JP2696388B2 - 放電加工用電源装置 - Google Patents

放電加工用電源装置

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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、工具電極と工作物との間の極間に放電を
発生させて放電エネルギーによって工作物を放電加工す
る放電加工機における放電加工用電源装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、ワイヤ放電加工等の放電加工機において、電極
と工作物との極側に直流電圧を印加して工作物を放電加
工するものとして、電極と工作物との極間電圧に対して
並列にコンデンサを接続し、該コンデンサにオン・オフ
制御されるトランジスタから成るスイッチング素子を接
続してコンデンサを充電し、電極と工作物との間の極間
電圧状態に応じて該コンデンサに蓄積された電荷エネル
ギーを電極と工作物との極間に放電させて工作物を放電
加工する方式がある。
また、別の方式として、コンデンサを使用せずに、ス
イッチング素子のオン・オフ制御によって直接大電流を
電極と工作物との極間に流して工作物を放電加工するも
のがある。
更に、ワイヤ放電加工装置、形彫放電加工装置等の放
電加工装置において、加工液に水を使用して放電加工を
行う場合に適した放電加工用加工電源について、例え
ば、特開昭59−232726号公報に開示されたものがある。
該放電加工用加工電源は、電極と被加工物との極間に交
流高周波電圧を印加する第1電源と、該第1電源による
上記極間における放電開始時点を検出し、該放電開始時
点から所定幅のパルス電流を上記極間に印加する第2電
源とを備えたものである。更に、該放電加工用加工電源
は、放電開始時点から所定時間前記第1電源による極間
への交流高周波電圧の供給を阻止する手段を備えたもの
である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、電極と工作物との極間に直流電圧を印
加して工作物を放電加工する上記の方式は、単極性高周
波電圧を上記極間に印加するものであり、このような単
極性高周波電圧による方式では、加工液として水を使用
した場合に、工作物が正電位となるため、直流電圧によ
る電解作用が工作物に作用するようになり、工作物の加
工面、該加工面の周辺が腐食されて多数の穴等が生じ、
工作物の面が粗くなったり、工作物表面に錆が発生する
という問題があった。
そこで、直流電源を使用しても上記のような工作物の
加工面の問題点の発生を阻止するために、如何なる放電
加工用電源装置を提供するかの課題があっが、本出願人
は、該課題を解決するために、先に特願昭63−221415号
として放電加工用電源装置を出願した。
この発明の目的は、上記の課題を解決することであ
り、放電加工において加工液として水を使用しても、工
作物の加工面及びその周辺が直流電圧で生じる電解作用
による腐食或いは錆の発生等の影響を受けることがな
く、工作物の加工面の硬度、強度の低下を来すことな
く、従って、例えば、工作物を金型として使用する場合
に異常摩耗或いはチッピングを起こすことのない工作物
を得ることができ、しかも、前掲特願昭63−221415号に
開示した放電加工用電源装置のようにスイッチング素子
であるトランジスタ及びコンデンサを多数使用すること
なく上記効果を達成できる放電加工用電源装置を提供す
ることである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記の目的を達成するため、次のように
構成されている。即ち、この発明は、工具電極と工作物
との間の極間に電圧を印加して前記工作物を放電加工す
る放電加工機において、直流電源の両極間に直列に接続
した一対のスイッチング素子及び前記各スイッチング素
子に並列に接続した各ダイオードから構成した第1回
路、及び前記直流電源の前記両極間に直列に接続した一
対のコンデンサから構成した第2回路から成り、前記工
作物及び前記工具電極を前記第1回路の前記各スイッチ
ング素子を接続する接続ラインと前記第2回路の前記各
コンデンサを接続する接続ラインとの間に接続し、前記
各スイッチング素子をパルス制御回路によって交互にオ
ン・オフさせて前記工具電極と前記工作物との前記極間
に交流高周波電圧を印加することを特徴とする放電加工
用電源装置に関する。
〔作用〕
この発明による放電加工用電極装置は、上記のように
構成されており、次のように作用する。即ち、この放電
加工用電源装置は、直流電源の両極間に直列に接続した
一対のスイッチング素子及び該各スイッチング素子に並
列に接続した各ダイオードから第1回路を且つ一対のコ
ンデンサから第2回路を構成し、前記第1回路と前記第
2回路との間に工作物及び工具電極を接続したので、直
流電源を使用しているにもかかわらず、前記各スイッチ
ング素子の制御によって交流高周波電圧を前記工具電極
と前記工作物との極間に印加することができ、加工液と
して水を使用しても前記工作物が電解作用を受けること
がない。
〔実施例〕
以下、図面を参照して、この発明による放電加工用電
源装置の一実施例を説明する。
第1図において、ワイヤ電極等の工具電極11と工作物
10との極間に交流高周波電圧を印加させ、その放電エネ
ルギーによって工作物10を放電加工する放電加工機に適
用される放電加工用電源装置の回路が示されている。
一般的に、放電加工機では、工作物取付台に対して工
作物10が設置され、該工作物取付台は水平方向に移動で
きるように構成されている。即ち、工作物10を取り付け
ている工作物取付台は、NC装置からの指令で工作物10の
加工状況に応じてX方向及びY方向に移動するものであ
る。即ち、工作物取付台は、ワイヤヘッドに供給された
ワイヤ電極との間でサーボモータにより駆動されるサー
ボ送り機構によってサーボ移動を繰り返すものであり、
両者の移動が合成された相対的運動によって工作物10は
所定の加工形状に放電加工されている。
また、工作物10に対して上下にワイヤヘッドが設けら
れ、これらのワイヤヘッドは、給電子、給電子押え部
材、ダイスガイド部材、加工液噴射ノズル等から成る。
自動ワイヤ供給装置等からローラガイド等を介して送り
込まれたワイヤ電極は、上ワイヤヘッドにおける内側筒
対内に設置されたダイスガイド部材を通り、工作物10を
放電加工した後に、下ワイヤヘッドにおける内側筒体内
に設置されたダイスガイド部材を通って巻取リール、使
用済ワイヤ溜部等に排出される。
この放電加工用電源装置において、第1回路14は、直
流電源7の正極(+)と負極(−)との間に、一対のス
イッチング素子1とスイッチング素子2を直列に接続
し、また、スイッチング素子1に対してダイオード5
(D1)を並列に接続し且つスイッチング素子2に対して
ダイオード6(D2)を並列に接続することによって構成
している。この場合に、スイッチング素子1はトランジ
スタTr1から構成し、スイッチング素子2はトランジス
タTr2から構成されている。
また、第2回路15は、直流電源7の正極(+)と負極
(−)との間に一対のコンデンサ3(C1)とコンデンサ
4(C2)を直列に接続することによって構成している。
更に、第1回路14におけるスイッチング素子1とスイ
ッチング素子2との接続ライン16との間には、工作物10
が接点9で接続されている。また、第2回路15における
コンデンサ3とコンデサ4との接続ライン17との間に
は、工具電極11が接点12で接続されている。
更に、工作物10と接点9との間にはコイルLが組み込
まれる。更に、直流電源7に対してコンデンサ8が組み
込まれると共に、スイッチング素子1,2は、トランジス
タTr1,Tr2から成り、該各トランジスタTr1,Tr2の各ベー
スにベース信号をそれぞれ入力できるように発振制御手
段であるパルス制御回路13が接続されている。
パルス制御回路13は、スイッチング素子1とスイッチ
ング素子2にベース信号を与えて交互にオン・オフ制御
する。言い換えれば、パルス制御回路13及び各スイッチ
ング素子1,2から成る第1回路14は、トランジスタTr1,T
r2を使用したスイッチング装置であり、ハーフブリッジ
方式のスイッチング装置を利用して構成したものであ
る。
この放電加工用電源装置は、このように構成されてお
り、各スイッチング素子1,2をパルス制御回路13によっ
て、交互にオン・オフする制御動作を繰り返えさせて、
工具電極11と工作物10との極間に交流高周波電圧を印加
することを特徴とするものである。
次に、この発明による放電加工用電源装置の回路の動
作について説明する。
まず、パルス制御回路13からの電気信号によって、ス
イッチング素子1のベースにベース信号が入力されてス
イッチング素子1がオンされ、スイッチング素子2にベ
ース信号が入力されずスイッチング素子2がオフになっ
ている場合、工作物10と工具電極11との間の極間の絶縁
が破壊されると、加工電流は、直流電源7の正極(+)
側から、スイッチング素子1、接点9、工作物10、工具
電極11、接点12、次いでコンデンサ4の経路を順次通っ
て負極(−)側へと流れる。
この時、コンデンサ3に充電されていた電荷は、コン
デンサ3の正極(+)側から、スイッチング素子1、接
点9、工作物10、工具電極11、次いで接点12の経路を順
次通ってコンデンサ3の負極(−)側へと流れて放電さ
れる。
次いで、スイッチング素子が、ターンオフ即ち導通状
態から非導通状態に遷移する時には、経路中のインダク
タンスに誘起されたエネルギーが、コイルLから工作物
10、工具電極11、接点12、コンデンサ4の正極(+)
側、コンデンサ4の負極(−)側、次いでダイオード6
の経路を順次通ってコイルLへと流れて放出される。
次に、パルス制御回路13からの電気信号によって、ス
イッチング素子1のトランジスタTr1及びスイッチング
素子2のトランジスタTr2の各ベースにベース信号が入
力されず、スイッチング素子1及びスイッチング素子2
が共にオフになった場合には、第1回路14及び第2回路
15を流れる電流はオフとなり、工作物10と工具電極11と
の極間には電圧はかからない。
引き続いて、パルス制御回路13からの電気信号によっ
て、スイッチング素子2のベースにベース信号が入力さ
れてスイッチング素子2がオンされ、スイッチング素子
1にベース信号が入力されずスイッチング素子1がオフ
になっている場合、工作物10と工具電極11との間の極間
の絶縁が破壊されると、加工電流は、直流電源7の正極
(+)側からコンデンサ3、接点12、工具電極11、工作
物10、接点9、対でスイッチング素子2の経路を順次通
って直流電源7の負極(−)側へと流れる。
それ故、工作物10と工具電極11との間の極間には、上
記の時とは逆の加工電圧が印加されることになる。
この時、コンデンサ4に充電されていた電荷は、コン
デンサ4の正極(+)側から、接点12、工具電極11、工
作物10、接点9、次いでスイッチング素子2の経路を順
次通ってコンデンサ4の負極(−)側へと流れて放電さ
れる。
次いで、トランジスタTr2から成るスイッチング素子
2がターンオフする時には、経路中のインダクタンスに
誘起されたエネルギーは、コイルLからダイオード5、
コンデンサ3の正極(+)側、コンデンサ3の負極
(−)側、接点12、工具電極11、次いで工作物10の経路
を通じて、コイルLへと放出される。
次に、パルス制御回路13から電気信号によって、全て
のスイッチング素子1及び2がオフになり、第1回路14
及び第2回路15を流れる加工電流はオフとなり、工作物
10と工具電極11との極間には電圧はかからない。
以上のように、パルス制御回路13からの繰り返される
電気信号が、スイッチング素子1のトランジスタTr1
ベース及びスイッチング素子2のトランジスタTr2のベ
ースにベース信号として繰り返し交互に入力されること
によって、スイッチング素子1とスイッチング素子2と
は交互にオン・オフする制御動作が繰り返えされること
により、工作物10と工具電極11との極間には、交流高周
波電圧が印加されることになる。それ故に、工作物10
は、所定の加工形状に工具電極11によって放電加工され
ることになる。
〔発明の効果〕
この発明による放電加工用電源装置は、上記のように
構成されており、次のような効果を有する。即ち、この
放電加工用電源装置は、工具電極と工作物との電圧を印
加して工作物を放電加工する放電加工機において、直流
電源の両極間に直列に接続した一対のスイッチング素子
及び前記各スイッチング素子に並列に接続した各ダイオ
ードから構成した第1回路、及び前記直流電源の両極間
に直列に接続した一対のコンデンサから構成した第2回
路から成り、工作物及び工具電極を前記第1回路の前記
各スイッチング素子を接続する接続ラインと前記第2回
路の前記各コンデンサを接続する接続ラインとの間に接
続し、前記スイッチング素子を発振制御回路によってオ
ン・オフ制御することによって、直流電源を使用してい
るにもかかわらず、交流高周波電圧を前記工具電極と前
記工作物との極間に印加することができる。
従って、放電加工機において加工液として水を使用し
ても、前記工作物が電解作用を受けることがなく、それ
故、前記工作物の加工面及びその周辺に腐食を生じた
り、凹み部が形成されたり、前記工作物表面に錆が発生
すること等を防止することができ、前記工作物の加工面
の硬度、強度等を確保でき、前記工作物を金型として使
用しても、該工作物が異常摩耗、チッピング等を起こす
ことがない。しかも、電気回路そのものは、放電加工用
電源装置の前記スイッチング素子としてトランジスタ及
びダイオードの使用数が最小限であり、回路自体が極め
て簡単であり、放電加工用電源装置として大幅にコスト
ダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による放電加工機における放電加工用
電源装置を示す回路図である。 1,2……スイッチング素子、3,4……コンデンサ、5,6…
…ダイオード、7……直流電源、8……コンデンサ、9,
12……接点、10……工作物、11……工具電極、13……パ
ルス制御回路、14……第1回路、15……第2回路、Tr1,
Tr2……トランジスタ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工具電極と工作物との間の極間に電圧を印
    加して前記工作物を放電加工する放電加工機において、
    直流電源の両極間に直列に接続した一対のスイッチング
    素子及び前記各スイッチング素子に並列に接続した各ダ
    イオードから構成した第1回路、及び前記直流電源の前
    記両極間に直列に接続した一対のコンデンサから構成し
    た第2回路から成り、前記工作物及び前記工具電極を前
    記第1回路の前記各スイッチング素子を接続する接続ラ
    インと前記第2回路の前記各コンデンサを接続する接続
    ラインとの間に接続し、前記各スイッチング素子をパル
    ス制御回路によって交互にオン・オフさせて前記工具電
    極と前記工作物との前記極間に交流高周波電圧を印加す
    ることを特徴とする放電加工用電源装置。
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JP3331077B2 (ja) * 1994-12-21 2002-10-07 株式会社ソディック 放電仕上げ加工用電源装置
WO2014162822A1 (ja) * 2013-04-04 2014-10-09 西部電機株式会社 放電加工装置、放電加工方法及び設計方法

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