JPH05133213A - エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容方法とその装置 - Google Patents

エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容方法とその装置

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JPH05133213A
JPH05133213A JP32095791A JP32095791A JPH05133213A JP H05133213 A JPH05133213 A JP H05133213A JP 32095791 A JP32095791 A JP 32095791A JP 32095791 A JP32095791 A JP 32095791A JP H05133213 A JPH05133213 A JP H05133213A
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JP
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chamber
oil
crank chamber
crank
outside
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Application number
JP32095791A
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English (en)
Inventor
Masahiro Akeda
正寛 明田
Kazutoshi Okamoto
一利 岡本
Shuichi Yamada
修一 山田
Nobuhiro Yamamoto
信裕 山本
Shoichi Yamamoto
昌一 山本
Yutaka Watanabe
豊 渡辺
Akira Hayatani
章 早谷
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M11/00Component parts, details or accessories, not provided for in, or of interest apart from, groups F01M1/00 - F01M9/00
    • F01M11/06Means for keeping lubricant level constant or for accommodating movement or position of machines or engines

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】クランク室内オイル受け室(52)内のオイルを、
クランク室(51)内に溜まったブローバイガス(BG)の圧力
(Pb)を利用して、室間連通部(61)からクランク室外オイ
ル収容室(58)へ移送する。そして、このクランク室(51)
内のブローバイガス圧力(Pb)により、クランク室外オイ
ル収容室(58)内の油面をクランク室内オイル受け室(52)
の油面よりも高く保持する。 【効果】ピストンの背圧を利用しないので脈動圧力の生
じないエンジンにも適用できるうえ、移送ポンプ等を必
要としないので安価に実施でき、エンジンを小型にでき
る。しかも、オイル移送圧力が安定しているので、クラ
ンク室内オイル受け室やクランク室外オイル収容室内の
油面を安定した高さに維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの潤滑装置に
おいて、クランク室内の下部のオイルをクランク室外の
オイル収容室に移送して収容するようにした、クランク
室外オイル収容方法とその装置に関する。
【0002】
【前提構造】本発明の、エンジンの潤滑装置のクランク
室外オイル収容する方法と装置は、例えば図1、図2
7、図28、図29、又は図30に示すように、次の前
提構成を有する。即ち、エンジン(E)のクランク室(51)
内の下部にクランク室内オイル受け室(52)を設け、この
クランク室(51)の外部にクランク室外オイル収容室(58)
を設け、そのクランク室内オイル受け室(52)を室間連通
部(61)を介して上記クランク室外オイル収容室(58)に連
通させてある。そして、そのエンジン(E)は室間オイル
移送手段(P)を有し、この室間オイル移送手段(P)は、
上記クランク室内オイル受け室(52)内のオイルを上記室
間連通部(61)からクランク室外オイル収容室(58)へ移送
して、このクランク室外オイル収容室(58)内の油面(L2)
をそのクランク室内オイル受け室(52)の油面(L1)よりも
高く保持するように構成したものである。
【0003】
【従来技術】上記の前提構成における前記室間オイル移
送手段(P)として、従来技術では次のように構成したも
のがある。 ○従来技術1(図27参照、特開昭59−5820号公
報) 前記室間オイル移送手段(P)は、ピストン(115)の往復
運動によるクランク室(51)の脈動圧力(111)の正圧成分
(112)を利用して構成されたものである。室間連通部(6
1)の出口側には逆止弁(114)が設けられており、この逆
止弁(114)は、クランク室(51)の脈動圧力(111)の正圧成
分(112)で開かれ、その負圧成分(113)で閉じられる。こ
れにより、その正圧成分(112)でクランク室内オイル受
け室(52)内のオイルがクランク室外オイル収容室(58)へ
圧送されて押し上げられるのである。
【0004】○従来技術2(図28参照、特開昭58−
200017号公報) 前記室間オイル移送手段(P)は、クランク室外オイル収
容室(58)内の空気を吸い出し路(121)からエア抜きポン
プ(122)で吸い出す構成から成る。このエア抜きポンプ
(122)で空気を吸い出すことにより、クランク室外オイ
ル収容室(58)内を負圧にして、クランク室内オイル受け
室(52)内のオイルをクランク室外オイル収容室(58)に吸
い込んで吸い上げるのである。
【0005】○従来技術3(図29(A)及び(B)参照、
実公昭60−40806号公報) 前記室間オイル移送手段(P)は、クランク室内オイル受
け室(52)内のオイルをスカベンジポンプ翼車(131)でク
ランク室外オイル収容室(58)へ送り込む構成から成る。
スカベンジポンプ翼車(131)は、クランク室内オイル受
け室(52)に設けられ、クランク室内オイル受け室(58)内
のオイルを室間連通部(61)からクランク室外オイル収容
室(58)へ送り込んで押し上げるのである。
【0006】○従来技術4(図30参照、特開昭58−
200016号公報) 前記室間オイル移送手段(P)は、エンジン(E)の吸気系
(142)の吸気負圧(141)を利用して構成されたものであ
る。クランク室外オイル収容室(58)は、吸入通路(143)
とオイルセパレータ(144)とを介して、吸気系(142)のエ
アクリーナ(145)に連通してある。そして、吸気系(142)
の吸気負圧(141)で空気を吸い出すことにより、クラン
ク室外オイル収容室(58)内を負圧にし、クランク室内オ
イル受け室(52)内のオイルをクランク室外オイル収容室
(58)に吸い込んで吸い上げるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の各従来技術で
は、それぞれ次の問題がある。 ○従来技術1(図27) 多気筒エンジンでは、振動の低減を重視する面から各ピ
ストン(115)の往復運動の位相をずらせるので、このピ
ストン(115)の往復運動によるクランク室(51)内の容積
変化がなく、脈動圧力(111)を殆ど生じないようになっ
ているものが多い。このクランク室(51)内に脈動圧力(1
11)が生じない多気筒エンジンに対して、この従来技術
は、クランク室内オイル受け室(52)内のオイルをクラン
ク室外オイル収容室(58)に送り込めなくなるので、適用
できない。
【0008】○従来技術2(図28)及び従来技術3
(図29(A)及び(B)) エア抜きポンプ(122)又はスカベンジポンプ翼車(131)、
及びこのポンプの駆動装置が必要であるから、構造が複
雑である。
【0009】○従来技術4(図30) エンジン(E)の吸気系(142)の吸気負圧(141)は、エンジ
ン(E)の回転速度やエアクリーナ(144)の目詰まりの度
合いの違いなどにより、大きく変化する。そのうえ、ガ
ソリンエンジンの場合、負荷によるスロットル弁の開度
の違いによっても、その吸気負圧(141)が更に大きく変
化する。吸気負圧(141)が小さくなったときには、クラン
ク室外オイル収容室(58)内へのオイルの吸い上げ高さが
低くなる。このため、クランク室内オイル受け室(52)の
油面が高くなり過ぎ、クランクアームなどの回転運動部
でオイルが異常に跳ね飛ばされ続けて過熱し、潤滑不良
やオイル劣化を招く。
【0010】本発明の課題は、クランク室内に脈動圧力
が発生しない多気筒エンジンにも適用できる事、構造を
簡素化する事、及び、潤滑不良やオイル劣化を招かない
事、にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の前提構
成において、上記課題を達成するために、前記オイル移
送手段(P)を次のように構成したことを特徴とするもの
である。
【0012】◎発明1(方法)及び発明2(装置) (例えば、図1・図11・図18・図19または図25
参照)前記室間オイル移送手段(P)は、前記エンジン
(E)の運転に伴って前記クランク室(51)内に発生するブ
ローバイガス(BG)の圧力(Pb)を利用して構成し、このク
ランク室(51)内のブローバイガス圧力(Pb)により、前記
クランク室内オイル受け室(52)内のオイルを前記室間連
通部(61)から前記クランク室外オイル収容室(58)に流れ
込ませて押し上げるように構成したものである。
【0013】◎発明3(装置) (例えば、図1・図8・図11・図19・図21または
図25参照)上記発明2において、次の構成を追加した
ものである。前記クランク室(51)内に溜まるブローバイ
ガス(BG)を、ブリーザ導出経路(75)を通じて、クランク
室(51)の外側へ導出可能に構成し、このブリーザ導出経
路(75)をクランク室(51)から前記室間連通部(61)を経由
してクランク室(51)の外側へ走らせるという構造によ
り、前記ブローバイガス圧力(Pb)を利用した室間オイル
移送手段(P)を構成する。
【0014】◎発明4(装置) (例えば、図18参照)上記発明2において、次の構成
を追加したものである。前記クランク室(51)内に溜まる
ブローバイガス(BG)を、ブリーザ導出経路(75)を通じ
て、クランク室(51)の外側へ導出可能に構成し、このブ
リーザ導出経路(75)に移送圧設定用リリーフ弁(85)を設
け、この移送圧設定用リリーフ弁(85)で上記クランク室
(51)内のブローバイガス圧力(Pb)をリリーフ作動圧にま
で高めるという構造により、前記ブローバイガス圧力(P
b)を利用した室間オイル移送手段(P)を構成する。
【0015】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成したことか
ら、次の効果を奏する。 ◎発明1〜発明4 前記室間オイル移送手段は、クランク室内オイル受け室
内のオイルをクランク室外オイル収容室へ移送して、こ
のクランク室外オイル収容室内の油面をそのクランク室
内オイル受け室の油面よりも高く保持するように働く。
この室間オイル移送手段は、エンジンの運転に伴ってク
ランク室内に発生すブローバイガスの圧力を利用して構
成したことから、次の効果を奏する。
【0016】○従来技術1(図27)と比べて イ.クランク室内にピストンの往復運動による脈動圧力
が生じない多気筒エンジンであっても、クランク室内に
ブローバイガス圧力が発生するので、本発明を適用する
ことができる。
【0017】○従来技術2(図28)及び従来技術3
(図29)と比べて ロ.この従来技術2のエア抜きポンプ、または従来技術
3のスカベンジポンプ、及びこのポンプ駆動装置を省略
して、その構造を簡素化することができる。
【0018】○従来技術4(図30)と比べて ハ.クランク室内のブローバイガス圧力は、吸気負圧が
小さくなったときでも、これに大きく影響されること無
くクランク室内オイル受け室の油面を十分低く押し下げ
るので、クランクアームなどの回転運動部でオイルが異
常に跳ね飛ばされ続けることが無くなる。この結果、異
常な跳ね飛ばしによるオイルの過熱を無くし、この過熱
による潤滑不良やオイル劣化を解消することができる。
【0019】◎発明3 上記イ.ロ.ハ.の効果に加えて、さらに次の効果を奏
する。 ニ.クランク室内のブローバイガスは、ブリーザ導出経
路を構成する室間連通部を通過するときに、この室間連
通部内のオイルと接触する。これにより、そのブローバ
イガス中に含まれるオイルミストがそのオイルに吸着さ
れるので、そのブローバイガスのオイル分離性能が向上
する。
【0020】
【実施例】以下、本発明方法および装置の実施例を、図
面に基づき説明する。 ◎第1実施例 (装置発明2及び装置発明3に対応する。図1ないし図
10参照)図1ないし図10は、強制水冷立形2気筒頭
上弁うず室式ディーゼルエンジンの潤滑装置のクランク
室外オイル収容装置を示す。
【0021】[A]エンジンの補器類の配置 図2はエンジン全体の斜視図である。この図2におい
て、上記エンジン(E)の補器類は次のように配置されて
いる。すなわち、エンジン本体(1)の前側にラジエータ
(2)が配置され、その左側の後半上部にエアクリーナ
(3)が、右側の後半上部にマフラ(4)が、上側に燃料タ
ンク(5)が、左右両側の下部に左右一対の各エンジンス
タンド(6)が、それぞれ配置されている。
【0022】各エンジンスタンド(6)は、その後半部が
エンジン本体(1)のクランクケース(7)の左右の両ケー
ス横側壁にそれぞれ固定され、その前部上にラジエータ
(2)が支持されている。
【0023】[B]エンジン本体の基本構造 図3はエンジン本体の斜視図である。図4はエンジン本
体の左側面図、図5は中央縦断右側面図、図6は前側シ
リンダの中央部での縦断正面図、図7はギヤケース部で
の縦断正面図である。図3〜図7において、シリンダブ
ロック(11)の上側にシリンダヘッド(12)及びヘッドカバ
ー(13)が順に固定され、そのシリンダブロック(11)の下
側にオイルパン(14)、前側にギヤケース(15)、前側上部
に水ポンプ(16)、左側面の上半前部にフランジ形燃料噴
射ポンプ(17)のポンプハウジング(18)、前壁下部外面に
潤滑ポンプ(19)が、それぞれ固設されている。
【0024】2つのシリンダ(21)には、それぞれピスト
ン(22)が上下摺動自在に内嵌してある。各ピストン(22)
は、各コンロッド(23)を介して、クランク軸(24)の2つ
のクランクピン(25)にそれぞれ連接してある。2つのク
ランクピン(25)は、回転の位相が互いに180゜異な
る。クランク軸(24)は、クランクケース(7)およびギヤ
ケース(15)内を前後に貫通し、クランクケース(7)の前
壁(26)・中間壁(27)・及び後壁(28)にトンネル形軸受装
置(29)を介して、回転自在に枢支されている。
【0025】このクランク軸(24)には、ギヤケース(15)
の前側壁外でファン駆動プーリ(34)が、ギヤケース(15)
内でクランクギヤ(36)が、クランクケース後壁(28)外で
フライホイル(35)が、それぞれ固定されている。上記水
ポンプ(16)の前側にはラジエータファン(31)が配置され
ており、水ポンプ(16)のローターとラジエータファン(3
1)とは、ファン軸・ファンプーリ(32)・ファンベルト(3
3)・およびファン駆動プーリ(34)を順に介して、クラン
ク軸(24)に連動連結されている。
【0026】ギヤケース(15)内では、クランクギヤ(36)
にアイドルギヤ(37)を介して、動弁カムギヤ(38)と燃料
噴射カムギヤ(39)とが連動連結されている。また、クラ
ンクギヤ(36)にオイルポンプギヤ(41)を介して、潤滑ポ
ンプ(19)が連動連結されている。この潤滑ポンプ(19)
は、オイルパン(14)内のオイルをオイルストレーナ(42)
から吸い込み、エンジン(1)の各潤滑部へ圧送する。
【0027】[C]潤滑装置のクランク室外オイル収容装
置の構造 図1はクランク室内オイル受け室からクランク室外オイ
ル収容室へのオイルおよびブローバイガスの流れを示す
概略斜視図である。図5はエンジン本体の縦断右側面図
であり、図8(A)は図5のIA-IA線断面図、図8(B)は
図5のIB-IB線断面図、図9は図8(A)のIX部の分解斜
視図である。
【0028】[C1]クランク室外オイル収容室の構造 図1・図8(A)および図9に示すように、エンジン本体
(1)のクランク室(51)内の下部に、クランクケース(7)
とオイルパン(14)とに亘ってクランク室内オイル受け室
(52)が設けてある。
【0029】このクランク室(51)の左右の各下半部に、
左右一対の各クランク室外オイル収容室(58)が設けられ
ている。
【0030】この各クランク室外オイル収容室(58)は、
それぞれクランクケース(7)と各エンジンスタンド(8)
との取付部内に形成されている。このクランク室外オイ
ル収容室(58)は、内側収容室部分(55)と外側収容室部分
(53)とを油連通孔(56a)と通気長孔(56b)とで並列状に
連通したものからなり、その内側収容室部分(55)はクラ
ンクケース(7)の左右の各側壁(8)の下半の凹入壁部分
(8a)の外面に形成され、環状リブ(54)で取り囲まれてい
る。この環状リブ(54)は、凹入壁部分(8a)の周部から一
体に突設されている。
【0031】前記外側収容室部分(53)は、エンジンスタ
ンド(6)の後半の箱形部(6a)内に形成され、クランクケ
ース(7)側に開口している。そしてエンジンスタンド
(6)はこの箱形部(6a)がガスケット(56)を挟んで上記環
状リブ(54)に7本のボルト(6b)で固定されている。
【0032】このガスケット(56)は板状に形成してあ
り、その下部の前後2箇所に前記油連通孔(56a)が、上
部に前記通気長孔(56b)がそれぞれあけてある。そし
て、外側収容室部分(53)と内側収容室部分(55)とは、こ
のガスケット(56)で区画され、油連通孔(56a)および通
気長孔(56b)により連通している。
【0033】[C2]クランク室内オイル受け室とクランク
室外オイル収容室との連通構造 クランク室内オイル受け室(52)は、室間連通路(61)・左
右の各ガス分離室(66)・及び左右の各油孔(67)を介し
て、左右一対のクランク室外オイル収容室(58)の各外側
収容室部分(53)に連通している。
【0034】この室間連通路(61)は、クランクケース
(7)の中間壁(27)の下部後面に突設した横断突条(27a)
内を、横一直線状に貫通する。この室間連通路(61)の中
央部に連通路入口(62)が開口されており、クランク室内
オイル受け室(52)の上層部の前後方向及び左右方向のほ
ぼ中央部に臨ませてある。また、室間連通路(61)の左右
の各端部には、それぞれ連通路の出口が左右の各ガス分
離室(66)内の下部に臨ませて開口してある。
【0035】左右の各ガス分離室(66)は、それぞれ各内
側収容室部分(55)内で、その前後方向の中央のやや後側
部に上向きに形成されている。このガス分離室(66)は、
前後の各面が前後一対の縦リブ(63)で区画され、左右の
各面が凹入壁部分(8a)とガスケット(56)とで、底面が環
状リブ(54)の下壁部で区画される。
【0036】このガス分離室(66)の横外側面の下部に
は、ガスケット(56)に油孔(67)が開口してある。また、
ガス分離室(66)の上面は、内側収容室部分(55)内の上部
の気層空間(55a)に臨んで開口されている。
【0037】ガス分離室(66)の前後面を区画する上記の
一対の縦リブ(63)は、クランクケース横側壁(8)の凹入
壁部分(8a)から一体に横外方へ突出され、上記環状リブ
(54)の下壁部と一体に形成されている。上記ガスケット
(56)は、エンジンスタンド(6)の箱形部(6a)から一体に
外側収容室部分(53)内へ突設した押えリブ(65)により、
この各縦リブ(54)へ押し当てられる。
【0038】[C3]オイル移送手段の構造 エンジン(E)は室間オイル移送手段(P)を有する。この
室間オイル移送手段(P)は、エンジン(E)の運転に伴っ
て前記クランク室(51)内に発生するブローバイガス(BG)
の圧力(Pb)を利用して構成される。
【0039】すなわち、クランク室(51)内へのブローバ
イガス圧力(Pb)により、まずクランク室内オイル受け室
(52)内のオイルを、室内上層中央部の連通路入口(62)か
ら室間連通路(61)・各ガス分離室(66)および各油孔(67)
を介して、左右一対の各クランク室外オイル収容室(58)
の各外側収容室部分(55)と各内側収容室部分(53)とに、
順に流れ込ませて押し上げる。このクランク室外オイル
収容室(58)へのオイルの流入により、各クランク室外オ
イル収容室(58)内の空気を、左右の各空気押出し路(74)
を通じてクランク室外オイル収容室(58)外へ押し出させ
る。その後、クランク室(51)内に溜まるブローバイガス
(BG)を、左右の各ブリーザ導出経路(75)を通じてクラン
ク室(51)の外側へ導出するように構成してある。
【0040】[C4]空気押出し路の構造 上記の空気押出し路(74)のうち、左側の空気押出し路
は、左側の内側収容室部分(55)が通気長孔(56b)から、
また、外側収容室部分(53)がオイル戻し兼通気用の長溝
孔(72)から、それぞれオイル分離室(70)を介してオイル
分離器(76)に連通するものからなる。このオイル分離器
(76)は、ブリーザパイプ(77)および吸気通路を介して燃
焼室に連通している。
【0041】前記オイル分離室(70)は、外側収容室部分
(53)の前部上側に区画壁(71)で区画されて設けてあり、
上記通気長孔(56b)は、このオイル分離室(70)に臨ませ
てガスケット(56)にあけられている。また、長溝孔(72)
は、区画壁(71)の先端縁とガスケット(56)との間の隙間
により形成されている。そして、オイル分離器(76)はオ
イル分離室(70)の上壁上に固定されている。
【0042】一方、右側の空気押出し路(74)は、右側の
外側収容室部分(53)を、右側の通気長孔(56b)・右側の
内側収容室部分(55)・ガス連通路(73)・左側の内側収容
室部分(55)内の気層空間(55a)・左側の通気長孔(56b)
・及びオイル分離室(70)を順に介して、オイル分離器(7
6)に連通させたものからなる。
【0043】右側の通気長孔(56b)は、右側のガスケッ
ト(56)の後方上部にあけてある。また、ガス連通路(73)
は、下降状始端部(73a)・横断状中間部(73b)・上昇状
終端部(73c)を順に連通させて構成されている。
【0044】この横断状中間部(73b)は、クランクケー
ス中間壁(27)の下部前面に突設した横断突条(27b)内
を、横一直線に貫通している。下降状始端部(73a)およ
び上昇状終端部(73c)は、それぞれ右側および左側の各
内側収容室部分(55)内の、ガス分離室の前側に並設され
ている。そして、その前後の各面が前後一対の縦リブ(6
4)で区画され、その左右の各面がクランクケース凹入壁
部分(8a)とガスケット(56)とで区画され、その底面が環
状リブ(54)の下壁部で区画されており、その上面が内側
収容室部分(55)内の気層空間(55a)に臨ませて開口して
ある。
【0045】上記の前後一対の縦リブ(64)は、凹入壁部
分(8a)から一体に横外方へ突出するとともに、環状リブ
(54)の下壁部と一体に形成されている。そして、上記ガ
スケット(56)が、エンジンスタンド(6)の箱形部(6a)か
ら一体に外側収容室部分(53)内へ突設した押えリブ(65)
により、この各縦リブ(54)へ押し当てられる。なお、下
降状始端部(73a)及び上昇状終端部(73c)の各後側の縦
リブ(64)と、これに対向する各押えリブ(65)は、左右の
ガス分離室(66)の各前側の縦リブ(63)とこれに対向する
各押えリブ(65)とがそれぞれ兼ねている。
【0046】[C5]ブリーザ導出経路の構造 上記のブリーザ導出経路(75)のうち、左側のブリーザ導
出経路は、クランク室(51)内の中央下部が、室間連通路
(61)・左側のガス分離室(66)・左側の内側収容室部分(5
5)の気層空間(55a)・通気長孔(56b)・およびオイル分
離室(70)を順に介して、オイル分離器(76)に連通するも
のからなる。
【0047】一方、右側のブリーザ導出経路(75)は、ク
ランク室(51)内の中央下部が、室間連通路(61)・右側の
ガス分離室(66)・右側の内側収容室部分の気層空間(55
a)・ガス連通路の下降状始端部(73a)・横断状中間部
(73b)・上昇状終端部(73c)・左側の内側収容室部分(5
5)の気層空間(55a)・通気長孔(56b)・およびオイル分
離室(70)を順に介して、上記オイル分離器(76)に連通す
るものからなる。
【0048】[C6]クランク室内の圧力を維持する構造 クランク室(51)内と連通しているヘッドカバー(13)に
は、図10に示すようにその上壁にリリーフ弁(43)が設
けてある。このリリーフ弁(43)は、クランク室(51)内に
溜まるブローバイガス(BG)の圧力(Pb)が設定圧力以下で
は閉弁しており、ブローバイガス圧(Pb)を高く維持す
る。そして、ブローバイガス圧(Pb)が設定圧力以上に上
昇しようすると、このリリーフ弁(48)が開弁作動し、ク
ランク室(51)内の過剰となったブローバイガス圧(Pb)を
逃がす。これにより、クランク室(51)の内圧を設定圧力
以下に維持する。
【0049】また、図4に示すように、エンジン(E)の
シリンダブロック(12)には、左側面後方上部に検油口(7
8)が設けてあり、この検油口(78)から検油棒(80)がクラ
ンク室(51)内に挿入されている。この検油口(78)には、
検油棒(80)の棒基端側に固設した検油口キャップ(82)が
開閉自在に蓋してあり、クランク室(51)内のブローバイ
ガス(BG)がこの検油口(78)から漏れないように密封して
ある。
【0050】◎第2実施例 (方法発明1に対応する。図1、図5、図8及び図9参
照)次に、エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収
容方法の実施例を、上記第1実施例に記載の装置を用い
て説明する。
【0051】[A]オイルのクランク室内侵入状態 エンジン(E)が運転を停止している状態では、クランク
室(51)内およびクランク室外オイル収容室(58)内が、と
もに大気圧状態となっている。このため、クランク室内
オイル受け室(52)内のオイルの油面(L1)は、クランク室
外オイル収容室(58)内のオイルの油面(L2)と同じ高さに
まで上昇しており、規定油面(L0)よりも高くなって、ク
ランク室(51)内に侵入している。
【0052】[B]オイルの押出しによる移送 エンジン(E)が運転を開始すると、燃焼室内の膨張ガス
の一部がピストン(22)とシリンダ(22)との摺動面間から
洩れ、これがブローバイガス(BG)となってクランク室(5
1)内へ流入し始めるので、クランク室(51)の内圧が上昇
していく。
【0053】クランク室(51)内のオイルは、このブロー
バイガス圧(Pb)により下方へ押される。そしてこのオイ
ルは、連通路入口(62)から、室間連通路(61)・左右の各
ガス分離室(66)・および左右の各油孔(67)を順に通っ
て、左右の各クランク室外オイル収容室(58)の外側収容
室部分(53)に流れ込み、更に各油連通孔(56a)から各内
側収容室部分(55)にも流れ込む。これにより、クランク
室内オイル受け室(52)の油面(L1)は、規定油面(L0)にま
で押し下げられ、各クランク室外オイル収容室(58)の油
面(L2)が押し上げられていく。
【0054】[C]空気の排出 左右の各クランク室外オイル収容室(58)内の油面上の空
気は、内部の油面(L2)の上昇に伴い、空気押出し路(74)
を通ってオイル分離器(76)へ押し出される。この押し出
された空気は、さらにブリーザパイプ(77)および吸気路
を経て燃焼室に吸い込まれる。
【0055】すなわち、左側の内側収容室部分(55)内の
空気は通気長孔(56b)から、また、外側収容室部分(53)
内の空気は長溝孔(72)から、それぞれオイル分離室(70)
を経てオイル分離器(76)へ押し出される。
【0056】一方、右側の外側収容室部分(53)内の空気
は、右側の通気長孔(56b)から右側の内側収容室部分(5
5)内に入り、この内側収容室部分(55)内の空気ととも
に、ガス連通路の下降状始端部(73a)・横断状中間部(7
3b)・上昇状終端部(73c)・左側の内側収容室部分の気
層空間(55a)・左側の通気長孔(56b)・及びオイル分離
室(70)を順に経て、オイル分離器(76)へ押し出される。
【0057】[D]ブローバイガスの導出 エンジン(E)が運転を開始して間もなくすると、クラン
ク室内オイル受け室(52)内の油面(L1)が規定油面(L0)に
まで押し下げられる。これにより、上述の [B]オイルの
押出しによる移送、および[C]空気の排出 が終了し、次
に説明するブローバイガスの導出が始まる。このブロー
バイガスの導出は、エンジン(E)が停止するまで継続さ
れる。
【0058】クランク室内オイル受け室(52)の油面(L1)
が規定油面(L0)にまで低下すると、この油面(L1)上に室
間連通路(61)の連通路入口(62)が開口する。クランク室
(51)内のブローバイガス(BG)は、この開口した連通路入
口(62)から室間連通路(61)に流れ込み、左右の各ブリー
ザ導出経路(75)へ分流したのち、合流したオイル分離器
(76)へ押し出される。そして、このオイル分離器(76)か
ら、ブリーザパイプ(77)および吸気路を経て燃焼室に吸
い込まれる。
【0059】すなわち、左側のブリーザ導出経路(75)へ
分流したブローバイガス(BG)は、左側のガス分離室(66)
でオイルから分離され、ガス分離室(66)内を上昇して分
離ガス出口(68)から左側の内側収容室部分(55)の気層空
間(55a)に流れ込む。一方、右側のブリーザ導出経路(7
5)へ分流したブローバイガス(BG)は、右側のガス分離室
(66)で左側と同様にオイルから分離され、右側の内側収
容室部分(55)の気層空間(55a)・ガス連通路(73)の下
降状始端部(73a)・横断状中間部(73b)・上昇状終端部
(73c)を順に通過して、左側の内側収容室部分の気層空
間(55a)に流れ込み、ここで左側に分流していたブロー
バイガス(BG)と合流する。こうして合流したブローバイ
ガス(BG)は、通気長孔(56b)およびオイル分離室(70)を
順に通って、オイル分離器(76)に流れ込む。
【0060】なお、ブローバイガス(BG)中のオイルミス
トは、オイル分離室(70)およびオイル分離器(76)で分離
されたのち、オイル分離室(70)から長溝孔(72)を通って
左側の外側収容室部分(53)へ戻される。
【0061】[E]オイルのクランク室内への逆流 エンジン(E)が運転を停止すると、クランク室(51)内は
次第に大気圧に戻る。この圧力低下により、クランク室
外オイル収容室(58)内へ押し出されていたオイルが室間
連通路(61)を通ってクランク室(61)内に逆流する。そし
て、クランク室内オイル受け室(52)内のオイルの油面(L
1)が、クランク室外オイル収容室(58)内の油面(L2)と同
じ高さになるまで上昇すると、オイルの逆流が停止す
る。これにより、上記[A]で説明した、オイルのクラン
ク室内侵入状態に戻る。
【0062】◎上記第1実施例および第2実施例の構成
の各部が有する利点 上記第1実施例および第2実施例における構成要素の各
部は、それぞれ次に述べる利点を有する。
【0063】1. クランク室外オイル収容室(58)は、ク
ランクケース(8)の左右に別けて配置されているので、
エンジン本体(1)への補器類(2〜6)の配設によるデッ
ドスペースを有効に利用してクランク室外オイル収容室
(58)を配置でき、エンジン(E)全体の横幅を小さくする
ことができる。
【0064】2. クランク室外オイル収容室(58)のう
ち、内側収容室部分(55)がクランクケース横側壁(8)の
凹入壁部分(8a)に形成してあるので、凹凸状のクランク
ケース横側壁(8)の外側の空間を有効に活用できる。
【0065】3. 上記内側収容室部分(55)を取り囲む環
状リブ(54)が、上記凹入壁部分(8a)から一体に突設され
ているので、クランクケース(7)及び内側収容室部分(5
5)の機械的強度を向上できるうえ、振動の発生を抑えて
防音性能を向上できる。
【0066】4. クランク室外オイル収容室(58)のう
ち、外側収容室部分(53)がエンジンスタンド(6)の箱型
部(6a)に形成してあるので、エンジンスタンド周囲の空
間を活用できるうえ、クランク室外オイル収容室専用の
容器が省略でき製造コストを低減できる。
【0067】5. 左右のエンジンスタンド(6)は、クラ
ンクケース(7)へ固定する箱型部(6a)がそれぞれ同型に
形成してあり、7本のボルト(6b)の取付位置も左右の両
側面においてそれぞれ同じ位置関係に表示される。そし
て両エンジンスタンド(6)のその他の部分は互いに左右
対称に形成してある。これにより、左右のエンジンスタ
ンドを互いに入れ替えて取付るだけで、エンジンスタン
ドのうちラジエータの支持部をエンジンの後側に配置で
き、ラジエータを後側に配置したエンジンに適用でき
る。
【0068】6. 室間連通路(61)の連通路入口(62)は、
クランク室内オイル受け室(52)の前後方向および左右方
向のほぼ中央部に臨ませてあるので、エンジン(E)の潤
滑性能を確保するためのエンジン許容傾斜角を大きくで
きる。
【0069】7. ガス分離室(66)、及びガス連通路(73)
の下降状始端部(73a)並びに上昇状終端部(73c)の、そ
れぞれ前後を区画する縦リブ(63・64)が、上記クランク
ケース横側壁(8)の凹入壁部分(8a)から一体に突設され
ているので、製造コストを低くできるとともに、クラン
クケース(7)及び内側収容室部分(55)の機械的強度を向
上できる。
【0070】8. 下降状始端部(73a)並びに上昇状終端
部(73c)の各後側の縦リブ(64)とこれに対向する押えリ
ブ(65)は、左右のガス分離室(66)の各前側の縦リブ(63)
とこれに対向する各押えリブ(65)がそれぞれ兼ねてお
り、安価に実施できる。
【0071】9. ガス分離室(66)、およびガス連通路(7
3)の下降状始端部(73a)並びに上昇状終端部(73c)の、
それぞれの横外側面を区画する部材が、内・外側収容室
部分(55・53)間のガスケット(56)で構成されるので、安
価に実施できる。
【0072】10. オイル分離室(70)は外側収容室部分(5
3)内に一体に形成してあるので、その分、部品点数が少
なく済む。
【0073】11.クランク室(51)内から室外へ導出され
るブローバイガス(BG)は、ガス分離室(66)でオイルから
分離されて上昇し、クランク室外オイル収容室(58)内の
オイル収容空間には流入せずに分離ガス出口(68)からオ
イル分離室(70)へと導出される。このため、クランク室
外オイル収容室(58)内のオイルは、ブローバイガス(BG)
との接触による劣化が防止される。
【0074】12. 左右のクランク室外オイル収容室(58
・58)の気層空間同士がガス連通路(73)を介して互いに
連通しているので、両クランク室外オイル収容室(58・5
8)から導出するブローバイガス(BG)を通過させるオイル
分離器(76)は、設置個数が1つで済む。
【0075】13. 検油口(78)がクランク室(51)内に連通
しているため、検油口キャップ(82)を外すとクランク室
(51)の内圧が大気圧に低下する。この結果、クランク室
外オイル収容室(58)に押し上げられていたオイルがクラ
ンク室内オイル受け室(52)内に素早く戻るので、短時間
に検油できる。
【0076】◎上記第1実施例および第2実施例の変形
例 上記第1実施例および第2実施例において、その一部を
それぞれ次の各項のように変更することが考えられる。 [A]エンジンの形式について 本願発明の方法および装置を用いるエンジンは、クラン
ク室内にブローバイガスを生じるものであればよく、次
の形式のエンジンに適用できる。 1. 直噴式ディーゼルエンジンなど、他の形式のディー
ゼルエンジン。 2. ガソリンエンジンなど、火花点火式エンジン。 3. 頭上カム式エンジンや側弁エンジン。 4. シリンダが傾斜した傾斜形エンジンや、横形エンジ
ン。 5. 単気筒エンジンや、3気筒以上のエンジン。 6. 強制空冷エンジンや、油冷エンジンなど、他の冷却
方式のエンジン。
【0077】[B]クランク室内オイル受け室について 1. 図11に示すように、シリンダブロック(11)の下側
に、オイルパン(14)に代えて底板(83)を固設したもの。
【0078】[C]クランク室外オイル収容室について 1. クランク室外オイル収容室を1つ、または3つ以上
設けたもの。 2. 収容室タンクをエンジンスタンドとは別に設けたも
の。 3. クランク室外オイル収容室をクランクケースと一
体、または別体に形成したもの。 4. 平面視でクランクケースを取り囲むドーナツ状やU
字状など、箱状以外の形状に形成したもの。 5. シリンダブロックの横側上部や、シリンダヘッドの
横側部、エンジン本体とは離隔した部位など、クランク
ケース横側壁以外の位置に設けたもの。
【0079】[D]室間連通部について 1. クランクケース下壁や前後壁など、ケース壁内に設
けたもの。 2. 図11に示すように、クランク室内の配管を省略
し、クランクケース(7)のケース横側壁(8)に連通孔を
開口して、この連通孔を室間連通部(61)に構成したも
の。 3. クランク室内に配管したもの。 4. 図13に示すように、クランクケース(7)下部に連
通路入口(62)を設け、この連通路入口(62)からクランク
室外オイル収容室(58)へクランク室外に配管したもの。
【0080】[E]ガス分離室について 1. 図12に示すように、ガス分離室を省略したもの。 2. 図14に示すように、ガス分離室の横外側面を区画
するガスケットに代え、前後の縦リブのリブ間のみを区
画する幅の蓋板(84)を用いたもの。 3. クランクケース内にガス分離室を設けたもの。
【0081】[F]ガス連通路について 1. 中間壁の前方突条内の通路に代えて、クランクケー
ス下壁や前後壁など、ケース壁内に設けたもの。 2. ガス分離室の横外側面を区画するガスケットに代え
て、前後の縦リブのリブ間のみを区画する幅の蓋板を用
いたもの。 3. 図15に示すように、クランク室内の上部に配管し
たもの。 4. 図16に示すように、ガス連通路の一端部をクラン
クケース横側壁の上部に位置させ、他端部(73a)をケー
ス横側壁の外側面に垂直状に配置して構成したもの。 5. 下降状始端部または上昇状終端部を、縦リブ間空間
に代えて、配管で構成したもの。 6. クランク室外に配管したもの。
【0082】[G]オイル分離室、オイル分離器について 1. 例えば図13、図15または図16に示すように、
オイル分離室を省略し、オイル分離器をクランク室外オ
イル収容室の気層空間に直接連通したもの。 2. 複数のクランク室外オイル収容室と同じ数のオイル
分離器を設け、各クランク室外オイル収容室をそれぞれ
別の各オイル分離器に連通したもの。 3. 図17に示すように、各クランク室外オイル収容室
からそれぞれブリーザ導出経路(75)用の導出管を配管
し、1つのオイル分離器に連通したもの。 4. オイル分離器を、シリンダヘッド横側部など、クラ
ンク室外オイル収容室とは離れた位置に配設したもの。 5. オイル分離器を省略し、各クランク室外オイル収容
室の上部に空気連通孔を設けて、外気に連通させたも
の。
【0083】◎第3実施例 (装置発明4に対応する。図18参照)図18は、上記
第1実施例と同形式のエンジンのヘッドカバーの縦断正
面図を示す。
【0084】本実施例では、ブリーザ導出経路の構造が
次のように構成されている。即ち、ブリーザ導出経路(7
5)は、クランク室(51)から、ヘッドカバー(13)に付設し
た移送圧設定用リリーフ弁(85)を経由して、オイル分離
器(76)へ至るように走らせてある。この移送圧設定用リ
リーフ弁(85)の開弁作動圧力は、クランク室(51)内のオ
イルの油面(L1)を規定油面(L0)にまで押し下げる圧力と
ほぼ等しい圧力に設定してある。なお、本実施例の他の
構成は、上記第1実施例と同じ構造であるので説明を省
略する。
【0085】次に、この第3実施例の装置を用いて、ク
ランク室内オイル受け室内のオイルをクランク室外オイ
ル収容室へ移送する手順を説明する。エンジン(E)の運
転停止状態では、クランク室(51)は大気圧状態である。
このため、クランク室(51)内に連通している上記移送圧
設定用リリーフ弁(85)は、クランク室内がリリーフ設定
圧よりも低圧状態であるため閉弁されており、ブリーザ
導出経路(75)は遮断されている。
【0086】エンジン(E)の運転開始とともに、ブロー
バイガス(BG)がクランク室(51)内へ流入し始めるが、ブ
リーザ導出経路(75)は遮断されているので、クランク室
(51)内に溜まるブローバイガス(BG)はクランク室(51)外
に導出されない。このため、エンジン(E)の運転ととも
に、上記クランク室(51)内のブローバイガス圧力(Pb)が
リ高まり、このブローバイガス圧力(Pb)によりクランク
室(51)内のオイルがクランク室外オイル収容室(58)へ移
送される。
【0087】クランク室(51)内のブローバイガス圧力(P
b)がさらに高まって、クランク室内オイル受け室(52)内
の油面(L1)が規定油面(L0)に達すると、上記移送圧設定
用リリーフ弁(85)が開弁作動し、ブリーザ導出経路(75)
が連通する。この結果、クランク室(51)内のブローバイ
ガス(BG)はブリーザ導出経路(75)からクランク室(51)外
へ導出され、クランク室(51)の内圧はリリーフ設定圧に
保持されるて、クランク室内オイル受け室(52)内の油面
(L1)が規定油面(L0)に維持される。
【0088】なお、本実施例3の変形例として、移送圧
設定用リリーフ弁(85)をギヤケース(15)の上部など、ク
ランク室(51)内と連通する他の位置に設け、この移送圧
設定用リリーフ弁(85)を経由してクランク室(51)外へ走
らせるように構成することができる。
【0089】◎第4実施例 (装置発明2及び装置発明3に対応する。図19ないし
図24参照)図19ないし図23は、強制水冷横形縦軸
2気筒頭上弁うず室式ディーゼルエンジンの潤滑装置の
クランク室外オイル収容装置を示す。
【0090】[A]エンジン本体の基本構造 図19はエンジン本体の中央縦断正面図、図20はギヤ
ケース部での横断底面図である。図19及び図20に示
すように、シリンダブロック(11)の左側にシリンダヘッ
ド(12)及びヘッドカバー(13)が順に固定され、そのシリ
ンダブロック(11)の下側にギヤケース(15)、後側面の下
半部にフランジ形燃料噴射ポンプ(17)のポンプハウジン
グ、下壁外面に潤滑ポンプ(19)が、それぞれ固設されて
いる。
【0091】2つのシリンダ(21)には、それぞれピスト
ン(22)が左右摺動自在に内嵌してある。各ピストン(22)
は、各コンロッド(23)を介して、クランク軸(24)の2つ
のクランクピン(25)にそれぞれ連接してある。2つのク
ランクピン(25)は、回転の位相が互いに180゜異な
る。クランク軸(24)は、クランクケース(7)およびギヤ
ケース(15)内を上下に貫通し、クランクケース(7)の下
壁(26)・中間壁(27)・及び上壁(28)にトンネル形軸受装
置(29)を介して、回転自在に枢支されている。
【0092】このクランク軸(24)には、ギヤケース(15)
の底壁(30)外でファン駆動プーリ(34)が、ギヤケース(1
5)内でクランクギヤ(36)が、クランクケース上壁(28)外
でフライホイル(35)が、それぞれ固定されている。
【0093】ギヤケース(15)内には、調時伝動ギヤ(36
〜39)と、潤滑ポンプ(19)と、ガバナ装置(49)とが収容
されている。この調時伝動ギヤ(36〜39)は、クランクギ
ヤ(36)にアイドルギヤ(37)を介して動弁カムギヤ(38)と
燃料噴射カムギヤ(39)とが連動連結されている。また、
クランクギヤ(36)にオイルポンプギヤ(41)を介して、潤
滑ポンプ(19)が連動連結されている。
【0094】[B]潤滑装置のクランク室外オイル収容装
置の構造 図21はクランク室内オイル受け室からクランク室外オ
イル収容室へのオイルおよびブローバイガスの流れを示
すエンジンの縦断面図であり、図21(A)はエンジン本
体のシリンダブロック部の縦断面図、図21(B)はガス
分離室周辺の拡大図である。図22はヘッドカバー内空
間からのオイル戻し通路を示すエンジンの要部縦断面図
であり、図22(A)はギヤケースおよびシリンダブロッ
クの一部縦断面図、図22(B)はシリンダブロックの左
側面前部下方から見た蛙瞰図である。図23はギヤケー
スの底面図、図24は図23のX−X線矢視断面展開図
である。
【0095】[B1]クランク室内オイル受け室およびクラ
ンク室外オイル収容室の構造 図21に示すように、クランク室(51)の下部と連通する
ギヤケース(15)内に、クランク室内オイル受け室(52)が
設けてある。そして、シリンダブロック(11)の右側面
に、クランク室外オイル収容室(58)が設けてある。
【0096】このクランク室外オイル収容室(58)は、シ
リンダブロック(11)の右側面およびギヤケース(15)の右
側面に亘って、ガスケット(56)を介して固設した収容室
タンク(57)内に形成されている。この収容室タンク(57)
はクランク室(51)側を開口した箱形に形成されており、
上記ガスケット(56)によりクランク室(51)内およびギヤ
ケース(15)内と区画されている。
【0097】[B2]クランク室内オイル受け室とクランク
室外オイル収容室との連通構造 クランク室内オイル受け室(52)は、室間連通孔(61)・ガ
ス分離室(66)・及び油孔(67)を介して、クランク室外オ
イル収容室(58)に連通している。
【0098】上記室間連通孔(61)は、ギヤケース(15)の
底壁(30)から一体にギヤケース(15)内へ突設した隔壁(6
9)に、一側面から他側面に亘って透設してあり、この室
間連通孔(61)の連通孔入口(62)がクランク室内オイル受
け室(52)内に開口している。
【0099】上記の隔壁(69)は、ギヤケース(15)の右側
端部から離隔した位置に突設してあり、この隔壁(69)の
上端は上方に位置するクランクケース下壁(26)下面に接
当している。この隔壁(69)と、ギヤケース(15)右側端を
区画する前記ガスケット(56)との間に上記ガス分離室(6
6)が形成されており、このガス分離室(66)内が上記室間
連通孔(61)を介してクランク室内オイル受け室(52)に連
通している。
【0100】このガス分離室(66)の右横側面の下部に
は、ガスケット(56)に油孔(67)が開口してある。ガス分
離室(66)は、この油孔(67)介して上記クランク室外オイ
ル収容室(58)に連通している。
【0101】ガス分離室(66)の上面を区画するクランク
ケース下壁(26)には分離ガス導出管(86)が上方に向けて
立設してある。この分離ガス導出管(84)の上部は、クラ
ンクケース(7)の中間壁(27)と上壁(28)との間で右外側
方向に曲げられ、ガスケット(56)の上寄部を突き抜け
て、先端の分離ガス出口(68)がクランク室外オイル収容
室(58)内の気層空間(59)内に開口している。
【0102】[B3]オイル移送手段の構造 エンジン(E)は室間オイル移送手段(P)を有する。この
室間オイル移送手段(P)は、エンジン(E)の運転に伴っ
て前記クランク室(51)内に発生するブローバイガス(BG)
の圧力(Pb)を利用して構成される。
【0103】すなわち、クランク室(51)内へのブローバ
イガス圧力(Pb)により、まずクランク室内オイル受け室
(52)内のオイルを、ギヤケース(15)内の隔壁(69)に設け
た連通孔入口(62)から室間連通孔(61)・ガス分離室(66)
・および油孔(67)を介して、クランク室外オイル収容室
(58)に流れ込ませて押し上げる。
【0104】このクランク室外オイル収容室(58)へのオ
イルの流入により、クランク室外オイル収容室(58)内の
油面が上昇し、気層空間(59)にある空気がクランク室外
オイル収容室(58)外へ押し出される。その後、クランク
室(51)内に溜まるブローバイガス(BG)を、ブリーザ導出
経路(75)を通じてクランク室(51)の外側へ導出するよう
に構成してある。
【0105】[B4]ブリーザ導出経路の構造 上記のブリーザ導出経路(75)は、クランク室(51)内が、
ギヤケース(15)・室間連通孔(61)・ガス分離室(66)・分
離ガス導出管(86)・およびクランク室外オイル収容室(5
8)の気層空間(59)を順に介して、図外のオイル分離器に
連通するものからなる。
【0106】即ち、クランク室(51)内から室間連通孔(6
1)を経てガス分離室(66)へ流れ込んできたブローバイガ
ス(BG)は、このガス分離室(66)でオイルから分離され
る。そして、この分離されたブローバイガス(BG)は、分
離ガス導出管(84)内を上昇し、分離ガス出口からクラン
ク室外オイル収容室(58)の気層空間(59)へ案内されて、
ブローバイガス出口(75)からオイル分離装置へ導かれ
る。
【0107】[B5]クランク室内の圧力を維持する構造 図19に示すように、収容室タンク(57)の上壁に検油口
(78)が設けてあり、この検油口(78)に検油棒(80)の棒先
端側の検油部(81)が挿入されている。この検油棒(80)の
棒基端側に固設した検油口キャップ(82)を開閉可能に蓋
してあり、クランク室(51)内のブローバイガス(BG)がこ
の検油口(78)から漏れないように密封してある。
【0108】[C]潤滑装置の他のオイル移送構造 前記潤滑ポンプ(19)によりヘッドカバー(13)内へ供給さ
れたオイルは、オイル戻し通路(87)を介して、クランク
室内オイル受け室(52)へ戻される。
【0109】このオイル戻し通路(87)は、図22に示す
ように、シリンダヘッド(12)に設けたプッシュロッド孔
(45)のうち、最下位のプッシュロッド孔(45)に、オイル
流下溝(88)およびオイル戻し孔(89)を順に接続して形成
されている。なお、符号(44)はプッシュロッドを示す。
【0110】上記オイル流下溝(88)は、シリンダブロッ
ク(11)とシリンダヘッド(12)との合せ面間(46)で上記プ
ッシュロッド孔(45)から下向きに連出する状態に形成し
てあり、また、オイル戻し孔(89)はシリンダブロック(1
1)の下部肉壁(47)内を通過させて形成してある。
【0111】前記ヘッドカバー(13)内の下部空間(48)
は、このオイル戻し通路(87)を介してシリンダブロック
(11)の下側の前記ギヤケース(15)内のクランク室内オイ
ル受け室(52)に連通させてある。
【0112】ギヤケース(15)の底壁(30)には、このギヤ
ケース(15)内の各部品をそれぞれ収容するための収容凹
入穴(90〜94)が形成してあり、この収納凹入穴(90〜94)
を区画する収納部区画壁(97)に通油溝(98)が形成してあ
る。
【0113】即ち、図23及び図24に示すように、ギ
ヤケース(15)の底壁(30)には、クランクギヤ収容凹入穴
(90)、アイドルギヤ収容凹入穴(91)、動弁カムギヤ収容
凹入穴(92)、オイルポンプギヤ収容凹入穴(93)、及び、
噴射カム・ガバナ装置収容凹入穴(94)がそれぞれ形成さ
れている。この各部品収容凹入穴(90〜94)のうち、最も
低く位置させたガバナ装置収容凹入穴(94)は、他の収容
凹入穴(90〜93)との周面同士間が収容部区画壁(97)で区
画されており、この収容部区画壁(97)に通油溝(98)が形
成してある。
【0114】ガバナ装置収容凹入穴(94)の底部にはオイ
ルドレン口(95)が明けてあり、このオイルドレン口(95)
がドレン口開閉具(96)で開閉可能に閉じてある。従っ
て、ドレン操作時にオイルドレン口(95)を開くと、上記
通油溝(98)を経て他の凹入穴(90〜93)内のオイルが重力
により最低位のガバナ装置収容凹入穴(94)へ流入し、ク
ランク室内オイル受け室(52)内のオイル全体がこのオイ
ルドレン口(95)から排出される。
【0115】◎上記第4実施例の構成の各部が有する利
点 上記第4実施例における構成要素の各部は、それぞれ次
の利点を有する。
【0116】1. 収容室タンク(57)の周壁のうち、前記
シリンダ(21)から遠い側壁であるタンク外側壁(60)は、
シリンダ軸心(20)と直交する軸直交面にほぼ沿う形に形
成してある。このため、オイル収容室タンク(53)の右横
方向への出張りが少なく、エンジン全体の横幅を小さく
できる。
【0117】2. 連通孔入口(62)は、ギヤケース(15)内
の調時伝動ギヤのうち、最下位に位置するクランクギヤ
(36)の下面よりも少し上側に位置させてある。これによ
り、クランク室内オイル受け室(52)内の油面をブローバ
イガス圧力(PB)で押し下げた状態では、この油面がクラ
ンクギヤ(36)の下面よりも少し高い位置に保持され、ク
ランクギヤ(36)の回転によりオイルを跳ね掛けて調時伝
動ギヤを強力に潤滑できる。
【0118】3. ガス分離室(66)はギヤケース(15)から
一体に突設した隔壁(69)により区画して形成されるの
で、部品点数を少なくでき、安価に製造できるうえ、ギ
ヤケースの強度を向上できる。
【0119】4. クランク室(51)内からオイルに混って
ガス分離室(66)へ流れ込んできたブローバイガス(BG)
は、ガス分離室(66)内でオイルから分離されて、分離ガ
ス導出管(84)内を上昇し、クランク室外オイル収容室(5
8)のオイル収容空間には流れ込まない。このため、クラ
ンク室外オイル収容室内のオイルはブローバイガスとの
接触による劣化が防止される。
【0120】5. 検油口(78)の下側に検油管(79)が斜め
下方に向けて固設してあり、この検油管(79)の下端開口
をクランク室内(51)に突入させて、検油口(78)をクラン
ク室内(51)に連通してある。従って、検油時に検油口キ
ャップ(82)を外すとクランク室(51)内が大気に連通し、
クランク室外オイル収容室(58)に押し上げられていたオ
イルがクランク室内オイル受け室(52)に素早く戻り、短
時間で検油できる。
【0121】6. ヘッドカバー(13)内の下部空間(48)
は、このオイル戻し通路(87)を介してギヤケース(15)内
のクランク室内オイル受け室(52)に連通させてある。こ
れにより、潤滑ポンプ(19)でヘッドカバー(13)内へ供給
されたオイルは、ヘッドカバー内のロッカアーム揺動領
域に滞留することなく、オイル戻し通路(87)を介して、
クランク室内オイル受け室(52)へ戻される。
【0122】7. ギヤケース内の各収納凹入穴は、収納
部区画壁(97)に設けた通油溝(98)を介して連通してお
り、各収納凹入穴(90〜93)内のオイルはこの通油溝(98)
を通って最低位のガバナ装置収容凹入穴(94)へ流入する
ので、ドレン操作時に開閉操作するドレン口開閉具(96)
はこの最低位の収容凹入穴(94)に1箇所設けるだけで済
む。
【0123】◎上記第4実施例の変形例 上記第4実施例において、その一部をそれぞれ次の各項
のように変更することが考えられる。 [A]エンジンの形式について 本願発明装置を用いるエンジンは、クランク室内にブロ
ーバイガスを生じる横形エンジンであればよく、次の形
式のエンジンに適用できる。 1. 横形横軸形式のエンジン。 2. 直噴式ディーゼルエンジンや火花点火式エンジンな
ど、他の燃焼形式のエンジン。 3. 頭上カム式エンジンや側弁エンジン。 4. 単気筒エンジンや、3気筒以上のエンジン。 5. 強制空冷エンジンや、油冷エンジンなど、他の冷却
方式のエンジン。
【0124】[B]クランク室内オイル受け室について 1. クランクケース内にクランク室内オイル受け室を設
けたもの。ギヤケースがクランクケースの上部に形成さ
れている場合や、ギヤケース内がクランク室内と連通し
ていない場合には、この変形例を適用することにより本
発明を実施できる。
【0125】[C]クランク室外オイル収容室について 1. クランク室外オイル収容室を複数設けたもの。 2. クランク室外オイル収容室をクランクケースと一
体、または別体に形成したもの。 3. シリンダブロックの上部や、シリンダヘッドの横側
部、あるいは、エンジン本体とは離隔した部位など、ク
ランクケース右側以外の位置に設けたもの。
【0126】[D]室間連通部について 1. 室間連通部を連通路で構成し、これをクランク室内
の配管や肉壁内、あるいはクランク室外に配管して設け
たもの。 2. 室間連通孔の連通孔入口を、最下位のクランクアー
ムの下面及びシリンダ孔の孔下面よりも下側に位置させ
て開口したもの。これによりクランク室内オイル受け室
内の油面を、ブローバイガス圧力で押し下げた状態で
は、最下位のクランクアームの下面及びシリンダ孔の孔
下面よりも下側に保持できる。 3. 室間連通孔の連通孔入口を、最下位の調時伝動ギヤ
の下面よりも下側に位置させて開口したもの。これによ
りクランク室内オイル受け室内の油面を、ブローバイガ
ス圧力で押し下げた状態では、最下位の調時伝動ギヤの
下面よりも下側に保持でき、オイルの撹拌による劣化を
防ぐことができる。
【0127】[E]ガス分離室について 1. ガス分離室を省略したもの。 2. 隔壁をクランクケース下壁から下方に向けて突設し
たもの。 3. ガス分離室を、ギヤケース内に形成する代わりに、
クランクケース内の下部空間や、オイル収容室タンク内
に設けたもの。
【0128】[F]ブリーザ導出経路について 1. 図25に示すように、分離ガス導出管(86)の上端を
クランクケース上壁(28)に挿通して、分離ガス出口(68)
をクランク室外に開口し、これを図外のオイル分離器に
連通したもの。 2. 図26に示すように、オイル分離器(76)を、収容室
タンク(57)の上部に設けたもの。 3. オイル分離器を省略し、クランク室外オイル収容室
(58)の上部に空気連通孔を設けて、大気に連通させたも
の。
【0129】[G]検油口について 1. 図26に示すように、検油口(78)をクランクケース
上壁(28)に設けたもの。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のエンジンの潤滑装置のクランク室
外オイル収容装置を示し、クランク室内オイル受け室か
らクランク室外オイル収容室へのオイルおよびブローバ
イガスの流れを示す概略斜視図である。
【図2】エンジンの全体の斜視図である。
【図3】エンジン本体の斜視図である。
【図4】エンジン本体の左側面図である。
【図5】エンジン本体の中央縦断右側面図
【図6】エンジン本体の前側シリンダの中央部での縦断
正面図である。
【図7】エンジン本体のギヤケース部での縦断正面図で
ある。
【図8】エンジンのシリンダブロック部の縦断正面図で
あり、図8(A)は図5のIA-IA線断面図、図8(B)は図
5のIB-IB線断面図である。
【図9】図8(A)のIX部の分解斜視図である。
【図10】エンジンのヘッドカバー部の縦断正面図であ
る。
【図11】第1実施例の変形例を示す、図8(B)相当図
である。
【図12】別の変形例を示す、クランク室外オイル収容
室周辺の縦断面図である。
【図13】別の変形例を示す、図12相当図である。
【図14】別の変形例を示す、ガス分離室の斜視図であ
る。
【図15】別の変形例を示す、図8(B)相当図である。
【図16】別の変形例を示す、図8(B)相当図である。
【図17】別の変形例を示す、図8(B)相当図である。
【図18】第3実施例のエンジンのヘッドカバー部の縦
断正面図である。
【図19】第4実施例のエンジン本体の中央縦断正面図
である。
【図20】ギヤケース部での横断底面図である。
【図21】クランク室内オイル受け室からクランク室外
オイル収容室へのオイルおよびブローバイガスの流れを
示すエンジンの縦断面図であり、図21(A)はエンジン
本体のシリンダブロック部の縦断面図、図21(B)はガ
ス分離室周辺の拡大図である。
【図22】ヘッドカバー内空間からのオイル戻し通路を
示すエンジンの要部縦断面図であり、図22(A)はギヤ
ケースおよびシリンダブロックの一部縦断面図、図22
(B)はシリンダブロックの左側面前部下方から見た蛙瞰
図である。
【図23】ギヤケースの底面図である。
【図24】図23のX−X線での矢視断面展開図であ
る。
【図25】第4実施例の変形例を示し、オイル収容部の
要部縦断正面図である。
【図26】第4実施例の他の変形例を示す、図25相当
図である。
【図27】従来技術1を示すエンジンの潤滑装置のクラ
ンク室外オイル収容装置の概略縦断面図である。
【図28】従来技術2を示す図27相当図である。
【図29】従来技術3を示し、図29(A)は図27相当
図、図29(B)は同要部の拡大縦断面図である。
【図30】従来技術4を示す図27相当図である。
【符号の説明】
1…エンジン本体、51…クランク室、52…クランク室内
オイル受け室、58…クランク室外オイル収容室、61…室
間連通部、75…ブリーザ導出経路、85…移送圧設定用リ
リーフ弁、E…エンジン、L1…クランク室内の油面、L2
…クランク室外オイル収容室内の油面、BG…ブローバイ
ガス、P…室間オイル移送手段、Pb…ブローバイガス圧
力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 信裕 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 山本 昌一 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 渡辺 豊 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 早谷 章 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)のクランク室(51)内の下部
    にクランク室内オイル受け室(52)を設け、このクランク
    室(51)の外部にクランク室外オイル収容室(58)を設け、
    そのクランク室内オイル受け室(52)を室間連通部(61)を
    介して上記クランク室外オイル収容室(58)に連通させ、 そのエンジン(E)は室間オイル移送手段(P)を有し、こ
    の室間オイル移送手段(P)は、上記クランク室内オイル
    受け室(52)内のオイルを上記室間連通部(61)からクラン
    ク室外オイル収容室(58)へ移送して、このクランク室外
    オイル収容室(58)内の油面(L2)をそのクランク室内オイ
    ル受け室(52)の油面(L1)よりも高く保持するように構成
    した、エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容方
    法において、 前記室間オイル移送手段(P)は、前記エンジン(E)の運
    転に伴って前記クランク室(51)内に発生するブローバイ
    ガス(BG)の圧力(Pb)を利用して構成し、 このクランク室(51)内のブローバイガス圧力(Pb)によ
    り、前記クランク室内オイル受け室(52)内のオイルを前
    記室間連通部(61)から前記クランク室外オイル収容室(5
    8)に流れ込ませて押し上げるように構成したことを特徴
    とするエンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容方
    法。
  2. 【請求項2】 エンジン(E)のクランク室(51)内の下部
    にクランク室内オイル受け室(52)を設け、このクランク
    室(51)の外部にクランク室外オイル収容室(58)を設け、
    そのクランク室内オイル受け室(52)を室間連通部(61)を
    介して上記クランク室外オイル収容室(58)に連通させ、 そのエンジン(E)は室間オイル移送手段(P)を有し、こ
    の室間オイル移送手段(P)は、上記クランク室内オイル
    受け室(52)内のオイルを上記室間連通部(61)からクラン
    ク室外オイル収容室(58)へ移送して、このクランク室外
    オイル収容室(58)内の油面(L2)をそのクランク室内オイ
    ル受け室(52)の油面(L1)よりも高く保持するように構成
    した、エンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容装
    置において、 前記室間オイル移送手段(P)は、前記エンジン(E)の運
    転に伴って前記クランク室(51)内に発生するブローバイ
    ガス(BG)の圧力(Pb)を利用して構成し、 このクランク室(51)内のブローバイガス圧力(Pb)によ
    り、前記クランク室内オイル受け室(52)内のオイルを前
    記室間連通部(61)から前記クランク室外オイル収容室(5
    8)に流れ込ませて押し上げるように構成したことを特徴
    とするエンジンの潤滑装置のクランク室外オイル収容装
    置。
  3. 【請求項3】 前記クランク室(51)内に溜まるブローバ
    イガス(BG)を、ブリーザ導出経路(75)を通じて、クラン
    ク室(51)の外側へ導出可能に構成し、 このブリーザ導出経路(75)をクランク室(51)から前記室
    間連通部(61)を経由してクランク室(51)の外側へ走らせ
    るという構造により、前記ブローバイガス圧力(Pb)を利
    用した室間オイル移送手段(P)を構成したことを特徴と
    する請求項2に記載のエンジンの潤滑装置のクランク室
    外オイル収容装置。
  4. 【請求項4】 前記クランク室(51)内に溜まるブローバ
    イガス(BG)を、ブリーザ導出経路(75)を通じて、クラン
    ク室(51)の外側へ導出可能に構成し、 このブリーザ導出経路(75)に移送圧設定用リリーフ弁(8
    5)を設け、この移送圧設定用リリーフ弁(85)で上記クラ
    ンク室(51)内のブローバイガス圧力(Pb)をリリーフ作動
    圧にまで高めるという構造により、前記ブローバイガス
    圧力(Pb)を利用した室間オイル移送手段(P)を構成した
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの潤滑装置
    のクランク室外オイル収容装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3087908B2 (ja) * 1991-06-21 2000-09-18 アルバール スプリング・レール・ファスナ取り付け工具

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3087908B2 (ja) * 1991-06-21 2000-09-18 アルバール スプリング・レール・ファスナ取り付け工具

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