JPH0512430A - 地図合成方法 - Google Patents

地図合成方法

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JPH0512430A
JPH0512430A JP3165859A JP16585991A JPH0512430A JP H0512430 A JPH0512430 A JP H0512430A JP 3165859 A JP3165859 A JP 3165859A JP 16585991 A JP16585991 A JP 16585991A JP H0512430 A JPH0512430 A JP H0512430A
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立田  光廣
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央 成瀬
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敦志 井手
Atsushi Nobiki
敦 野引
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2枚の狭域地図を合成して地図を作成するプ
ロセスを全自動化し、さらに結果のあいまいさをなく
し、また合成時の演算量を減らす。 【構成】 重ね合わせ基準点対の選択において個々の物
点の計測誤差に依存したしきい値を用いる(ステップ10
4)。2枚の狭域地図の重なりの程度の評価方法として、
これら狭域地図の重複領域において、一方の狭域地図に
含まれる物点の「近く」に他方の狭域地図に含まれる物
点があれば正の評価値を与え、なければ負の評価値を与
えるようにして、重複領域内のすべての物点についての
評価値の総和を求めるようにする(ステップ106)。全て
の重ね合わせ基準点対の組み合わせについて、重なりの
程度の評価を行ない(ステップ107)、最大の評価値のも
のが最も確からしい重ね合わせ方を表しているものとし
て地図を合成する(ステップ108)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地図を編集するための
地図合成方法に関し、特に、第1の狭域地図と第2の狭
域地図の双方に重複して含まれる2以上の物点を基準と
して前記第1の狭域地図と前記第2の狭域地図を相互に
重ね合わせることにより地図を合成する地図合成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】実用的な範囲を1枚の図中に収めた地図
は、1工程で作成されることはまれであり、一般には、
複数の狭域地図を相互に連結するように合成することに
よって編集され作成される。ここで狭域地図とは、典型
的には一工程の測量や計測によって作成される比較的狭
い範囲を収めた地図のことであるが、これ自体も編集に
よって作成されてもよい。地図を合成する際、複数の狭
域地図それぞれの座標系と絶対座標系との関係が既知で
あれば、これら複数の狭域地図を連結する作業は容易に
行なうことができる。
【0003】しかしながら現実には、狭域地図を作成し
た時の条件に関する情報の欠落や誤差の蓄積などによ
り、各狭域地図相互の相対座標すら正確には与えられな
いことが多い。そこでこのような場合には、隣接する狭
域地図に重複して含まれる物点を確認し、これをもとに
2つの狭域地図を合成する方法が用いられている。図7
(A)〜(C)は、重複して含まれる物点をもとに地図を合成
する方法を説明するものである。図7(A)に示される第
1の狭域地図11と図7(B)に示される第2の狭域地図
12において、第1の狭域地図11中の物点P2,P3
それぞれ第2の狭域地図12中の点Q1,Q2と対応する
ものである。したがって、これら物点P2,P3とQ1,Q2
とがそれぞれ一致するようにしてこれら第1および第2
の狭域地図11,12を重ね合わせることにより、図7
(C)に示される地図13が合成されることになる。ここ
で物点とは、狭域地図内に含まれる特徴的な地物や標定
点であって地図の合成の際の基準点として使用し得るも
のであり、各狭域地図を通じて共通の基準で選ばれるも
のである。
【0004】ここで狭域地図を作成する方法としてのス
テレオ画像計測について説明する。ステレオ画像計測
は、視点におかれた左右一対のカメラによって3次元空
間を2次元平面に投影し、2台のカメラ間の視差により
被計測点の位置を計測する方法である。空中写真による
写真測量も広義のステレオ画像計測に含められるもので
あるが、ここではステレオ画像計測を、地上に視点を設
定しこの視点から見える範囲の被計測点の2次元座標を
計測することに限ることとする。このステレオ画像計測
においては、視点において水平におかれた1対のカメラ
の間隔をそれほど大きくすることはできないから、測定
精度の制限により、せいぜい50m角程度の範囲しか1
回に計測することはできない。したがって、ステレオ画
像計測によって得られる1枚の狭域地図の範囲はこの程
度であって、実用的な範囲を1枚に収めた地図を合成す
る場合、その合成の作業量が極めて膨大なものとなる。
【0005】ステレオ画像計測で得られた狭域地図から
地図を合成する際の作業量を減らすため、従来より、隣
接する狭域地図の重複領域内の共通の物点を自動的に検
出する試みが行なわれている。これには、可能なあらゆ
る重ね合わせ方について重なりの程度を比較する必要が
あり、物点の数が増えると処理の手数が爆発的に増大す
る。そこで、例えば文献[梅山,「点パターンマッチング
アルゴリズム」,電子情報通信学会論文集D-II, vol. J7
2-D-II, No. 2, pp. 218-228, 1989]では、重ね合わせ
ようとする2点の距離が一定のしきい値を越えたときは
「重ならない」とする判定方法で、重ね合わせの場合の
数を減らす工夫がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したしきい値を用
いた判定方法を利用した場合、最適の重ね合わせの結果
がしきい値に依存して変化するという実用上きわめて不
都合な点があり、また、なお必要な計算量は膨大である
という問題点がある。本発明の目的は、隣接する2枚の
狭域地図内に含まれる共通の物点を検出してこれら狭域
地図を合成するプロセスを全自動化でき、重なりの判定
に用いるしきい値として物理的な意味のある値を用いる
ことにより結果のあいまいさがなく、さらに、必要な演
算量が少ない地図合成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の地図合成方法
は、第1および第2の狭域地図の実質的に記載されてい
る部分を表わすものであって当該狭域地図に含まれる物
点を全て含む領域をそれぞれ第1および第2の地図領域
とし、当該狭域地図上での距離の差がしきい値以下であ
る2物点を各々第1および第2の狭域地図から選択し、
前記選択された計4つの物点から、前記第1および第2
の狭域地図を対応づける2対の重ね合わせ基準点対を定
める第1の工程と、前記2対の重ね合わせ基準点対を構
成する物点がそれぞれ相互に対応するように、前記第1
および第2の狭域地図を相互に平行移動および回転移動
させて重ね合わせ、重ね合わせことによって編集される
地図における前記第1および第2の狭域地図の整合の度
合いの定量的な評価を行う第2の工程と、前記第1およ
び第2の狭域地図の含まれる物点から前記2対の重ね合
わせ基準点対を定めるすべての組み合わせについて前記
第1および第2の工程を実施し、前記定量的な評価にお
ける評価値が最大である重ね合わせ基準点対の組み合わ
せを選び出し、選び出された重ね合わせ基準点対の組み
合わせに基づいて前記第1および第2の狭域地図を相互
に重ね合わせて地図を合成する第3の工程とを有し、前
記第1の工程におけるしきい値が、対応する物点の位置
の計測誤差の大きさに対応して定められ、前記第2の工
程における定量的な評価が、前記重ね合わせたときの第
1および第2の地図領域の相互に重複する領域におい
て、一方の狭域地図に含まれる物点の近傍の領域が他方
の狭域地図に含まれる物点の近傍の領域と重なりをもつ
場合に正の評価値を与え、前記一方の狭域地図に含まれ
る物点の近傍の領域が前記他方の狭域地図に含まれる物
点の近傍の領域と重なりをもたない場合に負の評価値を
与えたときの、前記各評価値の和によるものである。
【0008】
【作用】重ね合わせ基準点対を定めるときのしきい値を
対応する物点の計測誤差に対応して変化させているの
で、しきい値の選択による結果の変動が抑えられる。ま
た、重複領域において、一方の狭域地図に含まれる物点
の近傍の領域が他方の狭域地図に含まれる物点の近傍の
領域と重なりをもつ場合に正の評価値を与え、前記一方
の狭域地図に含まれる物点の近傍の領域が前記他方の狭
域地図に含まれる物点の近傍の領域と重なりをもたない
場合に負の評価値を与え、これら各評価値の和により重
なりの程度すなわち整合の度合いの評価を行なうので、
より正確な評価を行なうことができる。その原理は、2
枚の狭域地図を重ねる場合、重複領域においては一方の
狭域地図上の物点がことごとく他方の狭域地図上の物点
と対をなしているはずであるということにある。もし重
複領域内に対にならない物点があるならば、そのような
狭域地図の重ね合わせ方は疑わしいということになる。
したがって、2枚の狭域地図の重ね合わせの各々の場合
について、重複領域内において、互いに重なり合う物点
の対には正の評価値を与え、対をなさない物点に負の評
価値を与え、これらの評価値の総和により、重ね合わせ
の確からしさの評価を行なうことができる。
【0009】狭域地図上の物点の位置は、一般にその位
置に依存する誤差を含んでいるため、2枚の狭域地図を
正しく重ね合わせた場合でも、必ずしも厳密に重なり合
うとは限らない。そこで、2物点の近傍の領域が互いに
重なるときに2物点が重なり合っているとすればよい。
また、この近傍の領域を対応する物点の位置の計測誤差
に依存して定めることにより、より正確な評価を行なう
ことができる。正の評価値自体を、計測誤差を依存して
定めた近傍の領域の大きさに対する対応する2物点間の
距離の比に対応させて、変化させることにより、さらに
よく正確な評価を行なうことができる。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図1は本発明の一実施例の地図合成方法の工
程を説明するフローチャート、図2(A)〜(C)は、それぞ
れ入力物点と物点番号の付け替え方と視野領域とを説明
する図、図3は重なり程度の評価方法を説明する図であ
る。
【0011】まず、本発明の一実施例による地図合成方
法を図1によって、順を追って説明する。この実施例
は、狭域地図がステレオ画像計測によって作成された場
合の例である。 (1)地図データ入力(ステップ101) ステレオ画像計測によって作成された隣接する2枚の狭
域地図をそれぞれ第1の狭域地図、第2の狭域地図とす
る。もちろん、これら第1および第2の狭域地図は相互
に重複する部分を有する。まず、合成すべき地図データ
を入力する。第1の狭域地図に含まれるn個の物点Pi
の座標をそれぞれ(xpi,ypi)とし、第2の狭域地図
に含まれるm個の物点Qjの座標をそれぞれ(xqj,
qj)とする。ただし、1≦i≦n、1≦j≦mであ
る。なお、これら各物点Pi、Qjの座標は、それぞれ当
該狭域地図を作成するときのステレオ画像計測の視点を
原点とする座標系で表されたものである。このとき座標
系のx軸は、水平におかれた一対のカメラの双方を通る
軸とし、y軸は視点から前方方向(すなわちカメラのレ
ンズの前方方向)を正の方向とするよう定めるものとす
る。図2(A)は、n=3のときの物点Piの配置例を示し
たものである。
【0012】(2)物点番号の付け替え(ステップ10
2) 続いて、計算を容易にし、さらに後述する物点の重ね合
わせを順次規則的に行なうために、物点番号の付け替え
を行なう。この場合、物点番号がx軸の正の方向から負
の方向に順に並ぶようなものとする。なお、ステレオ画
像計測によるものであるから、各物点は視点よりも前方
にあってy座標値は必ず正である。これは、各物点
i、Qjをそれぞれ極座標表示し、角度座標 θpi = tan-1(ypi/xpi) θqi = tan-1(yqi/xqi) をその大きさの順に並べ替えることにより、容易に実行
できる。物点番号を付け替えたものをそれぞれPi'、Q
j'で表わすものとする。図2(B)は、図1(A)に示された
{Pi}の物点番号を付け替え、その結果を{Pi'}と
して表したものである。
【0013】(3)視野領域の決定(ステップ103) 次に、第1、第2の狭域地図についてそれぞれ第1、第
2の視野領域Vp、Vqを定める。これら視野領域Vp
qは、対応する狭域地図の実質的な記載範囲を示す地
図領域であって、各狭域地図を互いに重ね合わせて共通
物点を見出すためのものでもある。ここではステレオ画
像計測により各狭域地図が作成されているので、各視野
領域Vp,Vqに対応する視点が含まれるようにし、さら
に計測誤差の2次元的拡がりを考慮して、計測された物
点と視点が型作る多角形よりも少し広くとるようにす
る。第1の狭域地図であれば、図2(C)に示すように、
多角形OP1'P2'…Pn'よりも少し広くなるように、視
点すなわち原点Oからみて各物点Pi'よりも遠方にそれ
ぞれ点
【0014】
【外1】
【0015】をとり、次いで、一番外側の物点P1'、P
n'よりもさらに外側に仮想的な点
【0016】
【外2】
【0017】を設け、多角形
【0018】
【外3】
【0019】を第1の視野領域Vpとして定める。一般
に、ステレオ画像計測によって得られた位置座標に含ま
れる相対誤差の標準偏差はy座標値に比例することが知
られているから、
【0020】
【外4】
【0021】は、次の式(1)にしたがって定めればよ
い。
【0022】
【数1】
【0023】ここでδは、ステレオ画像計測の際の画像
面上での位置の計測誤差duとカメラのレンズの焦点距
離fとで定まる誤差パラメータであり、前記画像面での
1画素(あるいは位置の分解能)がupであるとき、 δ = up/f …(2) と近似することができる。
【0024】
【外5】
【0025】については、
【0026】
【数2】
【0027】となるように選べば、上記目的が達せられ
ることがわかる。第2の狭域地図に対応する第2の視野
領域Vqについても、第1の視野領域Vpと同様に定義す
ることができる。 (4)重ね合わせ基準点対の選択(ステップ104) 次に、第1、第2の狭域地図に含まれる物点から各々2
点ずつ(Pi'とPk'、Qj'とQl')を選んで、2対の重
ね合わせ基準点対、すなわち(Pi',Qj')と(Pk',Q
l')を定める。このとき、
【0028】
【数3】
【0029】を満たさないものは重ならないものと判定
し、他の重ね合わせ基準点対を選び出す。ここで重なり
の判定基準となるしきい値ε(i,k,j,l)は、4点Pi'、
k'、Qj'、Ql'に含まれる測定誤差に依存して定める
ようにする。上述の誤差パラメータδを用いると、これ
ら4点に含まれる誤差の標準偏差がそれぞれδypi'2
δypk'2、δyqj'2、δyql'2であるから、
【0030】
【数4】
【0031】とすることにより、誤差の大きな物点相互
の組み合わせについては緩やかな判定基準を適切に用い
ることができる。 (5)回転・平行移動による重ね合わせ(ステップ10
5) (4)式を満たす重ね合わせ基準点対の組合せに対して、
i'とQj'、Pk'とQl'が互いに重なるよう、第1、第
2の狭域地図を互いに回転、平行移動させて重ね合わせ
る。このとき誤差のため、必ずしも
【0032】
【数5】
【0033】が成立するとは限らないから、具体的な重
ね合わせ方としては、例えば、Pi'とQj'とを厳密に重
ね合わせ、次に、Ql'が直線Pi'Pk'上にくるように前
記厳密に重ね合わせた点を中心にして回転させるなどの
方法がある。また、線分Pi'P k'と線分Qj'Ql'のうち
の長い方の線分に、線分としての中心が一致するように
短い方の線分が重なるようにしてもよい。具体的な重ね
合わせ方を変えることにより、厳密には以下に述べる評
価値が変化することがあるが、その変化量はごくわずか
であり、そこで目的とする重なりの程度の判定に影響を
与えるものではない。
【0034】(6)重なりの程度の評価値の算出(ステ
ップ106) 次に、上記ステップ104で重ね合わせたものについ
て、重なりの程度すなわち2枚の狭域地図の整合の度合
いの評価を行なう。この場合、重なりの程度の評価は、
第1の狭域地図に対応する第1の視野領域Vpと第2の
狭域地図に対応する第2の視野領域Vqとの重複領域Vp
∩Vqについて行なう。評価の具体的方法としては、重
複領域Vp∩Vq内において、第2の狭域地図の物点Qr
の近傍に、第1の狭域地図に属する物点Psが存在する
か否かによって行ない、存在する場合には正の評価値
を、存在しない場合には負の評価値を与えるようにす
る。同様に、重複領域Vp∩Vq内において、第1の狭域
地図の物点Ptの近傍に、第2の狭域地図に属する物点
uが存在するか否かによっても正負いずれかの評価値
を与えるようにする。表1はこの評価方法をまとめて示
したものである。重複領域Vp∩Vq内にある物点のすべ
てについて上記評価を行ない、評価値の総和を求めて、
重ね合わせ基準点対の組み合わせ[(Pi',Qj')と
(Pk',Ql')]とに対する重なりの程度の評価値とす
る。
【0035】
【表1】 図3は、第1および第2の狭域地図の重ね合わせの様
子を示す図であり、第1の狭域地図については図3(A)
〜(C)に示したものと同じである。第1の狭域地図にお
ける座標系が第1の視点O1を原点とするx11座標系
により示され、この狭域地図内の物点{Pi'}が●によ
り示されている。同様に、第2の狭域地図における座標
系が第2の視点O2を原点とするx22座標系により示
され、この狭域地図内の物点{Qi'}が×により示され
ている。また、第1の視野領域Vpが破線で、第2の視
野領域Vqが点線で示され、これら各視野領域Vp、Vq
を画する点がそれぞれ○と◎で示されている。ここで
は、P1'とQ5'とを厳密に重ね合わせ、P2'とQ4'とが
最も近くなるように第2の狭域地図全体を回転させてあ
る。重複領域Vp∩Vq内には、P1'、P2'、P3'、
2'、Q3'、Q4'、Q5'の7点があるが、P1'とQ5'、
2'とQ4'、P3'とQ2'は互いに接近しているので正の
評価値が与えられる。一方、Q3'の近くには対応する第
1の狭域地図内の物点がないので、負の評価値が与えら
れる。これらの評価値の総和により、図示した重ね合わ
せ方(重ね合わせ基準点対としてP1'とQ5'、P2'とQ
4'の対を使用)に対する重なりの程度に対する評価値が
得られる。なお、Q1'の近傍には対応する第1の狭域地
図内の物点が存在しないが、そもそもこのQ1'は重複領
域Vp∩Vq外の点であるので、重なりの程度の評価には
関与しない。
【0036】以上の評価値の算出過程において、2点間
の距離が「近い」か「近くない」かの判定を必要とする
が、これには上記(4)式と同様の判定基準を用いる。す
なわち、
【0037】
【数6】
【0038】で与えられるしきい値ε'(r,s)を求め、
これに比べてPr'とQs'との距離が小さいならば「近
い」と判定する。これはステレオ画像計測により得られ
た計測位置は誤差を含んでおり、真の物点は計測位置の
誤差近傍内にあるという考え方に基づく。したがって、
得られた2つの計測点が本来同一の物点であれば、これ
ら2つの計測点の誤差近傍は互いに重なりをもつはずで
ある。この誤差近傍は等誤差面として把握され得るもの
であり、上述のようにステレオ画像計測の誤差が一般的
にy軸方向の距離に比例することから、誤差近傍の大き
さは視点から物点までの距離に依存して変化する。式
(6)は、誤差近傍の値としてδypr'2とδyps' 2を使用
して、これらの関係を反映したしきい値を表している。
このように、各物点が異なる誤差を持つことを考慮し
て、この場合には視点からの距離が大きい物点ほど大き
い誤差を含んでいることを考慮して、しきい値を変化さ
せることにより、誤差が物点ごとに異なることによる重
なり判定のミスを減らすことができる。
【0039】さらに、「近い」と判定されたものについ
て、その「近い」の度合に応じて評価値を増減すること
ができる。これは、対応させようとする2物点間の距離
が近い組み合わせほど、より確からしい組み合わせであ
ると考えられることに基づいている。例えば、距離
【0040】
【外6】
【0041】がε'(r,s)に比べて小さいほど、この組
み合わせがより確からしいと考え、この組み合わせに対
する評価値Eを
【0042】
【数7】
【0043】のように定めることができる。式(7)は、
誤差の統計的分布として正規分布を仮定したものである
が、正規分布と仮定できないような場合であっても、E
【0044】
【外7】
【0045】に比例して単調に減少する適当な関数に定
めることにより、「近い組み合わせほどより確かな組み
合わせである」ということを考慮したことになる。また
単純に、2物点Pr'とQs'の距離がしきい値ε'(r,s)
以下である場合に、常に正の一定値E0を評価値として
採用しても、厳密とは言えないまでもかなり正確に、重
なりの程度を評価することができる。
【0046】一方、「対になる近い点が存在しない」場
合に与える負の評価値については、正の評価値の場合と
は異なり、近さに応じて値を変化させることはできない
から、一定の値を与えることになる。この一定の値の絶
対値について特に制約はないが、正の評価値としてとり
うる値の最大値からその1/2程度の値を使用すれば実
用的に十分である。
【0047】(7)ステップ104〜106の繰り返し
(ステップ107) 次に、第1および第2の狭域地図に含まれる全ての物点
を対象にして、上記ステップ104〜106を重ね合わ
せ基準点対の全ての組み合わせに対して実行し、各組み
合わせに対する重なりの程度の評価値をそれぞれ求めて
記憶しておく。この場合、ステップ104において重な
らないと判断されたものについては、当然その後のステ
ップには進行せず、新たな重ね合わせ基準点対の組み合
わせに基づいて次へ進むものとする。
【0048】(8)最大の評価値を与えるものの決定と
地図の合成(ステップ108) 最後に、上述のステップ107で最大の評価値を与えた
重ね合わせ基準点対の組み合わせを求め、この組み合わ
せが正しい重ね合わせ基準点対の組み合わせと推定し、
この組み合わせに基づいて第1および第2の狭域地図を
重ね合わせ、地図を合成する。3枚以上の狭域地図から
地図を合成する場合には、上記の工程を順次、隣接する
狭域地図について実行して行けばよい。
【0049】以上、本発明の実施例について説明した
が、次に、この実施例に基づいて実際に地図の合成を行
なった例について説明する。図4は、今回の地図の合成
を行なった場所の実際の配置を示す平面図である。図に
おいて、第1の視点O1から図示下方にむかってステレ
オ画像計測を行ない、図5に示すような測定結果すなわ
ち第1の狭域地図を得た。一方、第2の視点O2から図
示左方に向かってステレオ画像計測を行ない、図6に示
すような測定結果すなわち第2の狭域地図を得た。建物
21の陰になったあるいはカメラの画角の範囲外になっ
たなどの理由により、第1の狭域地図には物点Q5に相
当する物点は含まれておらず、また第2の狭域地図には
物点P5に対応する物点は含まれていない。なお、上述
のステップ102で計算された第1の視野領域Vpが図
5において破線で示され、同様に第2の視野領域Vq
図6において点線で示されている。これら図4〜図6に
おいては、付け替える前の物点番号で表示されている。
【0050】図5、図6に示された計測データに基づい
て、上述した手順により計算機を用いて最も確からしい
重ね合わせ方を自動的に求め、そのときに相互に重なり
合うべき点の組み合わせを見出したところ、表2のよう
な結果が得られた。この結果において、組み合わせがが
4対示されているのは、最初に定めた重ね合わせ基準点
対(これは当然に重なり合うべき点とみなされる)と、
重なりの程度の評価工程で「近い」と判断された物点の
対の両方を含んでいるからである。
【0051】
【表2】 この得られた結果と図4に示された現実の配置とを比
べるとわかるように、正しい組み合わせが過不足なく得
られていることがわかる。なお、この計算は日本電気株
式会社製のパーソナルコンピュータPC9801vm
(数値演算コプロセッサなし)を用いて実行し、演算時
間は約15秒であった。
【0052】表3はこの計算の途中における重なりの程
度の評価結果のリストであり、ここでは、物点PiとQj
とからなる対を(i,j)のように表示している。この
表において、組み合わせ番号(以下、単に番号と言う)
9と20は、いずれも重なり合うべき点の対を過不足な
く見出しており、いずれも評価値が2以上であって、他
の組み合わせに対し、格段に大きな値となっている。特
に、番号20は、最大の評価値を与えるものであって、
正しい組み合わせを具現しているものということができ
る。番号10のものは、番号9と同様に4対の重なり合
うべき点を見出しているが、その評価値は1.51と番
号9に比べ小さく不適切なもの判断され得るものであっ
て、事実、組み合わせとしても誤まりを含むものであ
る。番号6や8などは3対の重なり合うべき点を見出し
ているが、いずれも評価値が小さく、これらの重ね合わ
せ方では計測誤差を考慮したとしてもなお無理があるこ
とを示している。
【0053】
【表3】 こうして得られた正しい重ね合わせ基準点対あるいは重
なり合うべき点の組み合わせに基づいて、第1、第2の
狭域地図を合成することにより、図4に示された6つの
物点を含む地図が作成できることは明らかである。な
お、このプロセスの高精度化手段については、特願平3
−45404の「多視点ステレオ画像計測方法」に詳し
く述べられている。また、地図の出力方法については、
特願平3−23467の「地図追記方法および装置」に
開示されている。
【0054】本発明の実施例について、ステレオ画像計
測によって得られた狭域地図の場合について説明した
が、狭域地図としてはステレオ画像計測によって得られ
たものに限られるものでない。本発明は、狭域地図内の
物点に含まれる誤差が大きい場合や、各狭域地図間の相
互の位置関係が未知である場合に特に有効である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、重ね合わ
せ基準点対を定めるときのしきい値を対応する物点の計
測誤差に対応して変化させ、また、重複領域において、
一方の狭域地図に含まれる物点の近傍の領域が他方の狭
域地図に含まれる物点の近傍の領域と重なりをもつ場合
に正の評価値を与え、前記一方の狭域地図に含まれる物
点の近傍の領域が前記他方の狭域地図に含まれる物点の
近傍の領域と重なりをもたない場合に負の評価値を与え
たときのこれら評価値の和によって重なりの程度の評価
を行なうことにより、地図合成のためのプロセスを全自
動化でき、しきい値に起因する結果のあいまいさがなく
なり、重なりの程度のより正確な評価を行なうことがで
きて、正確な地図を少ない演算量で得ることができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の地図合成方法の工程を説明
するフローチャートである。
【図2】(A)〜(C)は、それぞれ入力された物点の
位置を示す平面図、物点番号の付け替え方を示す平面
図、視野領域を説明する平面図である。
【図3】重なり程度の評価方法を説明する図である。
【図4】地図の合成を行なった場所の実際の配置を示す
平面図である。
【図5】第1の視点からのステレオ画像計測の結果を示
す平面図である。
【図6】第2の視点からのステレオ画像計測の結果を示
す平面図である。
【図7】(A)〜(C)は、それぞれ第1の狭域地図、
第2の狭域地図、合成された地図である。
【符号の説明】
11 第1の狭域地図 12 第2の狭域地図 13 地図 101〜108 ステップ O1,O2 視点 Vp,Vq 視野領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野引 敦 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の狭域地図の双方に重複
    して含まれる2以上の物点を基準として前記第1および
    第2の狭域地図を相互に重ね合わせることにより地図を
    合成する地図合成方法において、 前記第1および第2の狭域地図の実質的に記載されてい
    る部分を表わすものであって当該狭域地図に含まれる物
    点を全て含む領域をそれぞれ第1および第2の地図領域
    とし、 当該狭域地図上での距離の差がしきい値以下である2物
    点を各々第1および第2の狭域地図から選択し、前記選
    択された計4つの物点から、前記第1および第2の狭域
    地図を対応づける2対の重ね合わせ基準点対を定める第
    1の工程と、 前記2対の重ね合わせ基準点対を構成する物点がそれぞ
    れ相互に対応するように、前記第1および第2の狭域地
    図を相互に平行移動および回転移動させて重ね合わせ、
    重ね合わせことによって編集される地図における前記第
    1および第2の狭域地図の整合の度合いの定量的な評価
    を行う第2の工程と、 前記第1および第2の狭域地図の含まれる物点から前記
    2対の重ね合わせ基準点対を定めるすべての組み合わせ
    について前記第1および第2の工程を実施し、前記定量
    的な評価における評価値が最大である重ね合わせ基準点
    対の組み合わせを選び出し、選び出された重ね合わせ基
    準点対の組み合わせに基づいて前記第1および第2の狭
    域地図を相互に重ね合わせて地図を合成する第3の工程
    とを有し、 前記第1の工程におけるしきい値が、対応する物点の位
    置の計測誤差の大きさに対応して定められ、 前記第2の工程における定量的な評価が、前記重ね合わ
    せたときの第1および第2の地図領域の相互に重複する
    領域において、一方の狭域地図に含まれる物点の近傍の
    領域が他方の狭域地図に含まれる物点の近傍の領域と重
    なりをもつ場合に正の評価値を与え、前記一方の狭域地
    図に含まれる物点の近傍の領域が前記他方の狭域地図に
    含まれる物点の近傍の領域と重なりをもたない場合に負
    の評価値を与えたときの、前記各評価値の和によるもの
    であることを特徴とする地図合成方法。
  2. 【請求項2】 物点の近傍の領域を前記物点の位置の計
    測誤差の大きさに基づいて定める請求項1に記載の地図
    合成方法。
  3. 【請求項3】 正の評価値を、物点の近傍の領域の大き
    さに対する対応する2物点間の距離の比に対応させて変
    化させる請求項2に記載の地図合成方法。
  4. 【請求項4】 第1および第2の狭域地図が、ステレオ
    画像計測によって作成され、第1および第2の地図領域
    が、対応する狭域地図作成時の前記ステレオ画像計測の
    視点の位置を含んで定められる、請求項1ないし3いず
    れか1項に記載の地図合成方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7123291B2 (en) 2000-02-03 2006-10-17 Minolta Co., Ltd. Image processing device, image processing method and image processing program for joining a plurality of divided images
JP2009223213A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Zenrin Co Ltd 路面標示地図生成方法
JP2009223220A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Zenrin Co Ltd 路面標示地図生成方法
JP2010175756A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Zenrin Co Ltd 路面標示地図生成方法及び路面標示地図生成装置
US20210366281A1 (en) * 2018-10-30 2021-11-25 Sony Corporation Information processing device, information processing method, and information processing program

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