JPH05124495A - 車両減速制御装置 - Google Patents

車両減速制御装置

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JPH05124495A
JPH05124495A JP32003391A JP32003391A JPH05124495A JP H05124495 A JPH05124495 A JP H05124495A JP 32003391 A JP32003391 A JP 32003391A JP 32003391 A JP32003391 A JP 32003391A JP H05124495 A JPH05124495 A JP H05124495A
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JP
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vehicle
learning
control
speed
deceleration
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JP32003391A
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Toshihiko Suzuki
敏彦 鈴木
Koji Ono
宏司 大野
Arata Takahashi
新 高橋
Gunji Sugimoto
軍司 杉本
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ブレーキを利用した車両減速制御装置で、ニュ
ーラルネットワークによる学習が安定して行われるもの
を得る。 【構成】ブレーキ14の液圧を制御する電磁液圧制御弁
を、フィードバック制御部40と、ニューラルネットワ
ーク50および学習管理装置52を備えたフィードフォ
ワード制御部42とによって制御し、車両10を適正に
減速させる。ニューラルネットワーク50は目標速度お
よび目標減速度を入力とし、目標速度と速度センサ16
により検出された実速度との差の絶対値が小さくなるよ
うにユニットの結合の重みを更新する学習を行う。学習
管理装置52は、減速制御回数が一定回数になるまでは
スロットル弁18を介してエンジン12に適正な駆動力
を発生させる。これにより、車両10の前後方向ダイナ
ミクスを線形に近似させることができ、安定な学習が行
われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の減速制御装置に関
するものであり、特にブレーキを利用した減速制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走行中の車両を減速させるためにはブレ
ーキが用いられるのが普通である。このブレーキの制御
には従来、比例,積分,微分等の制御要素によるフィー
ドバック制御が利用されていた。しかし、フィードバッ
ク制御による場合は制御遅れの発生を回避し得ず、十分
な精度で減速制御を行うことが困難である。したがっ
て、フィードフォワード制御を行うことが望ましいが、
ブレーキの制動力を制御する電磁液圧制御弁の制御特性
や摩擦部材の摩擦係数等には比較的大きなばらつきが生
じ易く、それらばらつきにフィードフォワード量を適合
させる作業が面倒である。近年、例えば、特開平2−2
38599号公報に記載されているように、車両の制御
にニューラルネットワークを利用することが提案されて
おり、ニューラルネットワークによるフィードフォワー
ド制御を行えば、フィードフォワード量の適合作業を自
動で行うことが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ブレーキを利
用して車両を減速させる場合には、車両の前後方向のダ
イナミクスの非線形性、すなわち、減速時と加速時とで
ダイナミクスが違うという非線形性によって、車両組立
後のイニシャルトレーニング時にニューラルネットワー
クによる学習が安定して行われないという問題が生じ
る。ブレーキを利用した減速制御中に減速が強過ぎて増
速することが必要となった場合に、ブレーキの制動力を
0にしても増速することができないからである。本発明
は、以上の事情を背景として、イニシャルトレーニング
時にニューラルネットワークによる学習が安定して行わ
れる車両減速制御装置を得ることを課題としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明に係る車両減速制御装置は、1)電気的な駆
動制御指令に応じて車両の駆動源の駆動力を制御可能な
駆動力制御手段と、2)電気的なブレーキ制御指令に応
じて車両のブレーキの制動力を制御可能なブレーキ制御
手段と、3)車両の速度を検出する速度検出手段と、
4)車両の走行条件に応じて少なくとも車両の目標速度
を含む目標変数を決定する目標変数決定手段と、5)複
数のニューロンユニットが互いに結合されており、少な
くとも目標変数決定手段により決定された目標変数を入
力として前記ブレーキ制御指令を発するとともに、速度
検出手段により検出される実速度の目標速度に対する誤
差が小さくなるようにニューロンユニット間の結合の重
みを修正する学習を行うフィードフォワード型のニュー
ラルネットワークと、6)少なくともそのニューラルネ
ットワークにおける学習の初期においては駆動源に駆動
力を発生させるように駆動力制御手段を作動させる駆動
力制御管理手段とを含むように構成される。なお、減速
制御中における駆動源の駆動力発生は、少なくともイニ
シャルトレーニングの初期の段階に行われればよく、減
速制御中は必ず駆動力が発生させられるようにしてもよ
い。
【0005】
【作用】このように、減速制御時にエンジン等車両の駆
動源に駆動力を発生させれば、車両の前後方向のダイナ
ミクスを線形に近くすることできる。したがって、ニュ
ーラルネットワークのイニシャルトレーニング時に学習
が安定して行われる。
【0006】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、フィードフォワード制御により制御遅れの少
ない減速制御が実現される上、フィードフォワード量の
適合作業が自動で行われるため、作業工数が著しく低減
する効果が得られる。しかも、ニューラルネットワーク
による学習が安定して行われるため、短時間でイニシャ
ルトレーニングを完了することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1において、符号10は制御対象とし
ての車両を示す。車両10は、駆動源としてのエンジン
12と、制動手段としてのブレーキ14と、速度検出手
段としての速度センサ16とを備えている。エンジン1
2は、図2に示すスロットル弁18により駆動力を制御
され、ブレーキ14は電磁液圧制御弁20により制動力
を制御される。スロットル弁18のスロットル開度αと
エンジンの出力トルクTとの間、および電磁液圧制御弁
20のソレノイドの励磁電流Is と出力液圧たるブレー
キ液圧Pb との間にはそれぞれ図示の関係がある。
【0008】車両10の前後方向のダイナミクスモデル
は図2の破線で囲まれた部分で表される。すなわち、ス
ロットル弁18,エンジン12および駆動輪を含む系は
一時遅れ要素およびむだ時間要素を含む系と考えること
ができ、また、車両に働く力Fe ,Fb ,Fc ,Fg
加速度Αv との関係は次のように定式化できる。 Av =(Fe −Fb −Fc −Fg )/(Mv +Mp ) Fb =B・μ・Pb (Is ) Fc =C Fg =(Mv +Mp )・g・sin θ ただし、Fe はエンジン12の出力トルクTに基づく車
両の駆動力である。また、Fb はブレーキの制動力で非
線型特性を持つ。Fcは走行抵抗で、空気抵抗分は0と
みなし、他の抵抗分は一定とみなす。Fg は道路勾配に
より発生する重力の車両前後方向成分である。Mvは車
両重量、Mp は乗車人員および積載物の積載重量であ
る。BおよびCは定数であり、μはブレーキパッドの摩
擦係数で、ここでは変数と考える。gは重力加速度であ
り、θは道路勾配の角度である。また、車両の速度Vv
は加速度Av の積分であり、速度センサ16により検出
される。
【0009】スロットル弁18はよく知られたものであ
るので説明を省略し、電磁液圧制御弁20を図3に基づ
いて説明する。電磁液圧制御弁20はスプール26を備
え、このスプール26は、ブレーキ14に接続される出
力ポート28とリザーバに接続される低圧ポート30お
よび液圧源に接続される高圧ポート32との連通状態を
切り換えるスプール弁である。スプール26は、ソレノ
イド34の電磁力と、出力ポート28からのフィードバ
ック液圧に基づく反力ピストン36の作動力とにより作
動させられ、出力ポート28の液圧、つまりブレーキ液
圧Pb をほぼ励磁電流Is に比例する大きさに制御す
る。ただし、厳密には電磁液圧制御弁20の特性は若干
の非線型性とヒステリシスを有する。
【0010】上記構成の車両10を制御する制御部は、
図1に示すように、比例型のフィードバック制御部40
と、学習型のフィードフォワード制御部42とを備えて
いる。フィードバック制御部40はアナログ回路で構成
された比例制御要素46を有し、目標速度・減速度発生
装置44から発生される目標速度Vdと前記速度センサ
16により検出される車両の実速度Vv との差が小さく
なるようにブレーキ14を制御するものである。フィー
ドフォワード制御部42は、ニューラルネットワーク5
0とそれの学習を管理する学習管理装置52とを備えて
いる。
【0011】目標速度・減速度発生装置44は図4に一
例を示す目標速度Vd および目標減速度−Ad の時間変
化のパターンを複数記憶しており、車両の走行状態の変
化に応じて適宜パターンを選択し、その選択したパター
ンに従って目標速度Vd および目標減速度−Ad を時系
列的に供給するものである。
【0012】ニューラルネットワーク50は、図2に示
すように、目標速度Vd と目標減速度−A dとを入力と
してF(Vd ,−A d,W)を出力するものである。な
お、Wは逐次更新される結合の重みのベクトルである。
ニューラルネットワーク50は2個のニューロンユニッ
ト(以下、ユニットと略称する)から成る入力層54、
12個のユニットから成る中間層56および1個のユニ
ットから成る出力層58を有する。入力層54のユニッ
トの出力関数は入力をそのまま出力する関数であり、中
間層56および出力層58の出力関数は+1〜−1で規
格化されたシグモイド関数であって、ニューラルネット
ワーク50はバックプロパゲーション法により、入力パ
ターンに対して望ましい出力パターンが得られるように
ユニット間の結合の重みを逐次更新する学習を行う。
【0013】通常のバックプロパゲーション学習ではニ
ューラルネトワーク50の出力と望ましい出力である教
師信号との差が学習信号として用いられるが、本実施例
においては正確な減速制御を実現できるフィードフォワ
ード量、すなわち教師信号が予め得られないため、次式
で表される量Jがコスト関数とされている。 J=(1/2)・(Vv −Vd 2 したがって、学習は量Jが最小となる方向に進むことと
なる。
【0014】この学習法は、制御対象が線形に近似でき
る場合には、誤差信号が制御対象のダイナミクスを通過
した後の信号で学習する方法と考えることができる。こ
こで、Vv −Vd は前記フィードバック制御部40のフ
ィードバック誤差と同一であり、また、電磁液圧制御弁
20の励磁電流Is は次式で表される。 Is =K(Vv −Vd )+F(Vd ,−Ad ,W) ただし、Kは比例制御要素46の制御ゲインである。ニ
ューラルネットワーク50の学習が未だ不完全な学習初
期においてはフィードバック制御部40のみが有効に働
くが、学習が安定に進む条件下では誤差Vv −Vd が0
に収束する。すなわち、外乱による偏差がなければ、学
習完了後はニューラルネットワーク50によるフィード
フォワード量のみで制御が行われるのである。この結
果、瞬時値としての任意の目標速度Vd および目標減速
度−Ad の入力ペアに対する望ましい出力値が実現され
る。
【0015】ニューラルネットワーク50のユニット間
の結合の重みは当初ランダム値に設定される。それ以外
に妥当な設定方針が無いからである。そのため、ニュー
ラルネットワーク50はイニシャルトレーニングの開始
からある程度学習が進むまではでたらめな制御を行う。
一般的な制御対象に対しては、初期重みを非常に小さく
して、初期には主としてフィードバック制御部42によ
る制御が効くようにすることが一般的に行われている
が、ブレーキ制御システムにおいてはこれは本質的な対
策とはならない。車両の前後方向のダイナミクスには非
線形性があり、目標速度Vd >実速度Vv となった場合
にブレーキ液圧Pb を0にしても加速できないからであ
る。ブレーキ液圧Pb が正である場合には減圧学習を行
い、減圧され過ぎると目標速度Vd <実速度Vv となっ
て増圧学習を行うというように、学習過程が発振的とな
る。また、ブレーキ液圧Pb が0の場合には、減圧学習
を進めてもブレーキ液圧はそれ以上下がらないため、ニ
ューラルネットワーク50は無意味な学習を進めること
となる。これら2つの理由により学習が安定に進まない
のである。
【0016】この問題を解決するために本実施例におい
ては、学習管理装置52が設けられている。ニューラル
ネットワーク50の学習回数が所定回数に達するまでの
間および学習信号の絶対値が設定値より大きい間は、学
習管理装置52がスロットル弁18を適当な開度で開か
せて車両10のダイナミクスを線形に近似させるように
なっているのである。
【0017】上記目標速度・減速度発生装置44,ニュ
ーラルネットワーク50および学習管理装置52は実際
にはコンピュータで構成されており、コンピュータのR
OMには目標速度Vd および目標減速度−Ad を時系列
的に供給するための複数のパターンのそれぞれに対応し
た複数のテーブルが設けられるとともに、図5および図
6のフローチャートでそれぞれ表される学習ルーチンお
よび学習管理ルーチンのプログラムが格納されている。
【0018】本実施例の減速制御装置を備えた車両は、
図7に示すように、出荷前にイニシャルトレーニングを
施され、イニシャルトレーニングによる学習結果がRO
M化された上で出荷される。そして、出荷後には、イグ
ニッションスイッチのON操作に応じてROM化された
結合の重みによる初期設定が行われ、車両走行中は、ブ
レーキ14や電磁液圧制御弁20を始めとする各構成要
素の特性の経時変化や、道路勾配,積載重量等の環境変
化に順応して適正な制御を行うための学習が行われる。
この学習結果はバックアップRAMに保持され、以後そ
のRAM値に基づいた減速制御が行われるとともに学習
が行われ、RAM値が更新される。この時期には、車両
の走行環境等に合わせて目標速度Vd および目標減速度
−Ad のパターンが100msec毎に更新される。例え
ば、前方車両に追従する自動走行を行っている場合に、
前方車両が停止したため前方車両までの限られた距離以
内で停車させる必要が生じた場合には、その目的に合っ
たパターンが選択されるのである。
【0019】以下、図5および図6のフローチャートを
参照しつつイニシャルトレーニングを説明する。このト
レーニングは第一段階と第二段階とから成っている。第
一段階はスロットル弁18を制御してエンジン12に減
速開始時の車両速度30km/h を維持し得る出力トルク
Tを発生させつつ、実際にブレーキ液圧Pb の制御を行
って30km/h から5km/h まで減速することを20回
繰り返し、その間にニューラルネットワーク50に学習
を行わせる段階であり、第二段階はエンジン12の出力
トルクTを0として、車両10を完全に停止させるまで
減速する減速制御を1回行い、その間にニューラルネッ
トワーク50に学習を行わせる段階である。第一段階お
よび第二段階の学習は、乗員1名が乗った車両10が水
平な道路を30km/h で走行している状態から減速制御
を行うことにより実行される。なお、第一段階において
は結合の重みの更新ゲインが0.001とされ、第二段
階においては0.005とされる。
【0020】第一段階および第二段階の実行時には図5
の学習ルーチンおよび図6の学習管理ルーチンが1msec
に1回ずつ実行される。車両10が30km/h で走行し
ている状態において図示を省略する減速開始指令スイッ
チがONされれば、目標速度・減速度発生装置44(実
際にはそれを構成しているコンピュータ)に減速制御開
始信号が入力され、それに応じて学習ルーチンおよび学
習管理ルーチンの実行が開始されるのである。
【0021】まず、図5のステップS1(以下、S1と
略記する。他のステップについても同様)において演算
/学習周期(ここでは1msec)の経過が待たれ、次にS
2において入力層54へのデータ入力が行われる。図4
のパターンのテーブルから、その時に対応した目標速度
d および目標減速度−Ad の値が読み出されるであ
る。続いて、S3において出力層58の出力値が計算さ
れる。入力層52の各ユニットは入力値をそのまま出力
値として伝達するため特に計算の必要はないが、中間層
56および出力層58の各ユニットについては、それら
ユニットの結合の重みにより各ユニットへの入力値が計
算され、その入力値に対するシグモイド関数の関数値が
各ユニットの出力値として計算されるのである。
【0022】計算された出力値がS4において出力さ
れ、この出力値がフィードバック制御部40の出力値と
加え合わされ、その加算値に対応する大きさの励磁電流
s が電磁液圧制御弁20に供給される。その結果、ブ
レーキ液圧Pb が上昇し、ブレーキ14が作動させられ
る。
【0023】続いてS5において、制御目標値および実
現値の計測が行われる。その時の目標速度Vd がテーブ
ルから読み出されるとともに、速度センサ16により検
出された実速度Vv が読み込まれるのである。それら目
標値と実現値との差の絶対値が誤差としてS6において
計算され、S7においてその誤差が設定値より小さいか
否かの判定が行われる。|Vv −Vd |が設定値以下で
あるか否かの判定と、(1/2)・(Vv −Vd 2
設定値以下であるか否かの判定とは、それぞれの設定値
を適当に選べば同じことであるので、ここでは計算の容
易な前者が採用されているのである。
【0024】判定の結果がNOであれば、S8において
各ユニット間の結合の重みが更新される。この更新は第
一段階においては0.001のゲインで行われる。ま
た、判定の結果がYESであれば、S8がスキップさ
れ、更新は行われない。以後、S1〜S8が繰返し実行
される。
【0025】以上の学習ルーチンが1回実行される毎に
図6の学習管理ルーチンも1回実行される。S11にお
いて、学習回数、すなわち30km/h から5km/h まで
の減速制御の実行回数が所定値(ここでは20回)より
大きくなったか否かの判定が行われる。当初においては
この判定の結果は勿論NOであり、S12においてスロ
ットル制御の要,不要を表すスロットルフラグがONと
され、S13において、ブレーキ14が作動させられな
いとすればエンジン12に30km/h の速度を維持し得
る出力トルクを出力させるようなスロットル弁18の弁
開度が指令される。
【0026】そして、S11の判定結果がYESとなれ
ば、S14において、誤差|Vv −Vd |が設定値より
小さいか否かの判定が行われる。S11の判定結果がY
ESとなった後には、S14の判定結果もYESとなる
のが普通であるが、何らかの理由で誤差が未だ設定値よ
り大きければ、S12,S13が実行される。S14の
判定結果がYESであれば、S15においてスロットル
フラグがOFFとされ、それによって学習が第二段階へ
移行する。
【0027】第二段階においては、スロットルフラグが
OFFとされるのに応じてスロットル弁18の制御が停
止され、速度30km/h から完全に停車させる減速制御
が1回実行される。この1回の減速制御中にニューラル
ネットワーク50は学習を完了し得、正確に望ましい減
速制御が行われる状態となる。これでイニシャルトレー
ニングが終了し、このときのニューラルネットワーク5
0の各ユニット間の結合の重みがROMに格納された
後、車両10が出荷される。
【0028】このように1つのパターンについてイニシ
ャルトレーニングを行っておけば、ニューラルネットワ
ークが持つジェネラライゼーション・アビリティと呼ば
れる補間能力により、出荷後の構成要素の経時変化や、
道路勾配,積載荷重等環境の変化に応じて十分な学習が
行われる。このことは実験によっても確認されている。
【0029】本実施例装置においては減速度センサが使
用されない。現在入手可能な減速度センサは、一般に出
力の安定性が悪く、重力の影響を受ける等の計測精度上
の問題があり、一方、車輪の速度を微分して減速度を求
める場合には計測周期が長くなり、路面の摩擦係数の影
響を受ける等の問題があるため、減速度センサを必要と
しないことは大きなメリットである。
【0030】また、本実施例装置は、組立完了直後のイ
ニシャルトレーニング時のみではなく、出荷後において
もニューラルネットワーク50が学習を行うようにされ
ており、かつ、走行条件に応じて目標速度等のパターン
が自動で更新されるようになっているため、構成要素の
経時変化や車両の環境変化等が存在しても、常に適正な
減速/停止が実現される。
【0031】また、減速制御と学習とが同時に行われ、
特別の教師信号を必要としないことも本実施例装置の特
徴の一つである。さらに、ニューラルネットワーク50
は非線形パターン変換が可能であるため、電磁液圧制御
弁20の若干の非線形特性を矯正することが可能であ
る。
【0032】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、スロットル弁18が駆動力制御手段を構成
し、電磁液圧制御弁20がブレーキ制御手段を構成して
いる。また、速度センサ16が速度検出手段を、目標速
度・減速度発生装置44が目標変数決定手段をそれぞれ
構成しており、学習管理装置52が駆動力制御管理手段
を構成している。
【0033】上記実施例においては、中間層を1層のみ
備えるニューラルネットワーク50が使用されている
が、中間層を2層以上備えるニューラルネットワークの
使用も勿論可能であり、各層のユニットの個数も上記実
施例における個数に限定されるわけではなく、さらに別
の形式のニューラルネットワークの使用も可能である。
【0034】また、学習管理装置を、実速度が目標速度
より小さく、ブレーキ液圧を低減させるような学習信号
が発生していても、ブレーキ液圧が0であればニューラ
ルネットワークの学習を禁止して、学習が安定に進むよ
うにするものとすることも可能である。
【0035】その他、いちいち例示はしないが、当業者
の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発
明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両減速制御装置を示
すブロック図である。
【図2】上記車両減速制御装置におけるニューラルネッ
トワークの詳細および制御対象としての車両のダイナミ
クスを示す説明図である。
【図3】上記車両減速制御装置の一構成要素である電磁
液圧制御弁の正面断面図である。
【図4】上記車両減速制御装置における目標速度および
目標減速度のパータンの一例を示すグラフである。
【図5】上記車両減速制御装置を構成するコンピュータ
のROMに格納されている学習ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図6】上記車両減速制御装置を構成するコンピュータ
のROMに格納されている学習管理ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図7】上記車両減速制御装置の学習過程を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
16 速度センサ 18 スロットル弁 20 電磁液圧制御弁 40 フィードバック制御部 42 フィードフォワード制御部 44 目標速度・減速度発生装置 46 比例制御要素 50 ニューラルネットワーク 52 学習管理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 宏司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41− 1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 高橋 新 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41− 1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 杉本 軍司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41− 1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的な駆動制御指令に応じて車両の駆
    動源の駆動力を制御可能な駆動力制御手段と、 電気的なブレーキ制御指令に応じて車両のブレーキの制
    動力を制御可能なブレーキ制御手段と、 車両の速度を検出する速度検出手段と、 車両の走行条件に応じて少なくとも車両の目標速度を含
    む目標変数を決定する目標変数決定手段と、 複数のニューロンユニットが互いに結合されており、少
    なくとも前記目標変数決定手段により決定された目標変
    数を入力として前記ブレーキ制御指令を発するととも
    に、前記速度検出手段により検出される実速度の目標速
    度に対する誤差が小さくなるように前記ニューロンユニ
    ット間の結合の重みを修正する学習を行うフィードフォ
    ワード型のニューラルネットワークと、 少なくともそのニューラルネットワークにおける学習の
    初期においては前記駆動源に駆動力を発生させるように
    前記駆動力制御手段を作動させる駆動力制御管理手段と
    を含むことを特徴とする車両減速制御装置。
JP32003391A 1991-11-06 1991-11-06 車両減速制御装置 Pending JPH05124495A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09505250A (ja) * 1993-11-10 1997-05-27 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 車両の制御方法および装置
JP2019093464A (ja) * 2017-11-21 2019-06-20 トヨタ自動車株式会社 パワーアシスト装置
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