射角になるよう当該基体に照射した。
6内に納め、当該真空容器内を5×10-7torrの高
真空に保持した。その後、純度4NのCF4 ガスを真空
容器内に5×10-5torr導入し、1000Wの高周
波電圧を印加させることによって高周波放電を生じさ
せ、プラズマを生成した。それと同時に、イオン源1に
純度4Nの水素ガスを導入して、水素イオンを作成し、
2KeVの加速エネルギで、基体表面の法線に対して4
5度の入射角になるよう当該基体に照射した。
【0018】この際、真空容器6内に発生しているプラ
ズマの状態を、図示しないプラズマ発光分光分析装置に
てモニターし、フッ素ラジカルによる発光ピークが観測
されないよう、水素イオンの照射量を調整した。このよ
うにして、清浄化を施した基体3の表面をオージェ電子
分析法(AES)によって分析したところ、C元素によ
るAESピークは、清浄化の前はFe元素によるAES
ピークとほとんど変わらない強度を有していたが、清浄
化後はほとんど観測されなかった。また、F元素のAE
Sピークは基体表面から観測されなかった。
ズマの状態を、図示しないプラズマ発光分光分析装置に
てモニターし、フッ素ラジカルによる発光ピークが観測
されないよう、水素イオンの照射量を調整した。このよ
うにして、清浄化を施した基体3の表面をオージェ電子
分析法(AES)によって分析したところ、C元素によ
るAESピークは、清浄化の前はFe元素によるAES
ピークとほとんど変わらない強度を有していたが、清浄
化後はほとんど観測されなかった。また、F元素のAE
Sピークは基体表面から観測されなかった。
【0019】比較例1 実施例1と同じく高速度工具鋼(SKH−51)を図1
に示した装置を用いて清浄化した。但し、この際、水素
イオンを照射させることなく清浄化を行い、それ以外の
条件は、実施例1と同様であった。実施例1と同じく、
清浄化を施した基体3の表面をオージェ電子分析法(A
ES)によって分析したところ、C元素に関しては、清
浄化の前はFe元素AESピークとほとんど変わらない
強度を有していたものが、清浄化後はほとんど観測され
なかったという実施例1と同じ結果が得られた。が、基
体表面からF元素によるAESピークが新たに観測さ
れ、清浄化処理中にF元素によって基体表面が腐食され
たことが伺えた。
に示した装置を用いて清浄化した。但し、この際、水素
イオンを照射させることなく清浄化を行い、それ以外の
条件は、実施例1と同様であった。実施例1と同じく、
清浄化を施した基体3の表面をオージェ電子分析法(A
ES)によって分析したところ、C元素に関しては、清
浄化の前はFe元素AESピークとほとんど変わらない
強度を有していたものが、清浄化後はほとんど観測され
なかったという実施例1と同じ結果が得られた。が、基
体表面からF元素によるAESピークが新たに観測さ
れ、清浄化処理中にF元素によって基体表面が腐食され
たことが伺えた。
【0020】また、実施例1と比較例1は清浄化前のC
元素AESピークの強度が等しかったにも拘らず、清浄
化に要する時間を比較すると比較例は実施例の2倍以上
を要した。以上、実施例1はイオン照射による物理的な
スパッタ作用による洗浄効果が併用されたので、洗浄に
要する時間的な効率が向上し、また、基体表面からF元
素AESピークが観測されず、F元素による基体の腐食
が生じなかったことが判明した。
元素AESピークの強度が等しかったにも拘らず、清浄
化に要する時間を比較すると比較例は実施例の2倍以上
を要した。以上、実施例1はイオン照射による物理的な
スパッタ作用による洗浄効果が併用されたので、洗浄に
要する時間的な効率が向上し、また、基体表面からF元
素AESピークが観測されず、F元素による基体の腐食
が生じなかったことが判明した。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば次の利点がある。 化
学的活性度の高いハロゲン元素含有イオンを基体に照射
させるため、基体上の汚染物質の除去が容易に行える。
水素イオン照射を前記の処理と同時に行うことに
より、ハロゲン元素含有イオンによる基体の損傷を防ぐ
ことが出来る。 イオン照射による物理的なエッチン
グ作用を組み合わせるので、基体の清浄化を一層効率良
く行うことが出来る。 乾式の清浄化法であるので、
湿式の場合と異なり、清浄処理後にシミ、水分の吸着、
あるいは洗浄治具からの汚染といった問題が発生しな
い。
学的活性度の高いハロゲン元素含有イオンを基体に照射
させるため、基体上の汚染物質の除去が容易に行える。
水素イオン照射を前記の処理と同時に行うことに
より、ハロゲン元素含有イオンによる基体の損傷を防ぐ
ことが出来る。 イオン照射による物理的なエッチン
グ作用を組み合わせるので、基体の清浄化を一層効率良
く行うことが出来る。 乾式の清浄化法であるので、
湿式の場合と異なり、清浄処理後にシミ、水分の吸着、
あるいは洗浄治具からの汚染といった問題が発生しな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に使用する装置例の概略構成を示
す図である。
す図である。
1 イオン源 2 基体ホルダ 3 基体 4 コイル 5 高周波電源 6 真空容器 7、8 ガス導入口 9 真空排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鞍谷 直人 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 膜形成用基体を真空装置内に収納し、前
記真空装置内に導入したハロゲン元素含有ガスをプラズ
マ化して前記基体の膜形成面を該プラズマに曝すととも
に、別に準備したイオン源を用いて、所定の加速エネル
ギで加速された、水素元素を含有するイオンを前記膜形
成面に照射することにより、該膜形成面を清浄化する基
体の膜形成面清浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16142791A JPH0513394A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 基体の膜形成面清浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16142791A JPH0513394A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 基体の膜形成面清浄化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0513394A true JPH0513394A (ja) | 1993-01-22 |
Family
ID=15734903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16142791A Withdrawn JPH0513394A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 基体の膜形成面清浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0513394A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07109000A (ja) * | 1993-08-27 | 1995-04-25 | Hughes Aircraft Co | Rfプラズマソース及び宇宙空間内における表面のプラズマ洗浄方法 |
US6136386A (en) * | 1996-06-27 | 2000-10-24 | Nissin Electric Co., Ltd. | Method of coating polymer or glass objects with carbon films |
US6893720B1 (en) | 1997-06-27 | 2005-05-17 | Nissin Electric Co., Ltd. | Object coated with carbon film and method of manufacturing the same |
JP2017513216A (ja) * | 2014-04-01 | 2017-05-25 | エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー | 基板を表面処理する方法及び装置 |
-
1991
- 1991-07-02 JP JP16142791A patent/JPH0513394A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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