JPH0513088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、スライドフイルムの画像に拡散光を
透過させ、その光をイメージセンサによつて読取
るための装置に関し、特に、スライドフイルムの
枠部分を最初に認識させることによつて、スライ
ドフイルムの画像情報を正確に再現出来るように
構成してなるスライド画像読取り装置に関する。

（従来の技術） スライドフイルムの画像に光を透過させ、その
情報を再現するための装置としては、通常のスラ
イド装置等が一般的ではあるが、最近は、スライ
ドフイルムの画像をテレビ画面に再現出来るよう
な装置が用いられている。

このようなスライドフイルムの画像をテレビ画
面に再生する装置においては、画像の走査が比較
的粗くとも、人間の目には比較的鮮明なものと認
識されるが、それをハードコピーとして再現した
場合には、写真に比較して非常に画面の荒れが目
立つものとなる。

また、スライドフイルムまたはネガフイルムの
画像を読取つて再現するための装置においては、
フイルムにレツド、ブルー、グリーン等の色の異
なるランプを用いて、色毎に照射し、その画像情
報をイメージセンサにより読取り、それらの色を
重ねた状態で再現を行うような構成のものが用い
られている。

そして、上記したような装置においては、スラ
イドフイルムを保持したフイルム保持装置を色毎
に複数回スキヤンを繰り返し、そのスライドフイ
ルムの画像情報を入力させるようなことが行われ
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記したような従来の装置にお
いて、フイルム保持装置は主走査方向にも副走査
方向にもバラツキがあり、走査した画像情報の周
囲に黒枠が生じないようにするためには、枠の部
分にマスキングを施すことが必要である。

ところが、上記したように、スライドフイルム
の枠の部分にマスキングを行うためには、枠の内
側のアパーチヤー部分に対して余分にカツト処理
を行うことが必要であり、それによつて、画像面
が欠落して終う等の欠点が発生しやすいものとな
つている。

上記したような画像の周囲の欠落の問題は、通
常の写真の焼付け等においても発生するものであ
るが、イメージセンサによつて電気信号に変換す
る場合には、画像の面に黒枠が生じないようにす
るために、フイルムの製造誤差等を見込んで余分
に周囲のカツトを行うことになるために、スライ
ドフイルムの全体の情報を、忠実に再現出来ない
という問題点は避けられないこととなつている。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられて
いる装置の欠点を解消するもので、スライドフイ
ルムの画像を読み取る前の段階で、枠の部分に他
の光源からの光を照射し、その枠の情報をあらか
じめ入力しておくことによつて、余分な画像の欠
落を防止出来るような装置を提供することを目的
としている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案のスライド画像読取り装置は、拡散光を
スライドフイルムに通過させ、光源と反対側に設
けたレンズで収光し、イメージセンサでスライド
フイルムの画像情報を読取る装置において、スラ
イドフイルムの画像情報の読取りの前の段階で、
該フイルムの枠の情報を検知するための枠情報検
知手段を設け、該検知手段によつて得られた枠の
情報によつて、アパーチヤーを透過した光に対す
る画像情報のマスキングを行い得るように構成し
てなる装置である。

また、本考案の装置においては、スライドフイ
ルムに対して、レンズと同じ側にランプを設け、
そのランプの光によつて照射されたスライドフイ
ルムのアパーチヤーと枠との反射光量の違い等に
より、枠の情報をふらかじめ検知させるように構
成している。

さらに、本考案のスライド画像読取り装置にお
いては、前記スライドの枠の認識に際して、枠の
２つのコーナーだけを認識させることによつて、
マスキングを行い得るようにすることが可能であ
る。

したがつて、本考案のスライド画像読取り装置
においては、画像情報の走査の前に、そのスライ
ドフイルムの枠の情報を正確に認識することが可
能であるために、スライドフイルムの画像面の全
体を正確に再現出来ることになり、有用な情報を
マスキングによつて欠くことがなくなる。

（実施例） 図示された実施例に従つて、本考案のスライド
画像読取り装置の鋼製を説明する。

第１図に示されるように本考案のスライド画像
読取り装置は、スライドフイルム２０を保持する
ためのフイルム保持装置１０と、そのフイルムの
両側に設けられる円筒状光源１、拡散フイルター
２およびレンズ３、ラインイメージセンサ４とか
ら構成される。本考案の装置において、円筒状光
源１は蛍光灯等のような長尺の光源であり、その
光を拡散フイルター２を通してフイルム画像面に
照射し、その透過光をレンズ３で集光し、ライン
イメージセンサ４に結像させるようにする。

この装置において、ラインイメージセンサ４と
しては、CCD（光電変換素子）を１列に縦方向に
並べて形成したものを用いているもので、フイル
ムを透過した画像の光情報を電気信号に変換し、
その出力を図示を省略した記憶装置、または、印
字装置等の付属装置に向けて出力するようになつ
ている。

本考案のスライドフイルム２０の保持を行うた
めのフイルム保持装置１０は、矢印Ｂで示される
画像の走査方向に移動可能に設けられたベツド１
１と、そのベツド１１上に固定されたＬ型支持板
１２とからなり、そのＬ型支持板１２の垂直部分
１２ａには窓１３が形成されている。この窓１３
は、スライドフイルム２０のアパーチヤーに対応
して形成されており、スライドフイルム２０のア
パーチヤー２２が窓１３に保持されるようにな
る。

また、スライドフイルム２０をフイルム保持装
置１０に装着する際には、Ｌ型支持板１２の垂直
部分１２ａの両側に設けられた板バネ１５，１５
ａに対して、スライドフイルム２０を矢印Ａ方向
に挿入することによつて行われる。したがつて、
そのようにしてスライドフイルムを垂直部分１２
ａに装着し、スライドフイルム２０の下端部をス
トツパー１６に当接させると、Ｌ型支持板１２の
窓１３とスライドフイルム２０のアパーチヤーと
が一致した状態に設定される。

本考案の装置においては、上記フイルム保持装
置１０のレンズ３側の所定の位置にランプ５を設
けている。このランプ５は、第１図および第２図
に示されるように、フイムを透過した光の通路の
外側に位置するような状態で設けるもので、画像
情報の読取りに際しての邪魔にならないようにさ
れる。

上記したように構成された本考案の装置におい
て、スライドフイルムの画像情報の読取りを行う
前に、円筒状光源１を消灯し、ランプ５を点灯
し、ランプ５の反射光の検知を行うが、その場合
に、スライドフイルム２０からの光をラインイメ
ージセンサ４によつて読取り、第３図に示される
ような、スライドフイルム２０のアパーチヤー２
２と枠２１との反射光量の違いを検知するように
する。

つまり、通常のスライドフイルムにおいては、
枠２１の部分で反射光量が多く、フイルム部分で
は少ないものであるから、その情報を読取ること
によつて、枠２１とアパーチヤー２２とを判別す
ることが可能になる。そして、枠２１の認識が終
了した後で、ランプ５を消灯し、円筒状光源１を
点灯することによつて、フイルム画像の読取りの
動作を行う。

また、枠２１の認識に際しては、ランプ５を用
いることなしに、円筒状光源１を用いてアパーチ
ヤー２２の透過光をラインイメージセンサ４で読
取り、その枠２１の検知を行うことも、制御装置
のプログラムを若干変更することによつて可能に
なる。そして、そのようにプログラムを組んだ場
合には、その画像読取り装置の構成を簡単なもの
に出来ることにもなる。

さらに、本考案のスライド画像読取り装置にお
いては、枠の情報を認識する際に、スライドフイ
ルム２０の枠２１に対して、Ａ点とＢ点とを認識
させるようにし、その他の部分に対しては、ベツ
ド１１の移動速度を速く設定することも可能であ
り、また、Ａ、Ｂ点を読み取ることに代えて、Ａ
点のみを認識させ、Ｂ点部分を自動的に設定出来
るようにすることも可能であるが、その場合に
は、Ｂ点部分は余分にマスキングが行なわれるよ
うになる。

上記したようにして枠部分の検知を行うことに
よつて、従来の装置においては、第３図に示され
るスライドフイルム２０において、フイルム保持
装置１０に対してスライドフイルム２０を挿入す
る際に、そのスライドフイルムの位置決めのバラ
ツキが横方向に対して約１mm程度必要とされる。
さらに、それに加えて、スライドフイルムの横方
向のサイズのバラツキが±0.8mm、アパーチヤー
の横方向のバラツキが±0.5mmであつたために、
実際には、アパーチヤー２２の幅が34.3mmである
のに対して、読取り幅が34.5−2.3×２＝29.3mmだ
けに限定され、その再現画像の周囲の部分がカツ
トさていたものに対して、本考案のスライド画像
読取り装置によると、アパーチヤー２２の画像情
報が全部再現されるようになる。

また、本考案の上記した実施例においては、ス
ライドフイルムの枠全体の認識を行わせることに
よつて、アパーチヤー２２の上下の部分の画像の
再現も良好な状態で行い得るものとなるものであ
り、その他に、Ａ、Ｂの２点またはＡ点のみの検
知を行うことによつても、その画像情報のカツト
される部分が非常に少なくなるので、必要な画像
情報の再現範囲が拡大されるものとなる。

前記本考案の実施例においては、スイラドフイ
ルムを用いる場合の例について説明したが、本考
案のフイルム画像読取り装置においては、通常の
ネガフイルムを用いて画像情報の読取りを行う場
合にも当然適用出来るもので、その場合には、イ
メージセンサを反転して再現出来るように形成す
るとともに、フイルムの画像面と、その周囲の部
分とを識別させるように、その制御装置のプログ
ラムを設定すること等によつて、容易に対処出来
るものとなる。

（考案の効果） 本考案のスライド画像読取り装置は、上記した
ような構成を有するものであるから、制御装置の
プログラムによつて枠の部分のみのマスキングが
可能になり、画像の周囲に黒枠が残る等の欠点が
発生することを防止出来、良好な画像の再現が可
能になる。

また、本考案の装置によると、読取り画像に対
するマスキングの範囲が正確に設定出来、アパー
チヤーの画像情報の全体を正確に再現出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスライド画像読取り装置の斜
視図、第２図はその光学部材の配置関係を示す説
明図であり、第３図はスライドフイルムの正面図
である。 図中の符号、１……円筒状光源、２……拡散フ
イルター、３……レンズ、４……ラインイメージ
センサ、５……ランプ、１０……フイルム保持装
置、１１……ベツド、１２……Ｌ型支持板、１３
……窓、１５……板バネ、１６……ストツパー、
２０……スライドフイルム、２１……枠、２２…
…アパーチヤー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 拡散光をスライドフイルムに通過させ、光源
   と反対側に設けたレンズで収光し、イメージセ
   ンサでスライドフイルムの画像情報を読取る装
   置において、スライドフイルムの画像情報の読
   取りの前の段階で、該フイルムの枠の情報を検
   知するための枠検知手段を設け、該検知手段に
   よつて検知された枠の情報によつて、アパーチ
   ヤーを透過した光に対する画像情報のマスキン
   グを行い得るように構成したことを特徴とする
   スライド画像読取り装置。 (2) 前記スライドフイルムに対して、レンズと同
   じ側にランプを設け、そのランプによつて照射
   されたスライドフイルムのアパーチヤーと枠と
   の反射光量の違い等により、枠の情報をあらか
   じめ検知させるように構成したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のスライ
   ド画像読取り装置。 (3) 前記スライドの枠の認識に際して、枠のコー
   ナーだけを認識させるように構成したことを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   スライド画像読取り装置。