JP2019093464A - パワーアシスト装置 - Google Patents

パワーアシスト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019093464A
JP2019093464A JP2017223413A JP2017223413A JP2019093464A JP 2019093464 A JP2019093464 A JP 2019093464A JP 2017223413 A JP2017223413 A JP 2017223413A JP 2017223413 A JP2017223413 A JP 2017223413A JP 2019093464 A JP2019093464 A JP 2019093464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
power assist
assist device
tracking error
unknown
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017223413A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6947613B2 (ja
Inventor
山下 勝司
Katsuji Yamashita
勝司 山下
辰生 成清
Tatsuo Narisei
辰生 成清
ジャバリアスル ハメド
Jabbariasl Hamed
ジャバリアスル ハメド
通裕 川西
Michihiro Kawanishi
通裕 川西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Gauken
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Gauken
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Gauken filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2017223413A priority Critical patent/JP6947613B2/ja
Publication of JP2019093464A publication Critical patent/JP2019093464A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6947613B2 publication Critical patent/JP6947613B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)
  • Rehabilitation Tools (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

【課題】装着者とパワーアシスト装置とのダイナミックな相互干渉を抑制でき、制御系の安定性が確保されているパワーアシスト装置を提供する。【解決手段】パワーアシスト装置のAAN制御手法は、装着者とパワーアシスト装置との動的な相互干渉である未知動特性を考慮した数式モデルに基づき、追従誤差をフィードバックさせる閉ループ系と、目標軌道に対してフィードフォワード型ニューラルネットワークにより未知動特性を推定する未知ダイナミクス推定機構と、から構成され、閉ループ系において、追従誤差に不感帯を設け、かつ、追従誤差を有界にする非線形の関数を用い、未知ダイナミクス推定機構のニューラルネットワークの重み行列Wの更新則において、重み行列Wの有界性が確保される非線形の関数を用い、閉ループ系からの制御入力と未知ダイナミクス推定機構からの制御入力とに基づいて制御トルクを算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、パワーアシスト装置に関する。
近年、装着者の動作を補助するパワーアシスト装置の制御方法において、AAN(Assist−as−Needed)制御の開発が進められている。AAN制御とは、装着者が支援を必要とするときにだけ支援を行うようにする制御手法である。すなわち、AAN制御では、装着者が自力で目標軌道に倣うことができるときには支援の度合いを小さくし、目標軌道との誤差(目標軌道と実際の装着者の身体の軌道との差)が大きいときには支援の度合いを大きくするようにする。非特許文献1には、装着者の上肢の動作を支援するパワーアシスト装置の制御において、インピーダンス制御と未知ダイナミクスを補償するフィードフォワード型ニューラルネットワークを用いて適応制御系を構成したことが記載されている。具体的には、上記ニューラルネットワークにおける適応則(適応項)に含まれる忘却係数により、小さな追従誤差に対しては制御入力を小さくする仕組みを導入することによりAAN制御を実現できることが記載されている。
E.T.Wolbrecht, V.Chan, D.J.Reinkensmeyer, and J.E.Bobrow, IEEE Trans. Neural Systems and Rehabilitation Engineering, Vol.16, 2008
しかしながら、非特許文献1に記載された技術では、目標軌道との誤差に対して線形の入力信号を印加するようにしているので、微小な誤差にも過敏に反応し、かつ、大きな誤差に対しては制御入力信号が飽和することなく増大することになる。このため、目標軌道との誤差が小さい場合には、装着者とパワーアシスト装置とのダイナミック(動的)な相互干渉が十分に緩和されず、装着者に違和感を生じさせる。また、目標軌道との誤差が大きい場合には、装着者に対して過大な支援力・トルクが付与されてしまうおそれもあった。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、装着者とパワーアシスト装置とのダイナミックな相互干渉を抑制できるとともに、制御系の安定性が確保されているパワーアシスト装置を提供することを目的とする。
本発明は、装着者の各関節に対して前記装着者の各関節を回転軸とする制御トルクを付与する駆動源と、前記装着者の身体の軌道と目標軌道との追従誤差が小さい時には前記制御トルクが相対的に小さくなるようにし、前記追従誤差が大きいときには前記制御トルクが相対的に大きくなるようにするAAN制御手法によって前記制御トルクを制御する制御部と、を有するパワーアシスト装置であって、前記AAN制御手法は、前記装着者と前記パワーアシスト装置との動的な相互干渉である未知動特性を考慮した数式モデルに基づき、前記追従誤差をフィードバックさせる閉ループ系と、目標軌道に対してフィードフォワード型ニューラルネットワークにより前記未知動特性を推定する未知ダイナミクス推定機構と、から構成され、前記閉ループ系において、前記追従誤差に不感帯を設け、かつ、前記追従誤差を有界にする非線形の関数を用い、前記未知ダイナミクス推定機構のニューラルネットワークの重み行列Wの更新則において、重み行列Wの有界性が確保される非線形の関数を用い、前記閉ループ系からの制御入力と前記未知ダイナミクス推定機構からの制御入力とに基づいて前記制御トルクを算出するものである。
パワーアシスト装置において、未知動特性を考慮した数式モデルに基づいた、閉ループ系と未知ダイナミクス推定機構から構成されるAAN制御手法を適用する。このANN制御手法では、閉ループ系において追従誤差をフィードバックさせ、未知ダイナミクス推定機構におけるフィードフォワード型ニューラルネットワークにより未知動特性を推定するので、装着者とパワーアシスト装置とのダイナミックな相互干渉を低減することができる。また、閉ループ系において、追従誤差に不感帯を設けることで、微小な追従誤差に対して過敏に制御を行うことがないようにすることができる。さらに、閉ループ系において、追従誤差を有界にする非線形の関数を用い、未知ダイナミクス推定機構のニューラルネットワークの重み行列Wの更新則において、重み行列Wの有界性が確保される非線形の関数を用いているので、パワーアシスト装置において制御系の安定性が確保される。これにより、追従誤差が大きい場合などに制御トルクが過大になるのを抑制することができる。
さらに、前記未知ダイナミクス推定機構において、活性化関数として動径基底関数を用いるものである。
活性化関数として動径基底関数を用いることにより、解の有界性が確保されるので、パワーアシスト装置において、制御系の安定性が確保され、制御トルクが過大になるのを抑制することができる。
さらに、前記閉ループ系において、前記追従誤差に不感帯を設け、かつ、前記追従誤差を有界にする非線形の関数は、パラメータをγ、前記追従誤差を
Figure 2019093464
とすると、
Figure 2019093464
で表されるものである。
閉ループ系において、上記非線形の関数を用いることで、追従誤差に不感帯を設けることが可能になるので、微小な追従誤差に対して過敏に制御を行うことがないようにすることができる。また、閉ループ系において、上記非線形の関数を用いることで、追従誤差を有界にすることができるので、パワーアシスト装置において制御系の安定性が確保され、追従誤差が大きい場合などに制御トルクが過大になるのを抑制することができる。
本発明によれば、装着者とパワーアシスト装置とのダイナミックな相互干渉を低減できるとともに、制御系の安定性が確保されているパワーアシスト装置を提供することができる。
本実施の形態にかかるパワーアシスト装置の概略構成を示す模式図である。 装着者がパワーアシスト装置を装着した状態を示す模式図である。 パワーアシスト装置におけるセンサ信号、制御信号の流れを示すブロック図である。 本実施の形態にかかるパワーアシスト装置の制御系の構成を示す模式図である。 図4における実線Aで囲んだ部分の構成の詳細を示す模式図である。 デッドゾーン関数の特性を示すグラフである。 パワーアシスト装置の制御の流れを示すフローチャートである。 AAN制御モードにおける、目標軌道と実際の関節軌道、および、支援トルクを示すグラフである。 軌道追従制御モードにおける、目標軌道と実際の関節軌道、および、支援トルクを示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1を参照して本実施の形態にかかるパワーアシスト装置1の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかるパワーアシスト装置1の概略構成を示す模式図である。図2は、装着者がパワーアシスト装置1を装着した状態を示す模式図である。
図1および図2に示すように、パワーアシスト装置1は、足支持部21と、下腿支持部材22と、上腿支持部材23と、足首関節回転部材24と、膝関節回転部材25と、股関節回転部材26と、制御部としての制御ボックス(I/Oボード)30と、を備えている。
足支持部21は、足裏を支持する。下腿支持部材22は、装着者に装着された際に、下腿に沿って配置される棒状部材である。上腿支持部材23は上腿に沿って配置される棒状部材である。
足首関節回転部材24は、足支持部21と下腿支持部材22とを回転自在に支持するもので、積極的に回転駆動させるためのサーボモータ等のアクチュエータ24aと、ロータリエンコーダ等の角度センサ24bと、を有する。膝関節回転部材25は、下腿支持部材22と上腿支持部材23とを回転自在に支持するもので、積極的に回転駆動させるためのサーボモータ等のアクチュエータ25aと、ロータリエンコーダ等の角度センサ25bと、を有する。股関節回転部材26は、上腿支持部材23と腰当て部材15とを回転自在に支持するもので、積極的に回転駆動させるためのサーボモータ等のアクチュエータ26aと、ロータリエンコーダ等の角度センサ26bと、を有する。
制御ボックス30は、各センサ(角度センサ24b、25b、26b)からのセンサ信号を検出すると共に、各アクチュエータ(アクチュエータ24a、25a、26a)の駆動を制御する。なお、パワーアシスト装置1は、足支持部21の足裏において、装着者の歩行状況を検出するための少なくとも1つの一軸力覚センサ等の圧力センサ35を備えていてもよい。また、パワーアシスト装置1は、装着者の背中付近において装着者の胴体の傾きを計測するジャイロセンサ34を備えていてもよい。
図3は、パワーアシスト装置1におけるセンサ信号、制御信号の流れを示すブロック図である。図3に示すように、制御ボックス30には、予め目標軌道が入力されている。制御ボックス30には、角度センサ24b、25b、26bから、それぞれ、足首関節回転部材24、膝関節回転部材25、股関節回転部材26の回転角度センサ信号がフィードバックされる。制御ボックス30では、フィードバックされた足首関節回転部材24、膝関節回転部材25、股関節回転部材26の実際の回転角度と、目標軌道から割り出された各関節(足首関節、膝関節、股関節)における目標関節角度を比較する。制御ボックス30では、実際の回転角度の目標関節角度との誤差信号などを用いて必要なパワー支援を行うための制御トルクを計算し、サーボドライバを介して駆動信号をアクチュエータ24a、25a、26aに出力し、アクチュエータ24a、25a、26aを駆動する。足裏の圧力センサ35からのセンサ信号は足部が床面に接しているかどうかを検出するために用いる。
次に、本実施の形態にかかるパワーアシスト装置1の制御方法について説明する。
パワーアシスト装置の制御系設計においては、装着者とパワーアシスト装置とのダイナミック(動的)な相互干渉を考慮するとともに、制御系の安定性についても考慮する必要がある。装着者とパワーアシスト装置1とのダイナミック(動的)な相互作用を考慮した数式モデルは以下のように表される。
Figure 2019093464
ここで、上記数式モデルにおける各符号の意味は以下の通りである。ただし、装着者とパワーアシスト装置1とのダイナミック(動的)な相互作用のため、
Figure 2019093464
に含まれる質量や慣性モーメントなどの物理パラメータはすべて未知である。また、Tは物理的にモデル化できないその他の未知動特性である。これを未知外乱と呼ぶ。
Figure 2019093464
さらに、上記運動方程式において、追従誤差eおよび追従誤差に基づく新たな変数rを用いると以下のように変換される。なお、ηはパラメータである。
Figure 2019093464
さらに、新たな未知動特性f
Figure 2019093464
を用いると、上記運動方程式は以下のように変換される。fは後述する制御トルクτの計算において重要な役割を果たす未知動特性である。
Figure 2019093464
図4は、本実施の形態にかかるパワーアシスト装置1の制御系の構成を示す模式図である。図5は、図4における実線Aで囲んだ部分の構成の詳細を示す模式図である。図4および図5に示すように、パワーアシスト装置1の制御系は、上記数式モデルに基づいて各アクチュエータ(サーボモータ)に出力する制御トルクτを算出する適応制御系である。パワーアシスト装置1の制御系は、閉ループ系(AAN impedence controller)と、未知ダイナミクス推定機構(AAN RBFNN)と、から構成される。
閉ループ系では、目標軌道との追従誤差eに対してPD制御を行う。未知ダイナミクス推定機構では、目標軌道qに対してフィードフォワード型ニューラルネットワーク(AAN RBFNN)により未知動特性を推定する。未知ダイナミクス推定機構では、目標軌道qより算出されるzのみをニューラルネットワークの入力とし、追従誤差eは後述するニューラルネットワークの重み行列Wの更新則の計算にのみ用いる。追従誤差eをニューラルネットワークの重み行列Wを逐次更新する更新則に用いることで、教師データを用いて事前にオフライン学習するステップがなくなる。また、更新則にProjection関数を用いることで、重み行列が発散することなく、常に有界な値にとどまる。
パワーアシスト装置1の制御系において、制御トルクτは以下の式(9)で表される。ここで、nはパワーアシスト装置1で制御するアクチュエータの数になる。K、K、γは任意に設定されるパラメータである。
Figure 2019093464
上記制御トルクτの式(9)における、第1項および第2項は、閉ループ系に関する項を表している。第1項および第2項には、追従誤差eおよび追従誤差に基づく新たな変数rに対して、制御入力を飽和させるデッドゾーン(Deadzone)関数を用いている。
図6は、デッドゾーン関数の特性を示すグラフである。ここで、実線はデッドゾーン関数としてのy=kTanh(γx/k)、破線はデッドゾーン関数としてのy=Tanh(γx/k)である。なお、比較のため、一点鎖線でy=Tanh(x)を示した。縦軸はx、横軸はyである。
図6に示すように、デッドゾーン関数では、xの値がゼロからプラスマイナスで所定の幅においてyの値をゼロにする、デッドゾーン(不感帯)が設定される。デッドゾーン関数において、パラメータγによりデッドゾーンの幅を指定する。すなわち、パラメータγを大きくするとデッドゾーンの幅は狭くなり、パラメータγを小さくするとデッドゾーンの幅は広くなる。
追従誤差eおよび新たな変数rにデッドゾーンを設けることで、追従誤差eが微小なときに不感、すなわち、何も制御をしないようにすることができる。これにより、パワーアシスト装置1において、追従誤差eが微小なときに不要な支援が行われなくなる。また、デッドゾーン関数を用いることで、制御入力を有界とすることができる。
上記制御トルクτの式における第3項は、未知ダイナミクス推定機構に関する項、すなわち、未知動特性の推定値であり、以下の式(12)のように表される。
Figure 2019093464
ここで、σ(z)は、活性化関数としての動径基底関数で、以下の式(13)のように規定される非線形な関数である。
Figure 2019093464
さらに、Projection関数を用いた更新則を以下の式(15)ように規定する。
Figure 2019093464
上記更新則において、パラメータρは忘却因子である。未知動特性の推定値における補償レベルは、忘却因子ρによって調整される。忘却因子ρは後述するようにAAN制御モードと軌道追従制御モードを指定するために、設計者が指定するパラメータである。
忘却因子ρを大きくすると追従誤差eがWの更新に及ぼす影響が小さくなる。すなわち、忘却因子ρを大きくすると、式(15)におけるWは追従誤差eの如何に関わらず0(微小な値)に収束するので、未知動特性の補償が弱くなり、装着者への負荷が増す。つまり、動作の総トルクにおいて、装着者の発揮トルクの占める割合が大きくなる。
一方、忘却因子ρを小さくすると追従誤差eがWの更新に及ぼす影響が大きくなる。すなわち、忘却因子ρを小さくすると、式(15)におけるWは、追従誤差eが大きければ大きな値となるので、未知動特性の補償が強くなり、装着者への負荷が減る。つまり、動作の総トルクにおいて、パワーアシスト装置1の制御トルクの占める割合が大きくなる。
上記更新則は、凸集合の内部から出発した微分方程式であるため、解は常に凸集合の内部に留まる。すなわち、更新則において、解の有界性を確保することができる。このように、制御入力信号を任意の範囲に制限することで、制御系の安定性を確保することができる。これにより、追従誤差eが大きい場合にも、パワーアシスト装置1の制御トルクが過大になることはない。このように、忘却因子ρによって未知動特性の補償レベルを調整することができる。なお、未知ダイナミクス推定機構におけるニューラルネットワークで用いることができる活性化関数は、動径基底関数に限るものではない。解の有界性が確保される非線形の関数であれば動径基底関数以外の関数を用いてもよい。
次に、本実施の形態にかかるパワーアシスト装置1の制御の流れについて説明する。
図7は、パワーアシスト装置1の制御の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、まず、各パラメータの設定を行う(ステップS101)。
次に、目標関節角度と制御終了時間Tを指定する(ステップS102)。さらに、目標関節角度を1回微分した目標関節角速度、2回微分した目標関節角加速度zを算出することでzが指定される。
続いて、時間t=0として制御動作を開始する(ステップS103)。続いて、追従誤差e、追従誤差に基づく新たな変数rの初期値を計算し、対応する入力を計算する(ステップS104)。続いて、サーボドライバへ制御信号を出力する(ステップS105)。続いて、経過時間tが制御終了時間Tになったか(t=T)否かを判断する(ステップS106)。ステップS106において、経過時間tが制御終了時間Tになっていない場合は、サンプリング時間Δt(例えばΔt=0.001秒)の関節角度をセンサから取得し、経過時間をt=t+Δtとし、処理をステップS104に戻す。ステップS106において、経過時間tが制御終了時間Tになった場合は、処理を終了する。
次に、本実施の形態にかかるパワーアシスト装置1の効果を確認する実験について説明する。本実験では、パワーアシスト装置1を、図7で説明した制御の流れに従って、AAN制御モード、軌道追従制御モードの2つの制御モードで動作させ、それらの比較を行った。
AAN制御モードは、パラメータγが小さく、忘却因子ρが大きく設定された制御モードである。具体的には、AAN制御モードでは、パラメータγを10、忘却因子ρを2に設定した。パラメータγを小さくすると、デッドゾーンが広くなるので目標軌道幅が広くなる。また、忘却因子ρを大きくすると、ニューラルネットワークによる未知動特性補償が弱くなる。
一方、軌道追従制御モードは、パラメータγが大きく、忘却因子ρが小さく設定された制御モードである。具体的には、軌道追従制御モードは、パラメータγを30、忘却因子ρを0.01に設定した。パラメータγを大きくすると、デッドゾーンが狭くなるので目標軌道幅が狭くなる。また、忘却因子ρを小さくすると、ニューラルネットワークの未知動特性補償が強くなる。
本実験では、AAN制御モード、軌道追従制御モードで共通のパラメータは、η=0.5、K=20、K=5、Γ=diag{40、・・・、40}に設定した。なお、Γは、対角要素が40、その他の要素が0の30×30行列である。また、パラメータγ、ρについては、AAN制御モードではγ=10、ρ=2、軌道追従制御モードではγ=30、ρ=0.01に設定した。
また、本実験において、目標関節角度qは以下の式(16)で表される。
Figure 2019093464
図8は、AAN制御モードにおける、目標軌道と実際の関節軌道、および、支援トルクを示すグラフである。ここで、上段のグラフにおける、横軸は時間[s]、縦軸は関節角度[rad]であり、下段のグラフにおける、横軸は経過時間[s]、縦軸は支援トルク(パワーアシスト装置1の制御トルク)[N・m]である。
図8に示すように、AAN制御モードでは、目標軌道と実際の関節軌道との差が大きいとき(時間0〜37[s])には支援トルクを相対的に大きな振幅で変化させ、目標軌道と実際の関節軌道との差が小さいとき(時間37〜110[s])には支援トルクを相対的に小さな振幅で変化させている。つまり、AAN制御モードでは、装着者自身の力で目標軌道に倣うことができるときには支援の度合いが小さくなり、目標軌道との誤差が大きいときには支援の度合いが大きくなる。
図9は、軌道追従制御モードにおける、目標軌道と実際の関節軌道、および、支援トルクを示すグラフである。ここで、上段のグラフにおける、横軸は時間[s]、縦軸は関節角度[rad]であり、下段のグラフにおける、横軸は経過時間[s]、縦軸は支援トルク(パワーアシスト装置1の制御トルク)[N・m]である。
図9に示すように、軌道追従制御モードでは、支援トルクを常に同じ振幅で変化させているので、目標軌道と実際の関節軌道との差はほとんど生じない。つまり、軌道追従制御モードでは、装着者自身の力により目標軌道に倣うことができるか否かに関わらず、支援の度合いは同じになる。
このように、パワーアシスト装置1において、デッドゾーンを指定するパラメータγによりAAN制御における目標軌道に対する追従精度と支援の度合いを調整することができる。また、フィードフォワード型ニューラルネットワークを用いた適応制御系による未知ダイナミクス推定機構に含まれる忘却因子ρにより、未知動特性の補償レベルを調整することができる。
以上より、パワーアシスト装置1において、未知動特性を考慮した数式モデルに基づいた、閉ループ系と未知ダイナミクス推定機構から構成されるAAN制御手法を適用する。このANN制御手法では、閉ループ系において追従誤差をフィードバックさせ、未知ダイナミクス推定機構におけるフィードフォワード型ニューラルネットワークにより未知動特性を推定するので、装着者とパワーアシスト装置とのダイナミックな相互干渉を低減することができる。また、閉ループ系において、追従誤差に不感帯を設けることで、微小な追従誤差に対して過敏に制御を行うことがないようにすることができる。さらに、閉ループ系において、追従誤差を有界にする非線形の関数を用い、未知ダイナミクス推定機構において、活性化関数として解の有界性が確保される非線形の関数を用いているので、パワーアシスト装置において制御系の安定性が確保される。これにより、制御系の安定性が確保されるので、目標軌道との誤差が大きい場合に、装着者に対して過大な支援力・トルクが付与されてしまうのを抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 パワーアシスト装置
15 腰当て部材
21 足支持部
22 下腿支持部材
23 上腿支持部材
24 足首関節回転部材
24a、25a、26a アクチュエータ
24b、25b、26b 角度センサ
25 膝関節回転部材
26 股関節回転部材
30 制御ボックス
34 ジャイロセンサ
35 圧力センサ

Claims (3)

  1. 装着者の各関節に対して前記装着者の各関節を回転軸とする制御トルクを付与する駆動源と、前記装着者の身体の軌道と目標軌道との追従誤差が小さい時には前記制御トルクが相対的に小さくなるようにし、前記追従誤差が大きいときには前記制御トルクが相対的に大きくなるようにするAAN制御手法によって前記制御トルクを制御する制御部と、を有するパワーアシスト装置であって、
    前記AAN制御手法は、前記装着者と前記パワーアシスト装置との動的な相互干渉である未知動特性を考慮した数式モデルに基づき、前記追従誤差をフィードバックさせる閉ループ系と、目標軌道に対してフィードフォワード型ニューラルネットワークにより前記未知動特性を推定する未知ダイナミクス推定機構と、から構成され、
    前記閉ループ系において、前記追従誤差に不感帯を設け、かつ、前記追従誤差を有界にする非線形の関数を用い、
    前記未知ダイナミクス推定機構のニューラルネットワークの重み行列Wの更新則において、重み行列Wの有界性が確保される非線形の関数を用い、
    前記閉ループ系からの制御入力と前記未知ダイナミクス推定機構からの制御入力とに基づいて前記制御トルクを算出する、パワーアシスト装置。
  2. 前記未知ダイナミクス推定機構において、活性化関数として動径基底関数を用いる、請求項1に記載のパワーアシスト装置。
  3. 前記閉ループ系において、前記追従誤差に不感帯を設け、かつ、前記追従誤差を有界にする非線形の関数は、パラメータをγ、前記追従誤差を
    Figure 2019093464
    とすると、
    Figure 2019093464
    で表される、請求項1または2に記載のパワーアシスト装置。
JP2017223413A 2017-11-21 2017-11-21 パワーアシスト装置 Active JP6947613B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017223413A JP6947613B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 パワーアシスト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017223413A JP6947613B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 パワーアシスト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019093464A true JP2019093464A (ja) 2019-06-20
JP6947613B2 JP6947613B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=66972437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017223413A Active JP6947613B2 (ja) 2017-11-21 2017-11-21 パワーアシスト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6947613B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020040151A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 トヨタ自動車株式会社 パワーアシスト装置
JP2021013962A (ja) * 2019-07-10 2021-02-12 トヨタ自動車株式会社 パワーアシスト装置
CN113858198A (zh) * 2021-09-28 2021-12-31 南京邮电大学 一种考虑关节电机动力学的机械臂力跟踪阻抗控制方法
CN116901061A (zh) * 2023-06-16 2023-10-20 哈尔滨工业大学(深圳)(哈尔滨工业大学深圳科技创新研究院) 基于预设性能的机械臂轨迹跟踪控制方法
US12115663B2 (en) 2021-08-17 2024-10-15 Roam Robotics Inc. Maritime applications for a mobile robot
JP7576103B2 (ja) 2020-05-27 2024-10-30 ローム ロボティクス インコーポレイテッド 移動ロボットに対する制御システム及び方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05124495A (ja) * 1991-11-06 1993-05-21 Toyota Motor Corp 車両減速制御装置
JPH06314103A (ja) * 1993-04-30 1994-11-08 Fujitsu Ltd 制御装置と能動的センシング装置
JP2009207840A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Toyota Motor Corp 歩行動作補助装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05124495A (ja) * 1991-11-06 1993-05-21 Toyota Motor Corp 車両減速制御装置
JPH06314103A (ja) * 1993-04-30 1994-11-08 Fujitsu Ltd 制御装置と能動的センシング装置
JP2009207840A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Toyota Motor Corp 歩行動作補助装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020040151A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 トヨタ自動車株式会社 パワーアシスト装置
JP7181032B2 (ja) 2018-09-07 2022-11-30 トヨタ自動車株式会社 パワーアシスト装置
JP2021013962A (ja) * 2019-07-10 2021-02-12 トヨタ自動車株式会社 パワーアシスト装置
JP7290490B2 (ja) 2019-07-10 2023-06-13 トヨタ自動車株式会社 パワーアシスト装置
JP7576103B2 (ja) 2020-05-27 2024-10-30 ローム ロボティクス インコーポレイテッド 移動ロボットに対する制御システム及び方法
US12115663B2 (en) 2021-08-17 2024-10-15 Roam Robotics Inc. Maritime applications for a mobile robot
CN113858198A (zh) * 2021-09-28 2021-12-31 南京邮电大学 一种考虑关节电机动力学的机械臂力跟踪阻抗控制方法
CN113858198B (zh) * 2021-09-28 2023-10-13 南京邮电大学 一种考虑关节电机动力学的机械臂力跟踪阻抗控制方法
CN116901061A (zh) * 2023-06-16 2023-10-20 哈尔滨工业大学(深圳)(哈尔滨工业大学深圳科技创新研究院) 基于预设性能的机械臂轨迹跟踪控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6947613B2 (ja) 2021-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019093464A (ja) パワーアシスト装置
Madani et al. Non-singular terminal sliding mode controller: Application to an actuated exoskeleton
Liu et al. Design and control of a mechanical rotary variable impedance actuator
Huo et al. Active impedance control of a lower limb exoskeleton to assist sit-to-stand movement
US9980842B2 (en) Motion assist device and motion assist method, computer program, and program recording medium
KR101665543B1 (ko) 인간형 로봇의 안정화 장치 및 그 방법
JP4818716B2 (ja) ロボット制御装置
JP5916998B2 (ja) 人間型ロボット及びその歩行制御方法
JP7054130B2 (ja) 運動学習支援装置および運動学習支援方法
US20130218295A1 (en) Control systems and methods for gait devices
JP5109891B2 (ja) 歩行補助装置
KR20070092312A (ko) 장착식 동작 보조장치 및 제어용 프로그램
Huo et al. Impedance modulation control of a lower-limb exoskeleton to assist sit-to-stand movements
KR101766755B1 (ko) 보행 로봇 및 그 제어방법
JP5954089B2 (ja) 歩行補助装置
US20240000648A1 (en) Method for moving an exoskeleton
JP5479875B2 (ja) 動作補助装置
Singh et al. Data-driven model predictive control for drop foot correction
CN112809651B (zh) 一种助力外骨骼控制方法、控制系统和计算机设备
Huang et al. Self-learning assistive exoskeleton with sliding mode admittance control
JP7290490B2 (ja) パワーアシスト装置
CN114073631B (zh) 一种助力外骨骼自适应控制方法和装置
Vannucci et al. Eye-head stabilization mechanism for a humanoid robot tested on human inertial data
CN111360815B (zh) 基于肌电信号和关节应力的人机交互运动控制的方法
Jradi et al. Adaptive Active Disturbance Rejection Control of an Actuated Ankle Foot Orthosis for Ankle Movement Assistance

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20171219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210916

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6947613

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250