JPH05123310A - Ｍｒｉ装置用寝台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検者や術者に負担をかけずに検出用コイル
をセットすることができる寝台を提供する。 【構成】 寝台１を中空状に形成し、その内部において
サーフェスコイル７を載置するトレイ４を寝台１の長手
方向に移動自在に支持する。寝台１と被検者との間にサ
ーフェスコイル７をセットしていた従来に比べて、その
位置決め等が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、核磁気共鳴断層撮影
装置（ＭＲＩ装置）に用いられる被検者搭載用の寝台に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図３に示すように、寝台20は底面部に車
輪21を備えて昇降台22の上に載置されており、図示しな
いＭＲＩ装置のガントリ撮影空間内に被検者ｍとともに
挿抜されるようになっている。

【０００３】ガントリ撮影空間内においては、励起され
た被検者ｍの体内の原子核スピンが元の状態に戻る際に
放出する信号を検出する検出用コイルが被検者ｍの周辺
部に配される。検出用コイルには頭部用，胸部用，せき
髄用，膝用，肘用など撮影部位に応じて種々の形状のも
のがある。

【０００４】例えば、せき髄用の検出コイル（サーフェ
スコイルと呼ばれる）を被検者ｍの体にセットする場合
には、次の２つの方法がある。 (1) 図３に示すように寝台20と被検者ｍの背中との間に
サーフェスコイル23を挟み込んでセットする方法と、 (2) 図４に示すように寝台20の上部にサーフェスコイル
23を収納した台24をセットし、その台24の上に被検者ｍ
を乗せる方法がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなサーフェスコイル23の取り付け方には次のような
問題点がある。 (1)に記載した方法では、サーフェスコイル23の位置決
めを行うのに被検者ｍに移動を強要することになり、被
検者ｍに負担をかけるばかりでなく、位置決めに時間が
費やされ撮影時間の延長を招く。また、サーフェスコイ
ル23によって背中の一部が押圧され、痛みを伴うおそれ
もある。また、寝台20の上面にサーフェスコイル23を直
接に載置するので、寝台20の上面形状を被検者ｍが乗る
のに適した形状に変えることができない。

【０００６】(2)に記載した方法は上記の(1) の問題点
を解消するものであるが、サーフェスコイル23を使用し
ないときには、台24を寝台20の上から取り外す必要があ
り、その手間と台24の置き場の確保が術者を煩わせる。
また、寝台20の上に台24を置くと、被検者ｍの位置が高
くなり、ガントリ撮影空間内に搬入された被検者ｍに圧
迫感を与える。

【０００７】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、上記の問題点を解消することができ
るＭＲＩ装置用寝台を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために次のような構成をとる。すなわち、この
発明は、寝台の内部に検出用コイルを移動自在に収納し
たことを特徴とする。

【０００９】

【作用】この発明の構成によれば、寝台上の被検者に移
動を強要することなく検出コイルの位置決めが行われ、
寝台の上面形状に制約を受けることもない。また、被検
者の乗る位置が高くなることもない。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。 ＜第１実施例＞図１(a) は第１実施例に係る寝台の縦断
面図、同図(b) は寝台の内部を示した平面図である。こ
れらの図において、寝台の上面にあるマット部は図示を
省略している。その他の図においても同様である。

【００１１】これらの図に示すように、寝台１は中空状
に形成され、その内部の両側壁面の長手方向に沿ってガ
イド板２，３が取り付けられている。ガイド板２，３に
はその上を摺動するトレイ４が設けられ、トレイ４には
寝台１の側面壁に形成された寝台１の側面の切り欠き部
６を通って外部に突出する把手５が取り付けられてい
る。

【００１２】トレイ４の上面にはサーフェスコイル７を
支持する４つの短小な突起体８が設けられており、把手
５を急に移動させた場合にサーフェスコイル７がトレイ
４から落下しないようになっている。寝台１の上面壁の
一部には開閉自在の蓋９が取り付けられ、サーフィスコ
イル７の交換時などが行えるようになっている。

【００１３】この蓋９の取り付け位置は、寝台１の上面
に限らず、一点鎖線で示すように寝台１の底面部や後方
部（図面の右側）に設けてもよい。なお、以上の構成部
品は、ＭＲＩ装置の静磁場に影響を与えないように非磁
性材料であるプラスチックで形成される。

【００１４】このように、サーフェスコイル７を寝台１
の長手方向に移動自在に構成することで、コイルの位置
決めが容易に行え、また、サーフェスコイル７を使用し
ないときには寝台１の後方に移動させておけば、サーフ
ェスコイル７を取り外す必要もなくなる。すなわち、ガ
ントリ撮影空間は通常、ガントリの中心部において球状
に形成されることから、寝台１の後方は撮影空間外の領
域となり、ここにサーフェスコイル７を移動させておけ
ば、サーフェスコイル７を使用しないときでも特に取り
外す必要がなくなるのである。

【００１５】なお、把手５を寝台１の側面から引き出す
のではなく、後方から引き出す構成に代えて実施しても
よい。ただし、後方から引き出す場合には寝台１の設置
スペースが大きくなるので、図示のように側面から引き
出すのが好ましい。

【００１６】＜第２実施例＞この第２実施例に係る寝台
の内部を示した平面図を図２(a) に示し、そのＡ−Ａ矢
視断面図を同図(b) に示す。なお、これらの図において
第１実施例の図１と同じ符号を記したものは同じ構成部
品を示しており、その説明は省略する。上記の第１実施
例が把手５を用いて手動式でサーフェスコイル７を移動
させるのに対し、この第２実施例では電動式で移動を行
うように構成している。

【００１７】トレイ４の前後両側に、２本のプラスチッ
ク製のワイヤ10,11 が取り付けられており、これらのワ
イヤ10,11 は、寝台１の前方（図面の上側）と後方（図
面の下側）とに設けられたローラ12,13 に架け渡されて
いる。

【００１８】寝台１の前方にあるローラ12は回転軸14に
より回動自在に支持され、後方にあるローラ13は、寝台
１の側壁に設けられたモータ15の出力軸16に取り付けら
れて回転駆動されるようになっている。このモータ14の
回転方向および回転量を適宜に制御することでトレイ４
の位置、すなわち、サーフェスコイル７の位置調整が電
動で行える。

【００１９】なお、これらの図において、サーフェスコ
イル７をその他のコイルに交換する際の寝台１の蓋９
（図１参照）を省略しているが、図１と同じようにして
蓋９を取り付ければよい。また、上記実施例ではサーフ
ェスコイル７を寝台１の長手方向に移動自在に構成した
が、同様にして寝台１の横方向に移動自在にすることも
可能である。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明のＭＲＩ装置用寝台によれば次のような効果が発揮さ
れる。 (1) 検出用コイルを寝台の内部に収納して移動自在に構
成したので、被検者に負担をかけずに位置決めが容易に
行える。このことが、撮影時間の短縮化につながり、検
査効率が向上する。 (2) 被検者の体に直接に接触しないので、苦痛を与える
こともない。 (3) 寝台の上面形状を適宜に、例えば、被検者が乗り易
い形状に設定することができる。 (4) 寝台の後方側（ガントリ撮影空間外の領域）に検出
用コイルを移動させておくことで、当該検出用コイルを
使用しないときでも、取り外して装置外に置く必要がな
く、術者の労力を軽減できる。 (5) 検出用コイルの設置に際して、被検者の位置が高く
ならず、ガントリ内に搬入されたときの圧迫感を軽減で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例に係る寝台の断面図およ
び内部の平面図である。

【図２】この発明の第２実施例に係る寝台の断面図およ
び内部の平面図である。

【図３】従来の寝台を使用したときのサーフェスコイル
のセット例を示した側面図である。

【図４】従来におけるその他のサーフェスコイルのセッ
ト例を示した側面図である。

【符号の説明】

１・・・寝台 ２，３・・・ガイド板 ４・・・トレイ ５・・・把手 ７・・・サーフェスコイル 10,11 ・・・ワイヤ 12,13 ・・・ローラ 15・・・モータ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 寝台の内部に検出用コイルを移動自在に
   収納したことを特徴とするＭＲＩ装置用寝台。