JPH0512044U - ワイヤ放電加工機 - Google Patents

ワイヤ放電加工機

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JPH0512044U
JPH0512044U JP6686491U JP6686491U JPH0512044U JP H0512044 U JPH0512044 U JP H0512044U JP 6686491 U JP6686491 U JP 6686491U JP 6686491 U JP6686491 U JP 6686491U JP H0512044 U JPH0512044 U JP H0512044U
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、放電加工中以外の非加工時には、
ワイヤ電極と工作物との間に漏洩電流が流れないように
して工作物の電解腐食を防止するワイヤ放電加工機を提
供する。 【構成】 このワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極1の極
と工作物6の極との間に設けた開閉可能な第一スイッチ
20、工作物6と加工液17を収容する加工槽30との
間に設けた開閉可能な第二スイッチ21、及び各スイッ
チ20,21を開閉する指令信号を発するコントローラ
25を有する。加工完了状態、加工停止状態等の非加工
時において、コントローラ25の指令で両スイッチ2
0,21を閉じれば、ワイヤ電極1、工作物6及び加工
槽30は常に同電位となり、ワイヤ電極1と工作物6と
の間には漏洩電流が流れない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、加工液を入れた加工槽内でワイヤ電極と工作物との間に極間電圧 を印加し、前記ワイヤ電極と前記工作物との間に発生する放電エネルギーによっ て前記工作物を加工するワイヤ放電加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワイヤ放電加工機を使用して金型を製作する技術は広く知られており、 現在では金型製作にあってはワイヤ放電加工は欠くことができないものとなって いる。
【0003】 このようなワイヤ放電加工機としては従来から種々のものが知られている。例 えば、従来のワイヤ放電加工機には、電源から供給される電気エネルギーを一旦 コンデンサに蓄積した後に、両極間で放電するコンデンサ方式、スイッチング素 子としてのトランジスタを通して電極から供給された電気エネルギーを直接断続 的に極間に供給するトランジスタ方式、両者を併用したトランス結合方式等があ る。
【0004】 図2は、トランジスタ方式のワイヤ放電加工機を示す概念図である。このトラ ンジスタ方式のワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極1を直流電源5の陰極側に加工 パルス発生用トランジスタ4と抵抗3を介してライン13を通じて接続し、また 、工作物6を直流電源5の陽極側にライン14を通じて接続する。発振器からの パルス信号がトランジスタ4に発振されると、電源5からトランジスタ4を通じ てトランジスタ4のスイッチング素子としての働きで放電電流が得られる。放電 加工は、陽極となる工作物6と陰極となるワイヤ電極1の間に加工液噴射ノズル 8から加工液を供給しながら、両極間に放電を発生させ、この放電エネルギーを 利用して、工作物6を加工することによって行なわれる。
【0005】 ところで、ワイヤ放電加工の加工液として使用する水は、一般には、イオン交 換処理を施こしているものであるが、加工液の電気的な絶縁性は油ほど高くない 。このため、ワイヤ電極1と工作物6の間に直流の電位があると、漏洩電流が流 れ、工作物に対して電解作用を起こすことになる。即ち、漏洩電流は、ワイヤ電 極1と工作物6の間で加工液が存在するすべての箇所に流れる。そして、電解作 用を生じると、電気メッキにおける陽極側金属の溶出現象と同じように、陽極に 接続された工作物6は徐々に溶け出す。従って、実際の加工においては、この電 解作用は加工速度を向上させる上で効果的であるといえるが、その反面、工作物 6の表面に腐食を発生させることになる。特に、工作物6が合金材料のような組 織的に異なった複数の元素からなる材料で作られている場合、腐食の程度にアン バランスを生じる。例えば、工作物6が超硬合金で作られている場合には、結合 材であるコバルトが選択的に溶出し、金型の生命とも言うべき切刃部の電解腐食 等による損傷につながることになる。これら漏洩電流に起因する悪現象を電解腐 食と称しており、これが金型の切刃部では異常摩耗やチッピングを発生させるこ とになる。
【0006】 そこで、電解腐食を抑えるために、従来から種々の試みがなされてきた。その 一つとして、トランス結合による電解腐食の抑制回路が、例えば、株式会社大河 出版、応用機械工学1988年12号(月刊誌)に開示されている(図3参照) 。この回路は、図2に示すワイヤ放電加工機の両電極と直流電源の間に、アダプ タ(図3における一点鎖線10の内部)として挿入したもので、トランス11に よって直流電源5からの直流パルスを交流的な波形に変換し、電解作用を抑制す るものである。なお、図3の回路中、符号7はライン13とライン14との間に 組み込まれたコンデンサCを示し、符号12はコイルLを示す。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のトランス結合による電解腐食の抑制回路の場合、一応、 電解作用を抑制することはできるものの、完全というわけではない。即ち、加工 完了状態、加工停止状態、或いは何らかのトラブルによりワイヤ電極が断線し、 加工が中断している状態等においては、加工パルス発生用トランジスタはオフに なっていても、そのトランジスタの漏洩電流、給電線或いは各種電気回路上に静 電的、電磁的結合によって誘起された電流によって、ワイヤ電極と工作物との間 に電位差が発生する。ワイヤ電極と工作物との間に電位差が発生し、且つその間 に加工液が介在すれば、漏洩電流が流れるので、工作物の電解腐食が進行するこ とになる。従って、放電加工中はともかくそれ以外の時には、ワイヤ電極と工作 物との間に漏洩電流が流れないようにすることが必要がある。
【0008】 そこで、この考案の目的は、上記の課題を解決することであり、漏洩電流によ って工作物に電解腐食が発生しないように、加工完了状態、加工停止状態、加工 中断状態等の非加工時にはワイヤ電極、工作物及び加工槽を同電位にするワイヤ 放電加工機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この考案は、上記の目的を達成するために、次のように構成されている。即ち 、この考案は、加工液を入れた加工槽内でワイヤ電極と工作物との間に極間電圧 を印加し、前記ワイヤ電極と前記工作物との間に発生する放電エネルギーによっ て前記工作物を加工するワイヤ放電加工機において、前記ワイヤ電極に接続する 一方の電極、前記工作物に接続する反対の極性の電極及び前記加工槽を、加工完 了状態、加工停止状態、加工中断状態等の非加工時に互いに同電位にするように 構成したことを特徴とするワイヤ放電加工機に関する。
【0010】 或いは、この考案は、加工液を入れた加工槽内でワイヤ電極と工作物との間に 極間電圧を印加し、前記ワイヤ電極と前記工作物との間に発生する放電エネルギ ーによって前記工作物を加工するワイヤ放電加工機において、前記ワイヤ電極に 接続する一方の電極となるラインと前記工作物に接続する反対の極性の電極とな るラインを短絡するライン中に設けた第一スイッチ、前記工作物と前記加工槽と を短絡するライン中に設けた第二スイッチ、及び前記第一スイッチと前記第二ス イッチを加工完了状態、加工停止状態、加工中断状態等の非加工時に応答して閉 状態にして短絡するコントローラを有することを特徴とするワイヤ放電加工機に 関する。
【0011】
【作用】
この考案によるワイヤ放電加工機は、上記のように構成されているので、次の ように作用する。即ち、このワイヤ放電加工機は、加工パルスを印加する直前に 、加工制御系から指令信号が発信されると、第一スイッチ及び第二スイッチが開 かれ、ワイヤ電極と工作物の間に電位差が生じて放電加工が行なわれる状態にな る。一方、放電エネルギーによる前記工作物に対する加工が中断、完了或いは停 止した時には、加工制御系即ちコントローラから指令信号が発信されて、前記第 一スイッチ及び前記第二スイッチが閉じられる。これにより、前記ワイヤ電極と 前記工作物と加工槽とは、常に同電位となり、前記ワイヤ電極と前記工作物との 間には漏洩電流が流れなくなる。従って、このワイヤ放電加工機が放電加工中で ない時には、前記工作物に対して電解腐食は発生しなくなる。
【0012】
【実施例】
以下、図面を参照して、この考案によるワイヤ放電加工機の実施例を説明する 。図1は、この考案によるワイヤ放電加工機の一実施例を示す電気回路図である 。この電気回路はトランジスタ方式のワイヤ放電加工機に関するものである。
【0013】 このワイヤ放電加工機において、ワイヤ電極1は給電子2を介して抵抗3とト ランジスタ4に直列にライン13を通じて接続され、更に、トランジスタ4が直 流電源5の陰極側にライン13を通じて接続されている。工作物6は直流電源5 の陽極側にライン14を通じて接続されている。第一電気接点としての第一スイ ッチ20は、ワイヤ電極1に接続されている電極側のライン13と、工作物6に 接続されている逆の極性の電極側のライン14とを接続するライン15の途中に 接続されている。従って、第一スイッチ20が閉じると、ワイヤ電極1と工作物 6とは同電位になり、両者間の電位差は零になり、漏洩電流は流れなくなる。ま た、第二電気接点としての第二スイッチ21は、工作物6と加工液17を収容す る加工槽30とはライン16によって接続されている。従って、この第二スイッ チ21が閉じると、工作物6と加工槽30とは同電位になり、両者間の電位差は 零になり、漏洩電流は流れなくなる。この場合、第一スイッチ20と第二スイッ チ21とは、コントローラ25の指令によって同期して開閉作動するように構成 しておくことが好ましい。
【0014】 トランジスタ4のベースには、発振器9を有する制御回路が接続されており、 パルス幅と休止時間を制御したパルス信号を発生させるものである。
【0015】 このワイヤ放電加工機における2つの第一スイッチ20と第二スイッチ21は 、コントローラ25即ち加工制御系からの指令信号によって同時に開閉作動する ように構成されている。即ち、このワイヤ放電加工機の電気回路に加工パルスを 印加する直前に、加工制御系から指令信号が発進され、これにより第一スイッチ 20と第二スイッチ21が同時に開かれる。一方、加工完了状態、加工中断状態 或いは加工停止状態の非加工時には、加工制御系から指令信号が発進されて、こ れにより第一スイッチ20と第二スイッチ21が同時に閉じられるように構成さ れている。
【0016】 次に、このワイヤ放電加工機の作動を説明する。工作物6を加工する時には、 加工制御系からの指令信号を受信して二つの第一スイッチ20と第二スイッチ2 1は同時に開かれる。続いて、制御回路からのパルス信号でトランジスタ4がオ ンされる。第一スイッチ20と第二スイッチ21が開いた状態にあるので、トラ ンジスタ4がオンになることに伴って極間電圧が発生する。極間の間隔が絶縁破 壊できる距離であれば、直ちに放電が始まり、両極は放電してその時発生する放 電エネルギーによって工作物6は加工されることになる。そして、パルス信号が 休止時間になると、放電は停止する。この放電はパルス信号に応答して繰り返し 行われる。
【0017】 工作物6に対する加工完了状態、加工中断状態或いは加工停止状態の非加工時 には、加工制御系即ちコントローラ25からの指令信号が発せられ、コントロー ラ25からの指令信号を受信して二つの第一スイッチ20と第二スイッチ21が 同時に閉じられる。これにより、ワイヤ電極1と工作物6は電気的に短絡して同 電位になり、また、工作物6と加工槽30も電気的に短絡して同電位になる。従 って、工作物6とワイヤ電極1或いは加工槽30との間には、漏洩電流が流れな くなるから、工作物6の電解腐食は発生しなくなり、好ましくない電解腐食は発 生せず、工作物6に対する加工精度を向上させることができる。
【0018】 また、上記実施例では、トランジスタ方式のワイヤ放電加工機について述べた が、図3に示したトランス結合方式のワイヤ放電加工機に適用できることは勿論 である。
【0019】
【考案の効果】
この考案によるワイヤ放電加工機は、上記のように構成されているので、次の ような効果を有する。即ち、このワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極に接続する一 方の電極のラインと前記工作物に接続する反対の極性の電極のラインとを短絡す るライン中に設けた第一スイッチ、前記工作物と前記加工槽とを短絡するライン 中に設けた第二スイッチ、及び前記第一スイッチと前記第二スイッチを閉状態に して短絡するコントローラを有するので、放電加工中以外、即ち、加工完了状態 、加工中断状態、加工停止状態の非加工時には、前記コントローラの指令で前記 ワイヤ電極、前記工作物及び前記加工槽を常に同電位にすることができ、前記ワ イヤ電極と前記工作物との間には漏洩電流が流れなくなり、前記工作物の電解腐 食は発生しなくなる。特に、金型の生命とも言うべき切刃部が漏洩電流で電解腐 食することがなく、該金型の切刃部のダメージも防止することができ、前記工作 物の加工面の品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案によるワイヤ放電加工機の一実施例を
示す電気回路図である。
【図2】従来のワイヤ放電加工機の電気回路図である。
【図3】従来のワイヤ放電加工機のトランス結合による
電解腐食の抑制回路を示す電気回路図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極 4 トランジスタ 5 直流電源 6 工作物 13 ライン 14 ライン 16 ライン 17 加工液 20 第一スイッチ 21 第二スイッチ 25 コントローラ 30 加工槽

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工液を入れた加工槽内でワイヤ電極と
    工作物との間に極間電圧を印加し、前記ワイヤ電極と前
    記工作物との間に発生する放電エネルギーによって前記
    工作物を加工するワイヤ放電加工機において、前記ワイ
    ヤ電極に接続する一方の電極、前記工作物に接続する反
    対の極性の電極及び前記加工槽を、加工完了状態、加工
    停止状態、加工中断状態等の非加工時に互いに同電位に
    するように構成したことを特徴とするワイヤ放電加工
    機。
  2. 【請求項2】 加工液を入れた加工槽内でワイヤ電極と
    工作物との間に極間電圧を印加し、前記ワイヤ電極と前
    記工作物との間に発生する放電エネルギーによって前記
    工作物を加工するワイヤ放電加工機において、前記ワイ
    ヤ電極に接続する一方の電極となるラインと前記工作物
    に接続する反対の極性の電極となるラインを短絡するラ
    イン中に設けた第一スイッチ、前記工作物と前記加工槽
    とを短絡するライン中に設けた第二スイッチ、及び前記
    第一スイッチと前記第二スイッチを加工完了状態、加工
    停止状態、加工中断状態等の非加工時に応答して閉状態
    にして短絡するコントローラ、を有することを特徴とす
    るワイヤ放電加工機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170082988A (ko) * 2016-01-07 2017-07-17 화낙 코퍼레이션 급전선의 열화 검출 기능을 갖는 와이어 방전 가공기

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KR20170082988A (ko) * 2016-01-07 2017-07-17 화낙 코퍼레이션 급전선의 열화 검출 기능을 갖는 와이어 방전 가공기

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