JPH0512013U - タレツト旋盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タレットに取り付けた回転工具を、主軸の軸
心に対して垂直角度から任意の角度に偏らせた姿勢に調
節できるようにする。 【構成】 タレット４の工具ステーションＳに、円弧状
のガイド部材10を介して回転工具９を首振り可能に取り
付ける。回転工具９の入力軸13は等速ジョイント27を介
してタレット４内の出力軸26に連結する。この出力軸26
は、工具ステーションＳの角度位置に半径方向に沿って
設け、タレット軸28内の回転工具駆動軸22から回転伝達
されるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、回転工具を装備したタレット旋盤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、タレット旋盤において、工具ステーションの一部にミリングヘッドやド リル等の回転工具を取り付けたものがある。 このように回転工具を取り付けることにより、主軸にワークを保持したままで 、切削の他に、フライス加工やドリル加工等が行える。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のタレット旋盤は、タレットの送りを２軸方向にしか行えず、ま た回転工具はタレットの工具ステーションに垂直姿勢で固定状態に取り付けられ ているため、主軸の軸心に対して回転工具を垂直方向に向けた状態でしか、タッ プ孔等のドリル加工や、フライス加工を施すことができないという問題点がある 。

【０００４】 この考案の目的は、回転工具を主軸の軸心に対して垂直角度から任意の角度に 偏らせた姿勢に調節できるタレット旋盤を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案のタレット旋盤は、タレットの工具ステーションに、円弧状のガイド 部材を介して回転工具を首振り可能に取り付けたものである。回転工具の入力軸 は等速ジョイントを介してタレット内の出力軸に連結する。この出力軸は、前記 工具ステーションの角度位置に半径方向に沿って設け、タレット軸内の回転工具 駆動軸から回転伝達されるようにする。

【０００６】

【作用】 この構成によると、タレットの工具ステーションに取り付けられているガイド 部材に沿って、回転工具を主軸の軸心に対して任意の角度となるように首振り調 節することができる。その結果、タレット軸内の回転駆動軸から、出力軸、等速 ジョイントを介して回転工具の入力軸に回転伝達が行われ、主軸に保持されてい るワークに、主軸の軸心に対して傾いた角度に加工を施すことができる。

【０００７】

【実施例】

この考案の一実施例を図１ないし図４に基づいて説明する。図４に示すように 、ベッド１に設けた主軸台２に主軸３を設置し、タレット４を搭載したタレット キャリッジ５を、ベッド１のレール６上に横（Ｘ軸方向）移動可能に設置してあ る。タレットキャリッジ５は、レール６上を移動するクロススライド７と、クロ ススライド７上に前後（Ｚ軸方向）移動可能に設置した前後動ハウジング８とで 構成される。

【０００８】 タレット４は、正面形状が多角形のドラム状のものであり、主軸３と平行な軸 心回りで、割出回転および軸方向移動が可能となるようにタレットキャリッジ５ に支持してある。割出回転および軸方向移動用の駆動装置（図示せず）は、タレ ットキャリッジ５に設置されている。

【０００９】 図１に示すように、タレット４の各周面部分からなる工具ステーションＳの一 箇所には、回転工具９を首振り可能に取り付けるための円弧状のガイド部材10が ボルト11等によって固定されている。このガイド部材10の表面には一定ピッチで 並ぶ位置決め歯12が形成され、また中間部には回転工具９の筒状ケース20を円弧 の周方向に首振り可能に遊嵌させる首振り用長孔14が形成されている。

【００１０】 前記ガイド部材10の上面には、その位置決め歯12に噛み合う位置決め歯15を下 端に有する工具支持具16が配置され、図２および図３に示すようにボルト17で締 め付け固定されている。すなわち、工具支持具16の両側辺部には、ガイド部材10 の首振り用長孔14と同じ方向に延びるガイド用長孔18がそれぞれ形成され、これ らのガイド用長孔18に座金19を介して挿通させたボルト17を、ガイド部材10のね じ孔に螺合させることによって、工具支持具16がガイド部材10上に位置調節可能 に締め付け固定される。

【００１１】 図１において、回転工具９は、筒状ケース20から突出した入力軸13の回転を、 工具ビット9aの取付けられたチャック21に伝達するものであり、筒状ケース20は 、工具支持具16の中央に貫通状態に固定されている。

【００１２】 入力軸13は、タレット軸心Ｏの回転工具駆動軸22の回転により、次の各部品か らなる駆動伝達機構23を介して回転駆動される。すなわち、回転工具駆動軸22に はベベルギヤ24が固定されており、このベベルギヤ24に噛み合う入力ベベルギヤ 25を有する出力軸26が、前記入力軸13の支持されている工具ステーションＳに軸 心を向け、タレット５の半径方向に沿うように配置されている。この出力軸26は 等速ジョイント27を介して前記入力軸13に連結されている。等速ジョイント27と 入力軸13との間はスプライン嵌合によって連結される。

【００１３】 回転工具駆動軸22は、タレット４を先端に固定したタレット軸28内を貫通して おり、タレット軸28の後方に突出した部分でモータ駆動される。また、回転工具 駆動軸22は、タレット５に装着した他の各回転工具（図示せず）の回転駆動に兼 用されるものであり、ベベルギヤ24からは、他の各回転工具にも回転伝達される 。

【００１４】 上記構成の動作を説明する。回転工具９を、主軸３の軸心に対して垂直な角度 から任意の角度θだけ傾斜した姿勢に調節して使用するときは、ガイド部材10に 工具支持具16を締め付け固定しているボルト17を緩め、ガイド部材10側の位置決 め歯12と工具支持具16側の位置決め歯15との噛合いを一旦解いてから、回転工具 ９が所望の角度θに傾斜する位置まで工具支持具16をガイド部材10の円弧に沿っ て位置替えする。このときの入力軸13の角度変更は、等速ジョイント27の接続中 心Ｏ１を回転中心として行われる。また、工具支持具16の位置替えは、そのガイ ド用長孔18とボルト17の案内で所定方向に行われる。

【００１５】 回転工具９の角度θが決まった位置で、工具支持具16を再びボルト17でガイド 部材10上に締め付けることにより、ガイド部材10側の位置決め歯12と工具支持具 16側の位置決め歯15とが噛み合い、工具支持具16がガイド部材10上の新たな位置 に固定される。 この状態で、駆動軸22の回転を、ベベルギヤ24、入力ベベルギヤ25、出力軸26 、等速ジョイント27および入力軸13を介して回転工具９の工具ビット9aに伝える ことにより、主軸３に保持されるワークＷを、設定した角度θで、回転工具９に より加工できることになる。角度θが種々変わっても、等速ジョイント27を使用 しているため、回転むらが生じることがなく、円滑な加工が行える。

【００１６】

【考案の効果】

この考案のタレット旋盤は、タレットの工具ステーションに、円弧状のガイド 部材を介して回転工具を首振り可能に取り付け、回転工具の入力軸を等速ジョイ ントを介してタレット内の出力軸に連結したため、ガイド部材に沿って回転工具 を首振り調節することにより、主軸の軸心に対して傾斜した任意の角度に回転工 具の姿勢を切り換えることができる。そのため、ワークに対して斜め穴加工等を 容易に行うことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の要部の破断平面図であ
る。

【図２】その要部正面図である。

【図３】図２のIII −III 矢視断面図である。

【図４】タレット旋盤の全体を示す概略正面図である。

【符号の説明】

３…主軸、４…タレット、９…回転工具、9a…工具ビッ
ト、10…ガイド部材、12…位置決め歯、13…入力軸、14
…首振り用長孔、15…位置決め歯、16…工具支持具、17
…ボルト、18…ガイド用長孔、20…筒状ケース、22…回
転工具駆動軸、26…出力軸、27…等速ジョイント、28…
タレット軸、Ｓ…工具ステーション

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 タレットの工具ステーションに、円弧状
   のガイド部材を介して回転工具を首振り可能に取り付
   け、タレット軸内の回転工具駆動軸から回転伝達される
   出力軸を前記タレットの前記工具ステーションの角度位
   置に半径方向に沿って設け、前記回転工具の入力軸と前
   記タレット内の出力軸とを等速ジョイントを介して連結
   したタレット旋盤。