JPH05117842A - 金属とセラミツクスの接合法 - Google Patents

金属とセラミツクスの接合法

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JPH05117842A
JPH05117842A JP3279552A JP27955291A JPH05117842A JP H05117842 A JPH05117842 A JP H05117842A JP 3279552 A JP3279552 A JP 3279552A JP 27955291 A JP27955291 A JP 27955291A JP H05117842 A JPH05117842 A JP H05117842A
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metal
ceramic
joining
ion
ceramics
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JP3279552A
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Masamichi Matsuura
正道 松浦
Nakaya Senda
中哉 千田
Akiko Fujinuma
明子 藤沼
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Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた接合強度を有する金属とセラミックス
の接合方法。 【構成】 セラミックス表面にイオンミキシング法で金
属被膜を形成した後、該金属被膜に金属片を押し付け加
圧により固相接合させて優れた接合強度の金属とセラミ
ックスの接合体を作成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属とセラミックスの接
合法に関し、更に詳細には、金属、セラミックス産業、
機械、装置産業や電子、半導体産業等で使用するセラミ
ックスを含む部品や製品の製造に必要なセラミックスと
金属の接合法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の金属とセラミックスの接
合法としては、活性金属ろう材を用いる活性金属ろう付
法、金属微粉末を用いる粉末法、拡散を用いる固相拡散
法、超高真空中で行う直接法等が知られており、これら
の方法はいずれもセラミックスを高温に加熱する方法で
ある。前記各種接合法はセラミックスを高温に加熱する
工程を共通とするものであるが、前記従来の接合法の代
表例として、セラミックスとして窒化ケイ素(Si
3N4)と、金属として鉄鋼(S45C)を活性金属ろう
付法による接合法を説明する。また、ろう材としてチタ
ン(Ti)、ジルコニウム(Zr)等の活性金属を含む
銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)等の2成分
ないし3成分の共晶合金を用いるのが一般ではあるが、
ここではCu−28%Ti共晶合金を用いることとす
る。
【0003】先ず、セラミックス(窒化ケイ素:Si3
4)と金属(鉄鋼:S45C)の夫々の表面をダイヤ
モンド砥粒、エメリー紙で研磨し、その後各表面をアセ
トン、アルコールで超音波洗浄する。次に、研磨済みの
セラミックスと金属の間に厚さ0.2mmのCu−28%
Ti共晶合金ろう材箔を挟んだ後、真空加熱炉内に載置
する。この際、接合加圧する目的で、セラミックス/ろ
う材箔/金属の積層構造物の上に1MPa程度に加圧す
る。尚、真空加熱炉を用いるのは、ろう材中の活性金属
の酸化を防止するためである。次いで、真空ポンプによ
り真空加熱炉内を1×10- 5Torrに設定すると共に、
該積層構造物を950℃の接合温度まで加熱し、該温度
を10分間維持した後、該積層の接合体を室温まで冷却
する。尚、この際の昇降温度速度は10℃/分とした。
前記接合温度で溶融しているろう材中のチタン(Ti)
はセラミックス(Si34)と反応して窒化チタン(T
iN)、硅化チタン(Ti5Si3)等を形成し、他方鉄
鋼(S45C)との反応では鉄・チタン(Fe−Ti)
合金を形成する。このようにセラミックスとろう材、金
属とろう材は強固な化学結合をなし、活性金属ろう材を
仲介層としてセラミックスと金属の強固な接合体を形成
する。このようにして形成された接合体の接合強度(曲
げ強度ないしは引張強度)は接合体の構成、特に熱応力
緩和構造に依存するが、100MPa程度の接合強度が
得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の高温加熱処
理法による接合法では、高温で接合させた後冷却する
際、金属とセラミックスの熱収縮率の差異に起因する熱
応力によるセラミックスの破損を防止する目的で、例え
ば図6「ファインセラミックス成形・加工と接合技術:
竹田博光著(ファインセラミックス成形加工と接合技術
編集委員会編、工業調査会:1988年p239)」に
示すようなセラミックスと金属との間に複雑な応力緩和
層を介在させる必要があった。また接合体の医療材料へ
の応用や高腐蝕環境下での使用に際しては、ろう材や応
力緩和層に用いる元素の体内や環境中への溶出の可能性
も非常に高くなるという問題がある。また、ろう材を用
いずに超高真空中でセラミックス表面に金属材を圧接す
る方法の場合は、セラミックスが一般的に化学的に極め
て安定で、金属との濡れ性や反応性に乏しいこと、更
に、セラミックス表面の酸化物や吸着層を除去し清浄な
表面を得ることが困難である等の理由により、ニオブ
(Nb)と酸化アルミニウム(Al23)系など一部の
金属とセラミックスの組み合わせ以外で接合強度の高い
金属とセラミックスの接合体を得ることは極めて困難で
あった。本発明は、従来の接合法のもつ問題点を解消す
るもので、接合強度が高く、複雑な応力緩和層やろう材
を用いることなく、広範囲の金属とセラミックスの組み
合わせが可能であって、かつ常温ないしは温度300℃
程度の低い温度で接合を行うことが出来る金属とセラミ
ックスの接合法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の金属とセラミッ
クスの接合法は、金属とセラミックスを接合する接合法
において、先ず、真空中で金属元素をイオンビーム源よ
り高速イオンビームにしてセラミックス表面にイオン注
入すると同時に金属蒸発源からの蒸発金属を前記セラミ
ックス表面に照射し、セラミックス表面でイオンミキシ
ングを行ってセラミックス表面に金属被膜を形成し、次
いで金属片を前記金属被膜したセラミックス表面に押し
付け加圧することにより金属とセラミックスを固相接合
することを特徴とする。
【0006】また、金属片をセラミックス表面に形成さ
れた金属被膜面に押し付け加圧で接合させる際、イオン
ミキシング法により金属被膜したセラミックスを一度大
気中に取り出し、次いで別の真空内に前記セラミックス
を設置し、その表面をスパッタ法または化学的方法でク
リーニングした後、金属片を押し付け加圧することによ
り金属とセラミックスを固相結合するようにしてもよ
い。
【0007】
【作用】セラミックスに金属元素からなる高速イオンビ
ームをイオン注入するとイオンビームはセラミックス構
成元素間の結合を破壊しながらセラミックス内部へと侵
入していく。イオンビームにより結合を壊されたセラミ
ックス金属元素は、再結合すると共に、注入された金属
元素と結合し、セラミックス構成元素と注入元素とから
なる混合層を形成しようとする。一方、金属イオンビー
ムの注入と同時に、該セラミックス表面に金属蒸発源よ
り金属蒸気を照射すると、セラミックス表面に蒸着した
金属蒸気元素はイオンビームとの衝突により該セラミッ
クス内部へと拡散する。こうしてセラミックス内部に拡
散した金属蒸発源からの金属元素は、イオンビームによ
り結合がきれたセラミックス構成元素と結合でき、セラ
ミックス表面にセラミックス構成元素と注入金属元素と
金属蒸発源からの金属元素を化学的に結合させた密着性
の優れた金属被膜を形成する。次いで真空中で金属片を
前記金属被膜を形成したセラミックス表面に押し付け加
圧することにより、金属片と金属被膜を固相接合する。
これは、一般に金属と金属間の界面エネルギーは、金属
と酸化物、炭化物、硅化物等のセラミックス間の界面エ
ネルギーより低く、濡れやすいため、金属と金属間の接
合が容易に行なえることによるもので、この場合、金属
とセラミックスを単に接合させる方法に比して金属片と
金属被膜との結合が容易に行われて金属片とセラミック
スとの間に高い接合強度を有する。
【0008】
【実施例】以下添付図面に従って本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明金属とセラミックスの接合法
を実施するための装置の1例を示すもので、図中、1は
成膜室を示す。該成膜室1内を外部の真空ポンプその他
の真空排気系2に接続すると共に、該成膜室1内の一方
に表面に金属被膜を形成すべきセラミックス基板3を保
持する基板ホルダー4を配置した。また、該成膜室1の
他方に前記基板ホルダー4に保持されたセラミックス基
板3に対向させて金属5の金属蒸発源6と、イオンを発
生させるイオン源と、該イオンを加速させる加速器を備
えたイオンビーム源7を配置した。また、成膜室1内に
前記基板ホルダー4に保持されたセラミックス基板3に
対面させてセラミックス基板3の表面に接合する金属片
8を保持する金属片ホルダー9を配置すると共に、該ホ
ルダー9の後端部分を油圧駆動系10に接続した。そし
て真空排気系2を作動させて成膜室1内を所定の真空度
に設定し、セラミックス基板3に蒸着させる金属5を金
属蒸発源6で加熱して成膜室1内に蒸発(矢印11)さ
せると共に、セラミックス基板3に注入すべき金属元素
をイオンビーム源7で10〜200keVの高エネルギ
ーに加速されたイオンビーム(矢印12)とし、該イオ
ンビームをセラミックス基板3にイオン注入出来るよう
にした。また、セラミックス基板3の表面に所定厚さの
金属被膜が形成された後、油圧駆動系10を作動させて
金属片8の金属片ホルダー9をセラミックス基板3側に
前進させて金属片ホルダー9に保持されている金属片8
をセラミックス基板3表面に形成されている金属被膜に
押し付け加圧(図1仮想線示)して接合するようにし
た。尚、図中、13はセラミックス基板3を加熱する赤
外線ヒーターを示す。
【0009】次に、前記図1装置を用いてセラミックス
表面に金属を接合する具体的実施例について説明する。
先ず、成膜室1内の基板ホルダー4に直径5mmの窒化ケ
イ素(Si34)からなるセラミックス基板3を保持
し、また金属片ホルダー9に直径3mmの銅(Cu)から
なる金属片8を保持すると共に、金属蒸発源6内に蒸発
金属5として銅(Cu)を充填した状態で該成膜室1内
の圧力を真空排気系2を介して1×10- 6Torrに設定
し、該成膜室1内を該圧力に保った状態とする。次に、
アルゴン(Ar)ガスを用いた直流グロー放電装置(図
示なし)によりスパッタ法で金属片8の表面にスパッタ
クリーニング処理を施し、金属片8表面の酸化物や吸着
物を除去した後、該成膜室1内の圧力を再び1×10-
6Torrに維持する。次いで、セラミックス基板3の表面
に予めイオンビーム源7でイオンビーム電流密度を10
μA/cm2とし、50keVの高エネルギーに加速さ
れたチタン(Ti+)の高速イオンビームを10分間注
入する。続いてイオンビームの電流密度およびエネルギ
ーを保ったまま金属蒸発源6で加熱した金属5(銅、C
u)を蒸発させ、イオンビームを注入した前記セラミッ
クス基板3表面に高速イオンビームと同時に照射して、
セラミックス基板3表面でイオンミキシングを行って、
該基板表面に金属被膜F(Cu膜)を形成する。このイ
オンミキシングの過程は2段階からなり、最初の段階で
は金属5の基板3表面への蒸着速度を1Å/秒とし、2
5分間の照射を行う。引続きの段階では金属5の基板3
表面への蒸着速度を15Å/秒に増加し、45分間の照
射を行い、セラミックス基板3上への金属被膜F(Cu
膜)の厚さを4μm±0.5μmとする。セラミックス
基板3表面への金属被膜Fの形成が完了した状態を図2
(A)に示す。尚、最初段階のイオンミキシングの狙い
はイオンミキシングを充分に行わせて基板3に密着性に
優れた金属被膜Fを形成する点にある。前記セラミック
ス基板3表面への金属被膜Fの形成後、直ちに金属片ホ
ルダー9を油圧駆動系10を作動させて基板ホルダー4
側に前進させ、金属片ホルダー9に保持されている金属
片8をセラミックス基板3の表面に形成されている金属
被膜Fに押し付けして接合圧力125MPaで加圧し、
該圧を2分間維持して金属片8をセラミックス基板3の
表面に接合させ、金属とセラミックスの接合体Jを得
た。この接合終了後の接合体Jの構造を図2(B)に示
す。尚、前記実施例では金属とセラミックスとの接合に
際し、セラミックス基板3および金属片8への加熱は行
っていないが、金属とセラミックスの接合体Jの強度向
上を図るために図1に示す赤外線ヒーター13でセラミ
ックス基板3および金属片8を夫々250℃以上に加熱
することが好ましい。また、セラミックス基板3および
金属片8への加熱昇温は製造過程上セラミックス基板3
へのイオンビーム注入を行う前から開始し、以後接合終
了まで該温度を維持する。
【0010】そして、セラミックス基板3と金属片8の
接合温度を50℃、100℃、200℃、300℃、4
00℃とし、各温度毎に前記実施例と同一条件下で金属
とセラミックスの接合体Jを作成し、作成された各接合
体の接合強度(引張強度)を測定し、得られた接合強度
を図3に示す。また、セラミックス基板3表面でのイオ
ンビームによる金属イオンと金属蒸発源から金属の照射
によるイオンミキシング時のイオンビームの電流密度を
5μA/cm2、10μA/cm2、20μA/cm2
し、各電流密度毎に前記実施例と同一のイオンミキシン
グ条件下でセラミックス基板3上に金属薄膜を形成し、
形成された各金属薄膜の付着強度を測定し、得られた付
着強度を図4に示す。
【0011】前記実施例ではセラミックス基板として窒
化ケイ素(Si34)、セラミックス基板表面に被覆す
る金属被膜として銅(Cu)、接合する金属片として銅
(Cu)を用いたが、本願発明はこれに限定されるもの
ではない。セラミックス基板としては前記窒化ケイ素
(Si34)の他に炭化ケイ素(SiC)、アルミナ
(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、窒化アルミニ
ウム(AlN)等が挙げられる。また金属被膜と金属片
の組み合わせもアルミニウム(Al)とアルミニウム
(Al)、ニッケル(Ni)とニッケル(Ni)等のよ
うな同種の金属の組み合わせ、或いは銅(Cu)とニッ
ケル(Ni)、アルミニウム(Al)と銅(Cu)、ニ
ッケル(Ni)と鉄(Fe)等のような異種金属の組み
合わせとしてもよい。また、イオンミキシングに用いる
イオンとしてはチタン(Ti+)、ケイ素(Si+)、ジ
ルコニウム(Zr+)、タンタル(Ta+),ニオブ(N
b+)等の活性金属元素、窒素(N2+またはN+)、アル
ゴン(Ar+)等のガス元素等が挙げられる。この場
合、セラミックス基板表面に形成する被膜を2層とし、
セラミックス基板直接の下層にはチタン金属等の活性金
属元素の0.1〜0.2μm程度の被膜をイオンミキシ
ング法で形成し、該下層の表面に所要の金属元素の被膜
を形成するようにすればよい。
【0012】前記図1で示す装置ではイオンミキシング
によるセラミックス基板表面への金属被膜の形成と、該
金属被膜が形成されたセラミックス基板への金属片の固
相接合を行うようにしたが、金属被膜の形成と、金属片
の固相接合を別個の装置で行うようにしてもよい。この
場合は、先ず図1に示す装置でセラミックス基板表面に
イオンミキシングで金属被膜を形成する。表面に金属被
膜が形成されたセラミックス基板を該装置から大気中に
取出し、後記する図5に示す装置内に移動して設置し、
セラミックス基板表面の金属被膜に金属片を固相接合す
る。この場合金属片8は図1装置内に設置しなくてもよ
いため、該金属片8表面のスパッタクリニングは行わな
くてもよい。図5装置について説明する。図中、21は
接合室を示す。接合室21内を外部の真空ポンプその他
の真空排気系22に接続すると共に、該接合室21内の
一方に表面に金属被膜が形成されたセラミックス基板3
を保持する基板ホルダー23を配置すると共に、該ホル
ダー23の後端部分を油圧駆動系24に接続した。ま
た、接続室21内の他方に前記基板ホルダー23に保持
されたセラミックス基板3に対面させてセラミックス基
板3の表面に接合する金属片8を保持する金属片ホルダ
ー25を配置した。また、基板ホルダー23および金属
片ホルダー25を直流または高周波の高圧電源26の陰
極側に接続した。そして真空排気系22を作動させて接
合室21内を所定の真空度に設定し、油圧駆動系24の
作動させて基板ホルダー23を金属片8側に前進させ基
板ホルダー23に保持されているセラミックス基板3を
金属片ホルダー25に保持されている金属片8に押し付
け加圧(図5仮想線示)してセラミックス基板3表面の
金属被膜に接合するようにした。また、基板ホルダー2
3および金属片ホルダー25に高圧電源26より直流或
いは高周波を印加して金属被膜が形成されたセラミック
ス基板3および金属片8にスパッタクリーニング出来る
ようにした。図中、27はスパッタクリーニングの際、
一定流量の例えばアルゴンガスを接合室21内に導入す
るためのマスフローコントローラー、28は固相接合の
際、セラミックス基板3および金属片8を加熱する赤外
線ヒーターを示す。
【0013】次に、図5装置を用いてセラミックス表面
に金属を接合する具体的実施例について説明する。先
ず、前記図1装置で図1実施例条件により図2(B)に
示すようなセラミックス基板3表面に金属被膜F(Cu
膜)を形成した後、図1装置より該セラミックス基板3
を基板ホルダー4より取り外す。次に、表面に金属被膜
Fが形成されたセラミックス基板3を図5装置の基板ホ
ルダー23に保持し、また金属片ホルダー25に銅(C
u)からなる金属片8を保持すると共に、接合室21内
の圧力を真空排気系22を介して1×10- 6Torrに設
定し、該接合室21内を該圧力に保った状態とする。続
いてマスフローコントローラー27を介してアルゴン
(Ar)ガスを接合室21内に導入して室内圧力を1×
10- 2Torrに設定し、高圧電源26より−1.5KV
の直流電圧を印加し、直流グロー放電を発生させて、金
属被膜を形成されたセラミックス基板3表面および金属
片8のスパッタクリーニングを13分間行う。スパッタ
クリーニング終了後直ちに接合室21へのアルゴンガス
の供給を停止し、真空排気系22により接合室21内の
圧力を再び1×10- 6Torrに設定すると同時に、基板
ホルダー23を油圧駆動系24の作動で前進させ、基板
ホルダー23に保持されたセラミックス基板3の金属被
膜Fを金属片ホルダー25に保持された金属片8に押し
付け加圧(図5に仮想線で示す)して接合圧力125M
paで加圧し、該圧を2分間維持して金属片8をセラミ
ックス基板3の表面に接合させ、図2(B)に示すよう
な金属とセラミックスの接合体Jを得た。その他の接合
時における諸条件は図1装置の場合と同一であるので省
略した。前記実施例では、金属とセラミックスの接合に
ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、セラミックス同士、例えばSi34とSi3
4(同種)、または例えばSi34とSiC(異種)の
接合にも利用することができる。この場合には、先ず、
接合する両方のセラミックス基板表面に前記実施例と同
一方法で膜厚5〜10μmの金属被膜の形成を行った
後、図1装置或いは図5装置を使用して金属片の代わり
に金属被膜を形成したセラミックス基板を接合させれば
よい。尚、接合時における接合圧力、加熱条件等は接合
するセラミックスにより適宜設定すればよく、その諸条
件は前記実施例に準ずればよい。
【0014】
【発明の効果】本発明によるときは、金属とセラミック
スの接合をセラミックス表面への金属被膜の形成工程
と、該金属被膜の形成されたセラミックス表面への金属
片を接合工程との2工程としたので、先ず、第1工程の
セラミックス表面への金属被膜の形成を高速イオンビー
ムを用いたイオンミキシング法で行うようにしたため、
化学的に安定で最も化学的に結合しにくいセラミックス
と金属との接合を実質的に完了されることとなって、続
いて行われる第2工程のバルクのセラミックスとバルク
の金属の接合は実際にはセラミックス表面に形成されて
いる金属被膜とバルクの金属との接合となり、セラミッ
クスと金属間の化学結合よりも極めて容易な金属被膜と
金属の接合に転換することが出来て、優れた接合強度を
有する金属とセラミックスの接合体をろう材を用いるこ
となく、常温ないしは300℃程度の低温で製造するこ
とが出来る効果がある。また、イオンミキシングによる
セラミックス上への金属被覆工程と、金属と金属被覆し
たセラミックスの接合工程を別工程とすることにより、
金属/セラミックス接合体作成の生産性向上、生産コス
トの低減、およびイオンミキシング装置の使用効率の向
上、装置の簡易化を図ることが出来る等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明法を実施するための装置の概念図、
【図2】 本発明法の1実施例によりセラミックスと金
属との接合工程の説明図、
【図3】 本発明法の1実施例により得られた接合体の
接合温度と引張強度との関係を示す特性線図、
【図4】 本発明法の1実施例により形成された金属被
膜とセラミックスとの付着強度とイオン電流密度との関
係を示す特性線図、
【図5】 表面に金属被膜が形成されたセラミックスと
金属とを接合するための装置の概念図、
【図6】 従来法により得られた接合体の構造説明図。
【符号の説明】
1 成膜室、 2 真空排気系、 3 セラ
ミックス、5 金属、6 金属蒸発源、 7
イオンビーム源、8 金属片、 F 金属被膜、
J 接合体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】次に、前記図1装置を用いてセラミックス
表面に金属を接合する具体的実施例について説明する。
先ず、成膜室1内の基板ホルダー4に直径5mmの窒化ケ
イ素(Si34)からなるセラミックス基板3を保持
し、また金属片ホルダー9に直径3mmの予め焼なました
銅(Cu)からなる金属片8を保持すると共に、金属蒸
発源6内に蒸発金属5として銅(Cu)を充填した状態
で該成膜室1内の圧力を真空排気系2を介して1×10
- 6Torrに設定し、該成膜室1内を該圧力に保った状態
とする。次に、アルゴン(Ar)ガスを用いた直流グロ
ー放電装置(図示なし)によりスパッタ法で金属片8の
表面にスパッタクリーニング処理を施し、金属片8表面
の酸化物や吸着物を除去した後、該成膜室1内の圧力を
再び1×10- 6Torrに維持する。次いで、セラミック
ス基板3の表面に予めイオンビーム源7でイオンビーム
電流密度を10μA/cm2とし、50keVの高エネ
ルギーに加速されたチタン(Ti+)の高速イオンビー
ムを10分間注入する。続いてイオンビームの電流密度
およびエネルギーを保ったまま金属蒸発源6で加熱した
金属5(銅、Cu)を蒸発させ、イオンビームを注入し
た前記セラミックス基板3表面に高速イオンビームと同
時に照射して、セラミックス基板3表面でイオンミキシ
ングを行って、該基板表面に金属被膜F(Cu膜)を形
成する。このイオンミキシングの過程は2段階からな
り、最初の段階では金属5の基板3表面への蒸着速度を
1Å/秒とし、25分間の照射を行う。引続きの段階で
は金属5の基板3表面への蒸着速度を15Å/秒に増加
し、45分間の照射を行い、セラミックス基板3上への
金属被膜F(Cu膜)の厚さを4μm±0.5μmとす
る。セラミックス基板3表面への金属被膜Fの形成が完
了した状態を図2(A)に示す。尚、最初段階のイオン
ミキシングの狙いはイオンミキシングを充分に行わせて
基板3に密着性に優れた金属被膜Fを形成する点にあ
る。前記セラミックス基板3表面への金属被膜Fの形成
後、直ちに金属片ホルダー9を油圧駆動系10を作動さ
せて基板ホルダー4側に前進させ、金属片ホルダー9に
保持されている金属片8をセラミックス基板3の表面に
形成されている金属被膜Fに押し付けして接合圧力12
5MPaで加圧し、該圧を30分間維持して金属片8を
セラミックス基板3の表面に接合させ、金属とセラミッ
クスの接合体Jを得た。この接合終了後の接合体Jの構
造を図2(B)に示す。尚、前記実施例では金属とセラ
ミックスとの接合に際し、セラミックス基板3および金
属片8への加熱は行っていないが、金属とセラミックス
の接合体Jの強度向上を図るために図1に示す赤外線ヒ
ーター13でセラミックス基板3および金属片8を夫々
250℃以上に加熱することが好ましい。また、セラミ
ックス基板3および金属片8への加熱昇温は製造過程上
セラミックス基板3へのイオンビーム注入を行う前から
開始し、以後接合終了まで該温度を維持する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】次に、図5装置を用いてセラミックス表面
に金属を接合する具体的実施例について説明する。先
ず、前記図1装置で図1実施例条件により図2(B)に
示すようなセラミックス基板3表面に金属被膜F(Cu
膜)を形成した後、図1装置より該セラミックス基板3
を基板ホルダー4より取り外す。次に、表面に金属被膜
Fが形成されたセラミックス基板3を図5装置の基板ホ
ルダー23に保持し、また金属片ホルダー25に予め焼
なました銅(Cu)からなる金属片8を保持すると共
に、接合室21内の圧力を真空排気系22を介して1×
10- 6Torrに設定し、該接合室21内を該圧力に保っ
た状態とする。続いてマスフローコントローラー27を
介してアルゴン(Ar)ガスを接合室21内に導入して
室内圧力を1×10- 2Torrに設定し、高圧電源26よ
り−1.5KVの直流電圧を印加し、直流グロー放電を
発生させて、金属被膜を形成されたセラミックス基板3
表面および金属片8のスパッタクリーニングを13分間
行う。スパッタクリーニング終了後直ちに接合室21へ
のアルゴンガスの供給を停止し、真空排気系22により
接合室21内の圧力を再び1×10- 6Torrに設定する
と同時に、基板ホルダー23を油圧駆動系24の作動で
前進させ、基板ホルダー23に保持されたセラミックス
基板3の金属被膜Fを金属片ホルダー25に保持された
金属片8に押し付け加圧(図5に仮想線で示す)して接
合圧力125Mpaで加圧し、該圧を30分間維持して
金属片8をセラミックス基板3の表面に接合させ、図2
(B)に示すような金属とセラミックスの接合体Jを得
た。その他の接合時における諸条件は図1装置の場合と
同一であるので省略した。前記実施例では、金属とセラ
ミックスの接合について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、セラミックス同士、例えばSi
34とSi34(同種)、または例えばSi34とSi
C(異種)の接合にも利用することができる。この場合
には、先ず、接合する両方のセラミックス基板表面に前
記実施例と同一方法で膜厚5〜10μmの金属被膜の形
成を行った後、図1装置或いは図5装置を使用して金属
片の代わりに金属被膜を形成したセラミックス基板を接
合させればよい。尚、接合時における接合圧力、加熱条
件等は接合するセラミックスにより適宜設定すればよ
く、その諸条件は前記実施例に準ずればよい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属とセラミックスを接合する接合法に
    おいて、先ず、真空中で金属元素をイオンビーム源より
    高速イオンビームにしてセラミックス表面にイオン注入
    すると同時に金属蒸発源からの蒸発金属を前記セラミッ
    クス表面に照射し、セラミックス表面でイオンミキシン
    グを行ってセラミックス表面に金属被膜を形成し、次い
    で金属片を前記金属被膜したセラミックス表面に押し付
    け加圧することにより金属とセラミックスを固相接合す
    ることを特徴とする金属とセラミックスの接合法。
  2. 【請求項2】 請求項第1項記載の金属とセラミックス
    の接合法において、イオンミキシング法により金属被膜
    したセラミックスを一度大気中に取り出し、次いで別の
    真空内に前記セラミックスを設置し、その表面をスパッ
    タ法または化学的方法でクリーニングした後、金属片を
    押し付け加圧することにより金属とセラミックスを固相
    結合することを特徴とする金属とセラミックスの接合
    法。
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