JPH0512774U - パーキングブレーキ機構付きデイスクブレーキ - Google Patents

パーキングブレーキ機構付きデイスクブレーキ

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JPH0512774U
JPH0512774U JP6840191U JP6840191U JPH0512774U JP H0512774 U JPH0512774 U JP H0512774U JP 6840191 U JP6840191 U JP 6840191U JP 6840191 U JP6840191 U JP 6840191U JP H0512774 U JPH0512774 U JP H0512774U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一端部側がピストン内へ挿入されたアジャス
トボルトの他端部側のコーンクラッチが大気圧室に設け
られ、液圧制動時のアジャストボルト回転によりパーキ
ングブレーキ操作ストロークを自動調節し且つ過大液圧
時にはコーンクラッチの摩擦力にてオーバアジャストを
防止するパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ
において、コーンクラッチへの泥水等の侵入を確実に防
止してオーバアジャストを一層確実に防止し且つシリン
ダボアの加工を容易とする。 【構成】 第2シリンダボア40内周面とアジャストボ
ルト44の嵌合部48外周面との間に環状の隔壁部材9
0を摺動可能に嵌合し、第2シリンダボア40内周面お
よび嵌合部48外周面と隔壁部材90との間をOリング
94およびカップシール98により液密に封止して、液
圧室100および大気圧室102を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに関し、特に、ピスト ン内に設けられたアジャストナットに螺合されたアジャストボルトのピストン底 部側と反対側の端部において設けられたコーンクラッチを介して、パーキングブ レーキ操作力がアジャストボルトからアジャストナットおよびピストンへ伝達さ れるとともに、液圧によるブレーキ作動時におけるアジャストボルトの回転に基 づいてパーキングブレーキ操作ストロークを自動調節する一方、過大液圧時には その操作ストロークのオーバアジャストが防止される形式のパーキングブレーキ 機構付きディスクブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリンダボア内に一方向への突出し可能に嵌合された有底円筒状のピストンと 、そのピストン内に設けられたアジャストナットと、一端部側に雄ねじ部を有す るとともに他端部側にその雄ねじ部から離隔する程径が小さくなるテーパ状外周 面を有し、その雄ねじ部がピストン内に挿入されてアジャストナットに螺合され たアジャストボルトと、そのアジャストボルトの他端部と軸方向に対向するよう に前記シリンダボア内に設けられ、そのアジャストボルトのテーパ状外周面とテ ーパ嵌合可能なテーパ状内周面を有する可動部材とを備え、パーキングブレーキ 操作部材からの操作力が前記可動部材,アジャストボルト,およびアジャストナ ットを介して前記ピストンに伝達されるとともに、前記シリンダボア内の液圧に よりそのピストンが突き出される際にそのアジャストボルトがアジャストナット に対して一方向へ回転させられることにより前記パーキングブレーキ操作部材の 操作ストロークを自動調節する一方、その液圧が予め定められた一定圧を超えた ときにはその操作ストロークのオーバアジャストを防止する形式のパーキングブ レーキ機構付きディスクブレーキが知られている。
【0003】 たとえば、特公昭63−35857号公報に記載されたものがそれである。こ のディスクブレーキにおいては、アジャストボルトの雄ねじ部側と反対側の端部 と可動部材との間に大気圧室が設けられており、これにより、液圧によりアジャ ストボルトにピストン底部側と反対側への付勢力が生じ、過大液圧時にはアジャ ストボルトのテーパ状外周面が可動部材のテーパ状内周面に強く押し付けられる ことにより、アジャストボルトの回転が阻止されてパーキングブレーキ操作スト ロークのオーバアジャストが防止されるようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来のパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキに おいては、アジャストボルトのテーパ状外周面と可動部材のテーパ状内周面との 嵌合部分はシリンダボア内の液圧室に位置させられているため、液圧室内にブレ ーキ液を通しつつその液圧室内のエア抜きを行う場合において、その嵌合部分( コーンクラッチ)に存在するエアを除去し難く、液圧室内のエア抜き性を充分に 得難いという問題があった。
【0005】 これに対し、たとえば特開昭54−118956号公報に記載されているよう に、シリンダボアの内周面のアジャストボルトの雄ねじ部とテーパ状外周面との 間に位置する部分に内周側へ突き出す環状突出部を設け、この環状突出部の内周 面にアジャストボルトを摺動可能かつ液密に嵌合して、アジャストボルトの雄ね じ部側に液圧室を形成し且つアジャストボルトのテーパ状外周面側に大気圧室を 形成するようにすれば、アジャストボルトのテーパ状外周面と可動部材のテーパ 状内周面との嵌合部分が大気圧室に配置されることとなるので、液圧室内のエア 抜き性が向上すると考えられる。
【0006】 しかし、この場合においては、可動部材の外径は、通常、環状突出部の内径よ り大きくされるため、その可動部材をピストンと同一の側からシリンダボア内に 組み付けることはできないことから、シリンダボアを両端において開口するよう に形成しなければならない。このため、シリンダボアの可動部材側の開口から小 石や泥水等が侵入するのを防止するためにその開口部分にダストブーツ等を取り 付ける必要を生ずるとともに、このダストブーツが破損したりするとアジャスト ボルトと可動部材とのテーパ嵌合部分に小石や泥水等が侵入してそのテーパ嵌合 部分における摩擦力が充分に得られなくなり、パーキングブレーキ操作ストロー クのオーバアジャストを確実に防止できなくなるおそれがあるのである。
【0007】 また、シリンダボアの内周面に内周側へ突き出す環状突出部を形成するために シリンダボアの加工を軸心方向両側から行う必要を生じて、シリンダボアの加工 が面倒となる欠点がある。
【0008】 本考案は以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするとこ ろは、シリンダボアに一方向への突出し可能に嵌合されたピストン内へ挿入され たアジャストボルトのピストン底部側と反対側の端部とシリンダボア内に設けら れた可動部材との間のテーパ嵌合部分を介して、パーキングブレーキ操作力がア ジャストボルトと螺合するアジャストナットおよびピストンへ伝達されるととも に、液圧によるブレーキ作動時におけるアジャストボルトの回転に基づいてパー キングブレーキ操作ストロークを自動調節する一方、過大液圧時にはその操作ス トロークのオーバアジャストが防止される形式のパーキングブレーキ機構付きデ ィスクブレーキにおいて、前記テーパ嵌合部分を大気圧室に設ける場合において 、ダストブーツ等を設けることなくそのテーパ嵌合部分に小石や泥水等が侵入す るのを確実に防止し得てオーバアジャストを一層確実に防止し得るとともに、シ リンダボアの加工を容易に為し得るパーキングブレーキ機構付きディスクブレー キを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本考案の要旨とするところは、一方向において開口 するシリンダボア内に突出し可能に嵌合された有底円筒状のピストンと、そのピ ストン内に設けられたアジャストナットと、一端部側に雄ねじ部を有し且つ他端 部側にその雄ねじ部から離隔する程径が小さくなるテーパ状外周面を有するとと もに長手方向中間部に嵌合部を有し、その雄ねじ部がそのピストン内に挿入され てそのアジャストナットに螺合されたアジャストボルトと、そのアジャストボル トの他端部と軸方向に対向するように前記シリンダボア内に設けられ、そのアジ ャストボルトのテーパ状外周面とテーパ嵌合可能なテーパ状内周面を有する可動 部材と、そのアジャストボルトの雄ねじ部側においてそのシリンダボア内に形成 された液圧室と、そのアジャストボルトのテーパ状外周面側においてそのシリン ダボア内に形成された大気圧室とを備え、パーキングブレーキ操作部材からの操 作力が前記可動部材,アジャストボルト,およびアジャストナットを介して前記 ピストンに伝達されるとともに、前記液圧室の液圧によりそのピストンが突き出 される際にそのアジャストボルトがそのアジャストナットに対して一方向へ回転 させられることにより前記パーキングブレーキ操作部材の操作ストロークを自動 調節する一方、その液圧が予め定められた一定圧を超えたときにはその液圧によ り増大した前記アジャストボルトのテーパ状外周面と前記可動部材のテーパ状内 周面との間の摩擦力に基づいてその操作ストロークのオーバアジャストを防止す る形式のパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキであって、(a) 環状を成 し、前記アジャストボルトの嵌合部の外周面と前記シリンダボアの内周面との間 にそのシリンダボアの底部側への一定限度以上の移動不能かつそのアジャストボ ルトに対して軸方向の相対移動可能に嵌合され、そのシリンダボア内を分割して 前記液圧室および大気圧室を形成するための隔壁部材と、(b) 前記シリンダボア の内周面および前記アジャストボルトの嵌合部の外周面と前記隔壁部材との間を 液密に封止するシール手段とを含むことにある。
【0010】
【作用および考案の効果】
このようにすれば、シリンダボアの内周面とアジャストボルトの嵌合部の外周 面との間にそのシリンダボアの底部側への一定限度以上の移動不能かつそのアジ ャストボルトに対して軸方向の相対移動可能に隔壁部材が嵌合されてシリンダボ ア内が2分割されるとともに、その隔壁部材とシリンダボアの内周面およびアジ ャストボルトの嵌合部の外周面との間にそれらの間を液密に封止するシール手段 が設けられることにより、アジャストボルトの雄ねじ部側に液圧室が形成され且 つアジャストボルトのテーパ状外周面側に大気圧室が形成される。この場合にお いて、液圧室および大気圧室を形成するためのシリンダボアの分割は、シリンダ ボアの内周面に環状突出部を突設したりすることなく隔壁部材を嵌合することに より行われるため、可動部材をピストンと同一方向からシリンダボア内へ組み付 けることができる。このため、シリンダボアはピストンの突出し側の一端におい てのみ開口されておればよく、アジャストボルトのテーパ状外周面と可動部材の テーパ状内周面とのテーパ嵌合部分が配置される大気圧室をシリンダボアの底部 側に設けることかできることから、ダストブーツ等を設けることなく前記テーパ 嵌合部分への泥水等の侵入を確実に防止し得てパーキングブレーキ操作ストロー クのオーバアジャストを一層確実に防止し得る。
【0011】 また、シリンダボアの内周面に環状突出部を突設する必要がなく且つシリンダ ボアを軸心方向の一方の側から加工できるため、シリンダボアの加工を比較的容 易に為し得る。
【0012】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】 図1は本考案が適用されたパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキの要 部を示す図であって、車輪と共に回転可能に設けられたディスクロータ10の外 周部にはキャリパ12が跨設されており、そのキャリパ12は図示しない非回転 部材に固定された支持部材14に一対のスライドピン(図示せず)等を介してデ ィスクロータ10の軸心と平行な方向の移動可能に支持されている。キャリパ1 2は、第1シリンダボア16を有し、その第1シリンダボア16内に全体として 有底円筒状を成すピストン18が軸心回りの回転不能な状態で一方向の突出し可 能に嵌合されたシリンダ部20と、そのシリンダ部20のピストン18の突出し 方向と反対側の端部においてシリンダ部20に一体に設けられた突出部22と、 シリンダ部20のピストン18突出し方向の端部から一体に延び出してディスク ロータ10を間にしてシリンダ部20と対向する二股状の爪部24とを備えてい る。キャリパ12の内側、すなわちピストン18と爪部24との間には、一対の パッド26,28がディスクロータ10を挟んだ状態で配設されており、それら パッド26,28は前記支持部材14によりディスクロータ10の軸心と平行な 方向の移動可能に支持されている。
【0014】 上記ピストン18の内部には、全体として円筒状を成し、一端部側外周面に外 向きフランジ30を有するアジャストナット32がその外向きフランジ30がピ ストン18の底部側に位置する状態で、ピストン18に対する軸方向の相対移動 可能かつ軸心回りの相対回転不能に設けられている。アジャストナット32の外 向きフランジ30とピストン18の内周面との間には、そのピストン18の内周 面に嵌め付けられた止め輪34および座金36を介してスプリング38が予圧状 態で設けられており、アジャストナット32はこのスプリング38の付勢力に従 ってピストン18の底部に押し付けられている。
【0015】 上記シリンダ部20の内部には、更に、第1シリンダボア16と同心に第2シ リンダボア40および第3シリンダボア42が順次形成されており、第1シリン ダボア16,第2シリンダボア40,第3シリンダボア42の順で径が小さくさ れている。これらの3つのシリンダボア16,40,42内にはアジャストボル ト44が配設されている。アジャストボルト44は、雄ねじ部46と、その雄ね じ部46より大径の嵌合部48と、その嵌合部48より更に大径であって且つ雄 ねじ部46から離隔する程径が小さくなるテーパ状外周面50を有する頭部52 とを備えており、雄ねじ部46がアジャストナット32に軸方向において所定の 間隙を有する状態で螺合されている。
【0016】 上記第3シリンダボア42内には、軸心方向の一端部側にテーパ状内周面54 を有し且つ他端部側に係合凹所56を有する可動部材58が軸心方向の移動可能 に嵌合されている。可動部材58はそれに突設された回止めピン60が第3シリ ンダボア42の底部に設けられた穴61内に所定間隙を有して嵌め入れられるこ とにより、軸心回りの回転が阻止されている。第1シリンダボア16と第2シリ ンダボア40との間の内周面に止め輪62により一方向の移動不能に取り付けら れた座金64とアジャストボルト44の嵌合部48との間には、一対の座金66 ,68に挟まれたスラストベアリング70を介してスプリング72が予圧状態で 設けられており、これにより、スプリング72の付勢力に従ってアジャストボル ト44がピストン18底部側と反対側へ付勢されて、アジャストボルト44のテ ーパ状外周面50が可動部材58のテーパ状内周面54に押し付けられるように なっている。なお、上記スプリング72のばね定数は上記スプリング38のばね 定数より小さくされている。
【0017】 上記突出部22の内部には、第3シリンダボア42等の軸心と直角な方向に延 びる取付穴74が第3シリンダボア42の底部と連通する状態で設けられており 、その取付穴74内にはカム軸76がニードルベアリング78を介して軸心回り の回転可能に設けられている。カム軸76の一端部であって突出部22の外側に 位置する部分には、図示しないパーキングブレーキ操作部材からパーキングブレ ーキ操作力が伝達されるレバー部材80が相対回転不能に取り付けられている。 カム軸76の外周面の長手方向中間部には偏心した位置を底部とする係合切欠8 2が形成されており、その係合切欠82の底部と可動部材58の係合凹所56の 底部との間にはトグル84が設けられている。なお、86は、ピストン18の外 周面と第1シリンダボア16の内周面との間を液密にシールするとともにピスト ン18の戻し作用を為すピストンシールであり、88はダストブーツである。
【0018】 上記第2シリンダボア40の内周面とアジャストボルト44の嵌合部48の外 周面との間には、環状の隔壁部材90が、止め輪62および座金64と第2シリ ンダボア40および第3シリンダボア42間の段付面とにより第2シリンダボア 40に対する軸方向の相対移動が規制された状態で且つアジャストボルト44に 対して軸方向の相対移動可能に嵌合されている。隔壁部材90の外周面と第2シ リンダボア40の内周面との間は、その隔壁部材90の外周面に形成された環状 溝92に嵌め着けられたOリング94にて液密に封止されているとともに、隔壁 部材90の内周面とアジャストボルト44の嵌合部48の外周面との間は、その 嵌合部48の外周面に形成された環状溝96に嵌め着けられたカップシール98 にて液密に封止されている。これにより、隔壁部材90を間にして、アジャスト ボルト44の雄ねじ部46やピストン18等が設けられた第1シリンダボア16 内に液圧室100が形成されているとともに、アジャストボルト44の頭部52 や可動部材58等が設けられた第3シリンダボア42内に大気圧室102が形成 されており、液圧室100内にブレーキ液圧が供給されたときには、その液圧に 応じた可動部材58側への推力がアジャストボルト44に作用させられるように なっている。本実施例においては、上記第1シリンダボア16,第2シリンダボ ア40,および第3シリンダボア42がクレームにおけるシリンダボアに相当す るとともに、上記Oリング94およびカップシール98がシール手段として機能 している。
【0019】 なお、上記のように構成されたパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキ を組み立てる際には、たとえば、トグル84,可動部材58,嵌合部48に隔壁 部材90が嵌合されたアジャストボルト44が第1シリンダボア16の開口側か ら順次組み付けられた後、座金64等が組み付けられ、その後、アジャストナッ ト32が組み付けられたピストン18を回転させつつ第1シリンダボア16内に 挿入することによりそのアジャストナット32がアジャストボルト44に螺合さ れることとなる。
【0020】 次に、上記パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキの作動を説明する。 まず、パーキングブレーキ操作時においては、レバー部材80によりカム軸76 が図1において右回りに回転させられると、カム軸76によりトグル84が図1 において左側へ押動され、そのトグル84に生じた推力が可動部材58,アジャ ストボルト44,およびアジャストナット32を介してピストン18に伝達され てピストン18が突き出される。これにより、一方のパッド28がディスクロー タ10に押し付けられるとともに、その反力でキャリパ12がピストン18の突 出し方向と反対方向へ移動させられて他方のパッド26がディスクロータ10に 押し付けられることによりパーキングブレーキが作動させられる。
【0021】 上記ディスクブレーキのサービスブレーキ操作時においては、液圧室100内 に供給されたブレーキ液圧によりピストン18が突き出されて上記の場合と同様 にして制動が行われる。このとき、ピストン18の外周面とピストンシール86 との間に相対的な滑りを生じないピストン18の予め定められた移動範囲内の突 出し時においては、アジャストナット32がスプリング38によりピストン18 の底部に押し付けられた状態でピストン18と一体的に作動させられるとともに 、アジャストナット32とアジャストボルト44との間の前記軸方向の間隙(が たつき)によりアジャストナット32とアジャストボルト44との間には軸力が 作用しない。一方、ブレーキ液圧が予め定められた一定圧よりも低くてそのブレ ーキ液圧およびスプリング72によるアジャストボルト44に対するピストン1 8底部側と反対側への付勢力がスプリング38の付勢力より小さい場合において 、パッド26,28の磨耗によりピストン18が前記予め定められた移動範囲を 超えて突き出されてピストン18の外周面とピストンシール86との間に相対的 な滑りを生じた場合には、アジャストナット46とアジャストボルト36との間 に軸力が生じてアジャストボルト44がスプリング72の付勢力に抗してピスト ン18底部側へ移動させられ、これにより、アジャストボルト44のテーパ状外 周面50が可動部材58のテーパ状内周面54から離れて、テーパ状外周面50 がテーパ状内周面54とテーパ嵌合するまでアジャストボルト44がスプリング 72の付勢力に従って一方向へ回転させられることにより、レバー部材80の回 動量ひいては前記パーキングブレーキ操作部材の操作ストロークが自動的に調節 されるようになっている。
【0022】 また、ブレーキ液圧が過大となると、パッド26,28の磨耗に拘らずキャリ パ12の変形等に起因してピストン18が前記予め定められた移動範囲を超えて 突き出される場合があるが、ブレーキ液圧が大きくなって前記予め定められた一 定圧を超えると、そのブレーキ液圧およびスプリング72によるアジャストボル ト44に対するピストン18底部側と反対側への付勢力がスプリング38の付勢 力より大きくなって、ピストン18の突出しに伴ってスプリング38が圧縮され つつアジャストナット32がピストン18の底部から離れ且つアジャストボルト 44のテーパ状外周面50が可動部材58のテーパ状内周面54に強く押し付け られることにより、それらテーパ状外周面50とテーパ状内周面54との間の摩 擦力に基づいてアジャストボルト44の回転が阻止されてパーキングブレーキ操 作部材の操作ストロークのオーバアジャストが防止されるようになっている。
【0023】 このように本実施例によれば、アジャストボルト44と可動部材58との間の テーパ嵌合部分が大気圧室102に設けられているので、かかるテーパ嵌合部分 が液圧室に設けられる従来の場合に比べて、液圧室100内のエア抜き性が好適 に得られる。この場合において、液圧室100および大気圧室102を形成する ためのシリンダ部20内の分割は、シリンダボア内周面に環状突出部を突設した りすることなく、第2シリンダボア40の内周面とアジャストボルト44の嵌合 部48の外周面との間に隔壁部材90を嵌合することにより行われるため、ディ スクブレーキの組立て時においては可動部材58をピストン18と同様に第1シ リンダボア16の開口側から組み付けることができる。これにより、可動部材5 8を第3シリンダボア42に嵌合するためにその第3シリンダボア42の第2シ リンダボア40と反対側の端部を開口させる必要がなく、第3シリンダボア42 内に形成された大気圧室102すなわちその大気圧室102内に配設されるアジ ャストボルト44と可動部材58とのテーパ嵌合部分をシリンダボア底部側に設 けることができることから、ダストブーツ等を設けたりしなくても前記テーパ嵌 合部分への泥水等の侵入を確実に防止することができる。この結果、過大液圧時 においてそのテーパ嵌合部分における摩擦力が充分に得られるので、パーキング ブレーキ操作ストロークのオーバアジャストを一層確実に防止することができる のである。
【0024】 また、本実施例によれば、シリンダボア16,40,42は軸心方向の一方の 側(第1シリンダボア16の開口側)から加工されることとなるため、シリンダ ボアの内周面に環状突出部を形成するためにそのシリンダボアを軸心方向両側か ら加工する場合に比べて、シリンダボア16,40,42を容易に加工すること ができる。
【0025】 なお、前記実施例では、隔壁部材90と第2シリンダボア40の内周面および アジャストボルト44の嵌合部48の外周面との間は、隔壁部材90の外周面に 嵌め着けられたOリング94および嵌合部48の外周面に嵌め着けられたカップ シール98にて液密にシールされているが、第2シリンダボア40の内周面に形 成した環状溝や隔壁部材90の内周面に形成した環状溝にシール部材を嵌め着け てもよいことは勿論である。
【0026】 また、前記実施例では、シリンダボアは互いに径の異なる3つのシリンダボア 16,40,42を有して構成されているが、必ずしもその必要はなく、たとえ ば同一径のシリンダボア内にピストン,隔壁部材,および可動部材を設けるよう に構成することもできる。
【0027】 その他、本考案はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得る ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案が適用されたパーキングブレーキ機構付
きディスクブレーキの一例を示す図であって、要部を示
す断面図である。
【符号の説明】
12 キャリパ {16 第1シリンダボア,40 第2シリンダボア,
42 第3シリンダボア}シリンダボア 18 ピストン 32 アジャストナット 44 アジャストボルト 46 雄ねじ部 48 嵌合部 50 テーパ状外周面 54 テーパ状内周面 58 可動部材 70 スラストベアリング 90 隔壁部材 {94 Oリング,98 カップシール}シール手段 100 液圧室 102 大気圧室
フロントページの続き (72)考案者 稲富 昭夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向において開口するシリンダボア内
    に突出し可能に嵌合された有底円筒状のピストンと、該
    ピストン内に設けられたアジャストナットと、一端部側
    に雄ねじ部を有し且つ他端部側に該雄ねじ部から離隔す
    る程径が小さくなるテーパ状外周面を有するとともに長
    手方向中間部に嵌合部を有し、該雄ねじ部が該ピストン
    内に挿入されて該アジャストナットに螺合されたアジャ
    ストボルトと、該アジャストボルトの他端部と軸方向に
    対向するように前記シリンダボア内に設けられ、該アジ
    ャストボルトのテーパ状外周面とテーパ嵌合可能なテー
    パ状内周面を有する可動部材と、該アジャストボルトの
    雄ねじ部側において該シリンダボア内に形成された液圧
    室と、該アジャストボルトのテーパ状外周面側において
    該シリンダボア内に形成された大気圧室とを備え、パー
    キングブレーキ操作部材からの操作力が前記可動部材,
    アジャストボルト,およびアジャストナットを介して前
    記ピストンに伝達されるとともに、前記液圧室の液圧に
    より該ピストンが突き出される際に該アジャストボルト
    が該アジャストナットに対して一方向へ回転させられる
    ことにより前記パーキングブレーキ操作部材の操作スト
    ロークを自動調節する一方、該液圧が予め定められた一
    定圧を超えたときには該液圧により増大した前記アジャ
    ストボルトのテーパ状外周面と前記可動部材のテーパ状
    内周面との間の摩擦力に基づいて該操作ストロークのオ
    ーバアジャストを防止する形式のパーキングブレーキ機
    構付きディスクブレーキであって、 環状を成し、前記アジャストボルトの嵌合部の外周面と
    前記シリンダボアの内周面との間に該シリンダボアの底
    部側への一定限度以上の移動不能かつ該アジャストボル
    トに対して軸方向の相対移動可能に嵌合され、該シリン
    ダボア内を分割して前記液圧室および大気圧室を形成す
    るための隔壁部材と、 前記シリンダボアの内周面および前記アジャストボルト
    の嵌合部の外周面と前記隔壁部材との間を液密に封止す
    るシール手段とを含むことを特徴とするパーキングブレ
    ーキ機構付きディスクブレーキ。
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