JPH05126194A - 自動二輪車用フロントフオーク - Google Patents

自動二輪車用フロントフオーク

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JPH05126194A
JPH05126194A JP31137991A JP31137991A JPH05126194A JP H05126194 A JPH05126194 A JP H05126194A JP 31137991 A JP31137991 A JP 31137991A JP 31137991 A JP31137991 A JP 31137991A JP H05126194 A JPH05126194 A JP H05126194A
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oil
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damper
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内、外筒の内部にダンパーシリンダを備える
自動二輪車用フロントフォークにおいて、油量を少な
く、ダンパーシリンダの放熱性を向上し、かつダンパー
シリンダの減衰特性を向上すること。 【構成】 自動二輪車用フロントフォーク10におい
て、ダンパーシリンダ13を内筒11に固定し、ピスト
ン15を固設するピストンロッド41をシール部材4
2、43を介してダンパーシリンダ13の外部に延出
し、外筒12に固定するとともに、ダンパーシリンダ1
3の上端と内、外筒11、12とはシール部材42、4
3を介して密封し、ダンパーシリンダ13の上方に油室
16Aと気体室16Bからなる反力室16が構成されて
いるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車用フロント
フォークに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動二輪車用フロントフォーク
は、実公昭62-21162号公報に記載される如く、内筒と外
筒を摺動自在に嵌合し、内部にダンパーシリンダを配設
し、ダンパーシリンダの内部に減衰力発生機構を備える
ピストンを摺動自在に嵌装し、ダンパーシリンダの外部
に油室と気体室からなる反力室を構成している。これに
より、乗員等の車載重量、或いは車輪側からの衝撃力を
内、外筒の伸縮に基づいて圧縮される反力室内の気体の
反発力により弾発的に支持するとともに、ダンパーシリ
ンダ内部の減衰力発生機構により内、外筒の引側、押側
減衰力を確保し、乗り心地や操安性の向上を図ってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
では、ダンパーシリンダの外周空間が反力室の少なくと
も一部になっており、かつダンパーシリンダと反力室と
が連通状態にあり、内、外筒の伸縮に際しては、ダンパ
ーシリンダと反力室との間で油の移動を生ずる構成にな
っているため、下記〜の問題点がある。
【0004】ダンパーシリンダの外周空間が反力室の
少なくとも一部になっているため、反力室において気体
室を画成するための油室容積が大きく、必要油量が過大
となる。
【0005】ダンパーシリンダの外周空間が反力室を
構成する油室の油によって充満されており、ダンパーシ
リンダの放熱性が悪い。このため、ダンパーシリンダ内
の油温が上昇し易く、油の粘度変化による減衰特性の不
良、油の体積変化による油圧の異常上昇に基づく油漏れ
の虞れを生ずる。
【0006】ダンパーシリンダに侵入してくる反力室
側の油は、該反力室を構成する気体室の気体を巻き込ん
でいる可能性があり、ダンパーシリンダ内の油に気泡が
入ることによる減衰特性の不良を招く虞れがある。
【0007】本発明は、内、外筒の内部にダンパーシリ
ンダを備える自動二輪車用フロントフォークにおいて、
油量を少なく、ダンパーシリンダの放熱性を向上し、か
つダンパーシリンダの減衰特性を向上することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、内筒と外筒を摺動自在に嵌合し、内部にダンパーシ
リンダを配設し、ダンパーシリンダの内部に減衰力発生
機構を備えるピストンを摺動自在に嵌装してなる自動二
輪車用フロントフォークにおいて、ダンパーシリンダを
内筒又は外筒のうちいずれか下側の部材に固定し、前記
ピストンを固設するピストンロッドをシール部材を介し
てダンパーシリンダの外部に延出し、内筒又は外筒うち
上側の部材に固定するとともに、ダンパーシリンダの上
端と内、外筒とはシール部材を介して密封し、ダンパー
シリンダの上方に油室と気体室からなる反力室が構成さ
れているようにしたものである。
【0009】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記ダンパーシリンダの内部
には中間にピストンを備え上下に延びるピストンロッド
がダンパーシリンダの上、下端の上、下シール部材を介
して貫通しているようにしたものである。
【0010】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2記載の本発明において更に、前記ピストンロッドの内
部には温度補償機能を備える補償室を備えるようにした
ものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、下記〜の作用効果があ
る。 ダンパーシリンダの上端と内、外筒とをシール部材を
介して密封する状態下で、ダンパーシリンダの上方に油
室と気体室からなる反力室を構成しているから、ダンパ
ーシリンダの外周空間が反力室を構成する油室とならな
い。このため、反力室において気体室を画成するための
油室容積が小さく、油量を少なくできる。
【0012】ダンパーシリンダの外周空間が反力室を
構成する油室とならない結果、この外周空間がダンパー
シリンダ内油の空冷室となり、ダンパーシリンダの放熱
性を向上する。このため、ダンパーシリンダ内の油温を
下げ易く、油の粘度変化による減衰特性の不良を防止
し、かつ油の体積変化による油圧の異常上昇を回避して
油漏れを防止できる。
【0013】ダンパーシリンダ内の油は常に該シリン
ダ内に密封されていて、反力室との往来がない。このた
め、反力室を構成する気体室の気体を巻き込んでいる油
がダンパーシリンダに浸入する虞れが全くなく、ダンパ
ーシリンダへの気泡混入による減衰特性の不良を防止で
きる。
【0014】ダンパーシリンダのピストンロッドが該
シリンダの上下シール部材を貫通することにより、ダン
パーシリンダ内におけるピストンロッドの移動が、該シ
リンダ内における該ロッド容積の顕著な変化を生ずるも
のならず、結果として該ロッドの移動に基づく該シリン
ダ内の油量補償用リザーバタンクの如くを設ける必要が
なくなる。
【0015】ダンパーシリンダのピストンロッド内部
に温度補償機能を備える補償室を備えることにより、油
の体積変化による油圧の異常上昇に起因する油漏れをよ
り確実に防止できる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る自動二輪車用
フロントフォークを示す断面図、図2は図1の要部断面
図、図3はダンパーシリンダのピストンを示す模式図、
図4は調整ロッドの回転構造を示す模式図、図5は調整
ロッドとばね受駆動部材との嵌合構造を示す模式図、図
6は温度補償構造を示す模式図である。
【0017】自動二輪車用フロントフォーク10は、内
筒11を車軸側に配置する倒立式であり、内筒11と外
筒12とを摺動自在に嵌合し、内筒11の内部にダンパ
ーシリンダ13を配設し、ダンパーシリンダ13の内部
に減衰力発生装置14を備えるピストン15を摺動自在
に嵌装し、ダンパーシリンダ13の外部である内筒11
と外筒12の内部に油室16Aと気体室16Bからなる
反力室16を構成している。
【0018】尚、外筒12の下端部にはシール17A、
17Bを介してキャップ17が螺着され、キャップ17
には、内筒11の外周面に接するシール18及びベアリ
ング19が保持されている。また、外筒12の上端部に
はシール21を介してフォークボルト22が螺着され、
外筒12の上端側中間部には内筒11の外周面に接する
ベアリング23が保持されている。そして、内筒11の
下端部にはアクスルホルダ24が螺着されている。24
Aは車軸取付孔である。
【0019】また、内筒11の下端部には据付ボルト2
5によりシリンダ取付カラー26が固定され、カラー2
6の上端内周部にはダンパーシリンダ13の下端外周部
が螺着によって固定されている。27はロックナットで
ある。
【0020】また、外筒12の上端部に設けたフォーク
ボルト22の内周部には、ばね調整用ダイアル28がシ
ール29を介して嵌着され、かつ該ばね調整用ダイアル
28の外筒12内に位置する下端小外径部にはダイアル
係止部材31が螺着され、ばね調整用ダイアル28を回
動自在に連結している。そして、ばね調整用ダイアル2
8の外筒12内に位置する上記下端小外径部には、更に
ばね受32が螺着され、このばね受32と、ダンパーシ
リンダ13の上端側の後述するばね受33との間には、
ばね34が介装されている。ばね受32はフォークボル
ト22の内面軸方向に刻設されている回り止め溝35に
係合する突起36を備えている。これにより、ばね調整
用ダイアル28が回転操作せしめられると、ダイアル2
8の下端小外径部に螺着されているばね受32を軸方向
に移動し、ばね34の初期設定長を調節可能とする。
【0021】フロントフォーク10において、気体室1
6Bの気体と、ばね34とは、内筒11と外筒12との
収縮時に反発力を発生し、乗員等の車載重量、或いは車
輪側からの衝撃力を弾発的に支持する。
【0022】尚、内筒11のダンパーシリンダ13上端
部より上方には、内外に貫通する油孔37が設けられて
おり、油室16Aの油の一部を内筒11と外筒12との
間に導入可能とし、これによって前述したベアリング1
9、23を潤滑可能としている。
【0023】然るに、ダンパーシリンダ13にあって
は、ピストン15を固設する中空状ピストンロッド41
をシール42、43を介して該シリンダ13の外部に延
出し、ピストンロッド41の下端部はシリンダ取付カラ
ー26内に延びる自由端とし、ピストンロッド41の上
端部は外筒12の側に固定されている。ここで、ピスト
ンロッド41の上端部は前述のばね調整用ダイアル28
の外筒12内に位置する下端内径部にシール44を介し
て螺着固定されているロッド取付部材45にシール46
を介して螺着固定されている。47はロックナットであ
る。これにより、内筒11と外筒12とが伸縮すると
き、ダンパーシリンダ13は内筒11側に静止し、ピス
トンロッド41は外筒12とともに移動し、ピストン1
5がシリンダ13内を移動することとなる。
【0024】尚、ダンパーシリンダ13の下端内径部に
はシール48を介してロッドガイド49が固定され、ロ
ッドガイド49にはピストンロッド41の外周面に接す
る前述のシール42が保持されている。
【0025】また、ダンパーシリンダ13の上端内径部
にはシール52を介してロッドガイド53が固定され、
ロッドガイド53にはピストンロッド41の外周面に接
する前述のシール43が保持されている。また、ダンパ
ーシリンダ13の上端外径部にはシール54を介して隔
壁部材55が固定され、隔壁部材55には内筒11の内
周面に接するシール56が保持されている。これによ
り、フロントフォーク10にあっては、ダンパーシリン
ダ13の上端と内筒11、外筒12とを互いに密封し、
ダンパーシリンダ13の上方に前述の油室16Aと気体
室16Bからなる反力室16を構成している。
【0026】尚、上述の隔壁部材55の上端外周部には
カラー57の下端部が装着され、カラー57の上端部に
前述したばね34のばね受33を支持している。
【0027】然るに、フロントフォーク10の減衰力発
生装置14は、ピストンロッド41回りにおいて以下の
如くに構成されている。尚、ピストンロッド41は、下
中空ロッド41Aと、下中空ロッド41Aの上端外径部
に螺着されている油ロックピース41Bと、油ロックピ
ース41Bの上端内径部に螺着されている雌ねじ部材4
1Cと、雌ねじ部材41Cの上端内径部に螺着されてい
る上中空ロッド41Dの4部材の連結にて構成されてい
る。58はロックナットである。
【0028】減衰力発生装置14は、ピストン15を固
設してあるピストンロッド41の内部に設けられて該ピ
ストン15の上下の油室59A、59Bを連通する油路
61、62、63を備える。油路61は雌ねじ部材41
Cに穿設され、油路62は雌ねじ部材41Cの内径部に
て構成され、油路63は油ロックピース41Bに穿設さ
れている。そして、油路63の出口部に逆止弁63Aを
設けている。これにより、油路61〜63は引側流路を
構成するものとなっている。
【0029】また、減衰力発生装置14は、図3に示す
如く、ピストンロッド41の外周に設けられて、該ピス
トン15の引側流路64、押側流路65のそれぞれを開
閉する、引側ディスクバルブ66、押側ディスクバルブ
67を備える。引側ディスクバルブ66は油ロックピー
ス41Bに背面支持されるスペーサ68により支持され
ており、押側ディスクバルブ67は雌ねじ部材41Cに
背面支持されるスペーサ69により支持されている。そ
して、押側ディスクバルブ67は、雌ねじ部材41Cの
外周部に装着されているバルブスプリング受71が支持
するバルブスプリング72により押え部材73を介して
背面支持され、このバルブスプリング72の取付長さ変
化に基づくばね力の変化により開放圧を調整可能とされ
ている。
【0030】このとき、ピストンロッド41を構成する
上中空ロッド41Dの内部には、調整ロッド74が軸方
向に移動自在及び回動自在に延設されており、(a) 調整
ロッド74の先端ニードル弁74Aの軸方向移動により
前述の引側流路としてのピストンロッド内油路62の開
口面積を調節し、ひいては引側減衰力を調整可能とす
る。また(b) 調整ロッド74の回動によるバルブスプリ
ング受71の移動により上述のバルブスプリング72の
取付長さを調節し、押側ディスクバルブ67の開放圧を
調節することにより、ひいては押側減衰力を調節可能と
する。
【0031】尚、上記(b) のバルブスプリング受71の
移動構造は以下の如くである。即ち、バルブスプリング
受71に一体化されているピン75は雌ねじ部材41C
に設けてあるスリット76の内部に突出している。他
方、図5に示す如く、調整ロッド74のスリ割端面部7
4Bには軸方向にのみ移動可能な雄ねじ部材77が嵌着
され、この雄ねじ部材77は雌ねじ部材41Cに螺着し
ている。これにより、調整ロッド74が回転すると、こ
れと一体に回転する雄ねじ部材77が雌ねじ部材41C
に対して螺動して軸方向に進み、雄ねじ部材77の端面
がバルブスプリング受71のピン75を押込み、ひいて
はバルブスプリング受71を移動せしめ、結果としてバ
ルブスプリング72の取付長さを調節可能とする。
【0032】また、上記(b) の押側減衰力調節のための
調整ロッド74の回動は以下の構造によりなされる。即
ち、前述のばね調整用ダイアル28の外端側内径部には
固定リング78が螺着され、押側用ダイアル81と係止
部材82とがボルト83により一体化された状態で上記
固定リング78を両側から挟み、押側用ダイアル81及
び係止部材82を回転のみ可能としている。そして、図
4に示す如く、係止部材82の先端にはスリット84が
設けられ、調整ロッド74の基端にはピン85が設けら
れ、スリット84とピン85とを常時係合せしめてい
る。これにより、押側用ダイアル81を回転操作する
と、スリット84とピン85の係合を介して、調整ロッ
ド74が回動せしめられることとなる。
【0033】また、上記(a) の引側減衰力調節のための
調整ロッド74の軸方向移動は以下の構造によりなされ
る。即ち、上述の押側用ダイアル81と一体の係止部材
82にはねじ軸86が螺着され、ねじ軸86の外方突出
端には引側用ダイアル87が止めねじ88により固定さ
れている。他方、調整ロッド74の前述ロッド取付部材
45を貫通した外方端部回りに止め輪91を係止すると
ともに、ロッド取付部材45の端面と止め輪91との間
にロッド戻しばね92を介装し、ばね92の弾発力によ
り調整ロッド74の外方端面を常時ねじ軸86の内方端
面に圧接せしめている。これにより、引側用ダイアル8
7を回転操作すると、ねじ軸86が係止部材82に螺動
して移動し、ひいては調整ロッド74を軸方向に移動せ
しめることとなる。尚、係止部材82のねじ軸86回り
にはディテントボール93が内蔵されており、このディ
テントボール93がねじ軸86の外周部の周方向に設け
られている多数の凹溝のいずれかに順次係合し、引側用
ダイアル87の回転操作位置を多段階的に可変せしめ
る。
【0034】更に、フロントフォーク10にあっては、
ピストンロッド41の内部に温度補償機能を備える補償
室94を備える。即ち、前述した油路61〜63に連通
する下中空ロッド41Aの上端側内径部には、図6に示
す如く、シール95を介してオリフィス体96が嵌合さ
れ、オリフィス体96の上端面には直径方向に刻設され
るスリット97を備え、更にばね98に背面支持されて
いる逆止弁99をこのスリット端面に圧接せしめてい
る。96Aはオリフィスである。そして、下中空ロッド
41Aのオリフィス体96より下端側内径部を油室10
0とし、補償室94の最奥部にはプランジャ101が軸
方向移動可能に装入されている。このとき、下中空ロッ
ド41Aの下端内径部にはキャップ102が封着され、
キャップ102とプランジャ101との間を上述の補償
室94とし、この補償室94内に気体と圧縮ばね103
を内蔵している。これにより、ダンパーシリンダ13内
の油温上昇により膨張する油は、油路61〜63からオ
リフィス体96のスリット97、オリフィス96Aを経
て油室100に逃げ込み、補償室94を圧縮することに
て吸収される。その後、ダンパーシリンダ13内の油温
が低下すれば、補償室94が膨張して、油室100内に
逃げ込んでいた上述の油をダンパーシリンダ13側に戻
すのである。
【0035】尚、フロントフォーク10にあっては、ダ
ンパーシリンダ13の下室59Bの最下端部にオイルロ
ックハウジング111を固定しており、内筒11と外筒
12との再収縮時に、ピストンロッド41の油ロックピ
ース41B先端部をこのオイルロックハウジング111
に入り込ませることにて両者間の油圧を上昇せしめ、押
側ストローク端での緩衝を行なう。
【0036】また、フロントフォーク10にあっては、
ダンパーシリンダ13の上室59Aの最上端部にリバウ
ンドスプリング112を配設しており、内筒11と外筒
12との再伸長時に、ピストンロッド41の雌ねじ部材
41C上端面をこのリバウンドスプリング112に衝突
させてこのスプリング112を圧縮せしめ、引側ストロ
ーク端での緩衝を行なう。
【0037】以下、フロントフォーク10の動作につい
て説明する。 (1) フロントフォーク10の内筒11、外筒12が圧縮
作動すると、ダンパーシリンダ13の下室59Bが収縮
し、その油はピストン15の押側流路65から押側ディ
スクバルブ67を押し開いて上室59Aに移動し、押側
減衰力を発生する。
【0038】(2) フロントフォーク10の内筒11、外
筒12が伸長動作すると、上室59Aが収縮し、その油
の一部はピストン15の引側流路64から引側ディスク
バルブ66を押し開いて下室59Bに移動するととも
に、他の一部はピストンロッド41内で油路61、ニー
ドル弁74Aに絞られている油路62、63、逆止弁6
3Aを経て下室59Bに移動し、引側減衰力を発生す
る。
【0039】次に、本実施例の作用について説明する。 調整ロッド74の先端ニードル弁74Aの軸方向移動
により、引側流路となるピストンロッド内油路62の開
口面積を調節することにより、引側でのピストンロッド
内油路62の流路抵抗を可変とし、引側減衰力を調節で
きる。このとき、ピストンロッド内油路62の開口面積
がニードル弁74Aにて多段階で調整されるから、結果
として引側減衰力を滑らかに調節できる。
【0040】調整ロッド74の回動によるバルブスプ
リング受71の移動により押側ディスクバルブ67の開
放圧を調整するバルブスプリング72の取付長さを調節
することにより、押側でのディスクバルブ67の開放圧
を可変とし、押側減衰力を調節できる。このとき、バル
ブスプリング72の取付長さはバルブスプリング受71
の移動にて無段階に調整されるから、結果として押側の
減衰力を滑らかに調節できる。
【0041】ダンパーシリンダ13の上端と内、外筒
11、12とをシール部材52、56を介して密封する
状態下で、ダンパーシリンダ13の上方に油室16Aと
気体室16Bからなる反力室16を構成しているから、
ダンパーシリンダ13の外周空間が反力室16を構成す
る油室16Aとならない。このため、反力室16におい
て気体室16Bを画成するための油室容積が小さく、油
量を少なくできる。
【0042】ダンパーシリンダ13の外周空間が反力
室16を構成する油室16Aとならない結果、この外周
空間がダンパーシリンダ13内油の空冷室となり、ダン
パーシリンダ13の放熱性を向上する。このため、ダン
パーシリンダ13内の油温を下げ易く、油の粘度変化に
よる減衰特性の不良を防止し、かつ油の体積変化による
油圧の異常上昇を回避して油漏れを防止できる。
【0043】ダンパーシリンダ13内の油は常に該シ
リンダ13内に密封されていて、反力室16との往来が
ない。このため、反力室16を構成する気体室16Bの
気体を巻き込んでいる油がダンパーシリンダ13に浸入
する虞れが全くなく、ダンパーシリンダ13への気泡混
入による減衰特性の不良を防止できる。
【0044】ダンパーシリンダ13のピストンロッド
41が該シリンダ13の上下シール部材42、43を貫
通することにより、ダンパーシリンダ13内におけるピ
ストンロッド41の移動が、該シリンダ13内における
該ロッド容積の顕著な変化を生ずるものならず、結果と
して該ロッド41の移動に基づく該シリンダ13内の油
量補償用リザーバタンクの如くを設ける必要がなくな
る。
【0045】ダンパーシリンダ13のピストンロッド
41内部に温度補償機能を備える補償室94を備えるこ
とにより、油の体積変化による油圧の異常上昇に起因す
る油漏れをより確実に防止できる。
【0046】尚、本発明の実施においては、外筒を車軸
側に配置する正立式フロントフォークとし、下側となる
外筒にダンパーシリンダを固定し、ダンパーシリンダの
ピストンロッドを上側となる内筒に固定するものであっ
ても良い。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内、外筒
の内部にダンパーシリンダを備える自動二輪車用フロン
トフォークにおいて、油量を少なく、ダンパーシリンダ
の放熱性を向上し、かつダンパーシリンダの減衰特性を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る自動二輪車用フ
ロントフォークを示す断面図である。
【図2】図2は図1の要部断面図である。
【図3】図3はダンパーシリンダのピストンを示す模式
図である。
【図4】図4は調整ロッドの回転構造を示す模式図であ
る。
【図5】図5は調整ロッドとばね受駆動部材との嵌合構
造を示す模式図である。
【図6】図6は温度補償構造を示す模式図である。
【符号の説明】
10 フロントフォーク 11 内筒 12 外筒 13 ダンパーシリンダ 14 減衰力発生装置 15 ピストン 16A 油室 16B 気体室 16 反力室 41 ピストンロッド 42、43 シール部材 94 補償室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒と外筒を摺動自在に嵌合し、内部に
    ダンパーシリンダを配設し、ダンパーシリンダの内部に
    減衰力発生機構を備えるピストンを摺動自在に嵌装して
    なる自動二輪車用フロントフォークにおいて、ダンパー
    シリンダを内筒又は外筒のうちいずれか下側の部材に固
    定し、前記ピストンを固設するピストンロッドをシール
    部材を介してダンパーシリンダの外部に延出し、内筒又
    は外筒うち上側の部材に固定するとともに、ダンパーシ
    リンダの上端と内、外筒とはシール部材を介して密封
    し、ダンパーシリンダの上方に油室と気体室からなる反
    力室が構成されていることを特徴とする自動二輪車用フ
    ロントフォーク。
  2. 【請求項2】 前記ダンパーシリンダの内部には中間に
    ピストンを備え上下に延びるピストンロッドがダンパー
    シリンダの上、下端の上、下シール部材を介して貫通し
    ている請求項1記載の自動二輪車用フロントフォーク。
  3. 【請求項3】 前記ピストンロッドの内部には温度補償
    機能を備える補償室を備える請求項1又は2記載の自動
    二輪車用フロントフォーク。
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