JPH0512704U - 位置決め制御回路 - Google Patents
位置決め制御回路Info
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- JPH0512704U JPH0512704U JP1648891U JP1648891U JPH0512704U JP H0512704 U JPH0512704 U JP H0512704U JP 1648891 U JP1648891 U JP 1648891U JP 1648891 U JP1648891 U JP 1648891U JP H0512704 U JPH0512704 U JP H0512704U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電磁切換弁の作動具合やピストン動作の差の
影響を受けにくく、偏差値が高い程急速にOFFするよ
うにして一定の偏差を保持したまま一方の電磁切換弁に
ある一定のOFF時間比率のパルス電圧を印加し続けな
いようにした位置決め制御回路の提供によりピストンシ
リンダの位置決め精度を高めること。 【構成】 3方向電磁切換弁(不図示)を使用したピス
トンシリンダの位置決め制御回路において、ピストンの
位置検出用フィードバックセンサ21と、ピストンの位
置を指示する指令装置22と、その両者の出力信号の差
を検出する偏差検出回路24と、ピストンを移動するか
否かを判断する第1の比較回路203、204と、その
出力信号に基づき充電又は放電する充放電回路71、7
2と、偏差検出回路24の出力信号に基づき電磁切換弁
を0FFにする方向にのみ偏差に比例した速さで充放電
回路を放電又は充電する回路と、充放電回路の出力電圧
に比例した出力パルスに変換する電圧ーパルス幅変換回
路とにより構成される。
影響を受けにくく、偏差値が高い程急速にOFFするよ
うにして一定の偏差を保持したまま一方の電磁切換弁に
ある一定のOFF時間比率のパルス電圧を印加し続けな
いようにした位置決め制御回路の提供によりピストンシ
リンダの位置決め精度を高めること。 【構成】 3方向電磁切換弁(不図示)を使用したピス
トンシリンダの位置決め制御回路において、ピストンの
位置検出用フィードバックセンサ21と、ピストンの位
置を指示する指令装置22と、その両者の出力信号の差
を検出する偏差検出回路24と、ピストンを移動するか
否かを判断する第1の比較回路203、204と、その
出力信号に基づき充電又は放電する充放電回路71、7
2と、偏差検出回路24の出力信号に基づき電磁切換弁
を0FFにする方向にのみ偏差に比例した速さで充放電
回路を放電又は充電する回路と、充放電回路の出力電圧
に比例した出力パルスに変換する電圧ーパルス幅変換回
路とにより構成される。
Description
【0001】
本考案は、電磁マルチバルブのスプール等の位置決めに使用するON/0FF 電磁弁とフイードバック位置センサ及びピストンとシリンダで構成される油圧ア クチュエータの位置決め制御回路に関する。
【0002】
従来、本願に関するピストンシリンダ装置において、その負荷スプリングとチ ェック弁との作用で中間位置に停止させることができるピストンシリンダ装置の 位置決め装置において、その精度を良くするための制御回路としては図6に示す ようなものがあった(実開昭63−187703号)。図6において、その構造 は、ピストンシリンダ装置のそれぞれの圧力室に接続された2個のON/OFF の3方向電磁切換弁の内部又は外部にチェック弁を設け(図3)、位置決めされ ている場合は、両方の3方向電磁切換弁をON状態とすることによりピストンを 中間位置に維持しうるピストンシリンダ装置の位置決め制御回路において、ピス トンの位置を指示する指令装置4と、ピストンの位置を検出するフィードバック センサ1と、指令装置からの指令信号とフィードバックセンサからのフィードバ ック信号との差を検出する偏差検出回路3と、この偏差検出回路の出力信号に基 づき、ピストンを保持し続けるか又はいずれかの方向に移動するかを判断するヒ ステリシス付きウインドコンパレータ回路5と、回路中のいずれかの部分にディ ザを与えるディザ電圧発生回路11とからなり、フィードバックセンサ1から得 られる現在値と指令値との偏差に比例したOFF時間のパルスを電磁切換弁に与 えるような構成としている。
【0003】
ピストンシリンダ装置の位置決めにON/OFFの電磁切換弁を使用するのは 、サーボ弁や電磁比例弁程には加工精度が要求されずに安価にできるという点に おいて好ましいものであるが、フィードバックセンサから得られる現在値と指令 値との偏差に比例したOFF時間のパルスを電磁切換弁に与える方法においては 以下に述べるような問題を有する。
【0004】 上記のような方法では、パルスに対する個々の電磁切換弁の作動具合にばらつ きが大きいため位置決め精度が良くないという欠点を有する。例えば、電磁切換 弁の可動鉄心とガイドとの間の摺動抵抗や、シリンダとピストンとの間のシール による摺動抵抗等があるため、一定のOFF時間のパルスを同一の電磁切換弁に 与えた場合においても電磁切換弁の作動具合や、チェック弁及びピストンの動き に大きな差が見られる場合があるほか、切換回数、摺動回数が増加すれば経年変 化という形で電磁切換弁の作動具合やピストンの動きに差が出てくる。
【0005】 このような機差や経年変化が位置決め精度に及ぼす影響を少なくする方法とし て、偏差に対するパルスのOFF時間の変化率を大きくすることも考えられるが 、そのようにすると偏差ーパルス幅変換の行える比例領域が少なくなるため、何 かの原因で行き過ぎが生じた場合とか、ON/OFF電磁切換弁の特性のばらつ きによりハンチングを起こす恐れがあるという問題があった。
【0006】 本考案を適用しようとするピストンシリンダ装置は、それぞれの圧力室に接続 された2個のON/OFF3方向電磁切換弁の内部又は外部にチェック弁を設け 、位置決めされている場合は両方の3方向電磁切換弁をON状態とし、負荷スプ リングとチェック弁の作用で中間位置に停止させるようにしている。そして、ピ ストンを移動させる場合は進行方向の圧力室に接続された3方向電磁切換弁をO FFにすることによって圧力室の圧力をタンク圧とし、引っ張るようにピストン を移動するが、スプリングに対抗して進む場合と、スプリングに加勢されて進む 場合との大きく異なる2つの制御形態が存在する。
【0007】 上記従来の方法においては、そのような2つの制御形態について、電磁切換弁 の電気的特性のばらつきや電源電圧の変動及び油温の変動を考慮した上で、バラ ンスのとれた 最小OFFパルス幅及びパルス周期を選択することは困難であっ た。 例えば、偏差に対するパルスのOFF時間比率の変化率又はON時間比率の変 化率、つまりサーボゲインに付いて考えてみると、スプリング力に対抗して進む 場合は、電磁切換弁が完全にOFF状態になるまでにしないとピストンが移動し ないため、次に偏差が「0」になったときに他方をON状態にして停止させよう としても、電磁コイルのインダクタンスにより充分なコイル電流が直ちに流れな いため、直ちに停止することができず行過ぎを生じる。この行過ぎを補正するた め、スプリング力に加勢されて進む方向の電磁切換弁をOFFにするが、このと き、電磁切換弁を完全にOFFする状態までにすると同様、電磁コイルのインダ クタンスにより直ちに停止することができずハンチング状態になるため、スプリ ング力に対抗して進む場合に生じた行過ぎ状態においても、スプリング力に加勢 されて進む方向の電磁切換弁に対し、完全にOFF状態とはならないパルス電圧 を印加する必要がある。従って、偏差に対するパルスのOFF時間比率の変化率 、つまりサーボゲインもそれ程大きくすることはできない。
【0008】 このようにサーボゲインを大きくすることができない上、各電磁切換弁の応答 の遅れにばらつきが大きいため、応答性の悪い電磁弁で制御されるピストンシリ ンダ装置にあっては、より一層、実質上の不感帯が大きくなっていた。そのため 、従来の偏差ーパルス幅変調を用いてピストンシリンダ装置の位置決め精度を良 くしようとすると、パルスに比例するか、電流に比例するかの違いだけで電磁比 例弁やサーボ弁と同様の性能が必要になるという問題があった。
【0009】 次に、従来技術のようなフィードバックセンサから得られる現在値と指令値と の偏差に比例したOFF時間のパルスを電磁切換弁に与える方法においては、両 方の3方向電磁切換弁がON状態にならず、一定の偏差を保ったまま、一方の電 磁切換弁にある一定のOFF時間比率のパルス電圧が印加され続けることがある 。この状態が長く続くと、スイッチング用パワートランジスタの発熱及びスイッ チング用パワートランジスタの保護用のサージ吸収器の発熱が大きくなり放熱対 策が必要となる。特に、指令値が長期にわたって変化しないような場合には、更 に注意が必要になる等という問題があった。又、OFF時間比率のパルス電圧を 電磁切換弁に与えることによる騒音も問題であった。
【0010】 従って、本考案の目的は、偏差ーパルス幅変調等の長所を有する従来の位置決 め制御回路において、電磁切換弁の作動具合やピストン動作の差の影響を受けに くく、偏差値が高い程急速にOFFすることにより、一定の偏差を保持したまま 一方の電磁切換弁にある一定のOFF時間比率のパルス電圧が印加され続けるこ とのないピストンシリンダ装置の位置決め制御回路を提供することにより、ピス トンシリンダの位置決め精度を高めることである。
【0011】
本考案によるピストンシリンダ装置の位置決め制御回路は、上記の目的に鑑み て成されたもので、それぞれの圧力室に接続された2個のON/OFF3方向電 磁切換弁の内部又は外部にチェック弁を設け、位置決め中、両方の3方向電磁切 換弁をON状態とし、チェック弁の作用で中間位置に停止させることができるピ ストンシリンダ装置の位置決め制御回路において、ピストンの位置を指示する指 令装置と、ピストンの位置を検出するフィードバックセンサと、該指令装置から の指令信号とフィードバックセンサからのフィードバック信号との差を検出する 偏差検出回路と、その出力信号に基づきピストンを保持し続けるか又はいずれか の方向に移動するかを判断する比較回路と、前記比較回路の出力信号に基づき電 磁切換弁をONにする方向には急速に充電又は放電し、OFFにする方向には緩 やかに放電又は充電する充放電回路と、前記偏差検出回路の出力信号に基づき電 磁切換弁をOFFする方向にのみ偏差に比例した速さで前記充放電回路を放電又 は充電する回路と、充放電回路の出力電圧に比例した出力パルスに変換する電圧 ーパルス幅変換回路とを具備することを特徴とするものである。
【0012】
本考案は上記のように構成したことにより、特に、現在値と指令値との偏差が 大きくなったとき、偏差検出回路の出力信号に基づき偏差値に比例した速さで充 放電回路を放電することにより電磁切換弁をOFFにして、一定の偏差を保持し たまま一方の電磁切換弁に一定のOFF時間比率のパルス電圧が印加され続ける のを防止することができる。
【0013】
次に、図1乃至図5に基づき、本考案の実施例を詳細に説明する。図1は本考 案の一実施例によるピストンシリンダ装置の位置決め制御回路を示す図、図2は 本考案の他の実施例によるピストンシリンダ装置の位置決め制御回路を示す図、 図3は図1及び図2の位置決め制御回路を適用しうる油圧回路を示す図、図4は コンデンサの放電状態を示すグラフ図、図5はコンデンサの充電状態を示すグラ フ図である。 図1において、符号21は図3にフィードバックセンサ11として示したフィ ードバック用位置センサとしての作用を有する作動トランスであり、それはピス トンに直結されたコア201の位置変化によりピストン位置を検出する。作動ト ランス21の出力は検波回路23によってピストンのストロークに比例した直流 電圧に変換され、次段の偏差検出回路24に入力され、そこからジョイステック 22からの指令電圧と作動トランス21からのフィードバック電圧との差を出力 する。尚、符号202は、センタ電圧調整用の半固定可変抵抗器である。
【0014】 符号203、204は演算増幅器を使用した比較回路とダイオードとを組み合 わせた回路であり、わずかに正帰還をかけて動作を安定させている。符号203 と204の回路は、充放電用コンデンサ207、208を充電する方向にだけ作 用するから偏差検出回路24の出力電圧により、どの電磁切換弁をONにするか という論理判断機能を有することになる。符号205及び206の回路は、抵抗 器62、63によるオフセット付き反転演算増幅器であるが、ダイオード223 、224の作用により充放電用コンデンサ207、208を放電する方向にだけ 作用するから偏差検出回路24の出力電圧により、どの電磁切換弁をOFFにす るかという論理判断機能を有することになる。 符号221、222は演算増幅回路205、206の偏差電圧を模擬的に放電 電流に変換する電圧ー電流変換用抵抗器である。符号209、210は放電抵抗 であり、充放電用コンデンサ207、208が符号203、204の演算増幅器 により充電されないときに電磁切換弁をOFFにする方向に緩やかに放電する放 電抵抗である。
【0015】 符号26は公知の三角波発振回路であり、その出力から経過時間に比例して上 昇及び下降を繰り返す三角波出力が得られる。符号27は充放電回路71、72 の出力電圧に比例したパルス幅を持つ出力パルスに変換する電圧ーパルス幅変換 回路であり、三角波発振回路26の出力電圧と充放電回路の出力電圧とを比較す ることによって電圧ーパルス幅変換を行うものである。符号25はジョイステッ ク22が操作されていないことを検出し、偏差検出回路24の出力電圧に無関係 に両方の3方向電磁切換弁をOFFにするジョイステック22の不感帯検出回路 であり、この出力は、C−MOSゲート回路(例えば、モトローラ社MC140 81)で構成されるスイッチ回路28に入力される。符号29はスイッチ回路2 8から出力される電圧パルスを電磁切換弁の切換えができる程度の電圧及び電流 のパルスに変換するドライブ回路である。符号213、214は電磁切換弁21 5、216をOFFしたときに発生するサージ電圧によりパワートランジスタ2 11、212が耐電圧を越えて破損されるのを防止するサージ吸収器である。
【0016】 次に、図3のピストンシリンダ装置にこの回路を接続した場合の動作について 説明する。尚、電磁切換弁のON遅れ時間を10msec、電磁切換弁のOFF 遅れ時間及び電磁コイル215、216の電磁エネルギがサージ吸収器213、 214に完全に吸収されてしまうまでの時間を2msecと仮定する。 いま、図3のピストンシリンダ装置に接続された両方の電磁切換弁がON状態 にあり、ピストンが図3のように中間の位置に保持されているものとする。 保持された状態で偏差検出回路24の出力が+5.9V〜+6.1Vの間であ れば、比較器回路203の比較器の出力は“1”であり、偏差検出回路24の出 力電圧が+6.0Vの時に演算増幅回路205の出力が比較器回路203の比較 器の飽和出力電圧からダイオード223の電圧降下を引いた電圧になるように抵 抗器62でオフセットされているとすれば、充放電回路のコンデンサ207は、 比較器回路203の比較器の飽和出力電圧からダイオードの電圧降下を引いた電 圧まで充電される。
【0017】 偏差検出回路の出力が+6.1V以上になると充放電回路のコンデンサ208 は比較器回路204で充電されているが比較器217の出力は“0”になり比較 器回路203を通じて充放電回路のコンデンサ207を充電しなくなるのでコン デンサ207の電荷は放電抵抗209を通じて放電される。一方、反転増幅回路 205に入力された信号はダイオード223のアノード側の電圧を前記オフセッ ト調整用の抵抗器62、63の仮定により比較器回路203の飽和出力電圧以下 にする。ここで、ダイオード223のアノード側の電圧が8Vになったと仮定し 、偏差検出回路の出力に変化がないと仮定すると、充放電回路のコンデンサ20 7の電荷は比較器回路203の飽和出力電圧から8Vまでは放電抵抗209と電 圧ー電流変換抵抗器221により放電される。又、8V以下では放電抵抗209 単独で放電する。
【0018】 偏差検出回路の出力が+5.9V以下になると充放電回路のコンデンサ208 の電荷は前記同様に放電抵抗210の電圧ー電流変換抵抗器222又は放電抵抗 210単独により放電される。この回路は偏差に反比例して放電時間が決まるよ うにすることを目的とするが、正確に偏差に反比例して放電時間がきまるような 回路、つまり放電抵抗209、210を電界効果トランジスタ等の電圧可変抵抗 素子やCdS光誘電セルと発光ダイオード又はランプの組み合わせによる光可変 抵抗素子として偏差値によりこれらの可変抵抗素子の抵抗値を変化させるのが理 想であるが回路が複雑になること、素子のバラツキを補正するための調整要素が 多くなるため実用的でなく回路を示していない。
【0019】 回路定数として、比較器回路203、204による充放電回路の充電時間の時 定数は0.1msec、放電抵抗209、210による放電時間の時定数は20 0msecとし、放電開始後、電磁切換弁にパルス電圧が印加されるまでの遅れ 時間は25msecに設定されているものと仮定する。この充放電回路71、7 2の充電電圧は後段のパルス幅変換回路27で三角波発振回路26の出力電圧と 比較されパルス幅変調される。
【0020】 偏差検出回路24の出力が+5.9V〜+6.1Vの間にならない限り、時間 と共にパルスのON時間比率が下がっていくこと、及び電磁切換弁のOFF遅れ 時間に比較してパルスのON時間比率の変化が充分緩やかであることから、コン デンサ207又は208の電圧値が図4の斜線内にある間に必ず偏差値の補正が 行われることになる。
【0021】 図5は図2の充放電回路91、92の充電電圧と、偏差が生じてからの経過時 間との関係を示す図であり、ピストンが負荷スプリングに加勢されて進む場合は 、図5の斜線の上方で、ピストンが負荷スプリングに対抗して進む場合は、中央 部から下の方でピストンが移動することになる。
【0022】 ピストンが移動することでフィードバックセンサからのフィードバック信号が 変化し、偏差検出回路24の出力が+5.9V〜+6.1Vになると同時に、比 較器回路203又は204により充放電回路のコンデンサ207又は208に電 化が充電され、出力パルスは連続ONの状態になる。両方の電磁切換弁215、 216をON状態にしても、ピストンを不感帯内で停止することができず、いき すぎが生じて、補正をしようとした場合、こんどは反対側のコンデンサ208又 は207が放電を開始することになるが、前記仮定に基づき25msecの間の 出力パルスは連続ONの状態である。電磁切換弁のON遅れ時間が10msec であるとの仮定によれば、電磁切換弁215、216がOFFになっているとき の状態とならず、電磁切換弁215、216は完全なON状態となる。
【0023】 その後、電磁切換弁215又は216がパルス幅制御され偏差を補正すること になる。この事は、ピストンが負荷スプリングに加勢されて圧力室の油圧がタン ク側に漏れるだけでピストンを移動することができる状態において、位置決め可 能な不感帯幅まで不感帯幅を小さく出来るということである。このような状態で は、電磁切換弁もONに近い状態であり、直ちにON状態に切換え可能であり、 チェック弁も作動しないので安定に位置決めし易い。
【0024】 次に、外乱として商業電力線から誘導ノイズが制御回路に入ってきた場合につ いて考察する。商業電力線の周波数を50ヘルツとすれば、その周期は20ms ecとなる。偏差検出回路24は本来の偏差値に誘導ノイズを重畳した信号を出 力する。この電圧が+6.1V以下になればコンデンサ207を瞬時に充電し、 又+5.9V以上となればコンデンサ208を瞬時に充電する。
【0025】 反対に、この電圧が+6.1V以上になればコンデンサ207は放電を開始し 、又+5.9V以下となればコンデンサ208は放電を開始する。このように放 電もするが、前記仮定によれば、放電開始後25msec経過しないとパルス幅 制御されないのに比較して、誘導ノイズは20msec毎にコンデンサ207、 208を充電するように作用するため、誘導ノイズの振幅分だけ実質上、不感帯 幅が拡大されることになる。
【0026】 しかし、このように位置決め精度は向上するものの偏差に反比例して放電時間 が決まるようにする演算増幅回路205、206及びダイオード223、224 がない場合には、従来の比較器だけの純粋な電磁切換弁のON−OFF制御方式 に比較し50msec〜300msecも応答遅れが大きくなるために、ジョイ ステック22の指令電圧が比較的速く変化する場合には、かえって位置決め精度 が悪化したように見えるときがある。しかし、図1の回路では、偏差検出回路2 4の出力が比較的大きい場合には演算増幅回路205、206の作用により、3 5msecでの充放電回路の放電も可能である。又、誘導ノイズに注意すること で放電開始後、電磁切換弁にパルス電圧が印加されるまでの遅れ時間を25ms ec以下にすれば、もっと速くすることも可能である。このことにより、従来の 比較器だけの純粋な電磁切換弁のON−OFF制御方式と同様な応答性を持ちな がら、且つ位置決め精度を向上することが可能になった。
【0027】 図2は本考案によるピストンシリンダ装置の位置決め制御回路の他の実施例を 示す図である。作動トランス31及び検波回路33、偏差検出回路34、パルス 幅変換回路37、電磁切換弁315、316及びドライブ回路39は図1のもの と同じ構成である。図2のジョイステック不感帯検出回路35及び図1の回路( 図2のダイオード)はハイブリッドIC化への適合を図るため、C−MOSロジ ック回路からダイオード及びトランジスタによるロジック回路に変更している。 このため、図1の演算増幅器25、27も図2においてはオープンコレクタ出力 の比較器35、37に変更している。図1において使用していた三角波発振回路 26からの三角波形の代わりに図2では矩形波発振回路36からの微積分波形で 代用している。
【0028】 図2の制御回路の特徴は、1つの演算増幅器に図1の比較器回路203、20 4と演算増幅回路205、206の作用をさせたことである。又、ツェナーダイ オード360、361を儲けて、図1のオフセット調整用の抵抗器62、63の 作用をさせるようにしている。
【0029】
本考案による制御回路を使用した場合、従来の偏差ーパルス幅変換方法のよう に、ある一定の偏差が残ってしまうために長時間にわたって電磁切換弁にパルス 電圧を与えているが、ピストンが移動しないということはあり得ないので、電磁 切換弁ドライブ回路のパワートランジスタやサージ吸収器の負担が軽くなり、信 頼性が向上した。
【0030】 又、電磁切換弁からパルス電圧による異音が発生する可能性も減少する。それ から、外乱ノイズを見込んだ制御上の不感帯幅を予め回路に組み込んでおく必要 がなくなり、回路構成上の不感帯幅を小さくすることが出来た。
【0031】 同様に、フィードバックセンサに差動トランスを使用した場合、従来の偏差ー パルス幅変換方法の場合には、励磁波形のリップルが制御回路の不感帯の幅より 小さくないと行けないので、制御回路の不感帯を小さくしようとすると、まず検 波回路のフィルタのカットオフ周波数を下げるなどしてフィルタを強化する必要 があった。しかし、一般的にはフィルタを強化するとフィードバック信号の位相 遅れが大きくなり、ピストンの行き過ぎ量が大きくなる。本考案による制御回路 では、励磁波形のリップル分だけ不感帯の幅が自動的に大きくなるため、リップ ル分に対して特に神経質になることもなく、フィルタのカットオフ周波数を高め にし、フィードバック信号の位相遅れを小さくすることができる。
【0032】 又、単純に、充分緩やかに変化する電圧パルスを電磁切換弁に与える方法では 、従来の比較器だけ、または偏差ーパルス幅制御方法に比較し50〜300ms ec程度の遅れがあり、パワーショベルの排土作業時のようにピストンをすばや く作動させ、ショックを与える場合には、この50〜300msecもショック の大きさに影響して問題となるが、偏差値に比例した速度でパルスの幅が変化す るようにしたので、従来と同様のショックを発生させることが出来るようになっ た。偏差値に比例した速度でパルス幅が変化するようにすることで、オーバシュ ートしても少しづつパルスの幅の変化速度が小さくなれば位置決めが可能である ので比較器だけのON/OFF制御の場合のようにこれが限界であるというよう な本質的な制御上の不感帯を設定する必要がなく設計上の余裕が出来ると共にハ ンチングに対しても余裕ができた。
【0033】 このことにより、ヒステリシスが小さく、分解能のよいそして応答性のよい制 御回路が構成できた。例えば、図1に示す回路では、限界性能でなく、量産時を 考えて不感帯の幅に余裕を持たせた場合でも、±6mmストロークの電磁マルチ 弁に適用してヒステリシス幅及び分解能0.1mmが達成できた。回路を構成す る部品点数でも、従来の回路に比較して、少し多い程度でありながら、高性能な 制御回路が構成できた。
【0034】 又、従来と同様に特殊な部品を使用していないので、ハイブリッドIC化にも 適しており、マイクロコンピュータを使用した制御回路と比較しても充分安価に 構成することができた。
【図1】本考案の一実施例によるピストンシリンダ装置
の位置決め制御回路の回路図
の位置決め制御回路の回路図
【図2】本考案の他の実施例によるピストンシリンダ装
置の位置決め制御回路の回路図
置の位置決め制御回路の回路図
【図3】図1及び図2の位置決め制御回路を適用しうる
油圧回路の回路図
油圧回路の回路図
【図4】コンデンサの放電状態を示すグラフ図
【図5】コンデンサの充電状態を示すグラフ図
【図6】従来のピストンシリンダ装置の位置決め制御回
路の回路図
路の回路図
21:差動トランス 22:ジョイステック 24:偏差検出回路 27:電圧ーパルス幅変換回路 71、72:充放電回路 203、204:比較器回路 205、206:演算増幅回路
Claims (1)
- 【請求項1】ピストンシリンダ装置に備えられ、圧力室
に接続された2個のON/OFFの3方向電磁切換弁の
内部又は外部にチェック弁を設け、位置決めされている
間、前記3方向電磁切換弁をON状態とし、チェック弁
により中間位置に停止させることが出来るピストンシリ
ンダ装置の位置決め制御回路において、前記ピストンの
位置を指示する指令装置と、前記ピストンの位置を検出
するフィードバックセンサと、前記指令装置からの指令
信号と前記フィードバックセンサからのフィードバック
信号との差を検出する偏差検出回路と、前記偏差検出回
路の出力信号に基づき前記ピストンを保持し続けるかま
たはいずれの方向に移動するかを判断する比較回路と、
前記比較回路の出力信号に基づき電磁切換弁をONにす
る方向には急速に充電または放電し、OFFにする方向
には緩やかに放電または充電する充放電回路と、前記偏
差検出回路の出力信号に基づき電磁切換弁をOFFにす
る方向にのみ偏差に比例した速さで前記充放電回路を放
電または充電する回路と、前記充放電回路の出力電圧に
比例した出力パルスに変換する電圧ーパルス幅変換回路
とを含むことを特徴とするピストンシリンダ装置の位置
決め制御回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1648891U JPH0512704U (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 位置決め制御回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1648891U JPH0512704U (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 位置決め制御回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0512704U true JPH0512704U (ja) | 1993-02-19 |
Family
ID=11917679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1648891U Withdrawn JPH0512704U (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 位置決め制御回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0512704U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003514362A (ja) * | 1999-11-19 | 2003-04-15 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマ密度測定用安定化発振器回路 |
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1991
- 1991-02-28 JP JP1648891U patent/JPH0512704U/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003514362A (ja) * | 1999-11-19 | 2003-04-15 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマ密度測定用安定化発振器回路 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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