JPH0512689Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、紙パツク飲料の輸送時に使用され
る蓄冷剤に関する。

（従来技術） 牛乳、ジユース等は軽量性等の点から第５図に
示すような紙パツク容器に収納されて販売される
場合が多い。

そのような紙パツク飲料は、第６図のような輸
送用箱１０に詰められて販売店等まで輸送される
が、その際内容物の腐敗を防ぐため低温に維持さ
れる必要がある。そこで従来にあつては、第７図
に示すような袋に収納された蓄冷剤１４を、丸め
て冷却した後前記輸送用箱１０に紙パツク飲料１
２と一緒に収容して紙パツク飲料１２の冷却を行
つていた。

（考案が解決しようとする課題） ところで前記紙パツク飲料が詰められた輸送用
箱１０は、輸送効率を高めるために通常積み重ね
られて運搬される。しかし、前記の蓄冷剤１４を
紙パツク飲料１２の上に置くと、その蓄冷剤１４
が邪魔になつて箱１０を積み重ねることができ
ず、輸送効率が低下する。そのため、従来にあつ
ては第８図のように箱１０内の紙パツク飲料１２
を一個あるいは数個抜き取り、その抜き取つた後
の空間に蓄冷剤１４を収納していた。

その結果、一つの箱内に収容できる紙パツク飲
料１２の数が少なくなり、輸送効率が落ちる問題
があつた。また、蓄冷剤１４によつて直接冷却さ
れる紙パツク飲料は、その蓄冷剤と接している紙
パツク飲料１２ａ，１２ｂ，１２ｃ等だけであ
り、他の紙パツク飲料１２ｄ等は、前記蓄冷剤１
４と接している紙パツク飲料１２ａ等を介して、
更にはその他の紙パツク飲料を介して間接的に冷
却されることになり、一部冷却不良を生じ易い問
題もある。

そこでこの考案は、一つの輸送用箱に収容し得
る紙パツク飲料の数を少なくせず、しかも効率良
く紙パツク飲料を冷却できる蓄冷剤を提供するも
のである。

（課題を解決するための手段） 前記課題を解決するため、この考案は、複数の
紙パツク飲料をその上部の封印部が並列となるよ
うに並べた際に、その平行する封印部間の隣接紙
パツク上面がなすＶ字形状、あるいはそのＶ字形
状が所定数連続してなる鋸歯形状を、底面の断面
形状とする中空箱体に蓄冷薬剤を収納して、紙パ
ツク飲料の保冷輸送用蓄冷剤としたのである。

（作用） この考案の蓄冷剤は、輸送用箱に収納された紙
パツク飲料の上部に載置されて用いられる。その
際、紙パツク飲料は、上部の封印部が同一方向を
向いて列をなすように、すなわち並列となるよう
に並べられ、その並列をなす封印部間において紙
パツク上面が構成するＶ字形空間に、この蓄冷剤
がそのＶ字形状もしくは鋸歯形状の底面を合わせ
て配置される。そのため蓄冷剤は、輸送用箱内の
紙パツク飲料の上部隙間にスツポリ収まつた状態
になり、輸送用箱を積み重ねる際に邪魔になるこ
とがない。

また、輸送用箱に収納された全部の紙パツク飲
料の上部を覆うようにして蓄冷剤を配置できるた
め、全紙パツク飲料をその上部から直接冷却する
ことができる。

（実施例） 以下この考案の実施例について説明する。

第１図はこの考案の一実施例に係る蓄冷剤の斜
視図、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第３図はその
使用時を示す斜視図である。

その蓄冷剤１６は、ブロー成形等により形成さ
れたプラスチツク製中空箱体１８内に蓄冷薬剤２
０が収納されたものである。

中空箱体１８は、所定の長さからなり、その長
手方向に直交する断面が、底面１８ａをＶ字形
状、上面１８ｂを水平、両側面１８ｃを上面１８
ｂに対しほぼ鉛直とする五角形からなる。その底
面のＶ字形状は、第３図のように複数の紙パツク
飲料２２をその上部の封印部２４が並列となるよ
うにした場合に、封印部２４が平行する隣接紙パ
ツク飲料例えば２２ａ，２２ｂの紙パツク上面２
６ａ，２６ｂの形成するＶ字形状とほぼ同じ形状
とする。また、中空箱体１８の幅ｄは、平行する
封印部２４，２４間距離を等しくし、他方中空箱
体の長さａは紙パツク飲料が収納される輸送用箱
の大きさに合わせるのが好ましい。

蓄冷薬剤２０としては、通常用いられているも
のを使用し得る。例えば、水、あるいは容器の破
損時における内容物の流出を防ぐために水にカル
ボキシメチルセルロース等の増粘剤を添加したも
の、さらには融解温度を調節するためにアルコー
ル類もしくは無機塩類を添加したもの等がある。

このようにしてなる蓄冷剤１６は、次のように
して用いられる。まず、あらかじめ所定数の蓄冷
剤１６を冷蔵庫または冷凍庫等に収容して冷却す
る。その後、第３図のように、上部封印部２４が
並列するようにして輸送用箱１０内に並べられた
紙パツク飲料２２の上部に、その蓄冷剤１６を底
面１８ａのＶ形状と紙パツク上面２６ａ，２６ｂ
等が構成するＶ形状とを合わせて所定数載置し、
紙パツク飲料２２の上部を蓄冷剤１６で覆う。こ
れによつて、紙パツク飲料２２は、輸送中上部の
蓄冷剤１６から降下する冷気により各々均一に冷
却される。

第４図は、この考案の他の実施例に係る蓄冷剤
２８の一部切り欠き斜視図である。この蓄冷剤２
８は、中空箱体３０が、その底面３０ａの断面形
状を前記Ｖ形状の所定数連続した鋸歯形状として
なるもの、換言すれば、前記第１図に示した蓄冷
剤１６の中空箱体１８を所定数横につないだよう
な形状からなるもので、その中空箱体３０内に蓄
冷薬剤２０が収納されている。なお、中空箱体３
０底面のＶ形状部の連接部３２は凹溝３４とし
て、その凹溝３４に紙パツク上部の封印部（第３
図の２４）が嵌まるようにするのが好ましい。

このようにしてなる蓄冷剤２８は、前記と同様
にして輸送用箱に詰められた紙パツクの上部に、
その紙パツク上面のＶ形状と中空箱体底面３０ａ
のＶ形状が合うように載置されて使用される。そ
の際中空箱体３０が、第１図の中空箱体１８を横
に所定数つなげたのと同じ形状からなり、１個の
幅が大となつているため、前記第１図の蓄冷剤１
６に比べて載置数が少なくてすみ、作業が簡単に
なる。

（効果） この考案は、複数の紙パツク飲料をその上部の
封印部が並列になるように並べた際に、その平行
する封印部間の隣接紙パツク上面がなすＶ字形
状、あるいはそのＶ字形状が所定数連続してなる
鋸歯形状を、底面の断面形状とする中空箱体に蓄
冷薬剤を収納して紙パツク飲料の保冷輸送用蓄冷
剤を構成したものである。そのため、輸送用箱に
上部の封印部が並列になるように紙パツク飲料を
詰め、その平行する封印部間の隣接紙パツク上面
がなすＶ字形状と、蓄冷剤の中空箱体底面がなす
Ｖ字形状とを合わせてその蓄冷剤を紙パツク飲料
上部に載置すれば、紙パツク飲料上部の封印部間
に形成される空間に蓄冷剤をスツポリ収納でき
る。その結果、輸送用箱を積み重ねても蓄冷剤が
邪魔になることがない。しかも、輸送用箱内の紙
パツク飲料を抜き取らなくても蓄冷剤を輸送用箱
に収めることができるので、輸送効率が低下する
こともない。

また、輸送用箱内の紙パツク飲料の全部を、そ
の紙パツク飲料の上部から直接冷却することがで
きるため、部分的に冷却不良を生じることがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る蓄冷剤の斜
視図、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第３図はその
使用時を示す斜視図、第４図はこの考案の他の実
施例に係る蓄冷剤の一部切り欠き斜視図、第５図
は紙パツク容器の斜視図、第６図は紙パツク飲料
を輸送用箱内に詰めた状態の斜視図、第７図は従
来の蓄冷剤の斜視図、第８図は従来の蓄冷剤使用
時を示す斜視図である。 １６，２８……蓄冷剤、１８，３０……中空箱
体、１８ａ，３０ａ……中空箱体底面、２０……
蓄冷薬剤、２２……紙パツク飲料、２４……封印
部、２６ａ，２６ｂ……紙パツク上面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の紙パツク飲料をその上部の封印部が並列
   になるように並べた際に、その平行する封印部間
   の隣接紙パツク上面がなすＶ字形状、あるいはそ
   のＶ字形状が所定数連続してなる鋸歯形状を、底
   面の断面形状とする中空箱体に蓄冷薬剤を収納し
   てなることを特徴とする、紙パツク飲料の保冷輸
   送用蓄冷剤。