JPH05117856A - ダイヤモンド様薄膜保護膜を有する金型 - Google Patents
ダイヤモンド様薄膜保護膜を有する金型Info
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- JPH05117856A JPH05117856A JP3308261A JP30826191A JPH05117856A JP H05117856 A JPH05117856 A JP H05117856A JP 3308261 A JP3308261 A JP 3308261A JP 30826191 A JP30826191 A JP 30826191A JP H05117856 A JPH05117856 A JP H05117856A
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- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/26—Moulds
- B29C45/37—Mould cavity walls, i.e. the inner surface forming the mould cavity, e.g. linings
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C33/00—Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
- B29C33/56—Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2883/00—Use of polymers having silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only, in the main chain, as mould material
-
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- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29K—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
- B29K2907/00—Use of elements other than metals as mould material
- B29K2907/04—Carbon
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- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 焼入れ鋼よりなる金型の表面にダイヤモンド
様薄膜保護膜を有する際に保護膜の金型への接着力を向
上させる。 【構成】 金型の摩耗を受ける表面に、前記表面よりも
硬度が大きく且つ後記ダイヤモンド様薄膜よりは硬度が
小さい硬度Hv=1000〜5000kg/mm2 の炭
素中間層と、硬度が該中間層よりも大きいダイヤモンド
様薄膜とを順に形成した保護膜を形成する。
様薄膜保護膜を有する際に保護膜の金型への接着力を向
上させる。 【構成】 金型の摩耗を受ける表面に、前記表面よりも
硬度が大きく且つ後記ダイヤモンド様薄膜よりは硬度が
小さい硬度Hv=1000〜5000kg/mm2 の炭
素中間層と、硬度が該中間層よりも大きいダイヤモンド
様薄膜とを順に形成した保護膜を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド様薄膜で
保護した金型に関し、安価な鋼鉄を使用した高性能金型
とその製造方法に関する。
保護した金型に関し、安価な鋼鉄を使用した高性能金型
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラスやプラスチックの射出成
形、押出成形、圧縮成形等の成形用または加工用金型
は、超硬質材料から製造されている。しかしこのような
材料は高価であり、手配及び製造に時間と費用が掛か
る。また靭性に欠けるため割れ易い欠点がある。超硬質
材料の脆さと耐摩耗性を補うために金型表面のうち摩擦
面又は摺動面をダイヤモンド様薄膜被覆して保護膜を作
ることが特開平2−15169、同2−22012、同
2−15170等により提案されているが、ダイヤモン
ド様薄膜は金型基体の表面への結合力が弱く、微結晶の
集まりであるため、外力の作用で金型表面から剥離し易
い問題があった。そのため保護被覆として耐食性、耐摩
耗性等が必要な用途において充分に効果を発揮出来な
い。
形、押出成形、圧縮成形等の成形用または加工用金型
は、超硬質材料から製造されている。しかしこのような
材料は高価であり、手配及び製造に時間と費用が掛か
る。また靭性に欠けるため割れ易い欠点がある。超硬質
材料の脆さと耐摩耗性を補うために金型表面のうち摩擦
面又は摺動面をダイヤモンド様薄膜被覆して保護膜を作
ることが特開平2−15169、同2−22012、同
2−15170等により提案されているが、ダイヤモン
ド様薄膜は金型基体の表面への結合力が弱く、微結晶の
集まりであるため、外力の作用で金型表面から剥離し易
い問題があった。そのため保護被覆として耐食性、耐摩
耗性等が必要な用途において充分に効果を発揮出来な
い。
【0003】一方焼入れ鋼は安価に入手出来、加工にも
手間と費用が余りかからないが、金型表面が摩耗し易く
寿命が短い欠点がある。この欠点を改良するには上記特
開平2−15169、同2−22012、同2−151
70等に示されているような気相法によりダイヤモンド
様薄膜を被覆すると良いが、同じ理由から結合力が不十
分である。他の方法によるダイヤモンド様薄膜製造方法
には各種の形式がある(例えば「表面化学」第5巻第1
08号(1984年)第108−115頁の各種の方法
参照)が、一般に、600℃以上の高温度の基質温度が
必要であり、焼入れ鋼の焼鈍が生じて金型の硬度を損な
う問題がある。
手間と費用が余りかからないが、金型表面が摩耗し易く
寿命が短い欠点がある。この欠点を改良するには上記特
開平2−15169、同2−22012、同2−151
70等に示されているような気相法によりダイヤモンド
様薄膜を被覆すると良いが、同じ理由から結合力が不十
分である。他の方法によるダイヤモンド様薄膜製造方法
には各種の形式がある(例えば「表面化学」第5巻第1
08号(1984年)第108−115頁の各種の方法
参照)が、一般に、600℃以上の高温度の基質温度が
必要であり、焼入れ鋼の焼鈍が生じて金型の硬度を損な
う問題がある。
【0004】
【発明が解決すべき課題】本発明は安価な焼入れ鋼を使
用して、耐摩耗性の高い金型を製造することを目的とす
る。しかしこの焼入れ鋼は耐熱性が低く、又ダイヤモン
ド様薄膜に対する接着性に乏しいので工業的に耐摩耗性
のダイヤモンド様薄膜被覆金型を構成することが出来な
かった。特願平1−214913号には金属やセラミッ
ク等の保護のためにArイオン等による基板ボンバード
とそれに続くイオン化蒸着法によるダイヤモンド成膜を
使用する技術が記載されているが、焼入れ鋼による金型
の製造への応用は開示していない。
用して、耐摩耗性の高い金型を製造することを目的とす
る。しかしこの焼入れ鋼は耐熱性が低く、又ダイヤモン
ド様薄膜に対する接着性に乏しいので工業的に耐摩耗性
のダイヤモンド様薄膜被覆金型を構成することが出来な
かった。特願平1−214913号には金属やセラミッ
ク等の保護のためにArイオン等による基板ボンバード
とそれに続くイオン化蒸着法によるダイヤモンド成膜を
使用する技術が記載されているが、焼入れ鋼による金型
の製造への応用は開示していない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイヤモンド
様薄膜との親和性が悪い金型の表面に、前記金型表面よ
りも硬度が大きく且つダイヤモンド様薄膜よりは硬度が
小さいHv=1000〜5000kg/mm2 の炭素膜
中間層と、ダイヤモンド様薄膜とを順に形成した保護膜
を有する金型を提供する。特に好ましくは、本発明の中
間層は金型からダイヤモンド様薄膜に向かって段階的ま
たは連続的に硬度が大きくなる。
様薄膜との親和性が悪い金型の表面に、前記金型表面よ
りも硬度が大きく且つダイヤモンド様薄膜よりは硬度が
小さいHv=1000〜5000kg/mm2 の炭素膜
中間層と、ダイヤモンド様薄膜とを順に形成した保護膜
を有する金型を提供する。特に好ましくは、本発明の中
間層は金型からダイヤモンド様薄膜に向かって段階的ま
たは連続的に硬度が大きくなる。
【0006】本発明は、イオン化蒸着法の蒸着条件を制
御することにより、金型の表面に、前記金型よりも硬度
が大きく且つ後記ダイヤモンド様薄膜よりは硬度が小さ
い炭素中間層を成膜し、次いで原料炭化水素を変更する
ことなく且つ同じイオン化蒸着法を使用して成膜条件を
変更しダイヤモンド様薄膜を成膜することにより、保護
膜付き金型を提供する。特に中間層は硬度が金型表面か
らダイヤモンド様薄膜に向かって大きくなる様に中間層
自体の成膜時にも階段的または連続的な成膜条件の変更
を実施することが好ましい。
御することにより、金型の表面に、前記金型よりも硬度
が大きく且つ後記ダイヤモンド様薄膜よりは硬度が小さ
い炭素中間層を成膜し、次いで原料炭化水素を変更する
ことなく且つ同じイオン化蒸着法を使用して成膜条件を
変更しダイヤモンド様薄膜を成膜することにより、保護
膜付き金型を提供する。特に中間層は硬度が金型表面か
らダイヤモンド様薄膜に向かって大きくなる様に中間層
自体の成膜時にも階段的または連続的な成膜条件の変更
を実施することが好ましい。
【0007】中間層を形成するための方法は、特開昭5
8−174507号及び特開平1−234396号に記
載されたイオン化蒸着法を使用する。この方法によれ
ば、中間層の成膜後に、その層を空気にさらすことな
く、あるいは作業自体を中断することなく条件をダイヤ
モンド様薄膜の成膜条件に変更することにより、次のダ
イヤモンド様薄膜の形成工程に移行することができる。
このため本発明の方法は作業性が極めてよい。なお、好
ましくはこの工程に先立って、成膜装置の真空室内に前
記金型を配置し、Ar等のボンバード用ガスを前記真空
室内に導入し、熱陰極フィラメントとその周りに設けら
れた対陰極とよりなるイオン化手段により電離してイオ
ンの流れを形成し、これを前記対陰極よりも低電位にあ
るグリッドにより加速して金型の表面をボンバードして
活性化する前工程を採用してもよい。
8−174507号及び特開平1−234396号に記
載されたイオン化蒸着法を使用する。この方法によれ
ば、中間層の成膜後に、その層を空気にさらすことな
く、あるいは作業自体を中断することなく条件をダイヤ
モンド様薄膜の成膜条件に変更することにより、次のダ
イヤモンド様薄膜の形成工程に移行することができる。
このため本発明の方法は作業性が極めてよい。なお、好
ましくはこの工程に先立って、成膜装置の真空室内に前
記金型を配置し、Ar等のボンバード用ガスを前記真空
室内に導入し、熱陰極フィラメントとその周りに設けら
れた対陰極とよりなるイオン化手段により電離してイオ
ンの流れを形成し、これを前記対陰極よりも低電位にあ
るグリッドにより加速して金型の表面をボンバードして
活性化する前工程を採用してもよい。
【0008】中間層は金型の硬度よりは大きく且つダイ
ヤモンド様薄膜の硬度よりは小さい一定の組成の膜でも
良いが、好ましくは金型表面側で低硬度、ダイヤモンド
側で高硬度にする。これにより結合性を改善することが
できる。中間層とダイヤモンド様薄膜の成膜は同一のイ
オン化蒸着装置を使用し、同一の原料を使用し、単に蒸
着条件を連続的または段階的に変化させるだけで良い。
中間層の膜厚は0.02〜3μmが好適であり、更に好
ましくは0.05〜0.5μmである。余り薄いと効果
がなく、余り厚過ぎても効果が飽和する。
ヤモンド様薄膜の硬度よりは小さい一定の組成の膜でも
良いが、好ましくは金型表面側で低硬度、ダイヤモンド
側で高硬度にする。これにより結合性を改善することが
できる。中間層とダイヤモンド様薄膜の成膜は同一のイ
オン化蒸着装置を使用し、同一の原料を使用し、単に蒸
着条件を連続的または段階的に変化させるだけで良い。
中間層の膜厚は0.02〜3μmが好適であり、更に好
ましくは0.05〜0.5μmである。余り薄いと効果
がなく、余り厚過ぎても効果が飽和する。
【0009】ダイヤモンド様薄膜の硬度はイオン化蒸着
法によるとき約6000kg/mm2 以上である。一方
基板になる金型の硬度は材質によって異なるが、通常は
200〜3000kg/mm2 である。したがって、中
間層の硬度を基板の材料とダイヤモンド様薄膜の中間の
硬度である1000〜5000kg/mm2 の範囲で選
択すれば良い。
法によるとき約6000kg/mm2 以上である。一方
基板になる金型の硬度は材質によって異なるが、通常は
200〜3000kg/mm2 である。したがって、中
間層の硬度を基板の材料とダイヤモンド様薄膜の中間の
硬度である1000〜5000kg/mm2 の範囲で選
択すれば良い。
【0010】イオン化蒸着法による中間層及びダイヤモ
ンド様薄膜の形成にあっては、炭化水素原料ガス又は分
解又は反応により炭化水素を生成し得る原料ガス(ここ
に炭化水素とはメタン、エタン、プロパン等の飽和炭化
水素、エチレン、プロピレン、アセチレン等の不飽和炭
化水素等があり、分解して炭化水素を生成し得る原料ガ
スはメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類など
があり、又反応して炭化水素ガスを生成する原料ガスに
は一酸化炭素、二酸化炭素と水素との混合ガス等があ
る。また前記原料にはヘリウム、ネオン、アルゴン等の
希ガスあるいは水素、酸素、窒素、水、一酸化炭素、二
酸化炭素、等の少なくとも一種を含ませることができ
る)を熱陰極フィラメント−対陰極間のアーク放電、陰
極熱フィラメント−対陰極間の熱電子放出によるイオン
化等の手段でイオン化してイオン流とし、この流れを電
場で加速して金型に差し向けることにより中間層及びダ
イヤモンド様薄膜を成膜する方法であり、詳細は特開昭
58−174507号及び特開平1−234396号に
記載されている。中間層はダイヤモンド様薄膜の成膜エ
ネルギーを下げることにより形成できる。
ンド様薄膜の形成にあっては、炭化水素原料ガス又は分
解又は反応により炭化水素を生成し得る原料ガス(ここ
に炭化水素とはメタン、エタン、プロパン等の飽和炭化
水素、エチレン、プロピレン、アセチレン等の不飽和炭
化水素等があり、分解して炭化水素を生成し得る原料ガ
スはメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類など
があり、又反応して炭化水素ガスを生成する原料ガスに
は一酸化炭素、二酸化炭素と水素との混合ガス等があ
る。また前記原料にはヘリウム、ネオン、アルゴン等の
希ガスあるいは水素、酸素、窒素、水、一酸化炭素、二
酸化炭素、等の少なくとも一種を含ませることができ
る)を熱陰極フィラメント−対陰極間のアーク放電、陰
極熱フィラメント−対陰極間の熱電子放出によるイオン
化等の手段でイオン化してイオン流とし、この流れを電
場で加速して金型に差し向けることにより中間層及びダ
イヤモンド様薄膜を成膜する方法であり、詳細は特開昭
58−174507号及び特開平1−234396号に
記載されている。中間層はダイヤモンド様薄膜の成膜エ
ネルギーを下げることにより形成できる。
【0011】第1図に特開昭58−174507号に従
った成膜装置の好ましい例を示す。その他の公知のイオ
ン化蒸着装置を使用してもよいことはもちろんである。
図中30は真空容器、31はチャンバーであり、排気系
38に接続されて10-6Torr程度までの高真空に引
かれる。32は金型Sの裏面に設けられ負の電位Vaに
保たれた基板電極である。金型Sの表面に近接又は接触
してダイヤモンド様薄膜の形状を規制する窓を有するマ
スク42が設けられる。このマスクは金型に接していて
も良いが膜の周部の厚みを薄くして割れ(クラック)を
減じるためにはなるべくは離間させる。33は金型と同
一の電位Vaを与えられたグリッドで成膜工程で炭化水
素イオンの加速を行なうのに使用される。このグリッド
33は膜の連続性を高め且つ表面を平滑にするため適正
に定めた空間率(単位面積あたりの穴の面積)と穴密度
(単位長さあたりの穴の数)のグリッドを使用し、或い
はその面内方向に振動するための手段を有していても良
い。34は負の電位Vdに維持された熱陰極フィラメン
トであり、交流電源からの電流Ifによって加熱されて
熱電子を発生する。35は原料でガスの供給口であり、
37はガス供給通路、37’はプラズマ励起室である。
フィラメント34を取囲んで陽極36が配置されてい
る。この陽極はこの場合接地されているが、フィラメン
トに対しては正の電圧Vdを有し、電極32及びグリッ
ド33に対しては正の電位Vaを与えられている。フィ
ラメント34、陽極36及び供給口35の周りを取り囲
んでイオン化ガスの閉じ込め用の磁界を発生するために
電源Vcからの電流Icで励磁される電磁コイル39が
配置されている。従って、If、Va、Vd、コイルの
電流Icを調整することにより膜質を変えることができ
る。特にVa(基体電圧)及びVd(熱陰極ー陽極間の
電位差)の制御が好ましい。このような成膜条件の制御
は、コンピュータによるプログラム制御により容易に実
行することができる。
った成膜装置の好ましい例を示す。その他の公知のイオ
ン化蒸着装置を使用してもよいことはもちろんである。
図中30は真空容器、31はチャンバーであり、排気系
38に接続されて10-6Torr程度までの高真空に引
かれる。32は金型Sの裏面に設けられ負の電位Vaに
保たれた基板電極である。金型Sの表面に近接又は接触
してダイヤモンド様薄膜の形状を規制する窓を有するマ
スク42が設けられる。このマスクは金型に接していて
も良いが膜の周部の厚みを薄くして割れ(クラック)を
減じるためにはなるべくは離間させる。33は金型と同
一の電位Vaを与えられたグリッドで成膜工程で炭化水
素イオンの加速を行なうのに使用される。このグリッド
33は膜の連続性を高め且つ表面を平滑にするため適正
に定めた空間率(単位面積あたりの穴の面積)と穴密度
(単位長さあたりの穴の数)のグリッドを使用し、或い
はその面内方向に振動するための手段を有していても良
い。34は負の電位Vdに維持された熱陰極フィラメン
トであり、交流電源からの電流Ifによって加熱されて
熱電子を発生する。35は原料でガスの供給口であり、
37はガス供給通路、37’はプラズマ励起室である。
フィラメント34を取囲んで陽極36が配置されてい
る。この陽極はこの場合接地されているが、フィラメン
トに対しては正の電圧Vdを有し、電極32及びグリッ
ド33に対しては正の電位Vaを与えられている。フィ
ラメント34、陽極36及び供給口35の周りを取り囲
んでイオン化ガスの閉じ込め用の磁界を発生するために
電源Vcからの電流Icで励磁される電磁コイル39が
配置されている。従って、If、Va、Vd、コイルの
電流Icを調整することにより膜質を変えることができ
る。特にVa(基体電圧)及びVd(熱陰極ー陽極間の
電位差)の制御が好ましい。このような成膜条件の制御
は、コンピュータによるプログラム制御により容易に実
行することができる。
【0012】成膜にあたり、チャンバー31内を10-6
Torrまで高真空とし、ガス供給通路37のバルブを
操作して所定流量の中間層成膜用のガス、またはダイヤ
モンド成膜用のガス、場合によりそれと水素との混合ガ
ス、或いはそれとAr、He、Ne等のキャリアガス等
を各供給口35から導入しながら排気系38を調整して
所定のガス圧例えば10-1Torrとする。一方、複数
の熱陰極フイラメント34には交流電流Ifを流して加
熱し、フイラメント34と陽極36の間には電位差Vd
を印加して放電を形成する。供給口35から供給された
原料ガスは熱分解されるとともにフィラメントからの熱
電子と衝突してプラスのイオンと電子を生じる。この電
子は別の熱分解粒子と衝突する。電磁コイルの磁界によ
る閉じ込め作用の下に、このような現象を繰り返すこと
によりメタンガスは熱分解物質のプラスイオンとなる。
プラスイオンは電極32、グリッド36に印加された負
電位Vaにより引き寄せられ、金型Sの方へ向けて加速
され、金型に衝突して成膜反応を行ない、ダイヤモンド
様薄膜を形成する。なお、各部の電位、電流、温度等の
条件については上に述べた条件の他、先に引用した特許
公報を参照されたい。
Torrまで高真空とし、ガス供給通路37のバルブを
操作して所定流量の中間層成膜用のガス、またはダイヤ
モンド成膜用のガス、場合によりそれと水素との混合ガ
ス、或いはそれとAr、He、Ne等のキャリアガス等
を各供給口35から導入しながら排気系38を調整して
所定のガス圧例えば10-1Torrとする。一方、複数
の熱陰極フイラメント34には交流電流Ifを流して加
熱し、フイラメント34と陽極36の間には電位差Vd
を印加して放電を形成する。供給口35から供給された
原料ガスは熱分解されるとともにフィラメントからの熱
電子と衝突してプラスのイオンと電子を生じる。この電
子は別の熱分解粒子と衝突する。電磁コイルの磁界によ
る閉じ込め作用の下に、このような現象を繰り返すこと
によりメタンガスは熱分解物質のプラスイオンとなる。
プラスイオンは電極32、グリッド36に印加された負
電位Vaにより引き寄せられ、金型Sの方へ向けて加速
され、金型に衝突して成膜反応を行ない、ダイヤモンド
様薄膜を形成する。なお、各部の電位、電流、温度等の
条件については上に述べた条件の他、先に引用した特許
公報を参照されたい。
【0013】以下に本発明を例示する。
【実施例の説明】イオン化蒸着法を用い、SKD11及
びSKS2よりなる焼入れ鋼金型上に表1に示す条件で
中間層を成膜し、次いで表1の条件でダイヤモンド様薄
膜を成膜した。フィラメント34はコイル状としその幅
3mm、その周りを取り囲む電極36との隙間8mmと
した。グリッド33は5mm/分の速度で振動させた。
フィラメント電流If=25A、フィラメント電圧Vd
可変、基体電圧Va可変、電磁コイルの磁束密度300
Gの条件で、CH4 を導入し、各種膜厚の中間層、次い
で膜厚3.0μmのダイヤモンド様薄膜を得た。
びSKS2よりなる焼入れ鋼金型上に表1に示す条件で
中間層を成膜し、次いで表1の条件でダイヤモンド様薄
膜を成膜した。フィラメント34はコイル状としその幅
3mm、その周りを取り囲む電極36との隙間8mmと
した。グリッド33は5mm/分の速度で振動させた。
フィラメント電流If=25A、フィラメント電圧Vd
可変、基体電圧Va可変、電磁コイルの磁束密度300
Gの条件で、CH4 を導入し、各種膜厚の中間層、次い
で膜厚3.0μmのダイヤモンド様薄膜を得た。
【0014】
【表1】
【0015】得られた保護膜付き金型の保護膜の特性は
表2に示す通りであった。ただし密着力とスクラッチ力
の評価は次の通りであった。密着力は1cm角、長さ1
0cmの角材をダイヤモンド様薄膜にエポキシ樹脂で接
着し、引張試験機(テンシロン−商品名)で引っ張って
剥離し測定を行なった。又スクラッチ力はRhesca
社製のCSR−02試験機で測定した。いずれの値も表
2の第1行の値を基準とした相対値である。
表2に示す通りであった。ただし密着力とスクラッチ力
の評価は次の通りであった。密着力は1cm角、長さ1
0cmの角材をダイヤモンド様薄膜にエポキシ樹脂で接
着し、引張試験機(テンシロン−商品名)で引っ張って
剥離し測定を行なった。又スクラッチ力はRhesca
社製のCSR−02試験機で測定した。いずれの値も表
2の第1行の値を基準とした相対値である。
【0016】
【表2】
【0017】更にSKD11の焼入れ鋼を用いた金型の
直径20mmのフェライトコア成形時の耐用ショット数
を測定して表3の結果を得た。
直径20mmのフェライトコア成形時の耐用ショット数
を測定して表3の結果を得た。
【0018】
【表3】
【0019】
【発明の効果】本発明によると中間層を介在することに
よりダイヤモンド様薄膜を、通常では結合が困難な金型
に施すことが可能になり、かつ金型の耐摩耗性及び耐久
性を大幅に向上させることができる。
よりダイヤモンド様薄膜を、通常では結合が困難な金型
に施すことが可能になり、かつ金型の耐摩耗性及び耐久
性を大幅に向上させることができる。
【図1】本発明に使用するイオン化蒸着装置の概要を示
す。
す。
30 真空容器 31 チャンバー 32 負電極 42 マスク 33 グリッド 34 熱陰極フィラメント 35 原料ガスの供給口 36 陽極 37 ガス供給通路 37’ プラズマ励起室
Claims (4)
- 【請求項1】 金型の摩耗を受ける表面に、前記表面よ
りも硬度が大きく且つ後記ダイヤモンド様薄膜よりは硬
度が小さい硬度Hv=1000〜5000kg/mm2
の炭素膜中間層と、硬度が該中間層よりも大きいダイヤ
モンド様薄膜とを順に形成した保護膜を有する金型。 - 【請求項2】 中間層はバイアス印加プラズマCVD法
またはイオン化蒸着法により形成されたものである請求
項1に記載の保護膜を有する金型。 - 【請求項3】 中間層は金型からダイヤモンド様薄膜に
向かって段階的または連続的に硬度が大きくなる請求項
1または2に記載の保護膜を有する金型。 - 【請求項4】 中間層の膜厚が0.02〜3.0μmで
ある請求項1〜3のいずれかに記載の保護膜付き物品。
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