JPH05130831A - 低温殺菌牛乳の製造法 - Google Patents

低温殺菌牛乳の製造法

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JPH05130831A
JPH05130831A JP17304891A JP17304891A JPH05130831A JP H05130831 A JPH05130831 A JP H05130831A JP 17304891 A JP17304891 A JP 17304891A JP 17304891 A JP17304891 A JP 17304891A JP H05130831 A JPH05130831 A JP H05130831A
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JP
Japan
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milk
heat
sterilization
whey protein
denaturation
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JP17304891A
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English (en)
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Hideo Hashimoto
英夫 橋本
Koji Shinozaki
晃司 篠崎
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TAKANASHI NYUGYO KK
Original Assignee
TAKANASHI NYUGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生乳及び加工乳の低温保持殺菌工程におい
て、未変性ホエータンパク質の変性率を安定的に4%以
下にすることができ、第三次機能して生理的に有用なホ
エータンパク質を安定的に高含有率で含有する牛乳及び
加工乳とする。 【構成】 生乳を常法にて低温保持殺菌する製造工程に
おいて流路式保持殺菌装置を用いる低温殺菌牛乳の製造
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は生乳に混入されている
微生物を殺菌処理し、市販に適した飲用牛乳を製造する
方法のうち、特に、低温殺菌牛乳及び低温殺菌加工乳の
製造法に関するものである。
【0002】搾乳したままの牛の乳、すなわち生乳は多
くの微生物が混入しており、この微生物にとって生乳は
絶好の繁殖源であり、その繁殖を抑制する為に殺菌処理
し、冷却、冷蔵することが必要である。
【0003】上記殺菌処理牛乳の製造方法として低温保
持殺菌製造法、HTST殺菌製造法、UHT加熱殺菌製
造法、滅菌製造法等種々の製造方法があるが、牛乳製造
法は厚生省「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」
で「摂氏62度から摂氏65度までの間30分間加熱殺
菌するか、または、これと同等以上の殺菌効果を有する
方法で加熱殺菌すること。」が定められている。尚、低
温殺菌牛乳とは「飲用乳の表示に関する公正規約に基づ
く運用基準・規約第6条」にある通りであり、摂氏62
度から同65度までの間で30分間加熱殺菌されたもの
に限られている。
【0004】そして、従来の低温殺菌牛乳製造法は図2
に示す加熱殺菌処理工程で行われている。 すなわち図
2に於いて、1は生乳中の微細な塵埃や異物を濾過し、
清浄化された生乳を冷却し貯える貯乳タンク(ストレー
ジタンク)でこの貯乳タンク1の生乳をホモジナイザ2
で均質化し、それをプレート式加温機3で加熱後バッチ
式殺菌タンク4で62°C〜65°Cの間で30分加熱
殺菌した後ちプレート式冷却機5で冷却し、貯乳タンク
(サージタンク)6に貯蔵する方法が用いられている。
なお7はプレート式加温機へのスチーム、8はプレート
式冷却機への冷却水である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の、従来の低温殺
菌牛乳製造法は、殺菌法が滞留式すなわちタンク(バッ
チ)式である為にその製造量が大容量になればなるほど
牛乳の熱履歴が多く、すなわち牛乳成分の変性が大きく
なってしまう問題がある。
【0006】これは、加熱殺菌にかかる熱履歴とタンク
にいれる時間と冷却にかかる時間を加えた熱履歴とな
り、30分の加熱殺菌時間を必ず越えてしまう。加えて
温度制御がタンク式であるために加熱殺菌温度を正確に
保てないという欠点を有している。このことにより牛乳
中のホエータンパク質の熱変性は、製造ロットが大きく
なればなるほど大きくなる問題を有しているからであ
る。
【0007】また、低温殺菌牛乳は、牛乳にかかる熱変
性が少なくビタミン類の減少も120°C2〜5秒のU
HT加熱殺菌牛乳に比べ少ない傾向にあり、ホエータン
パク質の変性も少ないものとなっている。
【0008】ところが、滞留式殺菌法である低温保持殺
菌装置を用いている我国の低温殺菌牛乳の場合、 (1)プレート式加温機3にて62〜65°Cに上げ5
トンの牛乳を10トン/時間のポンプで殺菌タンク4に
入れるのに30分間かかる。また10トン/時間の冷却
をした場合、少なくとも30分間かかり、殺菌保持時間
を加えると計1時間30分の加熱保持されたものも製品
となってしまう。 (2)5トンタンクにプレート式加温機3で加熱せず
に、タンク加温した場合でも冷却30分を要し、計1時
間かかる。 またそれぞれ、一定温度に保つ事がむずかしくタンクに
於いて蒸気加熱を間欠的に繰り返せばより熱変性は進む
問題がある。
【0009】本発明は上記問題を解決したもので、本発
明は未変性ホエータンパク質の変性率を安定的に4%以
下にする事ができ、食品の第三次機能として生理的に有
用なホエータンパク質を安定的に高含有率で提供するこ
とを目的とするものである。膜処理等でタンパクを強化
した加工乳に於てはより顕著である。
【0010】このホエータンパク質は、最近の研究に於
いて食品の第三次機能として重要視されている。すなわ
ち、ホエータンパク質からの生理活性物質(免疫グロブ
リン、ラクトフェリン、オピオイドペプチド等)の発見
である。
【0011】今後の牛乳製造に於いては、食品の第三次
機能を重視しており、ホエータンパク質を変性させない
事が今後重要な要件になっている。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は上述の課題を
解決するために生乳−清浄化−脂肪均質化−加温−低温
保持殺菌−冷却−貯乳−充填の常法により、生乳を処理
する低温殺菌牛乳製造法に於いて、低温保持殺菌を流路
式保持殺菌装置によりおこない生乳中の微生物を低温保
持殺菌し、牛乳成分中のホエータンパク質の熱変性を少
なく保ち加熱処理する低温殺菌牛乳の製造法としたこと
である。
【0013】
【作用】この発明の低温殺菌牛乳製造法は、生乳が一定
温度を保ちながら定められた時間を流れる。この流れて
いる状況を保持することにより滞留させずに流れながら
保持殺菌をしていること、その長さを定めた時間を要す
る様にする事により時間的に正確な低温保持殺菌ができ
る。
【0014】また、現在製造に供されている滞留式タン
クでは滞留時間に温度低下が大きく、加熱する必要があ
り、この際正確に温度設定ができないのが現況であり、
この点でも加熱をし過ぎてしまう事があるが、この発明
の流路式保持殺菌装置を用いる製造法は生乳が空気にふ
れない状況を作り易く、従って空気にふれないので、保
温がし易い利点もある。
【0015】この発明は本殺菌装置が流路方式のため滞
留式の欠点である「タンクに満たす」・「タンクから抜
き取る」時間を省くことができ、正確に62°C30分
という熱履歴的に最も少ない条件を得ることができるた
めホエータンパク質の変性も最小限に抑えることができ
る。
【0016】
【実施例】この発明の第1の実施例の製造法の工程を図
1により説明する。1は貯乳タンク(ストレージタン
ク)で該貯乳タンク1に細菌数1万/mlの生乳10ト
ンを清浄化機にかけゴミ等を除いたものを貯乳し、この
生乳をホモジナイザ2(150Kg/cm2 )にかけ脂
肪球を2〜3ミクロンにし、脂肪球の均質化を行う。こ
の後プレート形式の熱交換機3にて63°Cに生乳を昇
温し、流路式保持殺菌機4に流しながら正確に30分間
63°Cに保持し保持殺菌を終了する。
【0017】上記の流路式保持殺菌機40は、内径10
cm長さ640mのスパイラル状にしたチューブ式の5
トン容量の連続式保持殺菌機40で下方に流しながら殺
菌を行うものである。
【0018】流路式保持殺菌機で本願殺菌を終了後再び
プレート式冷却機5で熱交換し5°Cに冷却し貯乳タン
ク(サージタンク)6に貯蔵する。
【0019】次にこの発明の第2実施例を説明する。細
菌数2万/mlの生乳5トンを清浄化機にかけゴミ等を
除き、均質化機(150Kg/cm2 )にかけ脂肪球を
2〜3ミクロンにし脂肪球の均質化を行う。この後、プ
レート形式の熱交換機にて62°Cに生乳を昇温し、実
施例1と同じ流路式殺菌機にて5トン容量を下方から上
方に流しながら正確に30分間保持し保持殺菌を終了
し、再びプレートにて熱交換にて冷却(5°C)をし
た。
【0020】なお、本発明に用いる流路式保持殺菌機の
様態はチューブでも良いし連続プレートでも良い、また
これをスパイラル状にしても良いが形態は多様となろ
う。さらにチューブは保温のために断熱材を満たすか温
水等にて一定温度に保つ事をするが、本発明はこの様態
に限られるものではない。
【0021】また本発明は、
【表1】 のごとく、保持装置にタンクに変わり常に流れながら温
度保持をする特徴を持つものである。
【0022】ここで、低温保持殺菌項目について詳細を
比較する。この時のホエータンパク質の変性率は、ホエ
ータンパク指数測定法(日本医学会編、乳製品試験法・
注解)にて測定した。その結果は
【表2】 の通りである。なお対照品は当社でバッチ殺菌タンク方
式を用いて62〜65°Cで処理した低温殺菌牛乳であ
る。
【0023】上記の結果から、本発明の製品である低温
殺菌牛乳は、対照品のバッチ式低温殺菌牛乳より未変性
ホエータンパク含量が多く生理活性物質を豊富に含んだ
機能性の高い低温殺菌牛乳であることがわかる。
【0024】
【発明の効果】本発明の低温殺菌牛乳の製造法は、従来
のものに比較して正確に温度・時間が保たれ、熱履歴が
少ないため、ホエータンパク質の変性が少なく生理的機
能性に富んだ低温殺菌牛乳が得られる。
【0025】牛乳中には種々のタンパク質が含まれてお
り、その多くは、牛乳中で、あるいはヒトが飲用してか
ら生体内でどの様な存在意義を持っているのか、いまだ
完全には分かっていない。しかし、微量タンパクであっ
ても機能が解明され、分離技術も確立し、製品に応用で
きるようになったものもある。
【0026】ホエー中に含まれる免度グロブリン、ラク
トフェリンはその代表的なものであり、両者とも熱に弱
く牛乳中により多く含ませるには正確な時間管理と温度
管理が最重要課題であるが、本発明はこの点を解決し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法の実施例の工程図である。
【図2】従来の製造法の工程図である。
【符号の説明】
1 貯乳タンク(ストレージタンク) 2 ホモジナイザ 3 プレート式加温機 4 流路式保持殺菌機 5 プレート式冷却機 6 貯乳タンク(サージタンク) 7 スチーム 8 冷却水 10 バッチ式殺菌タンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生乳を常法にて処理し、加熱殺菌工程を
    経て冷却し、容器に詰め飲用としての牛乳を提供する牛
    乳の製造方法の前記加熱殺菌工程において、流路式保持
    殺菌装置により、生乳中の微生物を低温保持殺菌し、牛
    乳成分中のホエータンパク質の熱変性を少なく保ち、加
    熱処理することを特徴とする低温殺菌牛乳の製造法。
JP17304891A 1991-06-18 1991-06-18 低温殺菌牛乳の製造法 Pending JPH05130831A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006035979A1 (ja) * 2004-09-29 2006-04-06 Asama Chemical Co., Ltd. 乳清タンパク、乳由来の抗体または抗体を含む機能性組成物または食品
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