JPH05128527A - 書込可能型光デイスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスクへの情報の書込の効率化を図り、
書込エラーの箇所を特定することのできる書込可能型光
ディスク装置の提供を目的とする。 【構成】 アドレス情報を有した書込可能型光ディスク
Ｄにデータを書き込む書込装置であって、光ディスクＤ
にデータを書き込みながら該光ディスクから現書込時点
のアドレスを読み取る読取手段２と、当該読み取った現
書込時点のアドレスが書込の連続性を保持しているか否
かを判定する判定手段１４と、当該判定結果が書込不連
続との結果である場合には、そのアドレスを記憶する記
憶手段１６とを具備するよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は絶対時間情報（ＡＴＩＰ
＝Ａｂｓｏｌｕｔｅ Ｔｉｍｅ ｉｎ Ｐｒｅｇｒｏｏ
ｖｅ）等のアドレス情報を有する書込可能型光ディスク
にデータを書き込む書込可能型光ディスク装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】書込可能型光ディスクとしては、１回の
み書込の可能なＣＤ─ＷＯ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ
─ Ｗｒｉｔｅ Ｏｎｃｅ）や、レーザの照射ととも
に磁界を作用させることにより書込を行なう書換可能な
ＣＤ−ＭＯ（ＣｏｍｐａｃｔＤｉｓｋ − Ｍａｇｎｅ
ｔｉｃ Ｏｐｔｉｃａｌ）等が知られている。

【０００３】これらの書込可能型光ディスクには情報の
書込ヘッドを案内するためのプリグルーブを形成してあ
り、情報を書き込む際に正確に書込、記録するためには
このプリグルーブに沿って適正にトラッキング追従制御
がなされなければならない。もし、何らかの原因によっ
て書込ヘッドがプリグルーブを外れた場合（これをデト
ラックという）、その部分の記録は不正確となる。

【０００４】光ディスクには、その記録密度を向上させ
るために絶対時間情報を有するものがある。この絶対時
間情報は１秒に７５フレームを有し、４２ビットの絶対
時間データから構成されている。この絶対時間データは
３１５０ｂｐｓ（即ち、４２ビットｘ７５フレーム＝３
１５０ｂｐｓ）のビットレートを有するＮＲＺ（Ｎｏｎ
Ｒｅｔｕｒｎ ｔｏ Ｚｅｒｏ）符号でなり、これを
６．３ｋＨｚのビットクロックでバイフェーズマーク変
調し、更にこの変調されたバイフェーズマーク信号を周
波数変調すると、サブキャリヤ周波数２２．０５ｋＨｚ
のＰＭ信号のウォブル信号となる。かくして、光ディス
クの原盤作成時に、このウォブル信号に基づいて光ディ
スク上の螺旋状記録トラックに直交する方向にウォブル
されたウォブリングプリグルーブを形成し、これにより
絶対時間情報を有することとなる。

【０００５】こうして絶対時間情報を有した光ディスク
の場合には、上記デトラックによる書込エラーの対策と
して、絶対時間情報を常時監視しつつ書込記録の連続性
を調べ、そのデトラックが発生した場合に書込動作を中
止させるためのデトラックの検出方法が本出願人による
平成１年１２月２５日出願の特願平１─３３２９５８号
公報に開示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、書込動作
を中止した場合は、ＣＤ−ＷＯでは後から書込エラーの
部分を書き直すことはできず、そのエラーが大きい場合
には光ディスクを廃棄しなければならず、また、そのエ
ラーが小さい場合には後からその部分をとばして情報デ
ータの続きを書き込むこととなる。一方、ＣＤ−ＭＯの
場合には、書込エラーの部分を書き直し、その後の情報
データを続けて書き込むか、或いは、最初から書き直す
こととなる。

【０００７】この様にエラーの都度その書込を中止した
のでは、光ディスクへの書込時間が長くなり、効率が悪
いという問題があった。また、絶対時間情報を有してい
ない光ディスクの場合は、書込記録の連続性を調べる有
効な手段がなく、後から書込記録全体を再生し、チェッ
クするしか方法がなかった。この場合も書込記録全体を
再生するための時間が必要であり、光ディスクへの情報
データの書込を完了するには効率が悪いという問題があ
った。

【０００８】依って本発明は、光ディスクへの情報の書
込の効率化を図り、書込エラーの箇所を特定することの
できる書込可能型光ディスク装置の提供を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
は、アドレス情報を有した書込可能型光ディスクにデー
タを書き込む書込装置であって、光ディスクにデータを
書き込みながら該光ディスクから現書込時点のアドレス
を読み取る読取手段と、当該読み取った現書込時点のア
ドレスが書込の連続性を保持しているか否かを判定する
判定手段と、当該判定結果が書込不連続との結果である
場合には、そのアドレスを記憶する記憶手段とを具備す
ることを特徴とする書込可能型光ディスク装置を提供す
る。

【００１０】また、絶対時間情報の記録されたプリグル
ーブを有する書込可能型光ディスクを線速度一定で駆動
しつつデータを書き込む書込装置であって、光ディスク
にデータを書き込みながら所定時間間隔毎に該光ディス
クから現時点の書込アドレスを示す絶対時間情報を読み
取る読取手段と、当該読み取った絶対時間の信号が基準
としての時間信号を発生させるタイマーの時間信号と一
致しているか否かを判定する判定手段と、該判定手段に
よる判定結果が不一致の場合、前記読み取った絶対時間
情報と、該読み取った絶対時間情報と比較されたタイマ
ー時間から前記所定時間を差し引いた１ステップ前のタ
イマー時間とを記憶する記憶手段とを具備することを特
徴とする書込可能型光ディスク装置を提供する。

【００１１】

【作用】前者では、光ディスクにデータを書き込みなが
ら読取手段によって書込場所のアドレスを読み取り、判
定手段によってそのアドレスが連続性を保持しているか
否かを判定し、不連続の場合にはそのアドレスを記憶手
段に記憶できる。

【００１２】後者では、対象とする光ディスクは一定の
線速度で駆動されるため、当該光ディスクへの書込がプ
リグルーブに沿って順次に行なわれている場合にはその
プリグルーブから読み取った絶対時間情報はタイマーの
時間と一致するが、外部からの衝撃等によって書込ヘッ
ドが本来の制御位置からずれた場合には書込軌跡に不連
続や重なりが生じる。従ってこの場合にはプリグルーブ
から読み取る絶対時間情報はタイマーの時間に対して前
後するので、所定時間間隔毎に読み取られた絶対時間情
報とタイマーの時間との一致性を判定手段によって判定
し、不一致の場合には正しく書込のなされていない箇所
を特定するため、不一致の判定のなされた絶対時間情報
と，現在のタイマー時間から前記所定時間を差し引いた
１ステップ前のタイマー時間とを記憶手段に記憶してお
く。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
き、更に詳細に説明する。絶対時間情報は７５分の１秒
を１単位とした情報であり、この単位を１フレームと言
う。図３のＴＲは光ディスクのプリグルーブに沿ったト
ラックを示し、ｍ，ｍ＋１，・・・は１フレーム毎の絶
対時間情報を示している。

【００１４】この絶対時間情報を読み出すことのできる
書込装置は、例えば図２のように構成される。光ディス
クＤはスピンドルモータ１によって線速度一定で回転さ
せられる。参照番号２は光学ヘッド装置部を示し、与え
られた情報データ信号によってオン／オフ変調されたレ
ーザビームを出力する半導体レーザ２ａ、サーボ信号を
生成する反射光を得るためのレーザビームを出力する半
導体レーザ２ｂ、コリメートレンズ２ｃ、偏光ビームス
プリッタ２ｄ、４分の１波長板２ｅ、特定波長ビームの
みを反射するダイクロイックミラー2f、対物レンズ２ｇ
を駆動するコイル及びマグネットからなるアクチュエー
タ２ｈ、ビームスプリッタ２ｄからのレーザビームが円
筒レンズ２ｉを介して供給される４分割光ディテクタ２
ｊから構成されている。

【００１５】４分割光ディテクタ２ｊの出力信号をＡ，
Ｂ，Ｃ，Ｄとすると、加算回路３によりＡ＋Ｂ＋Ｃ＋Ｄ
の出力信号が形成され、減算回路４により（Ａ＋Ｄ）−
（Ｂ＋Ｃ）で表されるフォーカスエラー信号がフォーカ
スサーボ回路５に供給され、アクチュエータ２ｈに対し
てフォーカス制御用の制御信号が供給される。

【００１６】加算回路３の出力はバンドパスフィルタ６
に供給される。バンドパスフィルタ６は２２．０５ｋＨ
ｚ±９００Ｈｚの通過帯域を有し、プリグルーブと対応
した信号成分がバンドパスフィルタ６の出力信号が同期
検波回路７及び波形整形回路１１に供給される。

【００１７】同期検波回路７には、端子８から２２．０
５ｋＨｚの正弦波信号が供給される。同期検波回路７の
出力からはローパスフィルタ９によってトラッキングエ
ラー信号が取り出され、取り出されたトラッキングエラ
ー信号はトラッキングサーボ回路１０に供給され、トラ
ッキングサーボ回路１０からアクチュエータ１８に対し
てトラッキング制御用の制御信号が与えられる。

【００１８】波形整形回路１１により光ディスクフォー
マットの絶対時間コードで変調されたパルス列が得られ
る。このパルス列が復調回路１２において絶対時間コー
ドのデータビットに復調され、復調された絶対時間情報
はマイクロコンピュータによるシステムコントローラ１
３に供給されることになる。

【００１９】この絶対時間情報を読み出すことのできる
書込装置に対して、本発明では書込み中におけるデトラ
ックの検出回路１４とデトラック位置の記録装置１６と
を付加している。この検出回路１４と記録装置１６とは
システムコントローラ１３と同様にマイクロコンピュー
タによるプログラム制御で行なうことが簡便である。こ
の場合、検出回路１４と記録装置１６とをシステムコン
トローラ１３のマイクロコンピュータに含めて実施する
ことができる。

【００２０】上記プログラム制御による処理の流れを図
１によって説明する。ステップ２０では、デトラックの
回数を数える変数Ｉとタイマー時間ｔとの初期値設定を
行なう。

【００２１】ステップ２１では、マイクロコンピュータ
のタイマー機能によって、書込対象である光ディスクＤ
の絶対時間情報の最小単位たる１フレーム（１／７５
秒）の経過を判定しており、１フレーム経過毎にステッ
プ２２において各絶対時間情報Ｔを読み取る。デトラッ
クが発生していないかぎり、この読み込まれた絶対時間
情報Ｔは読み込み時のタイマー時間ｔと一致するはずで
あり、ステップ２３においてこの判定を行なっている。

【００２２】一致するならば、ステップ２７においてタ
イマー時間変数ｔを１カウント進め、ステップ２８にお
いて書込が終了していないと判断されれば１フレーム経
過後にステップ２２においてそのタイマー時間ｔにおけ
る書込位置の絶対時間情報Ｔを読み込む。そしてステッ
プ２３において現時点のタイマー時間ｔと現時点におい
て読み込んだ絶対時間変数Ｔとの一致性を判定する。

【００２３】両者が不一致の場合は、ステップ２４にお
いてデトラック回数変数Ｉに１カウント加算する。ま
た、ステップ２５において、この絶対時間情報Ｔと１回
前の読取時のタイマー時間変数ｔとを記憶する。このス
テップ２５の処理の意義は図３を用いて後述する。

【００２４】そして、ステップ２６において、タイマー
時間変数ｔを現時点において読み込んだ絶対時間情報値
Ｔにリセットし、次の読み込み時のためにこのリセット
されたタイマー時間変数ｔを１カウント進める。

【００２５】ステップ２８において書込作業が終了した
か否かを判定する。終了していなければ以上のステップ
を繰り返し、終了していればステップ２９において、デ
トラック回数変数Ｉと、記憶している絶対時間情報Ｔ並
びにタイマー時間ｔの各セット情報を何らかの手段に記
録表示する。例えば、ディスプレイに表示してもよい
が、光ディスクＤ自体に記録しておき、再生時に特殊処
理を行なってそれらの部分を修復してもよい。何れにし
ても書込のエラー箇所とそのエラーの大きさが判明する
ため、その後の処理に役立てることができる。

【００２６】図３を参照しながらデトラック発生時の書
込記録の様子と、図１のステップ２５と２６の意義を説
明する。まず書込記録状態Ｍ１の場合は、プリグルーブ
に沿ったトラックＴＲの絶対時間（ｍ＋４）フレーム位
置まで正常に書込がなされていたが、外部の衝撃力等に
よって次の絶対時間（ｍ＋５）フレーム位置に移動でき
ず、絶対時間（ｍ＋３）フレーム位置に後退してしま
い、更にその位置から書込がなされた場合を示す。また
書込記録状態Ｍ２の場合は、絶対時間（ｍ＋４）フレー
ム位置まで正常に書込がなされていたが、外部の衝撃力
等によって絶対時間（ｍ＋６）フレーム位置に飛び、そ
の位置から書込がなされた場合を示す。

【００２７】書込記録状態Ｍ１の場合は、逆戻りした絶
対時間（ｍ＋３）フレーム位置において書込をしている
際に読み込まれた絶対時間Ｔは（ｍ＋３）フレームであ
るが、タイマー時間ｔは（ｍ＋５）フレームである。従
って、図１のステップ２３においては両者は一致せず、
ステップ２４，２５へ進む。ステップ２５では絶対時間
（ｍ＋３）と、１回前のタイマー時間（ｍ＋４）とを記
憶する。

【００２８】光ディスクＤへの書込の終了後にディスプ
レイに表示された（Ｔ，ｔ）＝（（ｍ＋３），（ｍ＋
４））から、まず、Ｔ＜ｔであるのでこのデトラックは
後退したデトラックであることが判る。従って、絶対時
間（ｍ＋４）フレームの位置までは正常に書込が行なわ
れていたが、絶対時間（ｍ＋３）フレームの位置へバッ
クし、そこからその続きを書き込み始めたと認識でき
る。即ち、図３の書込記録状態Ｍ１が再現できるのであ
る。

【００２９】次に、書込記録状態Ｍ２の場合は、前方に
飛んだ絶対時間（ｍ＋６）フレーム位置において書込を
している際に読み込む絶対時間Ｔは（ｍ＋６）フレーム
であるが、タイマー時間ｔは（ｍ＋５）フレームであ
る。従って、図１のステップ２３においては両者は一致
せず、ステップ２４，２５へ進む。ステップ２５では絶
対時間（ｍ＋６）と、１回前のタイマー時間（ｍ＋４）
とを記憶する。

【００３０】光ディスクＤへの書込の終了後にディスプ
レイに表示された（Ｔ，ｔ）＝（（ｍ＋６），（ｍ＋
４））から、まず、Ｔ＞ｔであるのでこのデトラックは
前方に飛んだデトラックであることが判る。従って、絶
対時間（ｍ＋４）フレームの位置までは正常に書込が行
なわれていたが、絶対時間（ｍ＋６）フレームの位置へ
ジャンプし、そこからその続きを書き込み始めたと認識
できる。即ち、図３の書込記録状態Ｍ２が再現できるの
である。以上の実施例では光ディスクのアドレス情報は
絶対時間情報であるが、本発明はこれに限らず如何なる
方式のアドレス情報であってもよい。

【００３１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、書込エラーがあってもその時点で書込を中止し
ないので光ディスクへの情報データの書込の効率化が図
られ、また、書込の履歴が再現できるためその後の処理
が正確、かつ、迅速に行われ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本発明に係る書込可能型光ディスク装
置の処理フロー図である。

【図２】 図２は本発明に係る書込可能型光ディスク装
置の構成図である。

【図３】 図３は光ディスクへの書込記録状態の説明図
である。

【符号の説明】

Ｄ 光ディスク Ｍ１ 書込記録状態 Ｍ２ 書込記録状態 ＴＲ プリグルーブに沿ったトラック

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アドレス情報を有した書込可能型光ディ
   スクにデータを書き込む書込装置であって、 光ディスクにデータを書き込みながら該光ディスクから
   現書込時点のアドレスを読み取る読取手段と、 当該読み取った現書込時点のアドレスが書込の連続性を
   保持しているか否かを判定する判定手段と、 当該判定結果が書込不連続との結果である場合には、そ
   のアドレスを記憶する記憶手段とを具備することを特徴
   とする書込可能型光ディスク装置。
2. 【請求項２】 絶対時間情報の記録されたプリグルーブ
   を有する書込可能型光ディスクを線速度一定で駆動しつ
   つデータを書き込む書込装置であって、 光ディスクにデータを書き込みながら所定時間間隔毎に
   該光ディスクから現時点の書込アドレスを示す絶対時間
   情報を読み取る読取手段と、 当該読み取った絶対時間の信号が基準としての時間信号
   を発生させるタイマーの時間信号と一致しているか否か
   を判定する判定手段と、 該判定手段による判定結果が不一致の場合、前記読み取
   った絶対時間情報と、該読み取った絶対時間情報と比較
   されたタイマー時間から前記所定時間を差し引いた１ス
   テップ前のタイマー時間とを記憶する記憶手段とを具備
   することを特徴とする書込可能型光ディスク装置。