JP3485937B2 - ダイヤモンド様薄膜による保護膜を有する金型とその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド様薄膜による保護膜を有する金型とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイヤモンド様薄膜で
保護した金型とその製造方法に関し、安価な鋼鉄を使用
した高性能金型とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、ガラスやプラスチックの射出成形、
押出成形、圧縮成形等の金型は、超硬質材料から製造さ
れている。しかしこのような材料は高価であり、手配及
び製造に時間と費用が掛かる。また靭性に欠けるため割
れ易い欠点がある。超硬質材料の脆さと耐摩耗性を補う
ために金型の成形表面のうち摩擦面又は摺動面をダイヤ
モンド様薄膜被覆して保護膜を作ることが特開平1−
234214号、及び特開平2−22012号等により
提案されているが、ダイヤモンド様薄膜は金型基体表面
への結合力が弱く、微結晶の集まりであるため表面粗度
が大きいことも原因となって、外力の作用で金型基体の
成形面から剥離し易い問題があった。そのため保護被覆
として耐食性、耐摩耗性等が必要な用途において充分に
効果を発揮出来ない。
【0003】一方焼入れ鋼は安価に入手出来、加工にも
手間と費用が余りかからないが、金型基体の成形表面が
摩耗し易く寿命が短い欠点がある。この欠点を改良する
には上記特開平2−022012号、及び特開平1−2
34214号に示されているような気相法によりダイヤ
モンド薄膜を形成すると良いが、同じ理由から結合力
が不十分である。他の方法によるダイヤモンド様薄膜製
造方法には各種の形式がある(例えば「表面化学」第5
巻第108号(1984年)第108−115頁の各種
の方法参照)が、一般に、600℃以上の高温度の基質
温度が必要であり、焼入れ鋼の焼鈍が生じて金型の硬度
を損なう問題がある。
【0004】
【発明が解決すべき課題】本発明は安価な焼入れ鋼を使
用して、耐摩耗性の高い成形金型を製造することを目的
とする。しかしこの焼入れ鋼は耐熱性が低く、又ダイヤ
モンド薄膜に対する接着性に乏しいので工業的に耐摩
耗性のダイヤモンド成形金型を構成することが出来なか
った。特開平3−80190号には金属やセラミック等
の保護のためにArイオン等による基板ボンバードとそ
れに続くイオン化蒸着法によるダイヤモンド成膜を使用
する技術が記載されているが、焼入れ鋼による金型の製
造への応用は開示していない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)真空室
内に焼入れ鋼より製作された金型基体の成形面を配置
し、Ar等の不活性ガスを前記真空室内に導入し、これ
を熱陰極フィラメントとその周りに設けられた陽極とよ
りなるイオン化手段により電離してイオンの流れを形成
し、これを前記成形面にボンバードし、(b)ついで低
分子量炭化水素又は分解又は反応により低分子量炭化水
素を生成し得る原料ガスをイオン化させてイオンを生成
し、これらのイオンを加速して前記成形面上に520℃
以下の温度で付着させることによりダイヤモンド様薄膜
による保護膜を形成することを特徴とする金型の製造方
法及び金型を特徴とする。本発明は又、(a)真空室内
に金型基体の成形面を配置し、Ar等のボンバード用ガ
スを前記真空室内に導入し、これを熱陰極フィラメント
とその周りに設けられた陽極とよりなるイオン化手段に
より電離してイオンの流れを形成し、これを前記陽極よ
りも低電位にあるMoグリッドに衝突させて金型基体の
成形面の表面をMo膜で被覆し、ついで、(b)真空室
内に低分子量炭化水素、又は分解又は反応により低分子
量炭化水素を生成し得る原料ガスを導入し、前記イオン
化手段により電離して炭化水素イオンの流れを形成し、
これを前記Moグリッドにより加速して金型基体の成形
面上で520℃以下の温度で成膜反応させることを特徴
とする、ダイヤモンド様薄膜による保護膜を有する金型
の製造方法とこうして得られた金型を提供する。
【0006】なお、基質とダイヤモンド様薄膜の接着性
を向上させるために、中間層を介在させることが特開昭
64−62468号により提案されており、中間層とし
てはシリコン、アルミニウム、タングステン、コバル
ト、ニッケル等の金属層、炭化珪素、炭化タングステン
等の金属炭化物層、窒化珪素、窒化タングステン、窒化
チタン等の金属窒化物層、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア等の金属酸化物層などが使用されている。しかし、こ
れらの中間層は蒸着、CVD法により成膜されるもので
工程が複雑となりダイヤモンド成膜装置とは別の装置を
要する問題があり、又中間層の特性も充分でない。基板
は一度空気中に取り出すとオージェ分析からもわかる様
に明らかに表面に汚染物が付着する。かかる汚染の防止
には基板を空気に触れさせないで移動させるための高価
なロートロック方式の装置を使用することが必要であ
る。
【0007】本発明によると、安価な焼入れ鋼よりなる
金型基体の成形表面へのダイヤモンド様薄膜の成膜が、
Ar等のガスによるボンバード(衝撃)効果により、ま
たは、より好ましくはMo中間層により、ダイヤモンド
様薄膜の金型基体の成形表面への強固な接着と、ダイヤ
モンド様薄膜よりなる保護膜の金型基体の成形面への強
固な接着が達成出来る。イオン化蒸着法は動作中に基質
温度を520℃よりも高くすることはないので、焼入れ
鋼の焼鈍温度に応じて低く設定することが出来るので焼
入れ鋼製の金型を使用しても焼鈍による硬度低下の問題
は生じない。
【0008】イオン化蒸着法は炭化水素原料ガス又は分
解又は反応により炭化水素を生成し得る原料ガス(ここ
に炭化水素とはメタン、エタン、プロパン等の飽和炭化
水素、エチレン、プロピレン、アセチレン等の不飽和炭
化水素等があり、分解して炭化水素を生成し得る原料ガ
スはメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類など
があり、又反応して炭化水素ガスを生成する原料ガスに
は一酸化炭素、二酸化炭素と水素との混合ガス等があ
る。また前記原料にはヘリウム、ネオン、アルゴン等の
希ガスあるいは水素、酸素、窒素、水、一酸化炭素、二
酸化炭素、等の少なくとも一種を含ませることができ
る)を熱陰極フィラメント−陽極間のアーク放電、陰極
熱フィラメント−陽極間の熱電子放出によるイオン化等
の手段でイオン化してイオン流とし、この流れを電場で
加速して金型基体の成形面に差し向けることによりダイ
ヤモンド様薄膜を成膜する方法であり、特開平3−80
190号に記載されている通り、イオン化蒸着法は金型
基体の成形面温度として従来のような700℃以上の高
温度を用いる必要がなく(例えば「表面化学」第5巻第
108号(1984年)第108−115頁の各種の方
法参照)、成膜効率も良く、成膜されたダイヤモンド様
膜が良好な表面性、高硬度、高熱伝導性、高屈折率を有
し、仕上表面処理が不要である等、優れた方法である。
【0009】成膜装置 第1図にボンバード用ガスによるボンバード又はMo中
間層の形成、及びダイヤモンド様膜の成膜装置の好まし
い例を示す。図中30は真空容器、31はチャンバーで
あり、排気系38に接続されて10-6Torr程度まで
の高真空に引かれる。32は金型基体の成形面Sの裏面
に設けられ負電位Vaに保たれた電極である(金型基体
の成形面が金属である場合にはそれ自体を電極として良
い)。金型基体の成形面Sの表面に近接又は接触してダ
イヤモンド様薄膜の形状を規制する窓を有するマスク4
2が設けられる。このマスクは金型基体の成形面に接し
ていても良いが膜の周部の厚みを薄くして割れ(クラッ
ク)を減じるためにはなるべくは離間させる。33は金
型基体の成形面と同一の負電位Vaを与えられたMo製
のグリッドで成膜工程で炭化水素イオンの加速を行なう
のに使用される。このグリッド33は膜の連続性を高め
且つ表面を平滑にするため適正に定めた空間率(単位面
積あたりの穴の面積)と穴密度(単位長さあたりの穴の
数)のグリッドを使用し、或いはその面内方向に振動す
るための手段を有していても良い。34は負電位Vdに
維持された熱陰極フィラメントであり、交流電源からの
電流Ifによって加熱されて熱電子を発生する。35は
原料である炭化水素ガスの供給口、及びアルゴン等のボ
ンバードガスの供給口である。フィラメント34を取囲
んで陽極36が配置されている。この陽極はこの場合接
地されているが、フィラメントに対しては正の電圧とな
り、電極32及びグリッド33に対しては正の電位を与
えられている。フィラメント34、陽極36及び供給口
35の周りを取り囲んでイオン化ガスの閉じ込め用の磁
界を発生するために電源Vcからの電流Icで励磁され
る電磁コイル39が配置されている。従って、If、V
d、Va、コイルの電流Ic、イオン電流Iaを調整す
ることによりMo中間層とダイヤモンド様保護膜の調整
が出来る。
【0010】第3図は第1図のA−A線から見た平面斜
視図であり、膜の形が長方形の場合には例えば図示のよ
うな複数フィラメントの配列体を用いるとか、コイル状
に巻いたものを用いる。又広い面積の成膜を行なうには
金型基体の成形面を長尺ものとして構成し、それを低速
で送るとか、イオンビームを走査させるとかの方法が可
能である。なお第1図においては、炭化水素ガスの原料
導入通路37にプラズマ励起室37’が設けられてお
り、これによりイオン化装置の効率を高めている。プラ
ズマ励起は例えばマイクロ波、高周波(RF波)、放射
線、紫外線などが利用できる。
【0011】また、第2図に示したように第1図の構成
の一部を変更して固定又は可変強度の磁石40をフィラ
メント34の上部に配置してプラズマ状のイオンビーム
の偏向用に用いても良い。磁石40の磁界強度は固定又
は可変にし、磁石の磁界はイオン流の走行方向にして
交差する方向にする。このようにしてCH3 +、CH4 +
オン等の所望するイオンに対して偏向角度θを得る。固
定の場合一方、質量がこれらのイオンと大きく異なるイ
オン例えば水素イオンはさらに大きく曲げられ、また中
性粒子や重質の多量体イオンは直進する。従って、直進
方向にマスクを配置すれば結晶性の高いイオンのみが金
型基体の成形面Sに付着する。
【0012】ボンバード又はMoの成膜 焼き入れ鋼制金型基体の成形面にMo中間層を形成する
には、真空室を10-6Torr程度に排気した後、供給
口35からアルゴン、窒素、水素、ヘリウム、ネオン、
等から選んだボンバードガスを0.1Torr程度に導
入し、フィラメント34により電離し、得られたアルゴ
ンイオンをMoグリッド33により加速する。アルゴン
イオンは金型基体の成形面Sの表面を衝撃して清浄化し
て接着性を改善し、同時にMoをグリッドからたたき出
して金型基体の成形面に被着させる。各部に印加される
電圧、或いは電流、ボンバードガスの分子量(混合ガス
では平均分子量)、処理時間などが必要な制御因子とな
る。
【0013】ボンバード用ガスのエネルギーは、分子
量、ボンバードの処理時間、及びイオン電流Iaとした
とき、分子量×Ia(mA)×時間(Hr)で表わさ
れ、500<分子量×Ia(mA)×時間(Hr)<8
00にする。この値が小さ過ぎると、Moグリッドへの
ボンバードエネルギーが不十分となり、Mo膜の成膜が
充分に出来ない。又この値が大き過ぎると装置の他の構
成部分がエッチングされてしまい、膜中に不純物が混入
することによって密着性が低下する。
【0014】焼入れ鋼の表面を活性化するには、上記の
エネルギーを50以上500未満にする。グリッドとし
てはMo、SUS303、W等が使用出来る。Moの層
は結合力はエネルギーが大きい範囲まで可能であり、ボ
ンバードと中間層の形成は連続可変であり中間層はあっ
たほうが良い。
【0015】ダイヤモンド様膜の成膜 次工程のダイヤモンド様保護膜の成膜工程では、チャン
バー31内を10-6Torrまで高真空とし、ガス供給
通路37のバルブを操作して所定流量のメタンガス、そ
れと水素との混合ガス、或いはそれとAr、He、Ne
等のキャリアガス等を各供給口35から導入しながら排
気系38を調整して所定のガス圧例えば10-1Torr
とする。一方、複数の熱陰極フイラメント34には交流
電流Ifを流して加熱し、フイラメント34と陽極36
の間には電位差Vdを印加して放電を形成する。供給口
35から供給されたメタンガス等の炭化水素は熱分解さ
れるとともにフィラメントからの熱電子と衝突してプラ
スのイオンと電子を生じる。この電子は別の熱分解粒子
と衝突する。電磁コイルの磁界による閉じ込め作用の下
に、このような現象を繰り返すことによりメタンガスは
熱分解物質のプラスイオンと成る。
【0016】プラスイオンは電極32、グリッド33に
印加された負電位Vaにより引き寄せられ、金型基体の
成形面Sの方へ向けて加速され、金型基体の成形面に衝
突して成膜反応を行ない、ダイヤモンド様薄膜を形成す
る。所望により、上に述べた固定磁石を利用して更に品
質の良い薄膜を得ることができる。形成する膜の厚さは
好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜5
0μmである。厚さが上記の範囲よりも薄いと耐摩耗性
等の効果が減じ又厚すぎても効果が増大せず製造時間が
長くなる。ダイヤモンド様薄膜の硬度は5000kg/
mm2以上、好ましくは6000kg/mm2以上であ
る。ダイヤモンド様薄膜とは従ってここでは5000k
g/mm2以上でイオン化蒸着法によって実現出来る膜
を指す。以下に本発明を例示する。
【0017】実施例1 第1図の装置を使用し、真空室10内に焼入れしたはが
ね鋼SKS2、SKD11製の金型基体の成形面Sを配
置し、その面から距離約6.0mmのところにMo、
W、及びSUS303製のグリッド33を配置した。金
型基体の成形面Sから陽極までの距離は約40mmであ
った。グリッド33の穴密度は60個/25.4mm、
空間率は41%であった。
【0018】Moの成膜・・・真空室10を10-6To
rrに排気してからArガスを導入した。ガス圧を0.
1Torrとして熱陰極フィラメント34に放電を起こ
させた。電磁コイル19の磁束密度は400ガウス、金
型基体の成形面電圧及びグリッド電圧Va=−1000
V、金型基体の成形面温度200℃とした。またフィラ
メント34には電流If=20Aを流した。更にフィラ
メント電圧Vd=−10V、及びIa可変とした。フィ
ラメント34はコイル状としその幅3mm、その周りを
取り囲む陽極36との隙間8mmとした。グリッド33
は5mm/分の速度で振動させた。
【0019】ダイヤモンド様保護膜の成膜・・・次ぎに
Arの導入を止め、真空室10を10-6Torrに排気
してからメタンガスを導入しガス圧を10-1Torrと
して熱陰極フィラメント34に放電を起こさせた。電磁
コイル19の磁束密度は400ガウス、金型基体の成形
面電圧Va=−300V、金型基体の成形面温度200
℃とした。またフィラメント14には電流If=25A
を流した。フィラメント34はコイル状としその幅3m
m、その周りを取り囲む陽極36との隙間8mmとし
た。グリッド33は5mm/分の速度で振動させた。フ
ィラメント電圧Vd=−30V、Vc=30Vの条件
で、膜厚1.0μmのダイヤモンド様膜を得た。
【0020】得られた膜の顕微鏡観察による密着力とス
クラッチ力を測定した。その結果を表1に示す。ここに
密着力は1cm角の長さ10cmの角柱をダイヤモンド
様薄膜をエポキシ樹脂で接着し、引張試験機(テンシロ
ン・・・商品名)で引っ張って剥離し測定を行なった。
又スクラッチ力はResca社製のCSR試験機で測定
した。これらの結果は処理エネルギー(分子量×Ia
(A)×時間(Hr)を100に設定したときを基準
1.0にして対比した。比較のためグリッドにW及び鋼
鉄SUS303の結果を併記する。
【0021】
【表1】 表1から分かるように、Arイオンの分子量×Ia×時
間は約500前後で良好な密着力及びスクラッチ力を生
じることが分る。広くはこの値は500より大きく80
0よりも小さい。一方Wは通常のグリッド材であるSU
S303よりも良好な結果を与えるがMoを使用する場
合よりも劣る。
【0022】実施例2 グリッドとしてMoを使用し、金型基体としてSKS
2、SKD11の他に超硬質鋼を使用し、且つ表2の各
種処理エネルギーを使用した他は実施例1に従った。結
果を表2に示した。なお削れ面積はジス規格の表面荒さ
Raを研磨の前後で測定し、それらの差に走査長を掛け
た値である。スクラッチ力はSKD11に処理エネルギ
ー200、膜厚0.1μの試料を1.0とした相対値で
ある。
【0023】
【表2】
【0024】表2から分かるように、Moグリッドを使
用するとArイオンの分子量×Ia×時間は約200〜
650で良好な密着力及びスクラッチ力を生じることが
分る。焼入れした鋼SKD11及び超硬質鋼は硬度が低
い。
【発明の効果】本発明は保護すべき焼入れ鋼金型基体の
成形面を、イオン化蒸着法を実施するための装置を使用
して、電界付与グリッドによりアルゴン(Ar)等をイ
オン化し加速した高エネルギーボンバードガスで衝撃す
ることにより、金型基体の成形面を活性化し、あるいは
グリッドとしてMoを使用して金型基体の成形面にMo
を成膜し、その上にダイヤモンド様薄膜を形成すること
により金型基体の成形面との結合性の高いダイヤモンド
様保護膜薄膜を有する金型基体を製造することが出来
た。本発明の金型はその基体として特性の劣る焼入れ鋼
を利用しながら高性能で安価な金型である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する成膜装置の一例を示す
断面図である。
【図2】本発明の方法を実施する製膜装置の他の例を示
す断面図である。
【図3】本発明の製膜装置のフィラメント部分の構造を
示す平面斜視図である。
【符号の説明】
30:真空容器 31:チャンバー 32:電極 33:グリッド 34:熱陰極フィラメント 35:原料炭化水素及びアルゴンガス供給口 36:陽極 37:炭化水素ガスの導入通路 37’:プラズマ励起室 38:排気系 39:電磁コイル 40:磁石 42:マスク S:金型基体の成形面

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼入れ鋼より製作された金型基体の成形
    面に、Mo膜とダイヤモンド様薄膜とをこの順に形成し
    た金型。
  2. 【請求項2】 (a)真空室内に金型基体の成形面を配
    置し、Ar等のボンバード用ガスを前記真空室内に導入
    し、これを熱陰極フィラメントとその周りに設けられた
    陽極とよりなるイオン化手段により電離してイオンの流
    れを成し、これを前記陽極よりも低電位にあるMoグ
    リッドに衝突させて金型基体の成形面の表面をMo膜で
    被覆し、ついで、(b)真空室内に低分子量炭化水素、
    又は分解又は反応により低分子量炭化水素を生成し得る
    原料ガスを導入し、前記イオン化手段により電離して炭
    化水素イオンの流れを形成し、これを前記Moグリッド
    により加速して金型基体の成形面上で成膜反応させるこ
    とを特徴とする、ダイヤモンド様薄膜による保護膜を有
    する金型の製造方法。
  3. 【請求項3】 (a)の工程において、ボンバード用ガ
    スの分子量、ボンバード処理時間、及びイオン電流Ia
    が条件式 500<分子量×Ia(mA)×時間(Hr)<800 を満足することを特徴とする請求項2に記載のダイヤモ
    ンド様薄膜による保護膜を有する金型の製造方法。
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