JPH05117499A - 反応性希釈剤及びそれを含有するエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

反応性希釈剤及びそれを含有するエポキシ樹脂組成物

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JPH05117499A
JPH05117499A JP31008491A JP31008491A JPH05117499A JP H05117499 A JPH05117499 A JP H05117499A JP 31008491 A JP31008491 A JP 31008491A JP 31008491 A JP31008491 A JP 31008491A JP H05117499 A JPH05117499 A JP H05117499A
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JP
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epoxy resin
dimer acid
reactive diluent
acid
ester
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Hitoshi Kikawa
仁 木川
Akira Ooishida
晃 大石田
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Lion Corp
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 鎖状ダイマー酸やそのエステル50重量%以
上を含有するダイマー酸成分あるいは該ダイマー酸成分
と一価脂肪酸やそのエステルとの混合物のグリシジルエ
ステル化物から成る反応性希釈剤、及びこの反応性希釈
剤を含有するエポキシ樹脂組成物。 【効果】 本発明の反応性希釈剤は溶媒を用いなくても
低粘度のエポキシ樹脂組成物を与えることができる。ま
た、この反応性希釈剤を含有するエポキシ樹脂組成物は
無溶媒系でもエポキシ樹脂硬化剤を均質に分散すること
ができ、良好な可とう性を有する硬化物を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な反応性希釈剤及
びこのものを含有するエポキシ樹脂組成物に関するもの
である。さらに詳しくいえば、本発明は、キシレンやア
ルコールなどの溶媒を用いなくても極めて低粘度のエポ
キシ樹脂組成物を与えうる反応性希釈剤及びこの反応性
希釈剤で希釈されたエポキシ樹脂を含み、無溶媒でもエ
ポキシ樹脂硬化剤を均質に分散することができ、可とう
性を有する樹脂硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の2分子又
はそれ以上の分子が重合反応して得られる多価カルボン
酸であって、通常2種以上の混合物として得られ、混合
物として各種の用途に供されている。このダイマー酸
は、反応性に富み、疎水性の工業的に得られる最も高分
子量の二塩基酸であり、しかもこれから誘導されるポリ
マーは非結晶性で柔軟性を有し、低温で良好な安定性を
示すことから、多くの分野で利用されている。例えばダ
イマー酸を原料として得られる非反応性のダイマー酸ポ
リアミドは強靭で、柔軟性を示し、かつ良好な接着性能
を有するので、接着剤、インク、表面コーティング剤の
成分として使用されているし、また反応性のものは、エ
ポキシ樹脂硬化剤としてエポキシ樹脂に配合され、金
属、プラスチック、セラミックスなどの表面コーティン
グ用として、あるいは二液反応型接着剤などに用いられ
ている。
【0003】このようなダイマー酸は、これまでモンモ
リロナイト系白土を触媒として用い、不飽和樹脂酸を2
00〜250℃程度の高温下で二量化する方法により製
造されている。この方法においては、一般にトランス二
重結合が共役することにより、熱重合速度が増加するこ
とから、リノール酸含有率の高いトール油脂肪酸や大豆
油脂肪酸が原料として使用され、その工業的プロセスが
標準化されている。
【0004】ところで、このような方法によりダイマー
酸を製造すると、原料中に含まれるリノール酸が二量化
して、式
【化4】 で表わされる鎖状ダイマー酸のほかに、式
【化5】 及び
【化6】 で表わされる環状ダイマー酸を含む混合物が得られる。
【0005】しかしながら、環状ダイマー酸の含有量が
多いと、粘度や流動点が高くなるため、例えばエピクロ
ルヒドリンと反応して得られるグリシジルエステル化物
は溶融粘度が高く、これをエポキシ樹脂の反応性希釈剤
として使用する場合、多量に用いる必要があり、その結
果得られるエポキシ樹脂は耐衝撃性や高温安定性に劣る
ものになる。
【0006】そのため、他のポリカルボン酸グリシジル
エステルを反応性希釈剤として含有するエポキシ樹脂組
成物が開示されている(特開昭56−63975号公
報、特開昭56−143214号公報)。しかしなが
ら、該反応性希釈剤は製造工程が煩雑であって、製造コ
ストが高くつくのを免れないという欠点を有している。
【0007】ところで、一般に、同一炭素鎖長の炭化水
素においては、分子内に環状構造を有する化合物は、そ
の立体的な特性から、鎖状構造化合物に比べ融点及び粘
度が高いことが知られている。また、オレイン酸78重
量%を含有する不飽和脂肪酸を原料として用い、モンモ
リロナイト触媒の存在下、約250℃の温度において縮
合させると、環状構造のものが減少し、直鎖状ダイマー
酸40重量%を含有するダイマー酸組成物が得られるこ
とが報告されているが[「ジャーナル・オブ・アメリカ
ン・オイル・ケミスツ・ソサエティ(J.Am.Oil
Chemist’s Soc.)」第51巻、第52
2ページ(1974年)]、これまで鎖状ダイマー酸の
含有量を50重量%以上にする方法は知られていなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のもの
に比べて低粘度であって、キシレンやアルコールなどの
溶媒を用いなくても極めて低粘度のエポキシ樹脂組成物
を与えうる安価な反応性希釈剤及びこの反応性希釈剤を
含有し、無溶媒系でもエポキシ樹脂硬化剤を均質に分散
することができ、可とう性を有する樹脂硬化物を与える
エポキシ樹脂組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先に特定
の原料を、特定の条件下で二量化させることにより鎖状
ダイマー酸又はそのエステルあるいはその両方を50重
量%以上含有し、低粘度で、低温流動性の良好なダイマ
ー酸混合物を得ることに成功したが(特願平2−184
294号)、さらに研究を重ねた結果、このダイマー酸
混合物をエピクロルヒドリンでグリシジルエステル化し
たものを反応性希釈剤として用いることにより、その目
的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、一般式
【化7】 (式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は低級アル
キル基であって、これらはたがいに同一でも異なってい
てもよく、m,n,p及びqはそれぞれ0又は1以上の
整数であり、m+n=13、p+q=15である)で表
わされる鎖状ダイマー酸及びそのエステルの中から選ば
れた少なくとも1種を50重量%以上含有するダイマー
酸成分のグリシジルエステル化物及び該ダイマー酸成分
と一般式
【化8】 (式中のRは炭素数5〜21の飽和又は不飽和炭化水
素基、Rは水素原子又は低級アルキル基である)で表
わされる一価脂肪酸及びそのエステルの中から選ばれた
少なくとも1種との混合物のグリシジルエステル化物か
ら成る反応性希釈剤及びこの反応性希釈剤を含有して成
るエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0011】本発明において用いられるダイマー酸成分
は、前記一般式(I)で表わされる鎖状ダイマー酸、そ
のモノエステル及びジエステルの中から選ばれた少なく
とも1種を50重量%以上の割合で含有することが必要
である。この量が50重量%未満では本発明の目的が十
分に達せられない。また、このダイマー酸の製造の際
に、副生物としてトリマー酸やそのエステルを生成する
ことがあるが、このようなものを含有したまま用いても
よい。
【0012】前記のダイマー酸成分としては、炭素数1
8の不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸やそ
の低級アルキルエステル、例えばメチルエステル、エチ
ルエステル、n‐プロピルエステル、イソプロピルエス
テル、n‐ブチルエステル、tert‐ブチルエステル
の二量体を挙げることができる。これらは単独成分でも
よいし、2種以上を含む混合成分でもよい。
【0013】該ダイマー酸成分は、前記不飽和脂肪酸や
そのエステルを高酸強度のルイス酸型又はブレンステッ
ド酸型触媒の存在下に重合させ、さらにエステルを原料
とした場合には加水分解することにより得られるが、特
に原料として、オレイン酸やその低級アルキルエステル
70重量%以上を含有する不飽和脂肪酸やその低級アル
キルエステルを用いて得られたものが好適である。
【0014】このようにして得られたダイマー酸成分
は、通常未反応成分や副生する分枝脂肪酸などのモノマ
ー成分を含有しているため、これらを減圧蒸留によって
除去し、次いで蒸留残さを分子蒸留することにより、精
製して用いてもよいし、該モノマー成分が含有された状
態で用いてもよい。
【0015】本発明の反応性希釈剤は、このようにして
得られたダイマー酸成分をエピクロルヒドリンを用いて
グリシジルエステル化することにより得られるが、この
場合、必要に応じ該ダイマー酸成分に、前記一般式(I
I)で表わされる一価脂肪酸やそのエステルを混合し、
グリシジルエステル化してもよい。
【0016】該一価脂肪酸やそのエステルとしては、例
えばカプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、ミリストレイン酸、
パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノー
ル酸やそれらのメチルエステル、エチルエステル、n‐
プロピルエステル、イソプロピルエステル、n‐ブチル
エステル、イソブチルエステル、tert‐ブチルエス
テルなどがある。これらは1種用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】本発明の反応性希釈剤は、ダイマー酸成分
又はダイマー酸成分と前記一価脂肪酸やそのエステルと
の混合物に、触媒の存在下エピクロルヒドリンを、遊離
又はエステル化されたカルボキシル基1モルに対し、通
常3〜20モル、好ましくは5〜10モルの割合になる
ように加え、通常80〜150℃、好ましくは90〜1
20℃の範囲の温度において、0.5〜3時間程度反応
させることにより、製造することができる。
【0018】前記触媒としては、例えば第三級アミンや
第四級アンモニウム塩などが用いられる。第三級アミン
としては、例えばトリエチルアミン、トリ‐n‐プロピ
ルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールア
ミンなどが挙げられ、第四級アンモニウム塩としては、
例えばテトラメチル水酸化アンモニウム、ベンジルトリ
メチル水酸化アンモニウム、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
リド、ベンジルトリメチルアンモニウムアセテート、メ
チルトリエチルアンモニウムクロリドなどが挙げられ
る。
【0019】これらの触媒は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよく、またその使用量は酸
成分とエピクロルヒドリンとの合計量に対し、通常0.
02〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.6重量%
の範囲で選ばれる。
【0020】反応生成物は、水酸化アルカリなどで処理
し、脱塩酸したのち、慣用の分離手段、例えばろ過、溶
媒抽出、洗浄、蒸留、再結晶などにより、グリシジルエ
ステルを単離精製する。
【0021】このようにして得られたグリシジルエステ
ル化物は従来のものに比べて極めて低粘度であり、この
ものを反応性希釈剤として用いたエポキシ樹脂組成物
は、溶媒を用いなくても低粘度であって、エポキシ樹脂
硬化剤を容易に均質に分散することができる。
【0022】本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる
未硬化エポキシ樹脂については特に制限はなく、例えば
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシノボラック
樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、臭
素化エポキシ樹脂など、1分子中に少なくとも2個のエ
ポキシ基を有するものが用いられる。
【0023】
【発明の効果】本発明の反応性希釈剤は鎖状ダイマー酸
のグリシジルエステルを主成分とし、低粘度で安価であ
るので有利である。本発明の反応性希釈剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物は低粘度であるため溶媒を用いる必要
がなく、人体に対する悪影響や環境汚染をもたらすこと
がない上、作業性が良く、また諸特性の向上した硬化物
を与えることができる。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば強
化樹脂材料、電気絶縁材料、塗料、接着剤、土木・建築
材料などの用途に好適に用いられる。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0026】実施例1 原料として、一般式(I)で示される鎖状ダイマー酸5
8重量%を含有するダイマー酸組成物を用い、これに、
そのカルボキシル基に対してエピクロルヒドリンを5倍
モル及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリドをダ
イマー酸組成物とエピクロルヒドリンとの合計量に対し
て0.5重量%添加し、窒素雰囲気下、100℃で1時
間反応を行った。
【0027】次に、カルボキシル基に対し、1.1倍モ
ルの水酸化ナトリウムを含む50重量%水溶液を加え、
105℃で0.5時間保持したのち、急冷し、析出した
塩化ナトリウムをろ別後、過剰のエピクロルヒドリンを
水とともに共沸蒸留し、次いでトルエンを加え、水洗し
ながら抽出操作を行った。トルエン層は無水硫酸ナトリ
ウムで脱水したのち、減圧蒸留により完全にトルエンを
除去することにより、反応性希釈剤を製造した。
【0028】次にエポキシ当量190のエポキシ樹脂
(エピコート828、油化シェルエポキシ社製)75重
量部に前記反応性希釈剤25重量部を添加してかきま
ぜ、透明な低粘度のエポキシ樹脂組成物を調製した。こ
の組成物にエポキシ樹脂硬化剤を添加して硬化させたと
ころ、可とう性のある硬化物が得られた。
【0029】実施例2〜8、比較例1〜3 表1に示す種類と量の原料を用い、実施例1と同様にし
て実施した。その結果を表1に示す。実施例2〜8では
いずれも可とう性のある硬化物が得られた。
【0030】
【表1】
【0031】注1)カルボキシル基に対するモル比 2)A:ベンジルトリエチルアンモニムクロリド B:トリエチルアミン 3)エポキシ当量190のエポキシ樹脂(エピコート8
28、油化シェルエポキシ社製)75重量部に生成物2
5重量部を添加して測定
【0032】実施例9 実施例1で用いたダイマー酸組成物の代りに、該ダイマ
ー酸組成物をメチルエステル化したものを用いた以外
は、実施例1と同様にして実施したところ、可とう性の
ある硬化物が得られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は低級アル
    キル基であって、これらはたがいに同一でも異なってい
    てもよく、m,n,p及びqはそれぞれ0又は1以上の
    整数であり、m+n=13、p+q=15である)で表
    わされる鎖状ダイマー酸及びそのエステルの中から選ば
    れた少なくとも1種を50重量%以上含有するダイマー
    酸成分のグリシジルエステル化物から成る反応性希釈
    剤。
  2. 【請求項2】 (A)一般式 【化2】 (式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は低級アル
    キル基であって、これらはたがいに同一でも異なってい
    てもよく、m,n,p及びqはそれぞれ0又は1以上の
    整数であり、m+n=13、 p+q=15である)で
    表わされる鎖状ダイマー酸及びそのエステルの中から選
    ばれた少なくとも1種を50重量%以上含有するダイマ
    ー酸成分と、(B)一般式 【化3】 (式中のRは炭素数5〜21の飽和又は不飽和炭化水
    素基、Rは水素原子又は低級アルキル基である)で表
    わされる一価脂肪酸及びそのエステルの中から選ばれた
    少なくとも1種との混合物のグリシジルエステル化物か
    ら成る反応性希釈剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の反応性希釈剤及びそれに
    より希釈されたエポキシ樹脂から成るエポキシ樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の反応性希釈剤及びそれに
    より希釈されたエポキシ樹脂から成るエポキシ樹脂組成
    物。
JP31008491A 1991-10-30 1991-10-30 反応性希釈剤及びそれを含有するエポキシ樹脂組成物 Pending JPH05117499A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06273631A (ja) * 1993-03-18 1994-09-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光導波路

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06273631A (ja) * 1993-03-18 1994-09-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光導波路

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