JPH0512314Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は織機の消極開口装置において外された
ロープの保持装置に関するものである。

（従来の技術） 消費されたワープビームを新しいワープビーム
に交換する場合にはその作業性を考慮して経糸切
断検出用のドロツパ、綜絖枠及び筬に経糸を通し
たままこれら経通し部材と共にワープビームの交
換（機仕掛け作業）が行われる。そのため、例え
ば特開昭61−252744号公報に開示されるようなば
ね作用と往復駆動装置との協働により綜絖枠を上
下動する消極開口装置を備えた織機での機仕掛け
作業では駆動力伝達用のロープを綜絖枠から外し
ておく必要がある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、綜絖枠から外されたロープはチ
ヤンネル状のガイドにより上下動を案内される綜
絖枠の上下動経路の近傍にあり、機仕掛け作業時
にはこの上下動経路に沿つて抜き上げ及び挿入装
着される綜絖枠と干渉し易い。そのため、機仕掛
け作業遂行の円滑化の阻害、綜絖枠の損傷といつ
た不都合が生じ、特にプログラム遂行する機仕掛
け装置を用いた機仕掛け作業の適用が困難とな
る。又、複数枚の綜絖枠のうち使用しない綜絖枠
用のロープが使用されている綜絖枠あるいは経糸
と干渉を起こし易く、それ故に不使用綜絖枠のロ
ープを織機から取り外しておかねばならないとい
う煩雑さがある。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） そこで本考案では、綜絖枠に対するロープの連
結部を掛止保持可能な掛止保持具をロープの上下
動経路の側方に設置し、綜絖枠からロープを外し
た状態では前記連結部を前記掛止保持具に掛止め
ておくようにした。

（作用） 即ち、ロープの上下動経路の側方に設置された
掛止保持具に綜絖枠から外されたロープの連結部
を掛止めておけは、ロープはその上下動経路から
外れた位置に保持され、機仕掛け作業時に綜絖枠
の上下動経路に沿つて抜き上げ及び装着される綜
絖枠との干渉が回避される。これにより機仕掛け
作業時の綜絖枠の抜き上げ及び装着が円滑に遂行
され、しかも不使用綜絖枠用のロープを織機から
取り外す必要がなくなる。

（実施例） 以下、本考案を具体化した一実施例を第１，２
図に基づいて説明する。

織機の両サイドフレーム１，２上に立設された
二叉状ブラケツト３，４に回動可能に支持された
ジヤツクレバー５，６は引張ばね７，８により回
動付勢されており、ジヤツクレバー５，６に連結
された吊下ロープ９，１０下端には綜絖枠１９取
付用の四角柱状の可動取付体１１，１２が止着垂
下されている。一方のサイドフレーム１側方には
機台回転に同期して回転するカム１３及びカムレ
バー１４からなる往復駆動機構が設置されてお
り、カムレバー１４に連結された引き下げロープ
１５，１６がガイドローラ１７，１８を経由して
可動取付体１１，１２下端に連結されている。従
つて、カム１３の回転が引き下げロープ１５，１
６を介して可動取付体１１，１２の上下動に変換
される。

図示しないチヤンネル状のガイドにより上下動
を案内される綜絖枠１９の両側枠２０，２１の上
部には取付片２０ａ，２１ａが一体形成されてお
り、取付片２０ａ，２１ａと可動取付体１１，１
２とが一対の四角環状の連結具２２，２３とボル
ト２４，２５との螺合作用により締付接合されて
いる。可動取付体１１，１２間に連結された綜絖
枠１９のレベリング位置に対応するサイドフレー
ム１，２内面には板状の掛止保持具２８，２９が
サイドフレーム１，２内面から離間して前後方向
に支持されており、掛止保持具２８，２９の上縁
には複数の掛止突部２８ａ，２９ａが綜絖枠１９
の配列ピツチに合わせて形成されている。掛止保
持具２８，２９の厚み、即ち掛止突部２８ａ，２
９ａの厚みは取付片２０ａ，２１ａの左右幅程度
に設定されていると共に、掛止突部２８ａ，２９
ａの配列方向の幅（前後幅）は連結具２２，２３
の内部幅程度に設定されており、連結具２２，２
３内に可動取付体１１，１２を挿入した状態で掛
止突部２８ａ，２９ａに連結具２２，２３を掛止
可能である。

ロープビームの交換に伴つて綜絖枠の取替を行
なう場合、織機に対するフルワープビームの装着
及び織機からの空ワープビーム取り外しを行なう
ワープビーム移載手段と、ワープビームの経糸を
挿通する綜絖枠を一括して吊下可能な一対の移載
レバー３０，３１を備えた綜絖枠移載手段とから
なる機仕掛け装置が用いられる。織機から複数枚
の綜絖枠１９を取り外すには、まず使用状態のジ
ヤツクレバー５，６の直上に位置決めロツド３
２，３３を配置し、引張ばね７，８と位置決めロ
ツド３２，３３との協働により全てのジヤツクレ
バー５，６を前後に整列保持する。これにより複
数枚の綜絖枠１９がレベリング位置に整列する。
そこで、綜絖枠１９の上側キヤリアロツド３４と
上側フレーム３５との間の高さ位置から両者間に
移載レバー３０，３１を挿入し、ボルト２４，２
５を緩めて可動取付体１１，１２に対する連結具
２２，２３の締付連結を解除すれば複数枚の綜絖
枠１９が移載レバー３０，３１に一括して掛止支
持される。

ボルト２４，２５を緩める場合、まず下側のボ
ルト２５を緩めて連結具２３を取付片２０ａ，２
１ａから下方へ抜き、可動取付体１１，１２の下
端部に連結具２３を再び締付固定しておく。次い
で、上側のボルト２４を緩めて連結具２２を取付
片２０ａ，２１ａから上方へ抜き上げれば、可動
取付体１１，１２が連結具２２，２３と共に取付
片２０ａ，２１ａから側方へ離間可能となる。そ
こで、第２図に示すように掛止保持具２８，２９
の掛止突部２８ａ，２９ａに連結具２２，２３を
掛止めれば可動取付体１１，１２、吊下ロープ
９，１０の下端部及び引き下げロープ１５，１６
の上端部が綜絖枠１９の上下動経路から側方へ離
間配置され、ロープ９，１０，１５，１６及び可
動取付体１１，１２と、所定経路に沿つて上動及
び水平移動する移載レバー３０，３１により上方
へ抜き上げられる綜絖枠１９との干渉が回避され
る。従つて、移載レバー３０，３１を上動するこ
とにより綜絖枠１９は織機上の装着位置から円滑
に取り外され、新たな綜絖枠も織機上に支障なく
装着される。

なお、使用される綜絖枠の枚数は織物種類に応
じて適宜変更され、例えば最大使用可能枚数より
も少ない使用枚数の場合には従来では使用されな
い綜絖枠用のロープを外しておかねばならなかつ
たが、本考案では前述したように不使用のロープ
に付随する連結具２２，２３を掛止保持具２８に
掛止めておけば織機の運転が可能である。

本考案は勿論前記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、例えば第３図に示すように吊下ロープ
９，１０及び引き下げロープ１５，１６の端部の
掛止連結部材３６，３７を綜絖枠１９の掛止部１
９ａ，１９ｂに掛止めて綜絖枠１９を支持する構
成の開口装置にも適用可能であり、サイドフレー
ム１，２の内面に掛止保持鉤３８，３９を試着し
ておき、掛止保持鉤３８，３９に掛止連結部材３
６，３７を掛止めておけば前記実施例と同様の効
果が得られる。

考案の効果 以上詳述したように本考案は、綜絖枠に対する
ロープの連結部をロープの上下動経路の側方に掛
止めておけるようにしたので、機仕掛け作業の際
にはロープ及びロープの連結部との干渉をもたら
すことなく綜絖枠を円滑に交換することができ、
しかも不使用綜絖枠用のロープを織機から取り外
す必要もなくなるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した一実施例を示す正
面図、第２図は同じ要部斜視図、第３図は本考案
の別例を示す要部斜視図である。 吊下ロープ……９，１０、ロープの連結部を構
成する可動取付体……１１，１２、引き下げロー
プ……１５，１６、綜絖枠……１９、ロープの連
結部を構成する連結具……２２，２３及びボルト
２４，２５、掛止保持具……２８，２９、ロープ
の連結部となる掛止保持鉤……３８，３９。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ばね力を利用して往復駆動装置の駆動力を綜絖
   枠にロープを介して伝達する開口装置において、
   綜絖枠に対する前記ロープの連結部を掛止保持可
   能な掛止保持具を前記ロープの上下動経路の側方
   に設置し、綜絖枠から前記ロープを外した状態で
   は前記連結部を前記掛止保持具に掛止めておくよ
   うにした織機の開口装置における外しロープ保持
   装置。